JP5103646B2 - 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5103646B2
JP5103646B2 JP2007309330A JP2007309330A JP5103646B2 JP 5103646 B2 JP5103646 B2 JP 5103646B2 JP 2007309330 A JP2007309330 A JP 2007309330A JP 2007309330 A JP2007309330 A JP 2007309330A JP 5103646 B2 JP5103646 B2 JP 5103646B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peeling
printing
paper
plate
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007309330A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009132011A (ja
Inventor
正紀 ▲高▼橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP2007309330A priority Critical patent/JP5103646B2/ja
Publication of JP2009132011A publication Critical patent/JP2009132011A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5103646B2 publication Critical patent/JP5103646B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)

Description

本発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を孔版原紙から剥離する用紙剥離装置、用紙剥離方法であって、剥離を行うために版胴に向けて送風する送風手段を用いる用紙剥離装置、用紙剥離方法、及びこれらを用いた印刷装置、印刷方法に関する。
従来より、例えば同一の画像を多数枚の用紙に形成するのに有用な装置として、印刷装置が広く用いられている。かかる印刷装置の一種として、孔版印刷装置が広く知られている。孔版印刷装置は、回転する版胴に製版された孔版原紙を巻装し、版胴に巻装された孔版原紙に用紙を押圧することで、孔版原紙側からインキを用紙に転写して印刷を行う。
印刷済みの用紙は、孔版印刷装置から排出し、また連続印刷を可能とするために、インキの粘性に抗して孔版原紙から剥離する必要がある。よって、〔特許文献1〕〜〔特許文献3〕等において開示されているように、剥離爪を孔版原紙と用紙の先端との間に進入させ、版胴の回転に伴って、用紙を孔版原紙から剥離する剥離装置を備えた孔版印刷装置が知られている。
また、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕等に開示されているように、剥離爪に加えて、用紙を孔版原紙からさらに良好に剥離すべく、版胴に向けて送風を行い、空気を孔版原紙と用紙との間に進入させる剥離ファンを備えた剥離装置が知られている。なお、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕に記載の剥離ファンは、印刷画像面積に応じて、送風量を調整するものとなっている。
一方、〔特許文献3〕等において開示されているように、両面に印刷を行うことが可能な孔版印刷装置において、剥離爪を、図13に示すごとく、版胴312の回転方向R’に沿って複数備えた剥離装置が知られている。なお、同図において、符号310、384は剥離爪、符号313はプレスローラ、符号340は剥離ファン、符号364は孔版原紙を示している。
〔特許文献3〕によって開示された剥離装置が剥離爪を複数備えているのは、孔版原紙から剥離した用紙をそのまま排紙するための剥離爪(図13における剥離爪384)と、孔版原紙から剥離した用紙を反転させたうえで再度給紙し、両面印刷を行うための剥離爪(図13における剥離爪310)とを別個に備えているためである。なお、〔特許文献3〕記載の印刷装置では、版胴の回転方向に沿って孔版原紙に2つの製版画像を形成可能となっており、各製版画像により用紙の表裏に印刷を行うことで両面印刷が行われるようになっている。
特開平9−193526号公報 特開2004−50564号公報 特開2003−266906号公報
しかし、用紙を孔版原紙からさらに良好に剥離すべく、〔特許文献3〕によって開示された剥離装置に、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕に記載の剥離ファンをそのまま転用しても、用紙の剥離性能が不十分となる可能性が高い。これは、版胴の回転方向において上流側ほど、言い換えると用紙を孔版原紙に押圧する押圧位置に近いほど、用紙が孔版原紙から剥離しにくいにもかかわらず、かかる剥離ファンは印刷画像面積に応じて送風量を調整するに過ぎないため、押圧位置に近い剥離爪では用紙の剥離性能不足になりやすいことに起因する。このような不具合は、両面印刷可能な孔版印刷装置に限らず、剥離爪を版胴の回転方向に沿って複数備えた構成において総じて生じ得る。
また、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕に記載の剥離ファンのように、版胴に向けて送風を行うと、図13に示すように、孔版原紙364が版胴312に対してしわを生じた状態となるおそれがある。
例えば、〔特許文献3〕記載の印刷装置では、版胴の回転方向に沿って孔版原紙に2つの製版画像を形成して両面印刷を行う場合、孔版原紙に用紙を押圧することで孔版原紙を版胴に密着させる版付けを、同回転方向下流側の製版画像に対応する部分と、同回転方向上流側の製版画像に対応する部分とについて、それぞれ分離したタイミングで行うようになっている。そのため、後者の部分は、版付けを行われる前に、版胴の回転に伴って、剥離ファンによる送風を受ける。このとき、たとえば図13に示すように、この後者の部分すなわち版胴312に未だ密着していない部分が送風によってあおられることで孔版原紙364にしわや折れが生じ、孔版原紙364は、この状態で、インキの付着によって粘性を有する版胴312の表面に貼り付いてしまうのである。
孔版原紙364がかかる状態で張り付くと、その後の版付けで孔版原紙364が乱れた状態で版胴312表面に押し当てられるため、このような孔版原紙364を版胴312に巻装した状態で印刷を行えば、異常画像が繰り返し印刷されることとなってしまう。
よって、版胴に向けて行う送風は、孔版原紙にしわ等の不具合が生じないようにする必要がある。
本発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離装置、用紙剥離方法であって、送風手段による、版胴に向けた送風を、その剥離性能を良好に発揮するとともに、孔版原紙への不具合を回避しつつ、適切に行う用紙剥離装置、用紙剥離方法、及びこれらを用いた印刷装置、印刷方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離装置であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを有する用紙剥離装置において、前記送風手段による送風の強さを、複数の前記剥離部材のうち前記回転方向において上流側に位置する前記剥離部材で前記剥離動作を行うときほど強くする用紙剥離装置にある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の用紙剥離装置において、前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱めることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の用紙剥離装置において、前記回転方向に沿って1つの製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行う第1の剥離モードと、前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について複数の前記剥離部材を順次用いて前記剥離動作を行う第2の剥離モードとを有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の用紙剥離装置において、第1の剥離モードが片面印刷に用いられるモードであり、第2の剥離モードが両面印刷に用いられるモードであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の用紙剥離装置において、第1の剥離モードが、前記版胴の1回転につき1枚の用紙に印刷を行う通常印刷に用いられるモードであり、第2の剥離モードが、前記版胴が1回転につき複数枚の用紙に印刷を行う高速印刷に用いられるモードであることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離装置であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを有する用紙剥離装置において、前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行うとき、前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱める用紙剥離装置にある。
請求項7記載の発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離方法であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを用いる用紙剥離方法において、前記送風手段による送風の強さを、前記剥離動作を行う前記剥離部材が前記回転方向において上流側に位置するほど強くする用紙剥離方法にある。
請求項8記載の発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離方法であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを用いる用紙剥離方法において、前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行うとき、前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱める用紙剥離方法にある。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし6の何れか1つに記載の用紙剥離装置、または、請求項7又は8記載の用紙剥離方法を用いる印刷装置にある。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし6の何れか1つに記載の用紙剥離装置、または、請求項7又は8記載の用紙剥離方法、または、請求項9記載の印刷装置を用いる印刷方法にある。
本発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離装置であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを有する用紙剥離装置において、前記送風手段による送風の強さを、複数の前記剥離部材のうち前記回転方向において上流側に位置する前記剥離部材で前記剥離動作を行うときほど強くする用紙剥離装置にあるので、送風手段による送風の強さを剥離動作の必要に応じた強さとすることができ、その剥離性能を良好に発揮することができるとともに、送風手段の駆動に要するエネルギー及び送風によって生じる騒音を抑制することができ、良好な印刷に寄与することができる用紙剥離装置を提供することができる。
前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱めることとすれば、送風手段による送風の強さを剥離動作の必要に応じた強さとすることができ、その剥離性能を良好に発揮することができるとともに、送風手段の駆動に要するエネルギー及び送風によって生じる騒音を抑制することができ、また版付けを良好に行うことができ良好な印刷に寄与することができる用紙剥離装置を提供することができる。
前記回転方向に沿って1つの製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行う第1の剥離モードと、前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について複数の前記剥離部材を順次用いて前記剥離動作を行う第2の剥離モードとを有することとすれば、第2の剥離モードにおいて特に送風手段による送風の強さを剥離動作の必要に応じた強さに調整することができ、その剥離性能を良好に発揮することができるとともに、送風手段の駆動に要するエネルギー及び送風によって生じる騒音を抑制することができ、良好な印刷に寄与することができる用紙剥離装置を提供することができる。
第1の剥離モードが片面印刷に用いられるモードであり、第2の剥離モードが両面印刷に用いられるモードであることとすれば、第2の剥離モードが用いられる両面印刷において特に送風手段による送風の強さを剥離動作の必要に応じた強さに調整することができ、その剥離性能を良好に発揮することができるとともに、送風手段の駆動に要するエネルギー及び送風によって生じる騒音を抑制することができ、良好な両面印刷に寄与することができる用紙剥離装置を提供することができる。
第1の剥離モードが、前記版胴の1回転につき1枚の用紙に印刷を行う通常印刷に用いられるモードであり、第2の剥離モードが、前記版胴が1回転につき複数枚の用紙に印刷を行う高速印刷に用いられるモードであることとすれば、第2の剥離モードが用いられる高速印刷において特に送風手段による送風の強さを剥離動作の必要に応じた強さに調整することができ、その剥離性能を良好に発揮することができるとともに、送風手段の駆動に要するエネルギー及び送風によって生じる騒音を抑制することができ、良好な高速印刷に寄与することができる用紙剥離装置を提供することができる。
本発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離装置であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを有する用紙剥離装置において、前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行うとき、前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱める用紙剥離装置にあるので、搬送手段による送風によって、孔版原紙の、版胴に未押圧の部分に、版胴に対する巻装の乱れが生じることを防止ないし抑制でき、これによって版付けを良好に行うことができ、良好な印刷に寄与することができる用紙剥離装置を提供することができる。
本発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離方法であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを用いる用紙剥離方法において、前記送風手段による送風の強さを、前記剥離動作を行う前記剥離部材が前記回転方向において上流側に位置するほど強くする用紙剥離方法にあるので、送風手段による送風の強さを剥離動作の必要に応じた強さとすることができ、その剥離性能を良好に発揮することができるとともに、送風手段の駆動に要するエネルギー及び送風によって生じる騒音を抑制することができ、良好な印刷に寄与することができる用紙剥離方法を提供することができる。
本発明は、回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離方法であって、前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを用いる用紙剥離方法において、前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行うとき、前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱める用紙剥離方法にあるので、搬送手段による送風によって、孔版原紙の、版胴に未押圧の部分に、版胴に対する巻装の乱れが生じることを防止ないし抑制でき、これによって版付けを良好に行うことができ、良好な印刷に寄与することができる用紙剥離方法を提供することができる。
本発明は、かかる用紙剥離装置、または、かかる用紙剥離方法を用いる印刷装置にあるので、送風手段による送風の強さを適切な強さとすることができ、用紙の巻き上がりや印刷画像の乱れを防止ないし抑制して良好な印刷を行うことができる印刷装置を提供することができる。
本発明は、かかる用紙剥離装置、または、かかる用紙剥離方法、または、かかる印刷装置を用いる印刷方法にあるので、送風手段による送風の強さを適切な強さとすることができ、用紙の巻き上がりや印刷画像の乱れを防止ないし抑制して良好な印刷を行うことができる印刷方法を提供することができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。また、図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。
図1は、本発明の一実施形態を適用した印刷装置としての孔版印刷装置である両面印刷装置1を示している。同図において、両面印刷装置1は、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、再給紙貯容手段としての再給紙トレイ8、再給紙手段9、切換手段としての切換部材10等を有しているとともに、図9に示すように、両面印刷装置1に対する各種設定を行うための入力手段としての操作パネル103と、図10に示すように、両面印刷装置1全体の動作を制御する制御手段200とを有している。
図1において、符号11は、両面印刷装置1の骨組みをなす印刷装置本体を示す。印刷部2は、印刷装置本体11の略中央に配設され外周部に版胴としての印刷ドラム12と押圧手段としてのプレスローラ13とを有している。
印刷ドラム12は、支軸14に回転自在に支持された図示しない一対のフランジと、各フランジの外周面に巻着された円筒状の多孔性支持板からなる版胴本体と、版胴本体の外周面に巻着された図示しないメッシュスクリーンとから主に構成されている。版胴本体には、インキ通過性の多数の開孔が開けられた印刷可能な画像形成領域(以下、「開口部」という)と、クランパ19配置部の非画像形成領域(以下、「非開口部」という)とが、印刷ドラム12の回転方向Rに沿って形成されている。画像形成領域は、図1中の印刷ドラム12における第1の画像領域12A(以下、「表面領域12A」という)と、中間領域12Sと、第2の画像領域12B(以下、「裏面領域12B」という)とを少なくとも含む領域である。
印刷ドラム12は、例えばDCモータからなるメインモータを含む、図10に示す印刷ドラム駆動手段121によって図1中時計回り方向である方向Rに回転駆動される。印刷ドラム12は、後述するインキ供給手段15、図示しないインキポンプおよび図示しないインキ容器支持部材等を含めて実質的に一体である、印刷装置本体11に対して着脱自在な図示しないドラムユニットの構成部品として構成されている。本実施形態において印刷ドラム12は、片面印刷時において最大でA3サイズの印刷物を得ることが可能な大きさのである。
印刷ドラム12の内部には、単一のインキ供給手段15が配設されている。インキ供給手段15は、インキ供給パイプを兼ねた支軸14、インキローラ16、ドクターローラ17等を有している。インキローラ16は、印刷ドラム12内に設けられた図示しない側板間に回転自在に支持されており、その周面を印刷ドラム12の版胴本体内周面(以下、単に「印刷ドラム12の内周面」という)に近接して配置され、図示しない駆動手段によって印刷ドラム12と同方向に回転駆動される。ドクターローラ17も上記側板間に回転自在に支持されており、その周面をインキローラ16の周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって印刷ドラム12とは逆方向に回転駆動される。支軸14には複数の小さな孔が開けられており、支軸14から供給されたインキが、インキローラ16とドクターローラ17との近接部に形成される断面楔形状の空間に溜まることにより、インキ溜まり18が形成される。
印刷ドラム12の版胴本体外周面(以下、単に「印刷ドラム12の外周面」という)上には、印刷ドラム12の外周面の一母線に沿って平面をなして形成された図示しないステージ部と、該ステージ部に対して開閉可能に設けられ印刷ドラム12の外周面上に製版部3で穿孔製版されたマスタの先端を保持するクランパ19とが配設されている。クランパ19は、印刷ドラム12が所定の位置まで回転されたときに図示しない開閉手段によって開閉される。
印刷ドラム12の下方には、印刷ドラム12の外周面に対して接離自在なプレスローラ13が配設されている。プレスローラ13は、金属製の軸13aにゴム等の弾性体を一体的に固着して構成されており、印刷ドラム12の軸方向に延在して設けられている。プレスローラ13は、図2に示すように、軸13aの両端部を介して、紙面の手前側および奥側に配設された押圧手段支持部材としての一対の印圧アーム20(紙面の手前側は省略されている)によって回転自在に支持されている。各印圧アーム20は、略L字形状をなし、その曲折部近傍の部位に取り付けられた揺動軸21および図示しない連結補強部材によってそれぞれ一体化されている。揺動軸21は、図6に示すように、印刷装置本体11側に固設された筐体側板11a,11b(図6の右側の筐体側板11aは省略されている)間に軸受48bを介して回動自在に支持されている。プレスローラ13は、耐油性を有する弾性体である例えばニトリルゴム(NBR)またはシリコーンゴム(Q)で形成されていて、少なくとも該ゴムの外周表面には、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の撥インキ性かつ耐油性を有する被膜が平滑にコーティングされている。
各印圧アーム20間には、プレスローラ13の他、再給紙案内部材22、再給紙レジスト手段としての再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送手段25、クリーニング手段としてのクリーニングローラ26、ガイド板27等が設けられている。
再給紙案内部材22は、プレスローラ13の右方近傍に配設された各支軸28a,29a,30a上にそれぞれ一体的に設けられそれぞれの周面をプレスローラ13の外周周面に圧接させた複数のローラ28,29,30と、用紙Pをプレスローラ13の外周周面に沿わせるための曲面状に形成された用紙ガイド板31とを有している。各支軸28a,29a,30aは、それぞれの両端部を各印圧アーム20に回転自在に支持されており、図示しない付勢手段によってそれぞれ軸13aに向けて付勢されている。各ローラ28,29,30は、対応する支軸28a,29a,30aに、プレスローラ13の略全幅にわたってそれぞれ所定の間隔をもって一体的に取り付けられている。用紙ガイド板31は、プレスローラ13の周面から各ローラ28,29,30の半径よりも小さな距離である所定距離だけ離れた位置に配設されており、その両端部を各印圧アーム20に固着されている。用紙ガイド板31は、軸13aを中心とした円周曲面となるように形成されており、用紙ガイド板31には、各ローラ28,29,30の周面をプレスローラ13の周面に当接させるための複数の開口部が形成されている。
プレスローラ13の下方には、再給紙レジスト部材である串刺しローラ状(以下、「コロ状」という)の再給紙レジストローラ23が配設されている。再給紙レジストローラ23は、支軸23aに回転自在に支持されており、その支軸23aは再給紙レジスト支持部材としての揺動アーム32の一端部に取り付けられている。揺動アーム32は、略へ字形状をなし、各印圧アーム20間に固設された支軸32aにその曲折部を揺動自在に支持されている。揺動アーム32の配設位置は、再給紙レジストローラ23がプレスローラ13の幅方向の略中央部に位置し、かつ、自身が各ローラ30の配設位置の中間に位置するように定められている。揺動アーム32の他端部には、図示しないブラケットを介して一方の印圧アーム20に取り付けられたソレノイド33のプランジャ33aと、一端を一方の印圧アーム20に固着され揺動アーム32に対して支軸32aを中心に図2において反時計回り方向への回動付勢力を付与する引張ばね34の他端とが取り付けられている。この構成により、ソレノイド33へ通電されてこれが作動すると、再給紙レジストローラ23はその周面を所定の圧接力でプレスローラ13の周面に圧接する図2に実線で示す圧接位置を占め、ソレノイド33への通電が遮断されこの作動が解除されると、引張ばね34の付勢力によって再給紙レジストローラ23はその周面がプレスローラ13の周面から離間する図2に二点鎖線で示す非印刷位置を占める。上記構成のとおり、揺動アーム32、支軸32a、ソレノイド33および引張ばね34によって再給紙レジスト接離手段としての再給紙レジスト接離機構40が構成されている。
再給紙レジストローラ23の上方近傍には、再給紙位置決め部材24が配設されている。再給紙位置決め部材24は、断面L字形状をなす板材からなり、その幅はプレスローラ13の幅と略同じとなるように形成されている。再給紙位置決め部材24は、そのストッパ部24aが上方を向く態様で両端部を各印圧アーム20に固着されている。再給紙位置決め部材24には、再給紙レジストローラ23の揺動時に衝突しないための図示しない切欠部(逃げ)が形成されている。
プレスローラ13の下方であって再給紙位置決め部材24の左方には、ベルト式の吸引搬送装置とも呼ばれる再給紙搬送手段25が配設されている。再給紙搬送手段25は、搬送部材本体35、再給紙トレイ8、駆動ローラ36、従動ローラ37、無端ベルト38、吸引ファン39等を有している。
搬送部材本体35は、その上面が開放され、その幅が各印圧アーム20間の間隔よりも若干小さくなるように形成された筐体をなしている。搬送部材本体35は、用紙搬送方向Xa上流側および下流側の両側面に図示しない軸受を有しており、これらの図示しない軸受は、駆動軸36aおよび従動軸37aをそれぞれ回転自在に支持している。駆動軸36aは、その両端部が搬送部材本体35の両側面を貫通しており、貫通した両端部は印刷装置本体11に設けられた図示しない軸受部材によって回転自在に支持されている。また、駆動軸36aの一端には、図示しない駆動ギヤが取り付けられている。駆動軸36aは、印刷装置本体11に設けられた図10に示す搬送部材駆動モータ122によって回転駆動される。従動軸37aは、その両端部が搬送部材本体35の両側面を貫通しないように構成されている。搬送部材本体35における用紙搬送方向Xa上流側端部の両側面外側には、ボス35aがそれぞれ一体的に設けられており、各ボス35aは各印圧アーム20に形成された図示しない長孔にそれぞれ嵌合されている。この構成により、搬送部材本体35は、後述する印圧範囲可変手段55によってプレスローラ13が印刷ドラム12に対して接離される際に、各印圧アーム20の揺動に伴って駆動軸36aを中心とした揺動が可能となっている。
複数の駆動ローラ36は、コロ状をなし、それぞれ駆動軸36aに一体的に取り付けられており、各駆動ローラ36間にはそれぞれ所定の間隔が設けられている。複数の従動ローラ37は、駆動ローラ36と同形状であり、各駆動ローラ36と同間隔でそれぞれ従動軸37aに一体的に取り付けられている。各駆動ローラ36とこれに対応した各従動ローラ37との間には、図示しない複数の穴部を有する無端ベルト38が所定の張力で掛け渡されている。無端ベルト38は、ゴム等の摩擦抵抗部材からなり、搬送部材駆動モータ122によって駆動軸36aが回転駆動されることにより図2に矢印で示す方向に移動される。
搬送部材本体35の下面には、伝動モータを内蔵した吸引ファン39が一体的に取り付けられており、搬送部材本体35の上面には、再給紙トレイ8が一体的に取り付けられている。再給紙トレイ8は、印刷部2においてその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に貯容する再給紙貯容手段としての機能を有する。再給紙トレイ8には、各無端ベルト38を用紙搬送面に臨ませるための図示しない複数の開口部が形成されており、その用紙搬送方向Xa下流側端部には搬送される図示しない表面印刷済み用紙を受け止めるためのエンドフェンス8aが一体的に形成されている。搬送部材本体35の下面は、吸引ファン39の取付面となっており、この取付面には図示しない穴部が設けられている。これにより、吸引ファン39が作動することで筐体である搬送部材本体35の内部に負圧を発生させ、移動する各無端ベルト38の上面に上記表面印刷済み用紙を吸引させる。吸引ファン39の吸引力および無端ベルト38の摩擦抵抗力は、上記表面印刷済み用紙の先端が再給紙位置決め部材24のストッパ部24aに当接した際に、上記表面印刷済み用紙と各無端ベルト38との間で滑りが発生する程度の強さにそれぞれ設定されている。換言すれば、上記吸引力および上記摩擦抵抗力により過大な搬送力が生じると、上記表面印刷済み用紙の先端がストッパ部24aに当接した際に、上記表面印刷済み用紙の腰の強さに打ち勝って、その表面印刷済み用紙を座屈させたり撓みを発生させたりするので、これらの問題を生じない程度に上記吸引力および上記摩擦抵抗力がそれぞれ設定されている。
上述した構成のとおり、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、および再給紙搬送手段25によって、再給紙トレイ8に貯容された上記表面印刷済み用紙を反転させて印刷部2に向けて再給紙する再給紙手段9が構成されている。
プレスローラ13の近傍であって再給紙搬送手段25の上方に位置する部位には、プレスローラ13の周面をクリーニングするクリーニングローラ26が配設されている。クリーニングローラ26は、プレスローラ13の幅と略同じ幅を有し、少なくともその表面が和紙やスポンジ等の吸湿性の高い材質によって構成されており、その中心に軸26aを一体的に有している。クリーニングローラ26は、軸26aを各印圧アーム20に形成された図示しない長孔に嵌合されることで回転自在に支持されており、上記長孔内に設けられた図示しない付勢手段によって常にプレスローラ13に向けて付勢され、その周面をプレスローラ13の周面に所定の圧接力で常時圧接されている。クリーニングローラ26は、一方の印圧アーム20に設けられた図示しないクリーニングローラ駆動手段によって、プレスローラ13の回転時においてプレスローラ13と同方向に、プレスローラ13の周速度の10分の1程度の周速度で回転駆動される。
クリーニングローラ26の左上方には、板材からなるガイド板27が配設されている。ガイド板27は、その両端部を各印圧アーム20に固設されており、プレスローラ13によって印刷ドラム12に圧接された用紙Pがクリーニングローラ26に触れないように、かつ、再給紙トレイ8に向かうように案内する機能を有する。ガイド板27は、プレスローラ13およびクリーニングローラ26の周面に近接する位置に配設されている。
図2および図3に示すように、各印圧アーム20においてプレスローラ13が支持された一端側と対向する他端側には、それぞれ回転自在なカムフォロア41が互いに外側を向く態様で配設されている。また、揺動軸21とカムフォロア41との略中央部の各印圧アーム20には、その一端を印刷装置本体11に固着された印圧ばね42の他端がそれぞれ取り付けられている。これにより、各印圧アーム20は、揺動軸21を中心に図2および図3において時計回り方向への回動付勢力をそれぞれ付与されている。
各カムフォロア41の左方近傍には、図6を参照して後述するように、多段カムとも呼ばれる圧解除カム組体43が配設されている。圧解除カム組体43は、カム軸44の一端部寄りの部分に一体的に取り付けられている。カム軸44の両端部は、筐体側板11a,11b間に軸受48aを介して回転可能かつ図6の左右方向に移動可能言い換えると摺動可能に支持されている。カム軸44の一端には、駆動ギヤ45が一体的に取り付けられている。カム軸44の一端近傍には、図示しない軸受を介して筐体側板11bに回転自在に支持された支軸46が設けられている。支軸46の端部には、印刷ドラム12を回転駆動する印刷ドラム駆動手段121からの回転力を伝達され、常に駆動ギヤ45と噛み合う歯幅の長い伝達ギヤ47が一体的に取り付けられている。したがって、圧解除カム組体43は、伝達ギヤ47およびこれと噛み合っている駆動ギヤ45を介して、印刷ドラム駆動手段121からの回転力を伝達され、図2において時計回り方向に回転駆動される。
図2ないし図6を参照して、圧解除カム組体43を始めとしてプレスローラ13の印圧範囲を決定している手段・機構周りの詳細構成について説明する。図2および図3において、各印圧アーム20の他端部近傍には、プレスローラ13が非印刷位置を占めた状態で各印圧アーム20の揺動を禁止してプレスローラ13を非印刷位置に保持する、プレスローラ係止用の係止手段180が配設されている。係止手段180は、その一端部が上記筐体側板に所定角度回動自在に支持された支軸182に固着されたフック部材183と、フック部材183の他端部側にピンを介して連結されたプランジャ181aを備えたプル型のソレノイド181と、その一端が支軸182と上記ピンとの間のフック部材183に係止され、他端が上記筐体側板側に係止された付勢手段としての引張ばね184とを有している。フック部材183の他端部には、印圧アーム20の他端部に形成された切欠部20aと選択的に係合するフック部183aが形成されている。引張ばね184は、フック部材183のフック部183aを支軸182を中心として常に時計回り方向、すなわち常に印圧アーム20の切欠部20aに係合する向きに揺動・付勢している。
ソレノイド181のオン・オフの切り換え制御によって各印圧アーム20を保持する状態と保持を解除する状態とが選択的に切り換えられる。図3に示すように、ソレノイド181に通電されてこれがオンされると、フック部183aが反時計回り・下向きに揺動して印圧アーム20の切欠部20aとの係合状態が外れて、各印圧アーム20は揺動軸21を中心として時計回り・上向きに揺動してプレスローラ13による印圧を付与される。図2に示すように、ソレノイド181は、カムフォロア41が圧解除カム組体43を構成する各圧解除カム43a,43b,43cの何れかの大径部と当接した状態で作動される。
圧解除カム組体43は、上記したようにカム軸44の一端部寄りの部分に一体的に取り付けられていて、印刷ドラム12の回転と同期して回転駆動される伝達ギヤ47と常に噛み合っている駆動ギヤ45を介して、印刷ドラム駆動手段121からの回転力を伝達され、図2ないし図4において時計回り方向に回転駆動される。この実施形態の例では、各圧解除カム43a,43b,43cの山の部分、すなわち各々のカム43a,43b,43cの何れか一つの大径部が各印圧ばね42の付勢力に抗してカムフォロア41と圧接することにより、プレスローラ13による印圧をオフ・解除するようになっていて、プレスローラ13は図2に示す非印刷位置を占める。各圧解除カム43a,43b,43cの何れか一つの大径部がカムフォロア41との圧接を解除され、かつ、各印圧ばね42の付勢力によってプレスローラ13の外周面が印刷ドラム12の外周面に圧接すると、プレスローラ13は図3に示す印刷位置を占める。プレスローラ13が印刷位置を占めたときに、印刷ドラム12に巻装されたマスタ64に対して用紙Pを押圧する位置を押圧位置としての印刷ニップ部Nという。
圧解除カム組体43は、図4および図6に示すように、3つのカム、すなわち第1のカムとしての圧解除カム43b、第2のカムとしての圧解除カム43cおよび第3のカムとしての圧解除カム43aを有しており、多段カムとも呼ばれる。各圧解除カム43a,43b,43cは、大径部および小径部を備えた板状のカムからなり、図6中の左右方向に移動自在かつ回転自在なカム軸44にそれぞれ後述するような特有の位相関係をもって取り付け固定されている。図2および図3には、図6に示されている中央の圧解除カム43aのみが図示されており、他の2つの圧解除カム43a,43cの図示は省略されている。図2および図3では、図面の簡明化を図るため圧解除カム43a部の断面ハッチング表示を省略しており、また同趣旨から図4におけるカム軸44および各圧解除カム43a,43c部の断面ハッチング表示を省略している。
圧解除カム43aは、基準となる通常印刷時用(片面印刷時用でもある)として使用される。圧解除カム43aは、図4に示すように、回転方向に見て、Aの部分とBの部分とCの部分とからなる。Aの部分は、表面印刷時の印圧オンの部分であり、Bの部分は、裏面印刷時の印圧オンの部分であり、Cの部分は、印刷ドラム12外周部のクランパ19突出部分を逃げるための印圧オフの部分である。
図4において、圧解除カム43aの隣に描かれている圧解除カム43bは、印刷最初の1枚目印刷時用として使用される。圧解除カム43bは、回転方向に見て、Aの部分とBの部分とCの部分とからなる。Aの部分は、表面印刷時の印圧オンの部分であり、Bの部分は、裏面印刷がないので印圧オフの部分であり、Cの部分は、印刷ドラム12外周部のクランパ19突出部分を逃げるための印圧オフの部分である。
図4において、圧解除カム43bの左隣に描かれている圧解除カム43cは、印刷最後の最終枚目印刷時用として使用される。圧解除カム43cは、回転方向に見て、Aの部分とBの部分とCの部分とからなる。Aの部分は、表面印刷がないので印圧オフの部分であり、Bの部分は、裏面印刷時の印圧オンの部分であり、Cの部分は、印刷ドラム12外周部のクランパ19突出部分を逃げるための印圧オフの部分である。
図5は、プレスローラ13の印圧範囲を分かりやすくこれを展開して図示したものである。図5において、分割製版済みマスタ65には、表面製版画像65Aの領域部分と裏面製版画像65Bの領域部分とが形成されていて、それらの間には未製版空白の中間未製版領域65Sを設けてある。ここで、印刷ドラム12のクランパ19に挟持・固定される先端余白部65aとも呼ばれる分割製版済みマスタ65の先頭側は左端側である。
片面印刷を含む通常印刷時用の印圧範囲パターンは、IIIのようになっていて、AもBも印圧オンになるように、すなわち表面製版画像65Aの領域部分と裏面製版画像65Bの領域部分とが連続して印刷されるように、圧解除カム43aが選択される。
印刷開始最初の1枚目のときには、印圧範囲パターンIのようになって、Aは印圧オンになるがBは印圧オフになるように、すなわち表面製版画像65Aの領域部分のみが印刷されるように、圧解除カム43bが選択される。
印刷最後の最終枚目のときには、印圧範囲パターンIIのようになって、AはオフになるがBは印圧オンになるように、すなわち裏面製版画像65Bの領域部分のみが印刷されるように、圧解除カム43cが選択される。
上述したことを図1および図5を参照してまとめると、次のようになる。すなわち、印刷ドラム12上の分割製版済みマスタ65における表面製版画像65Aに対応した表面領域12Aのみに印圧を付与する第1の印圧範囲パターンとしての印圧範囲パターンIと、印刷ドラム12上の分割製版済みマスタ65における裏面製版画像65Bに対応した裏面領域12Bのみに印圧を付与する第2の印圧範囲パターンとしての印圧範囲パターンIIと、表面領域12Aから続けて裏面領域12Bに亘って印圧を付与する第3の印圧範囲パターンとしての印圧範囲パターンIIIとの少なくとも3つの印圧範囲パターンのうちの一つを選択的に切り換え可能になっている。これら3つの印圧範囲パターンのうちの一つを選択的に切り換える印圧範囲可変手段に係る機構が、図6に示されている。
上述したことから、各圧解除カム43a,43b,43cの小径部の形成範囲は、次のようになっている。プレスローラ13と印刷ドラム12との接触範囲が、圧解除カム43aでは図1に示す表面領域12Aと中間領域12Sと裏面領域12Bとを全て合わせた範囲となるように、圧解除カム43bでは表面領域12Aと同じ範囲となるように、圧解除カム43cでは表面領域12Aの下流側端より中間領域12Sと裏面領域12Bとを合わせた範囲となるようにそれぞれ形成されている。また、各圧解除カム43a,43b,43cのカム幅は、印圧アーム20の板厚よりも十分に大きくなるように設定されている。
印圧範囲可変手段55は、図6に示すように、各圧解除カム43a,43b,43cを重なる態様で一体的に結合された圧解除カム組体43と、この圧解除カム組体43を固着し図6の左右方向に移動(摺動)可能かつ時計回り方向に回転可能に支持されたカム軸44と、カム軸44の略中央部に取り付け固定された樹脂製の回転円板49と、この回転円板49の両側面を挟み付け転動自在なコロ50a,50bと、これらのコロ50a,50bを転動自在に支持する軸を固着して図6の左右方向に移動可能であり、その下部にラック歯51aを形成され、かつ、他端に下向きの突起51bを形成されたスライド部材51と、スライド部材51のラック歯51aと常に噛み合うピニオンギヤ52を出力軸に取り付け固定された圧解除カム切換用モータ53(以下、単に「モータ53」という)と、圧解除カム組体43のホームポジションを検知するための、突起51bと選択的に係合するカムホームポジションセンサ54とから主に構成されている。なお、印圧範囲可変手段55は、プレスローラ接離機構(押圧手段接離手段)とも呼ばれることがある。
図6は、通常印刷時の状態を示しており、各印圧アームの20のカムフォロア41が圧解除カム組体43の圧解除カム43aと係合・当接している状態を示している。モータ53は、例えば正逆転可能なステッピングモータからなり、3つの圧解除カム43a,43b,43cのうちの何れか一つに切り換えるための印圧範囲切換駆動手段としての機能を有する。モータ53は、印刷装置本体11側に固設されている。なお、モータ53に対して閉ループ制御を行うような場合には、上記したカムホームポジションセンサ54や突起51bは無くてもよいが、脱調時を考慮した場合有る方が好ましい。モータ53は、正逆転可能なDCモータ等の電動モータであってもよい。
図3に示すように、各圧解除カム43a,43b,43cは、プレスローラ13が印刷位置を占めたときに各印圧ばね42の付勢力が精度良く作用して適正な印圧を付与するように、各圧解除カム43a,43b,43cの小径部とカムフォロア41とが接触しないように構成されている。図6における紙面の手前側および奥側には、スライド部材51を図において略平行に摺動すべくコロを介して案内する図示しない案内部材が配設されている。カムホームポジションセンサ54は、例えば発光素子および受光素子を具備した透過型フォトセンサであり、印刷装置本体11側に固設されている。回転円板49は、耐摩耗性が良好で摩擦係数の小さい潤滑性の樹脂として、例えばポリアセタール樹脂(POM)やポリアミド樹脂(ナイロン:商品名)等が好ましく用いられる。
カム軸44上には、図6に示すように、印圧範囲パターンIIIに対応して設定された圧解除カム43a(第3のカム)を中心として、印圧範囲パターンIに対応して設定された圧解除カム43b(第1のカム)および印圧範囲パターンIIに対応して設定された圧解除カム43c(第2のカム)が、圧解除カム43a(第3のカム)の両側のカム軸44上にそれぞれ配置されている。
上記したように、圧解除カム組体43、カムフォロア41および印圧ばね42を各印圧アーム20側にそれぞれ配設した方がプレスローラ13の均一な押圧力を得られることから好ましいが、それ程の均一な押圧力を望まなくてもよいのであればこれに限らず、例えば圧解除カム組体43、カムフォロア41および印圧ばね42を図2および図3に示されている紙面の奥側の印圧アーム20側にのみ配設してもよい。
図1において、印刷ドラム12とプレスローラ13との接触位置の左方近傍であって用紙搬送経路上には、片面印刷済み用紙、表面印刷済み用紙または両面印刷済み用紙(以下、これらの何れか一つを単に「用紙P」というときがある)の搬送経路を切り換える切換部材10が配設されている。切換部材10は、印刷ドラム12およびプレスローラ13と略同じ幅を有する板材からなり、その用紙搬送方向Xa下流側端部を印刷装置本体11に回動自在に支持された支軸に固着されている。切換部材10は、図示しない引張ばねおよび図10に示すソレノイド123に連結されており、ソレノイド123が作動することによって断面鋭角状に形成された用紙搬送方向Xa上流側端部を図1に実線で示す第1の位置と二点鎖線で示す第2の位置とに選択的に位置決めされる。切換部材10は、第1の位置を占めたときにその先端がプレスローラ13の外周周面に近接して印刷ドラム12上のクランパ19と干渉しない位置に置かれ、第2の位置を占めたときにその先端が印刷ドラム12の周面に近接する位置に置かれる。印刷ドラム12とプレスローラ13との間を通過した用紙Pは、切換部材10が第1の位置を占めたときに排紙部6へと案内され、切換部材10が第2の位置を占めたときにガイド板27と印刷装置本体11に固着されたガイド板56との間を通って再給紙トレイ8へと案内される。
印刷装置本体11の右上部には、製版部3が配設されている。製版部3は、マスタ保持部材57、プラテンローラ58、サーマルヘッド59、切断手段60、マスタストック部61、テンションローラ対62、反転ローラ対63等を有している。
製版部3は、マスタ64に製版を行い、図7に示すように、印刷ドラム12の回転方向に沿って表面印刷用の第1の製版画像65A(以下、「表面製版画像65A」と言い替える)と裏面印刷用の第2の製版画像65B(以下、「裏面製版画像65B」と言い替える)とを有する分割製版済みマスタ65、あるいは図8に示すように、印刷ドラム12の回転方向に沿って表面製版画像65Aと裏面製版画像65Bとの2面分の画像領域を有する第3の製版画像66A(以下、「片面製版画像66A」と言い替える)を有する製版済みマスタ66を作製する機能・構成を有する。表面製版画像65Aは、分割製版済みマスタ65が印刷ドラム12の外周面上に巻装されたときに図1に示す表面領域12Aと対応する位置に形成され、裏面製版画像65Bは同裏面領域12Bと対応する位置に形成される。
マスタ保持部材57は、印刷装置本体11の図示しない製版側板対にそれぞれ設けられており、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタ64を芯管64bの周りにロール状に巻かれて形成されたマスタロール64aの芯管64bの両端部を回転自在かつ着脱自在に支持する。
プラテンローラ58は、マスタ保持部材57に隣るマスタ搬送方向の下流側に配置されていて、上記製版側板対に回転自在に支持されている。プラテンローラ58は、ギヤやベルト等の駆動力伝達手段を介してステッピングモータに連結され、このステッピングモータを含む図10に示す製版駆動手段124によって回転駆動される。サーマルヘッド59は、図示しない製版制御部およびサーマルヘッド駆動回路等を介して選択的に発熱駆動される多数の発熱素子を有している。サーマルヘッド59は、プラテンローラ58の下方に配置されていて、図示しないカム、このカムを回転駆動する図示しないカム駆動モータおよび付勢手段としてのばね等を具備した図示しない周知のサーマルヘッド接離手段によってプラテンローラ58に接離自在に構成されている。サーマルヘッド59は、サーマルヘッド接離手段、付勢手段の付勢力によってその発熱素子面をプラテンローラ58に圧接されている。サーマルヘッド59は、マスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ発熱素子を選択的に発熱させ、マスタ64を穿孔製版する製版手段としての機能を有する。
プラテンローラ58およびサーマルヘッド59の左方には、切断手段60が配設されている。切断手段60は、印刷装置本体11の図示しないフレームに固設された固定刃60aと、この固定刃60aに移動自在に支持された可動刃60bとを有する。切断手段60は、固定刃60aに対して可動刃60bが回転移動することによりマスタ64を切断する周知の構成である。
切断手段60のマスタ搬送方向下流側下方には、マスタストック部61が配設されている。マスタストック部61は、分割製版済みマスタ65または製版済みマスタ66を一時的に貯容する空間を有し、複数の板部材によってその内部を仕切られており、その最奥部には図示しない吸引ファンが配設されている。この吸引ファンが作動することにより、略密閉された空間であるマスタストック部61の内部に負圧が発生し、製版して搬送されてきた分割製版済みマスタ65あるいは製版済みマスタ66はマスタストック部61の最奥部に向けて貯容される。
切断手段60とマスタストック部61との間の部位には、テンションローラ対62が配設されている。テンションローラ対62は、それぞれ上記製版側板対に回転自在に支持された駆動ローラ62aと従動ローラ62bとからなり、従動ローラ62bが図示しない付勢手段によってその周面を駆動ローラ62aの周面に圧接されている。テンションローラ対62は、上記した製版駆動手段124により駆動ローラ62aが回転駆動されることによってマスタ64を挟持して搬送する。駆動ローラ62aは、その周速度がプラテンローラ58の周速度よりも若干速く設定されていると共に、その内部には図示しないトルクリミッタが設けられている。これにより、プラテンローラ58とテンションローラ対62との間において、マスタ64には所定の張力が付与される。
マスタストック部61のマスタ搬送方向下流側には、反転ローラ対63が配設されている。反転ローラ対63は、それぞれ上記製版側板対に回転自在に支持された駆動ローラ63aと従動ローラ63bとからなる。反転ローラ対63は、製版駆動手段124によって回転駆動される駆動ローラ63aと図示しない付勢手段によってこれに圧接配置された従動ローラ63bとによってマスタ64を挟持して搬送する。駆動ローラ63aの内部には、図示しないワンウェイクラッチが設けられている。
また、テンションローラ対62と反転ローラ対63との間の部位には、図示しない可動マスタガイド板が配設されている。この可動マスタガイド板は、図示しない支持部材に揺動自在に支持されており、図示しないソレノイドによってその上面がマスタ64の搬送路を構成する搬送位置と、マスタ64のマスタストック部61への進入を妨げない退避位置とに選択的に位置決めされる。
製版部3の下方には、給紙部4が配設されている。給紙部4は、給紙台としての給紙トレイ67、給紙ローラ68、分離ローラ69、分離パッド70、レジストローラ対71等を有している。給紙トレイ67は、多数の用紙Pを積載可能に構成されていて、印刷装置本体11に上下動自在に支持されており、昇降手段としての昇降モータを含む図10に示す給紙駆動手段125によって上下動される。給紙トレイ67は、A3サイズの用紙Pを縦置き可能に構成されており、その上面には、図示しないレール部材によって用紙搬送方向Xaと直行する用紙幅方向に移動自在に支持された一対のサイドフェンス72が設けられている。また、給紙トレイ67の右端部側には、積載された用紙Pのサイズを検知する複数の用紙サイズ検知センサ73が設けられている。
給紙トレイ67の上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ68が配設されている。給紙ローラ68は印刷装置本体11に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙トレイ67が図示しない昇降手段によって上昇されたときに所定の圧接力で給紙トレイ67上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラ68は、印刷ドラム駆動手段121からの回転駆動力をギヤやカム等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで、後述する分離ローラ69と共に印刷ドラム12と同期した所定のタイミングで回転駆動される。
給紙ローラ68の左方には、表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する分離ローラ69と分離パッド70とが配設されている。分離ローラ69はタイミングベルト69aを介して給紙ローラ68に駆動連結されており、給紙ローラ68の回転駆動時にこれと同期して同方向に回転駆動される。分離パッド70は、付勢手段としての図示しない圧縮ばねの付勢力によって分離ローラ69に圧接されていて、分離ローラ69との協働作用により用紙Pを1枚ずつ分離搬送する機能を有する。給紙ローラ68の軸と給紙ローラ68側のタイミングベルト69aを掛け渡している図示しない給紙ローラプーリとの間、および分離ローラ69の軸と分離ローラ69側のタイミングベルト69aを掛け渡している図示しない分離ローラプーリとの間には、それぞれ図示しないワンウェイクラッチが介装されている。これにより、給紙ローラ68および分離ローラ69は、用紙Pを用紙搬送方向Xaに送り出す方向である図1において時計回り方向のみに回転自在になされている。
分離ローラ69および分離パッド70の左方には、レジストローラ対71が配設されている。レジストローラ対71は、駆動ローラ71aと従動ローラ71bとからなり、印刷ドラム駆動手段121からの回転駆動力をギヤやカム等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで駆動ローラ71aが印刷ドラム12と同期した所定のタイミングで回転し、駆動ローラ71aに圧接された従動ローラ71bとによって、印刷部2における印刷ドラム12の外周面とプレスローラ13の外周面とが圧接して形成されるニップ部に向けて用紙Pを所定のタイミングで給送する。
なお、給紙ローラ68および分離ローラ69の回転駆動は、印刷ドラム駆動手段121に限らず、これと独立して配設された例えばパルス入力で駆動するモータとしてのステッピングモータからなる給紙モータで行ってもよい。同様に、レジストローラ対71の回転駆動も、印刷ドラム駆動手段121に限らず、これと独立して配設された例えばパルス入力で駆動するモータとしてのステッピングモータからなるレジストモータで行ってもよい。この場合、特に、レジストローラ対71での用紙種類や環境条件等による用紙Pの滑りを考慮してレジストタイミングを調整したり、印刷ドラム12上の製版済みマスタや分割製版済みマスタの各製版画像に対する天地位置調整を行ったりすることが容易にできるという利点がある。
印刷部2の左上方には、排版部5が配設されている。排版部5は、上排版部材74、下排版部材75、排版ボックス76、圧縮板77等を有している。上排版部材74は、駆動ローラ78、従動ローラ79、無端ベルト80等を有している。駆動ローラ78は、排版モータを含む図10に示す排版駆動手段126によって図1の時計回り方向に回転駆動されることにより無端ベルト80が図1中矢印方向に移動する。下排版部材75は、駆動ローラ81、従動ローラ82、無端ベルト83等を有している。駆動ローラ81は、駆動ローラ78を回転駆動する上記した排版駆動手段126の駆動力をギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることにより、図1の反時計回り方向に回転駆動されることにより、無端ベルト83が図1の矢印方向に移動する。また、下排版部材75は、排版駆動手段126に含まれる図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図に示す位置と従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83が印刷ドラム12の外周面に当接する位置とを選択的に占める。
排版ボックス76は、その内部に使用済みマスタを貯容するものであり、印刷装置本体11に対して着脱自在に設けられている。圧縮板77は、上排版部材74と下排版部材75とによって運ばれた使用済みマスタを排版ボックス76の内部に押し込むように印刷装置本体11に上下動自在に支持されており、排版駆動手段126に含まれる昇降モータを含む図示しない昇降手段によって上下動される。
排版部5の下方には、排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪84、排紙搬送手段85、排紙台としての排紙トレイ86、送風手段140等を有している。剥離爪84は、印刷ドラム12の幅方向に複数配置され、印刷装置本体11に揺動自在に支持された支軸にそれぞれ一体的に取り付けられている。これら複数の剥離爪84は、図示しない爪揺動手段によって揺動され、その先端が印刷ドラム12の周面に近接する図1に示す位置と、クランパ19等の障害物を回避するためにその先端が印刷ドラム12の外周面から離間する位置とを選択的に占める。図示しない爪揺動手段は、印刷ドラム駆動手段121からの駆動力を図示しない駆動力伝達手段により伝達され、印刷ドラム12の回転と同期して剥離爪84を揺動させる。
排紙搬送手段85は、剥離爪84の下方であって切換部材10の左方に配設されており、ベルト式の吸引搬送装置とも呼ばれている。排紙搬送手段85は、駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89、吸引ファン90等を有している。駆動ローラ87は、コロ状をなし、図示しないユニット側板に回転自在に支持された図示しない支軸に所定の間隔で複数取り付けられており、排紙モータを含む図10に示す排紙駆動手段127によってそれぞれ一体的に回転駆動される。従動ローラ88も、同側板に回転自在に支持された図示しない支軸に各駆動ローラ87と等間隔で複数設けられており、各駆動ローラ87およびこれと対応する各従動ローラ88には、複数の孔を有する無端ベルト89がそれぞれ掛け渡されている。駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89の下方には、ファンモータを内蔵した吸引ファン90が配設されている。排紙搬送手段85は、吸引ファン90の吸引力によって各無端ベルト89上に用紙Pを吸引し、各駆動ローラ87の回転によって用紙Pを図1の矢印方向に搬送する。排紙トレイ86は、排紙搬送手段85によって搬送された用紙Pをその上面に積載するものであり、用紙搬送方向Xaに移動自在な1個のエンドフェンス91と、用紙幅方向に移動自在な一対のサイドフェンス92とを有している。
送風手段140は、回転により気流を発生される剥離ファン141と、剥離ファン141を収容し剥離ファン141の回転によって生じた気流を印刷ドラム12に向けて吹き付けるケーシング142と、図10に示すように、剥離ファン141の駆動を制御する送風制御手段143とを有する。剥離ファン141は送風制御手段143による制御によって出力が可変とされている。ケーシング142は、剥離ファン141の回転によって生じた気流を、印刷ドラム12の、方向Rにおける印刷ニップ部Nより下流側の部分であって、切換部材10、剥離爪84によってマスタ64から用紙Pが剥離される部分に吹き付けるように構成されている。送風制御手段143は、剥離ファン141の作動、非作動の切り替えの他、剥離ファン141の出力を調整し、送風手段140による、印刷ドラム12に向けた送風の強さ言い換えると送風の強弱を制御する。よって送風制御手段143は、送風量制御手段として機能するものである。送風制御手段143は、給紙ローラ68、分離ローラ69の回転駆動が開始されるタイミングで剥離ファン141の作動を開始させ、同タイミングから所定時間、剥離ファン141の動作を継続する。かかる所定時間は、給紙ローラ68、分離ローラ69の回転駆動によって送り出された用紙Pが、印刷されて排紙トレイ86に積載されるのに通常であれば十分な時間とされ、タイマによって計測される。送風制御手段143は、実際には、制御手段200によって実現されるが、図10においては、説明の便宜上、送風手段140の構成の一部として図示している。
送風手段140は、印刷ドラム12に向けて送風することにより、方向Rに回転する印刷ドラム12に巻装されたマスタ64に押圧された用紙Pを、マスタ64から剥離する剥離動作を行うものであるが、この剥離動作は、切換部材10、剥離爪84によっても行われる。送風手段140による剥離動作は、切換部材10、剥離爪84によって行われる剥離動作とともに行われる。すなわち、送風が、方向Rに回転する印刷ドラム12に巻装されたマスタ64と、印刷ニップ部Nにてプレスローラ13によってマスタ64に押圧されインキの粘性でマスタ64に密着した用紙Pの先端との間に進入する作用を生じることで、切換部材10、剥離爪84が、同様にマスタ64と用紙Pの先端との間に進入することを容易にし、また、切換部材10、剥離爪84が、マスタ64と用紙Pの先端との間に進入し、印刷ドラム12の回転に伴って用紙Pをマスタ64から剥離しようとするときに、マスタ64と用紙Pとの間に送風が行われることでかかる剥離が滑らかに行われる。
印刷装置本体11の上部には、画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス93、コンタクトガラス93に対して接離自在に設けられた圧板94、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー95,96,97,98および蛍光灯99、走査された原稿画像に係る反射光を集束するレンズ100、集束された原稿画像に係る反射光を光電変換処理するCCD等の画像センサ101、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサ102、読み取られた画像データを記憶する画像メモリ135等を有しており、原稿画像の読取動作はスキャナモータ等を含む図10に示す読取駆動手段128の作動によって行われる。
また、図1に示すように、印刷ドラム12を構成する図示しないフランジの外面には、ドグ133が取り付けられている。印刷ドラム12の周囲近傍には印刷装置本体11に取り付けられたホームポジションセンサ134が配設されている。ホームポジションセンサ134は、クランパ19がプレスローラ13と対向する位置を印刷ドラム12が占めたときにドグ133を検知して制御手段200にその検知信号を送信する。
図9に示す操作パネル103は、図1における印刷装置本体11の上部前面に配置されている。操作パネル103は、その上面に製版スタートキー104、印刷スタートキー105、試し刷りキー106、連続キー107、クリア/ストップキー108、テンキー109、エンターキー110、プログラムキー111、モードクリアキー112、印刷速度設定キー113、4方向キー114、用紙サイズ設定キー115、両面印刷キー117、片面印刷キー118、7セグメントLEDからなる表示装置119、LCDからなる表示装置120、等を有している。
製版スタートキー104は、両面印刷装置1に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー104が押下されると排版動作および原稿読取動作が行われた後に製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて両面印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタートキー105は、両面印刷装置1に印刷動作を行わせる際に押下され、両面印刷装置1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー105が押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー106は、両面印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。連続キー107は、製版動作と印刷動作とを連続して行う際に製版スタートキー104の押下前に押下され、連続キー107の押下後、印刷条件が入力された後に製版スタートキー104が押下されると、排版動作、原稿読取動作、製版動作に引き続いて印刷動作が行われる。
クリア/ストップキー108は、両面印刷装置1の動作を停止させる際あるいは置数のクリア時に押下される。テンキー109は、数値入力等に用いられる。エンターキー110は、各種設定時に数値等を設定する際に、プログラムキー111はよく行う操作を登録したりそれを呼び出したりする際にそれぞれ押下され、モードクリアキー112は、各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下される。印刷速度設定キー113は、印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。4方向キー114は、上キー114a、下キー114b、左キー114c、右キー114dを有しており、画像編集時に画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。用紙サイズ設定キー115は用紙サイズを任意で入力する際に押下され、用紙サイズ設定キー115で入力された用紙サイズは用紙サイズ検知センサ73によって検知された用紙サイズに優先される。
両面印刷キー117は、両面印刷装置1に両面印刷動作を行わせる際に製版スタートキー104の押下前に押下され、両面印刷キー117が押下されるとその近傍に配置されたLED117aが点灯して両面印刷モード設定状態であることが表示される。片面印刷キー118も、両面印刷キー117と同様に両面印刷装置1に片面印刷動作を行わせる際にスタートキー104の押下前に押下され、片面印刷キー118が押下されるとその近傍に配置されたLED118aが点灯して片面印刷モード設定状態であることが表示される。両面印刷装置1では、図示しない電源スイッチオン後の初期状態時においてLED118aが点灯しており、片面印刷モード設定状態となっている。
7セグメントLEDからなる表示装置119は、主に印刷枚数等の数字を表示する。表示装置120は、階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー120a,120b,120c,120dを選択して押下することにより、変倍や位置調整等の様々なモードへの変更および各モードでの設定が可能に構成されている。また、表示装置120には、図示したように「製版・プリントできます」のような両面印刷装置1の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等の警告、印刷用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
図10に示すように、それぞれすでに述べた切換部材10、剥離爪84、送風手段140は、用紙剥離装置150を構成している。用紙剥離装置150は、方向Rに回転する印刷ドラム12に巻装されたマスタ64に押圧された用紙Pを、マスタ64から剥離する剥離動作を行うものである。切換部材10、剥離爪84は、方向Rに回転する印刷ドラム12に巻装されたマスタ64と、これに押圧された用紙Pとの間にそれ自体が進入することでかかる剥離動作を行うものであり、このような剥離動作を行う剥離部材として機能する。切換部材10、剥離爪84は、方向Rに沿い、印刷ドラム12に対向する態様で、切換部材10、剥離爪84の順で方向Rの上流側から下方に向けて配設されている。なお、すでに述べたように、剥離爪84は、排紙部6の一部としても機能するが、図10においては、図示の便宜上、用紙剥離装置150のみに備えられた構成として図示している。
図10に示すように、制御手段200は、内部にCPU201、ROM202、RAM203および図示しないタイマ等を備え、それらが図示しない信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。制御装置200は、図1に示すように、印刷装置本体11内の制御基板配置部に設けられている。
CPU201は、操作パネル103からの各種信号および印刷装置本体11に設けられた各種センサからの検知信号およびROM202から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7に設けられた各駆動手段、再給紙手段9に設けられた再給紙レジスト接離機構40および搬送部材駆動モータ122、用紙剥離装置150の作動等を制御し、両面印刷装置1全体の動作を制御する。ROM202には、両面印刷装置1全体の動作プログラムが記憶されており、この動作プログラムはCPU201によって適宜呼び出される。RAM203は、CPU201の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル103上の各種キーおよび各種センサから設定および入力されたデータ信号およびオン・オフ信号を随時記憶する機能等を有している。また制御手段200は、ホームポジションセンサ134からのホームポジション信号と、印刷ドラム駆動手段121に設けられた図示しないエンコーダからの信号とに基づいて、印刷ドラム12の回転位置の割り出し等の把握も行っている。
ここで、上述した印圧範囲可変手段55に関連して制御手段200が有する制御機能について、まとめておく。第1に、制御手段200は、所定枚数N枚の用紙Pに連続的に両面印刷を行う場合に、印刷動作開始時に給紙部4から給送される最初の1枚目の用紙P1の表面には、印圧範囲パターンIで印刷を行うように、印刷動作終了直前時に再給紙トレイ8に排出される最後の1枚目の表面印刷済み用紙PNの裏面には、印圧範囲パターンIIで印刷を行うように、以外の用紙P2〜P(N−1)枚目には、印圧範囲パターンIIIで印刷を行うように、カムホームポジションセンサ54からの信号を参照しつつ、印圧範囲可変手段55のモータ53を制御する第1の制御手段としての機能を有する。
第2に、制御手段200は、版付け印刷工程または試し刷り印刷工程においては、印圧範囲パターンIと印圧範囲パターンIIとの二つの印圧範囲パターンのみを用いて印刷を行うように、カムホームポジションセンサ54からの信号を参照しつつ、印圧範囲可変手段55のモータ53を制御する第2の制御手段としての機能を有する。
上述の構成に基づき、本実施形態における両面印刷装置1の操作手順を含む動作について図11のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。該フローチャートは、実施できる程度にその要部を記載したものであって、片面印刷モード設定時の片面印刷工程や細部のフローは省略されている。
まず、片面印刷を行う場合を説明する。オペレータは給紙トレイ67上に印刷に使用される用紙Pを積載し、圧板94を開放してコンタクトガラス93上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板94を閉じる。その後、操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、片面印刷キー118を押下して片面印刷モードを設定して製版スタートキー104を押下する。
オペレータは片面印刷モードであることをLED118aの点灯によって確認した後、製版スタートキー104を押下する(ステップS1参照)。製版スタートキー104が押下されると、用紙サイズ検知センサ73から用紙サイズ検知信号が、また原稿サイズ検知センサ102から原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段200に送られ、信号を受けた制御手段200は各信号を比較する。このとき、用紙サイズと原稿サイズとが同じ場合は直ちに画像読取動作が行われ、用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合には、制御手段200はその旨を表示装置120に表示してオペレータに注意を促す。用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合に、制御手段200からの指令で自動的に拡大または縮小の変倍を行い、原稿サイズと画像サイズとを整合させるように構成してもよい。
製版スタートキー104が押下されてスタート信号が生成され、これが制御手段200に入力されると、先ず、排版部5において、印刷ドラム12の外周面から使用済みマスタを剥離する排版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると印刷ドラム12が回転を開始し、印刷ドラム12が図1に示すホームポジションに達すると、ドグ133がホームポジションセンサ134に係合して検知され、ホームポジションセンサ134から制御手段200にホームポジション信号が送られる。ホームポジション信号を受けた制御手段200は、このホームポジションを基点として図示しないエンコーダが発するパルス数を計測し、印刷ドラム12の外周面上に巻装された使用済みマスタの先端が従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83と対応する所定の排版位置に達したと判断すると、印刷ドラム駆動手段121の作動を停止させる。
印刷ドラム駆動手段121が停止されて印刷ドラム12が所定の排版位置で停止すると、印刷ドラム駆動手段121および排版駆動手段126が作動して各駆動ローラ78,81が回転駆動されると共に、下排版部材75が印刷ドラム12側に移動し、従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83が使用済みマスタと当接する。すると、印刷ドラム12の回転および無端ベルト83の移動によって印刷ドラム12の外周面上よりすくい上げられた使用済みマスタは、下排版部材75と上排版部材74とで挟持搬送されて印刷ドラム12の外周面より剥離される。剥離された使用済みマスタは排版ボックス76内に廃棄された後、圧縮板77によって圧縮される。外周面上より使用済みマスタが全て剥離された後も印刷ドラム12は回転を継続し、クランパ19が右上方に位置する所定の給版待機位置まで回転して停止する。印刷ドラム12が給版待機位置で停止すると図示しない開閉手段が作動してクランパ19が開放され、両面印刷装置1は給版待機状態となる。
上記排版動作と並行して、画像読取部7での原稿画像の読取動作が行われる。原稿画像の読み取りは、蛍光灯99によって照明された反射光を各反射ミラー95,96,97,98によって反射することにより行われ、読み取られた原稿画像に係る反射光はレンズ100で集束された後に画像センサ101に入射されて光電変換される。光電変換された電気信号は印刷装置本体11内の図示しないA/D(アナログ/デジタル)変換器に入力された後、画像メモリ135内に画像データ信号として格納される。
排版動作および画像読取動作と一部並行して、製版部3では製版動作が行われる。プラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63がそれぞれ回転駆動されてマスタロール64aよりマスタ64が引き出される。このとき図示しない可動マスタガイド板は搬送位置に位置決めされている。マスタ64が引き出されてその画像形成領域がサーマルヘッド59の発熱素子と対応する位置に達すると、画像メモリ135内に格納されている画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出され、上記サーマルヘッド駆動回路がサーマルヘッド59の各発熱素子を選択的に発熱させることにより、図8に示すようにマスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に片面製版画像66Aが形成される。マスタ64は製版されつつ搬送されその先端部が反転ローラ対63に挟持されると、図示しない可動マスタガイド板が退避位置に移動されると共に反転ローラ対63の回転が停止される。
反転ローラ対63の回転停止後もプラテンローラ58およびテンションローラ対62は回転を継続しており、サーマルヘッド59によって製版された製版済みマスタ66はマスタストック部61内に貯容される。反転ローラ対63の停止時において、マスタストック部61に設けられた図示しない吸引ファンが作動されており、製版済みマスタ66は図示しない吸引ファンに吸引されることによってマスタストック部61内に整然と貯容されていく。
上述の製版動作中、排版動作が完了して両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ対63が回転を開始してマスタストック部61内に貯容されている製版済みマスタ66が開放されているクランパ19に向けて搬送される。そして、製版済みマスタ66の先端部がクランパ19により挟持可能な所定位置まで搬送されたと、製版駆動手段124における上記ステッピングモータのステップ数から制御手段200によって判断されると、図示しない開閉手段が作動してクランパ19が閉じられ、製版済みマスタ66はその先端部を印刷ドラム12の外周面上に保持される。
その後、印刷ドラム12が方向Rに間欠的に回転駆動され、製版済みマスタ66の印刷ドラム12への巻装動作が行われる。このとき反転ローラ対63は回転を停止しており、駆動ローラ63aは内部に設けられた図示しないワンウェイクラッチによって製版済みマスタ66の引き出しに伴い連れ回りする。そして、画像メモリ135からの画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド59の作動が停止し、1版分の製版済みマスタ66が製版搬送されるとプラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段60が作動して製版済みマスタ66が切断される。切断された製版済みマスタ66は印刷ドラム12の回転によって製版部3より引き出され、印刷ドラム12がホームポジションまで回転して停止することで製版動作および給版動作が完了する。
説明が前後するが、製版スタートキー104が押下された後に実行される排版動作ないしは給版動作中には、係止手段180のソレノイド181はオフされたままであり、プレスローラ13は印刷ドラム12の外周面から離間していて非印刷位置を占めて保持されたままである。制御手段200は、製版スタートキー104が押下された後から給版動作中までには、カムホームポジション54からの信号を参照しつつ印圧範囲可変手段55のモータ53を駆動制御して各印圧アーム20のカムフォロア41に当接する圧解除カムを通常印刷時用の圧解除カム43aになるようにスライド部材51を移動させる。制御手段200は、圧解除カム43aがカムフォロア41に当接したことを、カムホームポジションセンサ54からの信号とモータ53へ供給したパルス数(もしくはステップ数)とから判断する。
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。印刷ドラム12がホームポジションで停止するとソレノイド123が作動して切換部材10が第1の位置に位置決めされる。次いで、給紙ローラ68、分離ローラ69、駆動ローラ87、吸引ファン90、剥離ファン141がそれぞれ駆動されると共に、印刷ドラム12が低速で方向Rに回転駆動され、給紙トレイ67上に積載された用紙Pの最上位の1枚が引き出されてその先端をレジストローラ対71のニップ部に突き当て停止される。そして、印刷ドラム12上に巻装された製版済みマスタ66の方向Rにおける片面製版画像66Aの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動され、引き出された用紙Pは印刷ドラム12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
こうして用紙Pの先端および後端が印刷ドラム12とプレスローラ13との間に向けて給送されたことが、レジストローラ対71と印刷ドラム12およびプレスローラ13の間との用紙搬送路上に配設された図示しない用紙検知手段としての用紙センサにより、制御手段200の上記タイマで計時される所定の時間内に検知されると、制御手段200からの指令により係止手段180が作動する。これにより、図2に示したプレスローラ13の非印刷位置での保持状態が解除される。
一方、印刷ドラム12の回転に同期して、印圧範囲可変手段55におけるカム軸44および圧解除カム組体43が回転駆動されており、上述したようにカムフォロア41と当接可能となる位置に移動された圧解除カム43aは、図2ないしは図3に示されているように、上記所定のタイミングにおいてその大径部をカムフォロア41から離脱させる。
所定のタイミングで、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその外周面を印刷ドラム12の外周面に圧接させる。これにより、印刷ドラム12の外周面とプレスローラ13の外周面との間に印刷ニップ部Nが形成されることとなり、レジストローラ対71によって給送された用紙Pが印刷ドラム12に巻装された製版済みマスタ66に押圧される。この押圧動作によりプレスローラ13と用紙Pと製版済みマスタ66と印刷ドラム12とが圧接し、インキローラ16によって印刷ドラム12の内周面に供給されたインキが印刷ドラム12の開口部より滲出し、印刷ドラム12を構成する版胴の開孔部分および図示しないメッシュスクリーン、および印刷ドラム12に巻装された製版済みマスタ66の多孔性支持体に充填された後に製版済みマスタ66の穿孔部を介して用紙Pに転写され、いわゆる版付けが行われる。その後、所定のタイミングで係止手段180が作動され、プレスローラ13が再び非印刷位置で保持される。
版付けにより片面製版画像66Aに対応した印刷画像を形成された用紙Pは、第1の位置を占めた切換部材10上方を通過すると共に、剥離爪84及び剥離ファン141からの送風によってその先端部から版胴外周面上の製版済みマスタ66より剥離される。剥離された用紙Pは下方へと落下して排紙搬送手段85へと送られ、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89の上面に引きつけられつつ左方へと搬送されて排紙トレイ86上に排出される。その後、印刷ドラム12が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて両面印刷装置1は印刷待機状態となる。剥離ファン141の動作は、給紙ローラ68、分離ローラ69の回転開始から所定の時間が経過すると停止される。
両面印刷装置1が印刷待機状態となった後、印刷速度設定キー113および操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後に試し刷りキー106が押下されると試し刷りが行われる。試し刷りキー106が押下されると、剥離ファン141が動作し設定された印刷速度で印刷ドラム12が回転駆動されると共に、給紙部4から用紙Pが1枚給送される。給送された用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に版付け時と同じタイミングで給送され、プレスローラ13によって版胴外周面上の製版済みマスタ66に圧接される。印刷画像を形成された用紙Pは切換部材10上方を通過した後、剥離爪及び剥離ファン141からの送風によって版胴外周面上の製版済みマスタ66より剥離され、排紙搬送手段85により搬送されて排紙トレイ86上に排出される。剥離ファン141の動作は、給紙ローラ68、分離ローラ69の回転開始から所定の時間が経過すると停止される。
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、テンキー109によって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキー105が押下されると、剥離ファン141が動作するとともに給紙部4から用紙Pが連続的に給送され、試し刷りと同条件で印刷動作が行われる。このときも、印刷画像を形成された用紙Pは切換部材10上方を通過した後、剥離爪及び剥離ファン141からの送風によって版胴外周面上の製版済みマスタ66より剥離され、排紙搬送手段85により搬送されて排紙トレイ86上に排出される。そして、設定された印刷枚数(所定枚数)が消化されると印刷ドラム12がホームポジションで停止し、両面印刷装置1は再び印刷待機状態となる。剥離ファン141の動作は、最後の用紙Pを送り出すための給紙ローラ68、分離ローラ69の回転開始から所定の時間が経過すると停止される。
なお、用紙Pの先端が上記用紙センサにより、制御手段200の上記タイマで計時される所定の時間内に検知されないとき、制御手段200はレジストローラ対71またはこれよりも用紙搬送方向Xaの上流側で用紙Pがジャム等によって滞留状態にあると判断して、係止手段180のソレノイド181をオフ状態として図2に示したようにプレスローラ13を非印刷位置で保持したままとする。これにより、用紙Pがないのにも拘わらず、プレスローラ13が印刷位置を占めてしまうことにより、印刷ドラム12上の製版済みマスタ66における片面印刷用製版画像66Aに接触して、プレスローラ13の外周表面をインキで汚してしまうことが防止される。またこのとき剥離ファン141も停止され、無駄な電力消費が防止される。このような制御動作は、両面印刷時の連続的な給紙動作等でも同様であり、以下一々の説明を省略する。なお、このような用紙センサに相当する用紙検知手段を、プレスローラ13の外周面に保持されて印刷ニップ部Nに搬送されていく表面印刷済み用紙の先端および後端を検知すべく搬送路上に配設してもよい。
次に、両面印刷を行う場合の動作について説明する。始めに、例えば両面印刷装置1が版付け動作を不要とする構成を具備していて、版付け動作無しの場合を説明する。オペレータは両面印刷キー117を押下して両面印刷モードを設定した後、両面印刷モードであることをLED117aの点灯によって確認する。次いで、オペレータはテンキー109によって印刷枚数を入力した後に印刷スタートキー105を押下する。本実施形態の動作例では、印刷枚数としてN枚が入力された場合を説明する。この動作に前後して、オペレータは給紙トレイ67上に用紙Pをセットした後に、製版スタートキー104を押下する。すると、片面印刷モード時と同様にスタート信号が生成されて、これが制御手段200に入力される。
片面印刷モード時と同様に、各センサ73,102から用紙サイズ検知信号および原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段200に送られ、制御手段200は入力された各信号を比較する。本実施形態では、片面印刷時において印刷ドラム12で印刷可能な最大用紙サイズがA3サイズであるため、両面印刷時において使用可能な用紙サイズはA4横置きまでである。
原稿サイズと用紙サイズとを比較した結果、両サイズが同じ場合には直ちに画像読取動作が行われ、両サイズが異なる場合には、制御手段200はその旨を表示装置120に警告として表示してオペレータに注意を促す。用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合に、制御手段200からの指令で自動的に拡大または縮小の変倍を行って原稿サイズと画像サイズとを整合させる構成、表示装置120に縮小や画像データの回転等の手順を表示してオペレータの操作の手助けを行う構成としてもよい。また、用紙サイズがA4横置きを超える大きさの場合には、制御手段200は両面印刷を禁止して片面印刷を促す旨を表示装置120に表示させる。
一方、製版スタートキー104が押下されると、印圧範囲可変手段55において印刷最初の1枚目用の圧解除カム43bが選択されているか否かが判断される。圧解除カム43bが選択されていれば、すなわち圧解除カム43bがカムフォロア41に対向した位置を占めていれば、次工程(ステップS3の排版工程)へ進む。圧解除カム43bが選択されていないとき、制御手段200は、カムホームポジション54からの信号を参照しつつ印圧範囲可変手段55のモータ53を駆動制御して各印圧アーム20のカムフォロア41に当接する圧解除カムを圧解除カム43bになるようにスライド部材51を移動させる。制御手段200は、圧解除カム43bがカムフォロア41に対向した位置を占めたことを、カムホームポジションセンサ54からの信号とモータ53へ供給したパルス数(もしくはステップ数)とから判断する(ステップS1、ステップS2およびステップS7参照)。
上記した印圧範囲可変手段55での圧解除カム43bへの切換動作と並行して、先ず、排版部5での排版動作が片面印刷モード時のときと同様に行われて、外周面上より使用済みマスタを剥離された印刷ドラム12は給版待機位置で停止し、図示しない開閉手段によってクランパ19が開放される。この排版動作と一部並行して画像読取部7では原稿画像の読取動作が行われる。原稿画像の読み取り動作は、片面印刷モード時と同様に表面印刷用の1枚目の原稿画像が読み取られる。読み取られた原稿画像に係る情報は画像メモリ135内に1枚目の画像データ信号として格納される。1枚目の原稿画像の読取動作が完了して画像データ信号が画像メモリ135内に格納されると、制御手段200は表示装置120に「裏面印刷用の2枚目の原稿をセットして下さい」という旨の表示を行わせる。オペレータはこの表示に従って圧板94を開放してコンタクトガラス93上より1枚目の原稿を取り除き、2枚目の原稿を載置して再び圧板94を閉じる。圧板94が閉じられたことを図示しないセンサが検知し、コンタクトガラス93上に原稿があることを他の図示しないセンサが検知すると、表面印刷用の1枚目と同様に裏面印刷用の2枚目の原稿の読取動作が行われる。読み取られた原稿画像に係る情報は画像メモリ135内に2枚目の画像データ信号として格納される。
なお、本実施形態において、片面印刷モード時および両面印刷モード時における原稿画像の読取動作はオペレータが圧板94を開閉してコンタクトガラス93上に読み取られる原稿をセットする構成としたが、ADF(自動原稿給送装置)を用いて自動的に原稿をコンタクトガラス93上に搬送する構成、あるいは図示しない外部装置から画像データを取り込む構成としてもよい。また、両面印刷モード時において1枚の原稿を反転させて搬送し、その表面および裏面から2枚分の画像データを取得する構成としてもよい。外部装置から画像データを取り込む構成としては、例えば両面印刷装置1とパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)等とを信号線およびパソコンコントローラ等を介して接続して、パソコン等上で作成・出力されたデジタル画像データを取り込む例が挙げられる。
画像読取部7での原稿画像の読取動作と一部並行して、製版部3では製版動作が行われる。製版動作は片面印刷モード時と同様の手順で行われるが、マスタ64にはその熱可塑性樹脂フィルム面に例えば図7に示すような表面製版画像65Aと裏面製版画像65Bとが形成される。このとき表面製版画像65Aと裏面製版画像65Bとの間には、図7に示すように所定の中間未製版領域65Sが設けられるように各画像65A,65Bが形成される。この所定の中間未製版領域65Sは、分割製版済みマスタ65が印刷ドラム12の外周面上に巻装されたときに、図1に示す中間領域12Sと対応する位置に設けられる。
各画像65A,65Bが形成された分割製版済みマスタ65はマスタストック部61内に貯容され、排版動作が完了して両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ対63の作動によって開放されているクランパ19に向けて搬送される。その後、印刷ドラム12が片面印刷モード時と同様に間欠的に回転され、分割製版済みマスタ65の印刷ドラム12への巻装が行われる。そして、画像メモリ135から2枚分の画像データが全て送られると、切断手段60が作動して分割製版済みマスタ65が切断される。切断された分割製版済みマスタ65は印刷ドラム12の回転によって製版部3より引き出され、印刷ドラム12がホームポジションで停止して製版動作および給版動作が完了する。説明が前後するが、上記した片面印刷モード時と同様に給版動作中においては、係止手段180のソレノイド181はオフされたままであり、印刷ドラム12の外周面からプレスローラ13が非印刷位置を占めて保持されている(ステップS3ないしステップS6参照)。
次いで、ステップS8において、版付け動作を行うか否かが判断され、この動作例では版付け動作を行わないので、ステップS9へ進む。印刷ドラム12がホームポジションで停止した後、印刷ドラム12が設定された印刷速度で方向Rに回転駆動されると、この印刷ドラム12の回転と同期して、剥離ファンが作動するとともに、給紙ローラ68により所定のタイミングで給紙トレイ67上から用紙Pが送り出され、さらに分離ローラ69と分離パッド70との協働作用により用紙Pが1枚ずつに分離されてレジストローラ対71に向けて給送され、その1枚目の用紙P1の先端がレジストローラ対71のニップ部に突き当て停止される。この状態にあるのが図1中の用紙P3で示されている。なお、図1において、符号P1,P2,P3は、両面印刷時において給送ないしは排出される過程の用紙Pの状態を表していると共に、用紙Pの給紙・排紙順番に対応した1枚目、2枚目、3枚目を表している。そして、クランパ19が切換部材10と対応する位置を通過するとソレノイド123が作動して切換部材10が第2の位置に位置決めされ、その後、印刷ドラム12上に巻装された分割製版済みマスタ65の方向Rにおける表面製版画像65Aの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動されることで、引き出された1枚目の用紙P1は印刷ドラム12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
こうして1枚目の用紙Pの先端が印刷ドラム12とプレスローラ13との間に向けて給送されたことが、上記用紙センサによって制御手段200の上記タイマで計時される所定の時間内に検知されると、制御手段200からの指令により係止手段180が作動する。これにより、図2に示したプレスローラ13の非印刷位置での保持状態が解除される。
上記所定のタイミングにおいて、カムフォロア41と当接可能である位置に移動されている圧解除カム43bはその大径部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を印刷ドラム12の外周面に圧接させる。これにより、印刷ドラム12の外周面とプレスローラ13の外周面との間に印刷ニップ部Nが形成されることとなり、プレスローラ13と1枚目の用紙P1と分割製版済みマスタ65の表面製版画像65A形成部と印刷ドラム12とが圧接し、インキローラ16によって印刷ドラム12の内周面に供給されたインキが、印刷ドラム12の開口部より滲出し、印刷ドラム12に巻着された図示しない版胴および図示しないメッシュスクリーン、および分割製版済みマスタ65の多孔性支持体に充填された後に、表面製版画像65Aの穿孔部を介して用紙P1に転写され、分割製版済みマスタ65のうちの表面製版画像65Aに対応した画像形成・印刷が行われて、表面画像が用紙P1に形成される。
このとき、印圧範囲可変手段55では「印刷最初の1枚目用の圧解除カム43b」に切り換えられており、印圧範囲は図5に示した印圧範囲パターンIが選択されているので、裏面製版画像65Bに対応した部分は画像形成されないし、プレスローラ13の外周表面がインキで汚れることもない。
表面製版画像65Aに対応した表面画像をその表面に印刷された表面印刷済み用紙P1は、切換部材10の先端及び剥離ファン141からの送風によってその先端部から印刷ドラム12外周面上の分割製版済みマスタ65から剥離されつつ、第2の位置を占めた切換部材10によって再給紙手段9へと案内される。切換部材10によって下方へと導かれた表面印刷済み用紙P1は、各ガイド板27,56間を通って案内されつつその先端をエンドフェンス8aに当接させ、再給紙トレイ8上に着地・載置される。再給紙トレイ8上に搬送された表面印刷済み用紙P1は、吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38に保持されつつ図1中矢印(右)方向に搬送され、その先端(表面製版画像65Aに対応した印刷時における後端)をストッパ部24aに突き当たり停止させ位置決めされた状態で待機させる。このとき、吸引ファン39の吸引力は上記したように比較的弱いので過大な搬送力による用紙座屈や撓みを発生させることなく、表面印刷済み用紙P1と無端ベルト38との間で滑りが発生して、表面印刷済み用紙P1はその先端をストッパ部24aに当接させた状態で停留・待機される(ステップS9ないしステップS11参照)。
なお、表面印刷済み用紙P1の先端がストッパ部24aに当接したときにこれを検知する図示しないセンサを設け、この図示しないセンサが表面印刷済み用紙P1の先端を検知したときに駆動ローラ36および吸引ファン39の作動を停止させる構成としてもよい。図1中の表面印刷済み用紙P2は、その先端がストッパ部24aに突き当たっている1枚目の表面印刷済み用紙P1の停留状態を示している。
表面印刷済み用紙P1が再給紙トレイ8上に案内されている間も印刷ドラム12は回転を継続しており、プレスローラ13は印刷ドラム12の表面領域12Aとの接触を終えると圧解除カム43bの大径部がカムフォロア41に当接することで非印刷位置を占める。この圧解除カム43bの働きにより、用紙Pが存在しない状態で印刷ドラム12の裏面領域12Bとプレスローラ13とが圧接することがなく、上述したようにプレスローラ13の外周表面へのインキの転移を防止できる。
ここで、係止手段180が作動してプレスローラ13を非印刷位置で保持した後、印刷ドラム12は給紙・印刷動作を休んで低速で回転し、その間にタイミングを合わせて印圧範囲可変手段55が作動して、「印刷最初の1枚目用の圧解除カム43b」から「連続的両面印刷時用の圧解除カム43a」に切り換える動作が行われる。具体的には、圧解除カム43bのAの部分を利用してモータ53の回転駆動によってスライド部材51を高速で圧解除カム43aがカムフォロア41と対向するように移動させてしまう(ステップS12およびステップS13参照)。
一方、分割製版済みマスタ65の方向Rにおける裏面製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングである所定のタイミングでソレノイド33が作動され、図3に示す揺動アーム32が支軸32aを中心に同図3における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動されることで、その先端をストッパ部24aに当接させた状態で再給紙トレイ8上で停留・待機している1枚目の表面印刷済み用紙P1が、後述するように給紙部4から給紙される2枚目の用紙P2の後端に続けて、再給紙トレイ8上の1枚目の表面印刷済み用紙P1が印刷ドラム12と圧接して従動回転しているプレスローラ13の周面に押し上げられて当接し、ストッパ部24aから外れ、印刷ドラム12の周速度と同じ周速度で従動回転駆動されているプレスローラ13の回転力によってその回転方向下流側へと搬送力を付与されて搬送され、2枚目の表面印刷済み用紙P2の後端および中間領域がプレスローラ13と対応する位置を通過した後、印刷ドラム12の裏面領域12Bの先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するタイミングで、用紙ガイド板31および各ローラ28,29,30によってプレスローラ13の外周周面に密着した状態で、印刷ニップ部Nへと搬送される。
換言すれば、1枚目の表面印刷済み用紙P1は2枚目の用紙P2の後端が印刷ニップ部Nを抜けきった後、印刷ドラム12の中間領域12Sがプレスローラ13と対向する位置を通過して裏面領域12Bがプレスローラ13と対向するタイミングで印刷ドラム12とプレスローラ13との印刷ニップ部Nに送られる。この時、印圧範囲は「連続的両面印刷時用の圧解除カム43a」によってプレスローラ13による印圧範囲パターンIIIが選択設定されているので、所定のタイミングにおいて、カムフォロア41と当接可能である位置に移動されている圧解除カム43aはその大径部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を印刷ドラム12の外周面に圧接させることにより、印刷ドラム12の外周面とプレスローラ13の外周面との間に印刷ニップ部Nが形成されることとなる。
またこのとき、1枚目の表面印刷済み用紙P1の表面には表面製版画像65Aに応じた画像が印刷されているが、再給紙案内部材22の働きによって用紙P1がプレスローラ13の外周周面に密着されているので、一度プレスローラ13の外周周面に接触した用紙P1がずれることがなく、擦れ汚れあるいは画線の太りといった不具合の発生が防止される。
1枚目の表面印刷済み用紙P1は、再給紙手段9、プレスローラ13、再給紙レジストローラ23、各ローラ28,29,30、用紙ガイド板31で形成される再給紙反転路を搬送されることによって反転されている。よって1枚目の表面印刷済み用紙P1は、反転された状態で、すなわち1枚目の表面印刷済み用紙P1の印刷画像形成面が裏面(下面)に、その表面(上面)が未印刷面となった状態で、印刷ドラム12とプレスローラ13との印刷ニップ部Nに送り込まれる。
これにより、プレスローラ13と1枚目の表面印刷済み用紙P1の表面と分割製版済みマスタ65の裏面製版画像65B形成部と印刷ドラム12とが圧接し、インキローラ16によって印刷ドラム12の内周面に供給されたインキが、印刷ドラム12の開口部、裏面製版画像65Bの穿孔部を介して1枚目の表面印刷済み用紙P1の表面に転移され、分割製版済みマスタ65のうちの裏面製版画像65Bに対応した印刷、すなわち裏面印刷画像(以下、単に「裏面画像」という)が形成されて両面印刷が行われる。
このように、プレスローラ13が図5に示すように2枚目の用紙P2およびこの用紙P2の後端に連続して搬送されている1枚目の表面印刷済み用紙P1を、印刷ドラム12上の分割製版済みマスタ65における表面製版画像65Aと裏面製版画像65Bとに亘り連続して押し付けることにより、2枚目の用紙P2には表面製版画像65Aに対応した画像形成・印刷が行われ、1枚目の表面印刷済み用紙P1の表面(未印刷面である上面であり、反転される前の裏面に相当)には裏面製版画像65Bに対応した画像形成・印刷が行われる。
説明が前後するが、2枚目の用紙P2の給紙動作は以下のように行われる。すなわち、給紙ローラ68および分離ローラ69が駆動され、給紙トレイ67上から通常両面印刷用の2枚目の用紙P2が引き出されてその先端をレジストローラ対71のニップ部に突き当て停止される。そして、1枚目の用紙P1と同様のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動され、引き出された用紙P2は印刷ドラム12とプレスローラ13との間に向けて給送される。切換部材10はクランパ19との衝突を回避すべく第1の位置に位置決めされた後、クランパ19の通過後に再び第2の位置に位置決めされる。
こうして2枚目の用紙Pの先端が印刷ドラム12とプレスローラ13との間に向けて給送されたことが、上記用紙センサによって制御手段200の上記タイマで計時される所定の時間内に検知されると、制御手段200からの指令により係止手段180が作動する。これにより、図2に示したプレスローラ13の非印刷位置での保持状態が解除される。
2枚目の用紙P2は上述した詳細動作を経て表面製版画像65Aに対応した画像形成・印刷が行われた後、第2の位置を占めた切換部材10及び剥離ファン141からの送風によって印刷ドラム12上の分割製版済みマスタ65から剥離案内されて再給紙トレイ8上に搬送される。上述の動作中、印刷ドラム12の中間領域12Sがプレスローラ13と対向する位置を占める直前にソレノイド123が作動されることにより、切換部材10が第2の位置から第1の位置に変位される。これにより、切換部材10によって案内されていた2枚目の表面印刷済み用紙P2の後端が、切換部材10の下面10aとプレスローラ13の外周周面との間の僅かな隙間を通って再給紙トレイ8上に案内されると、この用紙P2の後端に続いて搬送された、表面製版画像65Aに対応した表面画像を裏面に、裏面製版画像65Bに対応した裏面画像を表面にそれぞれ印刷された1枚目の両面印刷済み用紙P1の先端は、切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送手段85へと案内され、剥離爪84及び剥離ファン141からの送風によってその先端部から印刷ドラム12外周面上の分割製版済みマスタ65より剥離される。1枚目の両面印刷済み用紙P1は、剥離爪84及び剥離ファン141からの送風によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送手段85において図1中矢印方向に移動回転中の無端ベルト89上に吸着・保持されて搬送されて、排紙トレイ86上に排出される。図1中、符号P1で示す1枚目の両面印刷済み用紙P1は無端ベルト89上に吸着・保持されて搬送されている状態を、符号P1′で示す1枚目の両面印刷済み用紙P1′は排紙トレイ86上に排出・積載されている状態をそれぞれ表している。
以下、給紙部4から給紙される3枚目の用紙P3も4枚目の用紙P4ないしは(N―1)枚目の用紙P(N−1)についても、上述したと同様の両面印刷動作が継続して行われる(ステップS14ないしステップS19参照)。
テンキー109で設定された印刷枚数である所定枚数N枚の最後のN枚目の用紙PNが給紙部4から給送され、その表面に表面製版画像65Aに対応した表面画像を印刷されて再給紙トレイ8上に案内搬送される。一方、再給紙トレイ8上で待機している(N−1)枚目の表面印刷済み用紙P(N−1)が、上述したと同様に印刷ニップ部Nに向けて反転・再給紙されて、その表面に裏面製版画像65Bに対応した裏面画像を印刷されて両面印刷された後、排紙トレイ86上に排出される。この直後、係止手段180が作動されてプレスローラ13が非印刷位置で保持される。これと同時的に、印刷ドラム12は給紙・印刷動作を休止すると共に、再給紙トレイ8からの再給紙・搬送も休んで低速で回転し、その間にタイミングを合わせて印圧範囲可変手段55が作動して、「連続的両面印刷時用の圧解除カム43a」から「印刷最後の1枚目用の圧解除カム43c」に切り換える動作が行われる。具体的には、圧解除カム43aのBの部分を利用してモータ53の回転駆動によってスライド部材51を高速で圧解除カム43cがカムフォロア41と対向するように移動させてしまう(ステップS20ないしステップS22参照)。このとき、切換部材10は第1の位置を占めている。
そして、分割製版済みマスタ65における裏面製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりも早いタイミングでカムフォロア41と当接可能である位置に移動された圧解除カム43cはその大径部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を印刷ドラム12の外周面に圧接させる。その後、分割製版済みマスタ65における裏面製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングでソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図2における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動され、先端をストッパ部24aに当接させた状態で停留されていた印刷最後の表面印刷済み用紙PNが印刷ドラム12と当接して従動回転しているプレスローラ13の外周周面に当接される。
印刷最後の表面印刷済み用紙PNは用紙P1と同様のタイミングで印刷ドラム12とプレスローラ13との上記印刷ニップ部Nに送られ、その表面(未印刷面)に裏面製版画像65Bに対応した裏面画像を印刷される。表面画像および裏面画像を形成された両面印刷済み用紙PNは切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送手段85へと案内され、剥離爪84及び剥離ファン141からの送風によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送手段85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。その後、プレスローラ13は印刷ドラム12の裏面領域12Bとの接触を終えると圧解除カム43cの大径部がカムフォロア41に当接することで非印刷位置を占める。印圧範囲は、上記したように印刷最後の1枚目用の圧解除カム43cに切り換えられていて、印圧範囲パターンIIが選択されているので、用紙Pが存在しない状態で印刷ドラム12の表面領域12Aとプレスローラ13とが圧接することがなく、表面製版画像65Aに対応した表面画像は形成されないし、プレスローラ13の外周表面がインキで汚れてしまうこともない。このとき、係止手段180が作動してプレスローラ13が非印刷位置で保持され、その後に印刷ドラム12がホームポジションで停止して、両面印刷装置1は所定枚数の1つのジョブ印刷動作を終えて再び印刷待機状態となる(ステップS23ないしステップS25参照)。剥離ファン141の動作は、印刷最後の表面印刷済み用紙PNを送り出すための給紙ローラ68、分離ローラ69の回転開始から所定の時間が経過すると停止される。
ここで、印刷ドラム12に巻装されているマスタ64に押圧された用紙Pの、マスタ64からの剥離性は、印刷ニップ部Nに近い、方向Rにおける上流側ほど低い。したがって、切換部材10と剥離爪84とでは、切換部材10のほうが剥離に不利である。
そこで、剥離ファン141による送風の強さは、剥離動作を行う剥離部材が切換部材10である場合と剥離爪84である場合とで異ならせ、切換部材10と剥離爪84とのうち、方向Rにおいて上流側に位置する切換部材10で剥離動作を行う場合の送風の強さを、方向Rにおいて下流側に位置する剥離爪84で剥離動作を行う場合の送風の強さよりも強く、言い換えると送風量を多くする。これにより、剥離に不利な切換部材10による剥離動作が良好に行われる。以下、説明の便宜上、剥離爪84で剥離動作を行う場合の送風の強さを第1の強さといい、切換部材10で剥離動作を行う場合の送風の強さを第2の強さという。
このように、剥離ファン141による送風量の切り替えを行うのは、用紙Pの剥離に切換部材10と剥離爪84とを順次切り替えて用いる両面印刷時であり、片面印刷時には、用紙Pの剥離に剥離爪84のみが用いられるので、送風の強さは第1の強さで維持される。
したがって、用紙剥離装置150は、方向Rに沿って1つの製版画像が形成された製版済みマスタ66について剥離動作を行う、送風の強さが第1の強さで一定の剥離モードと、方向Rに沿って複数の製版画像が形成された分割製版済みマスタ65について剥離動作を行う、送風の強さが第1の強さ、第2の強さで切り替えられる剥離モードとを有している。前者のモードを第1の剥離モード、後者のモードを第2の剥離モードとすると、第1の剥離モードは片面印刷に用いられるモードであり、第2の剥離モードは両面印刷に用いられるモードとなっている。送風量の切り替えのタイミングは、切換部材10を第1の位置と第2の位置との間で選択的に位置決めするためにソレノイド123に通電されたタイミングとされる。これにより、送風の強さが必要に応じた強さとされるので、用紙Pの剥離性能を確保しつつ、剥離ファン141の駆動に要するエネルギーが抑制されるとともに、送風によって生じる騒音が抑制される。
ただし、両面印刷においては、複数の剥離部材である切換部材10、剥離爪84のうち切換部材10に加えて、方向Rにおいて上流側に位置する切換部材10を剥離動作に用いるので、第2のモードを、送風の強さを第2の強さで維持するモードとしてもよい。そしてこの場合には、片面印刷時には送風の強さが第1の強さで維持され、両面印刷時には送風の強さが第2の強さで維持されるようにする。このようにすれば、制御が簡素化されると言う利点があるとともに、送風量の切り替えによる剥離動作の応答性に遅れが出やすい場合に有効である。
なお、印刷ニップ部N周りには各構成が密集するため、本実施形態においては、送風手段140の配設位置を、切換部材10、剥離爪84に比べて、印刷ニップ部Nよりも遠い位置とし、切換部材10と剥離爪84とのうち、方向Rにおいて下流側に位置する剥離爪84による用紙Pの剥離位置よりもさらに方向Rにおける下流側から送風を行うようになっている。そのため、送風による剥離動作は、切換部材10と剥離爪84とのうち、方向Rの上流側に位置する切換部材10による用紙Pの剥離位置における方が作用しにくくなっている。よって、切換部材10で剥離動作を行うときに送風量を多くすることは、送風による剥離動作が作用しにくい方について送風量を多くし、剥離動作をより確実にすることにも適っている。
次に、製版給版後に先ず版付け印刷が行われて、そこで一旦動作を停止して画像確認を行う場合や、1枚だけの試し刷り印刷を行う場合には、上述した通常両面印刷動作と若干異なる以下のような動作・制御が行われる(ステップS8のイエスないしステップS33参照)。
給紙部4から印刷最初の1枚目の版付け用の用紙P1(以下、単に「用紙P1」というときがある)が、上記通常両面印刷時の最初の1枚目の給紙動作と同様の詳細動作で送り出され、クランパ19が切換部材10と対応する位置を通過したときの切換部材10の第2の位置への位置決め動作および係止手段180の作動によりプレスローラ13の非印刷位置での保持状態が解除される動作を経て、印刷ドラム12上の分割製版済みマスタ65における表面製版画像65Aの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動されることで、1枚目の用紙P1は印刷ドラム12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
この時には、印圧範囲可変手段55では既に印刷最初の1枚目用の圧解除カム43bに切り換えられており、印圧範囲は図5に示した印圧範囲パターンIが選択されている。所定のタイミングにおいて、カムフォロア41と当接可能である位置に移動されている圧解除カム43bはその大径部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を印刷ドラム12の外周面に圧接させる。これにより、印刷ドラム12の外周面とプレスローラ13の外周面との間に印刷ニップ部Nが形成されることとなり、プレスローラ13と1枚目の用紙P1と分割製版済みマスタ65の表面製版画像65A形成部と印刷ドラム12とが圧接することで、インキローラ16によって印刷ドラム12の内周面に供給されたインキが、印刷ドラム12の開口部より滲出し、印刷ドラム12に巻着された図示しない版胴および図示しないメッシュスクリーン、および分割製版済みマスタ65の多孔性支持体に充填された後に、表面製版画像65Aの穿孔部を介して用紙P1に転写され、表面製版画像65Aに対応した部分の画像形成・印刷が行われる。
この時、上記したように印圧範囲は図5に示した印圧範囲パターンIが選択されているので、裏面製版画像65Bに対応した部分は画像形成されないし、プレスローラ13の外周表面がインキで汚れることもない。
表面製版画像65Aに対応した表面画像をその表面に印刷された表面印刷済み用紙P1は、切換部材10及び剥離ファン141による上述したと同様の詳細動作によって再給紙手段9へと案内される。切換部材10によって下方へと導かれた表面印刷済み用紙P1は、上述したと同様の詳細動作によって再給紙トレイ8上に着地・載置され、さらに再給紙搬送手段25による上述したと同様の詳細動作によってその先端(表面製版画像65Aに対応した印刷時における後端)をストッパ部24aに突き当たり停止させ位置決めされた状態で待機している(ステップS26ないしステップS28参照)。
ここで、係止手段180が作動してプレスローラ13を非印刷位置で保持した後、印刷ドラム12は給紙・印刷動作を休んで低速で回転し、その間にタイミングを合わせて印圧範囲可変手段55が作動して、「印刷最初の1枚目用の圧解除カム43b」から「印刷最後の1枚目用圧解除カム43c」に切り換える動作が行われる(ステップS29およびステップS30参照)。
次いで、給紙部4から2枚目の用紙P2の給紙動作を行わずに、印刷ニップ部Nに送り込まれる所定のタイミングでソレノイド33が作動されることにより、再給紙トレイ8上で一時待機している表面印刷済み用紙P1が、上述したと同様の詳細動作を経てタイミングを合わせてプレスローラ13の回転力によってその表裏を反転されながら印刷ドラム12の外周面とプレスローラ13の外周面との間へと搬送される。このとき、印圧範囲は「印刷最後の1枚目用圧解除カム43c」によってプレスローラ13による印圧範囲パターンIIが選択されているので、所定のタイミングにおいて、カムフォロア41と当接可能である位置に移動されている圧解除カム43cはその大径部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を印刷ドラム12の外周面に圧接させる。これにより、印刷ドラム12の外周面とプレスローラ13の外周面との間に印刷ニップ部Nが形成されることとなり、プレスローラ13と表面印刷済み用紙P1の非表面画像形成面である表面(再給紙トレイ8上での裏面)と分割製版済みマスタ65の裏面製版画像65B形成部と印刷ドラム12とが圧接することで、インキローラ16によって印刷ドラム12の内周面に供給されたインキが上述したと同様の詳細動作を経て、表面印刷済み用紙P1に転写され、裏面製版画像65Bに対応した部分の画像形成・印刷が行われる。このとき切換部材10は上述したように第1の位置を占めた状態にある。こうして、その表面(上面)に裏面製版画像65Bに対応した裏面画像を印刷された両面印刷済み用紙P1は切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送手段85へと案内され、剥離爪84及び剥離ファン141からの送風によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送手段85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。この両面印刷済み用紙P1が版付け印刷物になる。
印圧範囲は、上記したように印刷最後の1枚目用の圧解除カム43cが選択されているので、用紙Pが存在しない状態で印刷ドラム12の表面領域12Aとプレスローラ13とが圧接することがなく表面製版画像65Aに対応した表刷画像は形成されないし、プレスローラ13の外周表面がインキ等で汚れてしまうこともない(ステップS31ないしステップS33参照)。
その後、さらに印刷ドラム12は低速で回転し、その間にタイミングを合わせて印圧範囲可変手段55が作動して、印圧範囲を「印刷最後の1枚目用圧解除カム43c」から「連続的両面印刷時用の圧解除カム43a」に切り換え、印圧範囲パターンIIIが選択設定されて、上述したと同様の連続的両面印刷を行う場合にはステップS9へ進み、試し刷り印刷等を行う場合等にはステップS35で指示待ちとなる(ステップS34参照)。
このような両面印刷モードの版付け動作または試し刷り動作によれば、両面印刷された1枚だけの印刷物を排紙部6の排紙トレイ86に排出することができ、再給紙トレイ8上に印刷途中の印刷物が残ることもなく、版付けや試し刷りにおいて片面画像のみが印刷された無駄な印刷物を作る必要がなくなり、プレスローラ13の外周表面がインキで汚れることもないという利点がある。
ここで、かりに、かかる版付け動作中の剥離ファン141による送風の強さが、切換部材10が第2の位置を占めている間、第2の強さに維持されるとすると、図13を参照してすでに述べたように、マスタ64が印刷ドラム12に対してしわを生じた状態となるおそれがある。
すなわち、両面印刷装置1では、図12を参照して、両面印刷時に、分割製版済みマスタ65の、表面製版画像65Aに対応する部分の版付け動作を行う、印刷ドラム12の1回転目における、プレスローラ13による印圧が解除された後、分割製版済みマスタ65の、裏面製版画像65Bに対応する部分の版付け動作を行う、印刷ドラム12の3回転目における、プレスローラ13による印圧が開始されるまでの間に、分割製版済みマスタ65の、裏面製版画像65Bに対応する部分、すなわち版付けが行われていない部分が、方向Rへの回転に伴い、剥離ファン141による送風を受ける領域を通過する。
よって、この通過のときに、分割製版済みマスタ65の、裏面製版画像65Bに対応する、版付けが行われていない部分、すなわち印刷ドラム12に未だ密着していない部分が送風によってあおられることで分割製版済みマスタ65にしわや折れが生じ、分割製版済みマスタ65は、この状態で、インキの付着によって粘性を有する印刷ドラム12、具体的にはメッシュスクリーンの表面に貼り付いてしまうのである。
分割製版済みマスタ65がかかる状態で張り付くと、その後の版付けで分割製版済みマスタ65が乱れた状態でプレスローラ13によって印刷ドラム12に押し当てられるため、このような分割製版済みマスタ65を印刷ドラム12に巻装した状態で印刷を行えば、特に裏面画像について異常画像が繰り返し印刷されることとなってしまう。
よって、印刷ドラム12に向けて行う送風であって、分割製版済みマスタ65の、版付けが行われていない部分すなわち印刷ドラム12に未押圧の部分に対する、送風手段140による送風の強さは、分割製版済みマスタ65の、版付けが行われている部分すなわち印刷ドラム12に押圧済みの部分に対する、送風手段140による送風の強さよりも、弱くなるように制御される。これにより、送風の強さが必要に応じた強さとされるので、用紙Pの剥離性能を確保しつつ、剥離ファン141の駆動に要するエネルギーが抑制されるとともに、送風によって生じる騒音が抑制され、また版付けが良好に行われる。
分割製版済みマスタ65の、表面製版画像65Aに対応する部分の版付け動作を行うときには、用紙Pを分割製版済みマスタ65から剥離するのは切換部材10であり、送風の強さは第2の強さとなっているので、分割製版済みマスタ65の未押圧の部分に対する送風の強さは、第2の強さよりも弱くされる。この場合の送風の強さを第3の強さとすると、第3の強さは第2の強さより弱いのみならず、第1の強さよりも弱く、分割製版済みマスタ65の乱れを極力抑制するようになっている。なお、図12において、剥離ファン送風量の、「強」は第2の強さ、「中」は第1の強さ、「弱」は第3の強さに対応している。
「強」から「弱」への切り替えのタイミング、「強」から「中」への切り替えのタイミングは、ともに、プレスローラ13がその保持を解除されている場合に、印刷ドラム12の、表面製版画像65Aに対応する部分から離間し始めるタイミングであって、このタイミングは、ホームポジションセンサ134によってドグ133が検知されたタイミングを基準に、タイマによって計られる。なお、印圧範囲パターンの切り換えができるのであれば、2回転目の印刷ドラムの空転はなくてもよい。
ただし、上述の版付け印刷の利点をそれ程望まなくてもよいのであれば、通常の片面印刷動作時の版付けと同様に、図5に示した印圧範囲パターンIIIを選択設定して版付け印刷動作を行ってもよく、この場合にはかかる送風の強さの制御は不要となる。
以上の説明において、両面印刷装置1は、分割製版済みマスタ65を用いて印刷を行うのは、両面印刷を行う場合としているが、両面印刷装置1は、分割製版済みマスタ65を用いて高速印刷を行うモードを備えていても良い。高速印刷モードでは、印刷ドラム12の1回転につき、複数枚の用紙Pに印刷を行う。この用紙Pの枚数は、分割製版済みマスタ65に製版される画像数に対応して2枚とし、高速印刷モードでは、表面製版画像65Aによる印刷、裏面製版画像65Bによる印刷を交互に行う。そこで、表面製版画像65A、裏面製版画像65Bが互いに異なる場合を考慮して、両面印刷装置1は排紙経路を、2系統有するものとする。そのうちの一方の系統は、剥離爪84、排紙搬送手段85、排紙トレイ86等を有しているものであり、他方の系統は、かかる一方の系統と同様の構成とすることができるものである。この他方の系統に備えられている剥離部材を、剥離爪84と同様の構成である図示しない第2の剥離爪とし、方向Rにおいて剥離爪84の下流側において、分割製版済みマスタ65から用紙Pを剥離するものとする。
このように、両面印刷装置1は、高速印刷モードにおいて、複数の剥離部材である剥離爪84、第2の剥離爪を備えた用紙剥離装置を用いる。なお、排紙経路を2系統有することに対応して、レジストローラ対71に至るまでの給紙経路を2系統備えても良い。この場合、レジストローラ対71に至るまでの他方の系統の構成を、給紙トレイ67、給紙ローラ68、分離ローラ69、分離パッド70と同様の構成とすることができる。高速印刷モードに対し、製版済みマスタ66を用いて印刷ドラム12の1回転につき1枚の用紙Pに印刷を行うモードを通常印刷モードという。通常印刷モードでは、剥離爪84と第2の剥離爪とのうちの何れか一方を用いた剥離動作を行う。操作パネル103は、図示しない高速印刷モードキー等、高速印刷モードを選択するための構成を備えるものとし、制御手段200は、高速印刷モードと通常印刷モードとの何れとなっているかを認識するものとする。
上述の実施形態では、方向Rに沿って1つの製版画像である片面製版画像66Aが形成された製版済みマスタ66について1つの剥離部材である剥離爪84で剥離動作を行う第1の剥離モードは、片面印刷に用いられるモードであり、方向Rに沿って複数の製版画像である表面製版画像65A、裏面製版画像65Bが形成された分割製版済みマスタ65について複数の剥離部材である剥離爪84、第2の剥離爪で順次剥離動作を行う第2の剥離モードは、両面印刷に用いられるモードであるが、両面印刷モードを有する場合、両面印刷モードもかかる第2の剥離モードに対応するモードとなる。
そして、送風手段140による送風の強さは、通常印刷モード、両面印刷モードで用いる剥離爪84、第2の剥離爪のうち、方向Rにおいて上流側に位置する剥離爪84で剥離動作を行う場合の強さを強くする。剥離爪84で剥離動作を行う場合の送風の強さは上述のように第2の強さであるが、第2の剥離爪で剥離動作を行う場合の送風の強さを第4の強さとすると、第4の強さは第2の強さより弱いこととなる。これにより、送風の強さが必要に応じた強さとされるので、用紙Pの剥離性能を確保しつつ、剥離ファン141の駆動に要するエネルギーが抑制されるとともに、送風によって生じる騒音が抑制される。なお、第4の強さは、第3の強さよりは強い。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、上述の実施形態では、用紙剥離装置は、両面印刷が可能な印刷装置に用いられているが、本発明にかかる用紙剥離装置は、片面印刷のみが可能な印刷装置に適用することもできる。この場合、再給紙手段9等が省略され、印刷装置の構成が簡素化される。ただし、印刷装置は高速印刷モードを備えるなど、剥離部材は複数備えられる構成とする。
剥離部材は、複数であれば上述の数に限られず、例えば、版胴に巻装された孔版原紙に製版される最大の画像数に応じて決定される。かかる最大の画像数は、2つに限らず、3つ以上であっても良い。送風手段による送風の強さは、用紙の剥離動作を行う剥離部材が版胴の回転方向において上流側にあるほど強いことが好ましいが、少なくとも、版胴の回転方向において最上流にある剥離部材が用紙の剥離動作を行うときの送風の強さが、版胴の回転方向において最下流にある剥離部材が用紙の剥離動作を行うときの送風の強さより強ければよい。
版胴に巻装された孔版原紙の製版画像が複数である場合、上述のように、方向R下流側の製版画像から印刷を開始するのでなく、方向R上流側の製版画像から印刷を開始するようにしても良い。
送風手段は、送風を行うためのポンプを有する構成であっても良い。高速印刷モードでは、版胴の回転速度を、通常印刷モードの2倍にするなど、通常印刷モードより早くしても良い。
印刷装置は、版胴を複数備えているものであっても良く、また例えば複数の版胴を用いてカラー印刷を行うものであっても良い。押圧手段はプレスローラでなく圧胴であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
本発明を適用した印刷装置の概略を示す正面図である。 図1に示した印刷装置において版胴外周面から離間したプレスローラを示す一部断面正面図である。 図1に示した印刷装置において版胴外周面に接触したプレスローラを示す一部断面正面図である。 図1に示した印刷装置に用いられる圧解除カムの形状およびそれらの位相関係を説明するための概略的な正面図である。 図1に示した印刷装置に用いられる印刷ドラム上の分割製版済みマスタに対応して適用される3つの印圧範囲パターンを展開して説明するための図である 図1に示した印刷装置に用いられる印圧範囲可変手段の要部を示し、図4に示した圧解除カムを右横側から見たときの一部断面側面図である。 図1に示した印刷装置に用いられる分割製版済みマスタの平面図である。 図1に示した印刷装置に用いられる製版済みマスタの平面図である。 図1に示した印刷装置に用いられる操作パネルの平面図である。 図1に示した印刷装置に備えられた制御手段及びこれによって制御される構成の一部を示すブロック図である。 図1に示した印刷装置の動作順序を示すフローチャートである。 図1に示した印刷装置に備えられた送風手段による送風の強さおよびその変更のタイミングを示したタイミングチャートである。 従来の印刷装置において版胴に巻装された孔版原紙に不具合が生じていることを示す概略正面図である。
符号の説明
1 印刷装置
10、84 剥離部材
12 版胴
64、65、66 孔版原紙
140 送風手段
150 用紙剥離装置
P、P1、P1’、P2、P3 用紙
R 版胴の回転方向

Claims (10)

  1. 回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離装置であって、
    前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、
    前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを有する用紙剥離装置において、
    前記送風手段による送風の強さを、複数の前記剥離部材のうち前記回転方向において上流側に位置する前記剥離部材で前記剥離動作を行うときほど強くする用紙剥離装置。
  2. 請求項1記載の用紙剥離装置において、
    前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱めることを特徴とする用紙剥離装置。
  3. 請求項1又は2記載の用紙剥離装置において、
    前記回転方向に沿って1つの製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行う第1の剥離モードと、前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について複数の前記剥離部材を順次用いて前記剥離動作を行う第2の剥離モードとを有することを特徴とする用紙剥離装置。
  4. 請求項3記載の用紙剥離装置において、
    第1の剥離モードが片面印刷に用いられるモードであり、第2の剥離モードが両面印刷に用いられるモードであることを特徴とする用紙剥離装置。
  5. 請求項3又は4記載の用紙剥離装置において、
    第1の剥離モードが、前記版胴の1回転につき1枚の用紙に印刷を行う通常印刷に用いられるモードであり、第2の剥離モードが、前記版胴が1回転につき複数枚の用紙に印刷を行う高速印刷に用いられるモードであることを特徴とする用紙剥離装置。
  6. 回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離装置であって、
    前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、
    前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを有する用紙剥離装置において、
    前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行うとき、前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱める用紙剥離装置。
  7. 回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離方法であって、
    前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、
    前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを用いる用紙剥離方法において、
    前記送風手段による送風の強さを、前記剥離動作を行う前記剥離部材が前記回転方向において上流側に位置するほど強くする用紙剥離方法。
  8. 回転する版胴に巻装された孔版原紙に押圧された用紙を前記孔版原紙から剥離する剥離動作を行う用紙剥離方法であって、
    前記版胴の回転方向に沿って複数配設され、前記孔版原紙と前記用紙との間に進入することで前記剥離動作を行う剥離部材と、
    前記剥離動作を行うために前記版胴に向けて送風する送風手段とを用いる用紙剥離方法において、
    前記回転方向に沿って複数の製版画像が形成された前記孔版原紙について前記剥離動作を行うとき、前記送風手段による送風の強さを、前記孔版原紙の、前記版胴に押圧済みの部分に対する強さよりも、前記版胴に未押圧の部分に対する強さの方を弱める用紙剥離方法。
  9. 請求項1ないし6の何れか1つに記載の用紙剥離装置、または、請求項7又は8記載の用紙剥離方法を用いる印刷装置。
  10. 請求項1ないし6の何れか1つに記載の用紙剥離装置、または、請求項7又は8記載の用紙剥離方法、または、請求項9記載の印刷装置を用いる印刷方法。
JP2007309330A 2007-11-29 2007-11-29 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法 Expired - Fee Related JP5103646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007309330A JP5103646B2 (ja) 2007-11-29 2007-11-29 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007309330A JP5103646B2 (ja) 2007-11-29 2007-11-29 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009132011A JP2009132011A (ja) 2009-06-18
JP5103646B2 true JP5103646B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=40864420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007309330A Expired - Fee Related JP5103646B2 (ja) 2007-11-29 2007-11-29 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5103646B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5387369B2 (ja) * 2009-11-30 2014-01-15 株式会社リコー 両面印刷装置及び記録媒体剥離方法
CN117645138B (zh) * 2024-01-30 2024-04-05 泸州市一圣鸿包装有限公司 一种原纸智能上料***及方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4402761B2 (ja) * 1999-04-23 2010-01-20 東北リコー株式会社 印刷装置
JP4469161B2 (ja) * 2003-11-17 2010-05-26 東北リコー株式会社 両面印刷装置
JP4943740B2 (ja) * 2006-05-19 2012-05-30 東北リコー株式会社 両面印刷装置
JP2008142928A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009132011A (ja) 2009-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4355123B2 (ja) 両面印刷装置
JP4410500B2 (ja) 両面印刷装置
JP4185297B2 (ja) 両面印刷装置
JP5103646B2 (ja) 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法
JP3940036B2 (ja) 両面印刷装置
JP4430380B2 (ja) 両面印刷装置及び両面印刷装置のジャム検出方法
JP2006224633A (ja) 両面印刷装置
JP4099050B2 (ja) 両面印刷装置
JP4651901B2 (ja) 両面印刷装置
JP5005974B2 (ja) 両面印刷装置
JP4515748B2 (ja) 両面印刷装置
JP4146283B2 (ja) 画像形成装置及び両面印刷装置
JP4037277B2 (ja) 印刷装置
JP2006248767A (ja) 両面画像形成装置
JP2006176303A (ja) 両面画像形成装置
JP4672977B2 (ja) 両面印刷装置
JP4226958B2 (ja) 給紙装置及び両面印刷装置
JP2009107125A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4584733B2 (ja) 両面画像形成装置
JP4351438B2 (ja) 両面印刷装置
JP2005169997A (ja) 両面印刷装置及び両面印刷方法
JP4672991B2 (ja) 両面印刷装置
JP5044842B2 (ja) 当接部材、印刷装置及び印刷方法
JP4402900B2 (ja) 両面印刷装置
JP4423335B2 (ja) 両面印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5103646

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees