JPH11129599A - 孔版印刷方法 - Google Patents

孔版印刷方法

Info

Publication number
JPH11129599A
JPH11129599A JP30147997A JP30147997A JPH11129599A JP H11129599 A JPH11129599 A JP H11129599A JP 30147997 A JP30147997 A JP 30147997A JP 30147997 A JP30147997 A JP 30147997A JP H11129599 A JPH11129599 A JP H11129599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
plate
printing
transfer cylinder
master
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30147997A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sato
佐藤  淳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP30147997A priority Critical patent/JPH11129599A/ja
Publication of JPH11129599A publication Critical patent/JPH11129599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面印刷において滲みや裏移りの発生を防止
して、損紙の発生を極力抑えることにより、印刷コスト
の低減を達成することのできる印刷方法を提供する。 【解決手段】 第1の版胴15と、第1の版胴15と用
紙搬送路を介して対向する転写胴63と、第2の版胴4
0とを具備し、第1の版胴15と転写胴63との圧接時
において印刷用紙Sの両面に画像が転写される孔版印刷
装置1を用い、各版胴15,40にそれぞれ印刷済みマ
スタ9,34が巻装された状態から印刷が行われる際
に、印刷に使用される版胴15,40と転写胴63とを
印刷済みマスタ9,34を介して互いに圧接させると共
にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、各版胴15,4
0から印刷済みマスタ9,34を剥離し、その後、各版
胴15,40に新しい製版済みのマスタ9,34を巻装
して印刷を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穿孔されたマスタ
を巻装して両面印刷あるいは片面印刷を行う孔版印刷装
置を用いた印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔性の支持円筒体に樹脂あるいは金属
網体のメッシュスクリーンを複数層巻装した構成の回転
自在な版胴と、熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜3μm
程度のものが一般的である)に和紙繊維または合成繊維
あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものからなる
多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタと
を用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘ
ッドで加熱穿孔製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に
設けられたインキ供給手段より版胴の内周面にインキを
供給して、プレスローラーや圧胴等の押圧部材で印刷用
紙を版胴に押圧することにより、版胴開孔部、マスタ穿
孔部より滲出したインキを印刷用紙に転写させて印刷を
行うデジタル式感熱孔版印刷装置がよく知られている。
【0003】この印刷装置を用いた孔版印刷において
は、近年、印刷用紙の節約あるいはファイルの増大防止
等の理由により、印刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷
が増加する傾向にある。この両面印刷を通常の印刷装置
を用いて行う場合には、給紙部に積載した印刷用紙を印
刷部に給送し、一面に印刷を行った後に印刷用紙を裏返
して再度印刷部に給送し、他面に印刷を行うことで両面
印刷物が得られるわけであるが、一度排紙された印刷用
紙を再度給紙部にセットしたり、片面印刷後の印刷用紙
を揃える等の作業が面倒であるという問題点があった。
【0004】また、印刷終了後の印刷物はインキが十分
に乾燥しておらず、すぐに裏面に印刷を行おうとする
と、搬送ローラーや押圧部材等が画像部に押し付けられ
て印刷画像が乱れたり汚れたりするため、大抵の場合、
数時間以上経過してから裏面への印刷を行い、特にベタ
画像がある場合には長時間の乾燥が必要で、翌日になっ
てから裏面への印刷が行われていた。
【0005】このように、両面印刷においては、印刷用
紙の裏面に印刷を行うまでに長時間印刷用紙を乾燥させ
ねばならず、しかも2回の給紙動作を行うので、時間が
かかりすぎるという問題点があった。
【0006】そこで、1回の通紙で印刷用紙の両面に印
刷画像を転写させる技術がこれまでに各種開示されてお
り、その中に、2つの版胴と転写胴から主に構成され、
印刷用紙に転写されるインキの形態を、従来の盛り上が
る形から押し込む形とすることによってインキの乾燥時
間を短縮させ、これにより十分な乾燥を可能として印刷
後の排出時にその印刷用紙から搬送手段表面へのインキ
の転移を防止する技術が特開平8−118774号公報
に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
技術では、前版のマスタ(印刷済みのマスタ)による印
刷が終了した後に次の原稿での製版動作が行われ、新し
いマスタが版胴に自動的に巻装されて印刷動作に進むよ
うに構成されている。このように連続的に印刷が行われ
る場合には、版胴の支持円筒体とメッシュスクリーンと
に十分な量のインキが保持されているので、新しいマス
タが巻装されてもインキが確実に供給され、1枚目から
良好な印刷物を得ることができる。
【0008】しかし、印刷装置を長時間放置した後に、
版胴に新しいマスタを巻装して印刷を行う場合には、版
胴の支持円筒体とメッシュスクリーンとに保持されてい
るインキ中の水分が蒸発してその体積が減少し、新しく
巻装されたマスタの多孔性支持体にインキが浸透して熱
可塑性樹脂フィルムの穿孔部より滲出するまでに時間が
かかる。
【0009】この水分が蒸発したインキは、その粘度が
低下してべとついた状態となっており、熱可塑性樹脂フ
ィルムの穿孔部より滲出して直接印刷用紙に転移された
り、また、転写胴を介して印刷用紙に転移されたとして
も滲みや裏移りの発生原因となるため、特に印刷用紙の
両面に画像を有する両面印刷においては、この粘度が低
下したインキが消費されるまでは良好な印刷物を得るこ
とができず、新しいマスタに対して良好な印刷画像が得
られるだけのインキが供給されるまでに数枚ないし数十
枚の損紙が発生してしまうという問題点があった。
【0010】本発明は、上記問題点を解決し、両面印刷
において滲みや裏移りの発生を防止して、損紙の発生を
極力抑えることにより、印刷コストの低減を達成するこ
とのできる印刷方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
外周面にマスタを巻装する回転自在な第1の版胴と、第
1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位置に配設され
た回転自在な転写胴と、前記転写胴の近傍に配設され、
外周面にマスタを巻装する回転自在な第2の版胴とを具
備し、第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞ
れ接離自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印
刷用紙の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧
接時において第1の版胴からの画像が転写され、前記印
刷用紙の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧
接時において前記転写胴に転移された画像が前記転写胴
によって転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法
であって、第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマス
タが巻装された状態から印刷が行われる際に、印刷に使
用される版胴と前記転写胴とを前記印刷済みマスタを介
して互いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転
させた後、前記版胴から前記印刷済みマスタを剥離し、
その後、前記版胴に新しい製版済みのマスタを巻装して
印刷を行うことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と用紙搬
送路を介して対向する位置に配設され、外周面にインキ
吸収部材を巻装可能である回転自在な転写胴と、前記転
写胴の近傍に配設され、外周面にマスタを巻装する回転
自在な第2の版胴と、前記転写胴に向けて前記インキ吸
収部材を供給するインキ吸収部材供給手段とを具備し、
第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
て、第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻
装された状態から印刷が行われる際に、前記転写胴に前
記インキ吸収部材を巻装し、印刷に使用される版胴と前
記転写胴とを前記印刷済みマスタ及び前記インキ吸収部
材を介して互いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だ
け回転させた後、前記版胴から前記印刷済みマスタを、
また、前記転写胴から前記インキ吸収部材をそれぞれ剥
離し、その後、前記版胴に新しい製版済みのマスタを巻
装して印刷を行うことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と用紙搬
送路を介して対向する位置に配設され、外周面にインキ
吸収部材を巻装可能である回転自在な転写胴と、前記転
写胴の近傍に配設され、外周面にマスタを巻装する回転
自在な第2の版胴と、前記転写胴に向けて前記インキ吸
収部材を供給するインキ吸収部材供給手段とを具備し、
第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
て、第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻
装された状態から印刷が行われる際に、印刷に使用され
る版胴からの前記印刷済みマスタの剥離と、前記転写胴
への前記インキ吸収部材の巻装とを行い、前記版胴と前
記転写胴とを前記インキ吸収部材を介して互いに圧接さ
せると共にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、前記転
写胴から前記インキ吸収部材を剥離し、その後、前記版
胴に新しい製版済みのマスタを巻装して印刷を行うこと
を特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と用紙搬
送路を介して対向する位置に配設され、外周面に印刷用
紙を巻装可能である回転自在な転写胴と、前記転写胴の
近傍に配設され、外周面にマスタを巻装する回転自在な
第2の版胴とを具備し、第1及び第2の版胴は前記転写
胴に対してそれぞれ接離自在に設けられ、前記用紙搬送
路を給送される印刷用紙の一方の面には、第1の版胴と
前記転写胴との圧接時において第1の版胴からの画像が
転写され、前記印刷用紙の他方の面には、第2の版胴と
前記転写胴との圧接時において前記転写胴に転移された
画像が前記転写胴によって転写される孔版印刷装置を用
いた孔版印刷方法であって、第1及び第2の版胴にそれ
ぞれ印刷済みマスタが巻装された状態から印刷が行われ
る際に、前記転写胴に印刷用紙を巻装し、印刷に使用さ
れる版胴と前記転写胴とを前記印刷済みマスタ及び前記
印刷用紙を介して互いに圧接させると共にそれぞれ所定
回数だけ回転させた後、前記版胴から前記印刷済みマス
タを、また、前記転写胴から前記印刷用紙をそれぞれ剥
離し、その後、前記版胴に新しい製版済みのマスタを巻
装して印刷を行うことを特徴とする。
【0015】請求項5記載の発明は、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と用紙搬
送路を介して対向する位置に配設され、外周面に印刷用
紙を巻装可能である回転自在な転写胴と、前記転写胴の
近傍に配設され、外周面にマスタを巻装する回転自在な
第2の版胴とを具備し、第1及び第2の版胴は前記転写
胴に対してそれぞれ接離自在に設けられ、前記用紙搬送
路を給送される印刷用紙の一方の面には、第1の版胴と
前記転写胴との圧接時において第1の版胴からの画像が
転写され、前記印刷用紙の他方の面には、第2の版胴と
前記転写胴との圧接時において前記転写胴に転移された
画像が前記転写胴によって転写される孔版印刷装置を用
いた孔版印刷方法であって、第1及び第2の版胴にそれ
ぞれ印刷済みマスタが巻装された状態から印刷が行われ
る際に、印刷に使用される版胴に巻装されている前記印
刷済みマスタの剥離と前記転写胴への印刷用紙の巻装と
を行い、前記版胴と前記転写胴とを前記印刷用紙を介し
て互いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転さ
せた後、前記転写胴から前記印刷用紙を剥離し、その
後、前記版胴に新しい製版済みのマスタを巻装して印刷
を行うことを特徴とする。
【0016】請求項6記載の発明は、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と用紙搬
送路を介して対向する位置に配設され、外周面にマスタ
を巻装可能である回転自在な転写胴と、前記転写胴の近
傍に配設され、外周面にマスタを巻装する回転自在な第
2の版胴とを具備し、第1及び第2の版胴は前記転写胴
に対してそれぞれ接離自在に設けられ、前記用紙搬送路
を給送される印刷用紙の一方の面には、第1の版胴と前
記転写胴との圧接時において第1の版胴からの画像が転
写され、前記印刷用紙の他方の面には、第2の版胴と前
記転写胴との圧接時において前記転写胴に転移された画
像が前記転写胴によって転写される孔版印刷装置を用い
た孔版印刷方法であって、第1及び第2の版胴にそれぞ
れ印刷済みマスタが巻装された状態から印刷が行われる
際に、前記転写胴に、支持体が第1及び第2の版胴の表
面と対向する向きに未製版マスタを巻装し、印刷に使用
される版胴と前記転写胴とを前記印刷済みマスタ及び前
記未製版マスタを介して互いに圧接させると共にそれぞ
れ所定回数だけ回転させた後、前記版胴から前記印刷済
みマスタを、また、前記転写胴から前記未製版マスタを
それぞれ剥離し、その後、前記版胴に新しい製版済みの
マスタを巻装して印刷を行うことを特徴とする。
【0017】請求項7記載の発明は、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と用紙搬
送路を介して対向する位置に配設され、外周面にマスタ
を巻装可能である回転自在な転写胴と、前記転写胴の近
傍に配設され、外周面にマスタを巻装する回転自在な第
2の版胴とを具備し、第1及び第2の版胴は前記転写胴
に対してそれぞれ接離自在に設けられ、前記用紙搬送路
を給送される印刷用紙の一方の面には、第1の版胴と前
記転写胴との圧接時において第1の版胴からの画像が転
写され、前記印刷用紙の他方の面には、第2の版胴と前
記転写胴との圧接時において前記転写胴に転移された画
像が前記転写胴によって転写される孔版印刷装置を用い
た孔版印刷方法であって、第1及び第2の版胴にそれぞ
れ印刷済みマスタが巻装された状態から印刷が行われる
際に、印刷に使用される版胴に巻装されている前記印刷
済みマスタを剥離し、前記転写胴に、支持体が第1及び
第2の版胴の表面と対向する向きに未製版マスタを巻装
し、前記版胴と前記転写胴とを前記未製版マスタを介し
て互いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転さ
せた後、前記転写胴に巻装されている前記未製版マスタ
を剥離し、その後、前記版胴に新しい製版済みのマスタ
を巻装して印刷を行うことを特徴とする。
【0018】請求項8記載の発明は、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第1の版胴と、第1の版胴と用紙搬
送路を介して対向する位置に配設された回転自在な転写
胴と、前記転写胴の近傍に配設され、外周面にマスタを
巻装する回転自在な第2の版胴とを具備し、第1及び第
2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離自在に設け
られ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙の一方の面
には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時において第1
の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙の他方の面
には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時において前記
転写胴に転移された画像が前記転写胴によって転写され
る孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であって、第1及
び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状
態から印刷が行われる際に、印刷に使用される版胴に巻
装されている前記印刷済みマスタを剥離した後に該版胴
に未製版マスタを巻装し、前記版胴と前記転写胴とを前
記未製版マスタを介して互いに圧接させると共にそれぞ
れ所定回数だけ回転させた後、前記版胴に巻装されてい
る未製版マスタを剥離し、その後、前記版胴に新しい製
版済みのマスタを巻装して印刷を行うことを特徴とす
る。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項1または請
求項8記載の孔版印刷方法において、さらに、前記転写
胴が外周面に印刷用紙を巻装する巻装手段を具備し、印
刷に使用される版胴に新しい製版済みのマスタを巻装し
て印刷を行う際に、前記転写胴に印刷用紙を巻装し、前
記版胴と前記転写胴とを前記製版済みのマスタ及び前記
印刷用紙を介して互いに圧接させると共にそれぞれ所定
回数だけ回転させた後、前記転写胴に巻装されている前
記印刷用紙を剥離し、その後、印刷を行うことを特徴と
する。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項2ないし
請求項7のうちの何れか1つに記載の孔版印刷方法にお
いて、さらに、印刷に使用される版胴に新しい製版済み
のマスタを巻装して印刷を行う際に、前記転写胴に印刷
用紙を巻装し、前記版胴と前記転写胴とを前記製版済み
のマスタ及び前記印刷用紙を介して互いに圧接させると
共にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、前記転写胴に
巻装されている前記印刷用紙を剥離し、その後、印刷を
行うことを特徴とする。
【0021】請求項11記載の発明は、請求項1ないし
請求項10のうちの何れか1つに記載の孔版印刷方法に
おいて、さらに、前記孔版印刷装置が前回の印刷終了時
からの経過時間を計時する計時手段を具備し、前記計時
手段によって計時された前記経過時間の長さに応じて印
刷に使用される版胴と前記転写胴との圧接時における回
転回数を制御することを特徴とする。
【0022】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の孔版印刷方法において、さらに、前記孔版印刷装置が
装置内部の温度を検出する温度検出手段を具備し、前記
温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記回
転回数の制御を補正することを特徴とする。
【0023】請求項13記載の発明は、請求項11また
は請求項12記載の孔版印刷方法において、さらに、前
記孔版印刷装置が装置内部の湿度を検出する湿度検出手
段を具備し、前記湿度検出手段によって検出された湿度
に基づいて前記回転回数の制御を補正することを特徴と
する。
【0024】
【実施例】図1は、本発明の第1及び第2の実施例に用
いられる孔版印刷装置1の概略側面図である。同図にお
いて、孔版印刷装置1は、第1製版部2、第1印刷部
3、給紙部4、排紙部5、第2製版部6、第2印刷部
7、転写部8、第1排版部103、第2排版部104等
から主に構成されている。
【0025】第1製版部2は、多孔性支持体と熱可塑性
樹脂フィルムとを貼り合わせた構造のマスタ9をロール
状に巻成してなるマスタロール10、マスタ9を加熱穿
孔製版するサーマルヘッド11、マスタ9をサーマルヘ
ッド11に押圧しつつ搬送するプラテンローラー12、
マスタ9を切断する切断手段13、マスタ9の搬送をガ
イドするガイド板14等から主に構成されている。
【0026】マスタロール10は、その芯部10aを図
示しない支持部材に回転自在に支持されている。複数の
発熱素子を有するサーマルヘッド11は、マスタ9の熱
可塑性樹脂フィルム面に対して原稿画像とは逆向きの鏡
像を製版する。プラテンローラー12は、図示しないス
テッピングモーターによって回転駆動される。切断手段
13は、可動刃13aが固定刃13bに対して回転移動
あるいは上下動する。ガイド板14の両端部近傍には、
図示しない駆動手段で回転駆動されるマスタ搬送ローラ
ー対14a,14bが配設されている。
【0027】第1製版部2の下方には第1印刷部3が配
設されている。第1印刷部3は、第1の版胴としての版
胴15、版胴15の内部に設けられたインキ供給手段1
6から主に構成されている。
【0028】多孔性の支持円筒体とメッシュスクリーン
とを有する版胴15は、インキ供給パイプを兼ねた支軸
17に回転自在に支持されており、後述する版胴駆動手
段69によって回転駆動される。版胴15の外周面上の
非開孔部には、マスタ9を挟持するためのステージ部1
8とクランパー19とが配設されており、クランパー1
9は図示しない開閉手段によって開閉される。
【0029】インキ供給手段16は、支軸17とインキ
ローラー20とドクターローラー21とから主に構成さ
れている。その外周面を版胴15の内周面より僅かに離
間させて配置されたインキローラー20は、支軸17に
支持された図示しない側板に回転自在に支持されてお
り、図示しない駆動手段によって図に矢印で示す方向に
版胴15の周速度よりも僅かに遅い周速度で回転駆動さ
れる。
【0030】その外周面をインキローラー20の外周面
に対して僅かに離間させて配置されたドクターローラー
21もインキローラー20と同様に図示しない側板に回
転自在に支持されており、図示しない駆動手段によって
インキローラー20とは逆方向に回転駆動される。イン
キローラー20の外周面とドクターローラー21の外周
面との近接部において、支軸17より供給されたインキ
によって楔状のインキ溜まり22が形成される。
【0031】版胴15は、図2に示す接離機構によっ
て、印刷用紙Sの搬送路を介して後述する転写胴63の
外周面に対してその外周面が接離可能となるように構成
されている。接離機構は、版胴移動アーム49、アーム
ストッパー50、カム51等から主に構成されている。
【0032】鈎型に形成された自由端49aを有する版
胴移動アーム49は、装置本体に取り付けられた支持軸
52に基端を揺動自在に支持されており、基端と自由端
49aとの間の部位に支軸17が取り付けられている。
版胴移動アーム49の、支軸17の取付位置と自由端4
9aとの間の部位には、回転自在なカムフォロア53が
配設されており、その近傍には一端を装置本体に取り付
けられた引張バネ54の他端が取り付けられている。
【0033】装置本体の、カムフォロア53と対応する
位置には、後述する版胴駆動手段69から図示しない駆
動力伝達手段によって駆動力を伝達され版胴15と同期
して回転するカム51が配設されている。版胴移動アー
ム49は、引張バネ54によってカムフォロア53をカ
ム51に当接させる向きに付勢されており、カムフォロ
ア53がカム51の大径部と当接したときに版胴15の
外周面が転写胴63の外周面より離間し、カムフォロア
53とカム51の大径部との当接が外れたときに版胴1
5の外周面が転写胴63の外周面に当接するように構成
されている。
【0034】自由端49aの近傍には、自由端49aと
係合可能な鈎型の自由端50aを有し、基端を装置本体
に回動自在に支持されたアームストッパー50が配設さ
れている。アームストッパー50の基端と自由端50a
との間の部位には、装置本体に取り付けられたソレノイ
ド55のプランジャ55aが接続されており、アームス
トッパー50は、ソレノイド55の作動によって自由端
50aと自由端49aとの係合が解除する位置に回動さ
れる。また、プランジャ55aには、自由端50aと自
由端49aとが係合する向きにアームストッパー50を
付勢するリターンバネ85が取り付けられており、カム
51の大径部とカムフォロア53とが当接したときにソ
レノイド55が非作動状態となることで、自由端49a
と自由端50aとが係合する。
【0035】第1印刷部3の左下方には給紙部4が配設
されている。給紙部4は、レジストローラー対23、印
刷用紙検知センサー24、ガイド板25等から主に構成
されている。
【0036】レジストローラー対23は、図示しない給
紙カセットから給送される印刷用紙Sの先端をくわえ込
み、版胴15上に巻装された製版済みのマスタ9の画像
先端部と印刷用紙Sの転写位置とを整合させるタイミン
グで印刷用紙Sを送り出す。印刷用紙検知センサー24
は、レジストローラー対23より送り出された印刷用紙
Sを検知して信号を出力し、この信号に基づいてソレノ
イド55が作動する。装置本体に固定されたガイド板2
5は、送り出された印刷用紙Sを第1印刷部3に向けて
案内する。
【0037】第1印刷部3の右方である用紙搬送方向下
流側には排紙部5が配設されている。排紙部5は、剥離
爪26、ガイド板27、排紙搬送手段28、排紙トレイ
29等から主に構成されている。
【0038】版胴15の外周面から印刷用紙Sを剥離す
る剥離爪26は、装置本体に揺動自在に支持されてお
り、図示しない揺動手段によって、その先端が版胴15
の外周面に近接する位置と版胴15の外周面より離間す
る位置とに選択的に位置決めされる。装置本体に固定さ
れたガイド板27は、剥離爪26によって版胴15の外
周面より剥離された印刷用紙Sを排紙搬送手段28に向
けて案内する。排紙搬送手段28は、図示しない駆動手
段で回転駆動される駆動ローラー30、従動ローラー3
1、各ローラー間に掛け渡された複数の無端ベルト3
2、吸引ファン33等から主に構成され、印刷された印
刷用紙Sを吸引ファン33の吸引力によって無端ベルト
32上に保持しつつ、排紙トレイ29に向けて搬送す
る。
【0039】第1印刷部3の下方には第2製版部6が配
設されている。第2製版部6は、多孔性支持体と熱可塑
性樹脂フィルムとを貼り合わせた構造のマスタ34をロ
ール状に巻成してなるマスタロール35、マスタ34を
加熱穿孔製版するサーマルヘッド36、マスタ34をサ
ーマルヘッド36に押圧しつつ搬送するプラテンローラ
ー37、マスタ34を切断する切断手段38、マスタ3
4の搬送をガイドするガイド板39等から主に構成され
ている。
【0040】マスタロール35は、その芯部35aを図
示しない支持部材に回転自在に支持されている。複数の
発熱素子を有するサーマルヘッド36は、マスタ34に
対して原稿画像と同じ向きの正像を製版する。プラテン
ローラー37は、図示しないステッピングモーターによ
って回転駆動される。切断手段38は、可動刃38aが
固定刃38bに対して回転移動あるいは上下動する。ガ
イド板39の両端部近傍には、図示しない駆動手段で回
転駆動されるマスタ搬送ローラー対39a,39bが配
設されている。
【0041】第2製版部6の右方には第2印刷部7が配
設されている。第2印刷部7は、第2の版胴としての版
胴40、版胴40の内部に設けられたインキ供給手段4
1から主に構成されている。
【0042】多孔性の支持円筒体とメッシュスクリーン
とを有する版胴15と同径の版胴40は、インキ供給パ
イプを兼ねた支軸42に回転自在に支持されており、そ
の外周面上の非開孔部にマスタ34を挟持するためのス
テージ部43とクランパー44とを有している。クラン
パー44は図示しない開閉手段によって開閉される。
【0043】インキ供給手段41は、支軸42とインキ
ローラー45とドクターローラー46とインキ供給管4
7とから主に構成されている。その外周面を版胴40の
内周面より僅かに離間させて配置されたインキローラー
45は、支軸42に支持された図示しない側板に回転自
在に支持されており、図示しない駆動手段によって図に
矢印で示す方向に版胴40の周速度よりも僅かに遅い周
速度で回転駆動される。その外周面をインキローラー4
5の外周面に対して僅かに離間させて配置されたドクタ
ーローラー46もインキローラー45と同様に図示しな
い側板に回転自在に支持されており、図示しない駆動手
段によってインキローラー45とは逆方向に回転駆動さ
れる。インキ供給管47は支軸42に接続されており、
インキローラー45の外周面とドクターローラー46の
外周面との近接部において、支軸42よりインキ供給管
47を通って供給されたインキが楔状のインキ溜まり4
8を形成する。
【0044】版胴40も版胴15と同様に、図1に二点
鎖線で示す接離機構によって転写胴63の外周面に対し
てその外周面が接離可能となるように構成されている。
接離機構は、版胴移動アーム56、アームストッパー5
7、カム58等から主に構成されている。
【0045】鈎型の一端56aを有し、曲折された版胴
移動アーム56は、装置本体に取り付けられた支持軸5
9に曲折部56bを揺動自在に支持されており、他端に
支軸42が取り付けられている。版胴移動アーム56の
一端56a寄りの部位には、回転自在なカムフォロア6
0が配設されており、その近傍には一端を装置本体に取
り付けられた引張バネ61の他端が取り付けられてい
る。
【0046】装置本体の、カムフォロア60と対応する
位置には、後述する版胴駆動手段69から図示しない駆
動力伝達手段によって駆動力を伝達され版胴40と同期
して回転するカム58が配設されている。版胴移動アー
ム56は、カムフォロア60がカム58の大径部と当接
したときに版胴40の外周面が後述する転写胴63の外
周面より離間し、カムフォロア60とカム58の大径部
との当接が外れたときに版胴40の外周面が転写胴63
の外周面に当接するように構成されている。
【0047】一端56aの近傍には、鈎型の自由端57
aを有する回動自在なアームストッパー57が配設され
ている。アームストッパー57には装置本体に取り付け
られたソレノイド62のプランジャが接続されており、
アームストッパー57は、アームストッパー50と同様
に、ソレノイド62の作動によって自由端57aと一端
56aとが係脱自在となるように回動される。
【0048】第1印刷部3と第2印刷部7との間には転
写部8が配設されている。転写部8は、転写胴63、ク
リーニング手段64、版胴駆動手段69から主に構成さ
れている。
【0049】支軸65に支持された円筒体であり、各版
胴15,40と同径の転写胴63は、その外周面上に、
ステージ部18及びクランパー19とステージ部43及
びクランパー44とが入り込むことが可能な凹部63a
を有しており、この凹部63aを除いた外周面には、イ
ンキの転移が可能なニトリルゴム等の合成ゴムからなる
弾性部材63bが貼着されている。転写胴63は、後述
する版胴駆動手段69により、各版胴15,40と同じ
周速度で図1の矢印方向に回転駆動される。
【0050】転写胴63の近傍には、クリーニングロー
ラー66、供給ローラー67、クリーナートレイ68等
から主に構成されるクリーニング手段64が配設されて
いる。クリーニング手段64は、クリーナートレイ68
内に貯容されたクリーナー中に周面の一部を浸漬させた
回転自在な供給ローラー67によってクリーナーを汲み
上げ、供給ローラー67の周面にその周面を当接させた
回転自在なクリーニングローラー66を弾性部材63b
に接触させることで、弾性部材63bの表面に付着した
インキを除去する。クリーニング手段64は全体的に上
下動自在に設けられており、クリーニングローラー66
を弾性部材63bに対して接離可能となるように構成さ
れている。
【0051】版胴駆動手段69は、図3に示すように、
転写胴ギヤ70、転写胴ギヤ70と同形の版胴ギヤ7
1,72、それぞれ同形のアイドルギヤ73,74,7
5,76、駆動モーター77、モーターギヤ78、連結
アーム79,80,81,82、連結リンク83,84
等から主に構成されている。
【0052】転写胴ギヤ70及び各版胴ギヤ71,72
は、転写胴63及び各版胴15,40の外径よりも小さ
く形成されており、各版胴15,40が転写胴63と当
接した際に噛み合うことがない大きさに形成されてい
る。各ギヤ70,71,72は、それぞれの円筒体(転
写胴63、版胴15,40)の側面に取り付けられた図
示しないフランジの外側に固着され、各円筒体と共に回
転する。
【0053】転写胴ギヤ70には、装置本体に取り付け
られた駆動モーター77の出力軸に取り付けられたモー
ターギヤ78が噛合しており、さらに、支軸65に一端
を回動自在に取り付けられた連結アーム80,81の他
端に回転自在に支持されたアイドルギヤ74,75が噛
合している。転写胴63には、各版胴15,40に設け
られているような接離機構がないため、転写胴ギヤ70
とモーターギヤ78とが常に噛合可能である。
【0054】版胴ギヤ71には、支軸17に一端を回動
自在に取り付けられた連結アーム79の他端に回転自在
に支持されたアイドルギヤ73が噛合しており、アイド
ルギヤ73はアイドルギヤ74と噛合した状態で連結リ
ンク83によって繋がれている。また、版胴ギヤ72に
は、支軸42に一端を回動自在に取り付けられた連結ア
ーム82の他端に回転自在に支持されたアイドルギヤ7
6が噛合しており、アイドルギヤ76はアイドルギヤ7
5と噛合した状態で連結リンク84によって繋がれてい
る。
【0055】上述の構成により、駆動モーター77が作
動してモーターギヤ78が図の矢印方向に回転すると、
転写胴ギヤ70が矢印方向に回転して転写胴63が回転
する。また、この回転力がアイドルギヤ74,73を介
して版胴ギヤ71に伝達されて版胴15が矢印方向に回
転すると共に、アイドルギヤ75,76を介して版胴ギ
ヤ72にも伝達され、版胴40が矢印方向に回転する。
なお、図3では、説明の便宜上、版胴ギヤ71と転写胴
ギヤ70と版胴ギヤ72とを直列に表示しているが、各
ギヤの配置は図1における版胴15、転写胴63、版胴
40の配置と同じ位置である。
【0056】版胴駆動手段69には、版胴15と転写胴
63あるいは版胴40と転写胴63の相対的な位相をず
らすための天地移動機構が設けられている。この天地移
動機構は、連結アーム79に一端を連結された移動ロッ
ド125、移動ロッド125を矢印A1の方向あるいは
矢印B1の方向に移動させる図示しないロッド移動手
段、連結アーム82に一端を連結された移動ロッド12
6、移動ロッド126を矢印A2方向あるいは矢印B2
方向に移動させる図示しないロッド移動手段から主に構
成されている。
【0057】図3に示す状態から移動ロッド125を矢
印A1方向に移動させると、連結アーム79が反時計回
り方向に回動されることによりアイドルギヤ73が反時
計回り方向に版胴ギヤ71上を転動し、アイドルギヤ7
3と噛合したアイドルギヤ74が時計回り方向に回転さ
れ、アイドルギヤ74と噛合した転写胴ギヤ70が反時
計回り方向に回転する。これにより、版胴15と転写胴
63との相対的な位相がずれることとなる。このとき、
転写胴ギヤ70の回転に伴い、各アイドルギヤ75,7
6を介して版胴ギヤ72も転写胴ギヤ70と同じ回転量
だけ時計回り方向に回転するので、版胴40と転写胴6
3の相対的な位相は変化しない。同様に、移動ロッド1
26を矢印A2あるいは矢印B2方向に移動させること
により、版胴40と転写胴63の相対的な位相をずらす
ことができる。
【0058】このような天地移動機構を備えた版胴駆動
手段69においては、転写胴ギヤ70と各版胴ギヤ7
1,72の歯数を同じに、また、各アイドルギヤ73,
74,75,76の歯数をそれぞれ同じとし、かつ、各
ギヤ70,71,72の歯数が各アイドルギヤ73,7
4,75,76の歯数の整数倍となるように設定する
と、ギヤとアイドルギヤ及びアイドルギヤ同士の噛合す
る歯の組み合わせが常に同じとなり、また、これらの歯
数比を1:2あるいは1:3とすれば2回転毎あるいは
3回転毎に噛合する歯の組み合わせが同じとなるので、
ギヤの加工精度等を含む噛合精度が多少悪くとも各版胴
15,40と転写胴63の相対位置関係を一定に保つこ
とができる。
【0059】第1印刷部3の左方には第1排版部103
が配設されている。第1排版部103は上排版部材10
5、下排版部材106、排版ボックス107、圧縮板1
08等から主に構成されている。
【0060】上排版部材105は、駆動ローラー10
9、従動ローラー110、無端ベルト111から構成さ
れ、駆動ローラー109が図1において時計回り方向に
回転することにより無端ベルト111が図の矢印方向に
移動する。下排版部材106も上排版部材105と同様
に駆動ローラー112、従動ローラー113、無端ベル
ト114から構成されており、駆動ローラー112が図
1において反時計回り方向に回転することにより無端ベ
ルト114が図の矢印方向に移動する。また、下排版部
材106は図示しない移動手段によって移動自在に設け
られており、図1に示す位置と駆動ローラー112の外
周面が版胴15の外周面に当接する位置とに選択的に位
置決めされる。版胴15の外周面より剥離された印刷済
みのマスタ9を貯容する排版ボックス107は、図示し
ない装置本体に対して着脱自在に設けられている。排版
ボックス107の内部に印刷済みのマスタ9を押し込む
圧縮板108は、図示しない昇降手段によって上下動自
在に支持されている。
【0061】第2製版部6の下方には第2排版部104
が配設されている。第2排版部104は、第1排版部1
03と同様に、上排版部材115、下排版部材116、
排版ボックス117、圧縮板118等から主に構成され
ている。
【0062】上排版部材115及び下排版部材116
は、上排版部材105及び下排版部材106と同様に、
駆動ローラー119、従動ローラー120、無端ベルト
121、並びに駆動ローラー122、従動ローラー12
3、無端ベルト124からそれぞれ構成されており、各
駆動ローラー119,122の回転により各無端ベルト
121,124が図の矢印方向に移動する。また、下排
版部材116は図示しない移動手段によって移動自在に
設けられており、図1に示す位置と駆動ローラー122
の外周面が版胴40の外周面に当接する位置とに選択的
に位置決めされる。版胴40の外周面より剥離された印
刷済みのマスタ34を貯容する排版ボックス117は図
示しない装置本体に対して着脱自在であり、圧縮板11
8は図示しない昇降手段によって上下動される。
【0063】孔版印刷装置1の図示しない装置本体の上
部前面には、操作パネル86が配設されている。操作パ
ネル86は、図4に示すように、製版スタートキー8
7、印刷スタートキー88、試し刷りキー89、ストッ
プキー90、テンキー91、クリアキー92、拡大縮小
キー93、印刷速度設定キー94、連写キー95、両面
印刷を行うモードと片面印刷を行うモードとに切り換え
るモード切換キー96、モード切換キー96によって切
り換えられたモードを表示するLEDからなるモード表
示手段97、7セグメントLEDからなる表示装置9
8、LCDからなる表示装置99等の周知の構成の他、
孔版印刷装置を長時間放置した後の動作開始時に放置後
動作を行わせる放置後動作キー100、及び前回の印刷
動作終了後より製版スタートキー87が押されるまでの
時間である経過時間を計時する、計時手段としてのタイ
マー101を有している。
【0064】孔版印刷装置1の図示しない装置本体の内
部には、CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイ
クロコンピューターからなる制御手段102が配設され
ている。制御手段102は、原稿画像を読み取る図示し
ない画像読取部からの画像データ信号、印刷用紙検知セ
ンサー24からの検知信号、操作パネル86からの制御
信号及びタイマー101からの時間信号を受け、ROM
に記憶された孔版印刷装置1の動作プログラムに基づい
て、第1製版部2、ソレノイド55を有する第1印刷部
3、給紙部4、排紙部5、第2製版部6、ソレノイド6
2を有する第2印刷部7、駆動モーター77を有する版
胴駆動手段69を具備した転写部8、第1排版部10
3、第2排版部104の制御を行う。制御手段102の
ブロック図を図5に示す。
【0065】上述の構成に基づいて、以下に本発明の第
1の実施例における、両面印刷時での孔版印刷装置1の
動作を説明する。オペレーターは図示しない画像読取部
に2枚の原稿をセットし、モード切換キー96を押して
両面印刷モードを選択し、モード表示手段97のLED
が「両面」で点灯したのを確認した後、製版スタートキ
ー87を押す。このとき、前回の印刷動作終了時から作
動していたタイマー101の作動が停止し、タイマー1
01から制御手段102に向けて時間信号が出力され
る。時間信号を受けた制御手段102は、この時間信号
をROMに記憶された閾値と比較し、時間信号が閾値を
超えた場合には放置後の印刷とみなし、ROMから放置
後印刷時における動作プログラムを呼び出す。時間信号
が閾値以下の場合には、通常印刷時における動作プログ
ラムを呼び出す。また、時間信号が閾値以下の場合であ
っても、製版スタートキー87が押される前に放置後動
作キー100が押されている場合には、制御手段102
はROMから放置後印刷時における動作プログラムを呼
び出す。
【0066】先ず、通常印刷時における動作を説明す
る。製版スタートキー87が押されると、駆動モーター
77が作動して各版胴15,40及び転写胴63が図1
の矢印とは逆の方向にそれぞれ回転する。そして、図示
しない移動手段が作動して下排版部材106,116が
それぞれ移動し、版胴15,40の外周面に巻装されて
いる印刷済みのマスタ9,34がそれぞれ対応する上排
版部材105,115とによって剥離搬送され、印刷済
みマスタ9,34は排版ボックス107,117に収納
された後、圧縮板108,118によって圧縮される。
その後、各版胴15,40が給版待機位置まで回転して
停止し、図示しない開閉手段によってクランパー19,
44が開放されて排版動作が完了する。
【0067】図示しない画像読取部での1枚目の原稿の
読取動作と並行して、第1製版部2では製版動作が行わ
れる。排版動作が完了するとプラテンローラー12及び
マスタ搬送ローラー対14a,14bが回転を開始し、
マスタロール10からマスタ9が引き出される。引き出
されたマスタ9は、サーマルヘッド11を通過する際に
製版される。サーマルヘッド11の表面に整列配置され
た複数の発熱素子は、A/D変換器及びその他の図示し
ない製版基板で各種処理を施された後に送られてきたデ
ジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、マスタ9
の熱可塑性樹脂フィルムに鏡像画像を加熱溶融穿孔製版
する。
【0068】そして、プラテンローラー12を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ9の先端がステージ部18とクランパー19
との間の所定位置まで到達したと制御手段102が判断
すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクラ
ンパー19が回動し、ステージ部18とクランパー19
とでマスタ9の先端を挟持する。
【0069】その後、版胴15がマスタ9の搬送速度と
同じ周速度で図1の矢印方向に回転し、マスタ9の版胴
15への巻装動作が行われる。そして、プラテンローラ
ー12を回転駆動する図示しないステッピングモーター
のステップ数より、1版分の製版が完了したと制御手段
102が判断すると、プラテンローラー12及びマスタ
搬送ローラー対14a,14bの回転が停止すると共に
可動刃13aが回転移動してマスタ9が切断される。切
断されたマスタ9は版胴15の回転動作によって引き出
され、版胴15が再びホームポジションに到達すると制
御手段102からの指令によって駆動モーター77が停
止して、版胴15が位置決めされる。
【0070】1枚目の原稿の読取後、図示しない画像読
取部では2枚目の原稿の読取動作が行われ、これに並行
して第2製版部6では第1製版部2と同様に製版動作が
行われる。排版動作完了後、プラテンローラー37及び
マスタ搬送ローラー対39a,39bが回転を開始し、
マスタロール35からマスタ34が引き出される。引き
出されたマスタ34は、サーマルヘッド36を通過する
際に熱可塑性樹脂フィルムに正像画像を製版される。
【0071】そして、プラテンローラー37を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ34の先端がステージ部43とクランパー4
4との間の所定位置まで到達したと制御手段102が判
断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてク
ランパー44が回動し、マスタ34の先端を挟持する。
【0072】その後、版胴40がマスタ34の搬送速度
と同じ周速度で図1の矢印方向に回転し、マスタ34の
版胴40への巻装が行われる。そして、プラテンローラ
ー37を回転駆動する図示しないステッピングモーター
のステップ数より、1版分の製版が完了したと制御手段
102が判断すると、プラテンローラー37及びマスタ
搬送ローラー対39a,39bの回転が停止すると共に
可動刃38aが回転移動してマスタ34が切断される。
切断されたマスタ34は版胴40の回転によって引き出
され、版胴40が再びホームポジションに到達すると制
御手段102からの指令によって駆動モーター77が停
止し、版胴40が位置決めされる。
【0073】各版胴15,40への給版動作が完了する
と、転写胴63への画像転写動作が行われる。版胴40
がホームポジションに位置決めされた後、制御手段10
2より駆動モーター77へ動作指令が送られ、再び各版
胴15,40及び転写胴63が図1の矢印方向へと回転
する。
【0074】この回転時において、版胴40に巻装され
た製版済みのマスタ34の製版画像先端位置が転写胴6
3の外周面と対向する位置に到達すると、制御手段10
2よりソレノイド62に通電がなされてプランジャが吸
引される。これによりアームストッパー57が図1の右
方に移動され、版胴移動アーム56とアームストッパー
57との係合状態が解除される。
【0075】このとき、カム58はその小径部をカムフ
ォロア60と対向する位置に回転されており、版胴移動
アーム56は引張バネ61の付勢力によって支持軸59
を中心に図1の時計回り方向に揺動される。版胴移動ア
ーム56の揺動により版胴40の外周面がマスタ34を
介して転写胴63の弾性部材63bに圧接し、この状態
で版胴40と転写胴63とが回転することにより、弾性
部材63b上にマスタ34の製版画像が鏡像として転写
される。
【0076】この画像転写動作中、版胴15は版胴40
及び転写胴63と同期して回転するが、制御手段102
からソレノイド55に対しては通電がなされず、版胴1
5は転写胴63に対して離間した状態を保持している。
【0077】版胴40がほぼ1回転して、マスタ34の
製版画像が全て弾性部材63b上に転写された後、カム
58の大径部がカムフォロア60と当接する状態となる
と、制御手段102からソレノイド62への通電が断た
れ、版胴移動アーム56とアームストッパー57とが再
び係合して版胴40の外周面と転写胴63の弾性部材6
3bとが離間される。
【0078】転写胴63への画像転写動作完了後、図示
しない給紙カセットから1枚の印刷用紙Sが給送され、
その先端をレジストローラー対23にくわえ込まれる。
その後、印刷用紙Sは、レジストローラー対23が所定
のタイミングで回転することにより、版胴15と転写胴
63との間に向けて給送される。
【0079】レジストローラー対23の回転により給送
された印刷用紙Sの先端が印刷用紙検知センサー24に
検知されると、印刷用紙検知センサー24から制御手段
102に信号が送られ、制御手段102はこの信号を受
けてソレノイド55に通電する。通電がなされたソレノ
イド55はプランジャ55aを吸引し、これによりアー
ムストッパー50が図2の右方に移動され、版胴移動ア
ーム49とアームストッパー50との係合状態が解除さ
れる。
【0080】このとき、カム51はその小径部をカムフ
ォロア53と対向する位置に回転されており、版胴移動
アーム49は引張バネ54の付勢力によって支持軸52
を中心に図2の時計回り方向に揺動される。版胴移動ア
ーム49の揺動により版胴15の外周面がマスタ9及び
印刷用紙Sを介して転写胴63の弾性部材63bに圧接
し、この状態で版胴15と転写胴63とが回転すること
により、マスタ9の製版画像が正像として印刷用紙Sの
一方の面に転写されると共に、弾性部材63b上に転写
されたマスタ34の製版画像が正像として印刷用紙Sの
他方の面に転写される。
【0081】版胴15がほぼ1回転して、マスタ9の製
版画像が全て印刷用紙Sに転写された後、カム51の大
径部がカムフォロア53と当接する状態となると、制御
手段102からソレノイド55への通電が断たれ、版胴
移動アーム49とアームストッパー50とが再び係合し
て版胴15の外周面と転写胴63の弾性部材63bとが
離間される。
【0082】両面に印刷画像を転写された印刷用紙S
は、剥離爪26によって版胴15の外周面より剥離さ
れ、ガイド板27に案内されて排紙搬送手段28へと送
られた後、排紙トレイ29上に排出される。その後、各
版胴15,40及び転写胴63がホームポジションまで
回転して停止し、版付け動作が完了する。
【0083】版付け動作が完了して孔版印刷装置1が印
刷待機状態となった後、オペレーターによって試し刷り
キー89が押されると、版付け動作と同様に図示しない
給紙カセットから1枚の印刷用紙Sが給送され、レジス
トローラー対23にその先端をくわえ込まれると共に、
制御手段102から指令送られて駆動モーター77が回
転を開始し、各版胴15,40及び転写胴63が高速で
回転駆動される。
【0084】ソレノイド62には版付け動作時と同じタ
イミングで通電がなされ、版胴40が転写胴63に圧接
されて弾性部材63b上に画像転写が行われる。その
後、レジストローラー対23も版付け動作時と同じタイ
ミングで、高速回転している版胴15と転写胴63との
間に向けて印刷用紙Sを給送する。給送された印刷用紙
Sはその両面に印刷画像を転写され、剥離爪26によっ
て版胴15の外周面上より剥離された後、排紙搬送手段
28によって搬送されて排紙トレイ29上に排出され
る。各版胴15、40は版付け動作時と同じタイミング
で転写胴63より離間した後、再びホームポジションに
位置決めされて試し刷り動作が完了する。
【0085】この試し刷りによって印刷画像の濃度や位
置を確認し、これらを操作パネル86上の各種キーある
いは上述した天地移動機構を用いて調整し、再度試し刷
りを行った後、テンキー91で印刷枚数を表示装置98
に置数し、印刷速度設定キー94で印刷速度を設定して
印刷スタートキー88を押すことにより、印刷用紙Sが
連続的に送られ、各ソレノイド55,62への通電がな
されたまま各版胴15,40及び転写胴63がそれぞれ
高速で回転駆動されて印刷動作が行われる。そして、設
定された枚数の印刷が終了すると、タイマー101が再
び作動を開始する。
【0086】この印刷時において、クリーニング手段6
4は、転写胴63が所定回数回転する毎にクリーニング
ローラー66を弾性部材63bに当接させ、転写胴63
の表面をクリーニングし、さらに、置数された印刷枚数
の最後の1枚が印刷された後に転写胴63の表面をクリ
ーニングするようにプログラムされている。
【0087】次に、放置後動作キー100が押された場
合あるいはタイマー101から制御手段102に向けて
出力された時間信号が閾値を超えた場合である放置後印
刷時における動作を説明する。なお、この放置後印刷動
作が行われる場合には、表示装置99にその旨が表示さ
れる。
【0088】製版スタートキー87が押されると、各版
胴15,40及び転写胴63がそれぞれ低速で回転を開
始すると共に各ソレノイド55,62への通電がなさ
れ、版胴15と転写胴63及び版胴40と転写胴63と
が圧接する。
【0089】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、各版胴15,40の
外周面上に巻装された印刷済みのマスタ9,34に吸収
されて各版胴15,40より除去されると共に、多孔性
の支持円筒体及びメッシュスクリーンに新しいインキが
供給される。
【0090】各版胴15,40及び転写胴63は、制御
手段102に予め記憶された回転回数だけ回転した後、
ホームポジションにて停止する。各版胴15,40及び
転写胴63が停止する前に各ソレノイド55,62への
通電が断たれることにより、各版胴15,40が転写胴
63より離間した位置に保持される。
【0091】上述の圧接動作が完了した後、クリーニン
グ手段64による転写胴63のクリーニング動作が行わ
れる。その後、通常印刷時と同様に排版動作、製版動
作、給版動作、版付け動作、印刷動作が順次行われ、印
刷動作終了後にタイマー101が再び作動を開始する。
この第1の実施例における両面印刷動作の流れを図6に
示す。
【0092】次に、片面印刷時における孔版印刷装置1
の動作を説明する。オペレーターは図示しない画像読取
部に1枚の原稿をセットし、モード切換キー96を押し
て片面印刷モードを選択し、モード表示手段97のLE
Dが「片面」で点灯したのを確認した後、製版スタート
キー87を押す。このとき、両面印刷時と同様にタイマ
ー101から制御手段102に向けて時間信号が出力さ
れる。
【0093】先ず、通常印刷時における動作を説明す
る。製版スタートキー87が押されると、両面印刷にお
ける通常動作時と同様に排版動作が行われ、各版胴1
5,40が給版待機位置で停止してクランパー19,4
4が開放される。
【0094】図示しない画像読取部での原稿の読取動作
と並行して、第2製版部6では製版動作が行われる。排
版動作が完了するとプラテンローラー37及びマスタ搬
送ローラー対39a,39bが回転を開始し、マスタロ
ール35からマスタ34が引き出される。引き出された
マスタ34は、サーマルヘッド36を通過する際にその
熱可塑性樹脂フィルムに鏡像画像を製版される。
【0095】そして、プラテンローラー37を回転駆動
する図示しないステッピングモーターのステップ数よ
り、マスタ34の先端がステージ部43とクランパー4
4との間の所定位置まで到達したと制御手段102が判
断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてク
ランパー44が回動し、ステージ部43とクランパー4
4とでマスタ34の先端を挟持する。
【0096】その後、版胴40がマスタ34の搬送速度
と同じ周速度で図1の矢印方向に回転し、プラテンロー
ラー37を回転駆動する図示しないステッピングモータ
ーのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御手
段102が判断すると、プラテンローラー37及びマス
タ搬送ローラー対39a,39bの回転が停止すると共
に可動刃38aが回転移動してマスタ34が切断され
る。切断されたマスタ34は版胴40の回転動作によっ
て引き出され、版胴40が再びホームポジションに到達
すると制御手段102からの指令によって駆動モーター
77が停止して、版胴40が位置決めされる。
【0097】上述の製版動作と並行して第1製版部2で
も製版動作が行われるが、第1製版部2ではサーマルヘ
ッド11を発熱させないように制御されている。従っ
て、版胴15の外周面上には、未製版のマスタ9が巻装
される。
【0098】各版胴15,40への給版動作が完了する
と、転写胴63への画像転写動作が行われる。版胴40
がホームポジションに位置決めされた後、制御手段10
2より駆動モーター77へ動作指令が送られ、再び各版
胴15,40及び転写胴63が図1の矢印方向へと回転
する。
【0099】この回転時において、版胴40に巻装され
た製版済みのマスタ34の製版画像先端位置が転写胴6
3の外周面と対向する位置に到達すると、制御手段10
2よりソレノイド62に通電がなされて版胴40の外周
面がマスタ34を介して弾性部材63bに圧接し、弾性
部材63b上にマスタ34の製版画像が鏡像として転写
される。
【0100】この画像転写動作中、版胴15は版胴40
及び転写胴63と同期して回転するが、制御手段102
からソレノイド55に対しては通電がなされず、版胴1
5は転写胴63に対して離間した状態を保持している。
【0101】版胴40がほぼ1回転して、マスタ34の
製版画像が全て弾性部材63b上に転写されると、ソレ
ノイド62への通電が断たれて版胴40の外周面と弾性
部材63bとが離間される。
【0102】転写胴63への画像転写動作完了後、図示
しない給紙カセットから1枚の印刷用紙Sが給送され、
その先端をレジストローラー対23にくわえ込まれる。
その後、印刷用紙Sは、レジストローラー対23が所定
のタイミングで回転することにより、版胴15と転写胴
63との間に向けて給送される。
【0103】レジストローラー対23の回転により給送
された印刷用紙Sの先端が印刷用紙検知センサー24に
検知されると、印刷用紙検知センサー24から制御手段
102に信号が送られ、制御手段102はこの信号を受
けてソレノイド55に通電する。通電がなされたソレノ
イド55はプランジャ55aを吸引し、これによりアー
ムストッパー50が図2の右方に移動され、版胴移動ア
ーム49とアームストッパー50との係合状態が解除さ
れる。
【0104】このとき、カム51はその小径部をカムフ
ォロア53と対向する位置に回転されており、版胴移動
アーム49は引張バネ54の付勢力によって支持軸52
を中心に図2の時計回り方向に揺動される。版胴移動ア
ーム49の揺動により版胴15の外周面が未製版のマス
タ9及び印刷用紙Sを介して転写胴63の弾性部材63
bに圧接し、この状態で版胴15と転写胴63とが回転
することにより、弾性部材63b上に転写されたマスタ
34の製版画像が正像として印刷用紙Sの他方の面に転
写される。
【0105】版胴15がほぼ1回転して、マスタ34の
製版画像が全て印刷用紙Sに転写された後、カム51の
大径部がカムフォロア53と当接する状態となると、制
御手段102からソレノイド55への通電が断たれ、版
胴移動アーム49とアームストッパー50とが再び係合
して版胴15の外周面と転写胴63の弾性部材63bと
が離間される。
【0106】片面に印刷画像を転写された印刷用紙Sは
ガイド板27に案内されて排紙搬送手段28へと送られ
た後、排紙トレイ29上に排出される。その後、各版胴
15,40及び転写胴63がホームポジションまで回転
して停止し、版付け動作が完了する。
【0107】版付け動作が完了して孔版印刷装置1が印
刷待機状態となった後、オペレーターによって試し刷り
キー89が押されると、版付け動作と同様に図示しない
給紙カセットから1枚の印刷用紙Sが給送され、レジス
トローラー対23にその先端をくわえ込まれると共に、
制御手段102から指令が送られて駆動モーター77が
回転を開始し、各版胴15,40及び転写胴63が高速
で回転駆動される。
【0108】ソレノイド62には版付け動作時と同じタ
イミングで通電がなされ、版胴40が転写胴63に圧接
されて弾性部材63b上に画像転写が行われる。その
後、レジストローラー対23も版付け動作時と同じタイ
ミングで、高速回転している版胴15と転写胴63との
間に向けて印刷用紙Sを給送する。給送された印刷用紙
Sはその片面に印刷画像を転写された後、排紙搬送手段
28によって搬送されて排紙トレイ29上に排出され
る。各版胴15、40は版付け動作時と同じタイミング
で転写胴63より離間した後、再びホームポジションに
位置決めされて試し刷り動作が完了する。
【0109】この試し刷りによって印刷画像の濃度や位
置を確認し、これらを操作パネル86上の各種キーある
いは上述した天地移動機構を用いて調整し、再度試し刷
りを行った後、テンキー91で印刷枚数を表示装置98
に置数し、印刷速度設定キー94で印刷速度を設定して
印刷スタートキー88を押すことにより、印刷用紙Sが
連続的に送られ、各ソレノイド55,62への通電がな
されたまま各版胴15,40及び転写胴63がそれぞれ
高速で回転駆動されて印刷動作が行われる。そして、設
定された枚数の印刷が終了すると、タイマー101が再
び作動を開始する。
【0110】この印刷時において、クリーニング手段6
4は、転写胴63が所定回転する毎にクリーニングロー
ラー66を弾性部材63bに当接させ、転写胴63の表
面をクリーニングし、さらに、置数された印刷枚数の最
後の1枚が印刷された後に転写胴63の表面をクリーニ
ングするようにプログラムされている。
【0111】次に、放置後印刷時における動作を説明す
る。製版スタートキー87が押されると、各版胴15,
40及び転写胴63がそれぞれ低速で回転を開始すると
共にソレノイド62への通電がなされ、版胴40と転写
胴63とが圧接する。
【0112】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、版胴40の外周面上に巻装さ
れた印刷済みのマスタ34に吸収されて版胴40より除
去されると共に、多孔性の支持円筒体及びメッシュスク
リーンに新しいインキが供給される。
【0113】版胴40及び転写胴63は、制御手段10
2に予め記憶された回転回数だけ回転した後、ホームポ
ジションにて停止する。版胴40及び転写胴63が停止
する前にソレノイド62への通電が断たれることによ
り、版胴40が転写胴63より離間した位置に保持され
る。なお、版胴15は、上記動作中において転写胴63
と離間した状態を保持している。
【0114】上述の圧接動作が完了した後、クリーニン
グ手段64による転写胴63のクリーニング動作が行わ
れる。その後、通常印刷時と同様に排版動作、製版動
作、給版動作、版付け動作、印刷動作が順次行われ、印
刷動作終了後にタイマー101が再び作動を開始する。
【0115】なお、上述した例では片面印刷時において
版胴40のみを用いる場合を示したが、片面印刷時にお
いて版胴15のみを用いる構成としてもよい。この場
合、版胴40に対しては排版動作、製版動作、給版動作
が行われず、版胴40はその外周面に印刷済みのマスタ
34を巻装したままの状態におかれ、ソレノイド62も
作動されない。従って、版胴40は、版胴15と転写胴
63の回転に伴って、転写胴63と離間した状態で回転
するだけであり、印刷動作には関与しない。放置後印刷
動作では、排版動作に先だってソレノイド55に通電が
なされ、版胴15と転写胴63との圧接動作が行われた
後に、版胴15に対する排版動作、製版動作、給版動作
が行われ、その後、版付け動作、印刷動作が順次行われ
る。
【0116】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
この第2の実施例は、第1の実施例と比較すると、制御
手段102に代えて制御手段133を用いる点において
のみ相違している。CPU、ROM、RAM等を有する
周知のマイクロコンピューターである制御手段133
は、孔版印刷装置1の図示しない装置本体内部に制御手
段102に代えて設けられており、図示しない画像読取
部、印刷用紙検知センサー24、操作パネル86、タイ
マー101からの各信号を受け、ROMに記憶された、
制御手段102とは異なった孔版印刷装置1の動作プロ
グラムに基づいて、第1製版部2、第1印刷部3、給紙
部4、排紙部5、第2製版部6、第2印刷部7、転写部
8、第1排版部103、第2排版部104の制御を行
う。
【0117】以下、第2の実施例における、両面印刷時
での孔版印刷装置1の動作を説明する。この第2の実施
例での通常印刷時における動作は第1の実施例と同様で
あるので、放置後印刷時における動作のみを説明する。
【0118】製版スタートキー87が押されると、第1
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行わ
れ、各版胴15,40は給版待機位置まで回転して停止
し、図示しない開閉手段によってクランパー19,44
が開放されて排版動作が完了する。
【0119】排版動作完了後、第1製版部2ではマスタ
搬送動作が行われる。排版動作が完了するとプラテンロ
ーラー12及びマスタ搬送ローラー対14a,14bが
回転を開始し、マスタロール10からマスタ9が引き出
される。引き出されたマスタ9はサーマルヘッド11を
通過するが、このときサーマルヘッド11は発熱され
ず、マスタ9は未製版状態でプラテンローラー12によ
って搬送される。
【0120】そして、マスタ9の先端がステージ部18
とクランパー19との間の所定位置まで到達すると、図
示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー19
が回動され、マスタ9はステージ部18とクランパー1
9とで挟持される。
【0121】その後、版胴15がマスタ9の搬送速度と
同じ周速度で図1の矢印方向に回転した後、切断手段1
3が作動してマスタ9が版胴15へ巻装される。未製版
のマスタ9を巻装した版胴15はホームポジションで停
止する。
【0122】排版動作完了後、第1製版部2でのマスタ
搬送動作に並行して、第2製版部6でも同様のマスタ搬
送動作が行われる。プラテンローラー37及びマスタ搬
送ローラー対39a,39bによりマスタロール35か
ら引き出されたマスタ34は、未製版のままその先端を
ステージ部43とクランパー44とに挟持された後、切
断手段38で切断されて版胴40の外周面上に巻装され
る。未製版のマスタ34を巻装した版胴40もホームポ
ジションで停止する。
【0123】各版胴15,40がホームポジションで停
止した後、各版胴15,40及び転写胴63がそれぞれ
低速で回転を開始すると共に各ソレノイド55,62へ
の通電がなされ、版胴15と転写胴63及び版胴40と
転写胴63とが圧接する。
【0124】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、各版胴15,40の
外周面上に巻装された未製版のマスタ9,34に吸収さ
れて各版胴15,40より除去されると共に、多孔性の
支持円筒体及びメッシュスクリーンに新しいインキが供
給される。
【0125】各版胴15,40及び転写胴63は、制御
手段102に予め記憶された回転回数だけ回転した後、
ホームポジションにて停止する。各版胴15,40及び
転写胴63が停止する前に各ソレノイド55,62への
通電が断たれることにより、各版胴15,40が転写胴
63より離間した位置に保持される。
【0126】上述の圧接動作が完了した後、第1の実施
例と同様に排版動作、製版動作、給版動作、版付け動
作、印刷動作が順次行われ、印刷動作終了後にタイマー
101が再び作動を開始する。この第2の実施例におけ
る両面印刷動作の流れを図7に示す。
【0127】次に、本発明の第2の実施例における、片
面印刷時での孔版印刷装置1の動作を説明する。この片
面印刷時での通常印刷時における動作は第1の実施例と
同様であるので、放置後印刷時における動作のみを説明
する。
【0128】製版スタートキー87が押されると、第1
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行わ
れ、各版胴15,40は給版待機位置まで回転して停止
し、図示しない開閉手段によってクランパー19,44
が開放されて排版動作が完了する。
【0129】排版動作完了後、第1製版部2及び第2製
版部6では、両面印刷時と同様にマスタ搬送動作が行わ
れる。未製版状態で搬送されたマスタ9,34は、それ
ぞれ対応する版胴15,40の外周面上に巻装される。
未製版のマスタ9,34を巻装した版胴15,40は、
それぞれホームポジションで停止する。
【0130】各版胴15,40がホームポジションで停
止した後、各版胴15,40及び転写胴63がそれぞれ
低速で回転を開始すると共にソレノイド62への通電が
なされ、版胴40と転写胴63とが圧接する。
【0131】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、版胴40の外周面上に巻装さ
れた未製版のマスタ34に吸収されて版胴40より除去
されると共に、多孔性の支持円筒体及びメッシュスクリ
ーンに新しいインキが供給される。
【0132】版胴40及び転写胴63は、制御手段10
2に予め記憶された回転回数だけ回転した後、ホームポ
ジションにて停止する。版胴40及び転写胴63が停止
する前にソレノイド62への通電が断たれることによ
り、版胴40が転写胴63より離間した位置に保持され
る。なお、版胴15は、上記動作中において転写胴63
と離間した状態を保持している。
【0133】その後、通常印刷時と同様に排版動作、製
版動作、給版動作、版付け動作、印刷動作が順次行わ
れ、印刷動作終了後にタイマー101が再び作動を開始
する。
【0134】なお、上述した例では片面印刷時において
版胴40のみを用いる場合を示したが、片面印刷時にお
いて版胴15のみを用いる構成としてもよい。この場
合、版胴40に対しては排版動作、製版動作、給版動作
が行われず、版胴40はその外周面に印刷済みのマスタ
34を巻装したままの状態におかれ、ソレノイド62も
作動されない。従って、版胴40は、版胴15と転写胴
63の回転に伴って、転写胴63と離間した状態で回転
するだけであり、印刷動作には関与しない。放置後印刷
動作では、排版動作に先だってソレノイド55に通電が
なされ、版胴15と転写胴63との圧接動作が行われた
後に、版胴15に対する排版動作、製版動作、給版動作
が行われ、その後、版付け動作、印刷動作が順次行われ
る。
【0135】図8は、本発明の第3及び第4の実施例に
用いられる孔版印刷装置127の概略側面図である。こ
の孔版印刷装置127は、孔版印刷装置1と比較する
と、転写部8に代えて転写部128を有する点、制御手
段102に代えて孔版印刷装置127の動作プログラム
を記憶した制御手段134を用いる点においてのみ相違
しており、他の構成は同一である。
【0136】転写部128は、クリーニング手段64、
版胴駆動手段69、転写胴129、複数の押圧ローラー
130等から主に構成されている。
【0137】支軸65に支持された円筒体であり、転写
胴63と同径の転写胴129は、その外周面上に、ステ
ージ部18及びクランパー19とステージ部43及びク
ランパー44とが入り込むことが可能な凹部129aを
有しており、この凹部を除いた外周面には、弾性部材6
3bと同様の弾性部材129bが貼着されている。ま
た、凹部129aには、弾性部材129b上に印刷用紙
やマスタ等のシート状の部材を巻装するための、巻装手
段としての回動自在な把持爪131,132が配設され
ている。
【0138】回転自在な押圧ローラー130は、転写胴
129の外周面近傍に複数配設されており、図示しない
接離手段によってその外周面を弾性部材129bに対し
て接離自在に支持されている。押圧ローラー130は、
弾性部材129bに圧接した状態で転写胴129が回転
したときに従動回転する。
【0139】CPU、ROM、RAM等を有する周知の
マイクロコンピューターである制御手段134は、孔版
印刷装置127の図示しない装置本体内部に設けられて
おり、図示しない画像読取部、印刷用紙検知センサー2
4、操作パネル86、タイマー101からの各信号を受
け、ROMに記憶された孔版印刷装置127の動作プロ
グラムに基づいて、第1製版部2、第1印刷部3、給紙
部4、排紙部5、第2製版部6、第2印刷部7、転写部
128、第1排版部103、第2排版部104の制御を
行う。制御手段134のブロック図を図9に示す。
【0140】以下、本発明の第3の実施例における、両
面印刷時での孔版印刷装置127の動作を説明する。こ
の第3の実施例での通常印刷時における動作は、転写部
8に代えて転写部128が用いられているものの、基本
的に第1の実施例と同様であるのでその詳細を省略し、
放置後印刷時における動作のみを説明する。なお、通常
印刷時においては、各押圧ローラー130、各把持爪1
31,132は接離動作、回動動作を行わず、一連の動
作には関与しない。
【0141】製版スタートキー87が押されると、各版
胴15,40及び転写胴129がそれぞれ低速で回転を
開始し、把持爪131がガイド板25の近傍に位置する
給紙待機位置に転写胴129が到達すると、各版胴1
5,40及び転写胴129の回転が停止される。転写胴
129の停止後、把持爪131が開放されると共に給紙
部4より1枚の印刷用紙Sが給送され、印刷用紙Sは転
写胴129と把持爪131との間にその先端を挿入され
る(図10(a)参照)。
【0142】印刷用紙Sの先端が挿入されると、把持爪
131が回動して転写胴129の外周面上に印刷用紙S
を保持すると共に、制御手段134から指令が送られて
転写胴129が図8の矢印方向に回転を開始する。そし
て、把持爪131が版胴15とのニップ部を通過する
と、制御手段134から指令が送られて各ソレノイド5
5,62に通電がなされ、各版胴15,40が転写胴1
29に圧接すると共に、各押圧ローラー130が転写胴
129に圧接される(図10(b)参照)。
【0143】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、各版胴15,40の
外周面上に巻装された印刷済みのマスタ9,34、及び
転写胴129の外周面上に巻装される印刷用紙Sに吸収
されて各版胴15,40より除去されると共に、多孔性
の支持円筒体及びメッシュスクリーンに新しいインキが
供給される。また、転写胴129上に巻装された印刷用
紙Sは、各押圧ローラー130,130によって剥離と
しわの発生とを防止される。
【0144】そして、各版胴15,40と転写胴129
と各押圧ローラー130,130とが制御手段134に
予め記憶された回転回数だけ回転した後、把持爪131
が版胴15とのニップ部を通過する位置まで転写胴12
9が回転すると把持爪131が開放され、転写胴129
上の印刷用紙Sはガイド板27に案内されて排紙搬送手
段28へと送られ、排紙トレイ29上に排出される(図
10(c)参照)。
【0145】把持爪131が開放されると同時に、各ソ
レノイド55,62への通電が断たれることにより各版
胴15,40が転写胴129より離間した位置に保持さ
れる。各版胴15,40及び転写胴129はホームポジ
ションまで回転して停止し、その直前に各押圧ローラー
130,130が転写胴129より離隔される。
【0146】上述の圧接動作が完了した後、第1の実施
例における通常印刷時と同様に排版動作、製版動作、給
版動作、版付け動作、印刷動作が順次行われ、印刷動作
終了後にタイマー101が再び作動を開始する。この第
3の実施例における両面印刷動作の流れを図11に示
す。
【0147】次に、本発明の第3の実施例における、片
面印刷時での孔版印刷装置127の動作を説明する。こ
の片面印刷時での通常印刷時における動作は第1の実施
例とほぼ同様であるので、放置後印刷時における動作の
みを説明する。
【0148】製版スタートキー87が押されると、各版
胴15,40及び転写胴129が低速で回転を開始し、
両面印刷時と同様に転写胴129への印刷用紙Sの巻装
動作が行われると共に、ソレノイド62への通電がなさ
れて版胴40が転写胴129に対して圧接する。
【0149】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、版胴40の外周面上に巻装さ
れた印刷済みのマスタ34、及び転写胴129の外周面
上に巻装される印刷用紙Sに吸収されて版胴40より除
去されると共に、多孔性の支持円筒体及びメッシュスク
リーンに新しいインキが供給される。
【0150】そして、版胴40と転写胴129と各押圧
ローラー130,130とが制御手段134に予め記憶
された回転回数だけ回転した後、把持爪131が開放さ
れ転写胴129上の印刷用紙Sはガイド板27に案内さ
れて排紙搬送手段28へと送られ、排紙トレイ29上に
排出される。
【0151】把持爪131が開放されると同時に、ソレ
ノイド62への通電が断たれることにより版胴40が転
写胴129より離間した位置に保持される。各版胴1
5,40及び転写胴129はホームポジションまで回転
して停止し、その直前に各押圧ローラー130,130
が転写胴129より離隔される。なお、版胴15は、上
記動作中において転写胴129と離間した状態を保持し
ている。
【0152】上述の圧接動作が完了した後、第1の実施
例における通常印刷時と同様に排版動作、製版動作、給
版動作、版付け動作、印刷動作が順次行われ、印刷動作
終了後にタイマー101が再び作動を開始する。この片
面印刷時において、版胴15のみを用いる構成としても
よい。
【0153】次に、本発明の第4の実施例を説明する。
この第4の実施例は、第3の実施例と比較すると、制御
手段134に代えて制御手段135を用いる点において
のみ相違している。CPU、ROM、RAM等を有する
周知のマイクロコンピューターである制御手段135
は、孔版印刷装置127の図示しない装置本体内部に制
御手段134に代えて設けられており、図示しない画像
読取部、印刷用紙検知センサー24、操作パネル86、
タイマー101からの各信号を受け、ROMに記憶され
た、制御手段134とは異なった孔版印刷装置127の
動作プログラムに基づいて、第1製版部2、第1印刷部
3、給紙部4、排紙部5、第2製版部6、第2印刷部
7、転写部8、第1排版部103、第2排版部104の
制御を行う。
【0154】以下、本発明の第4の実施例における、両
面印刷時での孔版印刷装置127の動作を説明する。こ
の第4の実施例での通常印刷時における動作は第3の実
施例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみ
を説明する。
【0155】製版スタートキー87が押されると、第3
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行わ
れ、排版動作完了後、各版胴15,40及び転写胴12
9が低速で回転を開始し、第3の実施例と同様に転写胴
129への印刷用紙Sの巻装動作が行われると共に、各
ソレノイド55,62への通電がなされて各版胴15,
40が転写胴129に対して圧接する。
【0156】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、転写胴129の外周
面上に巻装される印刷用紙Sに吸収されて各版胴15,
40より除去されると共に、多孔性の支持円筒体及びメ
ッシュスクリーンに新しいインキが供給される。
【0157】そして、各版胴15,40と転写胴129
と各押圧ローラー130,130とが制御手段135に
予め記憶された回転回数だけ回転した後、把持爪131
が開放され転写胴129上の印刷用紙Sはガイド板27
に案内されて排紙搬送手段28へと送られ、排紙トレイ
29上に排出される。
【0158】把持爪131が開放されると同時に、各ソ
レノイド55,62への通電が断たれることにより各版
胴15,40が転写胴129より離間した位置に保持さ
れる。各版胴15,40及び転写胴129はホームポジ
ションまで回転して停止し、その直前に各押圧ローラー
130,130が転写胴129より離隔される。
【0159】上述の圧接動作が完了した後、第3の実施
例における通常印刷時と同様に製版動作、給版動作、版
付け動作、印刷動作が順次行われ、印刷動作終了後にタ
イマー101が再び作動を開始する。この第4の実施例
における両面印刷動作の流れを図12に示す。
【0160】次に、本発明の第4の実施例における、片
面印刷時での孔版印刷装置127の動作を説明する。こ
の片面印刷時での通常動作時における動作は第3の実施
例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみを
説明する。
【0161】製版スタートキー87が押されると、第3
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行わ
れ、排版動作完了後、各版胴15,40及び転写胴12
9が低速で回転を開始し、第3の実施例と同様に転写胴
129への印刷用紙Sの巻装動作が行われると共に、ソ
レノイド62への通電がなされて版胴40が転写胴12
9に対して圧接する。
【0162】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、転写胴129の外周面上に巻
装される印刷用紙Sに吸収されて版胴40より除去され
ると共に、多孔性の支持円筒体及びメッシュスクリーン
に新しいインキが供給される。
【0163】そして、版胴40と転写胴129と各押圧
ローラー130,130とが制御手段135に予め記憶
された回転回数だけ回転した後、把持爪131が開放さ
れ転写胴129上の印刷用紙Sはガイド板27に案内さ
れて排紙搬送手段28へと送られ、排紙トレイ29上に
排出される。
【0164】把持爪131が開放されると同時に、ソレ
ノイド62への通電が断たれることにより版胴40が転
写胴129より離間した位置に保持される。各版胴1
5,40及び転写胴129はホームポジションまで回転
して停止し、その直前に各押圧ローラー130,130
が転写胴129より離隔される。なお、版胴15は、上
記動作中において転写胴129と離間した状態を保持し
ている。
【0165】その後、第3の実施例における通常印刷時
と同様に製版動作、給版動作、版付け動作、印刷動作が
順次行われ、印刷動作終了後にタイマー101が再び作
動を開始する。この片面印刷時において、版胴15のみ
を用いる構成としてもよい。
【0166】図13は、本発明の第5及び第6の実施例
に用いられる孔版印刷装置136の概略側面図である。
この孔版印刷装置136は、孔版印刷装置127と比較
すると、第2製版部6に代えて第2製版部137を有す
る点、第2排版部104に代えて第2排版部138を有
する点、転写部128に代えて転写部139を有する
点、制御手段134に代えて孔版印刷装置136の動作
プログラムを記憶した制御手段140を用いる点におい
てのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0167】第2製版部137は、その配設位置が版胴
40の右上方に移動し、サーマルヘッド36とプラテン
ローラー37の配置が逆転した他は第2製版部6と同様
の構成である。なお、図13には図示していないが、版
胴40の接離機構は他の実施例と同様に設けられてい
る。
【0168】第2排版部138は、その配設位置が版胴
40と転写胴129との接触位置の下方に移動し、上排
版部材115と下排版部材116との接触部の近傍にガ
イド板141を有する他は第2排版部104と同様の構
成である。
【0169】転写部139は、複数の押圧ローラー13
0を有さず、インキ吸収部材供給手段142を有する他
は転写部128と同様の構成である。
【0170】インキ吸収部材供給手段142は、シート
状のインキ吸収部材143をロール状に巻成してなるシ
ートロール144、ステッピングモーターで回転駆動さ
れる複数の搬送ローラー対145,146,147、イ
ンキ吸収部材143を切断する切断手段148、ガイド
板149,150、送風ファン151、インキ吸収部材
押圧ローラー152等から主に構成されている。
【0171】ロール紙であるインキ吸収部材143は、
インキ吸収性のよい和紙繊維あるいは和紙繊維と合成繊
維とを混抄したものから構成されており、シートロール
144は芯部144aを図示しない支持部材に回転自在
に支持されている。可動刃148aと固定刃148bと
からなる切断手段148は、可動刃148aが固定刃1
48bに対して回転移動あるいは上下動する。回転自在
なインキ吸収部材押圧ローラー152は図示しない揺動
手段で揺動され、その外周面を転写胴129の外周面に
対して接離自在に設けられている。
【0172】CPU、ROM、RAM等を有する周知の
マイクロコンピューターである制御手段140は、孔版
印刷装置136の図示しない装置本体内部に設けられて
おり、図示しない画像読取部、印刷用紙検知センサー2
4、操作パネル86、タイマー101からの各信号を受
け、ROMに記憶された孔版印刷装置136の動作プロ
グラムに基づいて、第1製版部2、第1印刷部3、給紙
部4、排紙部5、第2製版部137、第2印刷部7、転
写部139、第1排版部103、第2排版部138の制
御を行う。制御手段140のブロック図を図14に示
す。
【0173】以下、本発明の第5の実施例における、両
面印刷時での孔版印刷装置136の動作を説明する。こ
の第5の実施例での通常印刷時における動作は第3の実
施例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみ
を説明する。
【0174】製版スタートキー87が押されると、各版
胴15,40及び転写胴129がそれぞれ低速で回転を
開始し、把持爪131がガイド板150の近傍に位置す
る給版待機位置に転写胴129が到達すると、各版胴1
5,40及び転写胴129の回転が停止される。転写胴
129の停止後、把持爪131が開放されると共に各搬
送ローラー対145,146,147が回転し、シート
ロール144よりインキ吸収部材143が繰り出され
る。繰り出されたインキ吸収部材143は、転写胴12
9と把持爪131との間にその先端を挿入される(図1
5(a)参照)。
【0175】搬送ローラー対145,146,147を
回転駆動するステッピングモーターのステップ数より、
インキ吸収部材143の先端が転写胴129と把持爪1
31の間に挿入されたと判断されると、把持爪131が
回動して転写胴129の外周面上にインキ吸収部材14
3を保持すると共に、制御手段140から指令が送ら
れ、転写胴129が図13の矢印方向に、インキ吸収部
材143の搬送速度と同速度で回転を開始する(図15
(b)参照)。
【0176】インキ吸収部材143が所定長さ搬送され
ると、切断手段148が作動してインキ吸収部材143
が切断される。切断されたインキ吸収部材143は転写
胴129の回転によって引き出される。そして、把持爪
132がガイド板150と対応する位置まで転写胴12
9が回転すると、各版胴15,40及び転写胴129の
回転が一時停止され、把持爪132が開放されると共に
インキ吸収部材押圧ローラー152が転写胴129に当
接し、さらに送風ファン151が送風を行う。これによ
り、インキ吸収部材143の後端部が転写胴129と把
持爪132との間の転写胴129の表面に貼り付いた状
態となり(図15(c)参照)、この後、把持爪132
が閉じられる。
【0177】各版胴15,40及び転写胴129は再び
回転を開始し、ホームポジションで停止する。この転写
胴129へのインキ吸収部材143の巻装動作中、各ソ
レノイド55,62への通電は断たれており、各版胴1
5,40は転写胴129より離間した位置で回転する。
なお、把持爪131が版胴40と転写胴129との接触
位置を通過するまで転写胴129が回転した後にソレノ
イド62に通電し、インキ吸収部材143を介して版胴
40を転写胴129に圧接させてもよい。
【0178】巻装動作完了後、制御手段140より指令
が送られて各版胴15,40及び転写胴129がそれぞ
れ低速で回転を開始すると共に各ソレノイド55,62
への通電がなされ、版胴15と転写胴129及び版胴4
0と転写胴129とが圧接する。
【0179】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、各版胴15,40の
外周面上に巻装された印刷済みのマスタ9,34及び転
写胴129の外周面上に巻装されたインキ吸収部材14
3に吸収されて各版胴15,40より除去されると共
に、多孔性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに新し
いインキが供給される。
【0180】各版胴15,40及び転写胴129は、制
御手段140に予め記憶された回転回数だけ回転した
後、ホームポジションにて停止する。各版胴15,40
及び転写胴129が停止する前に各ソレノイド55,6
2への通電が断たれることにより、各版胴15,40が
転写胴129より離間した位置に保持される。
【0181】上述の圧接動作が完了した後、転写胴12
9からのインキ吸収部材143の剥離動作が行われる。
各版胴15,40及び転写胴129が低速で回転を開始
し、把持爪131がガイド板141の近傍に位置する剥
離待機位置に転写胴129が到達すると、各版胴15,
40及び転写胴129の回転が停止される。転写胴12
9の停止後、把持爪131が開放されると共に上排版部
材115及び下排版部材116が作動する。把持爪13
1の開放により、転写胴129上に保持されていたイン
キ吸収部材143の先端が、自身の腰によってガイド板
141に当接する(図16(a)参照)。
【0182】その後、転写胴129が図13の矢印方向
へ再び回転を開始し、この回転によってガイド板141
上のインキ吸収部材143の先端が上排版部材115と
下排版部材116とによって挟持される。先端を挟持さ
れたインキ吸収部材143は、転写胴129の回転及び
各排版部材115,116の作動によって転写胴129
の外周面上より剥離される(図16(b)参照)。
【0183】そして、把持爪132がガイド板141の
近傍に位置するまで転写胴129が回転すると、把持爪
132が開放される。各排版部材115、116によっ
て転写胴129上より剥離されたインキ吸収部材143
は、排版ボックス117内に廃棄された後、圧縮板11
8によって圧縮される。
【0184】転写胴129上よりインキ吸収部材143
が剥離された後、各版胴15,40及び転写胴129は
再び回転を開始し、ホームポジションで停止する。この
転写胴129からのインキ吸収部材143の剥離動作
中、各ソレノイド55,62への通電は断たれており、
各版胴15,40は転写胴129より離間した位置で回
転する。
【0185】剥離動作完了後、第3の実施例における通
常印刷時と同様に排版動作、製版動作、給版動作、版付
け動作、印刷動作が順次行われ、印刷動作終了後にタイ
マー101が再び作動を開始する。この第5の実施例に
おける両面印刷動作の流れを図17に示す。
【0186】次に、本発明の第5の実施例における、片
面印刷時での孔版印刷装置136の動作を説明する。こ
の片面印刷時での通常印刷時における動作は第3の実施
例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみを
説明する。
【0187】製版スタートキー87が押されると、各版
胴15,40及び転写胴129が低速で回転を開始し、
両面印刷時と同様に転写胴129へのインキ吸収部材1
43の巻装動作が行われる。そして、各版胴15,40
及び転写胴129が再び回転を開始すると共に、ソレノ
イド62への通電がなされて版胴40が転写胴129に
対して圧接する。
【0188】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、版胴40の外周面上に巻装さ
れた印刷済みのマスタ34、及び転写胴129の外周面
上に巻装されたインキ吸収部材143に吸収されて版胴
40より除去されると共に、多孔性の支持円筒体及びメ
ッシュスクリーンに新しいインキが供給される。
【0189】そして、版胴40と転写胴129とが制御
手段140に予め記憶された回転回数だけ回転した後、
把持爪131が開放されて転写胴129上のインキ吸収
部材143はガイド板141に案内されて各搬送部材1
15,116へと送られ、排版ボックス117内に排出
された後、圧縮板118によって圧縮される。
【0190】把持爪131が開放されると同時に、ソレ
ノイド62への通電が断たれることにより版胴40が転
写胴129より離間した位置に保持される。各版胴1
5,40及び転写胴129はホームポジションまで回転
して停止する。なお、版胴15は、上記動作中において
転写胴129と離間した状態を保持している。
【0191】上述の圧接動作が完了した後、第3の実施
例における通常印刷時と同様に排版動作、製版動作、給
版動作、版付け動作、印刷動作が順次行われ、印刷動作
終了後にタイマー101が再び作動を開始する。この片
面印刷時において、版胴15のみを用いる構成としても
よい。
【0192】次に、本発明の第6の実施例を説明する。
この第6の実施例は、第5の実施例と比較すると、制御
手段140に代えて制御手段153を用いる点において
のみ相違している。CPU、ROM、RAM等を有する
周知のマイクロコンピューターである制御手段153
は、孔版印刷装置136の図示しない装置本体内部に制
御手段140に代えて設けられており、図示しない画像
読取部、印刷用紙検知センサー24、操作パネル86、
タイマー101からの各信号を受け、ROMに記憶され
た、制御手段140とは異なった孔版印刷装置136の
動作プログラムに基づいて、第1製版部2、第1印刷部
3、給紙部4、排紙部5、第2製版部137、第2印刷
部7、転写部139、第1排版部103、第2排版部1
38の制御を行う。
【0193】以下、本発明の第6の実施例における、両
面印刷時での孔版印刷装置136の動作を説明する。こ
の第6の実施例での通常印刷時における動作は第3の実
施例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみ
を説明する。
【0194】製版スタートキー87が押されると、第3
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行われ
る。その後、各版胴15,40及び転写胴129が低速
で回転を開始し、第5の実施例と同様に転写胴129へ
のインキ吸収部材143の巻装動作が行われた後、各ソ
レノイド55,62への通電がなされて各版胴15,4
0が転写胴129に対して圧接する。
【0195】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、転写胴129の外周
面上に巻装されたインキ吸収部材143に吸収されて各
版胴15,40より除去されると共に、多孔性の支持円
筒体及びメッシュスクリーンに新しいインキが供給され
る。
【0196】そして、各版胴15,40と転写胴129
とが制御手段153に予め記憶された回転回数だけ回転
した後、各版胴15,40及び転写胴129がホームポ
ジションで停止する。各版胴15,40及び転写胴12
9が停止する前に各ソレノイド55,62への通電が断
たれることにより、各版胴15,40が転写胴129よ
り離間した位置に保持される。
【0197】その後、第5の実施例と同様に転写胴12
9からのインキ吸収部材143の剥離動作が行われた
後、各版胴15,40及び転写胴129はホームポジシ
ョンまで回転して停止する。
【0198】剥離動作完了後、第3の実施例における通
常印刷時と同様に製版動作、給版動作、版付け動作、印
刷動作が順次行われ、印刷動作終了後にタイマー101
が再び作動を開始する。この第6の実施例における両面
印刷動作の流れを図18に示す。
【0199】次に、本発明の第6の実施例における、片
面印刷時での孔版印刷装置136の動作を説明する。こ
の片面印刷時での通常動作時における動作は第3の実施
例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみを
説明する。
【0200】製版スタートキー87が押されると、第3
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行われ
る。その後、各版胴15,40及び転写胴129が低速
で回転を開始し、第3の実施例と同様に転写胴129へ
のインキ吸収部材143の巻装動作が行われた後、ソレ
ノイド62への通電がなされて版胴40が転写胴129
に対して圧接する。
【0201】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、転写胴129の外周面上に巻
装されたインキ吸収部材143に吸収されて版胴40よ
り除去されると共に、多孔性の支持円筒体及びメッシュ
スクリーンに新しいインキが供給される。
【0202】そして、版胴40と転写胴129とが制御
手段135に予め記憶された回転回数だけ回転した後、
各版胴15,40及び転写胴129がホームポジション
で停止する。各版胴15,40及び転写胴129が停止
する前にソレノイド62への通電が断たれることによ
り、版胴40が転写胴129より離間した位置に保持さ
れる。なお、版胴15は、上記動作中において転写胴1
29と離間した状態を保持している。
【0203】その後、第3の実施例における通常印刷時
と同様に製版動作、給版動作、版付け動作、印刷動作が
順次行われ、印刷動作終了後にタイマー101が再び作
動を開始する。この片面印刷時において、版胴15のみ
を用いる構成としてもよい。
【0204】図19は、本発明の第7及び第8の実施例
に用いられる孔版印刷装置154の概略側面図である。
この孔版印刷装置154は、孔版印刷装置136と比較
すると、第2製版部137に代えて第2製版部155を
有する点、転写部139に代えて転写部156を有する
点、制御手段140に代えて孔版印刷装置154の動作
プログラムを記憶した制御手段157を用いる点におい
てのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0205】第2製版部155は、第2製版部137と
比較すると、可動ガイド板158、マスタ搬送ローラー
159,160、マスタガイド板161、送風ファン1
62、マスタ押圧ローラー163を有する点と、ガイド
板39に代えてガイド板164を用いる点においてのみ
相違しており、他の構成は同一である。
【0206】基端を揺動自在に支持された可動ガイド板
158は、自由端をガイド板164の端部より離間する
図の実線位置と、自由端をガイド板164の端部に接続
する図の二点鎖線位置とに、図示しない揺動手段によっ
て揺動される。マスタ搬送ローラー159は、外周面を
可動ガイド板158の基端に当接して配置され、図示し
ない駆動手段によって回転駆動される。マスタガイド板
161は、一端が可動ガイド板158の基端近傍に、他
端が転写胴129の外周面近傍にそれぞれ位置するよう
に配設されている。マスタ搬送ローラー160は、外周
面をマスタガイド板161の他端部に当接して配置さ
れ、図示しない駆動手段によって回転駆動される。送風
ファン162は、マスタ搬送ローラー160の上方に配
設され、マスタガイド板161の他端近傍に向けて送風
を行う。回転自在なマスタ押圧ローラー163は、図示
しない揺動手段で揺動され、その外周面を転写胴129
の外周面に対して接離自在に設けられている。
【0207】ガイド板164のマスタ搬送方向上流側端
部の近傍には、回転自在なマスタ搬送ローラー対164
aが配設されており、また、ガイド板164のマスタ搬
送方向下流側端部には、マスタ搬送ローラー164bが
その周面をガイド板164に当接させて配設されてい
る。
【0208】転写部156は、転写部139と比較する
と、インキ吸収部材供給手段142を有していない点に
おいてのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0209】CPU、ROM、RAM等を有する周知の
マイクロコンピューターである制御手段157は、孔版
印刷装置154の図示しない装置本体内部に設けられて
おり、図示しない画像読取部、印刷用紙検知センサー2
4、操作パネル86、タイマー101からの各信号を受
け、ROMに記憶された孔版印刷装置154の動作プロ
グラムに基づいて、第1製版部2、第1印刷部3、給紙
部4、排紙部5、第2製版部155、第2印刷部7、転
写部156、第1排版部103、第2排版部138の制
御を行う。制御手段157のブロック図を図20に示
す。
【0210】以下、本発明の第7の実施例における、両
面印刷時での孔版印刷装置154の動作を説明する。こ
の第7の実施例での通常印刷時における動作は第3の実
施例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみ
を説明する。
【0211】製版スタートキー87が押されると、各版
胴15,40及び転写胴129がそれぞれ低速で回転を
開始し、把持爪131がガイド板161の近傍に位置す
る給版待機位置に転写胴129が到達すると、各版胴1
5,40及び転写胴129の回転が停止される。転写胴
129の停止後、把持爪131が開放され、プラテンロ
ーラー37、マスタ搬送ローラー対164a、マスタ搬
送ローラー164b,159,160がそれぞれ回転
し、マスタロール35よりマスタ34が繰り出される。
繰り出されたマスタ34にはサーマルヘッド36での製
版は行われず、マスタ34は未製版の状態で転写胴12
9と把持爪131との間にその先端を挿入される(図2
1(a)参照)。
【0212】プラテンローラー37を回転駆動するステ
ッピングモーターのステップ数より、未製版マスタ34
の先端が転写胴129と把持爪131の間に挿入された
と判断されると、把持爪131が回動して転写胴129
の外周面上に未製版マスタ34を保持すると共に、制御
手段157から指令が送られ、転写胴129が図19の
矢印方向に、未製版マスタ34の搬送速度と同速度で回
転を開始する(図21(b)参照)。
【0213】未製版マスタ34が所定長さ搬送される
と、切断手段38が作動して未製版マスタ34が切断さ
れる。切断された未製版マスタ34は転写胴129の回
転によって引き出される。そして、把持爪132がガイ
ド板161と対応する位置まで転写胴129が回転する
と、各版胴15,40及び転写胴129の回転が一時停
止され、把持爪132が開放されると共にマスタ押圧ロ
ーラー163が転写胴129に当接し、さらに送風ファ
ン162が送風を行う。これにより、未製版マスタ34
の後端部が転写胴129と把持爪132との間の転写胴
129の表面に貼り付いた状態となり、この後、把持爪
132が閉じられる(図21(c)参照)。
【0214】上述した一連の動作により、未製版マスタ
34は、その熱可塑性樹脂フィルム面を弾性部材129
bと接し、多孔性支持体面を各版胴15,40と対向さ
せる向きに転写胴129上に巻装される。
【0215】各版胴15,40及び転写胴129は再び
回転を開始し、ホームポジションで停止する。この転写
胴129への未製版マスタ34の巻装動作中、各ソレノ
イド55,62への通電は断たれており、各版胴15,
40は転写胴129より離間した位置で回転する。な
お、把持爪131が版胴40と転写胴129との接触位
置を通過するまで転写胴129が回転した後にソレノイ
ド62に通電し、未製版マスタ34を介して版胴40を
転写胴129に圧接させてもよい。
【0216】巻装動作完了後、制御手段157より指令
が送られて各版胴15,40及び転写胴129がそれぞ
れ低速で回転を開始すると共に各ソレノイド55,62
への通電がなされ、版胴15と転写胴129及び版胴4
0と転写胴129とが圧接する。
【0217】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、各版胴15,40の
外周面上に巻装された印刷済みのマスタ9,34及び転
写胴129の外周面上に巻装された未製版マスタ34の
多孔性支持体に吸収されて各版胴15,40より除去さ
れると共に、多孔性の支持円筒体及びメッシュスクリー
ンに新しいインキが供給される。
【0218】各版胴15,40及び転写胴129は、制
御手段157に予め記憶された回転回数だけ回転した
後、ホームポジションにて停止する。各版胴15,40
及び転写胴129が停止する前に各ソレノイド55,6
2への通電が断たれることにより、各版胴15,40が
転写胴129より離間した位置に保持される。
【0219】上述の圧接動作が完了した後、転写胴12
9からの未製版マスタ34の剥離動作が行われる。各版
胴15,40及び転写胴129が低速で回転を開始し、
把持爪131がガイド板141の近傍に位置する排版待
機位置に転写胴129が到達すると、各版胴15,40
及び転写胴129の回転が停止される。転写胴129の
停止後、把持爪131が開放されると共に上排版部材1
15及び下排版部材116が作動する。把持爪131の
開放により、転写胴129上に保持されていた未製版マ
スタ34の先端が、自身の腰によってガイド板141に
当接する(図22(a)参照)。
【0220】その後、転写胴129が図19の矢印方向
へ再び回転を開始し、この回転によってガイド板141
上の未製版マスタ34の先端が上排版部材115と下排
版部材116とによって挟持される。先端を挟持された
未製版マスタ34は、転写胴129の回転及び各排版部
材115,116の作動によって転写胴129の外周面
上より剥離される(図22(b)参照)。
【0221】そして、把持爪132がガイド板141の
近傍に位置するまで転写胴129が回転すると、把持爪
132が開放される。各排版部材115、116によっ
て転写胴129上より剥離された未製版マスタ34は、
排版ボックス117内に廃棄された後、圧縮板118に
よって圧縮される。
【0222】転写胴129上より未製版マスタ34が剥
離された後、各版胴15,40及び転写胴129は再び
回転を開始し、ホームポジションで停止する。この転写
胴129からの未製版マスタ34の剥離動作中、各ソレ
ノイド55,62への通電は断たれており、各版胴1
5,40は転写胴129より離間した位置で回転する。
【0223】剥離動作完了後、第3の実施例における通
常印刷時と同様に排版動作、製版動作、給版動作、版付
け動作、印刷動作が順次行われ、印刷動作終了後にタイ
マー101が再び作動を開始する。この第7の実施例に
おける両面印刷動作の流れを図23に示す。
【0224】次に、本発明の第7の実施例における、片
面印刷時での孔版印刷装置154の動作を説明する。こ
の片面印刷時での通常印刷時における動作は第3の実施
例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみを
説明する。
【0225】製版スタートキー87が押されると、各版
胴15,40及び転写胴129が低速で回転を開始し、
両面印刷時と同様に転写胴129への未製版マスタ34
の巻装動作が行われる。そして、各版胴15,40及び
転写胴129が再び回転を開始すると共に、ソレノイド
62への通電がなされて版胴40が転写胴129に対し
て圧接する。
【0226】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、版胴40の外周面上に巻装さ
れた印刷済みのマスタ34、及び転写胴129の外周面
上に巻装された未製版マスタ34の多孔性支持体に吸収
されて版胴40より除去されると共に、多孔性の支持円
筒体及びメッシュスクリーンに新しいインキが供給され
る。
【0227】そして、版胴40と転写胴129とが制御
手段157に予め記憶された回転回数だけ回転した後、
把持爪131が開放されて転写胴129上の未製版マス
タ34はガイド板141に案内されて各搬送部材11
5,116へと送られ、排版ボックス117内に排出さ
れた後、圧縮板118によって圧縮される。
【0228】把持爪131が開放されると同時に、ソレ
ノイド62への通電が断たれることにより版胴40が転
写胴129より離間した位置に保持される。各版胴1
5,40及び転写胴129はホームポジションまで回転
して停止する。なお、版胴15は、上記動作中において
転写胴129と離間した状態を保持している。
【0229】上述の圧接動作が完了した後、第3の実施
例における通常印刷時と同様に排版動作、製版動作、給
版動作、版付け動作、印刷動作が順次行われ、印刷動作
終了後にタイマー101が再び作動を開始する。この片
面印刷時において、版胴15のみを用いる構成としても
よい。
【0230】次に、本発明の第8の実施例を説明する。
この第8の実施例は、第7の実施例と比較すると、制御
手段157に代えて制御手段165を用いる点において
のみ相違している。CPU、ROM、RAM等を有する
周知のマイクロコンピューターである制御手段165
は、孔版印刷装置154の図示しない装置本体内部に制
御手段157に代えて設けられており、図示しない画像
読取部、印刷用紙検知センサー24、操作パネル86、
タイマー101からの各信号を受け、ROMに記憶され
た、制御手段157とは異なった孔版印刷装置154の
動作プログラムに基づいて、第1製版部2、第1印刷部
3、給紙部4、排紙部5、第2製版部155、第2印刷
部7、転写部156、第1排版部103、第2排版部1
38の制御を行う。
【0231】以下、本発明の第8の実施例における、両
面印刷時での孔版印刷装置154の動作を説明する。こ
の第8の実施例での通常印刷時における動作は第3の実
施例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみ
を説明する。
【0232】製版スタートキー87が押されると、第3
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行われ
る。その後、各版胴15,40及び転写胴129が低速
で回転を開始し、第7の実施例と同様に転写胴129へ
の未製版マスタ34の巻装動作が行われた後、各ソレノ
イド55,62への通電がなされて各版胴15,40が
転写胴129に対して圧接する。
【0233】この圧接により、各版胴15,40の多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置
によって粘度が低下したインキが、転写胴129の外周
面上に巻装された未製版マスタ34の多孔性支持体に吸
収されて各版胴15,40より除去されると共に、多孔
性の支持円筒体及びメッシュスクリーンに新しいインキ
が供給される。
【0234】そして、各版胴15,40と転写胴129
とが制御手段165に予め記憶された回転回数だけ回転
した後、各版胴15,40及び転写胴129がホームポ
ジションで停止する。各版胴15,40及び転写胴12
9が停止する前に各ソレノイド55,62への通電が断
たれることにより、各版胴15,40が転写胴129よ
り離間した位置に保持される。
【0235】その後、第7の実施例と同様に転写胴12
9からの未製版マスタ34の剥離動作が行われた後、各
版胴15,40及び転写胴129はホームポジションま
で回転して停止する。
【0236】剥離動作完了後、第3の実施例における通
常印刷時と同様に製版動作、給版動作、版付け動作、印
刷動作が順次行われ、印刷動作終了後にタイマー101
が再び作動を開始する。この第8の実施例における両面
印刷動作の流れを図24に示す。
【0237】次に、本発明の第8の実施例における、片
面印刷時での孔版印刷装置154の動作を説明する。こ
の片面印刷時での通常動作時における動作は第3の実施
例と同様であるので、放置後印刷時における動作のみを
説明する。
【0238】製版スタートキー87が押されると、第3
の実施例における通常印刷時と同様に排版動作が行われ
る。その後、各版胴15,40及び転写胴129が低速
で回転を開始し、第7の実施例と同様に転写胴129へ
の未製版マスタ34の巻装動作が行われた後、ソレノイ
ド62への通電がなされて版胴40が転写胴129に対
して圧接する。
【0239】この圧接により、版胴40の多孔性の支持
円筒体及びメッシュスクリーンに付着した放置によって
粘度が低下したインキが、転写胴129の外周面上に巻
装された未製版マスタ34の多孔性支持体に吸収されて
版胴40より除去されると共に、多孔性の支持円筒体及
びメッシュスクリーンに新しいインキが供給される。
【0240】そして、版胴40と転写胴129とが制御
手段165に予め記憶された回転回数だけ回転した後、
各版胴15,40及び転写胴129がホームポジション
で停止する。各版胴15,40及び転写胴129が停止
する前にソレノイド62への通電が断たれることによ
り、版胴40が転写胴129より離間した位置に保持さ
れる。なお、版胴15は、上記動作中において転写胴1
29と離間した状態を保持している。
【0241】その後、第3の実施例における通常印刷時
と同様に製版動作、給版動作、版付け動作、印刷動作が
順次行われ、印刷動作終了後にタイマー101が再び作
動を開始する。この片面印刷時において、版胴15のみ
を用いる構成としてもよい。
【0242】第1及び第2の実施例の変形例として、転
写胴63に代えて転写胴129を用い、放置後印刷時に
おける新しい製版済みマスタの給版動作完了後に、第3
の実施例と同様に、転写胴129上に印刷用紙Sを巻装
した後に各版胴15,40を転写胴129に対して圧接
させ、所定回転回数だけ回転させる動作プログラムを各
制御手段102,133に追加した構成としてもよい。
これにより、新しい製版済みマスタの多孔性支持体に良
好な印刷画像が得られるインキが十分に供給されるの
で、より確実に1枚目から良好な印刷物を得ることがで
きる。
【0243】第3ないし第8の実施例の変形例として
も、第1及び第2の実施例の変形例と同様に、放置後印
刷時における新しい製版済みマスタの給版動作完了後
に、第3の実施例と同様に、転写胴129上に印刷用紙
Sを巻装した後に各版胴15,40を転写胴129に対
して圧接させ、所定回転回数だけ回転させる動作プログ
ラムを各制御手段134,135,140,153,1
57,165に追加した構成としてもよい。これによ
り、上述と同様の効果を得ることができる。
【0244】第1ないし第8の実施例では、印刷動作に
先立って圧接する各版胴15,40と転写胴63あるい
は転写胴129との圧接時における回転回数を各制御手
段のROMに予め記憶された所定の回転回数としたが、
タイマー101からの時間信号に基づく放置時間の長さ
に応じて回転回数を変化せる構成を採用してもよい。こ
の場合は、実験によって放置時間と回転回数との適正値
を決定する。放置時間と回転回数との関係の一例を表1
に示す。
【0245】
【表1】
【0246】さらに、放置時間が同程度であっても、環
境温度及び/または環境湿度の違いにより、インキの乾
きかたあるいはインキ粘度が異なったものとなる。そこ
で、各実施例の他の変形例として、上述の構成の他、各
版胴15,40の内部に温度センサー及び/または湿度
センサーを配設し、時間信号に基づいた放置時間の長さ
に応じて変化させた、圧接時における各版胴15,40
及び転写胴63あるいは転写胴129の回転回数を補正
する構成を採用してもよい。この場合も実験によって補
正値を決定する。環境温度に準じた補正値の一例を表2
に、環境湿度に準じた補正値の一例を表3に、また、こ
の構成を採用した制御手段のブロック図を、第1の実施
例で用いた制御手段102を借りて図25にそれぞれ示
す。
【0247】
【表2】
【0248】
【表3】
【0249】上述の構成を採用することにより、放置時
間や環境条件の変化に伴って変化する版胴表面の状態に
応じて、版胴圧接時の回転回数を最適な回数に制御する
ことができ、良好な印刷物を得ることができる。
【0250】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1及び
第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態
から印刷が行われる際に、印刷に使用される版胴と転写
胴とを前記印刷済みマスタを介して互いに圧接させると
共にそれぞれ所定回数だけ回転させるので、前記版胴に
付着した放置によって粘度が低下したインキが、前記印
刷済みマスタの多孔性支持体に吸収されて前記版胴から
除去されると共に、前記版胴に新しいインキが充填さ
れ、滲みや裏移りの発生を防止して損紙の発生を極力抑
えることにより、印刷コストの低減を図ることができ
る。
【0251】請求項2記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態か
ら印刷が行われる際に、転写胴にインキ吸収部材を巻装
した後、印刷に使用される版胴と前記転写胴とを前記印
刷済みマスタ及び前記インキ吸収部材を介して互いに圧
接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転させるので、
前記版胴に付着した放置によって粘度が低下したインキ
が、前記印刷済みマスタの多孔性支持体及び前記インキ
吸収部材に吸収されて前記版胴から除去されると共に、
前記版胴に新しいインキが充填され、滲みや裏移りの発
生を防止して損紙の発生を極力抑えることにより、印刷
コストの低減を図ることができる。また、圧接時におい
て前記印刷済みマスタの熱可塑性樹脂フィルム穿孔部よ
り滲出するインキが前記インキ吸収部材に吸収されるこ
とにより、前記転写胴の表面にインキが付着しないので
クリーニング手段への負荷がなくなり、煩雑なクリーナ
ーの交換作業の回数の低減及びクリーナーの消費量の低
減を達成できる。
【0252】請求項3記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態か
ら印刷が行われる際に、印刷に使用される版胴から前記
印刷済みマスタを剥離して転写胴にインキ吸収部材を巻
装した後、前記版胴と前記転写胴とを前記インキ吸収部
材を介して互いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だ
け回転させるので、前記版胴に付着した放置によって粘
度が低下したインキが、前記印刷済みマスタの剥離及び
前記インキ吸収部材による吸収により前記版胴から除去
されると共に、前記版胴に新しいインキが充填され、滲
みや裏移りの発生を防止して損紙の発生をより一層抑え
ることにより、印刷コストの低減を効果的に図ることが
できる。
【0253】請求項4記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態か
ら印刷が行われる際に、転写胴に印刷用紙を巻装した
後、印刷に使用される版胴と前記転写胴とを前記印刷済
みマスタ及び前記印刷用紙を介して互いに圧接させると
共にそれぞれ所定回数だけ回転させるので、前記版胴に
付着した放置によって粘度が低下したインキが、前記印
刷済みマスタの多孔性支持体及び前記印刷用紙に吸収さ
れて前記版胴から除去されると共に、前記版胴に新しい
インキが充填され、滲みや裏移りの発生を防止して損紙
の発生を極力抑えることにより、新たな消耗品を用いる
ことなく印刷コストの低減を図ることができる。
【0254】請求項5記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態か
ら印刷が行われる際に、印刷に使用される版胴から前記
印刷済みマスタを剥離して転写胴に印刷用紙を巻装した
後、前記版胴と前記転写胴とを前記印刷用紙を介して互
いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転させる
ので、前記版胴に付着した放置によって粘度が低下した
インキが、前記印刷済みマスタの剥離及び前記印刷用紙
による吸収により前記版胴から除去されると共に、前記
版胴に新しいインキが充填され、滲みや裏移りの発生を
防止して損紙の発生をより一層抑えることにより、新た
な消耗品を用いることなく印刷コストの低減を効果的に
図ることができる。
【0255】請求項6記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態か
ら印刷が行われる際に、転写胴に、支持体が印刷に使用
される版胴と対向する向きに未製版マスタを巻装した
後、前記版胴と前記転写胴とを前記印刷済みマスタ及び
前記未製版マスタを介して互いに圧接させると共にそれ
ぞれ所定回数だけ回転させるので、前記版胴に付着した
放置によって粘度が低下したインキが、前記印刷済みマ
スタの多孔性支持体及び前記未製版マスタの支持体に吸
収されて前記版胴から除去されると共に、前記版胴に新
しいインキが充填され、滲みや裏移りの発生を防止して
損紙の発生を極力抑えることにより、新たな消耗品を用
いることなく印刷コストの低減を図ることができる。
【0256】請求項7記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態か
ら印刷が行われる際に、印刷に使用される版胴から前記
印刷済みマスタを剥離して転写胴に支持体が前記版胴と
対向する向きに未製版マスタを巻装した後、前記版胴と
前記転写胴とを前記未製版マスタを介して互いに圧接さ
せると共にそれぞれ所定回数だけ回転させるので、前記
版胴に付着した放置によって粘度が低下したインキが、
前記印刷済みマスタの剥離及び前記未製版マスタの支持
体による吸収により前記版胴から除去されると共に、前
記版胴に新しいインキが充填され、滲みや裏移りの発生
を防止して損紙の発生をより一層抑えることにより、新
たな消耗品を用いることなく印刷コストの低減を効果的
に図ることができる。
【0257】請求項8記載の発明によれば、第1及び第
2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装された状態か
ら印刷が行われる際に、印刷に使用される版胴から前記
印刷済みマスタを剥離し、該版胴に未製版マスタを巻装
した後、前記版胴と転写胴とを前記未製版マスタを介し
て互いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転さ
せるので、前記版胴に付着した放置によって粘度が低下
したインキが、前記印刷済みマスタの剥離及び前記未製
版マスタによる吸収により前記版胴から除去されると共
に、前記版胴に新しいインキが充填され、滲みや裏移り
の発生を防止して損紙の発生をより一層抑えることによ
り、新たな消耗品を用いることなく印刷コストの低減を
効果的に図ることができる。
【0258】請求項9、請求項10記載の発明によれ
ば、印刷に使用される版胴に新しい製版済みのマスタを
巻装して印刷を行う際に、転写胴に印刷用紙を巻装した
後、前記版胴と前記転写胴とを前記製版済みのマスタ及
び前記印刷用紙を介して互いに圧接させると共にそれぞ
れ所定回数だけ回転させるので、新しい製版済みマスタ
の多孔性支持体に良好な印刷画像が得られるインキが十
分に供給され、より確実に1枚目から良好な印刷物を得
ることができる。
【0259】請求項11記載の発明によれば、印刷に使
用される版胴と転写胴との圧接時における回転回数を経
過時間の長さに応じて制御することにより、放置時間の
変化に伴って変化する版胴表面の状態に応じて前記回転
回数を最適値に制御することができ、放置後印刷時にお
ける立ち上がり時間を最短としつつ、1枚目から良好な
印刷物を得ることができる。
【0260】請求項12記載の発明によれば、印刷に使
用される版胴と転写胴との圧接時における回転回数を経
過時間の長さ及び検出された温度に基づいて制御するこ
とにより、放置時間や環境温度の変化に伴って変化する
版胴表面の状態に応じて前記回転回数を最適値に制御す
ることができ、放置後印刷時における立ち上がり時間を
最短としつつ、1枚目から良好な印刷物を得ることがで
きる。
【0261】請求項13記載の発明によれば、印刷に使
用される版胴と転写胴との圧接時における回転回数を経
過時間の長さ及び検出された湿度、あるいは検出された
温度及び湿度に基づいて制御することにより、放置時間
や環境温度並びに環境湿度の変化に伴って変化する版胴
表面の状態に応じて前記回転回数を最適値に制御するこ
とができ、放置後印刷時における立ち上がり時間を最短
としつつ、1枚目から良好な印刷物を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる孔
版印刷装置の概略側面図である。
【図2】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる版
胴の接離機構を説明する図である。
【図3】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる天
地移動手段を兼ねた版胴駆動手段を示す図である。
【図4】本発明の第1ないし第8の実施例に用いられる
操作パネルを示す図である。
【図5】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる制
御手段のブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例における放置後両面印刷
時の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例における放置後両面印刷
時の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3及び第4の実施例に用いられる孔
版印刷装置の概略側面図である。
【図9】本発明の第3及び第4の実施例に用いられる制
御手段のブロック図である。
【図10】本発明の第3及び第4の実施例における転写
胴への印刷用紙の巻装動作及び転写胴からの印刷用紙の
剥離動作を説明する分図である。
【図11】本発明の第3の実施例における放置後両面印
刷時の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施例における放置後両面印
刷時の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第5及び第6の実施例に用いられる
孔版印刷装置の概略側面図である。
【図14】本発明の第5及び第6の実施例に用いられる
制御手段のブロック図である。
【図15】本発明の第5及び第6の実施例における転写
胴へのインキ吸収部材の巻装動作を説明する分図であ
る。
【図16】本発明の第5及び第6の実施例における転写
胴からのインキ吸収部材の剥離動作を説明する分図であ
る。
【図17】本発明の第5の実施例における放置後両面印
刷時の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第6の実施例における放置後両面印
刷時の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第7及び第8の実施例に用いられる
孔版印刷装置の概略側面図である。
【図20】本発明の第7及び第8の実施例に用いられる
制御手段のブロック図である。
【図21】本発明の第7及び第8の実施例における転写
胴への未製版マスタの巻装動作を説明する分図である。
【図22】本発明の第7及び第8の実施例における転写
胴からの未製版マスタの剥離動作を説明する分図であ
る。
【図23】本発明の第7の実施例における放置後両面印
刷時の動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第8の実施例における放置後両面印
刷時の動作を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第1の実施例の変形例に用いられる
制御手段のブロック図である。
【符号の説明】
1,127,136,154 孔版印刷装置 9,34 マスタ 15 第1の版胴 40 第2の版胴 63,129 転写胴 101 計時手段(タイマー) 131,132 巻装手段(把持爪) 142 インキ吸収部材供給手段 143 インキ吸収部材 S 印刷用紙

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設された回転自在な転写胴と、前記転写胴の近傍
    に配設され、外周面にマスタを巻装する回転自在な第2
    の版胴とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、印刷に使用される版
    胴と前記転写胴とを前記印刷済みマスタを介して互いに
    圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、
    前記版胴から前記印刷済みマスタを剥離し、その後、前
    記版胴に新しい製版済みのマスタを巻装して印刷を行う
    ことを特徴とする孔版印刷方法。
  2. 【請求項2】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設され、外周面にインキ吸収部材を巻装可能であ
    る回転自在な転写胴と、前記転写胴の近傍に配設され、
    外周面にマスタを巻装する回転自在な第2の版胴と、前
    記転写胴に向けて前記インキ吸収部材を供給するインキ
    吸収部材供給手段とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、前記転写胴に前記イ
    ンキ吸収部材を巻装し、印刷に使用される版胴と前記転
    写胴とを前記印刷済みマスタ及び前記インキ吸収部材を
    介して互いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回
    転させた後、前記版胴から前記印刷済みマスタを、ま
    た、前記転写胴から前記インキ吸収部材をそれぞれ剥離
    し、その後、前記版胴に新しい製版済みのマスタを巻装
    して印刷を行うことを特徴とする孔版印刷方法。
  3. 【請求項3】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設され、外周面にインキ吸収部材を巻装可能であ
    る回転自在な転写胴と、前記転写胴の近傍に配設され、
    外周面にマスタを巻装する回転自在な第2の版胴と、前
    記転写胴に向けて前記インキ吸収部材を供給するインキ
    吸収部材供給手段とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、印刷に使用される版
    胴からの前記印刷済みマスタの剥離と、前記転写胴への
    前記インキ吸収部材の巻装とを行い、前記版胴と前記転
    写胴とを前記インキ吸収部材を介して互いに圧接させる
    と共にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、前記転写胴
    から前記インキ吸収部材を剥離し、その後、前記版胴に
    新しい製版済みのマスタを巻装して印刷を行うことを特
    徴とする孔版印刷方法。
  4. 【請求項4】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設され、外周面に印刷用紙を巻装可能である回転
    自在な転写胴と、前記転写胴の近傍に配設され、外周面
    にマスタを巻装する回転自在な第2の版胴とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、前記転写胴に印刷用
    紙を巻装し、印刷に使用される版胴と前記転写胴とを前
    記印刷済みマスタ及び前記印刷用紙を介して互いに圧接
    させると共にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、前記
    版胴から前記印刷済みマスタを、また、前記転写胴から
    前記印刷用紙をそれぞれ剥離し、その後、前記版胴に新
    しい製版済みのマスタを巻装して印刷を行うことを特徴
    とする孔版印刷方法。
  5. 【請求項5】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設され、外周面に印刷用紙を巻装可能である回転
    自在な転写胴と、前記転写胴の近傍に配設され、外周面
    にマスタを巻装する回転自在な第2の版胴とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、印刷に使用される版
    胴に巻装されている前記印刷済みマスタの剥離と前記転
    写胴への印刷用紙の巻装とを行い、前記版胴と前記転写
    胴とを前記印刷用紙を介して互いに圧接させると共にそ
    れぞれ所定回数だけ回転させた後、前記転写胴から前記
    印刷用紙を剥離し、その後、前記版胴に新しい製版済み
    のマスタを巻装して印刷を行うことを特徴とする孔版印
    刷方法。
  6. 【請求項6】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設され、外周面にマスタを巻装可能である回転自
    在な転写胴と、前記転写胴の近傍に配設され、外周面に
    マスタを巻装する回転自在な第2の版胴とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、前記転写胴に、支持
    体が第1及び第2の版胴の表面と対向する向きに未製版
    マスタを巻装し、印刷に使用される版胴と前記転写胴と
    を前記印刷済みマスタ及び前記未製版マスタを介して互
    いに圧接させると共にそれぞれ所定回数だけ回転させた
    後、前記版胴から前記印刷済みマスタを、また、前記転
    写胴から前記未製版マスタをそれぞれ剥離し、その後、
    前記版胴に新しい製版済みのマスタを巻装して印刷を行
    うことを特徴とする孔版印刷方法。
  7. 【請求項7】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設され、外周面にマスタを巻装可能である回転自
    在な転写胴と、前記転写胴の近傍に配設され、外周面に
    マスタを巻装する回転自在な第2の版胴とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、印刷に使用される版
    胴に巻装されている前記印刷済みマスタを剥離し、前記
    転写胴に、支持体が第1及び第2の版胴の表面と対向す
    る向きに未製版マスタを巻装し、前記版胴と前記転写胴
    とを前記未製版マスタを介して互いに圧接させると共に
    それぞれ所定回数だけ回転させた後、前記転写胴に巻装
    されている前記未製版マスタを剥離し、その後、前記版
    胴に新しい製版済みのマスタを巻装して印刷を行うこと
    を特徴とする孔版印刷方法。
  8. 【請求項8】外周面にマスタを巻装する回転自在な第1
    の版胴と、第1の版胴と用紙搬送路を介して対向する位
    置に配設された回転自在な転写胴と、前記転写胴の近傍
    に配設され、外周面にマスタを巻装する回転自在な第2
    の版胴とを具備し、 第1及び第2の版胴は前記転写胴に対してそれぞれ接離
    自在に設けられ、前記用紙搬送路を給送される印刷用紙
    の一方の面には、第1の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて第1の版胴からの画像が転写され、前記印刷用紙
    の他方の面には、第2の版胴と前記転写胴との圧接時に
    おいて前記転写胴に転移された画像が前記転写胴によっ
    て転写される孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法であっ
    て、 第1及び第2の版胴にそれぞれ印刷済みマスタが巻装さ
    れた状態から印刷が行われる際に、印刷に使用される版
    胴に巻装されている前記印刷済みマスタを剥離した後に
    該版胴に未製版マスタを巻装し、前記版胴と前記転写胴
    とを前記未製版マスタを介して互いに圧接させると共に
    それぞれ所定回数だけ回転させた後、前記版胴に巻装さ
    れている未製版マスタを剥離し、その後、前記版胴に新
    しい製版済みのマスタを巻装して印刷を行うことを特徴
    とする孔版印刷方法。
  9. 【請求項9】前記転写胴が外周面に印刷用紙を巻装する
    巻装手段を具備し、印刷に使用される版胴に新しい製版
    済みのマスタを巻装して印刷を行う際に、前記転写胴に
    印刷用紙を巻装し、前記版胴と前記転写胴とを前記製版
    済みのマスタ及び前記印刷用紙を介して互いに圧接させ
    ると共にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、前記転写
    胴に巻装されている前記印刷用紙を剥離し、その後、印
    刷を行うことを特徴とする請求項1または請求項8記載
    の孔版印刷方法。
  10. 【請求項10】印刷に使用される版胴に新しい製版済み
    のマスタを巻装して印刷を行う際に、前記転写胴に印刷
    用紙を巻装し、前記版胴と前記転写胴とを前記製版済み
    のマスタ及び前記印刷用紙を介して互いに圧接させると
    共にそれぞれ所定回数だけ回転させた後、前記転写胴に
    巻装されている前記印刷用紙を剥離し、その後、印刷を
    行うことを特徴とする請求項2ないし請求項7のうちの
    何れか1つに記載の孔版印刷方法。
  11. 【請求項11】前記孔版印刷装置が前回の印刷終了時か
    らの経過時間を計時する計時手段を具備し、前記計時手
    段によって計時された前記経過時間の長さに応じて印刷
    に使用される版胴と前記転写胴との圧接時における回転
    回数を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項
    10のうちの何れか1つに記載の孔版印刷方法。
  12. 【請求項12】前記孔版印刷装置が装置内部の温度を検
    出する温度検出手段を具備し、前記温度検出手段によっ
    て検出された温度に基づいて前記回転回数の制御を補正
    することを特徴とする請求項11記載の孔版印刷方法。
  13. 【請求項13】前記孔版印刷装置が装置内部の湿度を検
    出する湿度検出手段を具備し、前記湿度検出手段によっ
    て検出された湿度に基づいて前記回転回数の制御を補正
    することを特徴とする請求項11または請求項12記載
    の孔版印刷方法。
JP30147997A 1997-11-04 1997-11-04 孔版印刷方法 Pending JPH11129599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30147997A JPH11129599A (ja) 1997-11-04 1997-11-04 孔版印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30147997A JPH11129599A (ja) 1997-11-04 1997-11-04 孔版印刷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11129599A true JPH11129599A (ja) 1999-05-18

Family

ID=17897410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30147997A Pending JPH11129599A (ja) 1997-11-04 1997-11-04 孔版印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11129599A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001054905A1 (de) * 2000-01-25 2001-08-02 Koenig & Bauer Aktiengesellschaft Druckeinheit
DE10025999A1 (de) * 2000-01-25 2001-08-09 Koenig & Bauer Ag Druckeinheit
WO2001087630A1 (fr) * 2000-05-17 2001-11-22 Riso Kagaku Corporation Dispositif d'impression au pochoir
JP2002178621A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置及び印刷システム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001054905A1 (de) * 2000-01-25 2001-08-02 Koenig & Bauer Aktiengesellschaft Druckeinheit
DE10025999A1 (de) * 2000-01-25 2001-08-09 Koenig & Bauer Ag Druckeinheit
DE10025999C2 (de) * 2000-01-25 2003-04-10 Koenig & Bauer Ag Druckeinheit
US6655270B2 (en) 2000-01-25 2003-12-02 Koenig & Bauer Aktiengesellschaft Printing unit having screen printing cylinders and transfer cylinders forming printing nip
WO2001087630A1 (fr) * 2000-05-17 2001-11-22 Riso Kagaku Corporation Dispositif d'impression au pochoir
US6745685B2 (en) 2000-05-17 2004-06-08 Riso Kagaku Corporation Stencil printing device
JP2002178621A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置及び印刷システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11321063A (ja) 孔版印刷装置
JPH11129599A (ja) 孔版印刷方法
JP4346760B2 (ja) 印刷装置における製版給版装置
JP4260437B2 (ja) 孔版印刷装置
JP4246305B2 (ja) 印刷装置と印刷装置のインキ供給方法
JP4672874B2 (ja) 孔版印刷装置
JP4421717B2 (ja) 孔版印刷方法及び孔版印刷装置
JP2009132011A (ja) 用紙剥離装置、用紙剥離方法、印刷装置及び印刷方法
JP3721303B2 (ja) 孔版印刷装置
JP4584733B2 (ja) 両面画像形成装置
JPH10157052A (ja) 製版書込み装置および製版印刷装置
JP2001105712A (ja) 孔版印刷装置及び孔版印刷方法
JP3732571B2 (ja) 孔版印刷装置
JP4340452B2 (ja) 印刷装置
JP5044842B2 (ja) 当接部材、印刷装置及び印刷方法
JP2008142928A (ja) 孔版印刷装置
JP2000085229A (ja) 孔版印刷装置
JP4043751B2 (ja) 製版装置および製版印刷装置
JP2009292024A (ja) 孔版印刷装置
JPH11254802A (ja) 孔版印刷方法
JP2006335544A (ja) 用紙押さえ装置及び印刷装置
JP2004130610A (ja) 印刷装置における給版装置および印刷装置の給版方法
JP2004255591A (ja) 孔版印刷装置
JPH1095156A (ja) 孔版印刷方法
JP2003039799A (ja) 孔版印刷装置