JP3719983B2 - 前配向糸パッケージ - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、溶融紡糸法で得られるポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージ及びその製造方法、並びにポリトリメチレンテレフタレート前配向糸の仮撚加工法に関する。
更に詳しくは、本発明は、衣料用の繊維素材として延伸することなくそのまま編織物に、加工することができ、また延伸仮撚加工を施した繊維素材として編織物に加工することができ、そして周期的な染め変動欠点のない品位とまたソフトな風合いを呈する編織物等の布帛を製造することができるポリトリメチレンテレフタレート前配向糸を巻いたパッケージとその調製方法及び係る前配向糸パッケージを用いるポリトリメチレンテレフタレート前配向糸の仮撚加工法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート繊維(以下「PET繊維」と称す)は、衣料用途に最も適した合成繊維として世界中で大量に生産されて、一大産業となっている。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維(以下「PTT繊維」と称す)は、非特許文献1、非特許文献2、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等の先行技術文献により知られている。
【0003】
非特許文献1及び2には、PTT繊維が有する応力−伸長特性などの基本特性が記載され、初期モジュラスが小さく且つ弾性回復性に優れた衣料、カーペット用途などに適した繊維材料であることが示唆されている。
特許文献1、2及び特許文献3、4には、PTT繊維のかかる特徴を更に改良すべく、熱に対する寸法安定性と弾性回復性を更に向上させる方法が提案されている。
高速紡糸して得られるPTT繊維として、延伸のための前配向糸が特許文献5や特許文献6に、また延伸仮撚用の部分配向糸が非特許文献3及び非特許文献4に開示されている。
一方、PTT繊維の前配向糸を延伸することなく編織物の加工に供する技術提案が特許文献7に記載されている。
先行技術である特許文献5には、紡糸速度2000〜5000m/分で巻き取られた糸が、また特許文献6には紡糸速度2000m/分以上で得た複屈折率が0.035以上の延伸のための前配向糸が示されている。
先行技術である非特許文献3にはゴデットロールを用いずに、あるいは加熱されていないゴデットロールを経て得られるPTT糸を3000〜6000m/分で巻取られる仮撚加工のための部分配向糸が示されている。
【0004】
本発明者らの検討によると、先行技術文献である特許文献5、6及び非特許文献3で得られる前配向糸は、高配向糸であるが、ほとんど結晶化しておらずそのガラス転移温度が約35〜45℃であることが判明した。このような結晶化していない前配向糸は温度や湿度の変化に対して非常に敏感である。
例えば、巻取機のモーターの発熱のボビン軸を介してのパッケージへの伝熱やパッケージと押さえロールとの摩擦発熱のパッケージへの伝熱により、前配向糸パッケージは巻取り過程で温度が上昇する。このような原因でパッケージの温度が上昇すると、パッケージに巻かれたままで巻取中に前配向糸の収縮が生じる。
【0005】
巻取過程における前配向糸の収縮は、積層されたパッケージの硬度が高い両耳部では殆ど発生せず、主としてパッケージの中央部に積層された前配向糸に生じる。その結果、巻取中にパッケージは耳高の巻きフォームとなり、しかる後は耳部のみが押さえロールと接触して巻き量の増加とともに、耳部に摩擦発熱がますます集中する。
かくして、所定の巻径に巻き取られたパッケージは、耳部の直径が中央部の直径より大きな、いわゆる耳高の巻きフォームとなる。
【0006】
図1に耳高のないパッケージの模式図を、図2に耳高の巻きフォームのパッケージの模式図を示す。
耳高の巻きフォームのパッケージは、耳部に積層される糸と中央部に積層される糸の熱的特性や繊度が大きく異なったものとなる。
パッケージの耳部と中央部の前配向糸は、後述する熱収縮応力測定によって得られる収縮応力値(a.乾熱収縮応力)に差異を生じる。耳部の前配向糸の熱収縮応力値は、中央部の前配向糸の熱収縮応力値よりも高くなる。そして、熱収縮特性の差は編織物の染色加工時に収縮率差として顕在化する。
繊度変動は、前配向糸巻取機のトラバースによって形成される、パッケージの一方の耳部から他方の耳部までの糸長(1ストローク)または2ストロークに相当する周期的変動を示す。
パッケージに巻かれた前配向糸を解じょしてイブネステスターで測定した繊度変動測定チャートを図3及び図4に例示する。
図3は図1のパッケージに対応し、図4は図2のパッケージに対応するチャートである。
測定チャートにおいて、周期的変動は低繊度側に等間隔に下向きのひげ状シグナルとして観察される。下向きのシグナルが存在することは、糸長方向のその点の繊度(糸の太さ)が低い側に変動していることを意味している。
【0007】
このように、前述した欠点が内在する前配向糸パッケージは、延伸することなくそのまま編織に使用するか、または延伸仮撚加工して使用するいずれの場合にも、染色する際に全般的に染色の均一性が悪く且つ周期的な染め斑や光沢斑を呈する。このために、最終製品である布帛の商品価値が著しく損なわれることが明らかになった。
一方、先行技術である特許文献8は、PETとPTTまたは/及びポリブチレンテレフタレートをブレンドして溶融紡糸し、冷却固化後、加熱ローラにより熱処理して、3500m/分以上の速度で巻取る方法について開示している。
この先行技術の開示には、比較例として、PTTホモポリマー及びPETが10重量%ブレンドされたPTT共重合ポリマーを上記と同様の方法にて加熱ローラ温度180℃で、紡糸速度4000m/分で延伸することなく編織物に使用することが示されている。
【0008】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、加熱ローラ温度が180℃以上といった高温で熱処理して巻き取ろうとすると、パッケージの巻径が増すに従って巻崩れが生じ、経済的に必要な約20〜40cmの巻径のパッケージを採取することが不可能であった。
更に、PTTの融点が230℃であるのでかかる高温の熱処理では、巻取中の未延伸に
糸切れや毛羽が多発する。この技術は工業的生産技術として満足できるものではない。
先行技術である特許文献7は、前配向糸を巻取るまでにゴデットロールで50〜170℃で加熱処理して巻取った前配向糸を開示している。
この先行技術に開示される方法は、パッケージ、前配向糸の長期間にわたる延伸仮撚仮撚加工の安定化には有効である。しかし、巻取中のパッケージの発熱による耳高の発生や、それに起因する周期的な染め斑の発生の問題を解消する方法としては有効な方法ではないことが判明した。
前述したように、PTT前配向糸の既知技術において、良好な品位の編織物布帛の製造を可能にするPTT前配向糸パッケージは知られていない。
【0009】
【非特許文献1】
J.PolymerScience;PolymerPhisicsEditionVol.14P263−274(1976)
【非特許文献2】
ChemicalFibersInternationalVol.45,April(1995)110−111
【非特許文献3】
「ChemicalFibersInternational」47巻、1997年2月発行、72〜74頁
【特許文献1】
特開昭52−5320号公報
【特許文献2】
特開昭52−8123号公報
【特許文献3】
特開昭52−8124号公報
【特許文献4】
国際公開パンフレットWO99/27168号
【特許文献5】
特表平9−509225号公報
【特許文献6】
特開昭58−104216号公報
【特許文献7】
特開平2001−20136号公報
【特許文献8】
特公昭63−42007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的(課題)は、衣料用に適したPTT前配向糸パッケージの提供であり、前配向糸を延伸することなくそのまま編織するか、もしくは延伸仮撚加工を施してして編織物に供することができ、得られる布帛が周期的な染め変動欠点のない良好な品位と、ソフトな風合いを呈する、改良されたPTT前配向糸パッケージ及び、その工業的に安定な製造方法を提供することである。
また、本発明の目的(課題)は、特定の結晶構造を有するPTT前配向糸でなり、パッケージの耳部と中央部における前配向糸の熱収縮特性及び繊度の変動が特定範囲に制御されてなるPTT前配向糸パッケージに基づいて達成される。
本発明のより具体的な目的(課題)は、PTT前配向糸を高速で巻き取って得られるPTT前配向糸パッケージであって、前配向糸パッケージの耳部に由来する熱収縮特性及び繊度変動特性を解消したPTT前配向糸パッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は上記課題を種々検討した結果、PTT前配向糸の製造にあたり、特定の温度下に特定の巻取速度で前配向糸パッケージを形成することによって、耳部欠点の発生が抑制され、かつ編織物等の加工製品の風合い及び加工品位が高められるという本発明者らの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明の第1の発明は、特定の結晶構造を有し、かつパッケージの耳部と中央部における熱収縮特性及び繊度の変動が特定範囲に制御されてなるPTT前配向糸パッケージであって、95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレート前配向糸が巻量2kg以上で積層され、以下に示す(1)〜(3)の条件を満足するポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージである。
(1)前配向糸パッケージの耳部と中央部の直径差が0〜5mm
(2)パッケージの耳部に積層される糸と中央部に積層される糸の乾熱収縮応力値の差が0.01cN/dtex以下
(3)パッケージから前配向糸を解じょして測定される繊度変動値U%が1.2%以下で、且つ繊度変動周期の変動係数が0.4%以下である。
本発明の第2の発明は、95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレートを溶融紡糸し、冷却風により冷却固化後に前配向糸として巻取るに際し、紡糸張力を0.20cN/dtex以下とし且つ、巻取中のパッケージ温度を30℃以下に冷却しつつ、巻取速度1900〜3500m/分で巻取ることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージの製造法である。
【0012】
本発明の第3の発明は、95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレートからなる糸を紡糸し、冷却固化した後延伸することなく巻取るに際し、以下の(a)〜(d)の要件を満足する条件で巻取ることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージの製造法である。
(a)紡糸張力を0.20cN/dtex以下とすること
(b)熱処理温度を70〜120℃で、且つ熱処理張力を0.02〜0.10cN/dtexとすること
(c)巻取機に巻取る際に、パッケージの温度を30℃以下に保持すること
(d)巻取速度を2700〜3500m/分でパッケージに巻取ること
本発明の第4の発明は、95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレートを溶融紡糸し、冷却風により冷却して固化した後前配向糸として巻取り、しかる後該前配向糸を仮撚加工するに際し、前配向糸の巻取速度を1900〜3500m/分とし、かつ、巻取中から保管及び仮撚までの全ての工程において前配向糸の温度を30℃以下に維持した後、延伸仮撚または仮撚加工することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート前配向糸の仮撚加工法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるPTT前配向糸パッケージは、そのまま編織加工、もしくはPTT前配向糸の延伸仮撚加工に供することができ、ソフトな風合いを有し、周期的な染め変動欠点のない品位に優れたPTT繊維の衣料用布帛製品の提供を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の発明は、PTT前配向糸パッケージである。本発明において、PTT前配向糸を構成するPTTポリマーは、95モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰り返し単位からなり、5モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなる。
本発明におけるPTT前配向糸は、PTTホモポリマー及び5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位を含む共重合ポリトリメチレンテレフタレートである。
共重合成分の代表例は、以下のごときものが挙げられる。
酸成分としては、イソフタール酸や5−ナトリウムスルホイソフタル酸に代表される芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やイタコン酸に代表される脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸もその例である。
グリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等々である。これらの酸成分およびグリコール成分の複数が共重合されていてもよい。
【0015】
本発明のPTT前配向糸は、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化チタン等の艶消し剤、熱安定剤、酸化防止剤、制電剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、種々の顔料等々の添加剤を含有又は共重合成分として含んでいてもよい。
本発明におけるPTT前配向糸の極限粘度は、0.7〜1.3dl/gの範囲であることが必要である。極限粘度が0.7dl/g未満では、得られる仮撚加工糸の強度が低く、布帛の機械的強度が低下し強度を要求されるスポーツ用途などへの使用が制約される。
極限粘度が1.3dl/gを超えると、前配向糸の製造段階で糸切れが生じ、前配向糸の安定した製造が困難となる。好ましい極限粘度は、0.8〜1.1dl/gである。
本発明におけるPTTポリマーは、公知の方法を用いて調製することができる。
その代表例は一定の固有粘度までは溶融重合で重合度を上げ、続いて固相重合で所定の固有粘度に相当する重合度まで上げる2段階法である。
【0016】
以下に、本発明のPTT前配向糸パッケージの構造条件について詳述する。
1)直径差
本発明では、前配向糸パッケージの耳部と中央部の直径差が0〜5mmであることが必要である。直径差が5mmを超えると、後述する繊度変動測定において、繊度変動周期が顕著になる。繊度変動周期が顕著になれば、仮撚加工糸に周期的な染め変動が発生する。
仮撚加工糸に周期的変動が発生しないためのより好ましい直径差は、4mm以下、更に好ましくは2mm以下である。
前配向糸パッケージの耳部と中央部の直径差は、いわゆる「耳高」の程度を示す指標である。巻径が約10cmよりも少ない場合には、この直径差は軽微であるが、巻径が約20cmを超えると直径差が拡大し、「耳高」が顕著となる。
2)巻径
本発明の前向糸パッケージは、巻径が20cm以上であることが好ましい。
前配向糸パッケージの巻径は、工業的には一般的に約20〜約40cmが採用される。巻径が20cm未満では、パッケージの巻量が少なく、このことがパッケージを巻き付ける紙管やボビンの経費が前配向糸価格に振り替えた場合に高価となることや、パッケージの包装及び荷材費や輸送費が割高となり、工業的に不利である。
3)巻幅
本発明の前配向糸パッケージの巻幅は、8〜25cmであることが好ましい。 同一巻径であれば、巻幅は大きい方がパッケージの巻重量が多くなり、工業的に有利である。巻幅が小さいと、巻幅に対する耳部の比率が高くなり耳高になり易い。
好ましい巻幅は、10〜25cm、更に好ましくは15〜25cmである。
【0017】
4)前配向糸の乾熱収縮応力
乾熱収縮応力は、後述する方法により測定される前配向糸の熱による収縮力を指す。
PTT前配向糸は、一般に約50℃付近より収縮応力が発生し、約60〜80℃付近に最大応力ピークが現れる。このピーク値を乾熱収縮応力値として読みとる。
耳部に積層された前配向糸は、中央部に積層された前配向糸よりも乾熱収縮応力値が高くなるという傾向がある。
本発明では、前配向糸パッケージの耳部に積層される糸と中央部に積層される糸とで、この乾熱収縮応力値差が0.01cN/dtex以下であることが必要である。
乾熱収縮応力値差が0.01cN/dtexを超えると、得られる布帛に、耳部に積層された部分がヒケや染め異常欠点として残り、品位を低下させる。この乾熱収縮応力値差は小さいほど好ましい。0.005cN/dtex以下であることがより好ましい。
【0018】
5)繊度変動
a.本発明では、パッケージから前配向糸を解じょして測定される繊度変動値U%が1.5%以下で、且つ繊度変動周期の変動係数が0.4%以下であることが必要である。
繊度変動値U%は、公知の繊度変動測定で得られる測定値である。
本発明では、この繊度変動値U%が1.5%以下でなければならない。1.5%を超えると、編織物の染め品位が低下する。具体的には、1.5%以下であれば、編物などに使用しても工業的に使用可能な品位が得られるが、1.5%を超えると品位が不良となりこの分野での使用が不可能となる。繊度変動値U%は、小さいほど布帛の品位が良好となる。
好ましい繊度変動値U%は1.2%以下、更に好ましくは1.0%以下である。
本発明では、この繊度変動値U%が1.5%以下であるとともに、繊度変動周期解析による繊度変動周期の変動係数が0.4%以下であることが必要である。 繊度変動値U%が1.5%以下であっても、繊度変動周期の変動係数が0.4%以上であると、編織物に前配向糸パッケージの耳部に起因する染め異常が発生し、良好な品位の布帛が得られない。
具体的には、織物の縦糸や緯糸のように組織が密に製織される場合に、この問題が顕在化する。特に、前配向糸を延伸仮撚加工を施すことなくそのまま編織物に供する場合に顕著である。
【0019】
b.変動係数(CoefficientofVariation)は、後述するように繊度変動測定に付属して設置される繊度変動の周期解析により測定することによって求められる。
図5は、図3に対応する、また図6には図4に対応する繊度変動周期解析図を例示する。
この解析図において、横軸には周期長を、縦軸には頻度(変動係数)を示す。 この繊度変動周期解析において、前配向糸パッケージの一方の耳部から他方の耳部までの糸長に対応する周期長に着目する。
この糸長は、前配向糸パッケージを形成する際のトラバース幅によって異なるが、通常は約0.5〜10mである。
耳部の繊度変動に起因するシグナルは、図6に示すようにこの周期長において変動係数に特異なピークとして認識される。
本発明では、この変動係数が0.4%以下であることが必要である。変動係数が0.4%を超えると、耳部に起因する繊度変動が布帛の品位欠点として顕在化する。変動係数は小さいほど好ましいが、0.2%以下であれば布帛の品位は極めて良好となる。
【0020】
6)結晶化発熱量
本発明においては、PTT前配向糸パッケージに巻かれる該前配向糸の、示差走査熱量測定(DSC)による結晶化発熱量が10J/g以下であることが好ましい。
示差走査熱量測定(DSC)による結晶化発熱量は、パッケージに巻かれた該前配向糸を後述する方法により測定して得られる値である。
この結晶化発熱量は、前配向糸が結晶化する際に発熱する熱量であり、結晶化度の尺度といえる。結晶化発熱量が小さいほど前配向糸が結晶化していることを意味する。
PTT前配向糸で、殆ど結晶化が進んでいない場合には、この結晶化発熱量が約10J/gを超える。一方、結晶化が十分にすすむと、もはやこの測定法では結晶化発熱量を測定できなくなる。
前配向糸の利点の一つは、延伸仮撚加工を必要とせず、そのまま編織物に供給して良好な品位の編織物を得ることが可能である点である。
利点の他の一つは、前配向糸を延伸仮撚加工に供給する場合に、約40℃以上の高温雰囲気に長期間に亘り保持された場合にも、前配向糸の自己結晶化の進行が抑制される点である。
本発明では、この結晶化発熱量が10J/g以下であれば、前配向糸の高温での自己結晶化の進行が抑制される。結晶化発熱量は、より小さいことが好ましい。好ましくは5J/g以下であり、更に好ましくは2J/g以下である。
【0021】
7)結晶配向度
本発明のPTT前配向糸パッケージに巻かれる該前配向糸は、結晶配向度が80〜95%であることが好ましい。
結晶配向度は、後述する広角X線回折法によって測定される、結晶の配向度の尺度である。
前配向糸が結晶化していなければ、広角X線回折測定において結晶由来の回折が得られないので、配向度を測定することができない。
本発明のPTT前配向糸は、前記のように結晶化度が高いので、広角X線回折測定が可能である。結晶配向度が80%未満であると、PTT前配向糸の破断強度が約2cN/dtex以下となり、延伸することなくそのまま編織物に供すると得られる布帛の強度が小さくなり、使用する用途によって不都合が生じることがある。結晶配向度は、PTT前配向糸では95%が最高である。結晶配向度は、高いほど強度が高く好ましい。好ましい結晶配向度は、85〜95%である。
【0022】
8)複屈折率
本発明の前配向糸パッケージに積層される前配向糸は、複屈折率が0.03〜0.07であることが好ましい。
複屈折率が0.03未満では、結晶配向度が80%未満となり本発明の目的が達成されない。複屈折率が0.07を超える場合には、パッケージの耳部と中央部に積層される糸の乾熱収縮応力値の差が拡大し、本発明の目的が達成されない。好ましい複屈折率は、0.04〜0.06である。
【0023】
9)繊度
本発明のPTT前配向糸の繊度や単糸繊度は、特に限定されないが、繊度は20〜300dtex、単糸繊度は0.5〜20dtexが使用される。
PTT前改向糸には平滑性や収束性、制電性を付与する目的で、仕上げ剤を0.2〜2重量%付与していることが好ましい。
更に、解じょ性や仮撚加工時の集束性を向上させる目的で、50ヶ/m以下の単糸交絡を付与していてもよい。
【0024】
以下、本発明の第2〜第4の発明であるPTT前配向糸パッケージの製造法について、図7を参照して詳述する。
図7において、乾燥機1で30ppm以下の水分率までに乾燥されたPTTペレットを255〜270℃の温度に設定された押出機2に供給して溶融する。
溶融PTTは、その後ベンド3を経て250〜270℃に設定されたスピンヘッド4に送液され、ギヤポンプで計量される。その後、スピンパック5に装着された複数の孔を有する紡糸口金6を経て、マルチフィラメント糸7として紡糸チャンバー内に押し出される。
押出機及びスピンヘッドの温度は、PTTペレットの極限粘度や形状によって250〜270℃から最適な条件が選ばれる。紡糸チャンバー内に押し出されたPTTマルチフィラメントは、冷却風8によって室温まで冷却固化され、仕上げ剤が付与された後、所定の速度で回転する引取ゴデットロール兼加熱ゴデットロール(以下単に加熱ゴデットロールと称す)10、11によって熱処理されて、所定繊度の前配向糸のパッケージ12として巻き取られる。
前配向糸12は、加熱ゴデットロール10に接する前に、仕上げ剤付与装置9によって仕上げ剤が付与される。前配向糸に付与する仕上げ剤は、例えば水系エマルジョンタイプが使用される。仕上げ剤の水系エマルジョンの濃度は、10重量%以上好ましくは15〜30重量%が採用される。
また、前配向糸は必要に応じて仕上げ剤付与装置9と引取ゴデットロール10との間及び/またはゴデットロール11と巻取の間で交絡付与装置により、交絡が付与されてもよい。
【0025】
(a)紡糸張力
本発明の前配向糸の製造においては、紡糸張力を0.20cN/dtex以下とすることが必要である。
紡糸張力は、図7の仕上げ剤付与装置9の下方10cmの位置で測定される張力(cN)を前配向糸のデシテックス(dtex)で除した値である。
紡糸張力が0.2cN/dtexを超えると、仕上げ剤付与装置との摩擦擦過により糸切れが生じ、安定した前配糸の製造が困難となる。
紡糸張力は、小さいほど好ましいが、0.17cN/dtexであれば工業的に連続した紡糸安定性が達成される。より好ましくは、0.15cN/dtex以下である。
紡糸張力の調整は、紡糸されたマルチフィラメント糸の収束方法によって行なわれる。
具体的には、紡糸速度や紡糸口金から収束するまでの距離及び、収束ガイドの種類によって設定され、仕上げ剤付与とマルチフィラメントの収束を兼ねて設定されることがより好ましい。
【0026】
(b)巻取条件
本発明の製造法においては、巻取に際して、パッケージの温度を30℃以下とすることが必要である。
パッケージ温度が30℃を超えると、繊度変動値U%をいかに小さくしても繊度変動周期の変動係数が0.4%を超え、本発明の目的が達成されない。
パッケージの温度は、巻取の開始から巻取の終了まで30℃以下を維持して巻取を実施することが好ましい。
パッケージの温度を30℃以下とする手段としては、巻取機の回転駆動体であり発熱源でもあるモーターからボビン軸への伝熱及び輻射熱を遮断することが好ましい。巻取中のパッケージまたはその周辺を30℃以下に調整された冷却風を吹き付けて冷却することによっても達成可能である。
巻取中のパッケージ温度は、低いほど好ましく、約25℃以下がより好ましい。温度を過度に低くすると、その温度を維持するために多大なエネルギーが必要となる。この意味から、より好ましいパッケージ温度は約20〜25℃である。
【0027】
(c)巻取速度
本発明の前配向糸の製造法においては、巻取速度が1900〜3500m/分であることが必要である。
巻取速度が1900m/分未満では、前配向糸の配向度が小さく、繊度変動値U%及び繊度変動係数を本発明の範囲とすることが困難となる。
また、1900m/分未満の巻取条件で熱処理を施す場合にも、熱処理温度を70℃以上にしようと熱処理時の張力が0.02cN/dtex以下となり、繊度変動が大きくなることや、糸切れや毛羽が発生しやすくなる。
巻取速度が3500m/分を超えると、紡糸張力が0.20cN/dtexを越え、パッケージの耳部と中央部の乾熱収縮応力値差が0.01cN/dtexを超えることとなり、本発明の目的が達成されない。
好ましい巻取速度は、2500〜3200m/分、より好ましくは2700〜3200m/分である。
【0028】
(d)熱処理条件
本発明の製造法においては、前配向糸の巻取において熱処理温度を70〜120℃で、且つ熱処理張力を0.02〜0.1cN/dtexとすることが好ましい。
熱処理は、前配向糸を加熱ゴデットロールに2〜10回周回することにより加熱して行われる。従って、前配向糸の熱処理温度は、ゴデットロールの温度とほぼ等しい。
熱処理温度を70℃以上とすることにより、得られる前配向糸の結晶化発熱量が10J
/g以下となり、本発明の目的がより効果的に達成される。
熱処理温度が120℃を超えると、低結晶化度の前配向糸が急激に高温に接するためにゴデットロール上で激しく糸揺れが起こり、毛羽の発生や糸切れが生じ易くなり好ましくない。また、得られる前配向糸の繊度変動値U%も1.5%を超え、好ましくない。好ましい熱処理温度は、80〜110℃、より好ましくは90〜110℃である。
【0029】
図8に本発明の前配向糸パッケージの製造法で用いられる巻取速度と熱処理温度の範囲及び好ましい範囲を示す。図8において、領域Aが本発明の好ましい範囲であり、領域Bがより好ましい範囲である。
本発明の前配向糸の製造法では、上記熱処理温度に加えて、熱処理時の張力を0.02〜0.10cN/dtexとすることが好ましい。熱処理時の張力は、加熱ゴデットロール上もしくは加熱ゴデットロールから離れる直後の位置で測定される前配向糸に掛かる張力である。この張力の調整は、加熱ゴデットロール温度と加熱ゴデットロールの前後に設ける引取ロールや偏向ロールの速度比により行われる。
熱処理時の張力が0.02cN/dtex未満では、ゴデットロール上の糸揺れが大きくなり、前配向糸の走行が不安定となる。0.10cN/dtexを超えると、巻取中にパッケージの巻締りがまま発生し易くなるなど問題が生じる。熱処理時の好ましい張力は、0.03〜0.07cN/dtexである。加熱ゴデットロールの数は特に限定されないが、通常1〜2対の加熱ゴデットロールが採用される。ゴデットロールが2対である場合は、両方もしくはいずれか一方が加熱ゴデットロールであることが好ましい。熱処理時間は特に限定されないが、約0.01〜0.1秒間が採用される。
【0030】
(e)保管温度
本発明の前配向糸において、巻取時の熱処理を施すことなく巻き取った前配向糸パッケージを延伸仮撚加工するに際しては、巻取中から保管及び仮撚までの全ての工程において前配向糸パッケージの温度を30℃以下に維持して、延伸仮撚または仮撚加工することが好ましい。
保管及び仮撚までの間に、前配向糸パッケージの温度が30℃を超えるとパッケージの耳高が増加し、加工糸の品位が低下することがある。
保管時における好ましい保持温度は、25℃以下である。30℃以下に維持する手段としては、温度調節機を設けた倉庫や部屋に保管することが好ましい。
【0031】
本発明の前配向糸パッケージを使用して得られる布帛は、周期的な染め変動欠点のない良好な品位と、ソフトな風合いを呈する編織物が得られる。
本発明の前配向糸パッケージは、原糸を延伸することなくそのまま編織物に用いてもよいし、また、撚糸や仮撚加工および流体噴射加工(タスラン加工)を施して使用してもよい。
編織物には、全て本発明の前配向糸パッケージを使用してもよく、または他の繊維と混合して一部に使用してもよい。
混繊複合する他の繊維としては、ポリエステル、セルロース、ナイロン6、ナイロン66、アセテート、アクリル、ポリウレタン弾性繊維、ウール、絹等の長繊維及び短繊維などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のPTT前配向糸パッケージの前配向糸と他の繊維とを混繊複合した編織物とするには、混繊複合糸は、他の繊維をインターレース混繊、インターレース混繊後延伸仮撚、どちらか一方のみ仮撚しその後インターレース混繊、両方別々に仮撚後インターレース混繊、どちらか一方をタスラン加工後インターレース混繊、インターレース混繊後タスラン加工、タスラン混繊、等の種々の混繊方法によって製造することができる。
かかる方法によって得た混繊複合糸には、交絡が10個/m以上付与されていることが好ましい。
【0032】
本発明の前配向糸パッケージの仮撚加工としては、一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー仮撚タイプ等の加工方法が採用される。
仮撚ヒーターは、1ヒーター仮撚、2ヒーター仮撚のいずれであってもよいが、高いストレッチ性を得るためには1ヒーター仮撚の方が好ましい。仮撚加工は、延伸仮撚もしくは非延伸仮撚のいずれであってもよい。
仮撚ヒーター温度は、第1ヒーターの出口直後の糸温度が130〜200℃、好ましくは150〜180℃、特に好ましくは160〜180℃になるようにヒーター温度を設定することが好ましい。
1ヒーター仮撚によって得られる仮撚加工糸の伸縮伸長率は100〜300%、伸縮弾性率は80%以上であることが好ましい。
また、必要に応じて第2ヒーターで熱セットして、2ヒーター仮撚加工糸としてもよい。第2ヒーターの温度は、100〜210℃、好ましくは第1ヒーター出口直後の糸温度に対して−30℃〜+50℃の範囲とするのが好ましい。第2ヒーター内のオーバーフィード率(第2オーバーフィード率)は+3%〜+30%とするのが好ましい。
【実施例】
【0033】
本発明の実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
なお、実施例における物性の測定方法及び測定条件を説明する。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次式の定義に基づいて求められる値である。
定義中のηrは、純度98%以上の0−クロロフェノールで溶解したPTTポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶液の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されている。Cはg/100mlで現されるポリマー濃度である。
(2)破断伸度
JIS−L−1013に基づいて測定した。
(3)結晶化発熱量
結晶化発熱量は、示差走査熱量測定(DSC)によって求めた。
測定は、島津製作所(株)製島津熱流束示差走査熱量計DSC−50測定器を用いて行った。
測定する前配向糸5mgを精秤し、昇温速度5℃/分で25℃から100℃の範囲で示差走査熱量測定(DSC)を行った。
結晶化発熱量は、示差走査熱量測定(DSC)チャートにおいて40℃〜80℃の領域に発現する発熱ピークの面積を示差走査熱量測定器付属のプログラムにより算出した。
【0034】
(4)結晶配向度
X線回折装置を用い、試料の厚みを約0.5mmとして以下の条件で回折角2θが7度から35度までの回折強度曲線を描いた。
測定条件は、30KV、80A、スキャンニング速度1度/分、チャート速度10mm/分、タイムコンスタント1秒、レシービングスリット0.3mmとした。
2θ=16度及び22度に描かれる反射を各々(010)、(110)とする。更に、(010)面を−180度〜+180度方位角方向に回折強度曲線を描く。±180度で得られる回折強度曲線の平均値をとり、水平線を引きベースラインとする。ピークの頂点からベースラインに垂線をおろし、その高さの中点を求める。中点を通る水平線を引き、これと回折強度曲線との2つの交点間の距離を測定し、この値を角度に換算した値を配向角Hとする。
結晶配向度は、次式で与えられる。
結晶配向度(%)=(180−H)×100/180
【0035】
(5)乾熱収縮応力値
熱応力測定装置としては、カネボウエンジニアリング社製商品名KE−2)を用いて測定する。
延伸糸を20cmの長さに切り取り、これの両端を結んで輪を作り測定器に装填する。初荷重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で測定し、熱収縮応力の温度変化をチャートに書かせる。
熱収縮応力チャートは、約60〜90℃にピークを有する山型の曲線を描くが、このピーク値を乾熱収縮応力値とする。
この測定操作を、前配向糸パッケージの耳部に積層される糸と、中央部に測定される糸について各々5回づつ測定し、その平均値の差をもって乾熱収縮応力値差とした。
(6)複屈折率
繊維便覧−原料編(第5刷、969頁、1978年丸善株式会社発行)に準じ、光学顕微鏡とコンペンセーターを用いて、繊維の表面に観察される偏光のリターデーションから求めた。
【0036】
(7)繊度変動
以下の方法で繊度変動値チャート(DiagramMass)を求めると同時にU%を測定する。
【0037】
(8)仮撚加工糸の伸縮伸長率及び伸縮弾性率
JIS−L−1090伸縮性試験方法(A)法に準じて測定した。
(9)パッケージの直径差
図2にしたがって、耳部の直径aと中央部の直径bを測定し、以下の式により求めた。
直径差(mm)=a−b
(10)熱処理張力
熱処理張力の測定は、張力計としてROTHSCHILD Min TensR−046を用い、熱処理時に加熱ゴデットロール出(図6では、加熱ゴデットロール10と偏向ロール11の間で測定)の位置を走行する繊維に掛かる張力T1(cN)を測定し、この値を延伸後の糸の繊度D(dtex)で除して求めた(下記式参照)。
熱処理張力(cN/dtex)=T1/D
【0038】
(11)パッケージ温度
非接触温度計により、巻取中のパッケージ温度を測定した。
測定器: 日本電子(JEOL)(株)製
サーモビュア(THERMOVIEWER)JTG−6200型
(12)紡糸安定性
1錘当たり8エンドの紡口を装着した溶融紡糸−連続延伸機を用いて、実施例毎に2日間の溶融紡糸−連続延伸を行った。
この期間中の糸切れの発生回数と、得られた延伸糸パッケージに存在する毛羽の発生頻度(毛羽発生パッケージの数の比率)から、以下のように判定した。
◎ 糸切れ0回、毛羽発生パッケージ比率5%以下
○ 糸切れ2回以内、毛羽発生パッケージ比率10%未満
× 糸切れ3回以上、毛羽発生パッケージ比率10%以上
【0039】
(13)前配向糸及び加工糸品位の評価
(i)仮撚加工糸評価試料の調製
前配向糸を下記条件で仮撚加工を行なった。
(ii)染め斑評価(染め級)
前配向糸又は仮撚加工糸を一口編み機で編成して筒編み地を得る。
この筒編み地を以下の条件で染色した後、熟練者3名が自家製の標準限度見本に合わせて10段階で官能評価する(数字が大きいほど良好である。)。
品位の評価
染め品位を3名の熟練者により染め級評価に基いて判定した。
◎:非常に良好(8〜10級)
○:良好(6〜7級)
×:染め筋があり不良(5級以下)
【0040】
(実施例1〜5)
実施例1〜5は、前配向糸の熱処理条件が前配向糸パッケージ形状及び物性に及ぼす影響を示す例である。
酸化チタンを0.4重量%含む極限粘度0.91dl/gのPTTペレットを図7で示す紡糸機及び巻取機を用いて、101dtex/36フィラメントPTT前配向糸パッケージを下記に紡糸条件により調製した。
なお、前配向糸は巻取にあたり、図7に示す2対のゴデットロールを使用して、1段目の加熱ゴデットロール(図7、図10参照)温度を表1に示す温度で加熱した。熱処理張力は、2段目の非加熱ゴデットロール(図7、図11参照)の周速度を調整して設定した。
【0041】
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜5においては紡糸性も良好で、前配向糸パッケージを使用して得られた仮撚加工糸及び筒編地は、全て染色後に良好な染め品位を示すものであった。
なお、PTT前配向糸パッケージを織物の緯糸として使用して得られた織物についても染色後良好な品位を示すものであった。品位を評価した。
【0042】
【表1】
【0043】
(実施例6〜11、比較例1〜2)
実施例6〜11は、PTT前配向糸を製造するに際し、巻取条件において熱処理温度と巻取速度の効果を示す例である。
紡糸条件は実施例1〜5と同様の紡糸条件を適用して、PTT前配向糸を調製した。熱処理については、張力を0.03cN/dtexとし、表2に示す熱処理温度及び巻取速度により、実施例1〜5と同様の巻形状のPTT前配向糸パッケージを得た。
本実施例及び比較例において、パッケージの温度は25℃とした。
得られたPTT前配向糸パッケージを35℃で30日間保持した後、延伸仮撚加工した。得られた加工糸の物性は以下の通りであった。加工糸の染め品位を表2に示す。
仮撚加工糸物性:
繊度 84.5デシテックス
破断強度 3.3cN/dtex
破断伸度 42%
伸縮伸長率 192%
伸縮弾性率 88%
表2に示されるように、本発明のPTT前配向糸パッケージから得られる仮撚加工糸は、染め斑がなく良好な品位と優れた捲縮性を有していた。
【0044】
【表2】
【0045】
(実施例12〜14,比較例3)
実施例12〜14は、巻取時のパッケージ温度の効果を例である。
巻取に際して前配向糸パッケージの実施例12〜14の前配向糸パッケージを得た。前配向糸パッケージの冷却条件を異ならせて、第3表に示すパッケージ温度で巻取を行った。
表3に得られたPTT前配向糸パッケージの巻形状及び前配向糸の性質を示す。
表3から明らかなように、本発明の温度範囲で巻き取った前配向糸パッケージは、良好な巻フォームを有し、この前配向糸パッケージを用いて得られた前配向糸による筒編み地の品位は良好なものであった。なお、配向糸パッケージの解糸を緯糸として使用して得られた織物品位は染色後も良好なものであった。
【表3】
【0046】
(実施例15〜17,比較例4)
実施例15〜17は、紡糸張力の効果について示す例である。
紡糸時の仕上げ剤付与ノズルの紡糸口金からの距離を表4に示すように変化させる以外は、実施例2の紡糸条件を用いて、前配向糸パッケージを得た。紡糸性を表4に示す。
表4から明らかなように、紡糸張力が本発明の範囲であれば良好な紡糸性が得られた。
【表4】
【0047】
(実施例18〜22,比較例5)
実施例18〜22は、前配向糸を巻取時に熱処理しない場合に、巻取速度が仮撚加工性に及ぼす効果について示す例である。
酸化チタンを0.4重量%含む極限粘度0.91dl/gのPTTペレットを図7で示される紡糸機及び巻取機を用いて、下記の紡糸条件下に巻取速度を変えて、101dtex/36フィラメントPTT前配向糸パッケージを調製した。
【0048】
前配向糸パッケージを延伸仮撚を施すまでの期間に亘って、温度20℃、相対湿度90%RHの条件が維持された環境下に5日間放置した後、延伸仮撚加工を行った。
仮撚加工時に前配向糸パッケージの形状及びパッケージから解じょして測定された繊度変動値と、仮撚加工性及び加工糸の染め品位判定結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
表5から明らかなように、本発明の実施例18〜22で得られた前配向糸パッケージは良好な延伸仮撚加工性と加工糸染め品位を有していた。実施例19で得られた前配向糸パッケージを用いて、延伸仮撚加工した仮撚加工糸の物性を以下に示す。
仮撚加工糸物性:
繊度 87.6デシテックス
破断強度 2.9CN/dtex
破断伸度 47%
伸縮伸長率 143%
伸縮弾性率 92%
仮撚加工糸の捲縮性も良好なものであった。
【0050】
(実施例23〜25,比較例6)
実施例23〜25は、前配向糸を巻取る際のパッケージ温度が仮撚加工性に及ぼす効果について示す例である。
巻取に際し巻取時のパッケージ温度を表6のように変えた以外は、実施例19(巻取速度2500m/分)を適用して前配向糸パッケージを調製した。
仮撚加工時に前配向糸パッケージの形状及び、パッケージから解じょして測定された繊度変動値と、仮撚加工性及び加工糸の染め品位を表6に示す。
表6に示されるように、本発明に特定する温度であれば、良好な仮撚加工性と加工糸品位が得られた。
一方、比較例7に示す温度で巻取った前配向糸パッケージは、図2に示すような著しく耳高の巻フォームとなり、延伸仮撚加工性及び加工糸の染め品位も不良であった。
【表6】
【0051】
(実施例26〜34,比較例7〜9)
実施例26〜34では、前配向糸パッケージの仮撚加工までの維持温度と維持期間の効果について示す例である。
実施例19(巻取速度2500m/分)と同様の紡糸及び巻取条件を用いて、前配向糸パッケージを得た。得られた前配向糸パッケージを表7に示す維持条件で放置後、延伸仮撚加工を行った。
仮撚加工時に前配向糸パッケージの形状及び、パッケージから解じょして測定された繊度変動値と、仮撚加工性及び加工糸の染め品位を表7に示す。
表7から明らかなように、本発明の温度範囲で維持した後延伸仮撚加工した場合には、良好な仮撚加工性と加工糸染め品位を有していた。
【0052】
【表7】
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、衣料用に適したPTT前配向糸の改良されたパッケージ及びその製造方法を提供する。
本発明によるPTT前配向糸パッケージは、そのまま編織加工、もしくはPTT前配向糸の延伸仮撚加工に供することができ、ソフトな風合いを有し、周期的な染め変動欠点のない品位に優れたPTT繊維の衣料用布帛製品の提供を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1は、耳高のないパッケージの良好な形状を模式的に示す図である。
図2は、耳高のパッケージの形状を模式的に示す図である。
図3は、繊度変動値U%の測定チャートの一つの例を示す図である。
図4は、繊度変動値U%の測定チャートの他の例を示す図である。
図5は、繊度変動周期解析のチャートの更に他の一つの例を示す図である。
図6は、繊度変動周期解析のチャートの他の例を示す図である。
図7は、前配向糸パッケージを製造するプロセスを示す概略図である。
図8は、本発明の前配向糸パッケージの調製における熱処理温度と巻取速度の範囲を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1:ポリマーチップ乾燥機
2:押出機
3:ベント
4:スピンヘッド
5:スピンパック
6:紡糸口金
7:マルチフィラメント
8:冷却風
9:仕上げ剤付与装置
10:加熱ゴデットロール
11:ゴデットロール
12:前配向糸パッケージ
Claims (6)
- 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレート前配向糸が巻量2kg以上で積層され、以下に示す(1)〜(3)の条件を満足するポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージ。
(1)前配向糸パッケージの耳部と中央部の直径差が0〜5mm
(2)パッケージの耳部に積層される糸と中央部に積層される糸の乾熱収縮応力値の差が0.01cN/dtex以下
(3)パッケージから前配向糸を解じょして測定される繊度変動値U%が1.5%以下で、かつ繊度変動周期の変動係数が0.4%以下 - 前配向糸が、示差走査熱量測定(DSC)による結晶化発熱量が10J/g以下で、結晶配向度が80〜95%であることを特徴とする、請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージ。
- 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレートを溶融紡糸し、冷却風により冷却固化後に前配向糸として巻取るに際し、紡糸張力を0.20cN/dtex以下とし、かつ巻取中のパッケージ温度を30℃以下に冷却しつつ、巻取速度1900〜3500m/分で巻取ることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージの製造法。
- 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレートからなる糸を紡糸し、冷却固化した後延伸することなく巻取るに際し、以下の(a)〜(d)の要件を満足する条件で巻取ることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージの製造法。
(a)紡糸張力を0.20cN/dtex以下とすること
(b)熱処理温度を70〜120℃で、且つ熱処理張力を0.02〜0.10cN/dtexとすること
(c)巻取機に巻取る際に、パッケージの温度を30℃以下に保持とすること
(d)巻取速度を1900〜3500m/分でパッケージに巻取ること - 熱処理温度が80〜110℃で、パッケージ温度を30℃以下に保持し、且つ巻取速度が2500〜3200m/分で巻取ることを特徴とする請求項4記載のポリトリメチレンテレフタレート前配向糸パッケージの製造法
- 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレートを溶融紡糸し、冷却風により冷却して固化した後前配向糸として巻取り、しかる後前配向糸を仮撚加工するに際し、前配向糸の巻取速度を1900〜3500m/分とし、かつ巻取中から保管及び仮撚に至るまでの全工程において前配向糸パッケージの温度を30℃以下に維持した後、延伸仮撚または仮撚加工することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート前配向糸の仮撚加工法。
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