JP3719071B2 - ガラスランの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に沿って取付けられるガラスランの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2に示すように、自動車ドアのドアフレーム1の内周にはこれに沿ってガラスラン3が取付けられている。図3(A)に示すようにガラスラン3は、断面ほぼコ字形の本体部30の相対向する側壁31a,31bからそれぞれ本体部30内方向にシールリップ32a,32bが伸出し、ドアガラス2が閉じられたときに、その外周部を両面から上記シールリップ32a,32bで挟む基本構造を有している。
【0003】
なお、ガラスラン3としては、図例のように車内側の側壁31aを車外側の側壁31bよりも厚く、かつ長く形成したものの他、これを取付ける車種によって、図例のガラスラン3とは異なる断面形状、例えば車内側と車内側とを対称に近い形状としたものもある。
【0004】
一方、ドアフレーム1の内周側には、ガラスラン3を嵌入する断面ほぼコ字形のガラスラン取付部10が形成してある。またドアフレーム1の車内側の側面13は、車内方向に張り出しており、その突出端が、ドア閉時に上記側面13を被覆するガーニッシュ4を介して、車体のドア開口縁に装着した図略のオープニングウエザストリップに圧接するようになっている。なお、図において、5はドアウエザストリップである。
【0005】
上記ガーニッシュ4はその端末41を、上記ガラスラン取付部10に嵌着されたガラスラン3の車内側の側壁31aの先端に密接せしめて端末処理をしている(特開平8−295134号)。
【0006】
この種の端末処理構造として、図3(A)に示すように、ドアフレーム1のガラスラン取付部10の車内側の開口端に、上記側壁31aの先端を受ける受け部14を形成する一方、ガラスラン3の上記側壁31aの先端には側壁31aの内側面寄りに凹溝33を形成し、この凹溝33にガーニッシュ4の起立端末縁41を嵌入する構造が一般にとられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の端末処理構造では、図3(B)に示すように、ガーニッシュ4の起立端末縁41を持ち上げて上記凹溝33に嵌入しようとする場合、ガラスラン3の車内側の側壁31a先端の内端突縁34が、ガーニッシュ4の上記起立端末縁41と上記受け部14との間にかみ込まれて所期の嵌入がなされないことがあり、端末処理がやりにくく、かつ手間を要する。
【0008】
また、ガラスラン3の取付けばらつきによって、側壁31aの先端が、これと対向する上記受け部14に当接せずに受け部14から浮いた状態で取付けられると、ガーニッシュ4の起立端末縁41がガラスラン3の先端の凹溝33に嵌入されていても、上記先端および起立端末縁41がともにぐらついて安定しないという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、ガラスランとドアフレームのガーニッシュとの間の端末処理を確実かつ作業性よく行なうこと、また端末処理部を安定にすることを課題としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、断面ほぼコ字形の本体部の両側壁からドアガラスの外周をその両面から挟むシールリップが伸出するガラスランを、自動車ドアのドアフレームの内周側に形成したガラスラン取付部に嵌入するとともに、ドアフレームの車室内側の側面を覆うガーニッシュの起立端末縁をガラスランの車内側の側壁の先端に密接せしめてなるガラスランの取付構造において、上記ガラスラン取付部の車内側の先端に、上記ガラスラン取付部内方向へ張り出す受け部を形成するとともに、上記リップ部よりも上記側壁の外側面寄りに上記側壁の先端から延出してガラスラン取付け時に上記受け部に圧接する他のリップを形成し、かつ上記リップと上記他のリップとの間に、上記リップの根元部と対向して該根元部との間に凹溝を形成する低い突出部を形成し、上記ガーニッシュの起立端末縁を上記リップに沿い上記凹溝に嵌入せしめることを特徴とする(請求項1)。
【0011】
本発明はまた、上記他のリップはこれを撓みやすく形成して上記受け部に撓み状態で圧接せしめる(請求項2)。
【0012】
本発明では、ガラスランの車内側の側壁の先端に、ガラスラン取付部の受け部よりも更に下方へ延出するリップ部を形成したから、ガーニッシュの端末縁を上記リップ部に沿わせて持ち上げれば、上記起立端末縁は確実に上記凹溝に嵌入される。また、ガラスランの車内側の側壁の先端に撓みやすい上記他のリップを形成することで、該他のリップが撓み状態で上記受け部に圧接し、ガラスランの車内側の側壁の先端が安定し、従ってこれと係合するガーニッシュの起立端末縁も安定する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施形態を示す。ガラスラン3は、ゴムまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーの押出成形体で、断面ほぼコ字形の本体部30と、本体部30の相対向する側壁31a,31bからそれぞれ本体部30内に向けて伸出するシールリップ32a,32bを備えている。車内側の側壁31aは車外側の側壁31bよりも長く、かつ厚肉で、特に先端側が厚く形成してある。シールリップ32aは車内側の側壁31aの中間部から伸出しており、車外側の側壁31bの先端から伸出するシールリップ32bと対向している。なお、シールリップ32aは、車内側の側壁31aの中間部に限らず他の位置、例えば下端部から伸出させてもよく、シールリップ32bと対向させなくてもよい。
【0014】
一方、ドアフレーム1は、その外周面を形成するパネル11と、パネル11とで断面ほぼコ字形のガラスラン取付部10を形成するパネル12と、ドアフレーム1の車内側の側面を形成するパネル13とで構成されている。ガラスラン取付部10は、ガラスラン1の本体部30と対応する断面形状としてある。上記側面13は、断面ほぼU字形で車内側へ張り出している。そして、上記側面13の下側の端縁は、ドアフレーム1の上記パネル12の下端を上記ガラスラン取付部10内側へL字状に折り曲げて形成した受け部14の下面に溶接してある。上記側面13は、これとほぼ同一断面形状の合成樹脂からなるガーニッシュ4により被覆してある。
【0015】
ガラスラン3は、その本体部30をドアフレーム1のガラスラン取付部10に嵌入することにより取付けられ、シールリップ32a,32bがドアガラス2の外周部をその両面から挟む。
【0016】
ガラスラン3の厚肉とした車内側の側壁31aの先端には、側壁31aの内側面沿いの位置から、ガラスラン取付け状態で、ドアフレーム1の開口端に形成した受け部14の前方をこれとは若干間隙をおいて覆い、更に受け部14よりも下方(外方)へ延出してガーニッシュ4の下面近くに至るリップ部(以下、第1のリップ部という)35が形成してある。リップ部35は厚さが先細りで、自然状態で先端部はやや上記受け部14側に湾曲している。
【0017】
また、上記車内側の側壁31aの先端には、側壁31aの外側面沿いの位置から下方へ延出する、上記第1のリップ部35とは別の他のリップ部(以下、第2のリップ部という)36が形成してある。第2のリップ部36は第1のリップ部35よりも短く、かつ薄肉で撓みやすくしてある。上記側壁31aの先端には、リップ部35,36の間に山型の低い突出部37が形成してあり、該突出部37とこれと対向する第1のリップ部35の根元部との間は凹溝38となっている。
【0018】
ガラスラン3を、その本体部30をドアフレーム1のガラスラン取付部10に嵌入して取付けたとき、ガラスラン3の車内側の側壁31aの先端面と、ガラスラン取付部10の車内側の開口端の上記受け部14との間には不可避的に隙間が発生する。この隙間幅は、ガラスラン3の側壁31aと、ガラスラン取付部10の車内側側面部との長さの差や、ガラスラン3の取付けばらつき等によりばらつく。しかしながら、上記隙間は第2のリップ部36が撓んで上記受け部14に圧接することで吸収されるとともに、ガラスラン3の上記側壁31aの先端は第2のリップ部36を介して上記受け部14で支えられる。
【0019】
上記ガーニッシュ4の端末部はこれを、図の矢印Cで示すように、ドアフレーム1の車内側の側面13の下面に沿って移動させ、起立端末縁41を上記第1のリップ部35に沿わせて上方へ持ち上げ、第1のリップ部35と受け部14の先端縁との間に第1のリップ部35を押し開くようにして嵌入し、更に起立端末縁41の上端を第1のリップ部35の根元内側の凹溝38に嵌入することにより係止される。
【0020】
この場合、第1のリップ部35は受け部14の先端縁よりも下方へ延出しているから、第1のリップ35は受け部14の先端縁と起立端末縁41との間にかみ込まれることはない。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスランの車内側の側壁の先端と、ドアフレームの車内側の側面を被覆するガーニッシュの端末縁との間の端末処理が作業性良好かつ正確になされ得る。また、ガラスランの車内側の側壁の先端に、ドアフレームのガラスラン取付部の開口端に弾接して該開口端に支持されるリップ部を形成することで、上記側壁の先端は安定に保持され、これに伴い該先端に係止されたガーニッシュの端末縁もぐらつきなく安定に保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のA−A線に沿う位置での本発明のガラスランの取付構造断面図である。
【図2】ガラスランが装着された自動車ドアの断面図である。
【図3】図3(A)は図2のA−A線に沿う位置での従来のガラスランの取付構造断面図、図3(B)は従来のガラスランの取付構造の不具合を示す図である。
【符号の説明】
1 ドアフレーム
10 ガラスラン取付部
14 受け部
2 ドアガラス
3 ガラスラン
30 本体部
31a 車内側の側壁
31b 車外側の側壁
32a,32b シールリップ
35 リップ部(第1のリップ部)
36 他のリップ部(第2のリップ部)
37 突出部
38 凹溝
4 ガーニッシュ
41 起立端末縁
Claims (2)
- 断面ほぼコ字形の本体部(30)の両側壁(31a,31b)からドアガラス(2)の外周をその両面から挟むシールリップ(32a,32b)が伸出するガラスラン(3)を、自動車ドアのドアフレーム(1)の内周側に形成したガラスラン取付部(10)に嵌入するとともに、ドアフレーム(1)の車室内側の側面(13)を覆うガーニッシュ(4)の起立端末縁(41)をガラスラン(3)の車内側の側壁(31a)の先端に密接せしめてなるガラスラン(3)の取付構造において、上記ガラスラン取付部(10)の車内側の先端に、上記ガラスラン取付部(10)内方向へ張り出す受け部(14)を形成し、ガラスランの車内側の側壁(31a)の先端に、該先端から上記受け部(14)よりも更に下方へ延出するリップ部(35)を形成するとともに、上記リップ部(35)よりも上記側壁(31a)の外側面寄りに上記側壁(31a)の先端から延出してガラスラン(3)取付け時に上記受け部(14)に圧接する他のリップ(36)を形成し、かつ上記リップ(35,36)の間に、上記リップ(35)の根元部と対向して該根元部との間に凹溝(38)を形成する低い突出部(37)を形成し、上記ガーニッシュ(4)の起立端末縁(41)を上記リップ(35)に沿い上記凹溝(38)に嵌入せしめることを特徴とするガラスランの取付構造。
- 上記他のリップ(36)は、これを撓みやすく形成して上記受け部(14)に撓み状態で圧接せしめる請求項1記載のガラスランの取付構造。
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