JP3712082B2 - 複合繊維からなる電池セパレータ用不織布 - Google Patents

複合繊維からなる電池セパレータ用不織布 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、アルカリ液を使用する電池のセパレ−タとして好適な不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ電池は充放電特性、過充電過放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるために小型軽量化の著しいエレクトロニクス機器に広く使用されている。このようなアルカリ電池の特性はアルカリ電池セパレ−タ用不織布の特性に大きく依存している。
【0003】
かかる不織布として、電解液に濡れ易く、その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で電気抵抗が低いポリアミド繊維不織布がアルカリ電池セパレ−タ用不織布として使用されている。また比較的高温における耐久性の必要なアルカリ電池にはポリオレフィン繊維不織布がアルカリ電池セパレ−タ用不織布として使用されている。
しかしながら、該ポリアミド繊維不織布を構成しているポリアミド繊維は脂肪族ポリアミド繊維であり、耐アルカリ性に優れ、親水性が高く電解液の保持性に優れてはいるものの、化学的安定性に欠け、電解液中で酸化され分解が生じる欠点がある。したがって、かかる脂肪族ポリアミド繊維からなる不織布をセパレ−タとして用いたアルカリ電池はセパレ−タの分解に起因して自己放電が大きくなったり、また高温で充放電が繰り返される2次電池ではサイクル寿命が短くなる問題があった。
【0004】
一方、ポリオレフィン繊維不織布からなる電池セパレ−タは耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れてはいるものの、疎水性であるために電解液に対して濡れにくく、その保液量が少ない欠点がある。
そのため、ポリオレフィン繊維不織布の電解保液性を改良する手段が各種提案されている。たとえば、ポリオレフィン繊維不織布に界面活性剤処理などを施す方法があるが、界面活性剤は電解液に対する耐劣化性に問題があり、またサイクル使用しているとある期間を過ぎたところで界面活性剤が遊離するために、電解液の吸液性や保液性を充分に改善するには至っていない。
【0005】
また、ポリアミド繊維とポリオレフィン繊維を組み合わせた電池セパレ−タも提案されている。たとえば、ポリアミドとポリオレフィンを混合紡糸した繊維を不織布化して電池セパレ−タとし、ポリアミドが劣化後もポリオレフィンが主体繊維として形態を維持するようにしたもの(特開昭52−3120号公報、特開昭55−25921号公報、特開昭55−66864号公報、特開平3−93154号公報参照)、ポリアミド繊維とポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維を混合して不織布化したものや、ポリアミドとポリプロピレンの混合・複合紡糸繊維とポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維を混合して不織布化したものようにポリアミドが劣化後も複合繊維が主体繊維として形態を維持するようにしたもの(特開昭50−154745号公報、特開昭59−101763号公報、特開昭59−196556号公報、特開昭59−201365号公報、特開昭59−201366号公報参照)が提案されている。
これらの電池セパレ−タ用不織布はポリアミド自身が劣化するので本質的な電池性能が低下する問題点があり、またポリアミドが劣化した後に形態を維持でき得る強度を保持する主体繊維が必要となり、アルカリ電池の小型化、すなわち電池セパレ−タの薄型化には対応できない問題をも有する。
【0006】
上記のような問題に対して、芳香族ポリアミド繊維を用いてなる織布、不織布を電池セパレ−タに使用すること(特開昭53−58636号公報、特開平5−283054号公報参照)、芳香族ポリアミド繊維からなる不織布とナイロン6、ナイロン66からなる不織布とを張り合わせたものを電池セパレ−タに使用すること(特開昭58−147956号公報参照)が提案されている。
【0007】
しかしながら、芳香族ポリアミド繊維を用いてなる不織布は親水性に優れ、電解液の保液性にも優れてはいるが、耐アルカリ性、耐酸化劣化性が不十分なものがあり、また熱溶融性でないので不織布化のための接着剤を別に必要とする場合があり、該接着剤の耐電解液性の問題、接着剤としてバインダ−繊維を用いた場合の接着性の問題、混綿斑の問題が生じる。
さらにナイロン6繊維、ナイロン66繊維からなる不織布を結合材として用いた場合には該ナイロン6繊維、ナイロン66繊維が劣化し電池セパレ−タの性能が不十分となる問題がある。またポリアミド繊維として全芳香族ポリアミド繊維を用いることも考えられるが、高価であること、高温下での耐アルカリ性、耐酸化劣化性に問題があり実用化されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような現状により、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、親水性、電解液の保液性に優れ、かつアルカリ電池の小型化にも追従できるような薄型化可能な電池セパレ−タ用不織布の開発、ひいては該不織布をなす繊維の開発が熱望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者などは上記目的を達成させるために鋭意検討の結果、芳香族ジカルボン酸および脂肪族アルキレンジアミンを含む半芳香族ポリアミドを一成分とする複合繊維を用いてなる不織布がアルカリ電池セパレ−タとして極めて優れた諸物性を有することを見出だし、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明はジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミドと、該ポリアミドと非相溶性の熱可塑性ポリマ−からなる複合繊維を含む不織布をアルカリ電池セパレ−タ用不織布として提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の複合繊維を構成するポリアミドは、ジカルボン酸成分とジアミン成分とからなり、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであることに特徴を有する。
【0012】
芳香族ジカルボン酸としては電池用セパレ−タの耐アルカリ性、耐酸化劣化性の点でテレフタル酸が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することもできる。かかる芳香族ジカルボン酸の含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上、とくに90モル%以上であることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸が60モル%未満の場合、電池セパレ−タに使用した場合の耐アルカリ性、耐酸化劣化性が低下する。
【0013】
上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類以上を用いることができる。
なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐酸化劣化性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
さらにトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を、繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させることもできる。
【0014】
また、ジアミン成分の60モル%以上は炭素数が6〜12の脂肪族アルキレンジアミンで構成され、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンを挙げることができる。
なかでも耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性等の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。
この脂肪族アルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、とくに90モル%以上であることが、電解液保液性の点で好ましい。
【0015】
上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジアミンとしてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル等の芳香族ジアミン、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、これらは1種類のみならず2種類以上を用いることができる。
【0016】
脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=40:60〜99:1、とくに前者:後者=70:30〜95:5であることが好ましい。
【0017】
また、上述のポリアミドにおける脂肪族アルキレンジアミンとは側鎖を有していてもよいが、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、紡糸性等の点で、側鎖を有する脂肪族アルキレンジアミンは脂肪族アルキレンジアミン中60モル%以下であることが好ましい。
【0018】
上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸中30℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであることが好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜1.6dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内のポリアミドは、繊維化および不織布化する際の溶融粘度特性が良好であり、さらに得られるセパレ−タの強度、耐アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。
【0019】
さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端を封止することにより、得られるセパレ−タの強度、耐アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であればとくに制限はないが、反応性および封止末端の安定性等の点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取扱性の容易さ、反応性、封止末端の安定性、価格等の点でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げることができる。なお、末端の封止率は1 H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めることができる。
【0020】
本発明に係わるポリアミドの製造方法はとくに制限されず、結晶性ポリアミドを製造する方法として公知の任意の方法を用いることができる。たとえば、酸クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアルキルエステルとジアミンとを原料とする溶融重合法、固相重合法等の方法により製造できる。
【0021】
一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジアミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度において極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリマ−とし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合を行うことにより、容易に製造することができる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化のないポリアミドが得られるので好ましい。
【0022】
重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性等の点で好ましい。
また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤等を重縮合反応時、またはその後に添加することができる。とくに熱安定剤としてヒンダ−ドフェノ−ル等の有機系安定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0023】
本発明の複合繊維を構成する他方成分である、上述のポリアミドに対し非相溶性の熱可塑性ポリマ−とはナイロン6,ナイロン66、ナイロン10等の脂肪族ポリアミド;ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマ−、それらの共重合体等のポリオレフィン;エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体;ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリシクロヘキサンテレフタレ−ト等のポリエステルなどを挙げることができる。
該熱可塑性ポリマ−として脂肪族ポリアミドを用いる場合には、電池セパレ−タとしての保液性に優れるので電解液の保液性をさらに高めることができる。また、上述のポリアミドより融点が低いので熱融着性成分としての働きをもする。
該熱可塑性ポリマ−としてポリオレフィンを用いる場合には、電池セパレ−タとしての耐酸化劣化性に優れているうえ、該ポリオレフィンがポリアミドより融点が低いので熱融着性成分となってバインダ−の働きをし、強固な接着性を長期間維持することができる電池セパレ−タ用不織布が得られる。
【0024】
上記の熱可塑性ポリマ−の融点がポリアミドの融点よりも低い場合、とくに融点差が20℃以上の場合、該熱可塑性ポリマ−が熱接着性成分となり、該成分を含む複合繊維からなる不織布を作成する際、不織布の接着は熱圧着により容易に行うことができる。接着法は熱カレンダ−法、熱風エアスル−法、超音波接着法等、適宜選択して行うことができる。
【0025】
本発明の複合繊維において、複合形態は芯鞘型、海島型、貼合せ型、これらの組み合わせ、静止型混合器を用いた複合形態など適宜設定することができるが、熱可塑性ポリマ−がポリアミドより融点が低い場合には、該熱可塑性ポリマ−が熱融着性成分の働きをするので、かかる働きができ得る複合形態が好ましい。該熱可塑性ポリマ−が繊維表面を構成していない複合繊維であっても、該複合繊維を用いて不織布を作成する際の熱圧着時に、該複合繊維が潰れて繊維内部の該熱可塑性ポリマ−が繊維表面に滲出して接着成分となる複合形態であれば本発明の範囲に入るものである。
たとえば、芯鞘型複合繊維において、芯成分を該熱可塑性ポリマ−とし、多芯にして繊維表面付近に芯が配置するようにすると熱接着が容易に行われ好ましい。
【0026】
該複合繊維の繊度は各種用途によって適宜設定すればよく、とくに限定するものではないが、電池セパレ−タ用不織布素材として使用する場合には、電解液の保液性、正極および負極を構成する金属の析出防止、電極活物質の移動による短絡防止のために0.1〜5デニ−ルであることが好ましい。なお繊維断面は円形断面でも、異形断面でもよく、異形断面の場合は円形断面に換算した値を繊維径とする。また繊維長もとくに限定するものでもないが、不織布の形成方法によって適宜設定することができる。
たとえば、湿式法によって不織布を形成する場合は1〜30mmであることが好ましく、カ−ド法やエアレイ法等の乾式法によって不織布を形成する場合は10〜70mmであることが好ましい。
【0027】
本発明においては、上述の複合繊維を主体繊維として不織布を作成し、電池セパレ−タとして使用することができる。該複合繊維は電池セパレ−タの電解液の保液性に優れるように、不織布中50重量%以上であることが好ましく、とくに70重量%以上であることが好ましい。
【0028】
なお、上述の複合繊維以外の繊維としてはナイロン6、ナイロン66等の汎用の脂肪族ポリアミド;エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン系樹脂単独またはこれら2種類からなる複合形態の繊維;天然セルロ−ス繊維をマ−セル化したセルロ−ス系繊維;マ−セル化されたパルプなどを挙げることができる。
【0029】
本発明に係わる不織布は任意の製造方法で得ることができる。
まず繊維ウエッブ(不織布の絡合または結合前のもの)を形成して、繊維ウエッブ内の複合繊維を接着または絡合させることにより不織布化する、一般的な手段で製造することができる。得られた不織布はそのまま使用してもよいし、複数枚の積層体として使用してもよい。
この際、該複合繊維をフィブリル化して不織布となしてもよく、不織布化した後該不織布をフィブリル化することもできる。複合繊維をフィブリル繊維となすことにより毛細管現象で電池セパレ−タとしての保液性が著しく向上する上、フィブリル繊維が互いに絡み合って電池セパレ−タ(不織布)の強度をも著しく向上させることができる。
【0030】
フィブリル化は水流、気流によって繊維をフィブリルする方法、摩擦により繊維をしごいてフィブリル化する方法、叩解機を用いる方法、溶媒により熱可塑性ポリマ−を抽出除去する方法等を挙げることができる。このうち、水流、気流によりフィブリル化する方法は不織布化した後にも行うことができ、同時に繊維の絡合もできるので不織布の強度が高くなり好ましい方法である。
【0031】
繊維ウエッブの形成方法としては、たとえばカ−ド法やエアレイ法等の乾式法、抄紙法等の湿式法、スパンボンド法、メルトブロ−法などがあり、これらの中でも湿式法やメルトブロ−法によって得られる繊維ウエッブは緻密で、均一な表面状態を有し、電池用セパレ−タとして使用すると、金属の析出や電極活物質の移動を防止できるため、好適な繊維ウエッブの形成方法である。また、上記各々の方法により形成された繊維ウエッブを組み合わせて積層して使用することもできる。
【0032】
具体的に各方法を説明する。
乾式法による繊維ウエッブの形成はロ−ラカ−ド、ランダムカ−ド、ウエッバ−等を用いて繊維ウエッブを製造することができ、該ウエッブは繊維の方向性によりパラレルウエッブ、クロスウエッブ、クリスクロスウエッブ、セミランダムウエッブ、ランダムウエッブに種別されるが、本発明に係わる複合繊維において、それ自身が熱接着性を有する場合はバインダ−繊維を必要とせず、したがって混綿時のムラ等の心配はない。
【0033】
このような繊維ウエッブから不織布を形成する方法としては、たとえば、繊維ウエッブを水流やニ−ドル等の作用によって絡合させる方法、バインダ−によって接着させる方法、縫糸でウエブを縦網状に縫合する方法等があり、これらの方法は単独で、あるいは組み合わせることができる。なかでも水流やニ−ドル等の作用によって絡合させる方法では、絡合中に複合繊維をフィブリル化することができるので好ましい。
【0034】
湿式法による繊維ウエッブの形成は抄紙法が一般的であるが、かかる方法は生産速度が他の方法に比べて速く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。すなわち、繊維の形態もステ−プル状、パルプ状等と選択の幅が広く、使用繊維径も極細繊維から太い繊維まで使用可能であるといった極めて応用範囲が広く、地合の良好なウエッブが得られる。
該方法は、まず、溶融紡糸して得られた繊維をカットして水中に分散して緩やかに撹拌のもと均一な抄紙スラリ−とし、この抄紙用スラリ−を丸網、長網、傾斜式等のワイヤ−の少なくとも1つを有する抄紙機を用いて抄紙する方法である。またこのようにして得られた湿紙あるいは乾燥後の紙を単独、または積層したシ−トに水流を当て絡合させてもよい。
カットされた繊維はビ−タ−あるいはリファイナ−等で叩解処理が施された後に抄紙スラリ−と為してもよく、抄紙の際に粘剤、分酸剤等を添加してもよい。この場合、繊維がフィブリル化された後に抄紙されることになり、電池セパレ−タ用不織布として好適である。
【0035】
上述の複合繊維100%の実質的に接着剤や他の繊維を含まない不織布を形成する場合には、溶融紡糸しながら周囲から高温気流を噴出して繊維をフィブリルし、これを捕集面上に集積するメルトブロ−法が好適である。また、紡出された繊維を冷却しながら細化−延伸−ウエッブ形成工程が直結したスパンボンド法も使用でき、延伸方法はエアジェットによってもロ−ラによってもよく、開繊は摩擦帯電法、強制帯電法、衝突拡散法、気流拡散法などによって行うことができる。
【0036】
このような方法によって形成された不織布の表面は、表面平滑性の改善、不織布の厚さ調整、強度、高密度化の発現等のために、不織布表面全体または部分的に熱カレンダ−加工を行うことが好ましい。
【0037】
メルトブロ−法では、上述の複合繊維を構成するポリアミドと熱可塑性ポリマ−とを押出機のダイから集積スクリ−ン上に高速度気流で吹き飛ばし交絡することによってウエッブを形成することができ、ウエッブは捕集された時点で、熱可塑性ポリマ−として熱接着性成分となるポリオレフィンを使用する場合には接着が施されているが、さらにウエッブ強度と表面平滑性をもたらすためにカレンダ−加工を施すことが好ましい。
【0038】
上述した以外に、スプリットフィルム法や発泡フィルム法とのバ−スとファイバ−法で不織布を形成することも可能である。
【0039】
本発明の複合繊維は各種の用途に適用可能であるが、電池セパレ−タ用不織布として使用できる。この電池は開放型でも密閉型でもよく、形状も円筒形、偏平形、角形でもよい。より具体的にはアルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、鉛蓄電池、空気電池などの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、リチウムイオン二次電池などの二次電池のセパレ−タ用不織布として好適に使用できる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳述するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定した値である。
(1)不織布の坪量(g/m2
JIS P 8124に準じて、不織布を10cm角に裁断し、その重量Wを電子天秤(メトラ−社製、AE160型)で測定し、W/0.01により算出した。
(2)不織布の強力・裂断長(km)
JIS P 8113に準じて、不織布を15mm×250mmに裁断した試験片を用いて強力(kg/15mm)を測定し、裂断長を算出した。
(3)透気度(cc/m2 /sec)
JIS L 1096に準じて、不織布を20cm角に裁断して試験片とし、フラジ−ル型試験機を用いて試験片を通過する空気量を求めた。
【0041】
(4)耐アルカリ性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃、10%の水酸化ナトリウム水溶液中に60時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(kg/15mm)を測定し、その強度保持率で表した。
(5)耐酸化劣化性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を5%KMnO4 と30%水酸化カリウムの混合溶液(前者/後者=250/50cc、50℃)に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(kg/15mm)を測定し、その強度保持率で表した。
(6)電解液保液性
不織布を5cm角に切断した試験片を20℃、30%の水酸化カリウム溶液に30分間浸漬処理し、30秒間空気中で自然落下による液切りを行った。処理前の試験片の重量をW0 、処理後の試験片の重量をW1 とし、その重量比(W1 /W0 )を総合吸液量(g/g)として算出した。
(7)耐酸性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃、10%の硫酸水溶液中に100時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(kg/15mm)を測定し、その強度保持率で表した。
【0042】
参考例1〜7
表1に示す量のテレフタル酸、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、安息香酸、次亜リン酸ナトリウム−水和物(原料に対して0.1重量%)および蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオ−トクレ−ブに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間撹拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オ−トクレ−ブは22kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2 に保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2 まで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマ−を得た。このプレポリマ−を100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。
粉砕物を230℃、0.1mmHg下にて10時間固相重合することによりポリマ−を得た。得られたポリマ−の極限粘度を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003712082
【0044】
実施例1〜7
参考例1〜7で得られたポリアミドとポリプロピレン(宇部興産社製:UBEポリプロ)を2台の押出機を用いて表2に示す紡糸温度、吐出量比ポリアミド:ポリプロピレン=1:1(重量比)で紡糸し、0.3mmΦ×200ホ−ルの複合ノズルより吐出し、サイドバイサイド型の複合繊維を得た。
ついで、1浴が85℃、2浴が95℃の水浴を用いて一段延伸・一段収縮処理を行い、約300デニ−ル/100フィラメントのトウを得た。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。
得られたトウを捲縮数10個/インチに捲縮を施し、51mmの長さに切断して綿状とした。この綿をロ−ラカ−ドを用いてウエッブ状とし、ロ−ル温度150℃圧着部面積15%に設定したエンボスカレンダ−装置でエンボス加工処理を行って繊維の一部を接着させた不織布を得た。これらの不織布から電池セパレ−タを作成し、これらのセパレ−タ(不織布)の評価を行った。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003712082
【0046】
実施例8〜14
参考例1〜7で得られたポリアミドとポリプロピレン(宇部興産社製:UBEポリプロ)を7:3の重量比率で混合し押出機を用いて溶融混練して、表3に示す紡糸温度、0.3mmΦ×100ホ−ルの複合ノズルより吐出し、900デニ−ル/100フィラメントの海島型複合繊維を得た。複合形態はポリアミドの海成分の中にポリプロピレンの島が存在する複合形態であった。
得られた紡糸原糸を90℃の水浴中で3倍の倍率で延伸処理を施し300デニ−ル/100フィラメントのトウを得た。このトウに捲縮数10個/インチの捲縮を施し、51mmに切断して綿状にした。この綿をロ−ラカ−ドを用いてウエッブ状にし、圧力80kg/cm2 の水流でフィブリル化および水流絡合した後にロ−ル温度150℃でカレンダ−処理を行い不織布を得た。これらの不織布から電池セパレ−タを作成し、これらのセパレ−タ(不織布)の評価を行った。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
Figure 0003712082
【0048】
実施例15
ポリアミドの原料として、テレフタル酸2159.8g(13.0モル)、イソフタル酸830.2g(5.0モル)、アジピン酸292.3g(2.0モル)、1,6−ヘキサンジアミン2324.2g(20.0モル)、安息香酸24.43g(0.2モル)、次亜リン酸ナトリウム−水和物6.6g、蒸留水2.2リットルを使用した以外は参考例1と同様にしてポリマ−(PA66ITと称する)を重合した(極限粘度=0.8、CONH/CH2 =1/3.6)。
得られたPA66ITを用いて実施例1と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0049】
実施例16
実施例15で得られたPA66ITを用いて、実施例8と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0050】
実施例17
ポリアミドとして、テレフタル酸1960.3g(11.8モル)、イソフタル酸1302.5g(7.8モル)、1,10−デカンジアミン3446.2g(20.0モル)、安息香酸97.7g(0.8モル)、次亜リン酸ナトリウム−水和物6.2g、蒸留水6リットルを使用した以外は参考例1と同様にしてポリマ−(PA10ITと称する)を重合した(極限粘度=0.8、CONH/CH2 =1/5)。
得られたPA10ITを用いて実施例8と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0051】
実施例18
実施例11において、ポリプロピレンの代わりにナイロン6(宇部興産社製:UBEナイロン1013BK)を用い、カレンダ−温度を180℃にした以外は同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0052】
実施例19
実施例11において、ポリプロピレンの代わりにポリエチレン[ダイヤポリマ−(株)社製:三菱ポリエチHD HJ490)を用い、カレンダ−処理に代えて140℃の熱風乾燥機で熱接着処理した以外は同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0053】
実施例20
参考例4で得られたポリアミドとポリプロピレンとを6:4(重量比)で混合し、押出機で溶融混練して紡糸ヘッドの鞘側に導き、一方、参考例4で得られたポリアミドを別の押出機で紡糸ヘッドの芯側に導き、口金から同時に吐出して芯鞘型複合繊維を得た。該複合繊維の断面形態は、海状ポリアミド中に島状ポリプロピレンが存在する海島構造をなす鞘部と、ポリアミドの芯部とからなる断面形態であった。この複合繊維から実施例11と同様にして不織布を作成し、電池セパレ−タを得た。このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0054】
実施例21〜22
実施例11においてポリアミドとポリプロピレンを別々の溶融押出機で溶融混練して紡糸ヘッドに導き、特殊形状の紡糸口金を使用しこれらのポリマ−を同時に紡糸して放射状貼合せ型(実施例21)、多層貼合せ型(実施例22)の複合繊維を得た。これらの複合繊維を用いて実施例11と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。これらのセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0055】
実施例23
実施例21において複合形態として静止型混合素子を用いたランダム複合形態とした以外は同様にして複合繊維、不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い、結果を表4に示す。
【0056】
実施例24
実施例11と同様にして得られたトウを5mmに切断し、シングルディスクリファイナ−を用いて複合繊維をフィブリル化してパルプ状物を得た。一方、参考例4で得られたポリアミドを310℃で紡糸し、90℃の水浴で3倍に延伸して300デニ−ル/100フィラメントの繊維を得た。この繊維を5mmに切断してカットファイバ−とした。前述のパルプ状物70重量%とカットファイバ−30重量%とを標準離解機で離解してテスト抄紙機で坪量70g/m2 の手すきシ−トを得た。このシ−トを190℃の熱風乾燥機に入れて熱融着性成分であるポリプロピレンを溶融して接着処理を行い、不織布を作成した。この不織布を用いて電池セパレ−タを作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0057】
実施例25
実施例11において、ポリアミドとポリプロピレンを7:3の重量比で混合して押出機に入れ、溶融混練して0.45×300Hの矩形ノズルを用いて、ノズル温度330℃、空気温度350℃、空気圧力2.7kg/cm2 でメルトブロ−法により不織布を作成した。この不織布を圧力80kg/cm2 の水流でフィブリル化処理し、ついで150℃でカレンダ−処理した。処理後の不織布から電池セパレ−タを作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
Figure 0003712082
【0059】
比較例1
ポリアミドとしてカプロラクタムを開環重合させたナイロン6(宇部興産社製:UBEナイロン6)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合繊維、不織布を作成した。不織布から電池セパレ−タを作成し、このセパレ−タの評価を行った。結果を表5に示す。
表5の結果から明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液性には優れるものの、耐酸化劣化性が低いものであった。
【0060】
比較例2
ポリアミドとしてカプロラクタムを開環重合させたナイロン6(宇部興産社製:UBEナイロン6)を用いた以外は実施例11と同様にして、複合繊維、不織布を作成した。この不織布から電池セパレ−タを作成し、このセパレ−タの評価を行った。結果を表5に示す。
表5の結果から明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液性には優れるものの、耐酸化劣化性が低いものであった。
【0061】
比較例3
ポリアミドとしてヘキサメチレンジアミン(脂肪族ジアミン)とアジピン酸 (脂肪族ジカルボン酸)とからなるナイロン66(宇部興産社製:UBEナイロン66)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合繊維・不織布を作成した。この不織布から電池セパレ−タを作成し、セパレ−タの評価を行い、結果を表5に示す。
表5の結果から明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液性には優れるものの、耐酸化劣化性が低いものであった。
【0062】
比較例4
ポリアミドとしてヘキサメチレンジアミン(脂肪族ジアミン)とアジピン酸 (脂肪族ジカルボン酸)とからなるナイロン66(宇部興産社製:UBEナイロン66)を用いた以外は実施例11と同様にして、複合繊維・不織布を作成した。この不織布から電池セパレ−タを作成し、セパレ−タの評価を行い、結果を表5に示す。
表5の結果から明らかなように、耐アルカリ性と電解液保液性には優れるものの、耐酸化劣化性が低いものであった。
【0063】
比較例5
ポリアミドとしてメタキシリレンジアミン(芳香族ジアミン)とアジピン酸 (脂肪族ジカルボン酸)とからなるポリアミド(三菱ガス化学社製:MXナイロン6007)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合繊維・不織布を作成した。この不織布を用いて電池セパレ−タを作成し、このセパレ−タの評価を行った。結果を表5に示す。
ポリアミドが脂肪族ジカルボンで構成されていたので構造的にアミド結合が弱く、また結晶性が低いためと思われるが、耐酸化劣化試験において試験液中でポリアミドが著しく酸化劣化し、ポリプロピレンからなる試験片がわずかに残っただけであった。
【0064】
比較例6
ポリアミドとしてメタキシリレンジアミン(芳香族ジアミン)とアジピン酸 (脂肪族ジカルボン酸)とからなるポリアミド(三菱ガス化学社製:MXナイロン6007)を用いた以外は実施例11と同様にして、複合繊維・不織布を作成した。この不織布を用いて電池セパレ−タを作成し、このセパレ−タの評価を行った。結果を表5に示す。
ポリアミドが脂肪族ジカルボンで構成されていたので構造的にアミド結合が弱く、また結晶性が低いためと思われるが、耐酸化劣化試験において試験液中でポリアミドが著しく酸化劣化し、ポリプロピレンからなる試験片がわずかに残っただけであった。
【0065】
比較例7
ポリプロピレン(宇部興産社製:UBEポリプロ)を紡糸ヘッド温度200℃で紡糸し、水浴温度80℃で4倍に延伸し、250デニ−ル/100フィラメントの繊維を得た。この繊維を用い、実施例8と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い結果を表5に示す。
表5の結果から明らかなように、耐アルカリ性と耐酸化劣化性に優れるものの、電解保液性は非常に低いものであった。
【0066】
比較例8
ナイロン6(宇部興産社製:UBEナイロン6)を紡糸ヘッド温度250℃で紡糸し、水浴温度85℃で4倍に延伸し、200デニ−ル/100フィラメントの繊維を得た。この繊維を用い、実施例8と同様にして不織布を得、電池セパレ−タを作成した。このセパレ−タの評価を行い結果を表5に示す。
表5の結果から明らかなように、耐アルカリ性、電解液保液性に優れるものの、耐酸化劣化性は非常に低いものであった。
【0067】
【表5】
Figure 0003712082
【0068】
【発明の効果】
本発明の複合繊維は半芳香族ポリアミドを一成分とするため、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、電解液保液性などに優れ、また熱接着性成分と複合したり、フィブリル化繊維とすることにより、電解液保液性、不織布強度が向上することから、電池セパレ−タとして有効な性能を有し、各種電池用途に長期間に亘って使用できる。

Claims (2)

  1. ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミドと、該ポリアミドと非相溶性の熱可塑性ポリマ−からなる複合繊維を少なくとも50重量%用いた電池セパレ−タ用不織布
  2. ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミドと該ポリアミドと非相溶性の熱可塑性ポリマ−からなるフィブリル化繊維を少なくとも50重量%用いた電池セパレ−タ用不織布。
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