JP2002151041A - 電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

電池用セパレータおよびその製造方法

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JP2002151041A JP2000346458A JP2000346458A JP2002151041A JP 2002151041 A JP2002151041 A JP 2002151041A JP 2000346458 A JP2000346458 A JP 2000346458A JP 2000346458 A JP2000346458 A JP 2000346458A JP 2002151041 A JP2002151041 A JP 2002151041A
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acid
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Shuhei Yorimitsu
周平 頼光
Takashi Katayama
隆 片山
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度な電解液の保液性を有しながら、優れた
耐酸化劣化性をも有する電池用セパレータを提供する。 【解決手段】 テレフタル酸と1,9-ノナンジアミンと
から合成されるポリアミドからなる単繊維繊度0.00
5〜0.5dtex、断面偏平度2.0〜50.0である繊
維を主な構成成分とし、電解液保液率が100%以上で
ある湿式不織布からなる電池用セパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池用セパレータに
関し、特に電解液としてアルカリ液を使用する二次電池
に好適なセパレータとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にアルカリ電池等の電池には、陽極
活物質と陰極活物質を隔離するためのセパレータが用い
られている。このセパレータには前記陽極物質と陰極
物質の内部短絡を防止できるとともに、内部抵抗が小さ
いこと十分な起電反応を生じさせるために高い電解液
吸液性を有していること電池内部に組込まれた際の占
有率が小さく、陽極活物質、陰極活物質等の量を増やせ
る(電池使用可能時間を長くできる)こと水酸化カリ
ウムなどの電解液に対して収縮や変質を起さない優れた
耐久性を有すること、などの様々な性能が要求される。
特に、電池の容量を向上させるために電極物質の充填量
を増やす必要があり、このためセパレータの相対占有体
積を減らす、つまり薄葉化することが求められている。
【0003】上記の性能を具備する電池用セパレータと
しては、ポリアミド繊維の不織布、ポリオレフィン系繊
維を用いた不織布が使用されており、それぞれの繊維の
特性を利用して電池に使用されている。ポリアミド繊
維、特にナイロン6やナイロン66などの脂肪族ポリア
ミド繊維からなる不織布は耐アルカリ性にすぐれ、親水
性に優れていることから電解液の保液性が良好であり、
放電容量も大きいという利点を有しているが、耐酸化劣
化性に劣るために、充放電サイクルを繰り返すうちに脂
肪族ポリアミド系繊維の酸化分解物である窒素酸化物が
溶出し、電池の性能を劣化させる欠点があった。また、
酸化によって生じた硝酸根が電池の自己放電を増大させ
るという問題もあった。
【0004】一方、ポリオレフィン系繊維は耐アルカリ
性、耐酸化劣化性に優れているものの親水性に劣る。こ
のため電極反応に必要な電解液量がセパレータ内に保持
されず、放電特性の低下や充放電サイクル寿命特性の劣
化を招くという問題があった。また、セパレータを薄葉
化するため、構成繊維の繊度を小さくし、構成繊維間の
空隙を均一に小さくすると、ガス透過性が大幅に悪化す
る傾向があった。
【0005】ポリオレフィン系繊維からなるセパレータ
の電解液保持性を向上させるために、親水性を付与する
手法が提案されている。例として、スルホン化処理、界
面活性剤付与などの親水化処理法が挙げられる。しかし
ながら、スルホン化処理は、高価であること、発煙硫酸
を用いることから環境への負荷が非常に大きいこと、繊
維強度の低下があることなどが問題となっており、界面
活性剤処理では、長期にわたってその親水性を維持する
事が困難であることなどの問題を有する。
【0006】上記ポリアミド繊維の低い耐酸化劣化性
と、ポリアミド繊維の低い親水性を相補的に改善するた
めにポリアミド繊維とポリオレフィン繊維を混合、また
は複合化することが提案されているが(特開昭55−2
5921号公報、特開昭55−66864号公報な
ど)、酸化劣化する繊維の相対的な割合が減少し、劣化
がわずかに軽微になる程度に止まり、根本的な解決には
至っていない。
【0007】ナイロン繊維の耐酸化劣化性を向上させる
ために、半芳香族ポリアミドまたは全芳香族ポリアミド
からなる不織布を用いた電池用セパレータも提案されて
いる(特開平5−283054号公報、特開昭53−5
8636号公報、特開昭58−147956号公報、特
開平9−316731号公報、特開平9−259856
号公報など)。これらのポリアミドは一般的に親水性、
耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れているが、これら公
報に具体的に記載された手法で薄型低目付けのセパレー
タの製造を試みても、地合が悪化し、ピンホールが生じ
るなどの問題がある。また、芳香族ジアミンと脂肪族ジ
カルボン酸とからなるMXD−6繊維で構成される電池
用セパレータは、従来ナイロンと同様で高温での耐酸化
劣化性に劣り、アルカリ二次電池セパレータ用部材とし
て適当ではない。
【0008】電池の容量を向上させるためには電極物質
の充填量を増やす必要があり、このためセパレータの相
対占有体積を減らす、つまり薄葉化することが求められ
ている。1dtex以上の繊維を構成成分とする不織布で
は、目付けを減らして薄葉化することによって、著しく
地合が悪化しピンホールによって絶縁性が悪化するなど
の問題があった。このため構成繊維の繊度を極細化する
ことで低目付け、薄葉化、さらには繊維の比表面積の増
大による吸液性能に優れたセパレータを得る技術が提案
されてきた。
【0009】極細繊維を得る手法としては海島方式、直
紡方式、分割方式に大別される。海島方式では0.00
01dtexの超極細繊維を得ることも可能ではあるが、海
島方式によって極細繊維からなる不織布を得るために
は、海成分を溶解除去するための工程が必要であり、コ
ストが高くつくという欠点がある。また、直紡方式の極
細繊維からなる不織布を得る場合には、紡糸機を長時間
安定に操業することが難しく生産効率の面で問題があ
り、しかも繊維が未配向であるため不織布の強力が低く
なってしまうという問題がある。
【0010】分割方式の極細繊維からなる不織布とし
て、湿式抄造時のパルパーやミキサーによる叩解力を受
けて不完全に分割された後に抄造後の水流絡合処理によ
り極細繊維に分割させる例がある(特開平4−1857
93号公報、特開平5−214653号公報など)。こ
の手法によれば分割による繊維の極細化と、水流絡合に
よる繊維の交絡とにより均一な地合と機械的強力を併せ
持った不織布を得ることができるが、薄葉化のために低
目付け化した場合、水流絡合痕がピンホールとなり、セ
パレータの耐絶縁性が悪化するという問題がある。ま
た、分割繊維を水流絡合処理を行うことなく極細化する
手法として、湿式抄造後のシートを線状加圧体によって
加圧処理する手法が提案されているが(特開平11−3
50396号公報)、抄造時は未分割であるため低目付
けで抄造を行う場合、湿式シートの地合を保つことが困
難であり、また加圧処理を施しても完全に均一な薄型の
不織布を得ることは困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、親水
性、すなわち電解液の保液性を有しながら、ポリオレフ
ィン繊維からなる不織布の有する耐酸化劣化性をも有し
た、偏平断面形状を有する極細のポリアミド繊維(A)
を主成分とする不織布で形成された電池用セパレータと
その製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、6
0モル%以上の芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸
成分と炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンを6
0モル%以上含むジアミン成分とから合成されるポリア
ミド(a)を主体成分とする単繊維繊度0.005〜
0.5dtex、断面偏平度2.0〜50.0である繊維
(A)を10〜80重量%含み、電解液保液率が100
%以上であることを特徴とする電池用セパレータであ
る。また本発明は、上記ポリアミド(a)と、ポリオレ
フィン系熱可塑性重合体とからなる分割型複合繊維を2
0〜80質量%含む紙料を抄造することを特徴とする上
記の電池用セパレータの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明の電池用セパレータ
を構成するポリアミド(a)について説明する。該ポリ
アミド(a)は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とか
ら合成されるものであって、ジカルボン酸成分の60モ
ル%以上が芳香族ジカルボン酸であり、ジアミン成分の
60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジ
アミンであることが重要である。
【0014】芳香族ジカルボン酸としては、電池用セパ
レータの耐アルカリ性、耐酸化劣化性の点でテレフタル
酸が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシ
ジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン
酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェ
ニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスル
ホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニル
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併
用して使用することもできる。かかる芳香族ジカルボン
酸の含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であ
り、75モル%以上であることが好ましい。上記芳香族
ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジ
メチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク
酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピ
ン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1
種類のみならず2種類以上用いることができる。なかで
も不織布の強度、耐薬品性、耐酸化劣化性、耐熱性等の
点でジカルボン酸成分が100%芳香族ジカルボン酸で
あることが好ましい。さらにトリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を繊維化・不
織布化が容易な範囲内で含有させることもできる。
【0015】また、ジアミン成分の60モル%以上は炭
素数が6〜12のアルキレンジアミンで構成され、かか
る脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサ
ンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナ
ンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウ
ンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−
メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,
5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタン
ジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、等の
直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げるこ
とができる。なかでも耐酸化劣化性の点で1,9−ノナ
ンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−
1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。この脂
肪族アルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60
モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%
以上であることが、電解液保液率の点で好ましい。
【0016】上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジ
アミンとしてはエチレンジアミン、1,4−ブタンジア
ミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メ
チルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノ
ルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチ
ルジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キ
シレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン、あ
るいはこれらの混合物を挙げることができ、これらは1
種類にみならず2種類以上を用いることができる。
【0017】脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−
ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミ
ンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル
%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オ
クタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=3
0:70〜99:1、とくに前者:後者=40:60〜
95:5であることが好ましい。
【0018】また、本発明に使用されるポリアミドはそ
の分子鎖における〔CONH/CH 2〕の比が1/2〜
1/8、とくに1/3〜1/5であることが好ましい。
この範囲のポリアミドを使用することにより耐アルカリ
性、耐酸化劣化性および電解液の保液性に優れた電池用
セパレータが得られるのである。
【0019】上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸30
℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであること
が好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜
1.6dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内にある
ポリアミドは、繊維化および不織布化する際の溶融粘度
特性が良好であり、さらに得られるセパレータの強度、
耐アルカリ性、耐酸化劣化性が優れたものとなる。
【0020】さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末
端基の10%以上が末端封止剤により封止されているこ
とが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70
%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端
を封止することにより、得られるセパレータの強度、耐
アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。末端
封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカル
ボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば
とくに制限はないが、反応性および封止末端の安定性な
どの点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取
り扱いの容易さ、反応性、封止末端の安定性、価格の点
でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸として
は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、
カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げ
ることができる。なお、末端の封止率は1H−NMRに
より、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求
めることができる。
【0021】本発明で使用されるポリアミドの製造方法
は特に限定されず、結晶性ポリアミドを製造する方法と
して公知の任意の方法を用いることができる。たとえ
ば、酸クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法
あるいは界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸
のアルキルエステルとジアミンとを原料とする溶融重合
法、固相重合法などの方法により製造できる。
【0022】一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジア
ミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、
ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度にお
いて極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリ
マーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機
を用いて重合を行うことにより容易に製造することがで
きる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧
下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温
度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大き
く、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制すること
ができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機に
より行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリア
ミドの分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミドが
得られるので好ましい。
【0023】重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜
リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属
塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも
次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性の点で好
ましい。また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを
重縮合反応時、またはその後に添加することができる。
特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安
定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウ
ム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊
維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0024】本発明のポリアミド(a)を主体成分とす
る繊維(A)の製造は、公知の溶融紡糸装置を用いるこ
とができる。単独紡糸、複合紡糸のいずれの方法で繊維
化しても構わないが、たとえば、複合紡糸であればポリ
アミド(a)と他の熱可塑性重合体とを夫々別の押出機
で溶融混練し、引き続き同一の紡糸ノズルから吐出させ
ればよい。この場合、あらかじめポリアミド(a)と複
数のポリマーを混合しておいたものを複合成分の一つに
用いてもよい。前述の通り、0.5dtex以下の極細
ポリアミド繊維(A)を得る方法としては直紡方式、海
島方式、分割方式が挙げられるが、かかる偏平断面形状
の極細繊維を得るためには分割方式が好ましい。分割型
複合繊維は3種以上の成分により構成されていてもかま
わないが、紡糸性、分割性等の点からは2成分系繊維で
あるのが好ましい。該ポリアミド(a)を1成分とする
場合、繊維横断面においてポリアミド(a)が他の熱可
塑性重合体により2以上、特に8〜200の領域に分割
されている繊維が好ましい。また、ポリアミド(a)が
繊維長さ方向に実質的に連続している繊維が好ましい。
より具体的には、図1の(1)〜(6)に示すような多
層状分割型、放射状分割型等の複合繊維が好適に使用で
きる。また、本発明で規定される単繊維繊度、断面偏平
度を有するポリアミド繊維(A)を得るためには、分割
前の複合繊維の単繊維繊度は0.5〜10.0dtex、複
合比率はポリアミド(a)90〜10質量%、他の熱可
塑性重合体10〜90質量%の範囲内にすればよい。特
に、抄造時の叩解力で分割繊維が実質的に完全に分割す
るために複合比率を、ポリアミド(a)75〜50質量
%、他の熱可塑性重合体25〜50質量%にするのが好
ましい。
【0025】該電池用セパレータを構成する繊維(A)
の繊度(分割されている場合には分割後の繊維繊度)は
薄葉化、地合、電解液の保液性、セパレート性の点か
ら、0.005〜0.5dtexでなくてはならず、かつそ
の繊維断面は、長径と短径との比(Dl/Ds)で表され
る断面偏平度が2.0〜50.0でなくてはならない。
より好ましくは2.0〜25.0であり、さらに好まし
くは2.2〜15.0のものが好適に使用される。繊度
が0.005dtex未満の場合、シート化が困難にな
り、またセパレータの耐久性が著しく低下する場合があ
る。また、0.5dtexを超える場合、セパレータを
薄葉化した場合著しく地合が悪化する。布帛における繊
維をかかる繊度、かつ偏平断面形状とすることにより、
100μm以下のシートであっても、ポアサイズが小さ
くなってセパレート性を一層改善できるとともに地合を
均一化することができる。また繊維長は特に限定するも
のではなく、セパレータの形成方法によって適宜設定で
きるが、薄くかつ均一な不織布を得るためには、湿式抄
造法によって不織布を形成するのが好ましく、この場合
は1〜30mmであることが好ましい。繊維断面につい
ては、長径と短径との比(Dl/Ds)で表される断面偏
平度が2.0未満の場合、セパレータの薄葉化によるシ
ートの地合の悪化が大きくなり特徴が発揮できない。ま
た、断面偏平度が50を超える場合、安定な断面形状の
繊維を得ることが困難である。なお、本発明において、
偏平繊維断面の長径Dl、短径Dsは、例えば図1の
(1)のような多層型分割繊維の場合は図2に示すよう
にして求める。
【0026】他の熱可塑性重合体は、特に限定されるも
のではないが、剪断力等の機械的応力により分割型複合
繊維を分割細化するため、たとえばオレフィン系熱可塑
性重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが
好適に使用できる。特にオレフィン系熱可塑性重合体を
用いた場合、ポリアミド(a)とオレフィン系熱可塑性
重合体との相溶性が乏しいため分割性に優れた繊維が得
られる。この場合、湿式抄造時のパルパーやミキサーに
よる叩解力で実質的に完全に分割する繊維が得られる。
このため分割細化のための高圧の水流絡合を行う必要が
なく、水流絡合痕によるピンホールが生じない、また実
質的に完全分割した繊維を抄造できるため、加圧などの
抄造後の処理によって繊維が分割細化された湿式シート
に比べて均一な地合のシートが得られるといった利点が
ある。またオレフィン系熱可塑性重合体を用いることに
より、耐薬品性、耐酸化劣化性に優れたセパレータが得
られる。
【0027】本発明の電池用セパレータは上述の断面形
状が偏平であるポリアミド(a)を構成成分とする繊維
(A)を主体成分として形成した不織布からなり、該不
織布は、優れた耐薬品性、電解液の保液性能を発揮し、
かつ薄葉化が可能になるようにポリアミド繊維(A)を
10〜80質量%/セパレータ含んでいなければならな
い。とくに20質量%以上/セパレータであることが好
ましい。10質量%未満であると地合が悪化し、薄葉化
が困難になる。また80質量%を超えると、シート中の
空隙が著しく減少し、セパレータとして必要な透気度が
得られない場合がある。
【0028】また、本発明においては、断面形状が偏平
なポリアミド繊維(A)以外に他の繊維を配合してセパ
レータを得てもかまわない。例えば、ナイロン6、ナイ
ロン66等の脂肪族ポリアミド;エチレン−ビニルアル
コール系共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−ブテン共重合体、などのポリオレ
フィン系樹脂単独または2種類以上からなる複合形態の
繊維;天然セルロース繊維をマーセル化したセルロース
系繊維;マーセル化されたパルプ、ポリアミド(a)か
らなる(例えば偏平断面を有しない)繊維などを挙げる
ことができる。また、公知の熱溶融性バインダー、特に
バインダー繊維、糊剤等を使用することにより、不織布
の形態安定性を向上させることも可能である。これらの
繊維の単繊維繊度は、セパレート性、保液性、強力等の
点から0.01〜3dtexであることが好ましく、耐薬品
性等の点からはポリオレフィン系繊維またはポリアミド
(a)の単独繊維を配合するのが好ましい。繊維横断面
は丸型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものでは
ない。
【0029】さらにセパレータ強力・形態安定性等を高
めるために、バインダー、特にバインダー繊維をさらに
配合してもよい。バインダー繊維を配合する場合には内
部抵抗を必要以上に高めることなく上記の効果が得られ
る。セパレータ強力、均質性、製造工程性等の点からは
バインダー繊維の繊度は0.5〜6dtex程度であるのが
好ましい。なお、バインダー繊維は不織布化した後に繊
維の形状を明確に保持している必要はなく、バインダー
繊維を用いて不織布を製造することにより上記の効果が
得られる。
【0030】バインダー繊維は単一ポリマー成分により
構成されていてもよいが、接着効果を奏すると同時に十
分な強力を保持できることから、2以上のポリマー成分
により構成されているのが好ましく、例えば芯鞘型、サ
イドバイサイド型、層状分割型、放射状分割型等の複合
繊維や海島繊維が好適に使用できる。繊維横断面は丸
型、偏平型、繭型、中空型,T型等特に限定されるもの
ではない。中でも耐薬品性が高いこと、低融点であるな
どの点から、ポリオレフィン系バインダー繊維であるの
が好ましく、特にポリエチレン系重合体及び/又はポリ
プロピレン系重合体を少なくとも用いたバインダー繊維
が好ましい。特にポリエチレン系樹脂を鞘成分、ポリプ
ロピレン系樹脂を芯成分とする鞘芯型複合繊維がより好
適に使用できる。バインダー繊維の配合量は1〜30質
量%/セパレータ、特に3〜20質量%/セパレータと
するのが不織布強力、内部損失、不織布の地合等の点か
ら好ましい。
【0031】本発明においては、セパレータ用部材とし
てポリアミド(a)を主体成分とする繊維(A)を用い
ることにより、親水化等の点で顕著な効果が得られる。
電池用セパレータの製造に際しては、かかる繊維を用い
てシート化すればよいが、セパレート性、機械的性能等
の点からは布帛(織編物,不織布)、特に不織布である
のが好ましい。さらに、薄型かつ均一なシートが得られ
る点から湿式抄造によるシート化が特に好ましい。湿式
抄造によるシート化を行った後に乾燥を施すことにより
所望の不織布が得られる。乾燥手段は熱風、熱カレンダ
ー処理等により行えばよい。特に表面平滑性の向上、シ
ートの厚さ調整、強度、高密度化の発現のためには熱カ
レンダー処理を行うことが好ましい。
【0032】従来の厚み100μm以下のセパレータで
は、地合が悪化する、保液率が低下するなどの問題があ
ったが、本発明の偏平断面形状のポリアミド繊維(A)
をセパレータ用部材として用いることにより、厚さが1
00μm以下という薄型でありながら高い保液率、均一
な地合のセパレータを得ることが可能である。そして、
本発明のポリアミド繊維(A)を用いた薄型セパレータ
を用いることにより、電池内部でのセパレータの相対占
有体積が減少するため、より多量の陽極活物質および陰
極活物質を充填させることが可能であり、電池のエネル
ギー密度が向上する。不織布としての機械的強力を考慮
すると、50μm以上の厚みを有していることが好まし
く、また薄型化し電池のエネルギー密度を向上させるた
めには100μm以下であることが好ましい。坪量は2
0〜60g/m2程度、密度0.1〜0.6g/cm3
度であるのが好ましい。
【0033】さらに本発明においては特定のポリアミド
繊維(A)を用いていることから薄型でありながら、吸
液量の大きいセパレータが得られる。より具体的には、
本発明のセパレータの電解液保持率は100%以上でな
くてはならない。好ましくは、150%以上であり、よ
り好ましくは200%以上である。
【0034】本発明のセパレータは特に親水化処理を行
わなくても、十分な保液性を有してはいるが、さらに高
いエネルギー密度が必要とされる電池に使用する場合、
親水化処理を施してもよい。親水化処理法としては、グ
ラフト重合処理、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、
フッ素ガス処理、樹脂コーティング、親水性界面活性剤
処理、スルホン化処理等が挙げられ、これらの処理のう
ち、グラフト重合処理、プラズマ処理が好適であるが、
親水処理の効果が比較的長時間持続するグラフト重合が
特に好ましい。
【0035】かかる電池用セパレータ用シートをそのま
ま用いて、または袋状体や渦巻状体等の所望の形状に加
工することにより電池用セパレータとすることができ
る。もちろん該シート以外のものと組み合せて電池用セ
パレータを製造してもよい。たとえば他のシート(不織
布、フィルム等)と積層したり、継ぎ合せることができ
る。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点から
は実質的に前述のシート、特に不織布のみから電池用セ
パレータを製造するのが好ましい。本発明の電池用セパ
レータを組込むことによって諸性能に優れた電池が得ら
れる。
【0036】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
実施例により何等限定されるものではない。なお実施例
中の各測定値は以下の方法により測定された値である。 [厚さ(mm)、密度(g/cm3)]JIS P 8
118「紙及び板紙の厚さと密度の試験方法」に準じて
測定した。 [坪量(g/m2)]JIS P 8124「紙のメー
トル坪量測定方法」に準じて測定した。 [裂断長(km)]JIS P 8113「紙及び板紙
の引張強さ試験方法」に準じて測定した [保液率(%)]50mm×50mmの紙試料を20
℃、35%KOH液に浴比1/100の条件で30分間
浸漬し、30秒間自然液切りを行った。処理前の試験片
の重量をW 0、処理後の試験片の重量をW1とし、次の式
により電解液保液率(%)を算出した。 電解液保液率(%)=(W1−W0)/W0×100 [吸液速度(秒)]試料の端部を35%KOH液に浸漬
し、35%KOH液が高さ25mmまで吸い上げるまで
に要した時間により吸液速度を評価した。 [通気度(cm3/cm2/sec)]JIS L 10
96―1996「一般織物試験方法」の通気度測定方法
に準じ、株式会社東洋精機製作所製フラジール型通気度
試験機により測定した。 [耐酸化劣化性(%)]JIS P 8113に準じ
て、不織布の試験片を5%KMnO4と30%水酸化カ
リウムの混合溶液(前者/後者=250/50cc、5
0℃)に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力
(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。 [バインダー繊維]鞘成分がポリエチレン、芯成分がポ
リプロピレンである2.2dtexの芯鞘型複合繊維(株式
会社クラレ製「N−740」)を用いた。繊維長が5m
mになるようにカットし、湿式シートの原綿として使用
した。 [地合]シートに白色蛍光灯(40型、36W)の光線
を透過させたときのシートの均一性を観察した。 ◎:むらが実質的に全くない △:むらが少し目立つ
×:むらが目立つ [ピンホール]シートに白色蛍光灯(40型、36W)
の光線を透過させたときの5cm×5cm中における直
径100μm以上のピンホールの有無を観察した。
【0037】[参考例1] [1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オク
タンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカ
ルボン酸成分とするポリアミド(a)の製造]テレフタ
ル酸19.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モ
ル、2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モ
ル、安息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム−水和
物0.06モルおよび蒸留水2.2リットルを、内容積
20リットルのオートクレーブに添加し、窒素置換を行
った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて
内温を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは
2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続け
た後、230℃に昇温し、その後2時間230℃に保
ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保持し
ながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を1.0
MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマ
ーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12
時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。この粉
砕物を230℃、10Pa下にて10時間固相重合する
ことによりポリマーを得た。得られたポリマーの極限粘
度は0.9dl/gであった。
【0038】[参考例2] [ポリアミド(a)単独繊維の製造]参考例1で製造し
たポリアミド(a)を押出機を用いて溶融押出しし、
0.125mmΦ×100ホールの丸孔ノズルより吐出
し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜1
00の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、巻取
速度500〜2000m/分の範囲で巻き取った。つい
で、1浴が90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸
し、続いて200℃で熱収縮処理を行い、約1500d
tex/1000フィラメントの延伸糸を得た。延伸倍
率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。得られた延伸糸
をカット長5mmに切断し、ポリアミド(a)単独繊維
原綿とした。
【0039】[参考例3] [ポリプロピレン単独繊維の製造]市販のポリプロピレ
ン(日本ポリケム、SA03A)を押出機を用いて溶融
押出しし、0.25mmΦ×48ホールの丸孔ノズルよ
り吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が1
0〜100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節
し、巻取速度500〜2000m/分の範囲で巻き取っ
た。ついで、1浴が90℃、2浴が95℃の水浴を用い
て延伸し、約1500dtex/480フィラメントの
延伸糸を得た。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行
った。得られた延伸糸をカット長5mmに切断し、ポリ
プロピレン単独繊維原綿とした。
【0040】[実施例1]参考例1で得られたポリアミ
ド(a)を67質量%(X層)と、ポリプロピレン(日
本ポリケム、SA01、Y層)を33質量%の配合比で
複合し、押出機で溶融押出しし、0.25mmΦ×24
ホールの丸孔ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度と
の比(ドラフト)が10〜100の範囲になるようにそ
れぞれの速度を調節し、図1の(1)に示すような、X
層Y層が交互に積層されてなるだ円形状の多層分割型複
合繊維を製造した。該多層分割型複合繊維の層の数はX
層が6層、Y層が5層の合計11層である。上述の手法
で得られる分割繊維の分割後の断面偏平率(Dl/D
s)は、2.4〜7.5であった。この多層分割型複合
繊維を、1浴90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸
処理を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸
を得た(3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得ら
れた延伸糸をカット長5mmに切断し原綿とした。得ら
れた原綿を50質量%、参考例2のポリアミド(a)単
独繊維の5mmカット原綿を30質量%、上述の熱溶融
性バインダー繊維5mmカット原綿(クラレ、N−74
0)を20質量%混合し原料とした。この原料を抄紙機
(角型25cm×25cm)で抄紙して坪量約40g/
2の不織布を作成し、ついでカレンダーロール(ロー
ラー温度115℃、線圧40kg/cm)で熱プレス
し、電池用セパレータを得た。該多層分割型複合繊維の
分割性が非常に高く、抄造時の離解機による叩解で実質
的に完全に分割しているため、得られた不織布は均一か
つ薄型で、保液率の高いものであり、また機械的性能が
高くセパレータとして優れた性能を有するものであっ
た。得られたセパレータの物性、諸性能を表1に示す。
【0041】[実施例2]実施例1において、多層分割
型複合繊維を構成するポリプロピレンをポリエチレン
(日本ポリケム、HE483)に変更したこと以外は実
施例1と同様に繊維化、シート化を行って電池用セパレ
ータを製造した。得られた不織布は均一かつ薄型で、保
液率の高いものであり、また機械的性能が高くセパレー
タとして優れた性能を有するものであった。得られたセ
パレータの物性、諸性能を表1に示す。
【0042】[実施例3]実施例1において、参考例2
のポリアミド(a)単独繊維を参考例3のポリプロピレ
ン単独繊維に変換した以外は同様にシート化を行って電
池用セパレータを製造した。得られた不織布は均一かつ
薄型で、保液率の高いものであり、また機械的性能が高
くセパレータとして優れた性能を有するものであった。
得られたセパレータの物性、諸性能を表1に示す。
【0043】[実施例4]実施例1で得られた電池用セ
パレータを脱酸素下、低波長紫外線照射した後に、増感
剤と共にアクリル酸と接触させ、グラフト処理を施した
セパレータを得た。得られたセパレータは実施例1と比
較し、さらに保液率の高いものであり、また機械的性能
が高くセパレータとして優れた性能を有するものであっ
た。得られたセパレータの物性、諸性能を表1に示す。
【0044】[実施例5]実施例1で得られた電池用セ
パレータの両面それぞれ2回ずつ単位面積当たりの総放
電量が30.0KvA/cm2となるようにプラズマ放
電処理を施した。得られたセパレータは実施例1と比較
し、さらに保液率の高いものであり、セパレータとして
優れた性能を有するものであった。得られたセパレータ
の物性、諸性能を表1に示す。
【0045】[比較例1]実施例1においてポリアミド
(a)の代替に、ヘキサメチレンジアミン(脂肪族ジア
ミン)とアジピン酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなる
ナイロン66(宇部興産、UBEナイロン66)を用い
たこと以外は、実施例1と同様に繊維化、シート化を行
った。得られた不織布は薄型で保液性に優れるものの、
耐酸化劣化性に劣るものであった。得られたセパレータ
の物性、諸性能を表2に示す。
【0046】[比較例2]参考例1で得られたポリアミ
ド(a)を50質量%(島成分)と、易減量性ポリエス
テルを50質量%の配合比で複合し、押出機で溶融押出
しし、0.25mmΦ×24ホールの丸孔ノズルより吐
出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜
100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、ポ
リアミド(a)が島成分、易減量性ポリエステルが海成
分を構成した海島型繊維(島数16)を得た。この多層
分割型複合繊維を、1浴90℃、2浴が95℃の水浴を
用いて延伸処理を行い、約200dtex/48フィラメン
トの延伸糸を得た(4.2dtex、島成分の径0.13dt
ex)。得られた延伸糸をカット長5mmに切断し原綿と
した。次いで40℃、濃度60g/リットルのNaOH
水溶液に30分間浸漬して海島繊維の海成分を除去し、
原綿とした。得られた原綿を50質量%、参考例3のポ
リプロピレン単独繊維の5mmカット原綿を30質量
%、上述の熱溶融性バインダー繊維5mmカット原綿
(クラレ、N−740)を20質量%混合し原料とし
た。この原料を抄紙機(角型25cm×25cm)で抄
紙して坪量約40g/m2の不織布を作成し、ついでカ
レンダーロール(ローラー温度115℃、線圧40kg
/cm)で熱プレスし、電池用セパレータを得た。この
シートは地合、保液率の面で実施例1のシートに劣るも
のであった。得られたセパレータの物性、諸性能を表2
に示す。
【0047】[比較例3]実施例3において原綿の混率
を、多層型分割繊維原綿10%、ポリプロピレン単独繊
維70%、バインダー繊維20%に変更したこと以外は
同様にシート化を行い電池用セパレータとした。当該セ
パレータ中に含まれるポリアミド(a)は、6.7質量
%/セパレータである。このシートは実施例3と比較
し、地合、保液率に劣るものであった。得られたセパレ
ータの物性、諸性能を表2に示す。
【0048】[比較例4]ポリアミド(a)を90質量
%(X層)と、ポリプロピレン(日本ポリケム、SA0
1、Y層)を10質量%の配合比で複合したこと以外は
実施例1と同様に繊維化を行い多層分割型複合繊維原綿
を得た。ついでこの原綿を90%、バインダー繊維原綿
を10%の混率で混合抄造し、実施例1と同様にシート
化した。当該セパレータ中に含まれるポリアミド(a)
は、81.0質量%/セパレータである。このシートは
薄型かつ均一ではあるが、過度に緻密であるため実施例
1と比較し保液率、透気度の点で劣るものであった。得
られたセパレータの物性、諸性能を表2に示す。
【0049】[比較例5]実施例1において多層型分割
繊維の溶融紡糸の際、分割繊維の断面偏平率(Dl/D
s)が55となるようにX層、Y層の比率を調節し、巻
取りを試みたが、断面形状が非常に不安定であり、断糸
が多発し繊維化が困難であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に適用できる分割型複合繊維の一例の
断面拡大図である。
【図2】 ポリアミド繊維(A)の長径、短径を説明す
るための図である。
【符号の説明】
X:ポリアミド(a) Y:他の熱可塑性重合体 Dl:長径 Ds:短径

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60モル%以上の芳香族ジカルボン酸を
    含むジカルボン酸成分と炭素数6〜12の脂肪族アルキ
    レンジアミンを60モル%以上含むジアミン成分とから
    合成されるポリアミド(a)を主体成分とする単繊維繊
    度0.005〜0.5dtex、断面偏平度2.0〜50.
    0である繊維(A)を10〜80重量%含み、電解液保
    液率が100%以上であることを特徴とする電池用セパ
    レータ。
  2. 【請求項2】 厚みが50〜100μmである請求項1
    に記載の電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 グラフト重合処理、またはプラズマ放電
    処理が施されてなる請求項1又は2に記載の電池用セパ
    レータ。
  4. 【請求項4】 60モル%以上の芳香族ジカルボン酸を
    含むジカルボン酸成分と炭素数6〜12の脂肪族アルキ
    レンジアミンを60モル%以上含むジアミン成分とから
    合成されるポリアミド(a)と、ポリオレフィン系熱可
    塑性重合体とからなる分割型複合繊維を20〜80質量
    %含む紙料を抄造することを特徴とする請求項1に記載
    の電池用セパレータの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセ
    パレータを組み込んでなる二次電池。
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