JP3708086B2 - スイッチング電源装置用制御装置及びスイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置用制御装置及びスイッチング電源装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング電源装置用制御装置及びスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源装置は、小型軽量かつ高効率等の特長を有しており、各種機器に組み込まれているマイコンやパソコン等の電源として幅広く利用されている。これらパソコン等では、低電圧化及び高速処理化が進み、消費電流が増加する一方である。そのため、スイッチング電源装置では、パソコン等における処理負荷に応じて、負荷電流が急減に増大したりあるいは減少したりする。また、スイッチング電源装置は、広い入力電圧範囲に対応が容易という特長を有しており、世界数カ国で対応可能な電源や入力電圧の仕様設定が広い電源としても利用されている。スイッチング電源装置では、パソコン等の負荷に応じた目標電圧となるように、このような負荷電流や入力電圧の変化に対して安定した出力電圧を補償する必要がある。さらに、負荷電流や入力電圧の急激な変化に対して出力電圧が過渡応答となった場合でも、スイッチング電源装置では、安定した状態に迅速に回復することが求められている。
【0003】
そのために、スイッチング電源装置は、デジタル制御方式のコントローラIC[Integrated Circuit]等の制御装置を備えており、この制御装置によりFET[Field Effect Transistor]等のスイッチング素子を高速にオン/オフする。制御装置では、電圧モード制御や電流モード制御によるフィードバック制御により、スイッチング電源装置の出力電圧等に基づいてスイッチング素子をオン/オフするためのPWM[Pulse Width Modulation]信号を生成している。
【0004】
例えば、P[Propotional]制御(比例制御)による電流モード制御の場合、制御装置では、目標電流信号と平滑回路のインダクタンスに流れる電流を検出した電流信号とを比較し、そのインダクタンス電流信号が目標電流信号に達するまでの期間をハイ信号とし、達した後の期間をロー信号とするPWM信号を生成する。目標電流信号は、目標電圧からスイッチング電源装置において検出した出力電圧を減算し、その減算値にP制御の利得を乗算した信号である。
【0005】
デジタル制御方式の場合、出力電圧やインダクタンス電流をA/D変換した後に制御装置に入力しなければならない。インダクタンス電流はスイッチング素子の高速のオン/オフに応じて増減するので、A/D変換を行うと、変換による遅れが発生する。そのため、制御装置で比較処理を行うときには、そのA/D変換による時間遅れを含んだインダクタンス電流を用いることになり、実際にインダクタンスに流れている電流に対応したPWM信号を生成することができない。そこで、装置内部で生成しているPWM信号によってインダクタンス電流を推定し、その推定電流を用いて電流モード制御を行う制御装置もある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特表2002−530036号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、推定電流の場合、実際のインダクタンス電流に比べて直流成分が大きく、高精度なPWM信号を生成することができない。そのため、従来の制御装置では、インダクタンスに流れる電流を検出し、その検出したインダクタンス電流によって推定電流を補正している。したがって、従来の制御装置では、実際のインダクタンス電流を用いて電流モード制御を行う場合にも、あるいは、推定電流を用いて電流モード制御を行う場合にも、インダクタンスの電流を検出する手段が必要となる。ところが、スイッチング電源装置は、小型軽量化が望まれているにもかかわらず、電流モード制御を行う場合、電圧モード制御に比べて電流検出手段が必要となって装置が大型化する。
【0008】
そこで、本発明は、インダクタンス電流を検出する手段が無くても電流モード制御が可能なスイッチング電源装置用制御装置及びスイッチング電源装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスイッチング電源装置用制御装置は、デジタル変換されたスイッチング電源装置における出力電圧と目標電圧とに基づいて制御信号を設定する制御信号設定手段と、スイッチング電源装置のスイッチング素子を制御するための駆動信号におけるスイッチング素子のオン期間をアップ係数に基づいて一定時間毎にカウントアップし、駆動信号におけるスイッチング素子のオフ期間をダウン係数に基づいて一定時間毎にカウントダウンするアップダウンカウンタによりスイッチング電源装置の平滑回路のインダクタンスに流れる電流を推定し、推定電流信号を生成する電流推定手段と、電流推定手段で推定した推定電流信号に含まれる直流成分を抽出し、推定電流信号から直流成分を除去する直流成分除去手段と、直流成分除去手段で抽出する直流成分を所定時間毎にリセットする直流成分リセット手段と、制御信号設定手段で設定した制御信号と直流成分除去手段で直流成分を除去した後の推定電流信号とを比較し、当該直流成分を除去した推定電流信号が制御信号に達するか否かを検出する比較手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
このスイッチング電源装置用制御装置は、電流モード制御によるフィードバック制御によって出力電圧を目標電圧に制御するために、A/D変換されたスイッチング電源装置の出力電圧が入力され、制御信号設定手段によりその出力電圧と目標電圧とから制御信号を生成する。また、制御装置では、電流推定手段に駆動信号をフィードバックさせ、電流推定手段により駆動信号に基づいてスイッチング電源装置におけるインダクタンス電流を推定して推定電流信号を生成する。さらに、制御装置では、直流成分除去手段により推定電流信号から直流成分を抽出し、その推定電流信号から直流成分を除去する。この際、制御装置では、直流成分リセット手段により抽出する直流成分を所定時間毎にリセットしている。そして、制御装置では、直流成分除去後の推定電流信号と制御信号とを比較手段に入力し、比較手段により直流成分除去後の推定電流信号と制御信号とを比較し、直流成分除去後の推定電流信号が制御信号に達するか否かを判定する。そして、制御装置では、直流成分除去後の推定電流信号が制御信号に達しない期間をスイッチング素子をオンする信号とし、達した後の期間をスイッチング素子をオフする信号として駆動信号を生成する。このように、この制御装置では、装置内で生成している駆動信号により推定電流信号を生成し、この推定電流信号を用いて電流モード制御を行っているので、A/D変換による処理遅れが発生しない。さらに、制御装置では、推定電流信号から直流成分を抽出し、その直流成分を除去した推定電流信号を用いているので、実際のインダクタンス電流との直流成分の違いを低減できる。特に、制御装置では、抽出する直流成分を所定時間毎にリセットしているので、直流成分除去手段において累積している直流成分をリセットすることができる。そのため、制御装置は、インダクタンス電流を検出する手段を備えないにもかかわらず、インダクタンス電流を推定することによって電流モード制御が可能であるとともに、推定電流の精度も高く、高精度な駆動信号を生成することができる。ちなみに、累積する直流成分をリセットしない場合、推定電流信号が無限大に大きくなり、制御不能となる。
【0011】
なお、駆動信号は、スイッチング電源装置のスイッチング素子をオン/オフするための信号であり、例えば、PWM信号である。制御信号は、電流モード制御によるフィードバック制御を行うための信号であり、スイッチング電源装置において実際に検出した出力電圧と目標電圧とに基づく信号であり、比較手段に入力されて直流成分除去後の推定電流信号と比較される信号である。推定電流信号は、電流モード制御によるフィードバック制御を行うための信号であり、スイッチング電源装置のインダクタンス電流を駆動信号に基づいて推定した信号である。所定時間は、直流成分除去手段において抽出する直流成分をリセットする時間間隔を示す時間であり、スイッチング電源装置の出力側のコンデンサ容量や制御装置におけるゼロクロス周波数等を考慮して設定される。
【0012】
本発明の上記スイッチング電源装置用制御装置は、直流成分除去手段を、推定電流信号から直流成分を抽出するローパスフィルタと、電流推定手段で生成した推定電流信号からローパスフィルタで抽出した直流成分を減算する減算器とを含む構成としてもよい。
【0013】
このスイッチング電源装置用制御装置は、直流成分除去手段の具体的な構成としてデジタルのローパスフィルタと減算器とを備えている。制御装置では、ローパスフィルタによって推定電流信号から直流成分を抽出し、減算器によって推定電流信号から抽出した直流成分を減算する。
【0014】
本発明の上記スイッチング電源装置用制御装置は、直流成分リセット手段を、ローパスフィルタにリセット信号を入力し、ローパスフィルタの遅延器の出力を所定時間毎にリセットするように構成してもよい。
【0015】
このスイッチング電源装置用制御装置は、ローパスフィルタにリセット信号を入力し、このリセット信号に応じてローパスフィルタの遅延器の出力をリセットすることによって、ローパスフィルタの出力である直流成分をリセットする。このように、制御装置では、デジタルのローパスフィルタによって直流成分を抽出する場合、このローパスフィルタにリセット信号を入力するだけで簡単に直流成分をリセットすることができる。
【0016】
なお、リセット信号は、ローパスフィルタで抽出する直流成分をリセットするための信号であり、所定時間毎にリセットするための信号がセットされている。
【0017】
本発明の上記スイッチング電源装置用制御装置は、所定時間を、駆動信号の周期の整数倍にすると好適である。
【0018】
このスイッチング電源装置用制御装置は、直流成分をリセットするための所定時間を駆動信号の周期の整数倍に設定することによって、駆動信号の周期数をカウントするカウンタ等によって所定時間の設定手段を簡単化に構成することができる。
【0019】
本発明の上記スイッチング電源装置用制御装置は、電流推定手段を、駆動信号におけるスイッチング素子のオン期間をアップ係数に基づいて一定時間毎にカウントアップし、駆動信号におけるスイッチング素子のオフ期間をダウン係数に基づいて一定時間毎にカウントダウンするアップダウンカウンタを含む構成としてもよい。
【0020】
このスイッチング電源装置用制御装置は、電流推定手段の具体的な構成としてアップダウンカウンタを備えている。この制御装置では、アップダウンカウンタに駆動信号をフィードバックさせ、アップダウンカウンタにより駆動信号におけるスイッチング素子のオン期間を制御装置のマスタクロック等の一定時間毎にアップ係数に応じてカウントアップし、オフ期間を一定時間毎にダウン係数に応じてカウントダウンし、推定電流信号を生成する。このように、制御装置では、アップダウンカウンタにより簡単に電流推定手段を構成することができる。
【0021】
なお、アップ係数は、駆動信号におけるスイッチング素子のオン期間に、スイッチング電源装置の平滑回路のインダクタンスに流れる電流の増加割合を示す係数であり、平滑回路の各素子のパラメータやカウントする際の一定時間等に基づいて設定される。ダウン係数は、駆動信号におけるスイッチング素子のオフ期間に、スイッチング電源装置の平滑回路のインダクタンスに流れる電流の減少割合を示す係数であり、平滑回路の各素子のパラメータやカウントする際の一定時間等に基づいて設定される。
【0022】
本発明に係るスイッチング電源装置は、デジタル制御によってスイッチング素子をスイッチング制御するための駆動信号を生成する制御装置と、制御装置で生成した駆動信号に基づいてオン/オフするスイッチング素子とを含み、制御装置は、上記のいずれかの制御装置であることを特徴とする。
【0023】
このスイッチング電源装置は、制御装置を上記制御装置の構成とし、駆動信号から推定された推定電流信号に基づいて生成された駆動信号によりスイッチング素子をオン/オフする。そして、このスイッチング電源装置では、目標電圧となるように、スイッチング素子のオン/オフにより入力電圧を出力電圧に変換する。上記制御装置によって制御されることにより、このスイッチング電源装置では、インダクタンス電流を検出する手段がなくても、電流モード制御によるフィードバック制御によってスイッチング素子をオン/オフできる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係るスイッチング電源装置用制御装置及びスイッチング電源装置の実施の形態を説明する。
【0025】
本実施の形態では、本発明に係るスイッチング電源装置を降圧型のDC/DCコンバータに適用し、本発明に係るスイッチング電源装置用制御装置をDC/DCコンバータのスイッチング素子を制御するためのPWM信号を生成するコントローラICに適用する。本実施の形態に係るコントローラICは、高速で処理を行うデジタル制御式であり、PWM信号に基づいてインダクタンス電流を推定した推定電流信号を用いて電流モード制御によりDC/DCコンバータをフィードバック制御する。
【0026】
図1を参照して、DC/DCコンバータ1の構成について説明する。図1は、DC/DCコンバータの構成図である。
【0027】
DC/DCコンバータ1は、直流の入力電圧VIを直流の出力電圧VO(<VI)に変換する電源回路であり、様々な用途で使用でき、例えば、VRM[Voltage Regulator Module]で使用される。また、DC/DCコンバータ1は、PWM制御によりスイッチング素子をオン/オフするスイッチングレギュレータである。入力電圧VIは、可変であり、入力電圧範囲(例えば、5〜12V)が設定されている。出力電圧VOは、負荷Lに応じて一定の目標電圧(例えば、1V)が設定されている。負荷Lは、例えば、コンピュータやルータ等の通信機器などのCPU、MPU、DSPが相当し、処理負荷に応じて負荷電流が大きく変動する負荷である。
【0028】
DC/DCコンバータ1は、主な構成として、2個のFET等のスイッチング素子2,3、インダクタンス4、コンデンサ5、A/Dコンバータ6及びコントローラIC7を備えている。スイッチング素子2は、コントローラIC7からのPWM信号がハイ信号のときにオンする。スイッチング素子3は、PWM信号がロー信号のときにオンする。インダクタンス4及びコンデンサ5は、平滑回路を構成する。スイッチング素子2,3のスイッチング動作によって振幅が入力電圧VIに等しいパルス状電圧が平滑回路に出力され、平滑回路においてそのパルス状電圧を平均化する。A/Dコンバータ6は、電圧センサ(図示せず)で検出したアナログの出力電圧VOをデジタルの出力電圧VOに変換し、コントローラIC7に出力する。コントローラIC7は、出力電圧VOが目標電圧となるようにデジタルの出力電圧VOに基づいて電流モード制御によりPWM信号を生成し、スイッチング素子2,3のオン/オフを制御する。
【0029】
図2〜図9を参照して、コントローラIC7の構成について説明する。図2は、コントローラICの構成図である。図3は、アップダウンカウンタであり、(a)がアップダウンカウンタの構成図であり、(b)が(a)のフィルタの構成図である。図4は、アップダウンカウンタにおける推定電流信号生成の説明図であり、(a)がマスタクロックであり、(b)がPWM信号であり、(c)がセレクト信号であり、(d)が推定電流信号である。図5は、図2のローパスフィルタの構成図である。図6は、コントローラICにおいて推定電流信号から間欠的に直流成分を除去するタイミングチャートであり(直流成分が0より大きい場合)、(a)がPWM信号であり、(b)が推定電流信号と直流成分であり、(c)がリセット信号であり、(d)が直流成分除去後の推定電流信号と制御信号である。図7は、コントローラICにおいて推定電流信号から間欠的に直流成分を除去するタイミングチャートであり(直流成分が0以下の場合)、(a)がPWM信号であり、(b)が推定電流信号と直流成分であり、(c)がリセット信号であり、(d)が直流成分除去後の推定電流信号と制御信号である。図8は、推定電流信号において直流成分が累積する理由を説明するための説明図である。図9は、コントローラICにおける電流モード制御の説明図であり、(a)が制御信号と直流成分除去後の推定電流信号であり、(b)がコンパレータ信号であり、(c)がセット信号であり、(d)がパルス幅制限信号であり、(e)がPWM信号である。
【0030】
コントローラIC7は、マスタクロック(例えば、10MHz〜100MHz)に基づいて動作するデジタル回路である(図2参照)。コントローラIC7では、P制御によるフィードバック制御により、A/Dコンバータ6で変換されたデジタルの出力電圧VOと目標電圧VREFとの差分値にP制御の利得Gを乗算して制御信号CSを生成する。また、コントローラIC7では、生成したPWM信号PSをマイナループによってフィードバックし、生成したPWM信号PSに基づいてDC/DCコンバータ1のインダクタンス4に流れる電流を推定した推定電流信号PCを生成する。さらに、コントローラIC7では、推定電流信号PCから直流成分DCを除去するとともに累積している直流成分DCを間欠的に0にリセットし、直流成分DCを除去した推定電流信号PC’を生成する。そして、コントローラIC7では、制御信号CSと推定電流信号PC’からPWM信号PSを生成する。そのために、コントローラIC7は、減算器10、乗算器11、アップダウンカウンタ12、リセット発生回路13、ローパスフィルタ14、減算器15、コンパレータ16、RSフリップフロップ回路17、アンド回路18を備えている。なお、以下の説明におけるハイ信号はコントローラIC7を電源電圧(例えば、5V)等が設定され、図中では1で示している。また、ロー信号は0Vが設定され、図中では0で示している。
【0031】
なお、本実施の形態では、減算器10及び乗算器11が特許請求の範囲に記載する制御信号設定手段に相当し、アップダウンカウンタ12が特許請求の範囲に記載する電流推定手段に相当し、ローパスフィルタ14及び減算器15が特許請求の範囲に記載する直流成分除去手段に相当し、リセット発生回路13及びローパスフィルタ14が特許請求の範囲に記載する直流成分リセット手段に相当し、コンパレータ16が特許請求の範囲に記載する比較手段に相当する。
【0032】
減算器10は、目標電圧VREFと出力電圧VOが入力され、目標電圧VREFから出力電圧VOを減算し、その減算値(VREF−VO)を乗算器11に出力する。
【0033】
乗算器11は、減算値(VREF−VO)が入力され、その減算値(VREF−VO)にP制御の利得Gを乗算し、その乗算値G(VREF−VO)を制御信号CSとしてコンパレータ16に出力する。この制御信号CSは、推定電流信号PC’と比較する際の目標の電流信号である。
【0034】
アップダウンカウンタ12は、PWM信号PSに基づいて推定電流信号PCを生成し、推定電流信号PCをローパスフィルタ14及び減算器15に出力する。そのために、アップダウンカウンタ12は、セレクタ20及びフィルタ21を備えている(図3参照)。推定電流信号PCは、DC/DCコンバータ1のインダクタンス4に流れる電流を推定した信号であり、PWM信号PSがスイッチング素子2をオンにする期間(ハイ信号期間)のときにアップ係数に基づいて増加し、オフする期間(ロー信号期間)のときにダウン係数に基づいて減少する信号である。
【0035】
セレクタ20は、PWM信号PSに基づいてセレクト信号SLを生成する。そのために、セレクタ20には、コントローラIC7で生成しているPWM信号PSが入力される。セレクタ20では、PWM信号PSがハイ信号のときにはアップ係数(=a)を選択し、セレクト信号SLにaを設定する(図4(b),(c)参照)。また、セレクタ20では、PWM信号PSがロー信号のときにはダウン係数(=−b)を選択し、セレクト信号SLに−bを設定する(図4(b),(c)参照)。
【0036】
なお、アップ係数のaとダウン係数の−bは、DC/DCコンバータ1におけるインダクタンス4やコンデンサ5のパラメータやマスタクロックMCの一周期等に基づいて設定され、DC/DCコンバータ1におけるインダクタンス電流の増加する割合を示す値又は減少する割合を示す値である。これら係数a,bは、実際のDC/DCコンバータ1におけるインダクタンス4に含まれる抵抗成分や入力電圧VIの変動等を考慮して設定されていない。そのため、これら係数a,bを用いて推定した推定電流信号PCは、実際のインダクタンス電流とずれを生じ、誤差成分(直流成分)を含むことになる。
【0037】
フィルタ21は、積分特性を有するフィルタであり、セレクト信号SLに基づいて推定電流信号PCを生成する。フィルタ21は、図3(b)に示すように、Dフリップフロップ21a及び加算器21bからなる。Dフリップフロップ回路21aでは、出力値Ynが入力され、マスタクロックMCに基づいて出力値の前回値Yn-1を保持し、加算器21bに出力する。加算器21bでは、入力値Unに出力値の前回値Yn-1を加算し、出力値Ynとして出力する。具体的には、フィルタ21では、マスタクロックMCの一周期毎にセレクト信号SLの値を前回値に順次加算し、その加算した値を推定電流信号PCとして出力する(図4(a)、(c)、(d)参照)。つまり、セレクト信号SLがaの値のときにはaを前回値に加算し、−bの値のときには前回値からbを減算していく。
【0038】
【数1】
Figure 0003708086
フィルタ21は、(1)式で表され、Unがセレクタ20からのセレクト信号SLであり、Ynが推定電流信号PCである。
【0039】
リセット発生回路13は、ローパスフィルタ14で抽出する直流成分DCをリセットするタイミングを規定するリセット信号RSを生成する。そのために、リセット発生回路13には、コントローラIC7で生成しているPWM信号PS及びローパスフィルタ14で抽出した直流成分DCが入力される。リセット発生回路13では、リセットを行わないリセット解除期間の場合、リセット信号RSとしてハイ信号を設定する(図6(c)、図7(c)参照)。また、リセット発生回路13では、PWM信号PSの周期数(ロー信号からハイ信号の立ち上がり)をカウントし、そのカウント値が10になると(すなわち、PWM信号PSの10周期分が経過すると)、リセット期間を開始するためにリセット信号RSにロー信号に設定する(図6(a)、(c)、図7(a)、(c)参照)。ロー信号に設定後、リセット発生回路13では、直流成分DCが0より大きいか否かを判定する。直流成分DCが0より大きい場合、リセット発生回路13では、PWM信号PSがロー信号からハイ信号の立ち上がったか否かを判定し、立ち上がったときには、リセット期間を終了するためにリセット信号RSにハイ信号を設定する(図6(a)、(c)参照)。ちなみに、直流成分が0より大きい場合には、リセット信号RSがロー信号になると、推定電流信号PC’が急激にプラス側に大きくなって制御信号CSより大きくなり、PWM信号PSとしてはロー信号になっている(図6(a)、(d)参照)。一方、直流成分DCが0以下の場合、リセット発生回路13では、PWM信号PSがハイ信号からロー信号の立ち下がったか否かを判定し、立ち下がったときには、リセット期間を終了するためにリセット信号RSにハイ信号を設定する(図7(a)、(c)参照)。ちなみに、直流成分が0以下の場合には、リセット信号RSがロー信号になると、推定電流信号PC’が急激にマイナス側に大きくなって制御信号CSより小さくなり、PWM信号PSとしてはハイ信号になっている(図7(d)参照)。そして、リセット発生回路13では、そのリセット信号RSをローパスフィルタ14に出力する。
【0040】
なお、リセット信号がロー信号になっている期間は、PWM信号PSの数周期分であり、累積している直流成分DCの大きさ(ひいては、リセットした後の推定電流信号PC’の大きさ)や制御信号CSの大きさによって決まる。というのは、PWM信号PSがロー信号からハイ信号又はハイ信号からロー信号に切り換るのは、推定電流信号PC’と制御信号CSとが同じ値になった以降であり、推定電流信号PC’と制御信号CSとの値が離れているほど切り換るのに時間を要する。そのため、リセット信号がロー信号になっている期間(リセット期間)は、リセット後の推定電流信号PC’と制御信号CSとの関係に応じて決まる。
【0041】
なお、直流成分DCをリセットするタイミングをPWM信号PS(すなわち、スイッチング周期)の10周期分としたが、この周期数はDC/DCコンバータ1のコンデンサ5の容量やコントローラIC7におけるゼロクロス周波数等に応じて設定される。直流成分DCをリセットした場合、DC/DCコンバータ1における出力電圧VOに発生するリップル成分がそのリセットタイミングによって変化し、リセットする周期が短いほど、リップルが大きくなる。このリップルはコンデンサ5の容量とゼロクロス周波数の影響を受け、コンデンサ5の容量が大きい場合やゼロクロス周波数が低い場合にはリセットする周期を長く設定できる。
【0042】
ローパスフィルタ14は、IIR[Infinite Impulse Response]型の1次のローパスフィルタであり、推定電流信号PCから直流成分DCを抽出するとともにリセット信号RSに応じて蓄積している直流成分DCをほぼ0にリセットする。ローパスフィルタ14は、図5に示すように、3つの乗算器14a,14b,14c、2つのDフリップフロップ回路14d,14e及び加算器14fから構成される。乗算器14aでは、入力値Unにフィルタ係数a0を乗算して加算器14fに出力する。Dフリップフロップ回路14dでは、入力値Unが入力され、マスタクロックMCに基づいて入力値の前回値Un-1を保持し、乗算器14bに出力する。乗算器14bでは、入力値の前回値Un-1にフィルタ係数a1を乗算して加算器14fに出力する。Dフリップフロップ回路14eでは、出力値Ynが入力され、マスタクロックMCに基づいて出力値の前回値Yn-1を保持し、乗算器14cに出力する。乗算器14cでは、出力値の前回値Yn-1にフィルタ係数b1を乗算して加算器14fに出力する。加算器14fでは、乗算器14a〜14cの各乗算値を加算し、出力値Ynとして出力する。ローパスフィルタ14では、カットオフ周波数を有し、推定電流信号PCにおけるカットオフ周波数より低い周波数成分を直流成分DCとして抽出する(図6(b)、図7(b)参照)。
【0043】
【数2】
Figure 0003708086
ローパスフィルタ14は、(2)式で表され、Unがアップダウンカウンタ12からの推定電流信号PCであり、Ynが直流成分DCである。このローパスフィルタ14は、利得が1に設定され、時間の経過に応じて推定電流信号PCに含まれる直流成分を徐々に抽出していき、ある程度時間が経過すると推定電流信号PCに含まれる全ての直流成分を抽出する。したがって、図6(b)、図7(b)に示すように、直流成分DCがリセットされた後、直流成分DCが0から徐々に増加し、時間が経過するに従って直流成分DCが推定電流信号PCの実際の直流成分に近づいていく。
【0044】
また、ローパスフィルタ14では、推定電流信号PCにおいて累積する直流成分DCをリセットする。そのために、ローパスフィルタ14には、リセット信号RSが入力される。Dフリップフロップ回路14eでは、リセット信号RSが入力され、リセット信号RSがハイ信号のときには出力値の前回値Yn-1を出力し、リセット信号RSがロー信号になると無条件に0を出力する。出力値の前回値Yn-1が0になると、ローパスフィルタ14では、フィルタ係数a0とa1が1より十分に小さい値であり、フィルタ係数b1が1より小さいが1に近い値であるので、出力値Yn(直流成分DC)がほぼ0になる。また、Dフリップフロップ回路14eでは、リセット信号RSがロー信号からハイ信号になると出力値の前回値Yn-1を出力する。出力値の前回値Yn-1が出力されると、ローパスフィルタ14では、出力値Yn(直流成分DC)が推定電流信号PCの実際の直流成分に徐々に近づいていく。なお、Dフリップフロップ回路14dにも、リセット信号RSを入力し、リセット信号RSがロー信号になった場合に無条件に0を出力するようにしてもよい。
【0045】
ここで、推定電流信号PCにおける直流成分が累積する理由について説明する。PWM信号PSによってインダクタンス電流を推定した場合、推定電流には実際のインダクタンス電流よりも多くの直流成分(誤差成分)が含まれる。そこで、コントローラIC7では、推定電流信号PCから直流成分DCを抽出し、推定電流信号PCから直流成分DCを減算している。しかし、積分特性を有するフィルタ21によって推定電流信号PCを生成しているので、図8の斜線部分で示すように、推定電流信号PCでは、直流成分が所定の傾きを持って増加(あるいは、減少)し続ける。そのため、ローパスフィルタ14においてある時点t1で直流成分を抽出し、その後段の減算器15において抽出した直流成分を減算する時点t2では推定電流信号PCにおける直流成分がある時点t1の直流成分より増加(あるいは、減少)している。したがって、直流成分を減算した後もt1からt2の期間の増え(あるいは、減り)続ける直流成分が残り、ローパスフィルタ14においてその直流成分を累積し、プラス側(あるいは、マイナス側)における直流成分が増加する。そのため、直流成分をリセットしないと、推定電流信号PCや直流成分DCがプラス側又はマイナス側に無限大に大きくなり、コントローラIC7での処理ができなくなる。
【0046】
減算器15は、推定電流信号PCと直流成分DCが入力され、推定電流信号PCから直流成分DCを減算し、その減算値(PC−DC)を直流成分除去後の推定電流信号PC’として出力する。減算器15では、マスタクロックMCの一周期毎に減算処理を行っている。ちなみに、直流成分DCがプラス値の場合には直流成分除去後の推定電流信号PC’は推定電流信号PCより小さくなり(図6(b)、(d)参照)、直流成分DCがマイナス値の場合には直流成分除去後の推定電流信号PC’は推定電流信号PCより大きくなる(図7(b)、(d)参照)。
【0047】
コンパレータ16は、直流電流除去後の推定電流信号PC’が制御信号CSに達するか否かを判定し、コンパレータ信号COを生成する。そのために、コンパレータ16には、非反転入力端子に推定電流信号PC’が入力され、反転入力端子に制御信号CSが入力される。
【0048】
直流成分DCのリセット解除期間では、コンパレータ16では、推定電流信号PC’と制御信号CSとを比較し、推定電流信号PC’が制御信号CSに達したときにコンパレータ信号COとしてハイ信号を出力し、達していないときにはコンパレータ信号COとしてロー信号を出力する(図9(a),(b)参照)。コンパレータ信号COは、推定電流信号PC’が制御信号CSに達した一瞬ハイ信号となる信号であり、RSフリップフロップ回路17に出力される。ちなみに、推定電流信号PC’は、制御信号CSに達するまでは増加し、達すると減少するように生成されている。
【0049】
直流成分DCのリセット期間では、推定電流信号PC’は、プラス側又はマイナス側に急激に大きくなっているので、リセット解除期間のような制御ができなくなる。直流成分DCが0より大きい場合、推定電流信号PC’は制御信号CSより大きくなっており(図6(d)参照)、コンパレータ16では、推定電流信号PC’が制御信号CSより小さくなるまでコンパレータ信号COとしてハイ信号を継続して出力し、推定電流信号PC’が制御信号CSより小さくなるとコンパレータ信号COとしてロー信号を出力する。コンパレータ信号COは、リセット解除期間ではハイ信号は一瞬しか出力されないが、リセット期間ではPWM信号PSの数周期分もハイ信号が出力され続ける。一方、直流成分DCが0以下の場合、推定電流信号PC’は制御信号CSより小さくなっており(図7(d)参照)、コンパレータ16では、推定電流信号PC’が制御信号CSより大きくなるまでコンパレータ信号COとしてロー信号を出力し、推定電流信号PC’が制御信号CSに達するとコンパレータ信号COとしてハイ信号を出力する。コンパレータ信号COは、リセット解除期間ではロー信号がPWM信号PSの一周期分以上続けて出力されないが、リセット期間ではPWM信号PSの数周期分もロー信号が出力され続ける。
【0050】
RSフリップフロップ回路17は、PWM信号PSのもととなるハイ信号とロー信号を出力する。そのために、RSフリップフロップ回路17には、セット信号SSとコンパレータ信号COが入力される(図9(b)、(c)参照)。
【0051】
直流成分DCのリセット解除期間では、RSフリップフロップ回路17では、セット信号SSがハイ信号になると、ロー信号からハイ信号に切り換え、ハイ信号を保持する。そして、RSフリップフロップ回路17では、コンパレータ信号COがハイ信号になると、ハイ信号からロー信号に切り換え、ロー信号を保持する。PWM信号PSの周波数は、例えば、100kHz〜1MHzであり、DC/DCコンバータ1におけるスイッチング周波数に相当する。
【0052】
直流成分DCのリセット期間では、コンパレータ16のコンパレータ信号COにおいてハイ信号又はロー信号がPWM信号PSの数周期分も続けて出力される。コンパレータ信号COとしてハイ信号が出力され続ける期間では、RSフリップフロップ回路17では、ロー信号を保持し続ける。この場合、セット信号SSがハイ信号になるとロー信号からハイ信号に一瞬切り換えるが、一瞬なので、実質的にはロー信号が保持されている状態である。そして、RSフリップフロップ回路17では、コンパレータ信号COがハイ信号からロー信号に切り換った後にセット信号SSがハイ信号になると、ロー信号からハイ信号に切り換え、ハイ信号を保持する。一方、ロー信号が出力され続ける期間では、RSフリップフロップ回路17では、ハイ信号を保持し続ける。そして、RSフリップフロップ回路17では、コンパレータ信号COがロー信号からハイ信号に切り換わると、ハイ信号からロー信号に切り換え、ロー信号を保持する。
【0053】
なお、セット信号SSは、分周器(図示せず)によってマスタクロックMCを分周した信号であり、PWM信号PSの一周期(DC/DCコンバータ1のスイッチング周期)を規定する信号であり、PWM信号PSのロー信号からハイ信号への立ち上りを規定するパルスをハイ信号(マスタクロックMCの一周期分)で出力する。
【0054】
アンド回路18は、PWM信号PSのパルス幅を制限し、PWM信号PSを出力する。そのために、アンド回路18には、RSフリップフロップ回路17の出力信号とパルス幅制限信号PLSが入力される(図9(d)参照)。アンド回路18では、RSフリップフロップ回路17の出力信号がハイ信号かつパルス幅制限信号PLSがハイ信号の場合にハイ信号を出力し、それ以外の場合にロー信号を出力する(図9(d),(e)参照)。このハイ信号とロー信号とからなる信号がPWM信号PSである。
【0055】
パルス幅制限信号PLSは、分周器によってマスタクロックMCを分周した信号であり、PWM信号PSの周期と同一周期であり、PWM信号PSで許容される最大のパルス幅(ひいては、DC/DCコンバータ1で許容される最大の出力電圧)を規定する区間をハイ信号として出力する。
【0056】
なお、直流成分DCのリセット期間では、パルス幅制限信号PLSの全区間をハイ信号にするか、あるいは、アンド回路18を通さずに、RSフリップフロップ回路17の出力をそのままPWM信号PSとする。
【0057】
図1〜図9を参照して、コントローラIC7及びDC/DCコンバータ1の動作を説明する。特に、コントローラIC7のリセット発生回路13における動作は図10のフローチャートに沿って説明する。図10は、リセット発生回路における動作を示すフローチャートである。
【0058】
DC/DCコンバータ1に入力電圧VIが入力される。すると、DC/DCコンバータ1では、コントローラIC7からのPWM信号PSに基づいてスイッチング素子2,3が交互にオン/オフする。さらに、DC/DCコンバータ1では、インダクタンス4及びコンデンサ5でスイッチング素子2のオン期間にパルスとなって出力する入力電圧VIを平均化し、電圧VOを出力する。また、DC/DCコンバータ1では、出力電圧VOを電圧センサで検出し、その検出した出力電圧VOをA/Dコンバータ6でデジタル化してコントローラIC7にフィードバックさせる。
【0059】
コントローラIC7では、目標電圧VREFから出力電圧VOを減算し、その減算値にP制御の利得Gを乗算して制御信号CSを生成する。また、コントローラIC7では、生成したPWM信号PSに基づいてインダクタンス電流を推定し、推定電流信号PCを生成する(図4参照)。さらに、コントローラIC7では、推定電流信号PCから直流成分DCを抽出し、その直流成分DCを推定電流信号PCから減算する(図6(b)、(d)、図7(b)、(d)参照)。そして、コントローラIC7では、制御信号CSと直流成分を除去した推定電流信号PC’とを比較し、推定電流信号PC’が制御信号CSに達したときにハイ信号を出力するコンパレータ信号COを生成する(図9(a)、(b)参照)。さらに、コントローラIC7では、セット信号SSのハイ信号からコンパレータ信号COのハイ信号までパルスを出力し、パルス幅制限信号PLSによってパルス幅に制限をかけて、PWM信号PSを出力する。
【0060】
また、コントローラIC7では、ローパスフィルタ14で抽出する直流成分DCをリセットするために、リセット信号RSを生成する。まず、コントローラIC7では、リセット信号RSにハイ信号をセットするとともに(図10のS1、図6(c)、図7(c)参照)、カウント値を0に初期化する(図10のS2)。
【0061】
そして、コントローラIC7では、PWM信号PSがロー信号からハイ信号に立ち上がった否かを判定し(図10のS3)、立ち上がるまでこの判定を続ける。S3で立ち上がったと判定すると、コントローラIC7では、カウンタ値に1を加算する(図10のS4)。つまり、PWM信号PSが一周期分の時間が経過する毎に、カウント値をカウントアップする。
【0062】
続いて、コントローラIC7では、カウント値が10になったか否かを判定し(図10のS5)、カウント値が10でない場合にはS3の処理に移行してPWM信号PSの立ち上がりを待つ。すなわち、PWM信号PSの10周期分の時間が経過したか否かを判定している。この間、推定電流信号PCに含まれる直流成分及び抽出する直流成分DCはプラス側又はマイナス側に増加を続けている(図6(b)、図7(b)参照)。
【0063】
S5でカウンタ値が10になったと判定すると、コントローラIC7では、リセット信号RSにロー信号をセットし(図10のS6、図6(c)、図7(c)参照)、直流成分除去を含まない制御に移る。リセット信号RSがロー信号になると、コントローラIC7では、抽出する直流成分DCをほぼ0にリセットする(図6(b)、(c)、図7(b)、(c)参照)。
【0064】
直流成分DCがプラス値だった場合、推定電流信号PCから減算されるプラスの直流成分DCが無くなるので(図6(b)参照)、推定電流信号PC’が急激に増加する(図6(d)参照)。そのため、推定電流信号PC’が制御信号CSの値を大きく超えるので、コントローラIC7では、PWM信号PSをハイ信号からロー信号に直ちに切り換え、推定電流信号PC’が制御信号CSより小さくなるまでPWM信号PSのロー信号を継続する(図6(a)、(d)参照)。PWM信号PSがロー信号を継続している間、推定電流信号PCは減少を続け、それに応じて推定電流信号PC’も減少を続ける(図6(b)、(d)参照)。やがて、推定電流信号PC’が制御信号CSより小さくなると通常の制御に戻り、コントローラIC7では、セット信号SSがハイ信号になると、PWM信号PSをロー信号からハイ信号に切り換える(図6(a)、(d)参照)。
【0065】
一方、直流成分DCがマイナス値だった場合、推定電流信号PCから減算されるマイナスの直流成分DCが無くなるので(図7(b)参照)、推定電流信号PC’が急激に減少する(図7(d)参照)。そのため、推定電流信号PC’が制御信号CSより相当小さくなるので、コントローラIC7では、推定電流信号PC’が制御信号CSに達するまでPWM信号PSのハイ信号を継続する(図7(a)、(d)参照)。PWM信号PSがハイ信号を継続している間、推定電流信号PCは増加を続け、それに応じて推定電流信号PC’も増加を続ける(図7(b)、(d)参照)。やがて、推定電流信号PC’が制御信号CSに達すると通常の制御に戻り、コントローラIC7では、PWM信号PSをハイ信号からロー信号に切り換える(図7(a)、(d)参照)。
【0066】
リセット信号RSをロー信号にセットした後、コントローラIC7では、直流成分DCが0より大きいか否かを判定する(図10のS7)。ちなみに、リセット信号RSがロー信号に切り換った後、直流成分DCが0より大きい場合にはPWM信号PSはロー信号を継続し、直流成分DCが0以下の場合にはPWM信号PSはハイ信号を継続している。
【0067】
S7で直流成分DCを0より大きいと判定すると、コントローラIC7では、PWM信号PSがロー信号からハイ信号に立ち上がったか否かを判定し、立ち上がるまでのこの判定を続ける(図10のS8)。S8で立ち上がったと判定すると、コントローラIC7では、S1に戻ってリセット信号RSにハイ信号をセットし、直流成分除去を含む通常制御に移る。通常制御に戻ると、推定電流信号PCは減少し続けていた値がPWM信号PSに応じて増減し、直流成分DCは0から徐々に増加する(図6(a)、(b)参照)。
【0068】
一方、S7で直流成分DCを0以下と判定すると、コントローラIC7では、PWM信号PSがハイ信号からロー信号に立ち下がったか否かを判定し、立ち下がるまでのこの判定を続ける(図10のS9)。S9で立ち下がったと判定すると、コントローラIC7では、S1に戻ってリセット信号RSにハイ信号をセットし、直流成分除去を含む通常制御に移る。通常制御に戻ると、推定電流信号PCは増加し続けていた値がPWM信号PSに応じて増減し、直流成分DCは0から徐々に減少する(図7(a)、(b)参照)。
【0069】
このように直流成分DCを間欠的にリセットすることによって、推定電流信号PCでは累積していた直流成分が間欠的に除去され、推定電流信号PC及び直流成分DCが無限大に大きくならない。そのため、コントローラIC7において、推定電流信号PCや直流成分DCが大きくなり過ぎて制御不能になることがない。また、推定電流信号PCが実際のインダクタンス電流からかけ離れていくことなく、インダクタンス電流の推定の精度が向上する。その結果、コントローラIC7では、実際のインダクタンス電流による電流モード制御に近い精度で電流モード制御を行うことができる。
【0070】
ちなみに、リセット期間は、出力電圧VOを目標電圧VREFに近づける通常の制御ができない。しかし、リセット期間はリセット解除期間に比べて十分に短いので、制御全体としては出力電圧VOを目標電流VREFに近づけるように制御される。
【0071】
このコントローラIC7によれば、インダクタンス4の電流検出手段を有しないが、インダクタンス電流を推定することによって電流モード制御を行うことができる。さらに、コントローラIC7では、推定電流信号PCから直流成分DCを除去するとともに累積する直流成分DCを間欠的にリセットすることによって、推定電流を実際のインダクタンス電流に出来る限り近づけ、電流モード制御における精度を向上させている。
【0072】
また、コントローラIC7では、セレクタ20とフィルタ21による簡単な構成によって推定電流信号PCを生成することができる。さらに、コントローラIC7では、1次のデジタルのローパスフィルタ14による簡単な構成によって直流成分DCの抽出と直流成分DCのリセットを行うことができる。
【0073】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0074】
例えば、本実施の形態ではデジタル回路(ハードウエア)によって制御装置を構成したが、マイクロコンピュータ等に組み込まれるプログラム(ソフトウエア)により制御装置における各手段を実現するように構成してもよい。この各手段を実現するプログラムは、CD−ROM等の記憶媒体やインターネット等による配信によって流通する場合あるいはコンピュータに組み込まれた状態で制御装置として流通する場合もある。
【0075】
また、本実施の形態ではDC/DCコンバータに適用したが、AC/DCコンバータやDC/ACコンバータにも適用可能である。また、本実施の形態ではトランスを有しない非絶縁型かつ降圧型のコンバータに適用したが、トランスを有する絶縁型のコンバータにも適用可能であり、昇圧型又は昇降圧型のコンバータにも適用可能である。
【0076】
また、本実施の形態ではP制御に適用したが、PI制御やPID制御等の他の制御にも適用可能である。
【0077】
また、本実施の形態では直流成分を抽出する手段をIIR型の1次のローパスフィルタで構成したが、2次のローパスフィルタ等の他のローパスフィルタで構成してもよいし、ローパスフィルタ以外の他の回路によって構成してもよい。
【0078】
また、本実施の形態では直流成分をリセットする信号をPWM信号の周期(スイッチング周期)の10周期分からなるリセット信号としたが、マスタクロックの周期より十分に長い周期であれば、PWM信号の10周期分以外の他の周期数でもよいし、あるいは、PWM信号の周期の整数倍の周期でなくてもよい。PWM信号の周期の整数倍としない場合には、マスタクロックの周期等を基準としてリセット信号を設定する。また、本実施の形態ではPWM信号に基づいてPWM信号の周期数をカウントしたが、セット信号等を用いてカウントしてもよい。
【0079】
また、本実施の形態ではA/DコンバータとコントローラICとを別体で構成したが、A/DコンバータがコントローラICに含まれる構成でもよい。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、駆動信号に基づいてインダクタンス電流を推定し、その推定電流から直流成分を除去するとともに直流成分を間欠的にリセットすることによって、スイッチング電源回路に流れるインダクタンスの電流を検出する手段が無くても電流モード制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るDC/DCコンバータの構成図である。
【図2】図1のコントローラICの構成図である。
【図3】図2のアップダウンカウンタであり、(a)がアップダウンカウンタの構成図であり、(b)が(a)のフィルタの構成図である。
【図4】図2のアップダウンカウンタにおける推定電流信号生成の説明図であり、(a)がマスタクロックであり、(b)がPWM信号であり、(c)がセレクト信号であり、(d)が推定電流信号である。
【図5】図2のローパスフィルタの構成図である。
【図6】図2のコントローラICにおいて推定電流信号から間欠的に直流成分を除去するタイミングチャートであり(直流成分が0より大きい場合)、(a)がPWM信号であり、(b)が推定電流信号と直流成分であり、(c)がリセット信号であり、(d)が直流成分除去後の推定電流信号と制御信号である。
【図7】図2のコントローラICにおいて推定電流信号から間欠的に直流成分を除去するタイミングチャートであり(直流成分が0以下の場合)、(a)がPWM信号であり、(b)が推定電流信号と直流成分であり、(c)がリセット信号であり、(d)が直流成分除去後の推定電流信号と制御信号である。
【図8】推定電流信号において直流成分が累積する理由を説明するための説明図である。
【図9】図2のコントローラICにおける電流モード制御の説明図であり、(a)が制御信号と直流成分除去後の推定電流信号であり、(b)がコンパレータ信号であり、(c)がセット信号であり、(d)がパルス幅制限信号であり、(e)がPWM信号である。
【図10】図2のリセット発生回路における動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…DC/DCコンバータ、2,3…スイッチング素子、4…インダクタンス、5…コンデンサ、6…A/Dコンバータ、7…コントローラIC、10…減算器、11…乗算器、12…アップダウンカウンタ、13…リセット発生回路、14…ローパスフィルタ、14a〜14b…乗算器、14d,14e…Dフリップフロップ回路、14f…加算器、15…減算器、16…コンパレータ、17…RSフリップフロップ回路、18…アンド回路、20…セレクタ、21…フィルタ、21a…Dフリップフロップ回路、21b…加算器

Claims (5)

  1. デジタル変換されたスイッチング電源装置における出力電圧と目標電圧とに基づいて制御信号を設定する制御信号設定手段と、
    スイッチング電源装置のスイッチング素子を制御するための駆動信号におけるスイッチング素子のオン期間をアップ係数に基づいて一定時間毎にカウントアップし、駆動信号におけるスイッチング素子のオフ期間をダウン係数に基づいて一定時間毎にカウントダウンするアップダウンカウンタによりスイッチング電源装置の平滑回路のインダクタンスに流れる電流を推定し、推定電流信号を生成する電流推定手段と、
    前記電流推定手段で推定した推定電流信号に含まれる直流成分を抽出し、前記推定電流信号から直流成分を除去する直流成分除去手段と、
    前記直流成分除去手段で抽出する直流成分を所定時間毎にリセットする直流成分リセット手段と、
    前記制御信号設定手段で設定した制御信号と前記直流成分除去手段で直流成分を除去した後の推定電流信号とを比較し、当該直流成分を除去した推定電流信号が前記制御信号に達するか否かを検出する比較手段と
    を含むことを特徴とするスイッチング電源装置用制御装置。
  2. 前記直流成分除去手段は、
    前記推定電流信号から直流成分を抽出するローパスフィルタと、
    前記電流推定手段で生成した推定電流信号から前記ローパスフィルタで抽出した直流成分を減算する減算器と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載するスイッチング電源装置用制御装置。
  3. 前記直流成分リセット手段は、前記ローパスフィルタにリセット信号を入力し、前記ローパスフィルタの遅延器の出力を前記所定時間毎にリセットすることを特徴とする請求項2に記載するスイッチング電源装置用制御装置。
  4. 前記所定時間は、前記駆動信号の周期の整数倍であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載するスイッチング電源装置用制御装置。
  5. デジタル制御によってスイッチング素子をスイッチング制御するための駆動信号を生成する制御装置と、
    前記制御装置で生成した駆動信号に基づいてオン/オフするスイッチング素子と
    を含み、
    前記制御装置は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載する制御装置であることを特徴とするスイッチング電源装置。
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