JP3697243B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、(1)高い吐出量で押出した場合においても良好な成形片表面外観を有し、(2)熱暴露(アニール)後もアイゾッド衝撃強度を維持し、かつ(3)生産時の異物(黒点)の発生を低下させた熱可塑性樹脂組成物に関する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、電気・電子部品、OA部品、機械部品及び、オートバイ・自動車の電装部品内外装部品などの幅広い分野に好適に用いることができる。
【0002】
【背景技術】
ポリフェニレンエーテルは機械的性質・電気的性質及び耐熱性に優れており、しかも寸法安定性に優れるため幅広い用途で使用されている。しかし、ポリフェニレンエーテル単独では成形加工性に劣っている。その成形加工性を改良するためにポリアミドを配合する技術が特公昭45−997号公報で提案されている。この材料は、現在では多種多様な用途に使用されるようになっている。
ポリフェニレンエーテルとポリアミドからなるポリマーアロイへの耐衝撃性付与の為に、衝撃改良材を配合する技術は、例えば特開平2−11656号公報にあるように知られている。
【0003】
特開昭64−81852号公報及び特開平2−58563号公報には、ABA型トリブロック共重合体とAB型ジブロック共重合体の2種のエラストマーを配合することにより耐衝撃性を向上させる技術が開示されている。更に特開平6−240130号公報には、芳香族ビニル化合物ブロックの重量比が異なる複数のブロック共重合体を配合することにより、成形加工性・機械的特性・耐熱性を向上させる技術が開示されている。
近年、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイに対する市場の要求は、多様化するとともに、ハイレベル化している。
【0004】
例えば自動車用電装部品の一つであるリレーブロック材料は、エンジンルーム内という高温環境下に設置されるために、長期間熱暴露された後の耐衝撃強度の維持が強く要求されている。また、自動車の軽量化に起因するリレーブロック材料の薄肉化という流れの中で、生産時に発生し混入する異物(黒点と呼ばれ、主として原料の炭化物で形成される)が短絡等の問題となる恐れがあり、この低減が強く要求されている。
【0005】
また、ここ数年で、押出機がめざましい性能向上(メガコンパウンダー化)を遂げ、押出時の吐出量を飛躍的に向上させることができるようになっている。
ところが、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイは化学反応を伴うポリマーアロイであるため、吐出量の増加により相溶性が変化し、成形後の表面外観が急激に悪化する。したがってポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイの押出においては吐出量を充分に上げることができず、生産性に劣るといった問題点が顕在化してきている。
これらの最近になり明らかになってきた課題は、上述した従来の技術では充分に解決することができず、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイの各分野への汎用性に劣るといった問題点が指摘されていた。
【0006】
本発明は、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイの抱えるこれら問題点(高い吐出量で押出した場合における成形片の表面外観の悪化・熱暴露後の耐衝撃強度の低下・生産時の異物の発生)を同時に解決しようとするものである。
【0007】
【発明の開示】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、分子量の異なる複数のブロック共重合体を併用することにより、(1)高い吐出量で押出した場合においても良好な成形片表面外観を有し、(2)熱暴露後も耐衝撃強度を維持し、(3)生産時の異物の発生を低下させた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見いだした。
【0008】
すなわち本発明は、
(A)ポリアミド50〜90重量部、
(B)ポリフェニレンエーテル50〜10重量部、及び
(C)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック少なくとも1個を含むブロック共重合体の水素添加されたブロック共重合体1〜35重量部、ここで該重量部は、該(A)と該(B)の合計100重量部に対するものである、
を含む熱可塑性樹脂組成物において、
該(C)成分が(C1)数平均分子量120,000未満のブロック共重合体と、(C2)数平均分子量170,000以上、300,000未満のブロック共重合体との混合物である、熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0009】
【発明を実施するための最良の形態】
次に本発明で使用することのできる各成分について詳しく述べる。
本発明で使用することのできる(A)成分のポリアミドには、主鎖中にアミド結合{−NH−C(=O)−}を有する重合体であれば、いずれも包含される。
一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルナノメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンが挙げられる。
【0010】
ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
ラクタム類としては、具体的にはεカプロラクタム、エナントラクタム、ωラウロラクタムなどが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはεアミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノナノン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
【0011】
本発明においては、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ωアミノカルボン酸として、単独あるいは二種以上の混合物を用いて重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類はいずれも使用することができる。
また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ωアミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
【0012】
特に本発明で有用に用いることのできる(A)ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミド6,MXD(m−キシリレンジアミン)、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,Iなどが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類も使用することができる。好ましいポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6及び、それらの混合物であり、最も好ましくはポリアミド6,6である。
【0013】
本発明で使用される(A)ポリアミド樹脂の好ましい数平均分子量は5,000〜100,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。
本発明における(A)ポリアミド樹脂はこれらに限定されるものではなく、分子量の異なる複数のポリアミド樹脂の混合物であっても良い。例えば数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、30,000以上の高分子量ポリアミドの混合物、数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、15,000程度の一般的なポリアミドの混合物等である。
【0014】
ポリアミドの末端基は、官能化ポリフェニレンエーテルとの反応に関与する。ポリアミド樹脂は末端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有しているが、一般的にカルボキシル基濃度が高くなると、耐衝撃性が低下し、流動性が向上し、逆にアミノ基濃度が高くなると耐衝撃性が向上し、流動性が低下する。
本願における、これらの末端基の好ましい比はアミノ基/カルボキシル基濃度比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6/4〜1/9である。
また、末端のアミノ基の濃度としては少なくとも10ミリ当量/kgであることが好ましい。更に好ましくは30ミリ当量/kg以上である。
これらポリアミド樹脂の末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いることができる。例えばポリアミド樹脂の重合時に所定の末端濃度となるようにジアミン化合物、モノアミン化合物、ジカルボン酸化合物、モノカルボン酸化合物などから選ばれる1種以上の化合物を添加する方法が挙げられる。
【0015】
また、本発明においては、ポリアミド樹脂の耐熱安定性を向上させる目的で公知となっている特開平1−163262号公報に記載されているような金属系安定剤も、問題なく使用することができる。
これら金属系安定剤の中で特に好ましいものとしては、CuI、CuCl2、酢酸銅、ステアリン酸セリウム等が挙げられる。また、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等に代表されるアルキル金属のハロゲン化塩も好適に使用することができる。これらは、もちろん併用添加しても構わない。
金属系安定剤および、又はアルキル金属のハロゲン化塩の好ましい配合量は、合計量としてポリアミド樹脂の100重量部に対して、0.001〜1重量部である。
【0016】
また、本発明においては、上述した金属系安定剤の他に、公知の有機安定剤も問題なく使用することができる。有機安定剤の例としては、イルガノックス1098等に代表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤、イルガフォス168等に代表されるリン系加工熱安定剤、HP−136に代表されるラクトン系加工熱安定剤、イオウ系耐熱安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
これら有機安定剤の中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、もしくはその併用がより好ましい。
これら有機安定剤の好ましい配合量は、ポリアミド樹脂の100重量部に対して、0.001〜1重量部である。
さらに、上記の他にポリアミドに添加することが可能な公知の添加剤等もポリアミド100重量部に対して10重量部未満の量で添加してもかまわない。
【0017】
本発明で使用できる(B)ポリフェニレンエーテルとは、下記式の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
【0018】
【化1】
【0019】
〔式中、Oは酸素原子、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。〕
【0020】
本発明の(B)ポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されてあるような2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や2,6−ジメチルフェノールと2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、またはこれらの混合物である。
【0021】
本発明で用いる(B)ポリフェニレンエーテルの製造方法は公知の方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報、特公昭52−17880号公報及び同63−152628号公報等に記載された製造方法等が挙げられる。
本発明で使用することのできる(B)ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c:0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
【0022】
本発明においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルの混合物も、何ら問題なく使用することができる。混合物として、例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0023】
また、本発明に使用できる(B)ポリフェニレンエーテルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して5重量%未満の量で残存していても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤を重合後の乾燥工程で完全に除去することは困難であるので、通常数百ppmから数%の範囲で重合体中に残存しているものである。ここでいう重合溶媒に起因する有機溶媒としては、トルエン、キシレンの各異性体、エチルベンゼン、炭素数1〜5アルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の1種以上が挙げられる。
【0024】
また、本発明で使用できる(B)ポリフェニレンエーテルは、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。
ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
【0025】
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下で100℃以上であるがポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物を溶液中で反応させる方法等が挙げられる。これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び、(2)の方法が好ましい。
【0026】
次に分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の、1個または2個のカルボキシル基がエステルになっているものも使用可能である。
【0027】
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基を同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基を同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式CnH2n−3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式CnH2n−5OH、CnH2n−7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5重量部である。
ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.001〜1重量部である。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3重量%である。
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が残存していても構わない。
【0029】
また、変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する変性化合物及び/または、変性化合物の重合体の量を減少させるために、該変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際に、必要に応じてアミド結合及び/またはアミノ基を有する化合物を添加しても構わない。
ここでいうアミド結合を有する化合物とは、分子構造中にアミド結合{−NH−C(=O)−}構造を有する化合物である。アミノ基を有する化合物とは末端に{−NH2}構造を有する化合物である。これら化合物の具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類、アニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、上記アミン類とカルボン酸、ジカルボン酸等との反応物、ε−カプロラクタム等のラクタム類及び、ポリアミド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらアミド結合またはアミノ基を有する化合物を添加する際の好ましい添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対し0.001重量部以上、5重量部未満である。好ましくは0.01重量部以上、1重量部未満、より好ましくは0.01重量部以上、0.1重量部未満である。
【0030】
また、本発明では、スチレン系熱可塑性樹脂を(A)ポリアミドと(B)ポリフェニレンエーテルの合計100重量部に対し、50重量部未満の量であれば配合しても構わない。
本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂とは、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
【0031】
また、ポリフェニレンエーテルの安定化の為に公知となっている各種安定剤も好適に使用することができる。安定剤の例としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の金属系安定剤、ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等の有機安定剤が挙げられる。これら安定剤の好ましい配合量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して5重量部未満である。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
【0032】
次に、本発明で使用することのできる(C)ブロック共重合体について具体的に説明する。
本発明で使用することのできる(C)ブロック共重合体とは、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック少なくとも1個と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック少なくとも1個を含むブロック共重合体である。
芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらから選ばれた1種以上の化合物を用いることができるが、中でもスチレンが特に好ましい。
【0033】
共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらから選ばれた1種以上の化合物を用いることができるが、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
ブロック共重合体の共役ジエン化合物としてブタジエンを使用する場合は、ポリブタジエンブロック部分が5〜80%の1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量との合計量を有していることが好ましい。また、当該含量若しくは合計量が10〜50%であることがさらに好ましく、15〜40%であることが最も好ましい。
【0034】
本発明におけるブロック共重合体として、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック(a)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(b)がa−b型、a−b−a型、a−b−a−b型の中から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体が好ましい。
これらの中でもa−b−a型、a−b−a−b型がより好ましく、更にはa−b−a型が最も好ましい。これらは異なる結合形式を有するブロック共重合体の混合物であっても構わない。
【0035】
また、本発明で使用することのできる芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体は、水素添加されたブロック共重合体であることがより好ましい。水素添加されたブロック共重合体とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合を0を越えて100%の範囲で水素化したものをいう。該水素添加されたブロック共重合体の好ましい水素添加率は50%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは98%以上である。
これらブロック共重合体は水素添加されていないブロック共重合体と水素添加されたブロック共重合体の混合物であってもよい。
【0036】
本発明において、(C)成分のブロック共重合体は低分子量ブロック共重合体と高分子量ブロック共重合体の混合物である事が重要である。具体的には、(C1)数平均分子量120,000未満の低分子量ブロック共重合体と、(C2)数平均分子量120,000以上の高分子量ブロック共重合体との混合物である。
数平均分子量120,000未満のブロック共重合体のみ、もしくは数平均分子量120,000以上のブロック共重合体のみを使用した場合は、(1)高い吐出量で押出した場合の成形片の良好な表面外観、(2)熱暴露後の耐衝撃強度の維持、(3)生産時の異物の発生の低下といった本発明の効果が発現しない。
【0037】
本発明でいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置[GPC SYSTEM21:昭和電工(株)製]を用いて、紫外分光検出器[UV−41:昭和電工(株)製]で測定し[溶媒:クロロホルム、温度:40℃、カラム:サンプル側(K−G,K−800RL,K−800R)、リファレンス側(K−805L×2本)、流量10ml/分、測定波長:254nm,圧力15〜17kg/cm2]、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量を指す。数平均分子量測定時、重合時の触媒失活による低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分は含めない。通常、計算された正しい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.0〜1.1の範囲内である。
【0038】
これら(C1)成分と(C2)成分の重量比は、(C1)/(C2)=95/5〜5/95である。好ましくは(C1)/(C2)=90/10〜10/90である。
また、本発明においては、(C1)成分として、芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量が20,000以上であるブロック共重合体を使用することで、さらに異物の発生が大幅に低下されるという効果を得ることができる。
【0039】
芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量は、上述したブロック共重合体の数平均分子量を用いて、下式により求めることができる。
Mn(a)={Mn×a/(a+b)}/N
[上式中において、Mn(a)は芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量、Mnはブロック共重合体の数平均分子量、aはブロック共重合体中のすべての芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、bはブロック共重合体中のすべての共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、そしてNはブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの数を表す。]
【0040】
また、本発明において、(C1)成分中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの含有量の好ましい範囲は、55重量%以上90重量%未満である。(C1)成分として、上記範囲内のブロック共重合体を用いることにより、高い吐出量で押出した場合においても良好な成形片表面外観が得られるという効果を、更に高めることができる。本発明ではそのようなブロック共重合体がより好適に用いられる。
【0041】
更に、本発明において、(C1)成分として、(C1−a)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55重量%以上90重量%未満の量で含有するブロック共重合体と、(C1−b)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを20重量%以上55重量%未満の量で含有するブロック共重合体との混合物を使用する事により、高い吐出量で押出した場合においても良好な成形片表面外観が得られるという効果の更なる向上を得ることができる。
この際の(C1)成分中の(C1−a)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55重量%以上90重量%未満の量で含有するブロック共重合体と、(C1−b)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを20重量%以上55重量%未満の量で含有するブロック共重合体の重量比は、(C1−a)/(C1−b)=5/95〜95/5の範囲内であり、より好ましくは(C1−a)/(C1−b)=30/70〜90/10の範囲内である。
【0042】
本発明において、(C2)成分の数平均分子量は120,000以上であることが重要である。より好ましい(C2)成分の数平均分子量は170,000以上300,000未満である。
また、(C2)成分中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの含有量に関しては特に制限はないが、好ましくは20重量%以上55重量%未満の量である。
これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体として、本発明の趣旨に反しない限り、結合形式の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−結合ビニル含有量もしくは1,2−結合ビニル含有量と3,4−結合ビニル含有量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの、水素添加率の異なるもの等混合したものを用いても構わない。
【0043】
また、本発明で使用するブロック共重合体は、全部又は一部が変性されたブロック共重合体であっても構わない。
ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体を指す。
【0044】
該変性されたブロック共重合体の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下でブロック共重合体の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度でブロック共重合体と変性化合物とを溶融混練し反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下でブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶液中で反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下でブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられる。これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物として、変性されたポリフェニレンエーテルに関し既述した変性化合物を使用することができる。
【0045】
また、本発明のブロック共重合体中には、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合しても構わない。パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合する事により、樹脂組成物の加工性を向上させることができる。
この際のパラフィンを主成分とするオイルの好ましい量はブロック共重合体100重量部に対して、1〜70重量部である。
ここでいうパラフィンを主成分とするオイルとは、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物及び、パラフィン系化合物の三者が組み合わさった重量平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50重量%以上のものである。
より好ましいパラフィンを主成分とするオイルは、パラフィン系化合物50〜90重量%、ナフテン環含有化合物10〜40重量%、及び芳香環含有化合物5重量%以下を含有する。
これら、パラフィンを主成分とするオイルは市販されており、例えば出光興産(株)製のPW380等が挙げられる。
【0046】
また、本発明では、組成物の製造の際に相溶化剤を添加しても構わない。相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指す。この相互作用は化学的(たとえばグラフト化)であっても、または物理的(たとえば分散相の表面特性の変化)であってもよい。
いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す。
本発明において使用することのできる相溶化剤の例としては、特開平8−8869号公報及び特開平9−124926号公報等に詳細に記載されており、これら公知の相溶化剤はすべて使用可能であり、併用使用も可能である。
これら、種々の相溶化剤の中でも、特に好適な相溶化剤の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、クエン酸が挙げられる。
本発明における相溶化剤の好ましい添加量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100重量部に対して0.01〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0047】
更に、本発明において、(D)成分として界面活性剤を配合することにより、樹脂組成物の熱暴露後のアイゾッド衝撃強度保持率をより高め、生産時の異物の発生を更に抑制することができる。
本発明で使用することのできる界面活性剤としては、ノニオン性・カチオン性・アニオン性・両イオン性等の界面活性剤が含まれる。これらの界面活性剤としては、例えば「13901の化学商品」(化学工業日報社、2001年1月23日発行)P.1250〜1279に記載されている公知の界面活性剤が挙げられる。
【0048】
ノニオン性界面活性剤とは、水溶液中でイオンに解離する基を有しない界面活性剤であり一価のアルコール、フェノール、チオール、飽和カルボン酸、アルキルアミドまたは、それらの反応誘導体とエチレンオキシドとの縮合物である。その縮合物の代表例としてはポリ(オキシエチレン)p−t−オクチルフェニル−エーテル、ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニル−エーテル、ポリ(オキシエチレン)−n−アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)−sec−アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)メルカプタン、ポリ(オキシエチレン)アルカンアミド、飽和カルボン酸のポリ(オキシエチレン)エステル等が挙げられる。
【0049】
カチオン系界面活性剤とは、水溶液中でイオンに解離してカチオンとなる部分が界面活性を示すもので、例えば脂肪族アミン塩及びその四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、複素環四級アンモニウム塩等である。その代表例としては、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、ハロゲン化ベンゼトニウム、ピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0050】
アニオン系界面活性剤としては、水溶液中でイオンに解離してアニオン部分が界面活性を示すもので、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。その具体例としては、脂肪族石けん、N−アシルアミノ酸及びその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、二級アルキル硫酸塩、第一高級アルコールエトキシサルフェート、第二高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノ脂肪酸グリセリル硫酸塩、脂肪族アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0051】
両イオン界面活性剤とは、分子構造においてカチオン性官能基とアニオン性官能基を1個以上同時に有するものである。その代表例としては、アルキルジメチルベタイン、スルホベタイン類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
【0052】
これらの界面活性剤の中で、最も好適に使用できるものは、アニオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤の中でもスルホン酸塩類が好ましく、アルキルスルホン酸塩がより好ましく、更には第2級アルキルスルホン酸ナトリウム塩が最も好ましい。
これらの界面活性剤はもちろん、単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。
本発明において、(D)界面活性剤の量比は、(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して、好ましくは10重量部未満の量であり、より好ましくは5重量部未満であり、更に好ましくは3重量部未満である。界面活性剤の量が10重量部以上になると、組成物の耐熱性が大きく低下する。
【0053】
本発明では、上記した成分のほかに、本成分の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
付加的成分の例としては、ポリエステル、ポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、無機充填材(タルク、カオリン、ゾノトライト、ワラストナイト、酸化チタン、チタン酸カリウム、炭素繊維、ガラス繊維など、)、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知のシランカップリング剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、三酸化アンチモン等の難燃助剤、カーボンブラック等の着色剤、カーボンファイバー、導電性カーボンブラック及びカーボンフィブリル等の導電性付与材、帯電防止剤、各種過酸化物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
これらの成分の具体的な添加量は、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、合計で100重量部を越えない範囲である。
【0054】
本発明の組成物を得るための具体的な加工機械としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられるが、中でも二軸押出機が好ましく、特に、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機が最も好ましい。
この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、混練状態等を考慮して通常240〜360℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
【0055】
本発明の具体的な製造方法は、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機を用い、(1)上流側供給口よりブロック共重合体、及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドを供給し溶融混練する方法、(2)上流側供給口よりブロック共重合体の一部、及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りのブロック共重合体を溶融混練する方法、(3)上流側供給口よりポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりブロック共重合体及びポリアミドを供給し溶融混練する方法等が挙げられる。上記のいずれの方法を用いても構わない。
【0056】
このようにして得られる本発明の組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形により各種部品の成形体へと成形できる。
これら各種部品としては、例えばリレーブロック材料等に代表されるオートバイ・自動車の電装部品;ICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー;キャビネット等の電気・電子部品;各種コンピューターおよびその周辺機器等のOA部品や機械部品;さらにはオートバイのカウルや、自動車のバンパー・フェンダー・ドアーパネル・各種モール・エンブレム・アウタードアハンドル・ドアミラーハウジング・ホイールキャップ・ルーフレール及びそのステイ材・スポイラー等に代表される外装品や;インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等に代表される内装部品;等が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明する。
【0057】
(使用した原料)
成分(A)ポリアミド(以下PAと略記)
ポリアミド6,6樹脂
数平均分子量=13,700
末端アミノ基濃度=30ミリ等量/kg
末端カルボキシル基濃度=100ミリ等量/kg
微量成分として銅系熱安定剤(酢酸銅とヨウ化カリウムのコンプレックス)を100ppm(Cu濃度として)とスリップ剤(ステアリン酸金属塩)を800ppm、酸化防止剤としてIrganox1098(チバスペシャリティーケミカルズ製)を0.2重量%含む。
【0058】
成分(B)ポリフェニレンエーテル(以下PPEと略記)
還元粘度=0.42dl/g
【0059】
成分(C)ブロック共重合体
(C1−1)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=40,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=6,000
スチレン成分合計含有量=30%
1,2−ビニル含有量=38%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
(C1−2)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=71,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=11,400
スチレン成分合計含有量=32%
1,2−ビニル含有量=40%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
(C1−3)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=76,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=11,000
スチレン成分合計含有量=29%
1,2−ビニル含有量=32%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
(C1−4)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=77,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=25,800
スチレン成分合計含有量=67%
1,2−ビニル含有量=36%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
(C1−5)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=115,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=34,500
スチレン成分合計含有量=60%
1,2−ビニル含有量=35%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
(C1−6)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリイソプレン−ポリスチレン
数平均分子量:80,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=8,000
スチレン成分合計含有量=20%
1,2−ビニル含有量=55%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
【0060】
(C2−1)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=170,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=29,800
スチレン成分合計含有量=35%
1,2−ビニル含有量=38%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
パラフィン系オイルを35重量%含有
(C2−2)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
数平均分子量=246,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=40,600
スチレン成分合計含有量=33%
1,2−ビニル含有量=33%
ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上
(C2−3)
構造:ポリスチレン−水素添加ポリイソプレン−ポリスチレン
数平均分子量=170,000
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=25,500
スチレン成分合計含有量=30%
ポリイソプレン部の水素添加率=98%以上
【0061】
成分(D)界面活性剤
(D−1)第二級アルカンスルホン酸ナトリウム
Hostapur SAS93[クラリアント・ジャパン(株)製]
(D−2)脂肪酸メチルタウリンナトリウム
Hostapon T パウダー[クラリアント・ジャパン(株)製]
【0062】
実施例及び比較例で行った各評価試験は、以下のようにして行った。
(1)熱暴露後のアイゾッド衝撃強度保持率の評価
タバイ製ギヤオーブンを用い、厚さ3.2mm厚みの試験片を120℃、500時間の熱暴露試験を実施。試験片を取り出し、アルミ防湿袋中で室温23℃の雰囲気下で48時間放置した。その試験片をASTM D−256に準拠し、厚さ3.2mm厚みのノッチ付きアイゾッド衝撃強度を測定した。熱暴露なしの組成物からのアイゾッド衝撃強度の保持率[%]を下式により求めた。
なお、n数は5点で実施し、それらの平均で保持率を計算した。
アイゾッド衝撃強度保持率=[(アイゾッド−A)/(アイゾッド−B)]×100
[上式中、アイゾッド−Aは熱暴露後のアイゾッド衝撃強度、アイゾッド−Bは熱暴露前のアイゾッド衝撃強度を示す。]
【0063】
(2)成形品表面外観の評価
幅50mm,長さ90mm,厚み2.5mmの平板状成形片を用いて表面外観を目視にて観察した。(幅50mm,長さ90mmの面の両面を観察し、両面の総面積に対する光沢のある面積の比率により、以下のようにして5段階評価を実施)
なお、成形条件による影響を排除するため、すべて同じ成形条件で成形を実施した。
5点 : 成形品全体にわたって光沢があるもの
4点 : 成形品の約75%程度の面積に光沢があるのもの
3点 : 成形品の約50%程度の面積に光沢があるのもの
2点 : 成形品の約25%程度の面積に光沢があるのもの
1点 : 成形片にほとんど光沢の見られないもの
【0064】
(3)異物(黒点)発生の評価
300℃に設定したコンプレッション成形機を用いて、直径300mm,厚さ2mmの円盤状にプレス成形した。得られた円盤状成形片の全体にわたって黒点の大きさと数を観察し、以下の判定基準に基づき数値化した。
径が1.0mm以上の黒点 10点/1個
径が0.5mm以上、1.0mm未満の黒点 5点/1個
径が0.1mm以上、0.5mm未満の黒点 1点/1個
径が0.1mm未満の黒点 0.1点/1個
なお、コンプレッション成形の際、樹脂の金属型への密着を防止するため、0.2mm厚みのテフロンシートを樹脂と金属型との間に挟み成形した。
【0065】
実施例1〜6及び比較例1〜2
上流側に1カ所と、押出機中央部に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−58MC:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]のシリンダー温度を上流側供給口(以下メイン−Fと略記)から押出機中央部供給口(以下サイド−Fと略記)までを320℃、サイド−Fからダイまでを280℃に設定した。
メイン−Fから30重量部のPPE、相溶化剤として1重量部の無水マレイン酸及び表1記載の割合の種々のブロック共重合体を、それぞれ均一混合したものを供給し、サイド−Fより表1記載の割合の量のPAを供給し、溶融混練してペレットを得た。
なお、このときのスクリュー回転数は900回転/分とし、吐出量を360kg/h、540kg/h、720kg/h、900kg/hと変化させて、各々の条件でそれぞれペレットを得た。
得られたそれぞれの条件のペレットを用いて、異物測定用試料とした。
【0066】
次に、得られたペレットを、シリンダー温度290℃、金型温度80℃に設定した射出成形機[IS−80EPN:東芝機械(株)社製]を用いて、各種測定に必要な成形片に成形した。
得られた成形片を用いて表面外観評価及びアイゾッド衝撃強度保持率測定を実施した。なお、アイゾッド衝撃強度保持率は吐出量が540kg/hの条件で得られたペレットを用いて測定した。
測定結果は表1に記した。
【0067】
実施例7〜11及び比較例3〜4
メイン−Fより36重量部のPPE、1重量部の無水マレイン酸、表2記載の割合の種々のブロック共重合体及び酸化亜鉛0.3重量部をそれぞれ均一混合したものを供給し、サイド−Fより表2記載の割合の量のPA及び1重量部の無水マレイン酸変性エチレン−オクテン共重合体[FUSABOND MN493D:デュポン社製]を均一混合したものを供給した以外はすべて実施例1と同様に実施し、各種特性を測定した。測定結果は表2に記した。
【0068】
実施例12〜14
メイン−Fより36重量部のPPE、1重量部の無水マレイン酸、表2記載の割合の種々のブロック共重合体及び酸化亜鉛0.3重量部をそれぞれ均一混合したものを供給し、サイド−Fより表3記載の割合のPA及び界面活性剤と、1重量部の無水マレイン酸変性エチレン−オクテン共重合体[FUSABOND MN493D:デュポン社製]を均一混合したものを供給した以外はすべて実施例1と同様に実施し、各種特性を測定した。測定結果は表3に記した。
【0069】
【産業上の利用可能性】
本発明の組成物では、従来技術に比べ、高い吐出量で押出した場合においても良好な成形片表面外観が得られ、熱暴露前後のアイゾッド衝撃強度保持率が大幅に改良され、更に、生産時の異物(黒点)量も大幅に低減されている。
したがって本発明の組成物は自動車等の電装部品、シャーシー、電気・電子部品、OA部品や機械部品、外装品、内装部品等により有利に使用できる。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
Claims (9)
- (A)ポリアミド50〜90重量部、
(B)ポリフェニレンエーテル50〜10重量部、及び
(C)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック少なくとも1個を含むブロック共重合体の水素添加されたブロック共重合体1〜35重量部、ここで該重量部は、該(A)と該(B)の合計100重量部に対するものである、
を含む熱可塑性樹脂組成物において、
該(C)成分が(C1)数平均分子量120,000未満のブロック共重合体と、(C2)数平均分子量170,000以上、300,000未満のブロック共重合体との混合物である、熱可塑性樹脂組成物。 - (C1)成分と(C2)成分の重量比が、(C1)/(C2)=95/5〜5/95の範囲内である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (C1)成分の芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量が20,000以上である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (C1)成分が芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55重量%以上90重量%未満の量で含有するブロック共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (C1)成分が芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55重量%以上90重量%未満の量で含有するブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを20重量%以上55重量%未満の量で含有するブロック共重合体との混合物である請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (C1)成分中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55重量%以上90重量%未満の量で含有するブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを20重量%以上55重量%未満の量で含有するブロック共重合体の重量比が5/95〜95/5の範囲内である請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (D)成分として界面活性剤を、(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して10重量部未満の量でさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (D)成分の界面活性剤が、アルキルスルホン酸金属塩である請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる射出成形体。
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