JP3689656B2 - 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子及び電子源及び画像形成装置 Download PDF

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    • H01J3/022Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source with microengineered cathode, e.g. Spindt-type

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧を印加することで電子の放出を行う電子放出素子及び電子源及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子放出素子として熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には電界放出型(以下、FE型と称する)、金属/絶縁層/金属型(以下、MIM型と称する)や、表面伝導型電子放出素子等がある。
【0003】
FE型の例としてはW.P.Dyke & W.W.Dolan,“Field Emission”,Advance in Electron Physics,8,89 (1956) あるいはC.A.Spindt,“PHYSICAL Properties ofthin−film field emission cathodes with molybdenium cones”,J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等に開示されたものが知られている。
【0004】
MIM型の例としてはC.A.Mead,“Operation of Tunnel−Emission Devices”,J.Apply.Phys.,32,646(1961)等に開示されたものが知られている。
【0005】
また、最近の例では、Toshiaki.Kusunoki,“Fluctuation−free electron emission from non−formed metal−insulator−metal(MIM)cathodes Fabricated by low current Anodic oxidation”,Jpn.J.Appl.Phys.vol.32(1993)pp.L1695,Mutsumi suzuki etal“An MIM−Cathode Array for Cathode luminescent Displays”,IDW’96,(1996)pp.529等が研究されている。
【0006】
表面伝導型の例としては、エリンソンの報告(M.I.Elinson Radio Eng.Electron Phys.,10(1965))に記載のもの等があり、この表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである。
【0007】
表面伝導型素子では、前記のエリンソンの報告に記載のSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜を用いたもの、(G.Dittmer.Thin Solid Films,9,317(1972))、In23/SnO2薄膜によるもの(M.Hartwell and C.G.Fonstad,IEEE Trans.ED Conf.,519(1983))等が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0009】
電子放出素子を画像形成装置に応用するには、蛍光体を十分な輝度で発光させる放出電流が必要である。また、ディスプレイの高精細化のためには蛍光体に照射される電子ビームの径が小さいものである事が要求される。そして、製造し易いという事が重要である。
【0010】
従来のFE型の例としてSpindt型の電子放出素子を図13に示す。図13において、1は基板、4はカソード電極層(低電位電極)、3は絶縁層、2はゲート電極層(高電位電極)、5はマイクロチップ、6は等電位面である。
【0011】
曲率rを有するマイクロチップ5とゲート電極層2間にバイアスすると、マイクロチップ5先端から電子が放出されアノードに向かう。放出電子の量は、ゲート電極層2とマイクロチップ5先端の距離d、ゲート電圧Vg及び放出部材料の仕事関数により決定される。つまり、ゲート電極層2とマイクロチップ5間距離dを制御よく作製する事が素子の性能を決定する要素となる。
【0012】
Spindt型の電子放出素子の一般的な製造工程を図14に示す。
【0013】
この図に添って製造工程を説明すると、まず、ガラス等からなる基板1上に、Nb等からなるカソード電極層4、SiO2等からなる絶縁層3、Nb等からなるゲート電極層2をこの順に積層する。その後、反応性イオンエッチング法により、ゲート電極層2及び絶縁層3を貫通する円形の開口部(微細孔)を形成する(図14(a))。
【0014】
その後、アルミニウム等からなる犠牲層7をゲート電極層2上に斜方蒸着等により成膜する(図14(b))。
【0015】
このようにして形成した構造に、真空蒸着法によりモリブデン等のマイクロチップ材料8を堆積する。これによって、犠牲層7上の堆積物が堆積の進行とともに開口部の内部を塞いでいき、開口部内にマイクロチップ5が円錐状に形成される(図14(c))。
【0016】
最後に犠牲層7を溶解する事により、マイクロチップ材料8をリフトオフして、素子を完成させる(図14(d))。
【0017】
しかし、このような製造方法では上記距離dを再現よく制御する事が困難であり、素子ごとに放出電流量のバラツキが生じてしまう。また、リフトオフの際に生じた金属片等がマイクロチップ5とゲート電極層2を短絡するおそれがあり、この場合、駆動時にマイクロチップ5とゲート電極層2間に電圧を印加すると短絡部で熱が発生し、短絡部及びその周囲の破壊が起こってしまう。このため有効な放出領域が減少してしまう。
【0018】
上記のような素子ごとによるバラツキは例えば画像形成装置として応用した場合に、輝度ムラを引き起こし、非常に目障りな物となる。
【0019】
さらに、この例では、1放出点から電子が放出されるため、蛍光体を発光させるために放出電流密度を大きくすると、電子放出部の熱的な破壊を誘起し、FE素子の寿命を制限することになる。また、真空中に存在するイオンがマイクロチップ先端を集中的にスパッタして、素子の寿命を縮める事もある。
【0020】
なお、真空中に放出された電子は等電位面と直交して進行するが、図13のような構成では、等電位面6はマイクロチップ5に沿って孔内に形成される事になるためマイクロチップ5先端から放出された電子は広がる傾向がある。
【0021】
また、このように放出される電子に広がりが生ずると、放出された電子の一部はゲート電極層2に吸収され、アノードに到達する電子量が減少する。ゲート電極層2に吸収される電子量は、距離dを小さくすると増大する傾向にある。
【0022】
このようなFE素子の欠点を克服するために、個別の解決策として様々な例が提案されている。
【0023】
電子ビームの広がりを防ぐ例としては、例えば図15に示すように、電子放出部上方に収束電極9を配置した例がある。図15は収束電極付きFE型素子の構成図である。この例では放出された電子ビームを収束電極9の負電位により絞っているが、この例では上記のような製造工程よりもさらに複雑な工程が必要となり、製造コストの増大を招く。
【0024】
収束電極を配置せずに電子ビーム径を小さくする例としては、Spindt型のようなマイクロチップを形成しない方法がある。たとえば、特開平8−096703号公報、特開平8−096704号公報、特開平8−264109号公報に開示された技術がある。
【0025】
これらに開示された技術では、孔内に配置した薄膜から電子放出を行わせるため、電子放出面上に平坦な等電位面が形成されて、電子ビームの広がりが小さくなるという利点がある。
【0026】
また、電子放出物質として低仕事関数の構成材料を使用することで、マイクロチップを形成しなくても電子放出が可能であり、低電圧での駆動を可能とし、また、製造方法が比較的に簡易であるという利点もある。
【0027】
さらに、電子放出が面で行われるために、電界の集中がおきず、チップの破壊がおこらず、長寿命であるという利点もある。
【0028】
しかし、これらの例では孔周辺には、孔深さとゲート電極層間距離に相関した電位分布が形成され、このためスピント型程ではないが、やはり放出された電子は広がる傾向にあり、放出された電子の一部はゲート電極層2に吸収もしくは散乱されるという問題は解決されていない。
【0029】
電子放出効率を向上させる例としては、例えば、図16に示すような特開平10−289650号公報に開示された技術等がある。
【0030】
この技術では、カソード電極層4に対して、両面側にそれぞれ絶縁層3を介して、ゲート電極層2および第2ゲート電極層11を設けた構造としている。
【0031】
そして、カソード電極層4に対し、ゲート電極層2および第2ゲート電極層11に正の電位を印加(但し、0<|Vg1|≦|Vg2|)する事によりカソード電極層4から放出される電子量を増大させているが、やはり放出された電子は広がる傾向にある。
【0032】
一方、MIM型は、図17に示すように、下部電極(カソード電極層4)と上部電極(ゲート電極層2)の間に絶縁層3を配置し、両電極間に電圧を印加して電子を取り出す構造である。
【0033】
この構造の場合には、内部電界方向と放出される電子の方向が一致し、かつ放出面での電位分布に歪みがないために、小さい電子ビーム径が実現できるが、絶縁層3と上部電極で電子の散乱が起こるために効率が悪いのが一般的である。
【0034】
次に、これら電子放出素子を画像形成装置として応用した従来例について図18を参照して説明する。図18は従来技術に係る電子放出素子を画像形成装置に応用する場合の説明図である。
【0035】
図示のように、ゲート電極層2のラインとカソード電極層4のラインがマトリクス状に配列され、両ラインの交差部に電子放出素子14が配置され、情報信号に応じて、選択された交差部にある電子放出素子14から電子が放出され、アノード12の電圧により加速されて蛍光体13に入射する、いわゆる3極デバイスを構成している。
【0036】
以上のようなディスプレイ等の画像形成装置への応用を電界放出型電子放出素子で考えた場合には、
(1)電子ビーム径が小さいこと
(2)電子放出面積が大きいこと
(3)低電圧で高効率な電子放出が可能なこと
(4)製造プロセスが容易であること
が要求されるが、従来の電子放出素子ではこれらを同時に満たす事は困難であった。
【0037】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、電子ビーム径が小さく、電子放出面積が大きく、低電圧で高効率な電子放出が可能で、製造プロセスが容易な電界放出型の電子放出素子及び電子源及び画像形成装置を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、ゲート電極及びカソード電極と、前記ゲート電極と前記カソード電極の間に挟まれた絶縁層と、前記ゲート電極および前記絶縁層を貫通するように設けられた開口部と、該開口部内に配置され、前記カソード電極に接続される電子放出材料とを有する電子放出素子であって、前記開口部内に、前記ゲート電極側の開口面積が、前記カソード電極側の開口面積よりも大きくなるようなテーパー形状の開口部を有し前記絶縁層とは異なる材料からなる絶縁部を備え、該絶縁部と前記カソード電極との間には、開口部を有する電極部が備えられ、該電極部の開口部内に、前記電子放出材料が配置されていることを特徴とする。
【0041】
前記電子放出材料の表面は、前記絶縁部前記電極部との境界面と同一面あるいは前記境界面より前記カソード電極側に位置することを特徴とする。
【0051】
また、本発明の電子放出素子にあっては、ゲート電極及びカソード電極と、前記ゲート電極と前記カソード電極の間に配置された絶縁層と、前記ゲート電極に配置された第1の開口と、前記絶縁層に配置され、前記第1の開口と連通する第2の開口と、前記第2の開口内に配置され、前記カソード電極に接続される電子放出膜と、を備えた電子放出素子であって、前記第2の開口内に、前記ゲート電極側における開口面積が、前記カソード電極側における開口面積よりも大きくなるテーパー形状の第3の開口を有し前記絶縁層とは異なる材料からなる絶縁部を有し、前記絶縁部と前記カソード電極との間に、前記電子放出膜の外周が挟まれていることを特徴とする。
【0052】
前記電子放出膜の前記第3の開口内に位置する表面は、前記絶縁部と前記電子放出膜とが接する境界面と同一面あるいは前記境界面より前記カソード電極側に位置することを特徴とする。
前記絶縁部の誘電率が、前記絶縁層の誘電率よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の電子源にあっては、上記の電子放出素子複数個配置されることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置にあっては、上記の電子源と、該電子源から放出された電子が衝突されることで画像を形成する画像形成部材と、を備えることを特徴とする。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0055】
図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態に係る電子放出素子について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式的断面図であり、図2は本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式的平面図である。なお、図1は図2の平面図におけるA−A’線での断面図に相当する。また、図3は本発明の素子に対向してアノードを配置して駆動させた時の様子を示す等電位線を含む模式図である。
【0056】
図示のように、基板1上には、第1の電極層42,第1の絶縁層43,第2の電極層44,第3の電極層45及び第2の絶縁層46が積層した構造となっている。
【0057】
この積層構造について、更に詳しく説明すると、基板1上に第2の電極層44が積層され、この第2の電極層44上に開口部を有するように第1の絶縁層43が積層され、更に、この第1の絶縁層43上に同じく開口部を有する第1の電極層42が積層される構造となっており、第1の絶縁層43が、第1の電極層42と第2の電極層44の間に挟まれるようになっている。
【0058】
そして、第1の電極層42と第1の絶縁層43を貫通するように設けられた開口部内に、第2の絶縁層46を備えており、この第2の絶縁層46には、第1の電極層42側から第2の電極層44側に向かうにつれて開口面積が徐々に小さくなるようなテーパーを有する開口部が設けられている。
【0059】
この第2の絶縁層46と第2の電極層44の間に、第3の電極層45が備えられている。この第3の電極層45にも開口部が設けられており、この開口部内に、電子放出材料としての電子放出層(電子放出膜)17を形成している。
【0060】
ここで、第1の電極層42は電子が放出されない層であり、第2の電極層44,第3の電極層45及び電子放出層17とは、異なる導電材料を示すが、同じ材料であっても問題はない。また、電子放出材料は導電体が好ましいが,誘電体であっても効果がある。
【0061】
また、図中、W1は第2の電極層44及び電子放出層17の幅を示し、W2は第1の電極層42の幅を示し、W3は開口部の大きさ(円の場合は径,方形の場合は一辺の長さ)である。また、D1は第1の電極層42の厚さ、D2は絶縁層43の厚さ、D3はアノード12と低電位電極となる第2の電極層44の間の距離,D4は第2の電極層44の厚さ、D5は第3の電極層45の厚さである。
【0062】
Vgは第1の電極層42と第2の電極層44(電子放出層17も含む)の間に印加される電圧である。Vaはアノード12に印加される電位であり、典型的にはGNDとアノード間に印加される電圧、または第2の電極層44とアノード12間に印加されている電圧となる。Ieは電子放出電流である。また、EhはVgにより形成される電界であり、6は等電位面である。
【0063】
以上のような構成により、素子を駆動させるためにVg,Vaを印加すると、電界Ehが形成され、Vg,D2,W2,形状,絶縁層の誘電率等に基づいて開口部内部の等電位面6の形状が定められる。また、開口部の外では主にD3とVaにより、ほぼ平行な等電位面となる。
【0064】
そして、本発明の実施の形態に係る電子放出素子の構造・形状によると、図3に示すように等電位面が、電子放出膜17表面上で凹状に形成される。
【0065】
これは、主に、第2の絶縁層46に設けられたテーパー形状の開口部と、第3の電極層45による効果である。開口部の外側(第1の絶縁層内)における平行な等電位面が、第3の電極層45及び第3の電極層を覆う絶縁層により持ち上がり、そして、真空に接するテーパー形状の絶縁層によって等電位面に傾きが形成されるからである。
【0066】
ここで、テーパー形状の開口部を有する第2の絶縁層46表面から真空領域に出る境界で、等電位面は下側に押さえつけられるために、その部分で等電位面は下に曲がり、結果として電子放出膜表面では等電位面は凹型にくびれた形となる。これは、真空の誘電率に対し、第2の絶縁層の誘電率が高いためである。
【0067】
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る電子放出素子から放出された電子の軌道について説明する。図4は電子放出素子における開口部の中において、放出された電子軌道をSimulationした結果を示したものである。図4(a)は本実施の形態の構造の場合、図4(b)は特開平08−96704号公報などに開示された電子放出素子における放出電子の軌道を比較の意味で示したものである。
【0068】
図示のように、図4(b)では等電位面は電子放出膜17側からゲート電極42側に向かって凸状になっており、真空に放出された電子は外側に軌道を取り、電子放出膜の周囲から放出した電子は、開口部の周囲の絶縁層や第1の電極層に衝突・散乱し、電子の軌道は大きく広がる。さらに、散乱されない電子においても外側に軌道が広がるため、ビーム径は大きくなる。
【0069】
これに対し、図4(a)に示した本発明の素子おいては、電子放出膜17上に凹状の等電位面が形成されるため、電子放出膜の周囲から放出された場合でも、開口部の周囲の第2の絶縁層や第1の電極層に衝突・散乱することなく開口部の外に出ることができることが分かる。このように、本発明の電子放出素子においては、電子ビームの集束効果を有するが、更に、第2の絶縁層46の誘電率を第1の絶縁層43の誘電率よりも大きいものに設定すれば、一層のビーム集束効果が得られる。
【0070】
開口部から出た電子は、あとはVaによりY方向が加速され蛍光板に衝突する。ビーム広がりに影響するX方向は開口部から出たときのX方向の初速度Vxの等速度運動で近似できる。
【0071】
ここで、ビーム径を小さくするのは、散乱成分を抑制すること及びVxを小さくすることが重要で、本発明の実施形態では散乱を抑制することができ、かつ、低Vxが実現できる。
【0072】
なお、その他ビームサイズは電界Ehの増加、Vaの低下に伴い広がる傾向にあり、これらのパラメータは、電子放出素子の使用用途に好適な値を選択する設計事項となる。
【0073】
このように、本発明の実施の形態に係る電子放出素子では、上述のように散乱を抑制して電子を取り出すことが可能なため、放出電子のほぼ全てがIeとなり、低電圧でも非常に効率が良い。
【0074】
また、電子放出素子とアノードの間に歪みが少なく凹型の電位分布が形成されているために、真空中に放出された電子はそのままアノードに向かい、電子ビームの広がりが小さいので、電子ビーム径が小さい。さらに、放出された電子は凹型の電位分布に沿って進むため,周囲の壁に散乱することなく、電子ビームの広がりを設計どおりに抑制することができる。
【0075】
また、本発明の実施の形態に係る電子放出素子上の電子放出面積は電子放出層17表面全体であり、電子放出面積が広いために、真空中に存在するイオン衝撃に対して耐久性が良い。
【0076】
さらに、アノードに向かう電子の軌道を妨げる障害物および、障害となるような電位が存在していないために、放出電子のほぼ全てが電子放出電流となるので、低電圧で高効率な電子放出が可能となる。
【0077】
さらには、本発明の実施の形態に係る電子放出素子は積層を繰り返した非常に単純な構成であり、製造プロセスが容易であり、歩留まり良く製造できる。
【0078】
このため、本発明の実施の形態のような電界放出型電子放出素子は、電子ビーム径が小さく、電子放出面積が大きく、低電圧で高効率な電子放出が可能で、製造プロセスが容易であるので、ディスプレイ等の画像形成装置への応用が可能である。
【0079】
尚、ここでは説明の都合上、絶縁層を第1の絶縁層43と第2の絶縁層46とで構成した例を説明したが、前述した効果を得る上で、第1の絶縁層の材料と第2の絶縁層の材料を別材料で構成する必要は必ずしもない。そのため、絶縁層を第1の絶縁層の作成プロセスと、第2の絶縁層の作成プロセスとに分ける場合があるが、必ずしも分ける必要はない。従って、第1の絶縁層と第2の絶縁層とが別部材として構成されるものに本発明は限定されない。
【0080】
そのため、本発明の実施の形態に係る電子放出素子においては、図1等に示すように、開口を有する第1電極(ゲート電極)42と、第2電極(カソード電極)44との間に開口を有する絶縁層が配置されており、さらに、該絶縁層の開口が、前記第2の電極側における開口面積よりも大きい開口面積を前記第1の電極層側に有するテーパー形状となっており、そして前記絶縁層と前記第2の電極層との間に、前記電子放出膜の外周(あるいは前記電子放出膜の外周を取り巻く第3電極)が挟まれている構成を持っていれば良い。
【0081】
そして、絶縁層を複数の絶縁層から構成するか否かは、用いる製造プロセスにより適宜選択すればよい。
【0082】
また、前述したように電子ビームの集束効果を向上する目的で、第2の絶縁層46の材料に、第1の絶縁層43の材料の誘電率よりも高い材料を用いる場合などにおいては、作成プロセスの都合上、絶縁層を第1の絶縁層と第2の絶縁層に分けることが好ましい。この場合においては、構造上に明確な第1の絶縁層と第2の絶縁層との境界領域が形成される場合が多い。
【0083】
次に、本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造方法の一例について、特に図5を参照して更に詳細に説明する。図5は本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造方法の一例を示す工程図である。なお、本発明はこの製造方法に限定されないことは言うまでも無い。特に、構造の違いによる堆積順序,エッチング方法に関しては実施例においても別途説明する。
【0084】
まず予め、その表面を十分に洗浄した、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、シリコン基板等にスパッタ法等によりSiO2を積層した積層体、アルミナ等セラミックスの絶縁性基板のうち、いずれか一つを基板1として用い、基板1上に第2の電極層44を積層する。
【0085】
第2の電極層44は一般的に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術により形成される。第2の電極層44の材料は、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等の金属または合金材料、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、有機高分子材料、アモルファスカーボン,グラファイト,ダイヤモンドライクカーボン,ダイヤモンドを分散した炭素及び炭素化合物等から適宜選択される。第2の電極層44の厚さとしては、数十nmから数mmの範囲で設定され、好ましくは数百nmから数μmの範囲で選択される。
【0086】
ついで図5(a)に示すように第2の電極層44に続いて第2の電極層44上に第3の電極層45と電子放出層17を同材料として堆積する。
【0087】
これら第3の電極層45及び電子放出層17は、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成される。
【0088】
第3の電極層45及び電子放出層17の材料は、例えば、ダイヤモンドを分散した炭素及び炭素化合物、アモルファスカーボン,グラファイト,ダイヤモンドライクカーボン等から適宜選択される。好ましくは仕事関数の低いダイヤモンド薄膜、ダイヤモンドライクカーボン等が良い。
【0089】
第3の電極層45及び電子放出層17の膜厚としては、数nmから数百nmの範囲で設定され、好ましくは数nmから数十nmの範囲で選択される。
【0090】
なお、電子放出層17と第2の電極層44とを積層した後に、まとめてフォトリソグラフィー,エッチング工程を行ってもよい(図5(b))し、それぞれ別々にこの工程を行っても良い。
【0091】
また、第3の電極層45及び電子放出層17を同時に作成せずに、まず、電子放出層17を堆積せずに第3の電極層45のみを作成し、開口部を形成した後に第2の電極層44上に、電子放出層17として、ダイヤモンド薄膜、またはダイヤモンドライクカーボン等を選択的に堆積するようにしても良い。
【0092】
ついで、絶縁層43を堆積する。絶縁層43は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、CVD法、真空蒸着法で形成され、その厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲から選択される。望ましい材料としてはSiO2,SiN,Al23,CaF,アンドープダイヤモンドなどの高電界に絶えられる耐圧の高い材料が望ましい。
【0093】
更に、絶縁層43に続き第1の電極層42を堆積する。第1の電極層42は、第2の電極層44と同様に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成される。
【0094】
第1の電極層42の材料は、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等の金属または合金材料、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、有機高分子材料等から適宜選択される。第1の電極層42の厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数nmから数百nmの範囲で選択される。
【0095】
なお、第1の電極層42と第2の電極層44は、同一材料でも異種材料でも良く、また、同一形成方法でも異種方法でも良い。
【0096】
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術により開口部パターン16を形成する。
【0097】
そして、図5(d)に示すように、第2の絶縁層を積層させたのちにエッチバック法により、開口部の周辺にテーパー形状を有する第2の絶縁層46を形成して、素子が完成する。
【0098】
エッチング工程は平滑かつ垂直なエッチング面が望ましく、それぞれの各層の材料に応じて、エッチング方法を選択すれば良い。ここで、テーパー形状はカソード側の第2の電極層46に近い側で特に重要である、そのため、ゲート電極である第1の電極層42に近い側で、第2の絶縁層46が逆テーパー形状や垂直形状であったり、もしくはゲートである第1の電極層42に近い側で第2の絶縁層46が無い場合であっても、本発明の効果を損なわずに有効である。
【0099】
電子放出層17のエッチバックの際に、第2の電極層44と比べてオーバーエッチングし、電子放出層17の上面を第2の電極層44の上面すなわち第2の絶縁層46の下面よりも低くすることによって、さらに等電位面を凹型にすることが可能となり、より好ましい形態となる。
【0100】
上述のように、最後に、第2の電極層44に電子放出層17を選択堆積する製法もある。このときは第3の電極層45は第2の絶縁層46の下にあらかじめ形成しておく必要がある。
【0101】
第2の電極層44(電子放出層17も含む)の幅W1は、素子を構成する材料や抵抗値、第2の電極層44の材料の仕事関数と駆動電圧、必要とする電子放出ビームの形状により適宜設定される。通常、W1は数百nmから数百μmの範囲から選択される。
【0102】
第1の電極層42の幅W2は、素子を構成する材料や抵抗値、電子放出素子の配置により適宜設定される。通常、W2は数百nmから数百μmの範囲から選択される。
【0103】
また、図6に示すように上記開口部を複数個並べて1画素を形成することもできる。
【0104】
開口部の大きさW3は、素子を構成する材料や抵抗値、電子放出素子の材料の仕事関数と駆動電圧、必要とする電子放出ビームの形状により適宜設定される。通常、W3は数百nmから数十μmの範囲から選択される。本発明の実施の形態では、ビーム径をより小さくすることに大きな効果があり、W1−W3が小さくなるほどその効果が大きくなる。
【0105】
次に、本発明の実施の形態に係る電子放出素子を適用した応用例について説明する。本発明の実施の形態に係る電子放出素子の複数個を基体上に配列し、例えば電子源、あるいは画像形成装置を構成できる。
【0106】
電子放出素子の配列については、種々のものが採用される。一例として、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に共通に接続した単純マトリクス配置がある。以下単純マトリクス配置について詳述する。
【0107】
以下、本発明の実施の形態に係る電子放出素子を複数配して得られる電子源について、図7を用いて説明する。
【0108】
図7において、91は電子源基体であり、92はX方向配線であり、93はY方向配線であり、94は本発明の実施の形態に係る電子放出素子であり、95は結線である。
【0109】
m本のX方向配線92は、Dx1,Dx2,…Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は、適宜設計される。Y方向配線93は、Dy1,Dy2,…Dynのn本の配線よりなり、X方向配線92と同様に形成される。これらm本のX方向配線92とn本のY方向配線93との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m,nは、共に正の整数)。
【0110】
不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成される。例えば、X方向配線92を形成した基体91の全面或いは一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線92とY方向配線93の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配線92とY方向配線93は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0111】
電子放出素子94を構成する一対の電極(不図示)は、m本のX方向配線92とn本のY方向配線93と導電性金属等からなる結線95によって電気的に接続されている。
【0112】
X方向配線92とY方向配線93を構成する材料、結線95を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例えば前述の素子電極(第1の電極層42,第2の電極層44)の材料より適宜選択される。素子電極を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0113】
X方向配線92には、X方向に配列した電子放出素子94の行を、選択するための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線93には、Y方向に配列した電子放出素子94の各列を入力信号に応じて、変調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
【0114】
上記構成においては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
【0115】
次に、このような単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像形成装置について、図8を用いて説明する。図8は、画像形成装置の表示パネルの一例を示す模式図である。
【0116】
図8において、91は電子放出素子を複数配した電子源基体、101は電子源基体91を固定したリアプレート、106はガラス基体103の内面に画像形成部材である蛍光体としての蛍光膜104とメタルバック105等が形成されたフェースプレートである。
【0117】
102は支持枠であり、支持枠102には、リアプレート101,フェースプレート106がフリットガラス等を用いて接続されている。107は外囲器であり、例えば、大気中あるいは窒素中で、400〜500℃の温度範囲で10分以上焼成することで、封着して構成される。
【0118】
94は、図1における電子放出素子に相当する。92,93は、電子放出素子の一対の素子電極(第1の電極層42,第2の電極層44)と接続されたX方向配線及びY方向配線である。
【0119】
外囲器107は、上述の如く、フェースプレート106、支持枠102、リアプレート101で構成される。ここで、リアプレート101は主に基体91の強度を補強する目的で設けられるため、基体91自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート101は不要とすることができる。即ち、基体91に直接支持枠102を封着し、フェースプレート106、支持枠102及び基体91で外囲器107を構成しても良い。
【0120】
一方、フェースプレート106とリアプレート101間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器107を構成することもできる。
【0121】
なお、本発明の実施の形態に係る電子放出素子を用いた画像形成装置では、放出した電子軌道を考慮して電子放出素子94上部に蛍光体(蛍光膜104)をアライメントして配置する。
【0122】
図9は、本件のパネルに使用した蛍光膜104を示す模式図である。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列により図9(a)に示すブラックストライプあるいは図9(b)に示すブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材111と蛍光体112とから構成した。
【0123】
ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体85間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜104における外光反射によるコントラストの低下を抑制することにある。ブラックストライプの材料としては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料を用いることができる。
【0124】
ガラス基体103に蛍光体を塗布する方法は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用できる。
【0125】
蛍光膜104の内面側には、通常、メタルバック105が設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート106側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから蛍光膜104を保護すること等である。
【0126】
メタルバック105は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを、真空蒸着等を用いて堆積させることで作製できる。
【0127】
フェースプレート106には、更に蛍光膜104の導電性を高めるため、蛍光膜104の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0128】
本発明の実施の形態においては、電子放出素子94の直上に電子ビームが到達するため、電子放出素子94の直上に蛍光膜104が配置されるように、位置合わせされて構成される。
【0129】
次に、封着工程を施した外囲器(パネル)を封止する真空封止工程について説明する。
【0130】
真空封止工程は、外囲器(パネル)107を加熱して、80〜250℃に保持しながら、イオンポンプやソープションポンプなどの排気装置によって、排気管(不図示)を通じて排気し、有機物質の十分少ない雰囲気にした後、排気管をバーナーで熱して溶解させて封じきる。
【0131】
外囲器107の封止後の圧力を維持するために、ゲッター処理を行うこともできる。これは、外囲器107の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器107内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。
【0132】
ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、外囲器107内の雰囲気を維持するものである。
【0133】
以上の工程によって製造された単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像形成装置は、各電子放出素子に、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを介して電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。
【0134】
すなわち、高圧端子113を介してメタルバック105、あるいは透明電極(不図示)に高圧(Va)を印加して、電子ビームを加速する。
【0135】
加速された電子は、蛍光膜104に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
【0136】
次に、単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例について、図12を用いて説明する。
【0137】
図12において、121は画像表示パネル、122は走査回路、123は制御回路、124はシフトレジスタである。また、125はラインメモリ、126は同期信号分離回路、127は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源である。
【0138】
表示パネル121は、端子Dox1乃至Doxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1乃至Doxmには、表示パネル内に設けられている電子源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動する為の走査信号が印加される。
【0139】
端子Dy1乃至Dynには、前記走査信号により選択された一行の電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10K[V]の直流電圧が供給されるが、これは電子放出素子から放出される電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0140】
走査回路122について説明する。同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図中,S1ないしSmで模式的に示している)ある。各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネル121の端子Dx1ないしDxmと電気的に接続される。
【0141】
S1乃至Smの各スイッチング素子は、制御回路123が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するものであり、例えばFETのようなスイッチング素子を組み合すことにより構成することができる。
【0142】
直流電圧源Vxは、本例の場合には、電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するように設定されている。
【0143】
制御回路123は、外部より入力する画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作を整合させる機能を有する。制御回路123は、同期信号分離回路126より送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよびTmryの各制御信号を発生する。
【0144】
同期信号分離回路126は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。
【0145】
同期信号分離回路126により分離された同期信号は、垂直同期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表した。該DATA信号はシフトレジスタ124に入力される。
【0146】
シフトレジスタ124は、時系列的にシリアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路123より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する(即ち、制御信号Tsftは,シフトレジスタ124のシフトクロックであるということもできる。)。
【0147】
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1乃至IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ124より出力される。
【0148】
ラインメモリ125は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であり、制御回路123より送られる制御信号Tmryに従って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶された内容は、I’d1乃至I’dnとして出力され、変調信号発生器127に入力される。
【0149】
変調信号発生器127は、画像データI’d1乃至I’dnの各々に応じて電子放出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パネル121内の電子放出素子に印加される。
【0150】
前述したように、本発明の実施の形態に係る電子放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。
【0151】
即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。
【0152】
このことから、本素子に電圧を印加する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その際、印加電圧Vfを変化させる事により出力電子ビームの強度を制御することが可能である。また、本素子にパルス電圧を印加する場合、パルスの高さPhを変化させる事により電子ビーム強度を、パルスの幅Pwを変化させることにより出力される電子ビームの電荷の総量を制御する事が可能である。
【0153】
従って、入力信号に応じて、電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器127として、一定長さの電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いることができる。
【0154】
パルス幅変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器127として、一定の波高値の電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いることができる。
【0155】
シフトレジスタ124やラインメモリ125は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式のものをも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行われれば良いからである。
【0156】
デジタル信号式を用いる場合には、同期信号分離回路126の出力信号DATAをデジタル信号化する必要があるが、これには126の出力部にA/D変換器を設ければ良い。
【0157】
これに関連してラインメモリ125の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器127に用いられる回路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器127には、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。
【0158】
パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器127には、例えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0159】
アナログ信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器127には、例えばオペアンプなどを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0160】
このような構成をとり得る本発明の実施の形態に係る電子放出素子を適用可能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを介して電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。
【0161】
高圧端子Hvを介してメタルバック105、あるいは透明電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加速された電子は、蛍光膜104に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
【0162】
なお、ここで述べた画像形成装置の構成は、本発明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0163】
入力信号については、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限られるものではなく、PAL,SECAM方式など他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0164】
また、本発明の画像形成装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成装置等としても用いることができる。
【0165】
【実施例】
以下、上記実施の形態に基づくより具体的な実施例を詳細に説明する。
【0166】
(実施例1)
本実施の形態における基本的な構成及び製造方法については、上述の説明で引用した図1,図2及び図5に示したものと同一である。以下に、本実施例に係わる電子放出素子の製造工程を詳細に説明する。
【0167】
(工程1)
まず、図5(a)に示すように、基板1に石英を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法により第2の電極層44として厚さ500nmのTa、CVD法により低抵抗のダイヤモンド膜を含むダイヤモンドライクカーボンの電子放出層17(第3の電極層45でもある)を第2の電極層44上に100nm程度堆積した。反応ガスはCH4とH2の混合ガスを用いた。
【0168】
(工程2)
次に、図5(b)に示すように、フォトリソグラフィーで、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)のスピンコーティング、フォトマスクパターンを露光し、現像し、電子放出層をO2でドライエッチングした後にTa電極層をCF4系のガスでそれぞれドライエッチングした。
【0169】
(工程3)
絶縁層43として厚さ500nmのSiO2、第1の電極層42として厚さ100nmのTaをこの順で堆積した。次いで工程2のフォトリソグラフィーと同様にパターニングし、開口部をドライエッチングで形成した。このとき絶縁分離も同様に行うため2回のフォトリソグラフィー&エッチング工程を通した。
【0170】
(工程4)
そして、図5(d)に示すように第2の絶縁層としてSiO2をP−CVD法により200nm堆積させた後にエッチバック法によりAr/CHF3/CF4系のガスで、66.5Pa、RFパワー800Wでエッチングした。
【0171】
以上のようにして作製した電子放出素子を、図3に示すようにVaを印加して駆動した。
【0172】
駆動電圧は、Vg=10V、Va=5kV、電子放出素子とアノード12との距離D3を1mmとした。ここで、アノード12として蛍光体を塗布した電極を用い、電子ビームのサイズを観察した。ここで言う電子ビームサイズとは、発光した蛍光体のピーク輝度の10%の領域までのサイズとした。その結果、ビーム径200μmとなった。
【0173】
ここでは、図2に示すように電子放出部をほぼ円形の開口部で記述しているが特に限定されず、例えば図10の平面図に示すように、ライン状に形成しても構わない。
【0174】
断面形状は開口部の場合と同様であり、第2の絶縁層46が周辺テーパー上に存在する。この時も同様な効果が得られ、ビーム径は小さくできた。作成方法はパターニング形状を変えるだけで、全く同様である。ラインパターンを複数並べることも可能で放出面積を大きくとることが可能となる。
【0175】
(実施例2)
実施例2として、第3の電極層45と電子放出層17を異なる材料としたときの構成及び作成方法について述べる。
【0176】
図11に本実施例に係わる電子放出素子の製造方法の一例を示す。以下に、本実施例に係わる電子放出素子の製造工程を詳細に説明する。
【0177】
(工程1)
まず、図11(a)に示すように、基板1に石英を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法により第2の電極層44として厚さ500nmのTi及び第3の電極層45としてTaを100nm堆積させた。
【0178】
(工程2)
次に、図11(b)に示すように、フォトリソグラフィーで、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)のスピンコーティング、フォトマスクパターンを露光し、現像し、Ta電極層とTi電極層をCF4系のガスでそれぞれドライエッチングした。
【0179】
(工程3)
次に、図11(c)に示すように、絶縁層43として厚さ500nmのSiO2、第1の電極層42として厚さ100nmのTaをこの順で堆積した。次いで工程2のフォトリソグラフィーと同様にパターニングし、開口部をドライエッチングで形成した。このとき絶縁分離も同様に行うため2回のフォトリソグラフィー&エッチング工程を通した。
【0180】
(工程4)
次に、図11(d)に示すように第2の絶縁層46としてSiO2をP−CVD法によって200nm堆積させた後に、エッチバック法によりAr/CHF3/CF4系のガスで、66.5Pa、RFパワー800Wでエッチングした。さらに第3の電極層45であるTi電極をエッチングして、下地Ta層を開口部の中央に露出させた。
【0181】
(工程5)
次に、図11(e)に示すようにCVD法により低抵抗のダイヤモンド膜を含むダイヤモンドライクカーボンの電子放出層17を第3の電極層45上に50nm程度選択堆積した。反応ガスはCH4とH2の混合ガス及び酸素を用いた。
【0182】
以上のようにして作製した電子放出素子を、図3のように配置して、駆動した。駆動電圧は、Vg=10V、Va=5kV、第2の電極層44及び第3の電極層45は0Vであり、電子放出層17も0Vである。なお、電子放出層17とアノード12との距離D3を1mmとした。
【0183】
ここで、アノード12として蛍光体を塗布した電極を用い、電子ビームのサイズを観察した。ここで言う電子ビームサイズとは、発光した蛍光体のピーク輝度の10%の領域までのサイズとした。その結果、ビーム径200μmとなった。
【0184】
また、下地電極である第2の電極層44及び第3の電極層45で低抵抗配線が実現できるため高速駆動が可能となった。
【0185】
(実施例3)
実施例3として、第2の絶縁層46の部分の誘電率を、第1の絶縁層43の部分の誘電率よりも高くした例を示す。
【0186】
本実施例では、第2の絶縁層46をSiNとすることによって、第1の絶縁層43を形成しているSiO2の誘電率3.9と比べてSiNは誘電率が7と大きく、電子放出膜17表面の等電位面をより凹型に形成できた。なお、本実施例では実施例1と同様な作成方法で、第2の絶縁層46の形成にプラズマCVDによるSiNを用いた。
【0187】
以上のようにして作製した電子放出素子を、図3のように配置して、駆動した。
【0188】
駆動電圧は、Vg=10V、Va=5kV、電子放出層17とアノード12との距離D3を1mmとした。ここで、アノード12として蛍光体を塗布した電極を用い、電子ビームのサイズを観察した。ここで言う電子ビームサイズとは、発光した蛍光体のピーク輝度の10%の領域までのサイズとした。その結果、ビーム径180μmとなり,さらにビーム径を小さくすることができた。
【0189】
(実施例4)
実施例1〜3の電子放出素子で画像形成装置を作製した。一例として、実施例1の素子で作製した場合について示す。
【0190】
実施例1の素子を10×10のMTX状に配置した。配線は、図7に示すようにX側を第1の電極層42にY側を第2の電極層44に接続した。素子は、横300μm、縦300μmのピッチで配置した。素子上部には蛍光体を配置した。この結果、マトリクス駆動が可能で高精細な画像形成装置が形成できた。
【0191】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、電子ビーム径が小さく、電子放出面積が大きく、低電圧で高効率な電子放出が可能で、製造プロセスが容易な電子放出素子を提供できる。
【0192】
また、このような電子放出素子を電子源や画像形成装置に適用すると、性能に優れた電子源及び画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式的断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式的平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子放出素子を駆動させた時の様子を示す等電位線を含む模式図である。
【図4】放出された電子の電子軌道を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造工程図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式的平面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電子源の模式的平面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の模式的(一部破断)斜視図である。
【図9】蛍光膜の一例を示す模式図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式的平面図である。
【図11】本発明の実施例2に係わる電子放出素子の製造工程図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の駆動回路図である。
【図13】従来技術に係る電子放出素子の模式的断面図である。
【図14】従来技術に係る電子放出素子の製造工程図である。
【図15】従来技術に係る(収束電極を備えた)電子放出素子の模式的断面図である。
【図16】従来技術に係る電子放出素子の模式的断面図である。
【図17】従来技術に係る(MIM型)電子放出素子の模式的断面図である。
【図18】従来技術に係る電子放出素子を画像形成装置に応用する場合の説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ゲート電極層
3 絶縁層
4 カソード電極層
5 マイクロチップ
6 等電位面
7 犠牲層
8 マイクロチップ材料
9 収束電極
11 ゲート電極層
12 アノード
13 蛍光体
14 電子放出素子
16 開口部パターン
17 電子放出層
42 第1の電極層
43 第1の絶縁層
44 第2の電極層
45 第3の電極層
46 第2の絶縁層
85 蛍光体
91 基体
92 X方向配線
93 Y方向配線
94 電子放出素子
95 結線
101 リアプレート
102 支持枠
103 ガラス基体
104 蛍光膜
105 メタルバック
106 フェースプレート
107 外囲器
111 黒色導電材
112 蛍光体
113 高圧端子
121 表示パネル
122 走査回路
123 制御回路
124 シフトレジスタ
125 ラインメモリ
126 同期信号分離回路
127 変調信号発生器

Claims (8)

  1. ゲート電極及びカソード電極と、
    前記ゲート電極と前記カソード電極の間に挟まれた絶縁層と、
    前記ゲート電極および前記絶縁層を貫通するように設けられた開口部と、
    該開口部内に配置され、前記カソード電極に接続される電子放出材料とを有する電子放出素子であって、
    前記開口部内に、前記ゲート電極側の開口面積が、前記カソード電極側の開口面積よりも大きくなるようなテーパー形状の開口部を有し前記絶縁層とは異なる材料からなる絶縁部を備え、
    絶縁部と前記カソード電極との間には、開口部を有する電極部が備えられ、該電極部の開口部内に、前記電子放出材料が配置されていることを特徴とする電子放出素子。
  2. 前記電子放出材料の表面は、前記絶縁部前記電極部との境界面と同一面あるいは前記境界面より前記カソード電極側に位置することを特徴とする請求項に記載の電子放出素子。
  3. ゲート電極及びカソード電極と、
    前記ゲート電極と前記カソード電極の間に配置された絶縁層と、
    前記ゲート電極に配置された第1の開口と、
    前記絶縁層に配置され、前記第1の開口と連通する第2の開口と、
    前記第2の開口内に配置され、前記カソード電極に接続される電子放出膜と、を備えた電子放出素子であって、
    前記第2の開口内に、前記ゲート電極側における開口面積が、前記カソード電極側における開口面積よりも大きくなるテーパー形状の第3の開口を有し前記絶縁層とは異なる材料からなる絶縁部を有し、
    前記絶縁部と前記カソード電極との間に、前記電子放出膜の外周が挟まれていることを特徴とする電子放出素子。
  4. 前記電子放出膜の前記第3の開口内に位置する表面は、前記絶縁部と前記電子放出膜とが接する境界面と同一面あるいは前記境界面より前記カソード電極側に位置することを特徴とする請求項3に記載の電子放出素子
  5. 前記絶縁部の誘電率が、前記絶縁層の誘電率よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子放出素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子放出素子が複数個配置されることを特徴とする電子源。
  7. 請求項に記載の電子源と、
    該電子源から放出された電子が衝突されることで画像を形成する画像形成部材と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. 画像形成装置を有するテレビジョンであって、
    前記画像形成装置は、請求項7に記載される画像形成装置であることを特徴とするテレビジョン。
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