JPH0883579A - 画像形成装置およびその製造方法 - Google Patents

画像形成装置およびその製造方法

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JPH0883579A
JPH0883579A JP21586694A JP21586694A JPH0883579A JP H0883579 A JPH0883579 A JP H0883579A JP 21586694 A JP21586694 A JP 21586694A JP 21586694 A JP21586694 A JP 21586694A JP H0883579 A JPH0883579 A JP H0883579A
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JP
Japan
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image forming
electron
forming apparatus
frit glass
emitting device
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Application number
JP21586694A
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English (en)
Inventor
Masahiko Miyamoto
雅彦 宮本
Masahiro Tagawa
昌宏 多川
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スペーサを強固に固定し、スペーサの位置ず
れを防止する。 【構成】 電子を放出する電子源1を搭載したリアプレ
ート2にはフェースプレート3が対向配置され、支持枠
4により気密封着される。フェースプレート3は、ガラ
ス基板6に蛍光膜7を介してメタルバック8が形成され
たもので、電子源1とメタルバック8との間には、スペ
ーサ5が固定される。スペーサ5とメタルバック8と
は、メタルバック8の両面に配されたフリットガラスを
溶融することにより一体化した一体化フリットガラス9
で固定される。一体化フリットガラス9により、メタル
バック8はフェースプレート3に対して強固に固定され
るので、メタルバック8の剥離は発生せずスペーサ5の
位置ずれが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子を画像形成部材に
衝突させることで生じる発光や帯電を利用して画像を形
成する画像形成装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、熱電子源
と冷陰極電子源の2種類が知られており、また、これら
の電子源を利用した画像形成装置が知られている。
【0003】熱電子源を用いた平面型の画像形成装置と
しては、図9に示すものが知られている。図9は、熱電
子源を用いた従来の画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、絶縁支持体1501上に平行に配
置され、表面に電子線衝撃により発光する部材(蛍光
体)が塗布された複数の陽極1502と、陽極1502
と平行に、かつ、対向して配置された複数のフィラメン
ト1503と、陽極1502とフィラメント1503と
の間に、陽極1502およびフィラメント1503と直
交して配置された複数のグリッド1504とを有し、こ
れら陽極1502、フィラメント1503およびグリッ
ド1504は、透明の容器1505内に保持されてい
る。容器1505は、その内部の真空を保持できるよう
に絶縁支持体1501に気密接着(以下、「封着」とい
う)され、容器1505と絶縁支持体1501とで構成
される外囲器の内部は10-6Torr程度の真空に保た
れている。
【0004】フィラメント1503は、真空中で加熱さ
れることにより電子を放出し、グリッド1504と陽極
1502に適当な電圧を印加することにより、フィラメ
ント1503から放出された電子が陽極1502に衝突
し、陽極1502上に塗布された蛍光体が発光する。陽
極1502の列(X方向)とグリッド1504の列(Y
方向)をマトリクスアドレッシングすることにより、発
光する位置の制御が可能となり、容器1505を通して
画像を表示することができる。
【0005】しかし、熱電子源を用いた画像形成装置
は、 (1)消費電力が大きい。 (2)変調スピードが遅いため、大容量の表示が困難で
ある。 (3)各素子間のばらつきが生じやすく、また構造が複
雑となるため大画面化が難しい。 という問題点がある。
【0006】そこで、熱電子源にかえて、冷陰極電子源
を用いた画像形成装置が考えられている。
【0007】冷陰極電子源には電界放出型(以下、FE
型という)、金属/絶縁層/金属型(以下、MIM型と
いう)や表面伝導型電子放出素子等がある。
【0008】FE型の例としては、W.P.Dyke & W.W.Dol
an, "Field emission", Advance inElectron Physics,
8, 89(1956)、あるいはC.A.SPindt, "PHYSICAL Propert
iesof thin-film field emission cathodes with moybd
enium coces", J.Appl.Phys., 47, 5248(1976) 等が知
られている。
【0009】MIM型の例としては、C.A.Mead, "Opera
tion of Tunnel-emission Devices", J.Appl.Phys., 3
2, 646(1961) 等が知られている。
【0010】表面伝導型電子放出素子の例としては、M.
I.Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10, (1965)等
がある。表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。この
表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等に
よるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:"Thin SolidFilms", 9, 317(1972)]、I
23/SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell andC.G.
Fonstad:"IEEE Trans. ED Conf.", 519(1975)]、カー
ボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第
1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0011】この表面伝導型電子放出素子は、素子電極
間にある程度(しきい値電圧)以上の電圧を印加するこ
とにより急激に放出電流が増加して電子放出部から電子
を放出し、一方、上記しきい値電圧未満では放出電流が
ほとんど検出されない非線形素子である。表面伝導型電
子放出素子の放出電流は素子電極間に印加する電圧で制
御でき、また、放出電荷はこの電圧の印加時間により制
御できる。
【0012】上述したような電子放出素子は10-6To
rr程度以上の真空中で動作させていることから、この
種の電子放出素子を用いた画像形成装置としては、電子
放出素子が設けられた電子源と、電子の衝突により発光
する蛍光体等を備えた画像形成部材とを支持枠を介して
対向配置し、これら電子源と画像形成部材と支持枠とで
構成される外囲器の内部を真空にしたものが知られてい
る。このため外囲器は耐大気圧構造が必要となるが、特
に大面積の画像形成装置で耐大気圧支持を実現しようと
すると、電子源や画像形成部材の板厚が非常に厚くな
り、重量・コスト等の点で実現性が乏しくなる。この問
題を回避するために、電子源と画像形成部材との間に支
柱としてスペーサを配置・固定し、耐大気圧構造とし、
画像形成装置の軽量化を図っている。
【0013】電子源と画像形成部材とは支持枠を介して
封着するが、その際の封着材料としては、低融点粉末ガ
ラス(フリットガラス)が用いられ、400℃〜500
℃で加熱溶着を行なう。上記スペーサの固定にも、フリ
ットガラスが用いられる。
【0014】フリットガラスには、結晶性のものや非結
晶性のもの、さらには成分の違いにより数種類あり、封
着温度や使用部材の熱膨張係数に応じて適宜選択するこ
とができる。フリットガラス単体は粉体なので、塗布す
る場合は有機溶剤あるいはニトロセルロースやアクリル
等のバインダーで粘度を調製した有機溶剤と混合させ、
ペースト状のフリットガラス混合体として用いる。この
フリットガラス混合体の常温での粘性は塗布条件により
異なるが数万cps程度で、スクリーン印刷法やディス
ペンサー法で電子源あるいは画像形成部材の内側に塗布
され、支持枠との封着やスペーサの固定が行なわれる。
【0015】画像形成部材は、ガラス板の内側に蛍光面
が形成されたものが用いられる。蛍光面は、カラー画像
形成装置ではブラックストライプと呼ばれる黒色材料と
蛍光体とで構成され、さらにこの蛍光面はメタルバック
でコートされている。ブラックストライプは、カラーの
場合の三原色蛍光体の各蛍光体間の混色を目立たなくす
ることと、蛍光面での外光の反射により生じるコントラ
ストの低下を防ぐためのものである。一方、メタルバッ
クでコートする目的は、比抵抗が一般に1010〜1012
Ω・cmと高い蛍光体に電荷(電子)が溜り電位の低下
を防ぐこと、電子ビーム加速用の電圧を印加するための
電極として作用すること、蛍光体の発光の内側への光を
反射し輝度を向上させること、負イオンの衝突から蛍光
体を保護すること等である。これらの目的に適したメタ
ルバックとして、通常、厚さ2000オングストローム
程度のAl薄膜(真空蒸着膜)が用いられる。
【0016】スペーサを画像形成装置内に配置する場
合、電子放出素子の電子放出部の邪魔にならない位置
で、かつ、画像形成部材の蛍光体のないブラックストラ
イプ上等の位置に固定すれば、画像を形成するうえで問
題はない。また、スペーサを固定しようとする電子源の
内面側には、ガラス基板に印刷・焼成等の工程で形成さ
れた絶縁層および配線電極が露出しているが、これら絶
縁層や配線電極は下地のガラスと強固に密着しているの
で、この上にフリットガラス混合体を塗布しスペーサを
固定しても、固定強度に問題はない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、画像
形成部材の蛍光面側はAl薄膜のメタルバックでコート
されており、スペーサは直接メタルバックに固定される
ことになる。しかし、Al薄膜は軟質であり、しかも下
地との密着性も強固ではないので剥がれ易い。したがっ
て、メタルバック上にフリットガラス混合体を塗布し、
そこにスペーサを固定する方法では、スペーサはメタル
バックごと剥離を起こすおそれが十分にあり、固定され
るスペーサの実用上の機械的強度は必ずしも十分とはい
えない。その結果、画像形成部材とスペーサとの固定が
十分に行なわれず、スペーサが位置ずれを起こし画像に
影響を及ぼしたり、耐大気圧特性が劣化したり、さらに
は画像形成装置全体が破損する場合もあるという問題点
があった。
【0018】そこで本発明は、スペーサが強固に固定さ
れ、スペーサの位置ずれが発生しない画像形成装置およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の画像形成装置は、電子放出素子が設けられた電
子源と、前記電子源に対向配置され、前記電子放出素子
から放出された電子を加速するための加速電極を備えた
画像形成部材と、前記電子源と前記加速電極との間に固
定された支柱とを有し、前記電子源と前記画像形成部材
とが気密封着された画像形成装置において、前記加速電
極の両面の、前記支柱を固定する位置に対応する部位に
は、それぞれフリットガラスが配され、前記支柱は、前
記フリットガラスを溶融させることにより、前記フリッ
トガラスで前記加速電極に固定されていることを特徴と
する。
【0020】また、前記加速電極は、アルミニウム製の
薄膜であり、前記画像形成部材の基板の前記電子源との
対向面に、前記電子放出素子から放出された電子が放出
することにより画像が形成される部材を介して形成され
ているものであってもよい。
【0021】この場合、前記フリットガラスは、前記基
板に設けられたリブ上に配されているものとしたり、ま
たは、前記フリットガラスのうち少なくとも前記基板側
のフリットガラスに、黒色顔料が混合されているものと
してもよい。
【0022】さらに、前記電子源と前記画像形成部材と
の間の気密状態を維持するための外囲器の一部をなす支
持枠が、前記支柱と一体となっているものでもよく、こ
の場合には、前記外囲器の内部が真空であるものや、さ
らに、前記支柱が、前記外囲器の耐大気圧構造体として
用いられるものであってもよい。
【0023】そして、前記電子放出素子は、冷陰極型電
子放出素子であってもよく、その中でも前記冷陰極型電
子放出素子は表面伝導型電子放出素子であることが好ま
しい。
【0024】この場合、前記表面伝導型電子放出素子が
2次元のマトリクス状に複数個配置され、前記各表面伝
導型電子放出素子は、複数本の行方向配線と複数本の列
方向配線とによって、それぞれ結線されているものであ
ってもよい。
【0025】本発明の画像形成装置の製造方法は、電子
放出素子が設けられた電子源に、前記電子放出素子から
放出された電子を加速するための加速電極を備えた画像
形成部材を、支柱を介して互いに対向して気密封着する
画像形成装置の製造方法において、前記加速電極の両面
の、前記支柱が固定される位置に対応する部位にそれぞ
れフリットガラスを配し、前記フリットガラスを溶融し
て前記フリットガラスで前記加速電極に前記支柱を固定
することを特徴とする。
【0026】また、前記フリットガラスを印刷技術また
はディスペンサー技術で塗布してもよい。
【0027】さらに、前記支柱を、予め前記電子源に固
定しておいてから、前記画像形成部材に固定する方法
や、予め前記画像形成部材に固定しておいてから、前記
電子源に固定する方法もある。
【0028】
【作用】上記のとおり構成された本発明では、加速電極
の両面にフリットガラスが配されているので、このフリ
ットガラスを溶融させることにより、フリットガラスは
加速電極の両面から加速電極に浸潤し、加速電極を巻き
込んで一体化する。これにより、加速電極と支柱、およ
び加速電極と画像形成部材とは強固に固定される。した
がって、支柱は画像形成部材に強固に固定されることに
なる。特に、加速電極がアルミニウム製の薄膜の場合、
画像形成部材との密着性がそれほど強固ではないので、
上述したように加速電極の両面にフリットガラスを配す
ことにより、加速電極の剥離が防止される。
【0029】また本発明の画像形成装置は、複数本の行
方向配線と複数本の列方向配線とによって表面伝導型電
子放出素子をそれぞれ結線することで、行列状に多数個
の表面伝導型電子放出素子を配列した単純マトリクス型
の電子源を用いた画像形成装置に好適である。上記単純
マトリクス型の電子源は、行方向と列方向に適当な駆動
信号を与えることで、多数の表面伝導型電子放出素子を
選択し電子放出量を制御し得るので、基本的には他の制
御電極を付加する必要がなく、1枚の基板上で容易に構
成できる。
【0030】
【実施例】本発明にかかわる画像形成装置は基本的に
は、薄型の真空容器内に、基板上に多数の冷陰極素子を
配列してなるマルチ電子ビーム源と、電子ビームの照射
により画像を形成する画像形成部材とを対向して備えて
いる。
【0031】冷陰極素子は、たとえばフォトリソグラフ
ィーやエッチングのような製造技術を用いれば基板上に
精密に位置決めして形成できるため、微小な間隔で多数
個を配列することが可能である。しかも、従来からCR
T等で用いられてきた熱陰極と比較すると、陰極自身や
周辺部が比較的低温の状態で駆動できるため、より微細
な配列ピッチのマルチ電子ビーム源を容易に実現するこ
とができる。
【0032】本発明は、上述した冷陰極素子をマルチ電
子ビーム源として用いた画像形成装置にかかわるもので
ある。
【0033】また、冷陰極素子のなかでもとりわけ好ま
しいのは、表面伝導型電子放出素子である。すなわち、
前記MIM型素子は絶縁層や上部電極の厚さを比較的精
密に制御する必要があり、またFE型は針状の電子放出
部の先端形状を精密に制御する必要がある。そのため、
これらの素子は比較的製造コストが高くなったり、製造
プロセス上の制限から大面積のものを作製するのが困難
となる場合があった。
【0034】これに対して表面伝導型電子放出素子は、
構造が単純で製造が簡単であり、大面積のものを容易に
作製できる。近年、特に大画面で安価な表示装置が求め
られている状況においては、とりわけ好適な冷陰極素子
であるといえる。
【0035】以下に、本発明の実施例について図面を参
照して説明する。
【0036】図1は、本発明の画像形成装置の一実施例
の一部を破断した斜視図であり、図2は、図1に示した
画像形成装置の要部断面図である。
【0037】図1および図2において、リアプレート2
には、複数の表面伝導型の電子放出素子15がマトリク
ス状に配列された電子源1が固定されている。電子源1
には、ガラス基板6の内面に蛍光膜7とメタルバック8
が形成されたフェースプレート3が、絶縁性材料からな
る支持枠4を介して対向配置されており、電子源1とメ
タルバック8との間には、不図示の電源により高電圧が
印加される。これらリアプレート2、支持枠4およびフ
ェースプレート3は互いにフリットガラス等で封着さ
れ、リアプレート2と支持枠4とフェースプレート3と
で外囲器10を構成する。
【0038】また、外囲器10の内部は10-6Torr
程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃など
による外囲器10の破壊を防止する目的で、耐大気圧構
造体として、外囲器10の内部には薄板状のスペーサ5
が設けられている。スペーサ5は、上記目的を達成する
のに必要な数だけ、かつ、必要な間隔をおいてブラック
ストライプ7a上に配置され、メタルバック8および電
子源1に封着される。特に、メタルバック8とスペーサ
5とは一体化フリットガラス9により封着される。一体
化フリットガラス9は、メタルバック8の両面をフリッ
トガラスで挟み、そのフリットガラスを溶融することで
メタルバック8に浸潤させ、メタルバック8を巻き込ん
で一体化したものである。メタルバック8とスペーサ5
との具体的な固定方法については後述する。
【0039】電子源1の配線は、支持枠4とリアプレー
ト2との間を通って外囲器10の外側に出ており、配線
取り出し部19により不図示の駆動回路に結線されてい
る。
【0040】以下に、上述した各構成要素について詳細
に説明する。
【0041】(1)電子源1 図3は、図1に示した画像形成装置の電子源の要部平面
図であり、図4は、図3に示した電子源のA−A’線断
面図である。
【0042】図3および図4に示すように、ガラス基板
等からなる絶縁性基板11には、m本のX方向配線12
とn本のY方向配線13とが、層間絶縁層14で電気的
に分離されてマトリクス状に配線されている。各X方向
配線12と各Y方向配線13との間には、それぞれ表面
伝導型の電子放出素子15が電気的に接続されている。
各電子放出素子15は、それぞれX方向に間をおいて配
置された1対の素子電極16、17と、各素子電極1
6、17を連絡する電子放出部形成用薄膜18とで構成
され、1対の素子電極16、17のうち一方の素子電極
16が、層間絶縁層14に形成されたコンタクトホール
14aを介してX方向配線12に電気的に接続され、他
方の素子電極17がY方向配線13に電気的に接続され
る。各素子電極16、17は、それぞれ金属等からなる
ものであり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成
される。
【0043】絶縁性基板11の大きさ及び厚みは、絶縁
性基板11に設置される電子放出素子15の個数および
個々の素子の設計上の形状や、電子源1の使用時に容器
の一部を構成する場合には、その容器を真空に保持する
ための条件等に依存して適宜設定される。
【0044】各X方向配線12および各Y方向配線13
は、それぞれ絶縁性基板11上に、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等により所望のパターンに形成された金
属等からなり、多数の電子放出素子15にできるだけ均
等な電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線巾が設
定される。また、層間絶縁層14は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線12を形成した絶縁性基板11の全面或いは一部
に所望の形状で形成され、特にX方向配線12とY方向
配線13の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材
料、製法が適宜設定される。
【0045】また、X方向配線12には、X方向に配列
する電子放出素子15の行を任意に走査するための走査
信号を印加するための不図示の走査信号発生手段と電気
的に接続されている。一方、Y方向配線13には、Y方
向に配列する電子放出素子15の各列を任意に変調する
ための変調信号を印加するための不図示の変調信号発生
手段と電気的に接続されている。ここにおいて、各電子
放出素子15に印加される駆動電圧は、当該素子に印加
される走査信号と変調信号の差電圧として供給されてい
るものである。
【0046】ここで、電子源1の製造方法の一例につい
て図5により工程順に従って具体的に説明する。尚、以
下の工程a〜hは、図5の(a)〜(h)に対応する。
【0047】工程a:清浄化した青板ガラス上に厚さ
0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した絶
縁性基板11上に、真空蒸着により厚さ50オングスト
ロームのCr、厚さ6000オングストロームのAuを
順次積層した後、ホトレジスト(AZ1370 ヘキス
ト社製)をスピンナーにより回転塗布、べークした後、
ホトマスク像を露光、現像して、X方向配線12のレジ
ストパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエ
ッチングして、所望の形状のX方向配線12を形成す
る。
【0048】工程b:次に、厚さ1.0μmのシリコン
酸化膜からなる層間絶縁層14をRFスパッタ法により
堆積する。
【0049】工程c:工程bで堆積したシリコン酸化膜
にコンタクトホール14aを形成するためのホトレジス
トパターンを作り、これをマスクとして層間絶縁層14
をエッチングしてコンタクトホール14aを形成する。
エッチングはCF4 とH2 ガスを用いたRIE(Rea
ctive Ion Etching)法による。
【0050】工程d:その後、素子電極と素子電極間ギ
ャップとなるべきパターンをホトレジスト(RDー20
00Nー41 日立化成社製)で形成し、真空蒸着法に
より厚さ50オングストロームのTi、厚さ1000オ
ングストロームのNiを順次堆積した。ホトレジストパ
ターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフト
オフし、素子電極間隔L1(図3参照)が3μm、素子
電極幅W1(図3参照)が300μmである素子電極1
6、17を形成する。
【0051】工程e:素子電極16、17の上にY方向
配線13のホトレジストパターンを形成した後、厚さ5
0オングストロームのTi、厚さ5000オングストロ
ームのAuを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフに
より不要の部分を除去して、所望の形状のY方向配線1
3を形成する。
【0052】工程f:対の素子電極16、17を跨ぐよ
うな開口を有するマスクを用い、膜厚1000オングス
トロームのCr膜21を真空蒸着により堆積・パターニ
ングし、その上に有機Pd(ccp4230 奥野製薬
(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で
10分間の加熱焼成処理をした。
【0053】このようにして形成されたPdを主元素と
する微粒子からなる電子放出部形成用薄膜18の膜厚は
約100オングストローム、シート抵抗値は5×104
Ω/□であった。なお、ここで述べる微粒子膜とは、複
数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、
微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が
互いに隣接、あるいは、重なり合った状態(島状も含
む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で粒子形状が
認識可能な微粒子についての径をいう。
【0054】工程g:酸エッチャントによりCr膜21
を除去して、所望のパターン形状を有する電子放出部形
成用薄膜18を形成した。
【0055】工程h:コンタクトホール14a部分以外
にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真空蒸
着により厚さ50オングストロームのTi、厚さ500
0オングストロームのAuを順次堆積した。リフトオフ
により不要の部分を除去することにより、コンタクトホ
ール14aを埋め込んだ。
【0056】以上の工程を経て、X方向配線12、Y方
向配線13および電子放出素子15が絶縁性基板11上
に2次元状に等間隔に形成配置される。
【0057】そして、外囲器10(図1参照)を、不図
示の排気管を通じて真空ポンプにて排気し、十分な真空
度に達した後、容器外端子Dox1ないしDoxmとD
oy1ないしDoynを通じ、電子放出素子15の素子
電極16、17間に電圧を印加し、電子放出部形成用薄
膜18を通電処理(フォーミング処理)することにより
電子放出部23(図4参照)が形成される。例えば、フ
ォーミング処理として、10-6Torrの真空雰囲気下
で、パルス幅T1が1ミリ秒、波高値(フォーミング時
のピーク電圧)が5Vの三角波を、10ミリ秒のパルス
間隔T2 で60秒間、素子電極16、17間に通電する
ことにより、電子放出部形成用薄膜18が局所的に破壊
され、電子放出部形成用薄膜18に電子放出部23を形
成できる。
【0058】(2)蛍光膜7 蛍光膜7は、黒色部材からなるブラックストライプクス
7aと蛍光体とで構成される。蛍光体は電子放出素子1
5に対応して配置する必要があるので、外囲器10を構
成する場合、フェースプレート3とリアプレート2との
位置合わせを精度よく行なわなければならない。ブラッ
クストライプが設けられる目的は、カラー表示の場合必
要となる三原色蛍光体の、各蛍光体間の塗り分け部を黒
くすることで混色を目立たなくすることと、蛍光膜7に
おける外光反射によるコントラストの低下を抑制するこ
とである。ブラックストライプ7aの材料としては、通
常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料だけでな
く、光の透過及び反射が少ない材料であれば適用でき
る。また、ガラス基板6に蛍光体を塗布する方法は、沈
殿法や印刷法が用いられる。
【0059】(3)メタルバック8 メタルバック8の目的は、蛍光体の蛍光のうち内面側へ
の光をフェースプレート3側へ鏡面反射することにより
輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加するた
めの加速電極として作用すること、外囲器10内で発生
した負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体の保護
等である。メタルバック8は、蛍光膜7を作製後、蛍光
膜7の内側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ば
れる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積すること
で作製できる。フェースプレート3には、さらに蛍光膜
7の導電性を高めるため、蛍光膜7とガラス基板6との
間にITO等の透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0060】(4)外囲器10 外囲器10は、不図示の排気管に通じ、10-6Torr
程度の真空度にされた後、封止される。そのため、外囲
器10を構成するリアプレート2、フェースプレート
3、支持枠4は、外囲器10に加わる大気圧に耐えて真
空雰囲気を維持でき、かつ、電子源1とメタルバック8
間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有するも
のを用いることが望ましい。その材料としては、例えば
石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、
青板ガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が挙げら
れる。ただし、フェースプレート3については可視光に
対して一定以上の透過率を有するものを用いる必要があ
る。また、各々の部材の熱膨張率が互いに近いものを組
み合わせることが好ましい。本実施例では、リアプレー
ト2、支持枠4、およびフェースプレート3のガラス基
板6として、青板ガラスを切削加工したものを用いた。
【0061】リアプレート2は、主に電子源1の強度を
補強する目的で設けられるため、電子源1自体で十分な
強度をもつ場合にはリアプレート2は不要であり、電子
源1に直接支持枠4を封着し、電子源1と支持枠4とフ
ェースプレート3とで外囲器10を構成してもよい。
【0062】また、外囲器10の封止後の真空度を維持
するために、ゲッター処理を行う場合もある。これは、
外囲器10の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加
熱あるいは高周波加熱等により、外囲器10内の所定の
位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜
を形成する処理である。ゲッターは通常Baが主成分で
あり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえば1×10-5
〜1×10-7Torrの真空度を維持するものである。
【0063】次に、本実施例の画像形成装置の製造工程
について説明する。
【0064】まず、フェースプレート3の作成方法およ
びフェースプレート3とスペーサ5との固定方法につい
て図6を用いて説明する。なお、図6では、図2に示し
た構造を上下逆にして示している。
【0065】図6の(a)に示すように、フェースプレ
ート3となるガラス基板6を沸酸等でよく洗浄後、フォ
トリソグラフィー技術によりブラックストライプ7aを
形成する。ブラックストライプ7aの厚さは、10〜2
0μmである。そして、ブラックストライプ7a上で、
かつ、スペーサ5を配置する所定の位置に、有機溶剤と
混合させてペースト状となったフリットガラス混合体で
ある基部フリットガラス9aを、印刷技術によりおよそ
100μmの厚さで作成する。その後、三原色蛍光体を
1色ずつレジストと混ぜてスラリー状にして塗布し、所
定位置に現像・定着を繰り返すスラリー法によって蛍光
膜7を形成する。スラリー法は、CRTの製造に通常用
いられている方法なので、ここでは詳細の説明は省略す
る。蛍光膜7の厚さは、30〜50μmである。
【0066】次いで、Alの真空蒸着によりほぼ200
0オングストロームの厚さのメタルバック8を形成し、
このメタルバック8上の、基部フリットガラス9aに対
応する位置に、基部フリットガラス9aと同様の頂部フ
リットガラス9bを、印刷技術により形成する。これに
より、基部フリットガラス9aと頂部フリットガラス9
bとでメタルバック8を挟む構造となる。頂部フリット
ガラス9bの厚さは、100μmとした。
【0067】頂部フリットガラス9bが形成されたら、
頂部フリットガラス9bの直上に、固定すべきスペーサ
5がセットされる。
【0068】この状態で、固定を行なう溶着温度、例え
ば410℃まで電気炉等で加熱すると、図6の(b)に
示すように、基部フリットガラス9aおよび頂部フリッ
トガラス9bは軟化・溶融を開始し、スペーサ5は頂部
フリットガラス9b内に沈み込み始める。また、基部フ
リットガラス9aおよび頂部フリットガラス9bの溶融
に伴い、基部フリットガラス9aと頂部フリットガラス
9bとは2000オングストロームしかないメタルバッ
ク8の層を容易に浸潤・透過し、両者が一体化し始め
る。
【0069】溶着温度での保持により上記の挙動は進行
し、基部フリットガラス9aおよび頂部フリットガラス
9bはメタルバック8を巻き込んで完全に一体化し、図
6の(c)に示すように、一体化フリットガラス9とな
る。その後、降温・冷却して溶着が完了する。このよう
に、メタルバック8を基部フリットガラス9aと頂部フ
リットガラス9bとで挟み込んだ状態で各フリットガラ
ス9a、9bを溶融させることで、各フリットガラス9
a、9bはメタルバック8に浸潤して一体化し、メタル
バック8とブラックストライプ7aとは強固に固定され
る。すなわちメタルバック8はガラス基板6に対して強
固に固定される。
【0070】したがって、メタルバック8の剥離も発生
せず、スペーサ5の固定も確実なものとなるので、スペ
ーサ5の位置ずれによる画像への悪影響や、耐大気圧特
性の劣化が防止できる。
【0071】このようにしてフェースプレート3にスペ
ーサ5が固定される。スペーサ5が固定されたら、フェ
ースプレート3の外周部に支持枠4を固定し、さらに電
子源1を固定したリアプレート2を固定し、外囲器10
を構成する。この時点では、電子源1はフォーミング処
理されておらず、電子放出部23は形成されていない。
電子源1とリアプレート2との固定、支持枠4とフェー
スプレート3との固定、支持枠4とリアプレート2との
固定、および電子源1とスペーサ5との固定は、従来と
同様の方法で、フリットガラス等により行なう。
【0072】以上にようにして完成した外囲器10内の
雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ない
しDoxmとDoy1ないしDoynを通じ電子放出素
子15の素子電極16、17間に電圧を印加し、電子放
出部形成用薄膜18を通電処理(フォーミング処理)す
ることにより電子放出部23を形成した。
【0073】次に、10-6Torr程度の真空度で、不
図示の排気管をガスバーナで熱することで溶着し外囲器
10の封止を行った。
【0074】最後に、封止後の真空度を維持するため
に、ゲッター処理を行った。
【0075】以上のようにして完成した画像形成装置に
おいて、各電子放出素子15には、容器外端子Dox1
ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ、走査
信号及び変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞ
れ印加することにより電子を放出させ、メタルバック8
(あるいは不図示の透明電極)には、高圧端子Hvを通
じて高圧を印加することにより電子ビームを加速し、蛍
光膜7に電子を衝突させ、蛍光体を励起・発光させるこ
とで画像を表示した。
【0076】本実施例では、フェースプレート3にスペ
ーサ5を固定してから支持枠4およびリアプレート2を
固定する手順を示したが、スペーサ5および支持枠4の
固定順序に制限はなく、スペーサ5および支持枠4を予
めフェースプレート3に固定したり、スペーサ5および
支持枠4を予めリアプレート2に固定してもよく、さら
には、スペーサ5と支持枠4とをそれぞれ別々に、フェ
ースプレート3やリアプレート2に固定しておいても構
わない。そのため、どの工程でスペーサ5をフェースプ
レート3に固定しなければならないかという制限はな
く、製造設備や他の製造工程に応じて任意の工程に設定
できる。
【0077】また、スペーサ5と支持枠4とは、例えば
エッチング等の加工により一体構造としたものであって
もよい。スペーサ5と支持枠4とを一体構造とすること
で、部品点数を減少することができる。
【0078】さらに、基部フリットガラス9aおよび頂
部フリットガラス9bの塗布に印刷技術を用いている
が、それに限らず、ディスペンサ技術を用いて塗布して
もよい。このように、両フリットガラス9a、9bは、
従来の技術で塗布することができるので、両フリットガ
ラス9a、9bの塗布は容易である。
【0079】また本実施例では、ブラックストライプ7
a上に直接、基部フリットガラス9aを塗布した例を示
したが、図7に示すように、スペーサ(不図示)が配置
されるブラックストライプ37a上にリブ40を設け、
このリブ40上に基部フリットガラス39aを塗布した
ものや、図8に示すように、黒色顔料を混合した基部フ
リットガラス59aおよび頂部フリットガラス59bを
用い、これら基部フリットガラス59aおよび頂部フリ
ットガラス59bでブラックストライプを兼用した構成
としてもよい。いずれにしても、メタルバックをフリッ
トガラスで挟んだ構成であれば、本発明は適用できる。
図8に示したように、黒色顔料を混合したフリットガラ
スを用いる場合、必ずしも両フリットガラス59a、5
9bに黒色顔料を混合する必要はなく、少なくとも基部
フリットガラス59aに黒色顔料を混合すればよい。
【0080】さらに、本発明の画像形成装置を画像表示
装置に応用した例で示したが、本発明はこの範囲に限ら
れるものではなく、光プリンタの画像形成用発光ユニッ
トとして用いるなど、記録装置への応用も可能である。
この場合、通常の形態としては1次元的に配列された画
像形成ユニットを用いることが多いが、上述のm本の行
方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択することで、
ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても
応用できる。また、画像形成部材としては、以上の実施
例で用いた蛍光体のように直接発光する物質を有するも
のに限らず、電子の帯電による潜像画像が形成されるよ
うな部材等を有するものであってもよい。
【0081】加えて、電子放出素子15としては、表面
伝導型に限らず、FE型のものやMIM型のものも適用
可能であるが、素子構造が簡単で、かつ複数の素子を容
易に配置することができるという点を考えると、表面伝
導型のものを用いることが好ましい。これは特に、大型
の画像形成装置において有効である。
【0082】
【発明の効果】本発明の画像形成装置は、加速電極の両
面にフリットガラスが配され、このフリットガラスを溶
融させることで加速電極に支柱が固定されているので、
支柱は画像形成部材に強固に固定され、支柱の位置ずれ
を防止することができる。その結果、支柱の位置ずれに
よる画像への影響がなくなり、良好な画像を形成するこ
とができるようになる。
【0083】特に、加速電極がアルミニウム製の薄膜の
場合、画像形成部材との密着性がそれほど強固ではない
ので、上述したように加速電極の両面にフリットガラス
を配すことにより、加速電極の剥離を防止することがで
きる。
【0084】また、電子放出素子として冷陰極型電子放
出素子を用いることで、省電力で応答速度が速く、しか
も大型の電子線発生装置を構成することができる。その
中でも特に表面伝導型電子放出素子は、素子構造が簡単
で、かつ複数の素子を容易に配置することができるの
で、表面伝導型電子放出素子を用いることによって、構
造が簡単で、しかも大型の画像形成装置が達成できる。
【0085】さらに、複数個の表面伝導型電子放出素子
を2次元のマトリクス状に配置し、複数本の行方向配線
と複数本の列方向配線とによってそれぞれを結線するこ
とで、行方向と列方向に適当な駆動信号を与えること
で、多数の表面伝導型電子放出素子を選択し電子放出量
を制御し得るので、基本的には他の制御電極を付加する
必要がなく、電子源を1枚の基板上で容易に構成でき
る。
【0086】本発明の画像形成装置の製造方法は、加速
電極の両面にフリットガラスを配し、このフリットガラ
スを溶融して加速電極に支柱を固定しているので、支柱
を画像形成部材に強固に固定することができ、支柱の位
置ずれのない画像形成装置を製造することができる。フ
リットガラスは、印刷技術またはディスペンサー技術と
いった従来の技術で塗布することができるので、容易に
塗布することができる。
【0087】また、支柱と画像形成部材との固定は、支
柱と電子源との固定の前に行なってもよいし後に行なっ
てもよいので、支柱と画像形成部材との固定の工程は、
製造設備や他の工程に応じて任意の工程に設定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例の一部を破断
した斜視図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の要部断面図であ
る。
【図3】図1に示した画像形成装置の電子源の要部平面
図である。
【図4】図3に示した電子源のA−A’線断面図であ
る。
【図5】図1に示した画像形成装置の電子源の製造工程
を順に示した図である。
【図6】図1に示した画像形成装置のフェースプレート
の作成方法およびフェースプレートとスペーサとの固定
方法を説明するための図である。
【図7】本発明の画像形成装置の他の実施例の、フェー
スプレートのスペーサ固定部の拡大断面図である。
【図8】本発明の画像形成装置のさらに他の実施例の、
フェースプレートのスペーサ固定部の拡大断面図であ
る。
【図9】熱電子源を用いた従来の画像形成装置の概略構
成図である。
【符号の説明】
1 電子源 2 リアプレート 3 フェースプレート 4 支持枠 5 スペーサ 6 ガラス基板 7 蛍光膜 7a ブラックストライプ 8 メタルバック 9 一体化フリットガラス 9a 基部フリットガラス 9b 頂部フリットガラス 10 外囲器 11 絶縁性基板 12 X方向配線 13 Y方向配線 14 層間絶縁層 14a コンタクトホール 15 電子放出素子 16、17 素子電極 18 電子放出素子形成用薄膜 21 Cr膜 23 電子放出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 31/12 B 31/15 A

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子が設けられた電子源と、前
    記電子源に対向配置され、前記電子放出素子から放出さ
    れた電子を加速するための加速電極を備えた画像形成部
    材と、前記電子源と前記加速電極との間に固定された支
    柱とを有し、前記電子源と前記画像形成部材とが気密封
    着された画像形成装置において、 前記加速電極の両面の、前記支柱を固定する位置に対応
    する部位には、それぞれフリットガラスが配され、 前記支柱は、前記フリットガラスを溶融させることによ
    り、前記フリットガラスで前記加速電極に固定されてい
    ることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記加速電極は、アルミニウム製の薄膜
    であり、前記画像形成部材の基板の前記電子源との対向
    面に、前記電子放出素子から放出された電子が放出する
    ことにより画像が形成される部材を介して形成されてい
    る請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記フリットガラスは、前記基板に設け
    られたリブ上に配されている請求項2に記載の画像形成
    装置。
  4. 【請求項4】 前記フリットガラスのうち少なくとも前
    記基板側のフリットガラスには、黒色顔料が混合されて
    いる請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記電子源と前記画像形成部材との間の
    気密状態を維持するための外囲器の一部をなす支持枠
    が、前記支柱と一体となっている請求項1、2、3また
    は4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記外囲器の内部が真空である請求項5
    に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記支柱は、前記外囲器の耐大気圧構造
    体として用いられる請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記電子放出素子は、冷陰極型電子放出
    素子である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記冷陰極型電子放出素子は表面伝導型
    電子放出素子である請求項8に記載の電子線発生装置。
  10. 【請求項10】 前記表面伝導型電子放出素子が2次元
    のマトリクス状に複数個配置され、前記各表面伝導型電
    子放出素子は、複数本の行方向配線と複数本の列方向配
    線とによって、それぞれ結線されている請求項9に記載
    の電子線発生装置。
  11. 【請求項11】 電子放出素子が設けられた電子源に、
    前記電子放出素子から放出された電子を加速するための
    加速電極を備えた画像形成部材を、支柱を介して互いに
    対向して気密封着する画像形成装置の製造方法におい
    て、 前記加速電極の両面の、前記支柱が固定される位置に対
    応する部位にそれぞれフリットガラスを配し、 前記フリットガラスを溶融して前記フリットガラスで前
    記加速電極に前記支柱を固定することを特徴とする画像
    形成装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記フリットガラスを印刷技術で塗布
    する請求項11に記載の画像形成装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記フリットガラスをディスペンサー
    技術で塗布する請求項11に記載の画像形成装置の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記支柱を、予め前記電子源に固定し
    ておいてから、前記画像形成部材に固定する請求項1
    1、12または13に記載の画像形成装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記支柱を、予め前記画像形成部材に
    固定しておいてから、前記電子源に固定する請求項1
    1、12または13に記載の画像形成装置の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100560509B1 (ko) * 1999-04-22 2006-03-14 삼성에스디아이 주식회사 평판 디스플레이와 이 평판 디스플레이의 제조방법
KR100563167B1 (ko) * 2003-03-03 2006-03-27 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 평면형 표시 장치
KR100733315B1 (ko) * 2005-09-22 2007-06-28 엘지.필립스 디스플레이 주식회사 전계방출표시장치 및 그 제작방법
KR101281888B1 (ko) * 2006-06-30 2013-07-03 엘지디스플레이 주식회사 유기 전계 발광 표시 장치 및 이의 제조 방법

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