JPH08162001A - 電子源基板、電子源、画像形成装置及びそれらの製造方法 - Google Patents

電子源基板、電子源、画像形成装置及びそれらの製造方法

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JPH08162001A
JPH08162001A JP30581894A JP30581894A JPH08162001A JP H08162001 A JPH08162001 A JP H08162001A JP 30581894 A JP30581894 A JP 30581894A JP 30581894 A JP30581894 A JP 30581894A JP H08162001 A JPH08162001 A JP H08162001A
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electron
substrate
emitting
thin film
voltage
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JP30581894A
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English (en)
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Yoshimasa Okamura
好真 岡村
Masato Niibe
正人 新部
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板(1)上に少なくとも素子電極(2),
(3)と電子放出部(5)を含む薄膜とで構成される表
面伝導型電子放出素子において、少なくとも電子放出部
を含む薄膜を形成する該基板表面に、シリコン窒化膜
(33)を有することを特徴とする表面伝導型電子放出
素子を提供する。また、この表面伝導型電子放出素子を
多数個備えた電子源、及びそれを応用した画像形成装置
とこれらの作製方法を提供する。 【効果】 少なくとも電子放出部を含む薄膜を形成する
基板表面にシリコン窒化膜を有することにより、(1)
封着工程後の導電性薄膜の抵抗の低下を抑制して、各素
子の良好なフォーミングを実施でき、(2)同特性の複
数の電子放出素子を使う場合でも同一特性が得られる。
さらに、本発明の画像形成装置では、(3)無発光点、
輝度ムラのない画像が得られ、(4)安価な青板ガラス
を使用でき、低コストで製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子源及びその応用で
ある表示装置等の画像形成装置にかかわり、特に微粒子
を電子放出部に用いた表面伝導型放出素子を多数個備え
る電子源、及びその応用である表示装置等の画像形成装
置と、それらの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下FE型と略す)、金属/絶縁層/金属
型(以下MIM型と略す)や表面伝導型電子放出素子等
がある。FE型の例としては、W.P. Dyke & W.W. Dola
n,“Filed emission”, Advance in Electron Physics,
8, 89 (1956)あるいはC.A. Spindt,“Physical Propert
ies of thin-film fieldemission cathodes with molyb
denium”,J. Appl. Phys., 47, 5248 (1976) 等が知ら
れている。
【0003】MIM型の例としてはC. A. Mead, “The
tunnel-emission amplifier ”, J.Appl. Phys., 32, 6
46 (1961) 等が知られている。
【0004】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I. Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10, (196
5) 等がある。表面伝導型電子放出素子は、基板上に形
成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すこと
により、電子放出が生ずる現象を利用するものである。
この表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン
等によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるも
の[G. Dittmer: “ThinSolid Films ”, 9, 317 (197
2)]、In23 /SnO2 薄膜によるもの[M. Hartwe
ll and C.G. Fonstad: “IEEE Trans. ED Conf.”, 519
(1975)] 、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真
空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告
されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図17に示す。同図において1は基板である。4は導電
性薄膜で、H型形状のパターンに、スパッタで形成され
た金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミング
と呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成される。
なお、図中の素子電極間隔Lは、0.5〜1mm、W’
は、0.1mmで設定されている。電子放出部5の位置
及び形状については、模式図として表した。
【0006】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予め通電
フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部5
を形成するのが一般的であった。すなわち、通電フォー
ミングとは、前記導電性薄膜4の両端に直流電圧あるい
は非常にゆっくりとした昇電圧例えば1V/分程度を印
加通電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変
質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を
形成することである。なお、電子放出部5は導電性薄膜
4の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行
われる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電
子放出素子は、上述導電性薄膜4に電圧を印加し、素子
に電流を流すことにより上述電子放出部5より電子を放
出せしめるものである。
【0007】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから大面積にわたり多数素子を
配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を生かせる
ようないろいろな応用が研究されている。例えば、荷電
ビーム源、画像形成装置等の表示装置が挙げられる。
【0008】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法が考えられるが、その一例を図19
に示す。
【0009】以下、図18及び図19に基づいて説明す
る。図18は従来の表面伝導型電子放出素子の構成を示
す平面図(a)及び断面図(b)を示す。なお、図18
と同一の部材については同一符号を付与してある。
【0010】1)基板1を洗剤、純水及び有機溶剤によ
り十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により素子
電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技術により該
基板1上に素子電極2,3を形成する(図19
(a))。
【0011】2)素子電極2,3を設けた基板1に、有
機金属溶液を塗布して放置することにより有機金属薄膜
を形成する。ここでいう有機金属溶液とは、前述の導電
性膜4を形成する金属を主元素とする有機金属化合物の
溶液である。その後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、
リフトオフ、エッチング等によりパターニングし、導電
性薄膜4を形成する(図19(b))。なお、ここでは
有機金属溶液の塗布法により説明したが、これに限るも
のでなく真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、
分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等によって
形成される場合もある。
【0012】3)続いて、通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を素子電極2,3間に電圧を不図示の電源によ
りパルス状あるいは、高速の昇電圧による通電処理が行
われると、導電性薄膜4の部位に構造の変化した電子放
出部5が形成される(図19(c))。この通電処理に
より導電性薄膜4を局所的に破壊、変形もしくは変質せ
しめ、構造の変化した部位を電子放出部5と呼ぶ。電子
放出部5は導電性微粒子で構成されていることをと本出
願人らは観察している。
【0013】次に、表面伝導型電子放出素子を、行列状
に多数個配列した電子源基板の構成について図20、及
び図21に基づいて説明する。
【0014】電子源基板の一部の平面図を図20を示
す。また。図中のA−A’断面図を図21に示す。ただ
し、図20、図21で、同じ記号を示したものは、同じ
ものを示す。ここで1は基板、72はDxmに対応する
X方向配線(下配線とも呼ぶ)、73はDynに対応す
るY方向配線(上配線とも呼ぶ)、4は導電性薄膜、
2,3は素子電極、31は層間絶縁層、32は素子電極
2と下配線72と電気的接続のためのコンタクトホール
である。
【0015】さらに、上記の電子源基板を用いた画像形
成装置について、図7を用いて説明する。図7におい
て、71は電子放出素子を基板上に作製した電子源基
板、81は電子源基板71を固定したリアプレート、8
6はガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック
85等が形成されたフェースプレート、82は支持枠で
あり、リアプレート81、支持枠82及びフェースプレ
ート86をフリットガラス等を塗布し、大気中あるいは
窒素中で400〜500度で10分以上焼成することで
封着して外囲器88を構成する。
【0016】図7において、74は図18における電子
放出部に相当する。72,73は表面伝導型電子放出素
子の1対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向
配線である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、画像形成装置を作製する際に、リアプレート、
支持枠、及びフェースプレートを400〜500度で封
着する工程があり、このときガラス基板にソーダガラス
等のアルカリ金属、アルカリ土類金属を不純物として多
く含んだガラスを用いると、層間絶縁層にこれらの不純
物が拡散し、導電性薄膜(図18の4)まで拡散が進行
し、その抵抗を著しく低下させてしまうということがあ
った。かつ、その抵抗の低下の度合いが各素子によって
異なることから、フォーミングの条件が変化し、フォー
ミング後の電子放出素子の特性のバラツキが問題とな
る。また、表面伝導型電子放出素子を並列に多数個配列
した梯子型配置電子源等、ライン毎にフォーミングを行
う場合もある。このとき、封着後の抵抗低下により、素
子の合成抵抗が配線抵抗と同等かそれ以下になると、配
線抵抗による電圧降下の影響が、電圧を印加するところ
から遠い素子程強く、均一なフォーミングを1ライン内
で行うことは困難であった。さらに、各素子の特性のバ
ラツキに伴う輝度のバラツキや、無発光点等が生じ、歩
留まりの低下が問題となり、大画面の行列状電子源及び
これを用いた画像形成装置の作製が困難であった。
【0018】以上の欠点に鑑み、本発明は、上記従来の
問題を除去するためになされたものであり、その目的と
するところは、 (1)封着工程後の導電性薄膜の抵抗の低下を抑制し、
各素子の良好なフォーミングを行うことができる。
【0019】(2)同特性の複数の電子放出素子を使う
場合、同一特性を得る。ことが本発明の目的であり、
(1),(2)を同時に満足する表面伝導型電子放出素
子、及びそれを用いた画像形成装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的を達
成すべくなされた本発明は、第一に、基板上に少なくと
も素子電極と電子放出部を含む薄膜とで構成される表面
伝導型電子放出素子において、少なくとも電子放出部を
含む薄膜を形成する該基板表面に、シリコン窒化膜を有
することを特徴とする表面伝導型電子放出素子を提供す
る。本発明の構成で性能が損なわれない理由は未だ明確
ではないが、電子放出部形成用の導電性薄膜が封着等の
高温での処理を行う際に、ガラス基板等からの不純物の
拡散を、シリコン窒化膜により抑えることにより、電子
放出素子の抵抗低下を抑制しているものと考えられる。
【0021】第二に、絶縁性基板上に、行方向配線と絶
縁層を介して積層された列方向配線とによって、少なく
とも素子電極と電子放出部を含む薄膜とで構成される表
面伝導型電子放出素子の対向する1対の素子電極と電子
放出部とをそれぞれ結線することで、行列状に多数個の
表面伝導型電子放出素子を配列した電子源基板におい
て、少なくとも電子放出部を含む薄膜を形成する該基板
表面に、シリコン窒化膜を有することを特徴とする電子
源を提供する。
【0022】第三に、絶縁性基板上に、少なくとも素子
電極と電子放出部を含む薄膜とで構成される表面伝導型
電子放出素子の対向する1対の素子電極と電子放出部と
をそれぞれ結線する共通配線を有し、並列状に多数個の
表面伝導型電子放出素子を配列した電子源において、少
なくとも電子放出部を含む薄膜を形成する該基板表面
に、シリコン窒化膜を有することを特徴とする電子源を
提供する。
【0023】第四に、少なくとも蛍光体と電子源で構成
された画像形成装置において、該電子源が、上記第二又
は第三の電子源であることを特徴とする画像形成装置を
提供する。
【0024】表面伝導型電子放出素子において、少なく
とも電子放出部を含む薄膜を形成する表面にシリコン窒
化膜を有することにより、封着工程後の導電性薄膜の抵
抗の低下を抑制し、各素子の良好なフォーミングを実施
できる。また、同特性の複数の電子放出素子を使う場合
でも同一特性を得ることができる。
【0025】さらに、このような電子源を用いた画像形
成装置において、無発光点、輝度ムラのない画像が得ら
れ、安価な青板ガラスを使用できるので低コストで作製
できる。
【0026】以下に本発明の好ましい実施態様について
図を参照しながら説明する。
【0027】本発明に用いることのできる表面伝導型電
子放出素子は、基本的に平面型表面伝導型電子放出素子
及び垂直型表面伝導型電子放出素子の2種類が挙げられ
る。図1は、基本的な平面型表面伝導型電子放出素子の
構成を示す模式的平面図(図1−(a))及び断面図
(図1−(b))である。図3は、その製造方法であ
る。
【0028】図1、図3において、1は基板、2,3は
素子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出部、33はシ
リコン窒化膜である。
【0029】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量の少ないガラス、青板ガラス、SiO2 を表
面に形成したガラス基板、及びアルミナ等のセラミック
ス基板が用いられる。
【0030】素子電極2,3の材料としては一般的導電
体が用いられ、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,P
t,Ti,Al,Cu,Pd等の金属あるいは合金、及
びPd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属あ
るいは金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、
In23 −SnO2 等の透明導電体、及びポリシリコ
ン等の半導体材料等から適宜選択される。
【0031】素子電極間隔Lは、好ましくは数百オング
ストロームより数百マイクロメートルである。また素子
電極間に印加する電圧は低い方が望ましく、再現良く作
成することが要求されるため、好ましい素子電極間隔は
数マイクロメートルより数十マイクロメートルである。
【0032】素子電極長さWは、電極の抵抗値、電子放
出特性から数マイクロメートルより数百マイクロメート
ルであり、また素子電極2,3の膜厚は、数百オングス
トロームより数マイクロメートルが好ましい。
【0033】なお、図1の構成だけでなく、基板1上に
シリコン窒化膜33、導電性薄膜4、素子電極2,3の
順に形成させた構成にしてもよい。
【0034】シリコン窒化膜33は、プラズマCVD
(Chemical Vapor Deposition)装置を用い、SiH4
2 を用いて成膜する。その膜厚は素子の構成等によっ
て適宜設定されるが、好ましくは1000オングストロ
ームから1マイクロメートルである(図3(a))。
【0035】導電性薄膜4は、良好な電子放出特性を得
るために微粒子で構成された微粒子膜が特に好ましく、
その膜厚は素子電極2,3へのステップカバレージ、素
子電極2,3間の抵抗値及び後述する通電フォーミング
条件等によって、適宜設定されるが、好ましくは数オン
グストロームから数千オングストロームで、特に好まし
くは10オングストロームより500オングストローム
である。そのシート抵抗値は103 〜107 Ω/□であ
る(図3(b))。
【0036】また導電性薄膜4を構成する材料は、P
d,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,C
r,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属;Pd
O,SnO2 ,In23 ,PbO,Sb23 等の酸
化物;HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB6 ,YB
4 ,GdB4 等の硼化物;TiC,ZrC,HfC,T
aC,SiC,WC等の炭化物;TiN,ZrN,Hf
N等の窒化物;Si,Ge等の半導体;カーボン等が挙
げられる。
【0037】なお、ここで述べる微粒子膜とは複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さしており、微粒子の粒径は数オングストロームから数
千オングストロームであり、好ましくは10オングスト
ロームより200オングストロームである。
【0038】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミング等によ
り形成される。また、亀裂内には数オングストロームか
ら数百オングストロームの粒径の導電性微粒子を有する
こともある。この導電性微粒子は導電性薄膜4を構成す
る物質の少なくとも一部の元素を含んでいる。(図3
(c))。
【0039】また電子放出部5及びその近傍の導電性薄
膜4は、炭素あるいは炭素化合物を有することもある。
【0040】図2は、基本的な垂直型表面伝導型電子放
出素子の構成を示す模式的断面図である。
【0041】図2において、図1と同一の部材について
は同一符号を付与してある。21は段差形成部である。
【0042】基板1、素子電極2と3、導電性薄膜4、
電子放出部5は、前述した平面型表面伝導型電子放出素
子と同様の材料で構成することができ、段差形成部21
は絶縁性材料で構成され、段差形成部21の膜厚が先に
述べた平面型表面伝導型電子放出素子の素子電極間隔L
に相当する。その間隔は数百オングストロームより数十
マイクロメートルである。この間隔は段差形成部の製法
及び素子電極間に印加する電圧により制御することがで
きるが、好ましくは数百オングストロームより数マイク
ロメートルである。
【0043】シリコン窒化膜33は、プラズマCVD
(Chemical Vapor Deposition)装置を用い、SiH4
2 を用いて段差形成部21も含めて全面に成膜する。
その膜厚は、素子の構成等によって適宜設定されるが、
好ましくは1000オングストロームから1マイクロメ
ートルである。成膜後、CF4 を用いてドライエッチン
グにより異方性のエッチングを行い、平坦部のシリコン
窒化膜のみ除去し、段差形成部21の側壁にのみシリコ
ン窒化膜33を残すようにする。
【0044】導電性薄膜4は、素子電極2,3と段差形
成部21、シリコン窒化膜33を作成後に形成するた
め、素子電極2,3の上に積層される。なお、図2にお
いて電子放出部5は、段差形成部21の側壁のシリコン
窒化膜33に直線状に形成されているように示されてい
るが、作製条件、通電フォーミング条件等に依存し、形
状、位置ともこれに限るものではない。
【0045】前記の通電フォーミングと呼ばれる通電処
理を行う。通電フォーミングは、素子電極2,3間に不
図示の電源より通電を行い、導電性薄膜4を局所的に破
壊、変形もしくは変質せしめ、構造を変化させた部位を
形成させるものである。この局所的に構造変化させた部
位を電子放出部5と呼ぶ(図3−(c))。通電フォー
ミングの電圧波形の例を図4に示す。
【0046】電圧波形は特にパルス波形が好ましく、パ
ルス波高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合
(図−4(a))と、パルス波高値を増加させながら電
圧パルスを印加する場合(図−4(b))とがある。ま
ずパルス波高値が一定電圧とした場合(図−4(a))
について説明する。
【0047】図−4(a)におけるT1及びT2は、電
圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、T1を1マイク
ロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒〜100ミリ
秒とし、三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク
電圧)は表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選
択し、適当な真空度、例えば、10-5torr程度の真
空雰囲気下で、数秒から数十分印加する。素子の電極間
に印加する波形は三角波に限定することはなく、矩形波
等所望の波形を用いてもよい。
【0048】図−4(b)におけるT1及びT2は、図
−4(a)と同様であり、三角波の波高値(通電フォー
ミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステップ程
度づつ増加させ適当な真空雰囲気下で印加する。
【0049】この場合の通電フォーミング処理は,パル
ス間隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形し
ない程度の電圧、例えば0.1V程度の電圧で、素子電
流を測定して抵抗値を求め、例えば、1Mオーム以上の
抵抗を示したときに通電フォーミング終了とする。
【0050】次に、通電フォーミングが終了した素子に
活性化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。
【0051】活性化工程とは、例えば、10-4〜10-5
torr程度の真空度で、通電フォーミング同様、パル
ス波高値が一定の電圧パルスを繰り返し印加する処理の
ことであり、真空中に存在する有機物質に起因する炭素
及び炭素化合物を導電薄膜上に堆積させ、素子電流I
f、放出電流Ieを著しく変化させる処理である。活性
化工程は素子電流Ifと放出電流Ieを測定しながら、
例えば、放出電流Ieが飽和した時点で終了する。また
印加する電圧パルスは動作駆動電圧で行うことが好まし
い。
【0052】なお、ここで炭素及び炭素化合物とは、グ
ラファイト(単、多結晶双方を指す)、非晶質カーボン
(非晶質カーボン及び多結晶グラファイトとの混合物を
指す)であり、その膜厚は500オングストローム以下
が好ましく、より好ましくは300オングストローム以
下である。
【0053】こうして作成した電子放出素子をフォーミ
ング工程、活性化工程における真空度よりも高い真空度
の雰囲気下において動作駆動させるのがよい。またさら
に高い真空度の雰囲気下で、80℃〜150℃の加熱後
動作駆動させることが望ましい。
【0054】なお、フォーミング工程、活性化工程にお
ける真空度より高い真空度とは、例えば約10-6tor
r以上の真空度であり、より好ましくは超高真空系であ
り、新たに炭素及び炭素化合物が導電薄膜上にほとんど
堆積しない真空度である。こうすることによって素子電
流If、放出電流Ieを安定化させることが可能にな
る。 次に本発明の画像形成装置について述べる。
【0055】画像形成装置に用いられる電子源基板は、
複数の表面伝導型電子放出素子を基板上に配列すること
により形成される。
【0056】表面伝導型電子放出素子の配列の方式に
は、表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、個々の素
子の両端を配線で接続する梯子型配置(以下梯子型配置
電子源基板と呼ぶ)や、表面伝導型電子放出素子の1対
の素子電極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続し
た単純マトリクス配置(以下マトリクス型配置電子源基
板と呼ぶ)がある。なお、梯子型配置電子源基板を有す
る画像形成装置には、電子放出素子からの電子の飛翔を
制御する電極である制御電極(グリッド電極)を必要と
する。
【0057】以下、この原理に基づき構成した電子源の
構成について、図6を用いて説明する。71は電子源基
板、72はX方向配線、73はY方向配線、74は表面
伝導型電子放出素子、75は結線である。表面伝導型電
子放出素子74は、前述した平面型あるいは垂直型どち
らであってもよい。
【0058】同図において、電子源基板71に用いる基
板は前述したガラス基板等であり、用途に応じて形状が
適宜設定される。
【0059】m本のX方向配線72は、Dx1,Dx2,・
・・,Dxm からなり、Y方向配線73はDy1,Dy2,
・・・,Dyn のn本の配線よりなる。
【0060】また、多数の表面伝導型素子にほぼ均等な
電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が適宜設
定される。
【0061】これらm本のX方向配線72とn本のY方
向配線73間は、不図示の層間絶縁層により電気的に分
離されてマトリックス配線を構成する(m,nはともに
正の整数)。
【0062】不図示の層間絶縁層は、X方向配線72を
形成した基板71の全面あるいは一部に所望の領域に形
成される。X方向配線72とY方向配線73は、それぞ
れ外部端子として引き出される。
【0063】さらに、表面伝導型放出素子74の素子電
極(不図示)はm本のX方向配線72とn本のY方向配
線73と結線75によって電気的に接続されており、基
板あるいは不図示の層間絶縁層上のいずれに形成しても
よい。
【0064】また詳しくは後述するが、前記X方向配線
72には、X方向に配列する表面伝導型放出素子74の
行を入力信号に応じて走査する走査信号を印加するため
の不図示の走査信号発生手段と電気的に接続されてい
る。
【0065】一方、Y方向配線73には、Y方向に配列
する表面伝導型放出素子74の列の各列を、入力信号に
応じて変調させる変調信号を印加するための不図示の変
調信号発生手段と電気的に接続されている。
【0066】さらに、表面伝導型電子放出素子の各素子
に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信
号と変調信号の差電圧として供給される。
【0067】上記構成において、単純なマトリクス配線
だけで個別の素子を選択して独立に駆動可能になる。
【0068】次に、以上のようにして作成した単純マト
リクス型配置電子源を用いた画像形成装置について、図
7、図8及び図9を用いて説明する。図7は画像形成装
置の基本構成図であり、図8は蛍光膜、図9はNTSC
方式のテレビ信号に応じて表示をするための駆動回路の
ブロック図を示し、その駆動回路を含む画像形成装置を
表す。
【0069】前述したように図7において、71は電子
放出素子を基板上に作製した電子源基板、81は電子源
基板71を固定したリアプレート、86はガラス基板8
3の内面に蛍光膜84とメタルバック85等が形成され
たフェースプレート、82は支持枠であり、リアプレー
ト81、支持枠82及びフェースプレート86をフリッ
トガラス等を塗布し、大気中あるいは窒素中で400〜
500度で10分以上焼成することで封着して外囲器8
8を構成する。
【0070】図7に示される74は、図1における電子
放出部に相当する。72,73は表面伝導型電子放出素
子の1対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向
配線である。
【0071】外囲器88は上述の如く、フェースプレー
ト86、支持枠82、リアプレート81で構成したが、
リアプレート81は主に電子源基板71の強度を補強す
る目的で設けられるため、電子源基板71自体で十分な
強度をもつ場合は別体のリアプレート81は不要であ
り、電子源基板71に直接支持枠82を封着し、フェー
スプレート86、支持枠82、電子源基板71にて外囲
器88を構成してもよい。またさらには、フェースプレ
ート86、リアプレート81間に、スペーサーと呼ばれ
る耐大気圧支持部材を設置することで、大気圧に対して
十分な強度をもつ外囲器88にすることもできる。
【0072】図8中92は蛍光体である。蛍光体92
は、モノクロームの場合は蛍光体のみからなるが、カラ
ーの蛍光膜の場合は蛍光体の配列によりブラックストラ
イプあるいはブラックマトリクス等と呼ばれる黒色導電
材91と蛍光体92とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表
示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体92間の
塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくするこ
とと、蛍光膜84(図7)における外光反射によるコン
トラストの低下を抑制することである。ブラックストラ
イプの材料としては、通常よく用いられている黒鉛を主
成分とする材料だけでなく、導電性があり、光の透過及
び反射が少ない材料であればこれに限るものではない。
【0073】ガラス基板に蛍光体を塗布する方法は、モ
ノクローム、カラーによらず沈澱法や印刷法が用いられ
る。
【0074】また、蛍光膜84(図7)の内面側には通
常メタルバック85が設けられる。メタルバックの目的
は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレー
ト86側へ鏡面反射することにより輝度を向上するこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用すること、外囲器内で発生した負イオンの衝突による
ダメージからの蛍光体の保護等である。メタルバック
は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理
(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを
真空蒸着等で堆積することで作製できる。
【0075】フェースプレート86には、さらに蛍光膜
84の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明
電極(不図示)を設けてもよい。
【0076】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはならず、十
分な位置合わせを行う必要がある。
【0077】外囲器88は不図示の排気管を通じ、10
-7torr程度の真空度にされ、封止が行われる。ま
た、外囲器88の封止後の真空度を維持するために、ゲ
ッター処理を行う場合もある。これは外囲器88の封止
を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波
加熱等の加熱法により、外囲器88内の所定の位置(不
図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成す
る処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、
該蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-5〜10-7
torrの真空度を維持するものである。なお、表面伝
導型電子放出素子のフォーミング以降の工程は適宜設定
される。
【0078】次に、単純マトリクス型配置電子源基板を
用いて構成した画像形成装置を、NTSC方式のテレビ
信号に基づきテレビジョン表示を行うための駆動回路の
概略構成を図9のブロック図を用いて説明する。101
は前記表示パネルであり、また102は走査回路、10
3は制御回路、104はシフトレジスタ、105はライ
ンメモリ、106は同期信号分離回路、107は変調信
号発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0079】以下、各部の機能について説明する。ま
ず、表示パネル101は端子Dox1ないしDoxm
及び端子Doy1 ないしDoyn 、及び高圧端子Hvを
介して外部の電気回路と接続している。このうち端子D
ox1 ないしDoxm には、前記表示パネル内に設けら
れている電子源、すなわちM行N列の行列状にマトリク
ス配線された表面伝導型電子放出素子群を一行(N素
子)ずつ順次駆動してゆくための走査信号が印加され
る。
【0080】一方、端子Dy1 ないしDyn には、前記
走査信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素
子の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号
が印加される。また、高圧端子Hvには、直流電圧源V
aより例えば10K[V]の直流電圧が供給されるが、
これは表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビー
ムに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する
ための加速電圧である。 次に走査回路102について
説明する。同回路は、内部にM個のスイッチング素子を
備えるもので(図中、S1 ないしSm で模式的に示して
いる)、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力
電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一
方を選択し、表示パネル101の端子Dx1 ないしDx
m と電気的に接続するものである。S1 ないしSm の各
スイッチング素子は、制御回路103が出力する制御信
号Tscanに基づいて動作するものであるが、実際に
は例えばFET(電界効果型トランジスタ)のようなス
イッチング素子を組み合わせることにより構成すること
が可能である。
【0081】なお、前記直流電圧源Vxは,前記表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出閾値電圧)に基づ
き、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出閾値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう
設定されている。
【0082】また制御回路103は,外部より入力する
画像信号に基づいて適切な表示が行われるように、各部
の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明す
る同期信号分離回路106より送られる同期信号Tsy
ncに基づいて、各部に対してTscan,Tsft及
びTmryの各制御信号を発生する。
【0083】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離するための回路で、周波数分離(フ
ィルター)回路を用いれば構成できるものである。同期
信号分離回路106により分離された同期信号は、よく
知られるように垂直同期信号と水平同期信号よりなる
が、ここでは説明の便宜上Tsync信号として図示し
た。一方、前記テレビ信号から分離された画像の輝度信
号成分を便宜上DATA信号と表すが、同信号はシフト
レジスタ104に入力される。
【0084】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて動
作する(すなわち制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のスシフトクロックであると言い換えてもよ
い)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)のデ
ータは、Id1 ないしIdn のn個の並列信号として前
記シフトレジスタ104より出力される。
【0085】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜Id1 ないしIdn の内容を記憶する。記
憶された内容はId1 ないしId'nとして出力され、変
調信号発生器107に入力される。
【0086】変調信号発生器107は、前記画像データ
Id'1ないしId'nの各々に応じて表面伝導型電子放出
素子の各々を適切に駆動変調するための信号源で、その
出力信号は,端子Doy1 ないしDoyn を通じて表示
パネル101内の表面伝導型電子放出素子に印加され
る。
【0087】前述したように、本発明に係る電子放出素
子は、放出電流Ieに対して以下の基本特性を有してい
る(図5)。すなわち、電子放出には明確な閾値電圧V
thがあり、Vth以上の電圧を印加されたときのみ電
子放出が生じる。
【0088】また電子放出閾値以上の電圧に対しては、
素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化してゆ
く。なお、電子放出素子の材料や構成、製造方法を変え
ることにより、電子放出閾値電圧Vthの値や印加電圧
に対する放出電流の変化の度合いが変わる場合もある
が、いずれにしても以下のようなことが言える。
【0089】すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加
する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても
電子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加
する場合には電子ビームが出力される。その際、第一に
は、パルスの波高値を変化させることにより出力電子ビ
ームの強度を抑制することが可能である。第二には、パ
ルスの幅を変化させることにより出力される電子ビーム
の電荷の総量を制御することが可能である。
【0090】したがって、入力信号に応じて電子放出素
子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変
調方式等が挙げられ、電圧変調方式を実施するには、変
調信号発生器107としては一定の長さの電圧パルスを
発生するが、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いる。ま
たパルス幅変調方式を実施するには、変調信号発生器1
07としては一定の波高値の電圧パルスを発生するが、
入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を変調す
るようなパルス幅変調方式の回路を用いるものである。
【0091】以上に説明した一連の動作により、本発明
の画像形成装置は表示パネル101を用いてテレビジョ
ンの表示を行える。なお、上記説明中特に記載しなかっ
たが、シフトレジスタ104やラインメモリ105は、
デジタル信号方式のものでもアナログ信号方式のもので
も差し支えなく、要は画像信号のシリアル/パラレル変
換や記憶が所定の速度で行われればよい。
【0092】デジタル信号方式を用いる場合には、同期
信号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号
化する必要があるが、これは、106の出力部にA/D
変換器を備えれば可能である。また、これと関連して、
ラインメモリ105の出力信号がデジタル信号かアナロ
グ信号かにより、変調信号発生器107に用いられる回
路が若干異なったものとなる。
【0093】まず、デジタル信号の場合について述べ
る。電圧変調方式においては、変調信号発生器107に
は例えばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に応
じて増幅回路等を付け加えればよい。
【0094】またパルス幅変調方式の場合、変調信号発
生器107は、例えば高速の発振器及び発振器の出力す
る波数を計数する計数器(カウンタ)、及び計数器の出
力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレ
ータ)を組み合わせた回路を用いることにより構成でき
る。必要に応じて、比較器の出力するパルス幅変調され
た変調信号を、表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にま
で電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0095】次にアナログ信号の場合について述べる。
電圧変調方式においては、変調信号発生器107には例
えばよく知られるオペアンプ等を用いた増幅回路を用い
ればよく、必要に応じてレベルシフト回路等を付け加え
てもよい。またパルス幅変調方式の場合には、例えばよ
く知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよ
く、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧に
まで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。以
上のようにして完成した画像表示装置において、各電子
放出素子には、容器外端子Dox1 ないしDoxm 、D
oy1 ないしDoyn を通じて電圧を印加することによ
り電子放出させ、高圧端子Hvを通じてメタルバック8
5、あるいは透明電極(不図示)に高圧を印加し、電子
ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させ、励起・発光さ
せることで画像を表示することができる。
【0096】以上に述べた構成は、表示等に用いられる
好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方式
を挙げたが、これに限るものでなく、PAL,SECA
M方式等の諸方式でもよく、また、これよりも、多数の
走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式でもよい。
【0097】次に、前述の梯子型配置電子源基板及びそ
れを用いた画像表示装置について図10、図11により
説明する。
【0098】図10において、110は電子源基板、1
11は電子放出素子、112のDx 1 〜Dx10は、前記
電子放出素子に接続する共通配線である。電子放出素子
111は、基板110上に、X方向に並列に複数個配置
される。(これを素子行と呼ぶ)。この素子行を複数個
基板上に配置し、梯子型電子源基板となる。各素子行の
共通配線間に適宜駆動電圧を印加することで、各素子行
を独立に駆動することが可能になる。すなわち、電子ビ
ームを放出させる素子行には電子放出閾値以上の電圧
を、電子ビームを放出させない素子行には電子放出閾値
以下の電圧を印加すればよい。また、各素子行間の共通
配線Dx2 〜Dx9 を、例えばDx2 ,Dx3 を同一配
線とするようにしてもよい。
【0099】図11は、梯子型配置の電子源を備えた画
像形成装置の構造を示すための図である。120はグリ
ッド電極、121は電子が通過するための空孔、122
は、Dox1 ,Dox2 ,・・・,Doxm よりなる容
器外端子、123はグリッド電極120と接続されたG
1 ,G2 ,・・・,Gn からなる容器外端子、124は
前述のように各素子行間の共通配線を同一配線とした電
子源基板である。なお、図7、図10と同一の符号は同
一部材を示す。前述の単純マトリクス配置の画像形成装
置(図7)との違いは、電子源基板110とフェースプ
レート86の間のグリッド電極120を備えていること
である。
【0100】グリッド電極120は、表面伝導型放出素
子から放出された電子ビームを変調することができるも
ので、梯子型配置の素子行と直交して設けられたストラ
イプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に
対応して1個ずつ円形の開口121が設けられている。
グリッドの形状や設置位置は必ずしも図11のようなも
のでなくともよく、開口としてメッシュ状に多数の通過
口を設けることもあり、また例えば表面伝導型放出素子
の周囲や近傍に設けてもよい。
【0101】容器外端子122及びグリッド容器外端子
123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
【0102】本画像形成装置では、素子行を1列ずつ順
次駆動(走査)していくのと同期して、グリッド電極列
に画像1ライン分の変調信号を同時に印加することによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。
【0103】また本発明によれば、テレビジョン放送の
表示装置のみならず、テレビ会議システム、コンピュー
ター等の表示装置に適した画像形成装置を提供すること
ができる。さらには、感光性ドラム等で構成された光プ
リンターとしての画像形成装置としても用いることがで
きる。
【0104】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 [実施例1]本実施例で示すものは、本発明の表面伝導
型電子放出素子、及びその素子を行列状に多数個配列し
た電子源を用いた画像形成装置の作製方法である。
【0105】電子源の一部の平面図を図12に示す。ま
た図中のA−A’断面図を図13に示す。ただし、図1
2、図13、図14で、同じ記号を示したものは、同じ
ものを示す。ここで1は基板、72は図6のDxm に対
応するX方向配線(下配線)、73は図6のDyn に対
応するY方向配線(上配線))、4は導電性薄膜、2,
3は素子電極、31は層間絶縁層、32は素子電極2と
下配線72との電気的接続のためのコンタクトホール、
33はシリコン窒化膜である。
【0106】次に製造方法を図14により工程順にした
がって具体的に説明する。
【0107】工程−(a) 清浄化した青板ガラスからなる基板1上に厚さ0.5ミ
クロンのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した。真空
蒸着により厚さ50オングストロームのCr、厚さ60
00オングストロームのAuを順次積層した後、ホトレ
ジスト(AZ1370ヘキスト社製)をスピンナーによ
り回転塗布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像
して、下配線72のレジストパターンを形成し、Au/
Cr堆積膜をウェットエッチングして、所望の形状の下
配線72を形成する。
【0108】工程−(b) 次に厚さ0.5ミクロンのシリコン酸化膜からなる層間
絶縁層31をRFスパッタ法により堆積し、さらに厚さ
0.5ミクロンのシリコン窒化膜33をプラズマCVD
法によりSiH4 とN2 を用いて順次堆積する。シリコ
ン窒化膜成膜用のガスとしてSiH4 とN2 を用いた
が、SiH4 とNH3 ,SiCl4 とNH 3 ,SiCl
4 とN2 等の組み合わせで成膜してもよい。
【0109】工程−(c) 工程−(b)で堆積したシリコン酸化膜、シリコン窒化
膜にコンタクトホールを形成するためのホトレジストパ
ターンを作り、これをマスクとして層間絶縁層31、シ
リコン窒化膜33をエッチングしてコンタクトホール3
2を形成する。エッチングは、CF4 とH2 ガスを用い
たRIE(Reactive Ion Etching) 法によった。
【0110】工程−(d) 次いで、素子電極2,3と素子電極間ギャップGとなる
べきパターンをホトレジスト(RD−2000N−41
日立化成社製)形成し、真空蒸着法により、厚さ50オ
ングストロームのTi、厚さ1000オングストローム
のNiを順次堆積した。ホトレジストパターンを有機溶
剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電
極間隔Gは3ミクロンとし、素子電極の幅を300ミク
ロンを有する素子電極2,3を形成した。
【0111】工程−(e) 素子電極2,3の上に上配線73のホトレジストパター
ンを形成した後、厚さ50オングストロームのTi、厚
さ5000オングストロームのAuを順次真空蒸着によ
り堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所
望の形状の上配線73を形成した。
【0112】工程−(f) 基板表面に、有機Pd(ccp4230奥野製薬(株)
社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で10分
間の加熱焼成処理をした。こうして形成された主元素と
してPdよりなる微粒子からなる電子放出部形成用の導
電性薄膜4の膜厚は、約100オングストローム、シー
ト抵抗値は5×104 Ω/□であった。 工程−(g) 電子放出部形成用の導電性薄膜4となるべきパターン
を、ホトレジスト(OMR83 20cp,東京応化社
製)で形成し、ドライエッチングを行った。ドライエッ
チングは、通常の平行平板陰極結合型で、真空排気系に
ターボ分子ポンプとロータリーポンプを用いた装置で、
Ar流量=20sccm、ガス圧力4.5Pa,RF
(13.56MHz)Power=150Wにて3分行
った。
【0113】ドライエッチング終了後、ホトレジストは
UV/03アッシャーにて、150℃で30分処理する
ことにより除去した。
【0114】以上の工程により、絶縁性基板1上に下配
線72、層間絶縁層31、シリコン窒化膜33、上配線
73、素子電極2,3、導電性薄膜4等を形成した。
【0115】このようにして得られた表面伝導型電子放
出素子を有するマトリクス型電子源基板(図12)を用
い、電子源及び画像形成装置(図7)を作製した。前記
実施態様で詳述したように、各部材にフリットガラスを
塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で400〜500
℃で10分以上焼成することで封着して外囲器88を構
成した。
【0116】次に、真空ポンプにて排気し、十分な真空
度に達した後、端子Dox1 ないしDoxm とDoy1
ないしDoyn を通じて電子放出素子74の電極2,3
間に電圧を印加し、導電性薄膜4を通電処理(フォーミ
ング処理)することにより電子放出部5を作製した。フ
ォーミング処理の電圧波形は図4に示されている。
【0117】図4中、T1及びT2は電圧波形のパルス
幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、
T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング
時のピーク電圧)は5Vで、フォーミング処理は、約1
×10-6torrの真空雰囲気下で60秒間行った。各
電子放出素子74の封着後の抵抗の低下はなく、逆に一
様に抵抗の上昇が若干見られたが、各素子を均一にフォ
ーミングすることができた。このように作製された電子
放出部5は、バラジウム元素を主成分とする微粒子が分
散配置された状態となり、その微粒子の平均粒径は30
オングストロームであった。
【0118】上記フォーミングを終えた電子放出素子の
特性を、約1×10-5torrの真空雰囲気下で、メタ
ルバック85の電圧を1kV、メタルバックと電子放出
素子との距離を4mmにて活性化を行い、放出電流Ie
が飽和したところで測定したところ、素子電圧14V時
の素子電流If=2.2mA、Ie=1.1μAで、I
f,Ie,共に各素子間のバラツキは、±5〜6%であ
った。
【0119】以上のようにして完成した外囲器の雰囲気
を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気し、1
-7torr程度の真空度で、不図示の排気管をガスバ
ーナーで熱することで溶着し、外囲器の封止を行った。
【0120】最後に、封止後の真空度を維持するために
ゲッター処理を行った。これは、封止を行う直前に、高
周波加熱等により、画像形成装置内の所定の位置(不図
示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成処理
した。ゲッターはBa等を主成分とした。
【0121】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dox1
ないしDoxm ,Doy1 ないしDoyn を通じ、走査
信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ
印加することにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通
じ、メタルバック85に数kV以上の高圧を印加し、電
子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させ、励起・発光
させることで画像を表示した。このとき、封着後の各素
子のフォーミングを均一に行えたことにより、電子放出
特性は均一であり、輝度ムラや、無発光点等は見られな
かった。
【0122】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像装置の用途に適するよう適宜
選択する。
【0123】また、本発明の思想によれば、表示に用い
られる好適な画像形成装置に限るものでなく、感光性ド
ラムと発光ダイオード等で構成された光プリンターの発
光ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像形成
装置を用いることもできる。またこの際、上述のm本の
行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択すること
で、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源とし
ても応用できる。
【0124】[実施例2]本実施例で示すものは、本発
明の表面伝導型電子放出素子、及びその素子を並列に多
数個配列した電子源(梯子型配置電子源)を用いた画像
形成装置の作製方法である。
【0125】図10において、前記したように、110
は電子源基板、111は電子放出素子、112のDx1
〜Dx10は、前記電子放出素子に接続する共通配線であ
る。電子放出素子111は、基板110上に、X方向に
並列に複数個配置される。この素子行を複数個基板上に
配置し、梯子型電子源基板となる。112は基板上に平
行に千鳥配置された表面伝導型電子放出素子の電極を接
続する配線電極であり、かかる素子を配線電極間で並列
に配線接続し、電極ギャップGに対し配線電極ライン毎
に順次電圧を印加することができる。
【0126】図11は、本発明の梯子型電子源基板を用
いた画像形成装置を示す斜視図である。この図におい
て、並列した表面伝導型電子放出素子111とグリッド
120の列とは、各々直角に交差したマトリクス構造と
なるように構成されている。
【0127】すなわち、素子の配線電極112によって
並列に接続された表面伝導型電子放出素子111の列に
対し、絶縁層31を介して電子放出部である電極ギャッ
プG上に開口を有するグリッド120の列が直交して形
成されている。ここで、グリッド120の列は、表面伝
導型電子放出素子111の列に直交したひと並びの素子
を覆ったマトリックスとなっている。今、メタルバック
85に高電圧を印加しておき、配線電極112の千鳥配
線列に順次電圧を印加掃印し、表面伝導型電子放出素子
111を線順次に電子放出させる。次に、グリッド12
0列に任意の信号電圧を順次印加することによって、蛍
光面発光による任意の画像表示をすることができる。
【0128】次に、本発明の梯子型電源基板の製造方法
と画像形成装置の構造を図16、及び図11により具体
的に説明する。
【0129】工程−(a) 清浄化した青板ガラス1上に厚さ0.5ミクロンのシリ
コン窒化膜33をプラズマCVD法で形成する。
【0130】工程−(b) 次いで、素子電極2,3と素子電極間ギャップGとなる
べきパターンをホトレジスト(RD−2000N−41
日立化成社製)形成し、真空蒸着法により、厚さ50オ
ングストロームのTi、厚さ1000オングストローム
のNiを順次堆積した。ホトレジストパターンを有機溶
剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電
極間隔Gは3ミクロンとし、素子電極の幅300ミクロ
ンを有する素子電極2,3を形成した。
【0131】工程−(c) 素子電極2,3の上に共通配線112のホトレジストパ
ターンを形成した後、厚さ50オングストロームのT
i、厚さ5000オングストロームのAuを順次真空蒸
着により堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去し
て、所望の形状の共通配線112を形成した。
【0132】工程−(d) 基板表面に、有機Pd(ccp4230奥野製薬(株)
社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で10分
間の加熱焼成処理をした。こうして形成された主元素と
してPdよりなる微粒子からなる電子放出部形成用の導
電性薄膜4の膜厚は、約100オングストローム、シー
ト抵抗値は5×104 Ω/□であった。さらに、電子放
出部形成用の導電性薄膜4となるべきパターンを、ホト
レジスト(OMR8320cp東京応化社製)で形成
し、ドライエッチングを行った。ドライエッチングは、
通常の平行平板陰極結合型で、真空排気系にターボ分子
ポンプとロータリーポンプを用いた装置で、Ar流量=
20sccm、ガス圧力4.5Pa、RF(13.56
MHz)Power=150Wにて3分行った。
【0133】ドライエッチング終了後、ホトレジストは
UV/03アッシャーにて、150℃で30分処理する
ことにより除去した。
【0134】以上の工程により絶縁性基板1上にシリコ
ン窒化膜33、共通配線112、素子電極2,3、電子
放出部形成用の導電性薄膜4を形成した。
【0135】工程−(e) 次に、この上に厚さ8500オングストロームのSiO
2 からなる絶縁層31と、厚さ1000オングストロー
ムのCr/厚さ20000オングストロームのNi/厚
さ1000オングストロームのCr/厚さ10000オ
ングストロームのAlからなるグリッド120を順次真
空堆積する。
【0136】工程−(f) 次に、フォトリソエッチングにより、電子放出素子11
1(図11)上に190×34μmの長方形に開口を設
けるように、SiO2 及びCr/Ni/Cr/Alをパ
ターニングして、絶縁層31及びグリッド120を形成
した。
【0137】以上の工程は、同一基板上に表面伝導型電
子放出素子111、絶縁層31、グリッド120を順次
形成する構造であるため、薄膜、フォトリソグラフィ、
エッチング等の技術を用いることができる。したがっ
て、各部材の材料選択に自由度があり、寸法精度、位置
精度も半導体製造装置程度の高精度を得ることができ
る。また、フォトリソグラフィのような大基板用マスク
アライナーを用いることで、容易に大面積化することが
できる。また、グリッド120の開口においても190
×34μmに対し±4μm程度の誤差であれば、駆動電
圧が若干変動するものの十分に変調することができる。
また、絶縁層31においても厚さ8.5μmから12μ
mの間であれば、同様に駆動上十分に変調することがで
きる。
【0138】上記各寸法内であれば、実際に同様の蛍光
面の輝点を得ることができた。
【0139】このようにして得られた表面伝導型電子放
出素子を有する梯子型電子源基板を用い、前述した電子
源及び画像形成装置(図11)を作製した。前記実施態
様で詳述したように、各部材にフリットガラスを塗布
し、大気中あるいは窒素雰囲気中で400〜500℃で
10分以上焼成することで封着した。
【0140】次に、真空ポンプにて排気し、十分な真空
度に達した後、端子Dox1 とDoy1 ,Dox2 とD
oy2 ,・・・・,Doxn とDoyn を通じ、電子放
出素子111の電極2,3間に電圧を印加し、電子放出
部5を、電子放出部形成用薄膜4を通電処理(フォーミ
ング処理)することにより作製した。フォーミング処理
の電圧波形を図4に示す。
【0141】図4中、本実施例では、T1を1ミリ秒、
T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング
時のピーク電圧)を7Vで、フォーミング処理は約1×
10 -6torrの真空雰囲気下で60秒間行った。各電
子放出素子111の抵抗を仮りに均一だったと仮定して
RΩとすると、n個の素子が並列に配列した1ライン当
りの素子だけの抵抗値はR/n(Ω)となる。封着後に
各素子の抵抗が低下し、R/nが共通配線112の抵抗
値と同等かそれ以下の値となってしまうと、フォーミン
グ時に配線抵抗による電圧降下の影響が、電圧印加する
ところから遠い素子ほど強く、均一なフォーミングを1
ライン内で行うことは困難であった。しかし、本電子放
出素子の封着後の抵抗の低下はなく、逆に一様に抵抗の
上昇が若干見られたが、ライン毎に各素子を均一にフォ
ーミングすることができた。このように作製された電子
放出部5は、バラジウム元素を主成分とする微粒子が分
散配置された状態となり、その微粒子の平均粒径は30
オングストロームであった。 上記フォーミングを終え
た電子放出素子の特性を、約1×10-5torrの真空
雰囲気下で活性化を行い、Ieが飽和したところで測定
したところ、素子電圧14V時の素子電流If=2.2
mA、放出電流Ie=1.1μAで、If,Ie共に各
素子間のバラツキは、±5〜6%であった。
【0142】以上のようにして完成した外囲器の雰囲気
を排気管(図示せず)を通じて真空ポンプにて排気し、
10-7torr程度の真空度で、不図示の排気管をガス
バーナーで熱することで溶着して外囲器の封止を行い、
さらにゲッター処理を行った。 基板110とフェース
プレート86の中間には、グリッド電極120が設けら
れている。グリッド電極120は、表面伝導型放出素子
から放出された電子ビームを変調することができるもの
で、梯子型配置の素子行と直交して設けられたストライ
プ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に対
応して1個ずつ円形の開口121が設けられている。こ
のとき、封着後の各素子のフォーミングを均一に行えた
ことにより、電子放出特性は均一であり、輝度ムラや、
無発光点等は見られなかった。
【0143】本画像形成装置では、素子行を1列ずつ順
次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列に
画像1ライン分の変調信号を同時に印加することによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように、表面伝導型電子放
出素子において、少なくとも電子放出部を含む薄膜を形
成する表面に、シリコン窒化膜を有することにより、 (1)封着工程後の導電性薄膜の抵抗の低下を抑制し、
各素子を同一条件でフォーミングを行うことができる。
【0145】(2)同特性の複数の電子放出素子を使う
場合でも、同一の特性を得る。
【0146】さらに、かかる電子源を用いた画像形成装
置においては、 (1)無発光点、輝度ムラのない画像が得られる。
【0147】(2)安価な青板ガラスを使用でき、低コ
ストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な平面型表面伝導型電子放出素
子の構成を説明する模式図である。 (a)平面図 (b)断面図
【図2】本発明の基本的な垂直型表面伝導型電子放出素
子の構成を説明する模式的断面図である。
【図3】本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方法の
一例を説明する模式的断面図である。
【図4】本発明の通電フォーミングの電圧波形の一例を
説明するグラフである。 (a)パルス波高値を一定とする場合 (b)パルス波高値を増加させる場合
【図5】本発明の電子源の特性を説明するグラフであ
る。
【図6】単純マトリクス配置の電子源を説明する模式図
である。
【図7】本発明の画像形成装置の概略構成の一例を説明
する斜視図である。
【図8】蛍光膜を説明する模式図である。 (a)ストライブ (b)マトリクス
【図9】NTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行う
ための駆動回路とその駆動回路を有する画像表示装置を
説明するブロック図である。
【図10】はしご型配置の電子源を説明する模式的平面
図である。
【図11】本発明の画像形成装置の概略構成の一例を説
明する斜視図である。
【図12】本発明の単純マトリクス配置の電子源基板を
説明する模式的平面図である。
【図13】図12のA−A’切断面を説明する断面図で
ある。
【図14】本発明の単純マトリクス配置の電子源基板の
製造工程を説明する断面図である。
【図15】本発明の単純マトリクス配置の電子源基板の
製造工程を説明する断面図である。
【図16】本発明の梯子型配置の電子源基板の製造工程
を説明する断面図である。
【図17】従来の表面伝導型電子放出素子を説明する模
式的平面図である。
【図18】従来の表面伝導型電子放出素子の構成を説明
する模式図である。 (a)平面図 (b)断面図
【図19】従来の表面伝導型電子放出素子の製造方法の
一例を説明する模式的断面図である。
【図20】従来の単純マトリクス配置の電子源基板の構
成を説明する模式的平面図である。
【図21】図20のA−A’切断面を説明する模式的断
面図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4 導電性薄膜 5 電子放出部 21 段差形成部 31 層間絶縁層 32 コンタクトホール 33 シリコン窒化膜 71 電子源基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 87 高圧端子 88 外囲器 91 黒色導電材 92 蛍光体 93 ガラス基板 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器、Vx及びVa:直流電圧源 110 電子源基板 111 電子放出素子 112 Dx1 〜Dx10は前記電子放出素子を配線す
るための共通配線 120 グリッド電極 121 電子が通過するための空孔 122 Dox1,Dox2,・・・,Doxm よりなる
容器外端子 123 グリッド電極120と接続されたG1,G2,・
・・,Gn からなる容器外端子 124 電子源基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも素子電極と電子放出
    部を含む薄膜とで構成される表面伝導型電子放出素子に
    おいて、少なくとも電子放出部を含む薄膜を形成する該
    基板表面に、シリコン窒化膜を有することを特徴とする
    表面伝導型電子放出素子。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上に、行方向配線と絶縁層を
    介して積層された列方向配線とによって、少なくとも素
    子電極と電子放出部を含む薄膜とで構成される表面伝導
    型電子放出素子の対向する1対の素子電極と電子放出部
    とをそれぞれ結線することで、行列状に多数個の表面伝
    導型電子放出素子を配列した電子源基板において、少な
    くとも電子放出部を含む薄膜を形成する該基板表面に、
    シリコン窒化膜を有することを特徴とする電子源。
  3. 【請求項3】 絶縁性基板上に、少なくとも素子電極と
    電子放出部を含む薄膜とで構成される表面伝導型電子放
    出素子の対向する1対の素子電極と電子放出部とをそれ
    ぞれ結線する共通配線を有し、並列状に多数個の表面伝
    導型電子放出素子を配列した電子源において、少なくと
    も電子放出部を含む薄膜を形成する該基板表面に、シリ
    コン窒化膜を有することを特徴とする電子源。
  4. 【請求項4】 少なくとも蛍光体と電子源で構成された
    画像形成装置において、該電子源が、請求項2又は3に
    記載の電子源であることを特徴とする画像形成装置。
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