JP3687384B2 - 液晶表示装置およびそれを用いた電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置およびそれを用いた電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、両面表示が可能な液晶表示装置に対する需要があり、いくつかの構造が提案されてきた。
【0003】
その一つは、2枚の透過型の液晶表示パネルを、バックライトを挟んで背中合わせに配置することによって、両面表示を行うものである。
【0004】
他の一つは、特開平10−198291に開示されており、1枚の反射型液晶表示パネルにおいて、その表示面の一部については一方の側に反射板を配置し、その表示面の残りの部分については他方の側に反射板を配置するものである。これによって、1枚の液晶表示パネルにおいて、その表示面の一部は一方の側に対する表示を行い、表示面の残りの部分は他方の側に対する表示を行うことが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2枚の透過型の液晶表示パネルがバックライトを挟んで配置されることによって両面表示を可能とするタイプにおいては、2枚の液晶表示パネルを用意する必要があり、部品点数および重量が増加し、外形も大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
また、一枚の反射型の液晶表示パネルにおいて、その表示面の一部は一方の側に対しての表示に用い、残りの部分については他方の側に対する表示に用いることによって両面表示を可能とするタイプにおいては、それぞれの側において、液晶パネルの全面にわたる表示ができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであって、その目的は、2枚の液晶表示パネルを必要とすることなく、液晶パネルの全面にわたる表示を両面において行うことができる液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の液晶表示装置は、
内面側にそれぞれ透明電極が設けられた一対の基板の間に液晶を封入して形成された液晶セルと、
前記液晶セルの一方の面側に配置され、第1反射軸方向の偏光面を有する偏光を反射し、前記第1反射軸方向とは異なる方向の第1透過軸方向の偏光面を有する偏光を透過する第1反射偏光子と、
前記液晶セルの他方の面側に配置され、第2反射軸方向の偏光面を有する偏光を反射し、前記第2反射軸方向とは異なる方向の第2透過軸方向の偏光面を有する偏光を透過する第2反射偏光子と、
前記第1反射偏光子あるいは前記第2反射偏光子の前記液晶セルと反対側に配置され、前記液晶セルに向けて光を出射する、ほぼ透明な導光板と、
前記導光板の外面側、および、前記導光板が配置された側とは逆側の最も外面側、の少なくともいずれか一方に、着脱可能な光吸収層と、
を有することを特徴とする。
【0009】
なお、上記において、外面側とは、液晶セルから遠い側を示す。
【0010】
本発明によれば、液晶セルの一方の側に第1反射偏光子が配置され、液晶セルの他方の側に第2反射偏光子が配置されている。したがって、第1反射偏光子の側を表示面として用いる場合は第2反射偏光子を反射板として用いた反射型の液晶表示装置となり、第2反射偏光子の側を表示面として用いる場合は第1反射偏光子を反射板として用いた反射型の液晶表示装置となる。このように、本発明によれば、両面表示を行うことのできる反射型の液晶表示装置が得られる。しかも、第1および第2反射偏光子は所定の方向の偏光面を持つ偏光を、殆ど反射することができるため、明るい反射型の液晶表示装置とすることができる。
【0011】
また、本発明の液晶表示装置は、外部からの光がない場合でも、導光板を介して導かれる光を用いて表示可能な液晶表示装置となる。しかも、導光板は、ほぼ透明であるため、導光板からの光を用いて表示する場合でも、液晶セルのいずれの側に対しても表示可能な両面表示の液晶表示装置となるとともに、導光板からの光を用いない反射型の液晶表示装置としても用いることができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、1枚の液晶セルを用いて両面表示を行うことのできる反射型の液晶表示装置が得られるため、2枚の液晶表示パネルを用いて両面表示を行う液晶表示装置に比し、部品点数、重量、および厚さを削減することができる。しかも、本発明の液晶表示装置は、液晶セルの全面にわたる反射偏光子が両面に配置され、それらが反射板として作用する反射型の液晶表示装置となるため、液晶セルの全面にわたる両面表示を行うことができる。
また、前記導光板の外面側、および、前記導光板が配置された側とは逆側の最も外面側、の少なくともいずれか一方に、光吸収層が着脱可能に配置されるため、光吸収層が用いられていない液晶セルの側を表示面側として用いたときに反射板として機能する反射偏光子すなわち第1または第2反射偏光子を透過した光が、この光吸収層によって吸収される。したがって、光吸収層がない場合に比べてこの領域からの光の反射量が減少し、コントラストを改善することができる。また、この光吸収層は、着脱可能に設けられているため、表示面として用いる側とは逆側にこの光吸収層が取り付けられた状態とすることによって、液晶セルのいずれの側が表示面側として用いられた場合でも、良好なコントラストを実現することができる。
【0013】
(2) さらに好ましくは、本発明の液晶表示装置は、
前記第1反射偏光子の外面側に配置され前記第1透過軸とほぼ平行な透過軸を持つ第1吸収型偏光子、および/または、前記第2反射偏光子の外面側に配置され前記第2透過軸とほぼ平行な透過軸を持つ第2吸収型偏光子を、さらに有することを特徴とする。
【0014】
ここで、吸収型の偏光子とは、透過軸方向の偏光面を有する偏光を透過し、透過軸方向とは異なる方向の吸収軸方向の偏光面を有する偏光を透過する偏光子である。
【0015】
本発明の液晶表示装置によれば、第1および第2反射偏光子の少なくともいずれか一方の外面側に吸収型の偏光子すなわち第1吸収型偏光子または第2吸収型偏光子が配置されており、その吸収型の偏光子の透過軸は、隣接する反射偏光子すなわち第1または第2反射偏光子とほぼ平行となっている。したがって、この吸収型の偏光子は、反射偏光子が透過させる偏光はそのまま透過させ、この吸収型の偏光子がないと反射偏光子が反射することになる偏光は、この吸収型の偏光子が吸収する。そのため、この吸収型の偏光子がない場合に偏光性のない光が反射偏光子に直接入射した場合に反射光となって表示コントラストの低下を招くことになる偏光成分を、この吸収型の偏光子によって吸収することができる。これによって、吸収型の偏光子が配置された側を表示面側とする表示において、表示のコントラストが改善され、不必要な反射がなく、見やすい表示を実現することができる。
【0016】
(3) さらに好ましくは、本発明の液晶表示装置は、
前記液晶セルの外面の少なくともいずれかに配置された散乱層を有することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、第1または第2反射偏光子によって反射されて液晶セル側に戻り表示面に向かう光が散乱層によって散乱されるため、第1反射偏光子によって反射された部分に対応する表示が、鏡面状ではなくペーパーホワイト状の見やすい表示となる。
【0018】
(4) さらに好ましくは、本発明の液晶表示装置は、
前記液晶セルは、TN型、STN型、およびBTN型のいずれかであることを特徴とする。
【0019】
ここで、BTN型の液晶セルとは、カイラルネマチック液晶を用いた2つの準安定状態を持つ液晶セルであり、特公平1−51818号公報、特開平10−170888号公報などに開示されているものである。
【0020】
本発明によれば、さまざまなタイプの液晶セルについて、前述の作用効果を奏する液晶表示装置を形成することができる。
【0023】
(6) 本発明の電子機器は、前記いずれかの液晶表示装置を表示手段として有することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、前記各液晶表示装置について上述したいずれかの作用効果を持つ表示手段を有する電子機器が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0026】
〔第1実施形態〕
<液晶表示装置の構造>
図1は、本実施形態の液晶表示装置10を示す模式的な断面図である。この図に示すように、液晶表示装置10は、液晶セル22の一方の側に第1反射偏光子18を配置し、液晶セル22の他方の側に第2反射偏光子42を配置して形成されている。また、第1反射偏光子18の外面側すなわち液晶セル22から遠い側には第1吸収型偏光子14が配置されている。また、液晶セル22と第2反射偏光子42との間には、散乱層38が配置されている。そして、第2反射偏光子42の外面側には第2吸収型偏光子46が配置され、第2吸収型偏光子46の外面側には着脱自在に光吸収層50が配置されている。さらに、第1吸収型偏光子14の外面側には、液晶セル22に向けて光を出射する、ほぼ透明な導光板52が配置されている。なお、図1および同様な他の図面においては、液晶表示装置10を構成する各要素間に隙間があるように描かれているが、これは図示の明確化のためであり、実際は各要素が互いにほぼ密着する状態となっている。
【0027】
液晶セル22は、ストライプ状の透明電極26が片面に形成された基板24と、やはりストライプ状の透明電極30が片面に形成された基板32とが、ギャップ材(図示せず)などによって所定間隔離され、対向する基板24,32の透明電極26,30同士が格子状に対向する単純マトリックス型の液晶セル22となっている。これら一対の基板24,32の間にはTN型の液晶28が充填され、それら基板24,32の対向する周縁がシール材34によって封止されている。なお、図1においては、一対の基板24,32の間を広く離して描いてあるが、これは図示を明確化するためであり、実際には一対の基板24,32は数μmないし十数μmの狭いギャップを隔てて対向している。
【0028】
第1および第2反射偏光子18,42は、国際公開(WO95/17692)に開示されたものと同様であり、図2に説明図として示すように、異なる2つの層、すなわちA層とB層とが交互に、Z軸方向に多くの層が積層された構造となっている。第1および第2反射偏光子18,42は、各層が1μmに満たない程度の厚さの多くの層が積層されて形成され、全体としても200μm程度の厚さの薄い板状である。
【0029】
第1および第2反射偏光子18,42においては、A層のX軸方向の屈折率をNax、Y軸方向の屈折率をNayとし、B層のX軸方向の屈折率をNbx、Y軸方向の屈折率をNbyとすると、それら屈折率の間には次のような関係がある。
【0030】
Nax ≠ Nay
Nbx = Nby
Nay = Nby
このように形成された第1および第2反射偏光子18,42は、Y軸方向の偏光面を持つ直線偏光をそのまま透過させる。
【0031】
さらに、第1および第2反射偏光子18,42は、互いに隣接する一対のA層およびB層において、A層の厚さTaとB層の厚さTbとが、所定の可視光の波長λに対して、次の関係となるように形成されている。
【0032】
Ta・Nax + Tb・Nbx = λ/2 (1)
このように、第1および第2反射偏光子18,42を形成することによって、Z軸方向から反射偏光子18,42に入射した波長λのX軸方向の偏光面を持つ直線偏光は、X軸方向の偏光面を持つ直線偏光として反射される。
【0033】
さらに、A層とB層の多数の対は、可視領域内の様々な波長λの光に対して式(1)の関係が満たされるように、様々な厚さの組み合わせとなっている。これによって、反射偏光子18,42は、可視領域の全波長にわたるX軸方向の偏光面を持つ直線偏光を、X軸方向の偏光面を持つ直線偏光として反射することになる。
【0034】
したがって、第1および第2反射偏光子18,42は、全可視領域において、X軸方向すなわち第1および第2反射軸方向の偏光面を持つ直線偏光をその方向の偏光面を持つ直線偏光として反射し、Y軸方向すなわち第1および第2透過軸方向の偏光面を持つ直線偏光をその方向の偏光面を持つ直線偏光として透過させる。
【0035】
第1および第2吸収型偏光子14,46は、吸収型の偏光子であり、透過軸方向の偏光面を有する偏光を透過し、透過軸方向とは異なる方向の吸収軸方向の偏光面を有する偏光を吸収する。第1および第2吸収型偏光子は、例えば、ヨウ素等のハロゲン物質や染料等の二色性色素を用いて形成される。
【0036】
なお、第1吸収型偏光子14は第1反射型偏光子18の外面側すなわち液晶セル22から遠い側に配置され、第2吸収型偏光子46は第2反射型偏光子42の外面側に配置されている。また、本実施形態においては、第1反射偏光子18の透過軸と第1吸収型偏光子14の透過軸とがほぼ平行となり、第2反射偏光子42の透過軸と第2吸収型偏光子46の透過軸とがほぼ平行となるように、配置されている。
【0037】
このように、液晶表示装置10においては、第1および第2反射偏光子18,42の外面側に吸収型の偏光子すなわち第1吸収型偏光子14または第2吸収型偏光子46が配置されており、それらの透過軸は、隣接する反射偏光子すなわち第1または第2反射偏光子18,42とほぼ平行となっている。したがって、これら吸収型の偏光子は、反射偏光子が透過させる偏光はそのまま透過させ、この吸収型の偏光子がないと反射偏光子が反射することになる偏光は、この吸収型の偏光子が吸収する。そのため、この吸収型の偏光子がない場合に偏光性のない光が反射偏光子に直接入射した場合に反射光となって表示コントラストの低下を招くことになる偏光成分を、この吸収型の偏光子によって吸収することができる。これによって、吸収型の偏光子が配置された側を表示面側とする表示において、表示のコントラストが改善され、不必要な反射がなく、見やすい表示を実現することができる。
【0038】
散乱層38は、液晶セル22と第2反射偏光子42との間に配置され、光を散乱させ拡散させる機能を持っている。散乱層38を省略することも可能ではあるが、これがない場合は、第2反射偏光子42で反射された部分に対応する表示が、鏡面により反射された光であるとの印象を与える表示となってしまう。散乱層38は、このような状態を防止し、第2反射偏光子42で反射された部分に対応する表示をペーパーホワイトに近い表示とする。散乱層38は、例えば、ビーズを分散させたプラスチックフィルムとして形成されている。また、隣接する層同士、例えば液晶セル22と第1または第2反射偏光子18,42とを接着する光学接着剤からなる接着層中にビーズを混入させて散乱層38を形成してもよい。
【0039】
なお、散乱層38は、液晶セル22と第2反射偏光子42との間に限らず、液晶セル22と第1反射偏光子42との間、液晶セル22と第2反射偏光子42との間、第1吸収型偏光子14と第1反射偏光子18との間、第2吸収型偏光子46と第2反射偏光子42との間、第1吸収型偏光子14の外面側、第2吸収型偏光子46の外面側の、少なくともいずれかに配置するようにしてもよい。
【0040】
導光板52は、第1吸収型偏光子14の外面側に配置されている。なお、導光板52は、必ずしも第1吸収型偏光子14の外面側に配置されてなくともよく、液晶セル22の少なくともいずれか一方側において、前述した液晶表示装置10を構成する要素(光吸収層50を除く)の最も外面に位置するものの外面側に配置されてもよい。導光板52は、光源66から例えばパネルを固定するフレーム67内などを導かれた光が端面57に入射されると、その光を液晶セル22に向けて出射するものである。導光板52は、例えば、光学的にほぼ等方なポリオレフィン樹脂、またはアクリル樹脂などで形成されている。
【0041】
また、光源66からの光を導光板52まで導くフレーム67は、光学的に等方なポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、あるいはアクリル樹脂などから構成されている。光源66から出射された光は、フレーム67によって導光板52の端面57まで導かれて導光板52内に導入され、液晶セル22に向かって出射される。なお、導光板52は、光を殆ど吸収しない材料で形成されているため、導光板52の前面側または背面側から入射する光は、殆どそのまま透過する。また、光源66としては、LED(発光ダイオード)などが用いられる。
【0042】
ここで、図3および図4を参照して、導光板52についてさらに詳しく説明する。なお、図3は導光板52の模式的な断面図であり、図4は導光板52の模式的な斜視図である。
【0043】
導光板52は、これらの図に示すように、透明な樹脂の成形品からなる平板形状を有しており、その片面(出射面)53に多数の突起54を備えている。各突起54はいずれも円柱状であり、出射面53に対してほぼ平行な底面55とほぼ垂直な側面56とから構成されている。導光板52は、屈折率が約1.4以上材料で形成される。導光板52の端面57から入射した光束は、図3において光線58,59で模式的に示すように、端面57から入射した後、導光板52の中で全反射を繰り返し、突起54の側面56からのみ出射する。このため、導光板52全体から効果的に照明することができる。このようにして、導光板52は、端面57に入射した光を効率的に出射面53の側から射出するとともに、前面側から入射した光を背面側に透過させ、かつ、背面側から入射した光を前面側に透過させる。
【0044】
導光板52の厚みは0.2mm〜2mm程度、好ましくは0.4mm〜0.8mm程度であり、本実施形態では厚さ0.6mmのものが用いられている。突起54の大きさは、可視光の波長がおよそ380nmから700nm程度であることから、回折による影響が発生しないように5μm程度以上は必要であり、また、突起54は、肉眼視で気にならない程度の大きさであるために、概ね300μm以下が望ましい。さらに、製造上の利便性を考慮すると、突起54の大きさは、およそ10μm以上100μm以下が望ましい。また、突起54の高さと幅(直径)の比は、導光板52内での光線は平面方向の仰角が45度以下である点からすれば1対1以下でよく、実際には20度以下の光線が90%以上を占めるので、1対2程度まで充分な性能を発揮する。従って、本実施形態では、突起54の直径を20μm、高さを15μm、ピッチを20μmとした。
【0045】
散乱層38(図1)は、光を散乱させ拡散させる機能を持っている。散乱層38を省略することも可能ではあるが、これがない場合は、反射偏光子40で反射された部分に対応する表示が、鏡面により反射された光との印象を与える表示となってしまう。散乱層38は、このような状態を防止し、反射偏光子40で反射された部分に対応する表示をペーパーホワイトに近い表示とする。散乱層38は、例えば、ビーズを分散させたプラスチックフィルムとして形成されている。また、隣接する層同士、例えば導光板52と反射偏光子40とを接着する光学接着剤からなる接着層中にビーズを混入させて散乱層38を形成してもよい。なお、散乱層38は、偏光子14と液晶セル18との間に設けてもよいし、偏光子14の前面に設けるようにしてもよい。
【0046】
光吸収層50は、第2吸収型偏光子の外面側に着脱可能に配置される。液晶セル22の光吸収層50が用いられていない側を表示面側として用いたときに反射板として機能する第1または第2反射偏光子18,42を透過した光は、この光吸収層50によって吸収される。そのため、光吸収層50がない場合に比べてこの領域からの光の反射量が減少し、しかも、第1または第2吸収型偏光子14,46に向けて入射する外光が光吸収層50によって吸収されるため、コントラストが改善される。また、この光吸収層50は、着脱可能に設けられているため、表示面として用いる側とは逆側にこの光吸収層50が取り付けられた状態とすることによって、液晶セル22のいずれの側が表示面側として用いられた場合でも、良好なコントラストを実現することができる。なお、光吸収層50は、第2吸収型偏光子の外面側に限らず、液晶セル22の少なくともいずれか一方側において、前述した液晶表示装置10を構成する要素の最も外面に位置するものの外面側に着脱可能に配置されてもよい。
【0047】
また、液晶表示装置10は、図1に図示した構成要素以外にも、液晶24に面して設けられる配向膜、そして駆動回路なども備えている。
【0048】
<液晶表示装置の自己発光型としての動作>
上記のように形成された液晶表示装置10を、周囲が暗い状況で自己発光型として用いる場合の動作を図5とともに説明する。なお、この図において、左側半分の図5(A)は通過する光の偏光面を液晶セル22が90°旋光させるスイッチング状態である場合を示し、右側半分の図5(B)は通過する光の偏光面を液晶セル22が旋光させないスイッチング状態である場合を示している。また、図5および同様な他の図においては、アスタリスク状の記号は偏光性のない光を示し、左右両方向を示す矢印の記号は紙面と平行な偏光面を持つ偏光または軸方向を持つ偏光分離素子を示し、丸の中に小さい黒丸の記号は紙面と垂直な偏光面を持つ偏光または軸方向を持つ偏光分離素子を示している。
【0049】
まず、液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態の領域に導光板52からの光が第1吸収型偏光子14の側から入射した場合、すなわち図5(A)に示した場合について説明する。この場合、入射した光64は、第1吸収型偏光子14の吸収軸14A方向の偏光成分は第1吸収型偏光子14によって吸収され、第1吸収型偏光子14の透過軸14T方向の偏光成分のみが第1吸収型偏光子14を透過し、その透過軸14Tの方向の偏光面を持つ直線偏光64aとして出射する。その直線偏光64aは第1吸収型偏光子14の透過軸14Tとほぼ平行に配置された透過軸18Tを持つ第1反射偏光子18をそのまま透過し、液晶セル22を通過すると90°旋光された直線偏光64bとなる。その直線偏光64bは、散乱層38で散乱されるが偏光方向はそのままの直線偏光64cとして反射偏光子42に入射する。反射偏光子42に入射した直線偏光64cは、その偏光面が反射偏光子42の反射軸42Rとほぼ平行であるため、反射偏光子42によって反射される。反射された直線偏光64dは、反射偏光子42の反射軸42Rにほぼ平行な偏光面を持ち、再び、散乱層38で散乱され、偏光面は変わらない直線偏光64eとして液晶セル22に入射する。そして、液晶セル22で90°旋光されて第1反射偏光子18の透過軸18Tと平行な偏光面を持つ偏光64fとなり、第1反射偏光子18をそのまま透過し、さらに第1反射偏光子18の透過軸18Tとほぼ平行に配置された透過軸14Tを持つ第1吸収型偏光子14を透過して表示面に達する。
【0050】
このように、この液晶表示装置10を周囲が暗い状態で自己発光型として使用した場合は、液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態の領域に第1反射偏光子の外面側に配置された導光板52からの光が第1吸収型偏光子14の側から入射すると、その殆どが第2反射偏光子42で反射されて入射と逆の経路を辿って液晶セル22の導光板52側に出射する。したがって、液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態の領域は、液晶セル22の導光板52が配置された側から目視すると明るい白表示となり、液晶セル22の導光板52が配置された側とは逆側から光吸収層50が外された状態で目視すると暗い表示となる。
【0051】
次に、液晶表示装置10を周囲が暗い状況の下で自己発光型として用い、液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態の領域に導光板からの光65が第1吸収型偏光子14の側から入射した場合、すなわち図5(B)に示した場合について説明する。この場合、入射した外光65は、第1吸収型偏光子14の吸収軸14A方向の偏光成分が第1吸収型偏光子14によって吸収され、第1吸収型偏光子14の透過軸14T方向の偏光成分が第1吸収型偏光子14を透過して、その透過軸14Tの方向の偏光面を持つ直線偏光65aとして第1吸収型偏光子14から出射する。その直線偏光65aは、第1吸収型偏光子14の透過軸14Tとほぼ平行な透過軸18Tを持つ第1反射偏光子18をそのままの状態で透過し、旋光されることなく液晶セル22を通過し、散乱層38を透過して散乱されるが偏光面は変わらない直線偏光65bとなり、第1吸収型偏光子14の透過軸14Tとほぼ平行な透過軸42Tを持つ第2反射偏光子42を透過し、そして第2反射偏光子42の透過軸42Tとほぼ平行な透過軸46Tを持つ第2吸収型偏光子46を透過してそのまま進行し、入射側には戻らない。
【0052】
このように、この液晶表示装置10を周囲が暗い状態で自己発光型として使用した場合は、液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態の領域に第1反射偏光子18の外面側に配置された導光板52からの光が第1吸収型偏光子14の側から入射すると、第1吸収型偏光子18に吸収される成分を除き、その殆どが逆側に位置する第2反射偏光子42および第2吸収型偏光子46を透過して、入射側には戻らず、そのまま出射してしまう。したがって、液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態の領域は、液晶セル22の導光板52が配置された側から目視すると暗い表示となり、液晶セル22の導光板52が配置された側とは逆側から光吸収層50が外された状態で目視すると明るい白表示となる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の液晶表示装置10は、周囲が暗い状態で自己発光型として使用した場合は次のような表示となる。すなわち、液晶セル22が光を90°旋光させる領域は、導光板52が配置された液晶セル22の側から目視すると、明るい白の表示領域となり、導光板52が配置された液晶セル22の側とは逆側から目視すると、暗い表示領域となる。また、液晶セル22が光を90°旋光させない領域は、導光板52が配置された液晶セル22の側から目視すると、暗い表示領域となり、導光板52が配置された液晶セル22の側とは逆側から目視すると、明るい白の表示領域となる。本実施形態の液晶表示装置10は、周囲が暗い状態で自己発光型として使用した場合、このような両面表示を行うことができる。
【0054】
なお、液晶セル22は、光を90°旋光する状態と、光を旋光しない状態との中間の状態もとることができ、このとき、中間調表示が行われる。
【0055】
<液晶表示装置の反射型としての動作>
また、上記のように形成された本実施形態の液晶表示装置10は、明るい光のもとで導光板52からの光を用いることなく使用することもできる。なお、前述したように、導光板52は、前面側から入射した光を背面側に透過させ、かつ、背面側から入射した光を前面側に透過させることができる。以下、その場合の動作を図6とともに説明する。なお、この図において、左側半分の図6(A)は通過する光の偏光面を液晶セル22が90°旋光させるスイッチング状態である場合を示し、右側半分の図6(B)は通過する光の偏光面を液晶セル22が旋光させないスイッチング状態である場合を示している。
【0056】
まず、液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態の領域に外光が第1吸収型偏光子14の側から入射した場合、すなわち図6(A)左側に示した場合について説明する。この場合、入射した外光60は、そのまま導光板52を透過した後、第1吸収型偏光子14の吸収軸14A方向の偏光成分は第1吸収型偏光子14によって吸収され、第1吸収型偏光子14の透過軸14T方向の偏光成分のみが第1吸収型偏光子14を透過し、その透過軸14Tの方向の偏光面を持つ直線偏光60aとして出射する。その直線偏光60aは第1吸収型偏光子14の透過軸14Tとほぼ平行に配置された透過軸18Tを持つ第1反射偏光子18をそのまま透過し、液晶セル22を通過すると90°旋光された直線偏光60bとなる。その直線偏光60bは、散乱層38で散乱されるが偏光方向はそのままの直線偏光60cとして反射偏光子42に入射する。反射偏光子42に入射した直線偏光60cは、その偏光面が反射偏光子42の反射軸42Rとほぼ平行であるため、反射偏光子42によって反射される。反射された直線偏光60dは、反射偏光子42の反射軸42Rにほぼ平行な偏光面を持ち、再び、散乱層38で散乱され、偏光面は変わらない直線偏光60eとして液晶セル22に入射する。そして、液晶セル22で90°旋光されて第1反射偏光子18の透過軸18Tと平行な偏光面を持つ偏光60fとなり、第1反射偏光子18をそのまま透過し、さらに第1反射偏光子18の透過軸18Tとほぼ平行に配置された透過軸14Tを持つ第1吸収型偏光子14を透過し、導光板52を透過して表示面に達する。
【0057】
また、液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態の領域に外光が第2吸収型偏光子46の側から入射した場合は、第2吸収型偏光子46と第2反射偏光子42が、液晶セル22を境に第1吸収型偏光子14および第1反射偏光子18と対称に配置されており、散乱層38は対称な配置ではなく第2反射偏光子42の側にのみあるものの、偏光状態には影響を与えないため、第2吸収型偏光子42の側から入射した光の挙動は、図6(A)の右側に示したとおり、前述した液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態の領域に外光が第1吸収型偏光子14の側から入射した場合と、液晶セル22を境にしてほぼ対称な挙動となる。したがって、第2吸収型偏光子に入射した外光61は、第2吸収型偏光子の透過軸46Tと平行な偏光61fとして第2吸収型偏光子46側の表示面に達する。
【0058】
このように、この液晶表示装置10においては、液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態の時に液晶セル22に入射した外光は、その殆どが第1または第2反射偏光子18,42で反射されて入射と逆の経路を辿って出射するため、第1または第2吸収型偏光子14,46のいずれの側から外光が入射した場合でも、液晶セル22が光を90°旋光させるスイッチング状態となっている領域は明るい白色表示となる。
【0059】
次に、液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態の領域に外光62が第1吸収型偏光子14の側から入射した場合、すなわち図6(B)の左側に示した場合について説明する。この場合、入射した外光62は、そのまま導光板52を透過した後、第1吸収型偏光子14の吸収軸14A方向の偏光成分が第1吸収型偏光子14によって吸収され、第1吸収型偏光子14の透過軸14T方向の偏光成分が第1吸収型偏光子14を透過して、その透過軸14Tの方向の偏光面を持つ直線偏光62aとして第1吸収型偏光子14から出射する。その直線偏光62aは、第1吸収型偏光子14の透過軸14Tとほぼ平行な透過軸18Tを持つ第1反射偏光子18をそのままの状態で透過し、旋光されることなく液晶セル22を通過し、散乱層38を透過して散乱されるが偏光面は変わらない直線偏光62bとなり、第1吸収型偏光子14の透過軸14Tとほぼ平行な透過軸42Tを持つ第2反射偏光子42を透過し、そして第2反射偏光子42の透過軸42Tとほぼ平行な透過軸46Tを持つ第2吸収型偏光子46を透過してそのまま進行し、表示面である入射側には戻らない。なお、図6では図示しながったが、図1に示したように、第2吸収型偏光子46の外面側に光吸収層50を配置した状態とすれば第2吸収型偏光子46を透過した光が何かに反射して表示面である入射側に戻ることを確実に防ぐことができる。
【0060】
また、液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態の領域に外光が第2吸収型偏光子46の側から入射した場合は、第2吸収型偏光子46および第2反射偏光子42が、液晶セル22を境に第1吸収型偏光子14および第1反射偏光子18と対称に配置されており、散乱層38は対称な配置ではなく第2反射偏光子42の側にのみあるものの、偏光状態には影響を与えないため、第2吸収型偏光子42の側から入射した光の挙動は、図6(B)の右側に示したとおり、前述した液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態の領域に外光が第1吸収型偏光子14の側から入射した場合と、液晶セル22を境にしてほぼ対称な挙動となる。したがって、第2吸収型偏光子46に入射した外光63は、第1吸収型偏光子14の透過軸14Tと平行な偏光63bとして第1吸収型偏光子14を透過してそのまま出射され、表示面である入射側には戻らない。
【0061】
このように、この液晶表示装置10においては、液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態の時に液晶セル22に入射した外光は、入射した側とは逆側に透過してしまい、入射側には戻らないため、第1または第2吸収型偏光子14,46のいずれの側から外光が入射した場合でも、液晶セル22が光を旋光させないスイッチング状態となっている領域は暗い表示となる。
【0062】
なお、光の入射側とは逆側の最も外面側に光吸収層50を位置させれば、光吸収層50が用いられていない液晶セル22の側を表示面側として用いたときに反射板として機能する反射偏光子すなわち第1または第2反射偏光子18,42を透過した光、および、その第1または第2吸収型偏光子14,46に向けて入射する外光が、光吸収層50によって吸収される。したがって、光吸収層50がない場合に比べてこの領域からの光の反射量および外光の入射量が減少し、コントラストを改善することができる。また、この光吸収層50を着脱可能に設けることによって、表示面として用いる側とは逆側にこの光吸収層50が取り付けられた状態とすることが容易に行え、液晶セル22のいずれの側が表示面側として用いられた場合でも、良好なコントラストを実現することができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態の液晶表示装置10は、明るい外光のもとで反射型として使用した場合、液晶セル22が光を90°旋光させる領域は、液晶セル22のいずれの側を表示面として用いた場合でも、明るい白の表示領域となる。また、本実施形態の液晶表示装置10は、液晶セル22が光を旋光させない領域は、明るい外光のもとで液晶表示装置10を反射型として使用した場合、液晶セルのいずれの側を表示面として用いた場合でも、暗い表示領域となる。このように、液晶表示装置10は、明るい光のもとで用いる場合、液晶セルのいずれの側を表示面として用いた場合でも、液晶セルが光を90°旋光させる領域は明るい表示となり、液晶セルが光を旋光させない領域は暗い表示となる両面表示を行うことができる。
【0064】
なお、液晶セル22は、光を90°旋光する状態と、光を旋光しない状態との中間の状態もとることができ、このとき、中間調表示が行われる。
【0065】
図7および図8は、本実施形態の液晶表示装置10をドットマトリクス表示パネルとして形成した場合における表示例である。図7は、光吸収層50を用いない場合の表示例であり、図7(A)は数字を表示した部分を液晶セル22が光を旋光させない領域とし、背景を液晶セル22が光を旋光させる領域とした場合の表示例を示している。この表示例においては、数字部分は、表示面の裏側からの入射光によってパネルの裏が透けて見え、背景部分は、第1あるいは第2反射偏光子18,42によって反射され散乱層38で散乱されて白表示となる。
【0066】
図7(B)は数字を表示した部分を液晶セル22が光を旋光させる領域とし、背景を液晶セル22が光を旋光させない領域とした場合の表示例を示している。この表示例においては、数字部分と背景部分の表示状態が、図7(A)に示した表示例の場合と反対になる。
【0067】
図8は、光吸収層50を用いた場合の表示例である。図8(A)は数字を表示した部分を液晶セル22が光を旋光させない領域とし、背景を液晶セル22が光を旋光させる領域とした場合の表示例を示している。この表示例においては、数字部分を透過した光は光吸収層50で吸収されて黒表示となる。背景部分は、第1あるいは第2反射偏光子18,42によって反射され散乱板38で散乱されて白表示となる。
【0068】
図8(B)は数字を表示した部分を液晶セル22が光を旋光させる領域とし、背景を液晶セル22が光を旋光させない領域とした場合の表示例を示している。この表示例においては、数字部分と背景部分の表示状態が、図8(A)に示した表示例とは反対となる。
【0069】
このように、光吸収層50を用いることによってコントラストを改善することができる。なお、図7および図8で白表示の部分は、散乱層38を用いない構成の場合は、鏡面状態の表示となる。
【0070】
上述したように、本実施形態の液晶表示装置10は、1枚の液晶セル22を用いて両面表示を行うことのできる反射型の液晶表示装置10となり、2枚の液晶表示パネルを用いて両面表示を行う液晶表示装置に比し、部品点数、重量、および厚さを削減することができる。しかも、液晶表示装置10は、液晶セル22の全面にわたる反射偏光子18,42が両面に配置され、それらが反射板として作用する反射型の液晶表示装置10となるため、液晶セル22の全面にわたる両面表示を行うことができる。
【0071】
さらに、第1および第2反射偏光子18,42は、所定の方向の偏光面を持つ偏光を殆ど反射することができるため、明るい反射型の液晶表示装置10となる。
【0072】
<液晶表示装置を備えた電子機器>
図9は、本実施形態の液晶表示装置10を表示部として用いた電子機器としての携帯用コンピュータ96を示す外観図である。携帯用コンピュータ96は、液晶表示装置10からなる表示部と入力部98とを備えており、表示部が設けられた蓋99の部分を閉じた状態(図示せず)でも表示できるようになっている。携帯用コンピュータ96は、液晶表示装置10の他に、図示しないが、表示情報出力源、表示情報処理回路、クロック発生回路などの様々な回路や、それらの回路に電力を供給する電源回路などを含んで構成される。
【0073】
なお、本実施形態の液晶表示装置10が組み込まれる電子機器としては、携帯電話機、腕時計、および携帯用コンピュータに限らず、携帯電話機、ノート型パソコン、電子手帳、ページャ、電卓、POS端末、ICカード、ミニディスクプレーヤなど様々な電子機器が考えられる。
【0074】
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、液晶セルとしてSTN型の液晶セルが用いられている点と、STN型の液晶セルに付随して発生する着色を解消するための位相差板が追加されている点、そして、第1吸収型偏光子および第1反射偏光子の透過軸と、第2吸収型偏光子および第2反射偏光子の透過軸との間の角度がほぼ平行ではなく、STN型の液晶セルの2つのスイッチング状態におけるツイスト角のTN型の場合との違いに対応させてそれらの透過軸間の角度が決定されている点が、第1実施形態と異なる。それ以外の点は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。また、図面において対応する部分には第1実施形態と同一の符号を付す。
【0075】
図10は、本実施形態の液晶表示装置70を示す模式的な断面図である。この図に示すように、液晶表示装置70は、STN型の液晶72を用いた液晶セル74を用い、第1吸収型偏光子14と第1反射偏光子18との間、および第2吸収型偏光子46と第2反射偏光子42との間に、位相差板76,76を備えている。この位相差板76によって、STN型の液晶セル74によって発生する着色を解消することができる。
【0076】
また、本実施形態の液晶表示装置70においては、第1実施形態の場合と同様に、第1吸収型偏光子14の透過軸と第1反射偏光子18の透過軸とがほぼ平行であり、第2吸収型偏光子46の透過軸と第2反射偏光子42の透過軸とがほぼ平行である。しかしながら、第1吸収型偏光子14および第1反射偏光子18の透過軸と、第2吸収型偏光子46および第2反射偏光子42の透過軸との間の角度は、STN型の液晶セル74の2つのスイッチング状態におけるツイスト角のTN型の場合との違いに対応させて、それらの透過軸間の角度が決定されている。
【0077】
そして、本実施形態の液晶表示装置70の動作は、STN型の液晶セル74に付随する位相ずれを、位相差板76を透過させることによって補償する点を除いて、第1実施形態の液晶表示装置10とほぼ同様となる。
【0078】
なお、位相差板76,76はSTN型の液晶セル74を用いたことによる着色を解消するために用いられているものであって、その着色が問題にならない場合には必ずしも用いる必要はない。したがって、そのような場合は、位相差板76,76の少なくとも一方を用いない構成とすることもできる。
【0079】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内または特許請求の範囲の均等範囲内で各種の変形実施が可能である。
【0080】
例えば、上記各実施形態では、液晶セルが、TN型、またはSTN型で単純マトリックス型の液晶セルである例を示したが、本発明の液晶表示装置に用いられる液晶セルは、パネル自体にスイッチング素子を用いないもので言えばスタティック駆動型の液晶セルであってもよいし、またTFTで代表される三端子スイッチング素子あるいはMIMで代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス型の液晶セルであってもよい。さらに、液晶セルは、電気光学特性で言えば、BTN型の液晶セルであってもよい。なお、BTN型の液晶セルとは、カイラルネマチック液晶を用いた2つの準安定状態を持つ液晶セルであり、特公平1−51818号公報、特開平10−170888号公報などに開示されているものである。
【0081】
また、上記各実施形態では、第1および第2反射偏光子として積層型のもの用いた例を示したが、第1および第2反射偏光子はこのタイプに限らず、コレステリック液晶層と1/4波長板とを組み合わせるもの(特開平8−271892号公報)、ブリュースターの角度を利用して反射された偏光と透過された偏光とに分離するもの(SID 92 DIGEST P.427-429)、あるいは、ホログラムを利用するもの等を用いることもできる。
【0082】
さらに、上記各実施形態では、液晶表示装置が白黒表示用として形成された例を示したが、液晶セル内または液晶セルに近い位置にカラーフィルタを配置することによって、カラー表示用の液晶表示装置とすることもできる。
【0083】
そして、上記各実施形態においては、第1および第2吸収型偏光子を用いた液晶表示装置を示したが、第1および第2吸収型偏光子のいずれか、または両方がなくとも表示を液晶表示装置は両面表示を行うことができる。なお、液晶セルの表示面とする側に第1または第2吸収型偏光子が用いられていない場合、表示コントラストは低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の液晶表示装置を示す模式的な断面図である。
【図2】第1および第2反射偏光子の構造を示す模式的な斜視図である。
【図3】第1実施形態の液晶表示装置に用いられた導光板の模式的な断面図である。
【図4】第1実施形態の液晶表示装置に用いられた導光板の模式的な斜視図である。
【図5】第1実施形態の液晶表示装置を自己発光型として用いた場合の動作を示す説明図である。
【図6】第1実施形態の液晶表示装置を反射型として用いた場合の動作を示す説明図である。
【図7】(A)および(B)は、第1実施形態の液晶表示装置をドットマトリクス表示パネルとして形成した場合における表示例である。
【図8】(A)および(B)は、第1実施形態の液晶表示装置をドットマトリクス表示パネルとして形成した場合における表示例である。
【図9】第1実施形態の液晶表示装置を用いた電子機器としての携帯用コンピュータを示す外観図である。
【図10】第2実施形態の液晶表示装置を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,70 液晶表示装置
14 第1吸収型偏光子
18 第1反射偏光子
22,74 液晶セル
24,32 基板
26,30 透明電極
28,72 液晶
38 散乱層
42 第2反射偏光子
46 第2吸収型偏光子
50 光吸収層
52 導光板
76 位相差板
96 携帯用コンピュータ(電子機器)

Claims (5)

  1. 内面側にそれぞれ透明電極が設けられた一対の基板の間に液晶を封入して形成された液晶セルと、
    前記液晶セルの一方の面側に配置され、第1反射軸方向の偏光面を有する偏光を反射し、前記第1反射軸方向とは異なる方向の第1透過軸方向の偏光面を有する偏光を透過する第1反射偏光子と、
    前記液晶セルの他方の面側に配置され、第2反射軸方向の偏光面を有する偏光を反射し、前記第2反射軸方向とは異なる方向の第2透過軸方向の偏光面を有する偏光を透過する第2反射偏光子と、
    前記第1反射偏光子あるいは前記第2反射偏光子の前記液晶セルと反対側に配置され、前記液晶セルに向けて光を出射する、ほぼ透明な導光板と、
    前記導光板の外面側、および、前記導光板が配置された側とは逆側の最も外面側、の少なくともいずれか一方に、着脱可能な光吸収層と、
    を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1反射偏光子の外面側に配置され前記第1透過軸とほぼ平行な透過軸を持つ第1吸収型偏光子、および/または、前記第2反射偏光子の外面側に配置され前記第2透過軸とほぼ平行な透過軸を持つ第2吸収型偏光子を、さらに有することを特徴とする液晶表示装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかにおいて、
    前記液晶セルの外面の少なくともいずれかに配置された散乱層を有することを特徴とする液晶表示装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
    前記液晶セルは、TN型、STN型、およびBTN型のいずれかであることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置を表示手段として有することを特徴とする電子機器。
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