JP3686112B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は冬用スタッドレスタイヤに関するものであり、特に優れた氷雪上性能を備えた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な氷雪路走行用空気入りタイヤは、多数の溝により画成されたブロックを有するトレッドパターンが採用されることが多く、ブロックには、はぼ均等に直線または波形のサイプを配設している。
【0003】
図9に示される如く、従来のサイプ5はブロック3に深さh、サイプ間の離隔距離tにて複数本配設される。このようなサイプ5は、制動時すなわちブレーキ時およびトラクション時(発進時等)に働く入力に対して掘り起こし効果(以下エッヂ効果という)を出すために、概ねタイヤ幅方向に延在し、また、深さ方向には一様な溝幅で概ねタイヤの軸心に向けて(θ≒90°)延在して配設されており、氷雪走行に対して一応の性能を発揮する。
【0004】
氷上性能をよくするためには、接地表面積をふやすことにより摩擦力を増強したり、また、サイプの本数(密度)を増やし、エッジ成分を増加することによりエッヂ効果を高めるなどの方策をとることができる。しかし、不用意にサイプ密度を増加させるとブロック剛性が低下しすぎ、偏摩耗を生じると同時にブロックの曲げ変形により接地面積が減少し、むしろ氷上性能が低下することがあるので、サイプ密度の増加にも限度がある。
【0005】
氷雪路上を走行するタイヤのトレッドには、特開昭62−283001に開示されるような発泡ゴムがしばしば使用されるが、一般のトレッドゴムに対比して柔らかいので、発泡ゴムを採用したトレッドにおいてサイプを用いる場合、トレッド剛性の確保が重要である。
【0006】
優れたエッヂ効果を有し、適正数の配設で高い氷雪走行性能をもたらすサイピング技術の出現が強く求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来の単純なサイプにおいては、制動時にブロックが変形するとサイプにより提供されるエッヂが鈍くなりエッヂ効果が減殺されている。
【0008】
本発明の目的は、前記の問題点を解消するところにあり、氷雪走行性能、特に氷上走行性能に優れた新規なサイプ形状を提案することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、多数の溝によって多数の陸部が画成され、この陸部に複数のサイプを配設したトレッドパターンを具備する空気入りタイヤにおいて、前記複数のサイプが互いに実質的に並列して概ねタイヤ幅方向に延在しており、このサイプが、深さ方向において概ねタイヤ軸心方向に延びる基部と、この基部から傾斜してトレッド表面にまで延在する傾斜部とからなり、制動時に働く入力の入り側では、前記傾斜部の傾斜方向が前記入力の方向と反対であることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤであって、前記陸部の少なくとも一部がブロックで形成され、一つのブロックがタイヤ周方向前後にほぼ二分され、前記傾斜部の傾斜方向が、前記入力の入り側半分のブロック部分と前記入力の出側半分のブロック部分とで互いに逆であることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤであって、前記基部と前記傾斜部との間に前記傾斜部と逆方向に傾斜する逆傾斜部を有することを特徴としている。
【0012】
なお、請求項1又は3に記載の空気入りタイヤであって、前記陸部の少なくとも一部がブロックで形成され、前記傾斜部の傾斜方向をタイヤ回転方向に対して一方向側としたサイプによりサイピングした第1のブロックと、前記傾斜部の傾斜方向を第1のブロックにサイピングしたサイプの前記傾斜部の傾斜方向と逆としたサイプによりサイピングした第2のブロックとが混在したトレッドパターンとしてもよい。
【0013】
【作用】
請求項1に記載の本発明の空気入りタイヤでは、複数のサイプが互いに実質的に並列して概ねタイヤ幅方向に延在しており、このサイプが深さ方向において概ねタイヤ軸心方向に延びる基部と、この基部から傾斜してトレッド表面にまで延在する傾斜部とからなり、制動時に働く入力の入り側では、この傾斜部の傾斜方向が、制動時に働く入力の方向と反対であるので、サイプにより提供されるエッヂが入力に対してシャープであり、エッヂ効果を高める機能を有する。
【0014】
前記のような従来の単純なサイプでは、制動時に路面から受ける入力が強力となった場合、倒れ込みが強くなり、垂直接地圧を前後方向に逃がしてしまい、高いエッヂ圧が得られない。
【0015】
以下図面に基づいて作用についてさらに説明する。
図10a、10bに示される如く、サイプ5は、入力Fの方向に対して反対方向側のエッヂmと同方向側のエッヂnを提供する。Rは路面を示し、トラクション時又はブレーキ時に路面走行中のタイヤのトレッド部に矢印方向の入力Fが働くことになる。サイプ5は接地時に路面Rに対してほぼ垂直方向に延びている。このような従来のサイプ5が施されたタイヤでは、大きな入力が作用した場合、強く倒れ込み、エッヂmがエッジnを路面側から押し上げ、エッヂnのエッヂ圧を下げ、エッヂ効果を減じるものである。
【0016】
図5a、5bに示す如く、請求項1に記載の本発明の空気入りタイヤでは、概ねタイヤ軸心方向に延びる基部5Aと、この基部5Aから制動時に働く入力の方向と反対方向に向けて傾斜してトレッド表面に延びる傾斜部5Bとからなるサイプによりサイピングしているので、特有の機能を持つことができる。Fは入力であり、矢印はその方向を示し、Rは路面を示す。本発明のサイプ5は、横断面(図1のA−A線断面)形状において基部5Aを有し、基部5Aから入力Fの方向と反対方向側(以下、入力の入り側という)に傾斜した傾斜部5Bがトレッド表面にまで延在する。
【0017】
本発明のサイプ5は入力の入り側に比較的鈍角なエッヂmを、そして入力の方向と同方向側(以下、入力の出側という)に比較的鋭角なエッヂnを提供する。サイプ5が、トレッド表面近傍で基部5Aから入力の入り側に傾斜しているので、ブロックが変形し易い上に、入力Fの入り側に向けて比較的鋭角なエッヂnが対面する。この鋭角なエッヂnによりエッヂ効果を高める機能が得られる。
【0018】
タイヤ内部側に概ねタイヤ軸心方向に延びる基部を設け、この基部からトレッド表面近傍に傾斜部を設けることにより、深さ方向にサイプ全体を傾斜(図5a中、角度α)させるよりも傾斜部の傾斜角度を大きくでき、その結果、より鋭角なエッヂnを形成することができる。摩耗の進行とともに鋭角なエッヂnが鈍角なエッヂmに比してより摩滅するヒールエンドトウ摩耗という偏摩耗が生じるが、摩耗中期以降はサイプの基部が現われ、この基部が接地に際して路面にほぼ垂直となるためヒールエンドトウ摩耗の進行が抑止される。
【0019】
図5a、5bでは、傾斜部が一方向に傾斜したサイプのみでサイピングされているので、ブレーキ時とトラクション時では入力の方向が異なることから、遊動輪にはブレーキによる入力に有効に対向するような方向に傾斜部が傾斜するように、また、駆動輪はトラクションによる入力に有効に対向するような向に傾斜するように車両に装着するのが望ましい。すなわち、遊動輪には図5bに示すイの方向をタイヤ回転方向とするように、また、駆動輪には図5bに示すロの方向をタイヤ回転方向とするように装着するとよい。これにより遊動輪ではブレーキ時に、駆動輪ではトラクション時に鋭角なエッヂnによるエッヂ効果が機能する。
【0020】
本発明のサイプは、発泡ゴムのような比較的柔らかいゴムよりなるトレッドに適しており、また多数の溝により画成されたブロックを有するトレッドパターンの空気入りタイヤにおいて、ブロック内に配設して有効なものである。
【0021】
請求項2に記載の本発明の空気入りタイヤでは、1つのブロックを周方向前後にほぼ二分し、制動時に働く入力の入り側半分のブロック部分と、制動時に働く入力の出側半分のブロック部分とで、傾斜部の傾斜方向を逆としているので、ブレーキ時およびトラクション時の両方の制動に対して鋭角なエッヂnが機能するようにサイプを1ブロック内にバランスよく配設することができる。
【0022】
以下、図6a、6bに基づいて説明する。図6a、6bに示される如く、本発明のサイプ5は横断面形状においてタイヤ内部側に基部5Aを有し、この基部5Aからトレッド表面に向けて傾斜部5Bが設けられているが、傾斜部5Bは入力の入り側(図6b中、右側)半分のブロックにサイピングしたサイプと残余の入力の出側(図6b中、左側)半分のブロックにサイピングしたサイプと逆方向に傾斜している。図5a、5bで説明したと同様に、比較的鋭角なエッヂnが入力の入り側に対面して配置され、エッジ効果を高める機能を発揮する。このように互いに逆方向の傾斜部5Bを有する2種のサイプが1ブロック内に配設されているので、タイヤ装着方向にこだわることなく、ブレーキ時およびトラクション時にエッヂ効果を高める機能が得られる。タイヤの回転方向がイの場合はブレーキ時に、ロの場合にはトラクション時に鋭角なエッヂnが入力Fの入り側に対面して配置されることになり、前記のエッヂ効果がもたらされる。
【0023】
請求項3に記載の本発明の空気入りタイヤでは、基部と傾斜部との間に傾斜部と逆方向に傾斜する逆傾斜部を設けているので、タイヤのローテーションをすることにより、高いエッヂ効果を維持するとともにヒールエンドトウ摩耗の進行を抑止する。
【0024】
以下、図7a、7b、8a、8bに基づいて説明する。図7a、7bに示される如く、新品時における本発明のサイプ5が提供する鋭角なエッヂn、鈍角なエッヂmと入力Fとの関係は図5a、5bで説明したことと同じであり、サイプ5が、基部5Aと傾斜部5Bとの間に傾斜部5Bと逆方向に傾斜した逆傾斜部5Cを有する点が異なる。新品時において鋭角なエッヂnが入力の入り側に対面して設けられているので、前記と同様にエッジ効果をもたらされる。
【0025】
図8a、8bに示される如く、逆傾斜部5Cが現われる摩耗時においては、鈍角なエッヂmが入力の入り側に対面することになるので、タイヤの回転方向が新品時と逆となるようにタイヤを装着し直すことにより、逆傾斜部5Cが提供する鋭角なエッジn’が入力の入り側対面して配置されるためこの鋭角なエッヂn’が高いエッヂ効果をもたらす。従って、逆傾斜部5Cが現われる時期に、新品時における装着方向と逆方向に装着するタイヤのローテーション行なうことになるが、このローテーションにより次に述べる耐偏摩耗性が向上するというメリットがもたらされる。
【0026】
トレッド近傍でサイプが傾斜していると、前記の通りエッヂ効果が得られる反面、鋭角なエッヂnが摩耗し、鈍角なエッヂmが残るヒールエンドトウ摩耗が発生する。逆傾斜部5Cが現われた時点でタイヤの前記ローテーションを行ない、タイヤの回転方向を逆とすることにより、ヒールエンドトウ摩耗で残った部分が鋭角なエッヂとして機能する。そして、基部5Aが現われる摩耗時期以降はサイプを接地路面に対してほぼ垂直とし、ヒールエンドトウ摩耗の進展を抑止することができ、バランスのよいサイピングが行なえる。
【0027】
なお、傾斜部の傾斜方向をタイヤ回転方向に対して一方向側としたサイプによりサイピングした第1のブロックと、傾斜部の傾斜方向を第1のブロックにサイピングしたサイプの傾斜部の傾斜方向と逆としたサイプによりサイピングした第2のブロックとを混在させたトレッドパターンとすると、装着方向に関係なくブレーキ時およびトラクション時にエッヂ効果を発揮するタイヤとすることができる。
【0028】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1に示される如く、本発明の空気入りタイヤは、概して周方向に延する周方向溝2aと概してタイヤ幅方向に延在する横方向溝2bとによって多数のブロック3が形成されたトレッドパターンを有する。
【0029】
図1では、周方向溝2aとして周方向に直線状に延在した例を示しているがこれに限られず、周方向に対して傾斜した周方向溝としたり、ジグザグ形状等に屈曲させることができる。また、横方向溝2bについてもタイヤ幅方向に直線状に延在した例を示しているがこれに限られず、タイヤ幅方向に対して傾斜した横方向溝としたり、屈曲させることができる。
【0030】
周方向溝2a、横方向溝2bは全体としてトレッド1に多数の陸部3を形成する溝2を構成する。ここで陸部とは、この例ではブロックタイプであるが、リブタイプのものであってもよい。
【0031】
ブロック3には、サイプ5が複数配設されている。サイプ5は、概ねタイヤ幅方向に延在しており、複数を実質的に並列させている。サイプ5は、この例ではブロックを画成する溝に開口させているが、開口させず端部をブロック内に止めてもよい。サイプ5は、タイヤ幅方向に対して多少傾斜させたり、また、図1に示す如の直線状に限定されずジグザグ状等の屈曲形状を呈するように形成してもよいが、この場合においても、全体として並列性を保持するようにするとよい。
【0032】
図2に示される如く、第1実施例のサイプは、複数のサイプ5は、深さh、離隔距離tで配設され、ブロック3を多数のサブブロック3Aに区分する。サイプ5は、タイヤ内部側に基部5Aを有し、基部5Aは概ね軸心方向に延びている。基部5Aからタイヤ表面に向けて傾斜部5Bが延在し、この傾斜部5Bはトレッド表面に対して傾斜しており、サイプ5は比較的鈍角なエッヂmと比較的鋭角なエッヂnを提供する。傾斜部5Bの鋭角なエッヂn側のトレッド表面に対する傾斜角度をθとしている。遊動輪ではブレーキ時に、駆動輪ではトラクション時に入力Fが5a、5bに示すような関係で働くようにタイヤを装着するとよい。なお、Sは基部5Aと傾斜部5Bの境界位置11のトレッド表面から距離である。
【0033】
図3に示される如く、第2実施例のサイプは、ブロック3が周方向前後に二分されており、右半分のブロックに配設されたサイプは右側に傾斜した傾斜部5Bを有しており、残余の左半分のブロックに配設されたサイプは左側に傾斜した傾斜部5Bを有している。中央部のサブブロック3Aはトレッド表面近傍で拡大形状を呈しており、サイプ配設はこの中央サブブロックを中心に左右対称形となっている。この第2実施例の空気入りタイヤは、タイヤ装着方向に関わりなく入力の入り側に対面する鋭角なエッヂnを持つことになり、前記エッヂ効果が得られる。図3において、θ1 は傾斜部5Bの鈍角なエッヂm側のトレッド表面に対する傾斜角度を示し、θ 2は同鋭角なエッヂn側の傾斜角度を示す。
【0034】
図4に示される如く、第3実施例のサイプは、概ねタイヤ軸心方向に延在する基部4A、この基部4Aからトレッド表面に延びて開口する傾斜部5Bおよび基部5Aと傾斜部5Bとの間に設けられた傾斜部5Bの傾斜方向と逆方向に傾斜する逆傾斜部5Cからなる。S1 はトレッド表面から傾斜部5Bと逆傾斜部5Cとの境界13までの距離であり、また、S2 はトレッド表面から基部4Aと逆傾斜部5Cとの境界12までの距離である。
【0035】
新品時にサイプは、傾斜部5Bにおいて、比較的鋭角なエッヂnと比較的鈍角なエッヂmを提供する。摩耗時に逆傾斜部が表面に現れた際、サイプは、逆傾斜部5Cにおいて、比較的鋭角なエッヂn’と比較的鈍角なエッヂm’を提供する。新品時および逆傾斜部が表われた摩耗時において、それぞれ遊動輪ではブレーキ時に、駆動輪ではトラクション時に入力Fの入り側に鋭角なエッヂn、n’が対面するようにタイヤを装着するとよい。図4において、θ3 は傾斜部5Bの鋭角なエッヂn側の、θ4 は逆傾斜部5Cの鈍角なエッヂm’側のトレッド表面に対する傾斜角度をそれぞれ示す。
【0036】
図4に示される如く、サイプ深さh100%に対して、初めの25%(傾斜部)と次の25%(逆傾斜部)で傾斜角度を反対方向とし、初めの25%が摩耗したところでタイヤをローテーションし、タイヤの回転方向を逆にすることにより初めの25%摩耗まで走行した間に生じたヒールエンドトウ摩耗により残った部分が鋭角なエッヂとして働くようにしている。そして、トータル50%摩耗したところで、サイプを垂直とし、摩耗中期以降のヒールエンドトウ摩耗の進展を抑止する。初めの50%摩耗まではヒールエンドトウ摩耗を利用してまでもエッヂ効果を有効にする手段をとり、残りの50%はサマータイヤとしての一般機能を果たすべくヒールエンドトウ摩耗を押えたものとしている。
【0037】
〔試験例〕
前述した第1実施例(図2)、第2実施例(図3)および第3実施例(図4)の乗用車用空気入りタイヤをサイズ185/70R13にて、溝幅0.5mm、溝深さh10mm、離隔距離t5mmのサイプを表1に示す諸元にてその他の構成は同一として製作し、氷上ブレーキ性能および氷上トラクション性能の評価試験を実施した。また、従来例(図9)の乗用車空気入りタイヤについても、表1の諸元のサイプとして他は実施例タイヤと同一として製作し、同様に評価試験を実施した。
【0038】
評価結果を表2に示す。
評価結果は従来例のタイヤの結果を100とした指数表示で示してあり、数字が大きい程性能が優れることを示している。
【0039】
テスト条件は、タイヤ内圧2.0kg/cm2 、氷上ブレーキ性能は氷盤上を20km/h の速度で走行した状態からフル制動した時の制動距離、氷上トラクション性能は氷盤上を20km/h の速度で走行した状態から100mフル加速した時の所要時間の評価結果である。
【0040】
テスト車はFF車であり、第1実施例(図2)および第3実施例(図4)のタイヤについては、駆動輪および遊動輪について回転方向を考慮してそれぞれトラクション、ブレーキに対して機能を発揮するように装着した。また、第3実施例(図4)のタイヤについては、新品時の性能を示している。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表2に示された結果から、本発明の第1実施例、第2実施例および第3実施例のタイヤは、従来例のタイヤに比べて、氷上性能がはるかに優れていることが判明した。
【0044】
請求項1記載の空気入りタイヤにより、制動時に働く入力の方向と反対方向のエッヂnのエッヂ圧を高め、優れたエッヂ効果をもたらし、氷上性能を高める。
【0045】
請求項2記載の空気入りタイヤにより、同一ブロック内でトラクションおよびブレーキの調法の制動に対応してエッヂ効果をもたらし、タイヤの装着方向に気を配ることなく優れた氷上性能を発揮する。
【0046】
請求項3記載の空気入りタイヤにより、タイヤのローテーションにより摩耗中期まで高いエッヂ効果をもたらし、かつ摩耗末期まで耐偏摩耗性を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施例のタイヤにおけるサイプ形状を示す横断面図(図1のA−A線断面図)である。
【図3】本発明の第2実施例のタイヤにおけるサイプ形状を示す横断面図である。
【図4】本発明の第3実施例のタイヤにおけるサイプ形状を示す横断面図である。
【図5a】本発明の第1実施例のタイヤの接地した状態を示す説明図である。
【図5b】本発明の第1実施例のタイヤに走行時に入力が働いた場合の作用を示す説明図である。
【図6a】本発明の第2実施例のタイヤの接地した状態を示す説明図である。
【図6b】本発明の第2実施例のタイヤに走行時に入力が働いた場合の作用を示す説明図である。
【図7a】本発明の第3実施例のタイヤの新品時において接地した状態を示す説明図である。
【図7b】本発明の第3実施例のタイヤに新品時において走行した際に入力が働いた場合の作用を示す説明図である。
【図8a】本発明の第3実施例のタイヤの摩耗時において接地した状態を示す説明図である。
【図8b】本発明の第3実施例のタイヤに摩耗時において走行した際に入力が働いた場合の作用を示す説明図である。
【図9】従来のタイヤのサイプ形状を示す横断面図である。
【図10a】従来のタイヤの接地した状態を示す説明図である。
【図10b】従来のタイヤに走行時に入力が働いた場合の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トレッド
2 溝
3 陸部(ブロック)
5 サイプ
5A サイプの基部
5B サイプの傾斜部
5C サイプの逆傾斜部
F 入力
m 入力の方向と反対方向側(入力の入り側)のエッヂ
n 入力の方向と同じ方向側(入力の出側)のエッヂ
Claims (3)
- 多数の溝によって多数の陸部が画成され、この陸部に複数のサイプを配設したトレッドパターンを具備する空気入りタイヤにおいて、
前記複数のサイプが互いに実質的に並列して概ねタイヤ幅方向に延在しており、
このサイプが、深さ方向において概ねタイヤ軸心方向に延びる基部と、この基部から傾斜してトレッド表面にまで延在する傾斜部とからなり、
制動時に働く入力の入り側では、前記傾斜部の傾斜方向が前記入力の方向と反対であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記陸部の少なくとも一部がブロックで形成され、一つのブロックがタイヤ周方向前後にほぼ二分され、前記傾斜部の傾斜方向が、前記入力の入り側半分のブロック部分と前記入力の出側半分のブロック部分とで互いに逆であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記基部と前記傾斜部との間に前記傾斜部と逆方向に傾斜する逆傾斜部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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JPH08207514A (ja) | 1996-08-13 |
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