JP3654217B2 - 印刷装置におけるキャリッジモータの制御 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置のキャリッジモータの動作を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、印刷ヘッドを搭載したキャリッジと、キャリッジを移動させるためのキャリッジモータと、キャリッジモータを制御するための駆動制御装置とを備えている。図6は、従来の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。この駆動制御装置は、制御回路300と、駆動回路320と、キャリッジモータ330とを有している。キャリッジモータ330には、キャリッジの現行速度Vcを検出するためのエンコーダ332が設けられている。
【0003】
図7は、エンコーダ332の出力信号(以下、「エンコーダ出力信号」と呼ぶ)を示している。典型的なエンコーダ出力信号は、A相信号とB相信号の2つの信号を含んでいる。キャリッジモータ330の回転方向(正転と逆転)は、A相信号とB相信号の位相関係に応じて決定される。例えば、A相信号の立ち上がり時にB相信号がLレベルのときに正転と判断され(図7(a))、一方、A相信号の立ち上がり時にB相信号がHレベルのときに逆転と判断される(図7(b))。また、キャリッジの位置は、キャリッジモータ330の回転方向と、エンコーダ出力信号のパルス数とに応じて決定される。また、キャリッジの現行速度Vcは、エンコーダ出力信号の周期Tenの逆数(1/Ten)に比例する値(k/Ten)として決定される。
【0004】
制御回路300は、目標速度Vtと現行速度Vcとの偏差ΔVを求めるための減算器302と、比例要素304と、積分要素306と、微分要素308と、加算器310とを含んでいる。3つの演算要素304,306,308は、速度偏差ΔVに応じた演算結果を出力し、これらの演算結果が加算器310によって加算される。この加算結果ΣQは、制御信号として駆動回路320に供給される。駆動回路320は、この制御信号ΣQに応じた駆動信号Sdrをキャリッジモータ330に供給してこれを駆動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した制御回路300のように通常のPID制御を行う制御回路は、キャリッジモータ330の速度や位置を高精度に制御することが可能である。しかし、何らかの原因によって、いわゆるハンチングが発生する場合がある。
【0006】
図8は、速度Vと速度偏差ΔVにハンチングが発生している様子を示すグラフである。図8(A)の横軸は位置(または時間)であり、縦軸は速度Vである。また、図8(B)の縦軸は速度偏差ΔVである。目標速度Vtは、キャリッジjの目標位置と現行位置との偏差に応じて予め設定されている。図8(B)の例では、速度偏差ΔVが、プラスとマイナスの両側に振れるようにハンチングを起こしている。このようなハンチングは、例えば、モータ330が動作を始めたときにはエンコーダ出力信号の周期Tenが不安定であり、このため、現行速度Vc(=k/Ten)の測定値が不安定であることに起因している。
【0007】
ところで、キャリッジに搭載された印刷ヘッドからインクを吐出するようなプリンタでは、キャリッジが一定速度で移動している間に印刷ヘッドからインクを吐出して印刷を行う。従って、このようなプリンタでは、ハンチングを抑制して、キャリッジの速度を精度良く制御したいという要望が強い。
【0008】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、印刷装置のキャリッジの速度制御の精度を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、印刷ヘッドを有する印刷装置であって、前記印刷ヘッドを搭載したキャリッジと、前記キャリッジを移動させるキャリッジモータと、前記キャリッジモータの動作を制御するための駆動制御装置と、を備える。前記駆動制御装置は、前記キャリッジモータを駆動する駆動回路と、前記キャリッジの現行速度を検出する検出部と、前記キャリッジの目標速度を発生する目標速度発生部と、前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて前記駆動回路に供給すべき制御信号を生成する制御部と、を有する。また、前記制御部は、比例要素と積分要素とを含む複数の演算要素と、前記複数の演算要素の演算結果を加算して前記制御信号を生成する制御信号生成部と、前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて、前記複数の演算要素に入力すべき速度偏差を生成する速度偏差生成部と、を含む。前記速度偏差生成部は、前記キャリッジが移動を開始した直後の所定の期間において、前記目標速度と現行速度の現実の偏差よりも変化幅の小さな速度偏差を生成して前記複数の演算要素に入力する。
【0010】
この印刷装置では、キャリッジが移動を開始した直後の所定の期間において、目標速度と現行速度の現実の偏差よりも変化幅の小さな速度偏差を生成して複数の演算要素に入力するので、速度偏差のハンチングを抑制することができ、キャリッジの速度制御の精度を向上させることが可能である。
【0011】
なお、前記速度偏差生成部は、前記所定の期間において前記速度偏差が所定の変化パターンを示すように前記速度偏差を生成するようにしてもよい。例えば、前記所定の期間において前記速度偏差が一定値を維持するように前記速度偏差を生成するようにしてもよい。あるいは、前記所定の期間において前記速度偏差が単調に減少するように前記速度偏差を生成するようにしてもよい。
【0012】
これらの構成によれば、速度偏差のハンチングを確実に抑制することができるので、キャリッジの速度制御の精度を向上させることが可能である。
【0013】
また、前記速度偏差生成部は、前記所定の期間の後において、前記目標速度と現行速度の現実の偏差を前記速度偏差として使用するようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、所定の期間の後において、目標速度に応じた制御を忠実に実行して、高精度で制御を行うことが可能である。
【0015】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、モータの駆動制御方法および装置、印刷制御方法および印刷制御装置、印刷方法および印刷装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.制御方法の各種実施例:
C.変形例:
【0017】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の一実施例としてのインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、印刷用紙Pを副走査方向SSに送る紙送りモータ30と、プラテン40と、印刷ヘッド52を搭載するキャリッジ50と、キャリッジ50を主走査方向MSに移動させるキャリッジモータ60と、を備えている。キャリッジモータ60は、例えばブラシ付きDCモータである。
【0018】
キャリッジ50は、キャリッジモータ60に駆動される牽引ベルト62によって牽引され、ガイドレール64に沿って移動する。キャリッジ50には、印刷ヘッド52の他に、ブラックカートリッジ54とカラーインクカートリッジ56とが搭載されている。
【0019】
キャリッジ50のホームポジション(図1の右側の位置)には、停止時に印刷ヘッド52のノズル面を密閉するためのキャッピング装置80が設けられている。印刷ジョブが終了してキャリッジ50がこのキャッピング装置80の上まで到達すると、図示しない機構によってキャッピング装置80が自動的に上昇して、印刷ヘッド52のノズル面を密閉する。このキャッピングにより、ノズル内のインクの乾燥が防止される。キャリッジ50の位置決め制御は、例えば、このキャッピング装置80の位置にキャリッジ50を正確に位置決めするために行われる。
【0020】
図2は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20は、主制御回路102と、CPU104と、主制御回路102およびCPU104にバスを介して接続された各種のメモリ(ROM110,RAM112,EEPROM114)とを備えている。主制御回路102には、パーソナルコンピュータなどの外部装置との間で信号の送受信を行うインターフェース回路120と、紙送りモータ駆動回路130と、ヘッド駆動回路140と、CRモータ駆動回路150とが接続されている。
【0021】
紙送りモータ30は、紙送りモータ駆動回路130によって駆動されて紙送りローラ34を回転させ、これによって印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。紙送りモータ30にはロータリエンコーダ32が設けられており、ロータリエンコーダ32の出力信号は主制御回路102に入力されている。
【0022】
キャリッジ50の底面には、複数のノズル(図示せず)を有する印刷ヘッド52が設けられている。各ノズルは、ヘッド駆動回路140によって駆動されて、インク滴を吐出する。
【0023】
キャリッジモータ60は、CRモータ駆動回路150によって駆動される。このプリンタ20は、キャリッジ50の主走査方向に沿った位置と速度を検出するためのリニアエンコーダ70を備えている。このリニアエンコーダ70は、主走査方向に平行に設けられた直線状の符号板72と、キャリッジ50に設けられたフォトセンサ74とによって構成されている。リニアエンコーダ70の出力信号は、主制御回路102に入力されている。
【0024】
なお、主制御回路102は、3つの駆動回路130,140,150に制御信号をそれぞれ供給する機能を有しており、また、インターフェース回路120で受信した各種の印刷コマンドの解読や、印刷データの調整に関する制御、各種のセンサの監視などを実行する機能も有している。一方、CPU104は、主制御回路102を補助するための各種の機能を有しており、例えば各種のメモリの制御などを実行する。
【0025】
図3は、キャリッジモータ60の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。この駆動制御装置は、CRモータ制御回路200と、CRモータ駆動回路150とを含んでいる。なお、CRモータ制御回路200は、図2に示した主制御回路102の一部である。
【0026】
リニアエンコーダ70の出力信号Senは、CRモータ制御回路200内の位置演算回路230と速度演算回路232とに入力される。これらの回路230,232は、エンコーダ70の出力信号Senの図示しないA相信号とB相信号とを用いて、キャリッジの現行位置Pcと現行速度Vcとをそれぞれ求める。減算器202は、与えられた目標位置Ptと現行位置Pcとの偏差ΔPを求めて目標速度発生回路204に入力する。目標速度発生回路204は、この位置偏差ΔPに応じた目標速度Vtを発生する。目標速度Vtの変化パターンは、例えば図8に実線で示したものと同じである。
【0027】
速度偏差生成回路206は、この目標速度Vtと現行速度Vcから速度偏差ΔVを決定し、この速度偏差ΔVを比例要素210と積分要素212と微分要素214とに入力する。速度偏差ΔVの生成処理の内容については後述する。これらの3つの演算要素210,212,214の演算結果QP,QI,QDは、加算器216で加算されて、加算結果ΣQが算出される。
【0028】
各演算要素210,212,214の出力QP,QI,QDと、それらの加算結果ΣQは、例えば以下の式(1)〜(4)で与えられる。
QP(j)=ΔV(j)×Kp …(1)
QI(j)=QI(j−1)+ΔV(j)×Ki …(2)
QD(j)={ΔV(j)−ΔV(j−1)}×Kd …(3)
ΣQ(j)=QP(j)+QI(j)+QD(j) …(4)
ここで、jは時刻であり、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Kdは微分ゲインである。
【0029】
この加算結果ΣQ(「PID出力」とも呼ぶ)は、制御信号としてCRモータ駆動回路150に供給される。なお、加算器216の後に制御信号調整回路を追加し、この調整回路によって、CRモータ駆動回路150に与える制御信号のレベルを必要に応じて調整するようにしても良い。
【0030】
CRモータ駆動回路150は、トランジスタブリッジで構成されたDC−DCコンバータ154と、ベースドライブ回路152とを備えている。ベースドライブ回路152は、CRモータ制御回路200から供給された制御信号ΣQに応じて、DC−DCコンバータ154のトランジスタのベースに印加するベース信号を発生する。DC−DCコンバータ154は、このベース信号に応じてモータ駆動信号Sdrを生成してキャリッジモータ60に供給する。
【0031】
B.制御方法の各種実施例:
図4は、第1実施例におけるCRモータ制御回路200の動作を示している。まず、時刻t0において目標位置Pt(図3)がCRモータ制御回路200に入力されると、目標速度発生回路204が目標位置Ptと現行位置Pcとの偏差ΔP(=Pt−Pc)に応じて目標速度Vtを発生する。こうして、時刻t0からキャリッジ50が移動を開始する。なお、目標速度Vtは、目標位置Ptと現行位置Pcとの偏差ΔPに応じた所定の変化パターンを示すように、目標速度発生回路204内に予め設定されている。
【0032】
時刻t0〜t1の期間P1においては、速度偏差生成回路206は、図4(B)に示すように、速度偏差ΔVを所定の一定値に設定し、この一定の速度偏差ΔVを3つの演算要素210,212,214に入力する。期間P1における速度偏差ΔVの値としては、目標速度Vtと現行速度Vcとの現実の偏差(Vt−Vc)に無関係に、予め設定された値が採用される。あるいは、時刻t0における現実の偏差(Vt−Vc)に所定の係数Cを乗じた値C(Vt−Vc)を、期間1における速度偏差ΔVの値として採用してもよい。
【0033】
期間P1では、各演算要素210,212,214に入力される速度偏差ΔVの値が一定値に保たれるので、制御信号ΣQの値が大きく変動することが無い。従来技術でも述べたように、キャリッジ50の移動開始時には、エンコーダ70の出力信号Senが不安定な場合があり、この出力信号Senから決定される現行速度Vcが変化し易い。このような場合にも、第1実施例では速度偏差ΔVが一定に保たれるので、現実のキャリッジ速度のハンチングを抑制することができる。また、キャリッジ50が過度に加速されることを防止できる。
【0034】
また、場合によっては、キャリッジモータ60に設けらているギア(図示せず)のバックラッシュに起因して、キャリッジ50の移動開始時にキャリッジモータ60がわずかに逆転することもある。このような場合にも、第1実施例では、期間P1において速度偏差ΔVが所定の一定値に保たれるので、キャリッジ速度を滑らかに上昇させることができるという利点がある。
【0035】
期間P1の終了時刻t1からは、速度偏差生成回路206は、現実の偏差(Vt−Vc)を速度偏差ΔVとして採用し、この速度偏差ΔVを3つの演算要素210,212,214に入力する。期間P1では、キャリッジ50が過度に加速されていないので、期間P1後においても、キャリッジの速度や位置の制御を精度良く継続することが可能である。
【0036】
なお、期間P1の長さは、位置演算回路230から速度偏差生成回路206に与えられる現行位置Pcに応じて測定される。例えば、期間P1の長さとして、エンコーダ出力信号Senの2〜5周期分の長さ(すなわち2〜5パルス分の長さ)を採用することが可能である。エンコーダ出力信号Senが数パルス発生すると、エンコーダ出力信号Senの周期Ten(図7)の変動が小さくなり、現行速度Vc(=k/Ten)の変動も小さくなる。従って、エンコーダ出力信号Senが数パルス発生する期間を期間P1として設定すれば、ハンチングを十分に抑制することが可能である。但し、期間P1の長さを、エンコーダ出力信号Senとは無関係に、図示しないタイマで計測された絶対的な時間で規定するようにしてもよい。
【0037】
ところで、図4(B)にも示されているように、時刻t1において現実の偏差(Vt−Vc)が採用されると、速度偏差ΔVの値が時刻t1で多少ジャンプする可能性がある。速度偏差ΔVの値に多少のジャンプが生じても現実的には問題とならない場合が多い。しかし、時刻t1において、速度偏差ΔVにジャンプが生じないようにすることがより好ましい。そこで、時刻t1の後の短い移行期間において、期間P1における一定値から、現実の速度偏差(Vt−Vc)に至るまで、速度偏差Δの値を滑らかに変化させるようにしてもよい。本明細書において、「所定の期間P1の後において目標速度と現行速度の現実の偏差を速度偏差として使用する」という文言は、このような移行期間を有する場合も含む広い意味を有している。
【0038】
上述したように、第1実施例では、キャリッジ50の移動開始後の所定の期間P1において、速度偏差ΔVを一定値に保つようにしたので、現実のキャリッジ速度や速度偏差のハンチングを抑制することができる。この結果、キャリッジ速度に関する制御精度を向上させることが可能である。
【0039】
図5は、本発明の第2実施例におけるCRモータ制御回路200の動作を示している。第2実施例においては、期間P1において速度偏差ΔVが直線的に減少するように、速度偏差生成回路206が速度偏差ΔVを生成している。このようにしても、上述した第1実施例と同様に、現実のキャリッジ速度や速度偏差のハンチングを抑制することができ、制御精度を向上させることが可能である。
【0040】
なお、時刻t0,t1における速度偏差ΔVの値は、現実の偏差(Vt−Vc)に無関係に予め設定された値を採用してもよく、あるいは、時刻t0における現実の偏差(Vt−Vc)にそれぞれ所定の係数を乗じることによって時刻t0,t1における速度偏差ΔVの値を決定してもよい。
【0041】
第2実施例において、速度偏差ΔVを直線的に減少させる代わりに、曲線的に減少させるようにしてもよい。すなわち、期間P1で速度偏差ΔVが単調に減少するようにしてもよい。期間P1で速度偏差ΔVが単調に減少するようにすれば、期間P1の最中と期間P1後の両方において、より滑らかな制御を実現できる可能性がある。
【0042】
なお、期間P1における速度偏差ΔVの変化は、上述したもの以外の種々の所定の変化パターンに設定することが可能である。また、一般には、速度偏差生成回路206は、所定の期間P1において、目標速度Vtと現行速度Vcの現実の偏差(Vt−Vc)よりも変化幅の小さな速度偏差ΔVを生成して複数の演算要素210,212,214に入力するようにすれば良い。例えば、現実の偏差(Vt−Vc)に1未満の係数を乗じた値を速度偏差ΔVとして演算要素210,212,214に入力するようにしてもよい。こうすれば、ハンチングを抑制して、制御精度を向上させることが可能である。
【0043】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0044】
C1.変形例1:
キャリッジモータ60としては、ブラシ付きDCモータ以外のDCモータやACモータを用いることも可能である。また、本発明は、プリンタのキャリッジモータ以外のモータの制御にも適用可能である。
【0045】
C2.変形例2:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、制御回路200(図3)の機能の一部または全部をコンピュータプログラムによって実現するようにすることも可能である。
【0046】
C3.変形例3:
上述した各実施例では、期間P1における速度偏差ΔVを調整することによってハンチングを抑制したが、この代わりに、演算要素210,212,214からCRモータ駆動回路150に供給される制御信号ΣQのレベルを調整することによってハンチングを抑制することも可能である。例えば、期間P1において、比例出力QPに上限値QPmax を設定するようにしてもよい。こうすれば、現実の速度偏差(Vt−Vc)が大きくっても、比例出力QPの値が上限値QPmax に制限されるので、制御信号ΣQとして過度に大きな信号が出力されることは無い。従って、ハンチングを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図3】キャリッジモータ60の駆動制御装置の構成を示すブロック図。
【図4】第1実施例におけるCRモータ制御回路200の動作を示すグラフ。
【図5】第2実施例におけるCRモータ制御回路200の動作を示すグラフ。
【図6】従来の駆動制御装置の構成を示すブロック図。
【図7】エンコーダ出力信号の例を示す説明図。
【図8】従来技術におけるの制御の様子を示すグラフ。
【符号の説明】
20…インクジェットプリンタ
30…紙送りモータ
32…ロータリエンコーダ
34…紙送りローラ
40…プラテン
50…キャリッジ
52…印刷ヘッド
54…ブラックカートリッジ
56…カラーインクカートリッジ
60…キャリッジモータ
62…牽引ベルト
64…ガイドレール
70…リニアエンコーダ
72…符号板
74…フォトセンサ
80…キャッピング装置
102…主制御回路
104…CPU
110…ROM
112…RAM
114…EEPROM
120…インターフェース回路
130…紙送りモータ駆動回路
140…ヘッド駆動回路
150…CRモータ駆動回路
152…ベースドライブ回路
154…DC−DCコンバータ
200…CRモータ制御回路
202…減算器
204…目標速度発生回路
206…速度偏差生成回路
210…比例要素
212…積分要素
214…微分要素
216…加算器
230…位置演算回路
232…速度演算回路
300…制御回路
302…減算器
304…比例要素
306…積分要素
308…微分要素
310…加算器
320…駆動回路
330…キャリッジモータ
332…エンコーダ
Claims (7)
- 印刷ヘッドを有する印刷装置であって、
前記印刷ヘッドを搭載したキャリッジと、
前記キャリッジを移動させるキャリッジモータと、
前記キャリッジモータの動作を制御するための駆動制御装置と、
を備え、
前記駆動制御装置は、
前記キャリッジモータを駆動する駆動回路と、
前記キャリッジの現行速度を検出する検出部と、
前記キャリッジの目標速度を発生する目標速度発生部と、
前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて前記駆動回路に供給すべき制御信号を生成する制御部と、
を有しており、
前記制御部は、
比例要素と積分要素とを含む複数の演算要素と、
前記複数の演算要素の演算結果を加算して前記制御信号を生成する制御信号生成部と、
前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて、前記複数の演算要素に入力すべき速度偏差を生成する速度偏差生成部と、
を含み、
前記速度偏差生成部は、前記キャリッジが移動を開始した直後の所定の期間において、前記目標速度と現行速度の現実の偏差よりも変化幅の小さな速度偏差を生成して前記複数の演算要素に入力することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置であって、
前記速度偏差生成部は、前記所定の期間において前記速度偏差が所定の変化パターンを示すように前記速度偏差を生成する、印刷装置。 - 請求項2記載の印刷装置であって、
前記速度偏差生成部は、前記所定の期間において前記速度偏差が一定値を維持するように前記速度偏差を生成する、印刷装置。 - 請求項2記載の印刷装置であって、
前記速度偏差生成部は、前記所定の期間において前記速度偏差が単調に減少するように前記速度偏差を生成する、印刷装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記速度偏差生成部は、前記所定の期間の後において、前記目標速度と現行速度の現実の偏差を前記速度偏差として使用する、印刷装置。 - 印刷ヘッドを搭載したキャリッジと、前記キャリッジを移動させるキャリッジモータと、を有する印刷装置に用いられ、前記キャリッジモータの動作を制御するための駆動制御装置であって、
前記キャリッジモータを駆動する駆動回路と、
前記キャリッジの現行速度を検出する検出部と、
前記キャリッジの目標速度を発生する目標速度発生部と、
前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて前記駆動回路に供給すべき制御信号を生成する制御部と、
を有しており、
前記制御部は、
比例要素と積分要素とを含む複数の演算要素と、
前記複数の演算要素の演算結果を加算して前記制御信号を生成する制御信号生成部と、
前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて、前記複数の演算要素に入力すべき速度偏差を生成する速度偏差生成部と、
を含み、
前記速度偏差生成部は、前記キャリッジが移動を開始した直後の所定の期間において、前記目標速度と現行速度の現実の偏差よりも変化幅の小さな速度偏差を生成して前記複数の演算要素に入力することを特徴とする印刷制御装置。 - 印刷ヘッドを搭載したキャリッジを移動させるキャリッジモータの動作を制御する方法であって、
(a)前記キャリッジの現行速度を検出する工程と、
(b)前記キャリッジの目標速度を発生する工程と、
(c)前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて前記キャリッジモータの駆動回路に供給すべき制御信号を生成する工程と、
を備え、
前記工程(c)は、
(d)前記キャリッジの目標速度と現行速度とに応じて速度偏差を生成する工程と、
(e)比例要素と積分要素とを含む複数の演算要素を用い、前記速度偏差に応じて複数の演算結果を求める工程と、
(f)前記複数の演算要素を加算して前記制御信号を生成する工程と、
を含み、
前記工程(d)は、前記キャリッジが移動を開始した直後の所定の期間において、前記目標速度と現行速度の現実の偏差よりも変化幅の小さな速度偏差を生成する工程を含むことを特徴とするキャリッジモータの制御方法。
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Publications (2)
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