JP3649285B2 - プリンタヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、インク漏れを防止したプリンタヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来のインクジェット方式のラインプリンタにおけるプリンタヘッド1の概略を示す平面図である。
ラインプリンタにおいては、記録媒体に対して、1ラインを1回で印画するため、そのプリンタヘッド1は、複数のプリンタヘッドチップ2(2A、2B、・・)を印画ライン方向に並設したものである。図11では、5つのプリンタヘッドチップ2A〜2Eのみを図示しているが、実際には、さらに多数のプリンタヘッドチップ2が並設されている。
【0003】
ここで、各プリンタヘッドチップ2は、図示しないが、例えば半導体基板にインクを加熱するための発熱抵抗体が設けられ、この発熱抵抗体の周囲を囲むようにインク加圧室が形成され、さらに、発熱抵抗体の上部に、インク滴を吐出するためのノズルを形成したノズルシートが設けられたものである。そして、発熱抵抗体の急速な加熱によって、インク加圧室内のインクを加熱し、インク気泡(バブル)の力によってインクをノズルから吐出させるものである。
【0004】
また、プリンタヘッド1には、その長手方向に、プリンタヘッドチップ2のインク加圧室にインクを供給するためのインク流路3が設けられている(図11中、2点鎖線部間の領域)。そして、複数のプリンタヘッドチップ2は、インク流路3に沿って配置されるとともに、インク流路3を隔てて両側に配置されている。また、インク流路3を隔てた両側のプリンタヘッドチップ2は、インク流路3を介して対向配置されている。すなわち、インク流路3を介した両側のプリンタヘッドチップ2は、その向きが180度回転させた関係となるように配置されている。これにより、全てのプリンタヘッドチップ2のインク加圧室とインク流路3とが連通するよう配置される。
【0005】
さらに、インク流路3を隔てて、図11中、上側に位置するプリンタヘッドチップ2と、図11中、下側に位置するプリンタヘッドチップ2とは、インク流路3の延在方向において交互に、すなわち千鳥状に配置されている。
具体的には、図11中、最も左側に図示したプリンタヘッドチップ2Aがインク流路3の上側に配置されているので、このプリンタヘッドチップ2Aに隣接するプリンタヘッドチップ2Bは、図11中、インク流路3の下側に配置されている。さらにこのプリンタヘッドチップ2Bに隣接するプリンタヘッドチップ2Cは、図11中、インク流路3の上側に配置されている。
【0006】
また、上述のように配置されたプリンタヘッドチップ2において、図示しないが、各プリンタヘッドチップ2のノズル間の間隔をLとすると、隣接するプリンタヘッドチップ2の端部同士のノズル間の間隔(プリンタヘッドチップ2の並設方向における間隔)もまた、Lになるように配置される。例えば、図11中、プリンタヘッドチップ2Aの右端部のノズルと、プリンタヘッドチップ2Bの左端部のノズルとの間隔は、Lになるように配置されている。このようにすれば、複数のプリンタヘッドチップ2を用いてインクを吐出させても、全てのインク滴を間隔Lで記録媒体上に着弾させることができる。
【0007】
図12は、図11のA−A断面に相当する断面図であって、プリンタヘッドチップ2上に設けられたインク流路部材4を併せて示すものである。また、図13は、図11のB−B断面に相当する断面図であって、上記インク流路部材4を併せて示すものである。さらに、図14は、図11のC−C断面に相当する断面図であって、上記インク流路部材4を併せて示すものである。
図12〜図14に示すように、プリンタヘッドチップ2の上面側には、インク流路部材4が設けられている。インク流路部材4には、その長手方向に沿って、インク流路3と連通する流路溝4a(断面がほぼ逆凹状のもの)が形成されている。さらに、インク流路部材4の下面側には、プリンタヘッドチップ2が入り込むための凹部4bが形成されている。すなわち、凹部4bは、プリンタヘッドチップ2の数だけ形成されている。また、インク流路部材4の凹部4bは、プリンタヘッドチップ2の外形よりやや大きめに形成されている。
【0008】
インク流路部材4がプリンタヘッドチップ2上に設けられると、インク流路部材4の流路溝4aがインク流路3に重なり合うように配置されるとともに、各凹部4bにプリンタヘッドチップ2が入り込む。そして、この凹部4bとプリンタヘッドチップ2との間が接着される。さらに、プリンタヘッドチップ2が配置されていない領域では、インク流路部材4に凹部4bは形成されておらず、インク流路部材4が、直接、ノズルシート5に接着される(図14の左側部分参照)。これにより、インク流路部材4とプリンタヘッドチップ2との間、及びインク流路部材4とノズルシート5との間の隙間は、接着剤層によって封止される。
【0009】
以上の構成から成るプリンタヘッド1において、インク流路部材4の流路溝4a及びインク流路3を流れるインクは、プリンタヘッド1の外部に漏れることなく、各プリンタヘッドチップ2のインク加圧室に送られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来の技術において、プリンタヘッドチップ2の加工精度、プリンタヘッドチップ2とインク流路部材4との接着位置精度、及びインク流路部材4の凹部4bの加工精度には、一定の限界があった。
このため、上記精度誤差が予定された誤差以上になると、インク流路部材4とプリンタヘッドチップ2との接着において、両者が完全に封止されずに、隙間が空いてしまう可能性があった。これにより、この隙間からインクがプリンタヘッド1から外部に漏れ出てしまうおそれがあるという問題があった。
【0011】
図15及び図16は、インク流路部材4に誤差がある場合の断面図であって、それぞれ図12及び図14に対応するものである。
図15及び図16に示すように、インク流路部材4の凹部4b間の面4cに誤差があると仮定し、この面4cの誤差量をXとする。この場合に、インク流路部材4をプリンタヘッドチップ2上に設けると、最初に、インク流路部材4の面4cがノズルシート5に当接する。このとき、凹部4bとプリンタヘッドチップ2との間は、設計値よりXだけ広がるので、隙間Sが生じる。同様に、凹部4bが形成されていない面4c以外の部分も、ノズルシート5との間に隙間Sが生じる。この隙間Sが大きくなり、接着剤で完全に封止できないときには、この隙間Sからインク漏れが生じてしまう。
【0012】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、プリンタヘッドチップを並設したラインプリンタのプリンタヘッドにおいて、各部材の加工精度や取付け精度等を高めることなく、プリンタヘッドチップと他の部材との間に生じる誤差を少なくし、インク漏れを防止することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明(請求項3に記載の発明)は、発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されたインクの吐出を行わないダミーチップを配置し、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップと前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材とにより、前記インク流路が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0014】
(作用)
本発明においては、インク流路に沿って複数のプリンタヘッドチップが千鳥状に配置されるとともに、そのプリンタヘッドチップ間、すなわちプリンタヘッドチップが配置されない領域には、インクの吐出を行わないダミーチップが配置される。
したがって、プリンタヘッドチップとダミーチップとで、その上面が平坦になる。よって、プリンタヘッドチップ上の他の部材との接着面は、ほぼフラットになる。
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるプリンタヘッドに用いられるプリンタヘッドチップ11を示す外観斜視図であり、図2は、図1の外観斜視図において、ノズルシート17を分解して示す斜視図である。
プリンタヘッドチップ11において、基板部材14は、シリコン等から成る半導体基板15と、この半導体基板15の一方の面に析出形成された発熱抵抗体13とを備えるものである。発熱抵抗体13は、半導体基板15上に形成された導体部(図示せず)を介して外部回路と電気的に接続されている。
【0015】
また、バリア層16は、例えば、露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、半導体基板15の発熱抵抗体13が形成された面の全体に積層された後、フォトリソプロセスによって不要な部分が除去されることにより形成されている。さらにまた、ノズルシート17は、複数のノズル18が形成されたものであり、例えば、ニッケルによる電鋳技術により形成され、ノズル18の位置が発熱抵抗体13の位置と合うように、すなわちノズル18が発熱抵抗体13に対向するようにバリア層16の上に貼り合わされている。
【0016】
インク加圧室12は、発熱抵抗体13を囲むように、基板部材14とバリア層16とノズルシート17とから構成されたものである。すなわち、基板部材14は、図中、インク加圧室12の底壁を構成し、バリア層16は、インク加圧室12の側壁を構成し、ノズルシート17は、インク加圧室12の天壁を構成する。これにより、インク加圧室12は、図1及び図2中、右側前方面に開口面を有し、この開口面と後述するインク流路とが連通される。
【0017】
上記の1個のプリンタヘッドチップ11には、通常、100個単位の複数の発熱抵抗体13、及びそれら発熱抵抗体13を備えたインク加圧室12を備え、プリンタの制御部からの指令によってこれら発熱抵抗体13のそれぞれを一意に選択して発熱抵抗体13に対応するインク加圧室12内のインクを、インク加圧室12に対向するノズル18から吐出させることができる。
【0018】
すなわち、プリンタヘッドチップ11において、プリンタヘッドチップ11と結合されたインクタンク(図示せず)から、後述するインク流路を通じてインク加圧室12にインクが満たされる。そして、発熱抵抗体13に短時間、例えば、1〜3マイクロ秒の間パルス電流を流すことにより、発熱抵抗体13が急速に加熱され、その結果、発熱抵抗体13と接する部分に気相のインク気泡が発生し、そのインク気泡の膨張によってある体積のインクが押しのけられ、それによって、ノズル18に接する部分の上記押しのけられたインクと同等の体積のインクがインク滴としてノズル18から吐出され、紙等の記録媒体上に着弾される。
【0019】
次に、本実施形態におけるラインプリンタ用のプリンタヘッドについて説明する。ラインプリンタ用のプリンタヘッドでは、上述のプリンタヘッドチップ11が多数設けられている。ラインプリンタにおいては、記録媒体に対して、1ラインを1回で印画するため、複数のプリンタヘッドチップ11を印画ライン方向に並設している。
【0020】
図3は、第1実施形態のプリンタヘッド10を示す平面図である。プリンタヘッド10には、その長手方向に、上述のプリンタヘッドチップ11が並設されている。図3では、5個のプリンタヘッドチップ11(11A〜11E)のみを図示しているが、実際には、多数のプリンタヘッドチップ11が並設されている。
【0021】
各プリンタヘッドチップ11は、プリンタヘッド10の長手方向(印画ライン方向)において千鳥状に配置されている。例えば、図3中、隣接するプリンタヘッドチップ11Aと11Bとは、上下に所定量だけずれて配置されている。さらにプリンタヘッドチップ11Bと隣接するプリンタヘッドチップ11Cは、印画ライン方向においてプリンタヘッドチップ11Aと同一ライン上に位置するように配置されている。
【0022】
さらにまた、隣接するプリンタヘッドチップ11、例えばプリンタヘッドチップ11Aと11Bとは、その隣接部分に位置する双方の複数のノズル18がプリンタヘッドチップ10の並設方向においてオーバーラップするように配置されている。図4は、隣接するプリンタヘッドチップ11間のノズル18がオーバーラップした状態を示す平面図である。
【0023】
図4の例では、隣接するプリンタヘッドチップ11のうち、図4中、左側のプリンタヘッドチップ11の右端側の4個のノズル18と、右側のプリンタヘッドチップ11の左端側の4個のノズル18とが、プリンタヘッド10の長手方向においてオーバーラップしている。このように配置することにより、隣接するプリンタヘッドチップ11間における特性の相違、例えばインクの吐出角度の相違があっても、オーバーラップ部においては、印画時に、隣接する2つのプリンタヘッドチップ11によるインク滴を混在させることができる。よって、隣接するプリンタヘッドチップ11間の特性の相違を目立たなくして、印画品位の低下を防止することができる。
【0024】
説明を図3に戻す。
インク流路20は、各プリンタヘッドチップ11のインク加圧室12と連通し、インク加圧室12にインクを供給するためのものである。
複数のプリンタヘッドチップ11は、インク流路20に沿って配置されるとともに、インク流路20を隔てて千鳥状に配置されている。
さらに、インク流路20を隔てた両側のプリンタヘッドチップ11は、インク流路20を介して対向配置されている。すなわち、各プリンタヘッドチップ11のインク加圧室12の開口された側(図1及び図2中、右前方側)がインク流路20側を向くように配置されている。このため、隣接するプリンタヘッドチップ11は、その向きが180度回転した関係となるように配置されている。これにより、全てのプリンタヘッドチップ11のインク加圧室12とインク流路20とが連通している。
【0025】
さらにまた、インク流路20に沿って配置されたプリンタヘッドチップ11間のプリンタヘッドチップ11が配置されていない領域、例えば図3において、プリンタヘッドチップ11Aと11Cとの間には、ダミーチップ21が配置されている。
【0026】
ダミーチップ21は、プリンタヘッドチップ11と同様に、半導体基板15、バリア層16及びノズルシート17が積層されたものである。ダミーチップ21の半導体基板15、バリア層16及びノズルシート17は、プリンタヘッドチップ11の半導体基板15、バリア層16及びノズルシート17とそれぞれ同一の材料から形成され、同一の厚みを有するものである。よって、ダミーチップ21は、プリンタヘッドチップ11と同一の厚みを有する。しかし、ダミーチップ21には、発熱抵抗体13は形成されていない。さらに、バリア層16は設けられているものの、フォトリソプロセス等の処理は行われていない。このため、インク加圧室12は形成されていない。よって、ダミーチップ21は、プリンタヘッドチップ11と同様の構成からなる積層体であるが、インクの吐出を行わないものである。
なお、ダミーチップ21をプリンタヘッドチップ11と全く同一に、すなわち発熱抵抗体13やインク加圧室12を含めて形成し、単に、ダミーチップ21には電子信号を入力しない(配線を施さない等、電気的接続を行わない)ようにしても良い。
さらに、ダミーチップ21のノズルシート17は、プリンタヘッドチップ11のノズルシート17と同様にノズル18が形成されていても良いが、形成されていないものでも良い。
【0027】
ダミーチップ21の長手方向の長さは、本実施形態では、プリンタヘッドチップ11より短く形成されている。これは、プリンタヘッドチップ11が上記のようにオーバーラップして配置されているので、インク流路20に対して同一側に配置されたプリンタヘッドチップ11間の距離、例えばプリンタヘッドチップ11Aと11Cとの間の距離は、1つのプリンタヘッドチップ11の長さよりも狭いからである。
【0028】
さらに、プリンタヘッド10の両端部においても、ダミーチップ21と同様のダミーチップ22が配置されている。このダミーチップ22は、長手方向における長さがダミーチップ21より短く形成されたものであり、構造としてはダミーチップ21と同一である。また、ダミーチップ22の厚みもダミーチップ21と同一である。
ダミーチップ22は、プリンタヘッド10のインク流路20の両端部を閉塞するために設けられたものであり、その長手方向がプリンタヘッドチップ11及びダミーチップ21の長手方向と直交するように配置されている。
【0029】
以上のようにして、プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21及び22が配置されると、インク流路20は、プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21及び22とに囲まれるようになる。
また、プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21及び22の厚みはほぼ同一であるので、プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21及び22とでインク流路20を囲んでいる部分の上面は、ほぼ平坦面となる。
【0030】
図5は、図3のD−D断面に相当する断面図であって、プリンタヘッドチップ11並びにダミーチップ21及び22上に設けられたインク流路部材23を併せて示すものである。また、図6は、図3のE−E断面に相当する断面図であって、上記インク流路部材23を併せて示すものである。さらにまた、図7は、図3のF−F断面に相当する断面図であって、上記インク流路部材23を併せて示すものである。
【0031】
プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21及び22の上面には、インク流路20と連通する流路溝23aが形成されたインク流路部材23が接着される。プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21及び22とで形成される上面は平坦面であるので、この面に接着されるインク流路部材23の下面もまた、平坦面である。よって、インク流路部材23の接着面の加工は容易となり、さらには、加工精度も高めることができる。
【0032】
インク流路部材23は、プリンタヘッドチップ11並びにダミーチップ21及び22が配置された領域を覆うように配置されている。インク流路部材23のプリンタヘッドチップ11等側には、断面がほぼ逆凹状の流路溝23aが形成されており、この流路溝23aとインク流路20とが対応するように配置されている。これにより、流路溝23とインク流路20とが連通している。
【0033】
インク流路部材23の図5〜図7中、下面側と、プリンタヘッドチップ11並びにダミーチップ21及び22の上面とが、接着剤(例えば、シリコーン樹脂系接着剤)により接着されている。これにより、両者の接着面には、接着剤層が介在し、両者の隙間を封止する。よって、インク流路部材23の流路溝23a及びインク流路20を流れるインクは、外部に漏れ出すことはない。
【0034】
ここで、プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21との隙間の設計値を、例えば0.05mmとし、プリンタヘッドチップ11及びダミーチップ21の長手方向の寸法誤差が±0.01mmであり、組立誤差(プリンタヘッドチップ11及びダミーチップ21の取付位置誤差)が±0.02mmであるとする。この場合、プリンタヘッドチップ11とダミーチップ21との間の距離は、最短で0mm、最長で+0.1mmとなる。よって、+0.1mmの隙間を埋めることができるような接着剤を用いて封止すれば、製造誤差の範囲内では、常に隙間を埋めることができる。
【0035】
また、インク流路部材23の接着面側は、断面がほぼ逆凹状の流路溝23aを形成すれば足り、従来例で示したように、プリンタヘッドチップ11の有無に合わせて凹凸に加工する必要がないので、それだけ、高い寸法精度を維持することができる。すなわち、プリンタヘッドチップ11が配置されていない領域には、ダミーチップ21及び22が配置されているので、インク流路部材23の接着面側の加工が簡略化されるので、その分だけ、寸法精度を高めることができるからである。
【0036】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態であるプリンタヘッド10’を示す平面図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。
第2実施形態のプリンタヘッド10’では、従来例で示したものと同様に、各プリンタヘッドチップ11がインク流路20を介して千鳥状に(交互に)配列されているものの、第1実施形態と異なり、オーバーラップ部を有さないものである。
【0037】
このように各プリンタヘッドチップ11を配列したときには、ダミーチップ21’の長手方向における長さは、プリンタヘッドチップ11の長さとほぼ同一にすることができる。よって、例えば発熱抵抗体13が形成されていないプリンタヘッドチップ11を、そのままダミーチップ21’として用いることも可能となる。
その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態であるプリンタヘッド10”を示す平面図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。また、図10は、図9のG−G断面を示す断面図であって、インク流路部材23’を併せて示すものである。
第3実施形態のプリンタヘッド10”では、両端部にダミーチップ22が設けられていない点が第1実施形態と異なる。
【0039】
そして、第3実施形態では、インク流路20の両側を、インク流路部材23’が閉塞している。このため、インク流路部材23’には、第1実施形態のインク流路部材23と異なり、その両端部に凸部23bが設けられている。凸部23bは、ノズルシート5に直接接着される。
なお、上記のように形成したときには、インク流路部材23’の両端部に凸部23bを設けなければならないため、第1実施形態よりは形状が複雑になる。しかし、従来例のように、各プリンタヘッドチップ11に対応するように凹部を形成する必要はないので、従来例で示したインク流路部材4よりは、加工精度を維持することが容易となる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、プリンタヘッドチップが配置されない領域にダミーチップが配置されることで、上面の凹凸がなくなり、プリンタヘッドチップ上の他の部材との接着面は、ほぼフラットになる。これにより、プリンタヘッドチップと他の部材との間に生じる誤差を少なくすることができる。よって、プリンタヘッドチップと他の部材との接着を確実なものとし、インク漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプリンタヘッドに用いられるプリンタヘッドチップを示す外観斜視図である。
【図2】図1の外観斜視図において、ノズルシートを分解して示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のプリンタヘッドを示す平面図である。
【図4】隣接するプリンタヘッドチップ間のノズルがオーバーラップした状態を示す平面図である。
【図5】図3のD−D断面に相当する断面図であって、プリンタヘッドチップ及びダミーチップ上に設けられたインク流路部材を併せて示すものである。
【図6】図3のE−E断面に相当する断面図であって、インク流路部材を併せて示すものである。
【図7】図3のF−F断面に相当する断面図であって、インク流路部材を併せて示すものである。
【図8】本発明の第2実施形態であるプリンタヘッドを示す平面図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。
【図9】本発明の第3実施形態であるプリンタヘッドを示す平面図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。
【図10】図9のG−G断面を示す断面図であって、インク流路部材を併せて示すものである。
【図11】従来のインクジェット方式のラインプリンタにおけるプリンタヘッドの概略を示す平面図である。
【図12】図11のA−A断面に相当する断面図であって、プリンタヘッドチップ上に設けられたインク流路部材を併せて示すものである。
【図13】図11のB−B断面に相当する断面図であって、インク流路部材を併せて示すものである。
【図14】図11のC−C断面に相当する断面図であって、インク流路部材を併せて示すものである。
【図15】インク流路部材に誤差がある場合の断面図であって、図12に対応するものである。
【図16】インク流路部材に誤差がある場合の断面図であって、図14に対応するものである。
【符号の説明】
10、10’、10” プリンタヘッド
11(11A、11B、・・) プリンタヘッドチップ
12 インク加圧室
13 発熱抵抗体
14 基板部材
18 ノズル
20 インク流路
21、21’、22 ダミーチップ
23、23’ インク流路部材
23a 流路溝
Claims (18)
- インク加圧室を有するとともに、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
ここで、前記プリンタヘッドチップと、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されたインクの吐出を行わないダミーチップと、前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材とにより、前記インク流路の少なくとも一部が形成されるようにした
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項1に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記プリンタヘッドチップは、少なくとも、基板と、前記基板上に形成され前記インク加圧室を構成するバリア層とを備え、
前記ダミーチップは、少なくとも、前記基板と、前記基板上に形成された前記バリア層と同じ厚みのバリア層とを備える
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、
前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、
前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、
前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されたインクの吐出を行わないダミーチップを配置し、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップと前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材とにより、前記インク流路が形成されるようにした
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項3に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記インク流路を隔てて対向配置されるとともに隣接する一対の前記プリンタヘッドチップは、その隣接部分に位置する双方の複数の前記ノズルが前記プリンタヘッドチップの並設方向においてオーバーラップするように、配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項3に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップとでなす上面が平坦面であり、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップの上面には、前記インク流路部材が接着されており、
前記インク流路部材の前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップとの接着面は、平坦に形成されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項3に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップの前記発熱抵抗体及び前記インク加圧室が形成されていない構造のものである
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項3に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、
前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、
前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、
前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、インクの吐出を行わないダミーチップを配置することにより、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップとにより、前記インク流路が形成されるようにし、
前記インク流路を隔てて対向配置されるとともに隣接する一対の前記プリンタヘッドチップは、その隣接部分に位置する双方の複数の前記ノズルが前記プリンタヘッドチップの並設方向においてオーバーラップするように配置され、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されており、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップとでなす上面が平坦面であり、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップの上面には、前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材が接着されており、
前記インク流路部材の前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップとの接着面は、平坦に形成されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項8に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップの前記発熱抵抗体及び前記インク加圧室が形成されていない構造のものである
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項8に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項8に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップの前記発熱抵抗体及び前記インク加圧室が形成されていない構造のものであり、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、
前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、
前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、
前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されたインクの吐出を行わないダミーチップを配置し、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップと前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材とにより、前記インク流路が形成されるようにし、
前記インク流路を隔てて対向配置されるとともに隣接する一対の前記プリンタヘッドチップは、その隣接部分に位置する双方の複数の前記ノズルが前記プリンタヘッドチップの並設方向においてオーバーラップするように配置され、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップの前記発熱抵抗体及び前記インク加圧室が形成されていない構造のものである
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項12に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、
前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、
前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、
前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されたインクの吐出を行わないダミーチップを配置し、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップと前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材とにより、前記インク流路が形成されるようにし、
前記インク流路を隔てて対向配置されるとともに隣接する一対の前記プリンタヘッドチップは、その隣接部分に位置する双方の複数の前記ノズルが前記プリンタヘッドチップの並設方向においてオーバーラップするように配置され、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、
前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、
前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、
前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、インクの吐出を行わないダミーチップを配置することにより、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップとにより、前記インク流路が形成されるようにし、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されており、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップとでなす上面が平坦面であり、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップの上面には、前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材が接着されており、
前記インク流路部材の前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップとの接着面は、平坦に形成されており、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップの前記発熱抵抗体及び前記インク加圧室が形成されていない構造のものである
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 請求項15に記載のプリンタヘッドにおいて、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、
前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、
前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、
前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、インクの吐出を行わないダミーチップを配置することにより、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップとにより、前記インク流路が形成されるようにし、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されており、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップとでなす上面が平坦面であり、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップの上面には、前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材が接着されており、
前記インク流路部材の前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップとの接着面は、平坦に形成されており、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。 - 発熱抵抗体を有するインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズルから吐出させるプリンタヘッドチップを複数並設したプリンタヘッドであって、
各前記プリンタヘッドチップの前記インク加圧室と連通し、前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を備え、
複数の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路に沿って配置されるとともに、前記インク流路を隔てて両側に配置され、
前記インク流路を隔てた両側の前記プリンタヘッドチップは、前記インク流路を介して対向配置され、
前記インク流路を隔てて一方側に位置する前記プリンタヘッドチップと他方側に位置する前記プリンタヘッドチップとは、前記インク流路の延在方向において交互に配置され、
前記インク流路に沿って配置された前記プリンタヘッドチップ間の前記プリンタヘッドチップが配置されていない領域に、前記プリンタヘッドチップと同一の厚みを有するように形成されたインクの吐出を行わないダミーチップを配置し、前記プリンタヘッドチップと前記ダミーチップと前記インク流路と連通する流路溝が形成されたインク流路部材とにより、前記インク流路が形成されるようにし、
前記ダミーチップは、前記プリンタヘッドチップの前記発熱抵抗体及び前記インク加圧室が形成されていない構造のものであり、
前記ダミーチップは、さらに前記インク流路の両端部に配置され、
前記プリンタヘッドチップ及び前記ダミーチップが前記インク流路を囲むように配置されている
ことを特徴とするプリンタヘッド。
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