JP3643412B2 - 歯車研削装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ねじ状砥石によって歯車を研削する歯車研削装置に関するもので、特に、砥石の条数と歯車の歯数が互いに素でない組合せで研削加工を行う歯車研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ねじ状砥石によって歯車を研削する歯車研削装置において、2条の砥石で歯数が奇数の歯車を加工する場合には、すべての歯面が1条目と2条目のねじ面で交互に加工されるので、ねじ状砥石の1条目と2条目の間のピッチ誤差が歯面に転写され、ピッチ誤差が交互に表れて、誤差が平均化される。
【0003】
従って、歯数に対して互いに素になる条数を選択すればピッチ誤差を平均化でき、ピッチ精度を向上することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、多条のねじ状砥石を用いれば、条数が多くなるのに比例して加工時間を短縮することができるが、砥石の条数と歯車の歯数が互いに素となるように、歯数に応じて条数の異なるねじ状砥石を多数備えておくことは多大な費用を要するため不可能であるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の歯車研削装置は、上述した問題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明では、ねじ状砥石の条数と歯車の歯数が互いに素でない組合せで、ねじ状砥石と歯車を互いに回転させながら、前記ねじ状砥石と前記歯車とを接近する方向に相対的に移動させる接近方向移動手段と、前記ねじ状砥石と前記歯車とを前記歯車の回転軸線方向に相対移動させる軸線方向移動手段とを有し、加工プログラムに基づいて前記ねじ状砥石によって前記歯車を研削加工する歯車研削装置において、前記歯車が所定切込量研削されたか否かを判別する第1判別手段と、この第1判別手段によって前記歯車が所定切込量研削されたと判別されることにより、前記ねじ状砥石と前記歯車の噛み合い位相を使用していない噛み合い位相に所定歯数分ずらす位相補正を行う位相補正手段と、この位相補正手段による補正が完了した後に、前記接近方向移動手段による相対移動を行わずに前記軸線方向移動手段による前記ねじ状砥石と前記歯車の相対移動を行い、スパークアウト研削を実行するスパークアウト実行手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
これによれば、ねじ状砥石によって歯車に対して所定の研削加工を行い、第1判別手段によって歯車が所定の切り込み量研削されたと判別された時に、位相補正手段によってねじ状砥石と歯車の噛み合い位相を使用していない噛み合い位相に所定歯数分ずらす。
次いで、スパークアウト実行手段によって接近方向移動手段による相対移動を行わずに軸線方向移動手段によるねじ状砥石と歯車の相対移動を行い、スパークアウト研削を実行する。これにより、歯車におけるピッチ誤差が平均化される。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の歯車研削装置において、前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が完了した後に、前記歯車の各歯が前記ねじ状砥石の研削加工時に使用したねじ山以外の全てのねじ山で前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が行われたか否かを判別する第2判別手段を設け、この第2判別手段で否と判別された時に前記位相補正手段による位相補正を行うようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
これによれば、各歯車の歯面は必ず、ねじ状砥石において研削加工に使用したねじ山以外の全てのねじ山でスパークアウト研削されるので、歯車におけるピッチ誤差が確実に平均化される。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の歯車研削装置において、前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が完了した後に、前記歯車の各歯が前記ねじ状砥石の研削加工時に使用したねじ山以外の一部のねじ山で前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が行われたか否かを判別する第2判別手段を設け、この第2判別手段で否と判別された時に前記位相補正手段による位相補正を行うようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
これによれば、仕上げ精度の要求に応じて適宜選択された一部のねじ山で歯車の研削加工を行い、歯車におけるピッチ誤差の平均化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は歯車研削盤の全体構成を示し、床面に設置されるベッド10上にはX軸スライドテーブル11がX軸方向(図の前後方向)に摺動可能に載置され、このX軸スライドテーブル11は前記ベッド10に設けられたX軸スライドテーブル駆動用モータ21によって図略のボールねじを介してX軸方向に進退駆動されるようになっている。
【0011】
前記X軸スライドテーブル11上にはZ軸スライドテーブル12がZ軸方向(図の左右方向)に摺動可能に載置され、このZ軸スライドテーブル12は前記X軸スライドテーブル11に設けられたZ軸スライドテーブル駆動用モータ22によってZ軸方向に進退駆動されるようになっている。
前記Z軸スライドテーブル12上には主軸台13と心押台14が対向して設置され、この主軸台13と心押台14によってワークWが前記Z軸スライドテーブル12の移動方向と平行な軸線Cまわりに回転可能に支持され、ワークWは主軸台13に設けられた主軸回転用モータ23によって回転駆動されるようになっている。
【0012】
前記X軸スライドテーブル11の前進方向(図の前方)の前記ベッド10上にはコラム15が立設され、このコラム15の前面には旋回台16が前記X軸スライドテーブル11の移動方向と平行な軸線Aまわりに回転可能に支持されており、この旋回台16は図略の旋回台駆動モータによって軸線Aまわりに旋回されるようになっている。
【0013】
前記旋回台16上には砥石台17が前記X軸スライドテーブル11の移動方向と直交する前記旋回台16の径方向(Y軸方向)に摺動可能に設けられており、前記旋回台16に設けられた砥石台駆動用モータ27によって図略のボールねじを介してY軸方向に進退駆動されるようになっている。
前記砥石台17にはねじ状砥石18が砥石台17の移動方向と平行な軸線Bまわりに回転可能に軸承され、このねじ状砥石18は砥石台17に設けられた砥石回転用モータ28によって回転駆動されるようになっている。
【0014】
前記ねじ状砥石18は、図2に示すように、ねじ山が1条目T1と2条目T2とからなる2条のねじ状砥石として構成されている。
また、前記ワークWには、図2(a),(b)に示すように、円周上の歯数が18個である平歯車を用いており、このワークWにおいて円周方向に隣接する各歯Waの対向する歯面を一対として、各々歯面番号N1〜N18を付与することにする。
【0015】
ここで、前記ねじ状砥石18の回転軸線Bは、ねじ状砥石18のねじ筋がワークWの歯すじ方向と一致するように、ワークWの回転軸線Cに直角な平面に対して所定角度傾斜しており、このねじ状砥石18の回転軸線Bの角度位置調整は、前記旋回台16を図略の旋回台駆動モータによって軸線Aまわりに所定角度旋回させることにより行われる。
【0016】
30は数値制御装置であり、主として中央処理装置(CPU)31と、メモリ32と、インタフェース33とから構成され、メモリ32には、ワークWを仕上げ径まで加工した後にスパークアウトを行い、次いで主軸回転に位相補正を行い、再度スパークアウトを行うべく各装置を制御する加工プログラム,各NCデータ等が記憶されている。
【0017】
また、前記インタフェース33にはデータの入力等を行うキーボードやデータの表示を行うCRT等の表示装置を備えた入出力装置34が接続されているとともに、前記X軸スライドテーブル駆動用モータ21,Z軸スライドテーブル駆動用モータ22,主軸回転用モータ23及び砥石回転用モータ28に接続された各モータ駆動回路41,42,43,48が接続されている。
【0018】
これら各モータ駆動回路41,42,43,48は加工プログラムに基づいてCPU31から出力される駆動指令信号によりX軸スライドテーブル駆動用モータ21,Z軸スライドテーブル駆動用モータ22,主軸回転用モータ23及び砥石回転用モータ28を駆動するようになっている。
各駆動用モータ21,22によって各々駆動されるX軸スライドテーブル11,Z軸スライドテーブル12の位置は各駆動用モータ21,22に連結された各エンコーダ21a,22aにて検出されるようになっており、これら各エンコーダ21a,22aからの検出信号が各モータ駆動回路41,42に各々帰還されて位置のフィードバック制御が行われるとともに、数値制御装置30に入力されるようになっている。
【0019】
また、同様に、各回転用モータ23,28によって各々回転駆動される歯車(ワーク)W,ねじ状砥石18の回転速度,回転位相は各エンコーダ23a,28aにて検出されるようになっており、これら各エンコーダ23a,28aからの検出信号が各モータ駆動回路43,48に各々帰還されて位置のフィードバック制御が行われるとともに、数値制御装置30に入力されるようになっている。
【0020】
なお、前記砥石台駆動用モータ27及び図略の旋回台駆動モータも同様に数値制御装置30によって制御されるようになっている。
次に、上記のように構成された本実施の形態の作動を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
作業者が主軸台13と心押台14間に次に加工すべきワークWを図1に示すようにセットする。その後、砥石18とワークWの初期歯合わせを行うために、図2に示すように、ねじ状砥石18のねじ山T1,T2とワークWの歯Waとが噛み合う各々の角度位相をメモリ32に予め記憶して置く。なお、この初期歯合わせのための各角度位相の記憶は、手動で行っても良いし、また、センサ等を用いて自動で行っても良い。
【0021】
この状態で、メモリ32に記憶された加工プログラムにしたがって、先ず、ワークWが、ねじ状砥石18と干渉しない図1の左方端の加工原位置に位置するように、Z軸スライドテーブル12が予め定められた左トラバース端位置に位置決めされるとともに、同期回転駆動指令により主軸回転用モータ23及び砥石回転用モータ28を各々駆動してねじ状砥石18とワークWとを同期して回転駆動する(ステップ100)。ここで、ねじ状砥石18とワークWの各回転駆動モータ23,28は、ねじ状砥石18が2条であるため、ねじ状砥石18が1回転する間に、ワークWの歯Waが2歯分回転される回転駆動指令が各々のモータ駆動回路43,48に出力されることによって、同期制御される。
【0022】
次に、メモリ32に記憶されたねじ状砥石18のねじ山T1,T2とワークWの歯Waとが噛み合う各々の角度位相に基づいて、そのずれ量分の補正指令を砥石回転用モータ28のモータ駆動回路48に出力し、歯合わせ(位相合わせ)を行う(ステップ101)。
次に、切込前進指令によりX軸スライドテーブル駆動用モータ21を駆動して、X軸スライドテーブル11をX軸方向に所定切込量、切込前進させる(ステップ102)。
【0023】
次に、トラバース指令によりZ軸スライドテーブル駆動用モータ22を駆動して、Z軸スライドテーブル12を予め定められた左トラバース端位置から右トラバース端位置までトラバースさせる(ステップ103)。
次に、ステップ104でワークWが仕上げ径まで研削されたか否かを判定し、否であれば、ステップ102に戻り、X軸スライドテーブル12を所定切込量、切込前進させ、その後、ステップ103では、右トラバース端位置から左トラバース端位置までトラバースさせる。このように、ワークWが所定の仕上げ径まで研削されるまで、トラバース毎に所定の切込量を与え、左トラバース端位置と右トラバース端位置との間で所定回数トラバースされる。
【0024】
ステップ104で、ワークWが仕上げ径まで加工が完了されたと判断されれば、ステップ105に移行する。
ステップ105では、スパークアウト指令によりX軸方向の切り込みを行わずに、Z軸スライドテーブル12のトラバース移動のみが実行される。
そして、ステップ106にてスパークアウトが完了したか否かを判定し、否であれば、ステップ105に戻り、繰り返しスパークアウトを行う。なお、スパークアウトが完了したか否かは、トラバースの回数によって判断される。
【0025】
ステップ106でスパークアウトが完了したと判断されれば、ステップ107に移行する。
ここで、ステップ102からステップ106までのねじ状砥石18によるワーク(歯車)Wの研削加工時、及びスパークアウト時に、図2の(a)に示すように、ねじ状砥石18のねじ山T1,T2とワークWの歯Waとの噛み合いが、ねじ状砥石18の1条目T1でワークWの奇数歯面N1,N3,・・・,N15,N17を、2条目T2で偶数歯面N2,N4,・・・,N16,N18を各々研削するようになっているとすると、前記ねじ状砥石18が2条であり、かつワークWの歯数が18,つまり偶数であるため、奇数歯面N1,N3,・・・,N15,N17は必ず1条目T1で、また、偶数歯面N2,N4,・・・,N16,N18は必ず2条目T2で研削されている。
【0026】
なお、図2の(a)において、○印を付した歯面は1条目T1で、☆印を付した歯面は2条目目T2で研削されることを表している。
ステップ107では、位相補正指令によりワークWの回転位相を回転方向に1歯分ずらす位相補正信号が主軸回転用モータ23のモータ駆動回路43に出力される。これによって、ワークWの歯Waとねじ状砥石18のねじ山T1,T2の噛み合い位相がワークWの1歯分だけずれ、図2の(b)に示すように、ねじ状砥石18の1条目T1がワークWの偶数歯面N2,N4,・・・,N16,N18に、2条目T2が奇数歯面N1 ,N3・・・,N15,N17に対応するようになる。
【0027】
次に、ステップ108に移行して、スパークアウト指令により、ワークWの回転位相が回転方向に1歯分ずれた状態で、ステップ105と同様に、X軸方向の切り込みを行わずに、Z軸スライドテーブル12のトラバース移動のみが実行され、ねじ状砥石18の1条目T1がワークWの偶数歯面N2,N4,・・・,N16,N18を、2条目T2が奇数歯面N1 ,N3・・・,N15,N17を各々スパークアウトする。
【0028】
なお、位相補正後においては、図2の(b)における☆●印を付した歯面は1条目T1で、○★印を付した歯面は2条目T2でスパークアウト研削されることを表している。
次に、ステップ109に移行して、ステップ106と同様に、スパークアウトが完了したか否かを判定し、否であれば、ステップ108に戻りスパークアウトを実行し、所定回数スパークアウト研削によるトラバースを行った後、スパークアウトが完了したと判定すれば、加工を終了する。
【0029】
以上述べたように、2条のねじ状砥石18を用いて、歯数が偶数(上記では18個)であるワーク(歯車)Wを研削加工する場合に、研削の最後に、ねじ状砥石と歯車の噛み合い位相を1歯分ずらしてスパークアウト研削することにより、1条目と2条目との間のピッチ誤差に起因する研削した歯車のピッチ誤差が平均化され、ピッチ精度を向上させることができる。
【0030】
なお、上記では、ワークWの歯Waとねじ状砥石18のねじ山T1,T2の噛み合い位相をワークWの1歯分ずらすのに、位相補正指令による位相補正信号を主軸回転用モータ23のモータ駆動回路43に出力するようにしたが、砥石回転用モータ28のモータ駆動回路48に出力してねじ状砥石の隣接するねじ山間のピッチ分を砥石回転軸線方向(Y軸方向)にずらすようにしても良い。この場合、ねじ状砥石18の回転位相を1/2回転ずらす位相補正信号をモータ駆動回路48に出力すれば良く、これによって、ワークWの歯Waとねじ状砥石18の山T1,T2の噛み合い位相が砥石回転軸線方向(Y軸方向)に1山分ずれ、同様に、1条目と2条目との間のピッチ誤差に起因する研削した歯車のピッチ誤差が平均化できる。
【0031】
次に、ねじ状砥石の条数が3条以上である場合における本発明の他の実施の形態の作動を図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ねじ状砥石の条数n(n≧3)と歯車(ワーク)の歯数mは同様に互いに素でない組合せである。
先ず、同期回転駆動指令により主軸回転用モータ23及び砥石回転用モータ28を各々駆動してねじ状砥石18とワークWとを同期して回転駆動する(ステップ200)。ここで、回転駆動指令としては、n条のねじ状砥石18の1回転に対してワークWの歯Waのn歯分回転となる。
【0032】
次に、ねじ状砥石18とワークWとが噛み合う各々の角度位相に基づいて、そのずれ量分の補正指令を出力し、歯合せを行う(ステップ201)。
次に、ステップ202〜ステップ204において、ワークWに対して所定の研削加工を行う。
ワークWが仕上げ径まで加工が完了したならば、ステップ205に移行して、スパークアウトを実行する。
【0033】
スパークアウトによるトラバースを所定回数実施し、ステップ206でスパークアウトが完了したと判断したならば、ステップ207に移行する。
ステップ207では、位相補正指令によりワークWの回転位相を回転方向に所定歯数分ずらす位相補正指令信号が主軸回転用モータ23のモータ駆動回路43に出力される。
【0034】
ここで、ワークWの回転位相を回転方向に所定歯数分ずらすことにより、ワークWとねじ状砥石18とは、研削加工時の噛み合い位相以外で使用していない噛み合い位相で噛み合わされる。
なお、n条のねじ状砥石において、隣接するねじ山間のピッチ分を砥石回転軸線方向(Y軸方向)にずらすためには、回転方向を1/n回転ずらす位相補正信号がモータ駆動回路に出力される。
【0035】
次に、使用していない噛み合い位相となった状態で、ステップ208,ステップ209においてスパークアウトが実施される。
スパークアウトが完了したならば、ステップ210に移行して、歯車Wの各歯Waがねじ状砥石18の全てのねじ山でスパークアウト研削されたか否かを判別する。
【0036】
ステップ210で、否と判定されれば、ステップ207に戻り、先程とは別の使用していない噛み合い位相となる位相補正指令により、再び位相補正が行われ、続いて、ステップ208でスパークアウトが実施される。
ここで、例えば、3条のねじ状砥石と、3n(nは整数)個の歯数を持つ歯車との間で研削加工を行う場合では、歯車の各歯が3条全てでスパークアウト研削されるためには、砥石の回転位相を1/3回転、2/3回転を各々ずらす位相補正指令を行ってスパークアウトを行う必要があるが、この場合、位相補正指令を出す順番としてはどちらからでも良い。
【0037】
即ち、歯車の各歯がn条全てでスパークアウト研削されるために、複数の位相補正指令が存在する場合、その順番としてはランダムでも良いし、1歯分ずつ順番にずらすようにしても良い。
そして、ステップ210で、歯車Wの各歯Waがねじ状砥石18の全てのねじ山でスパークアウト研削されたと判定されれば、加工を終了する。
【0038】
以上述べたように、本実施の形態においては、歯車の各歯が全てのねじ山でスパークアウト研削されるようにしたので、3条以上のねじ状砥石の場合においても、歯車のピッチ誤差が確実に平均化され、ピッチ精度を向上させることができる。
なお、上記では、歯車の各歯が全てのねじ山でスパークアウト研削されるようにしたが、全てのねじ山ではなく、所定のねじ山でスパークアウト研削されるようにしても良い。この場合、図4に示すフローチャートにおけるステップ210において、歯車Wの各歯Waがねじ状砥石18の所定のねじ山でスパークアウト研削されたか否かを判別するようにすれば良い。
【0039】
これによれば、仕上げ精度の要求に応じて適宜選択された所定のねじ山でもって歯車の研削加工を行うことができ、歯車のピッチ誤差の平均化を図ることができる。
また、上記では、ワーク(歯車)Wが仕上げ径まで加工が完了した後に、スパークアウトを行い、そのスパークアウトが完了後、所定歯数分ずらす補正指令を出すようにしたが、ワーク(歯車)Wが仕上げ径まで加工が完了したか否かを判別し、仕上げ径まで加工完了したと判別することによって、所定歯数分ずらす補正指令を出すようにしても良く、即ち、本発明の歯車研削装置は、所定の切込量の研削加工が完了したか否かを判別した後にねじ状砥石と歯車の噛み合い位相を使用していない噛み合い位相に所定歯数分ずらしてスパークアウトを実施し、歯車のピッチ誤差を平均化するといった技術思想に逸脱しない限り種々に変形適用されるものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、請求項1に記載の発明では、ねじ状砥石の条数と歯車の歯数が互いに素でない組合わせで研削加工する場合に、歯車に対して所定の切込量研削後にねじ状砥石と歯車の噛み合い位相を使用していない噛み合い位相に所定歯数分ずらしてスパークアウト研削するようにしたので、各条目におけるピッチ誤差に起因する研削した歯車のピッチ誤差を平均化でき、ピッチ精度を向上することができる。
【0041】
また、請求項2に記載の発明では、第2判別手段によって全スパークアウト研削が完了したか否かを判別するようにしたので、各歯車の歯面が必ず、ねじ状砥石の研削加工時に使用したねじ山以外の全てのねじ山でスパークアウト研削され、確実に歯車のピッチ誤差を平均化でき、さらにピッチ精度を向上することができる。
【0042】
また、請求項3に記載の発明では、第2判別手段により、ねじ状砥石の研削加工時に使用したねじ山以外の一部のねじ山で歯車の各歯が研削されたか否かを判別するようにしたので、仕上げ精度の要求に応じて適宜選択された一部のねじ山で歯車の研削加工を行うことができ、歯車のピッチ誤差の平均化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す歯車研削盤の全体構成図である。
【図2】ねじ状砥石によるワーク(歯車)の研削加工時の噛み合いを示す作動状態図である。
【図3】本発明の実施の形態の作動を示したフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態の作動を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10 ベッド
11 X軸スライドテーブル
12 Z軸スライドテーブル
13 主軸台
14 心押台
17 砥石台
18 ねじ条砥石
21 X軸スライドテーブル駆動用モータ
22 Z軸スライドテーブル駆動用モータ
23 主軸回転用モータ
28 砥石回転用モータ
30 数値制御装置
T1 1条目
T2 2条目
W ワーク(歯車)
Wa 歯

Claims (3)

  1. ねじ状砥石の条数と歯車の歯数が互いに素でない組合せで、ねじ状砥石と歯車を互いに回転させながら、前記ねじ状砥石と前記歯車とを接近する方向に相対的に移動させる接近方向移動手段と、前記ねじ状砥石と前記歯車とを前記歯車の回転軸線方向に相対移動させる軸線方向移動手段とを有し、加工プログラムに基づいて前記ねじ状砥石によって前記歯車を研削加工する歯車研削装置において、前記歯車が所定切込量研削されたか否かを判別する第1判別手段と、この第1判別手段によって前記歯車が所定切込量研削されたと判別されることにより、前記ねじ状砥石と前記歯車の噛み合い位相を使用していない噛み合い位相に所定歯数分ずらす位相補正を行う位相補正手段と、この位相補正手段による補正が完了した後に、前記接近方向移動手段による相対移動を行わずに前記軸線方向移動手段による前記ねじ状砥石と前記歯車の相対移動を行い、スパークアウト研削を実行するスパークアウト実行手段とを備えたことを特徴とする歯車研削装置。
  2. 請求項1に記載の歯車研削装置において、前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が完了した後に、前記歯車の各歯が前記ねじ状砥石の研削加工時に使用したねじ山以外の全てのねじ山で前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が行われたか否かを判別する第2判別手段を設け、この第2判別手段で否と判別された時に前記位相補正手段による位相補正を行うようにしたことを特徴とする歯車研削装置。
  3. 請求項1に記載の歯車研削装置において、前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が完了した後に、前記歯車の各歯が前記ねじ状砥石の研削加工時に使用したねじ山以外の一部のねじ山で前記スパークアウト実行手段によるスパークアウト研削が行われたか否かを判別する第2判別手段を設け、この第2判別手段で否と判別された時に前記位相補正手段による位相補正を行うようにしたことを特徴とする歯車研削装置。
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