JP4517091B2 - 同期駆動による歯車仕上げ加工方法 - Google Patents

同期駆動による歯車仕上げ加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4517091B2
JP4517091B2 JP2000321165A JP2000321165A JP4517091B2 JP 4517091 B2 JP4517091 B2 JP 4517091B2 JP 2000321165 A JP2000321165 A JP 2000321165A JP 2000321165 A JP2000321165 A JP 2000321165A JP 4517091 B2 JP4517091 B2 JP 4517091B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
support shaft
forming tool
motor
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000321165A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002126947A (ja
Inventor
良二 吉田
節 若林
洸司 川本
淳一 永射
泰浩 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd filed Critical Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2000321165A priority Critical patent/JP4517091B2/ja
Publication of JP2002126947A publication Critical patent/JP2002126947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4517091B2 publication Critical patent/JP4517091B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gear Processing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被研削歯車と仕上げ用成形工具とを駆動により同期回転させながら研削を行なう歯車仕上げ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車に対しシェービング、ホーニング(ドレッシングを含む)等の仕上げ加工をする際には、内歯又は外歯の歯車状をした回転砥石又はカッター等の仕上げ用成形工具を使用し、被研削歯車と噛合させ、歯面同士のすべり接触を利用して研削を行なう。
【0003】
通常の場合、成形工具が駆動され被研削歯車は成形工具との噛合の下に、成形工具に伴われて回転する、いわゆる連れ回り状態で加工される。但し、連れ回り状態での研削では被研削歯車の偏心や累積ピッチ誤差を強制的に修正する機構を持たず、その結果、高い精密度の加工が困難である。
【0004】
これに対し、成形工具と被研削歯車との双方を駆動させつつ加工することにより、高い精度を得ることが可能となる。但し、これには、バックラッシュが零の状態で歯同士を噛合させる必要上、成形工具と被研削歯車とを高精度で同期回転させることが不可欠である。
【0005】
高精度の同期回転を実現するため、種々の提案がなされてきたが、成形工具及び被研削歯車を停止さた状態で噛合させ、正逆回転を僅かずつ繰り返すなどして、切り込み方向への移動を行ないバックラッシュ零の状態を得てから、双方を駆動して同期回転させる形態が一般的である。例えば、特許第3000668号に係る加工方法においては、被研削歯車を微少量ずつ正回転及び逆回転させ、各回転方向において成形工具が連れ回りを始める回転変位量を検出し、バックラッシュを零にするのに必要な成形工具の位置補正量を求め、その位置補正量に基づいて送りモータにより成形工具に送りを与えて同期化が図られる。
【0006】
しかしながら、これらの方法では、センサによる成形工具との相対位置の検出を行なうために被研削歯車の微小回転を繰り返さねばならず、手間と時間を必要とするという欠点があった。また、上記従来の方法では、被研削歯車の研削が終わる毎に必ず成形工具を停止させ、新たな被研削歯車の装着後、再び成形工具の駆動を開始する必要がある。したがって、重量の大きい成形工具の駆動と停止が繰り返されることになり、加工の時間効率が悪く、手間も掛かるという難点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、同期回転による歯車の仕上げ加工を行なう際に、被研削歯車の研削毎に成形工具を停止させる必要がなく、停止をさせた場合にも手間の掛かる成形工具の微小回転の繰り返しを必要とすることなく被研削歯車及び成形工具の連続回転を開始することができる歯車仕上げ加工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、ワークである歯車を成形仕上げ加工するにあたり、機台に支持されたワーク支持軸及び仕上げ用成形工具の双方を同期回転するように駆動する歯車仕上げ加工方法であって、前記ワーク支持軸及び成形工具の制御モータによる駆動を、サーボモータによるサーボ制御又はACスピンドルモータによるCs制御により行なうものとし、該歯車仕上げ加工方法は、
前記制御モータの回転方向原点への移動及び前記ワーク支持軸に対するワークの取付けを行なうステップと、ワーク位置決め装置をワークと噛合させてワークの回転方向位置決めを行なうステップと、ワークを前記ワーク位置決め装置と噛合させた状態で前記ワーク支持軸と芯押し台とによりクランプするステップと、前記ワーク支持軸に結合された前記制御モータをフリーラン状態とするステップと、フリーラン状態に伴って生じる前記ワーク支持軸における制御モータ側のワーク支持側に対する位相ずれを読み取るステップと、前記ワーク位置決め装置をワークから外すステップと、前記ワーク支持軸を前記制御モータにより回転させ、前記位相ずれを解消するように調整して前記ワーク支持軸及び前記成形工具を各制御モータの制御により同期させ且つ位相を合わせて回転させるステップと、前記ワーク支持軸の駆動トルクを前記成形工具による切削を受けない程度に低下させた状態で、バックラッシュ零として予め設定された位置又は検知される位置まで前記ワーク支持軸と前記成形工具とを接近させるステップと、前記バックラッシュ零の位置における前記ワーク支持軸と前記成形工具との各制御モータの駆動位相を固定するステップと、各制御モータの駆動により前記ワーク支持軸及び前記成形工具を同期回転させつつ切り込み量を漸増させて仕上げ切削を行なうステップとを備えていることを特徴とする歯車仕上げ加工方法を提供するものである。
【0009】
【作用】
本発明においては、ワークである歯車を研削仕上げ加工するにあたり、ワーク支持軸及び成形工具の駆動は、サーボモータによるサーボ制御又はACスピンドルモータをCs制御(c軸制御すなわちz軸回りの回転角制御)により行なうものとし、先ず、制御モータの回転方向原点への移動及びワーク支持軸に対するワークの取付けを行なう(一次位相決め)。
【0010】
そして、ワーク位置決め装置をワーク支持軸上のワークと噛合させて回転方向の位置決めを行ない且つワーク支持軸と芯押し台とによりワークをクランプする。ワーク位置決め装置は、主軸(制御モータ回転軸)の回転方向原点に対応するワークの位相を位置出しするようにワークと噛合する。制御モータが原点に設定されていても、実際にはワークの位相は、取付け誤差等によるずれを生じている。したがって、この状態においてワーク支持軸は、ワーク位置決め装置により拘束されたワーク側と、制御モータにより拘束された制御モータ側との間において僅かなねじれを生じている。この状態で制御モータをフリーラン状態とすると、ワーク支持軸における制御モータ側が、そのねじれ分だけ僅かに回転する。この回転による位相ずれを読み取り、その位相ずれを解消するように基準位置を調整すれば、ワーク支持軸及び成形工具を各制御モータの制御により同期させ且つ位相を合わせて回転させることができる(二次位相決め)。
【0011】
したがって、この状態で、研削に必要な駆動力でワークを回転させながら成形工具に噛合させることもできるが、より正確な位相合わせを得るためにさらに、以下の操作を行なう。すなわち、ワーク支持軸の駆動トルクを成形工具による切削を受けない程度に低下させた状態で、バックラッシュ零として予め設定された位置又は検知される位置までワーク支持軸と成形工具とを接近させ、その状態におけるワーク支持軸と成形工具との各制御モータの駆動位相を固定する。これにより、位置決め装置と成形工具との間に不可避的に生じる位相誤差をも解消し、ワークと成形工具との位相が正確に一致させることができる(三次位相決め)。
【0012】
この状態で、切り込み量を漸増させて切削を行なえば、同期駆動による極めて高い精度の仕上げ切削を行なうことができるのである。
【0013】
なお、成形工具の位相は、成形工具の歯又は溝の位置を読み取るエンコーダにより検知される。したがって、成形工具をヘッドに新たに取り付けたときは、成形工具を停止させ、手動モードでワーク支持軸上のワークと噛合させ、ワーク全周での噛合が均一化された状態で、成形工具の位相の原点を設定する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1,図2,図3は、各々本発明の一実施形態に掛かる歯車仕上装置の正面図、側面図、平面図である。
【0015】
図示の歯車仕上装置は、機台Bに支持されたテーブル10上で、保持装置により被研削歯車(ワーク)Wを保持するようになっている。保持装置は、テーブル上で相互に接近離反するように摺動可能であり各々ワーク支持軸を有する2台のヘッドストック30,心押し台40を備えている。機台Bにはさらに、砥石保持装置50が装着されている。
【0016】
図4は、この歯車仕上装置の動作部分を中心に示す正面図である。図示のように、一方(図において左)のヘッドストック30は、テーブル10に支持された心押し台本体31と、該心押し台本体により回転可能に支持されたワーク支持軸32と、心押し台本体31に結合され該ワーク支持軸32を回転させる駆動モータ33とを備えている。他方(図において右)の心押し台40は、テーブル10に支持された心押し台本体41と、該心押し台本体により回転可能に支持されたワーク支持軸42とを備えている。
【0017】
図5に示すように、ワーク支持軸42は、心押し台本体41に装着された図外の駆動装置により軸方向に摺動進退動するクランプ軸43を軸内部に備えている。したがって、クランプ軸43を後退させた状態でワーク支持軸32及び42によりワークWを支持し、その後クランプ軸43を前進させることにより、ワーク支持軸上でワークWを回転方向にクランプすることができる。ワーク駆動モータ33は、以下に述べる制御を可能にするように、この例ではサーボモータとされている。
【0018】
砥石保持装置50は、図に示すように、ヘッドストック30と心押し台40との間に位置し回転砥石51を支持するリング状のヘッド52と、該ヘッド52をワーク支持軸32,42に垂直な水平軸線回りに回動可能に支持する保持部53とを備えている。図2及び図3に示すように、保持部53は、ヘッド52をワーク支持軸の回りに回転させるためのヘッド駆動モータ531、及びヘッド52をワーク支持軸32,42に垂直な水平軸線回りに回動するためのヘッド傾動モータ532を備えている。ヘッド駆動モータ531の出力軸に固定された歯車533には、中間歯車534,535が噛合し、これらの中間歯車は、ヘッド52の外周に設けられた歯に噛合してヘッド52を駆動する。このように、駆動歯車に噛合する2個の中間歯車を介してヘッド52外周ギアを駆動することにより、簡単な構造でローバックラッシュを実現し、高精度、高速での同期噛合を確実にする。ヘッド駆動モータ531は、以下に述べる制御を可能にするように、この例ではACスピンドルモータとされている。砥石保持装置50には、機台上の切り込み駆動部60が結合されている。切り込み駆動部60は、水平駆動モータ61の駆動によりワーク支持軸32,42に垂直な水平軸線に沿って移動可能であり、その移動によりヘッド52及び回転砥石51をワーク支持軸上のワークに接近離反させ、研削の際には切り込みを行なわせる。
【0019】
なお、上記ヘッドストック30,心押し台40、ワーク駆動モータ33、ヘッド駆動モータ531等の移動や回転の制御は、操作盤71を備えた制御装置70により行なわれる。
【0020】
ヘッドストック30には、ワーク位置決め装置80が取り付けられている。ワーク位置決め装置は、成形工具との正確な噛合を得るためにワークの回転方向の正確な位置決めを行なうものであり、例えば以下のような構成とすることができる。ワーク位置決め装置80は、図6に示すように、ヘッドストック30におけるワーク取付側端部にボルトにより締結された固定部81を備え、該固定部上のスライドガイド82に摺動可能にアーム取付台83が装着されている。アーム84は、基端部をアーム取付台83に固定され、先端部には、ワークWの歯の間に進入し得る大きさの円錐状突起85が取り付けられている。さらに、固定部81には、駆動シリンダ86が取り付けられ、これと協働するピストンロッド87がアーム基端部に結合されている。したがって、アーム84は、駆動シリンダ86により駆動され、スライドガイド82により案内されて、ワーク支持軸32の径方向に摺動する。固定部81にはドックプレート88が固定され、該ドックプレートにアームの前進後退端検出用の近接スイッチ89が取り付けられている。これにより、アーム84は、ワークWに噛合する前進位置とその噛合を解く後退位置との間を進退動する。前進時にアーム先端の突起85は、図6のa部詳細図に示すように、ワークWの歯と噛合し、ワークの回転方向の位置決めを行なう。
【0021】
ワーク駆動モータ33及びヘッド駆動モータ521としては、前述のように回転方向の同期及び位相の正確な制御ができる制御モータが使用され、具体的にはサーボモータ又はACスピンドルモータとされる。
【0022】
次に、この歯車仕上装置のより詳細な構成を、装置の操作手順と共に説明する。
【0023】
回転砥石51の位相は、回転砥石の歯又は溝の位置を読み取るエンコーダにより検知される。回転砥石51をヘッド52に新たに取り付けたときは、回転砥石を停止させ、手動モードでワーク支持軸上のワークと噛合させ、ワーク全周での噛合が均一化された状態で、回転砥石の位相の原点を設定する。
【0024】
この準備ができた後、ヘッドストック30のワーク駆動モータ33をエンコーダにおける原点に復帰した状態にすることにより、ワーク駆動モータ33をサーボロック状態になる。この操作の前又は後に、ワークWをワーク支持軸に装着する。(ステップ1)
この後、ヘッド駆動モータ532を作動させてヘッド52を駆動する。ヘッド52に回転速度は、ワークWの切削速度に適合したものとされる。ヘッドは、以後において停止指令が出るまで回転を続ける。その状態で、心押し台40をヘッドストック30に接近させ、ワ−ク支持軸32,42によりワークWを保持する。ここでは、ワーク支持軸42のクランプ軸43は後退位置とされている。(ステップ2)
次にワーク位置決め装置80のアーム82を移動し、突起83をワークWの歯の間に進入させることにより、ワークWの回転方向の位置決めをする。ワーク支持軸32上のワークWは、ワークWの機械加工精度のバラツキ、熱処理による歪み、治具への取付誤差等から、ワークW自身の位相と駆動モータの位相とが必ずしも一致しない。そこで、ワーク位置決め装置80により、ワークW自身の位相を正確に決めるのである。(図7A)(ステップ3)
この突起83との噛合状態を保ったまま、ワーク支持軸42のクランプ軸43を前進させ、ワーク支持軸32,42上でワークWを回転方向に固定する。(ステップ4)
ワークWとワーク位置決め装置80との噛合状態を保ったまま、駆動モータ33をサーボオフとする。これにより、ワーク支持軸32は、回転方向に拘束のないフリーラン状態となる。前述のように、ワーク駆動モータ33が原点復帰状態とされていても、ワーク支持軸32上のワークWの回転方向の位相は、種々の要因から駆動モータの位相とが必ずしも一致しない。したがって、ワーク位置決め装置80との噛合により、ワークWの位相が正確に決められる。したがって、通常は、ワーク位置決め装置80により位置決めされたワークWと原点復帰状態とされたワーク駆動モータ33との間に僅かな回転方向のずれが生じる。このずれは、ワーク支持軸32におけるワーク駆動モータ33による支持箇所とワークWの支持箇所との間において弾性ねじれ変形を生じる。したがって、ワークWとワーク位置決め装置80との噛合状態を保ったまま、ワーク駆動モータ33をフリーラン状態とすることにより、ワーク支持軸32はワーク駆動モータ33による支持箇所において、ねじれ変形を戻すように僅かに回転する。(ステップ5)
ワーク駆動モータ33をフリーラン状態とすることにより生じたワーク支持軸32の僅かな修正回転量をエンコーダから読み取る。この場合、修正回転量が過大であると、異常信号を発する等して、初期の設定への戻りを促すよう設定しておくのが望ましい。読み取った修正回転量は、プログラマブルコントローラ又はマクロプログラムにより新たに原点位置として記憶される。(図7B)(ステップ6)
この状態から、ワーク位置決め装置80をワークWから遠ざけるように後退させる。(図7C)(ステップ7)
ワーク位置決め装置80が後退した後、ワーク駆動モータ33を作動させて、ワーク支持軸32,42を回転させる。これと平行して、テーブル10を移動させ、ワークWを回転砥石51の中心に近づける。(図7D)(ステップ8)
ワークWが回転砥石51の中心に接近する間に、ワーク支持軸32の同期及び位相合わせを行なう。すなわち、ワーク支持軸32が回転砥石51に対して同期速度となったことをワーク支持軸32及びヘッド52に結合されたエンコーダによって感知し、その後、前述のステップ5で修正された原点に基づいて位相合わせを行なう。これと平行して、切り込み駆動部60を作動させ回転砥石51をワークW側(z軸方向)へ前進させる。(図7E)(ステップ9)
同期位相合わせ完了の後、回転砥石51とワークWの両歯先端が僅かに噛み合う位置まで回転砥石51を更に前進させる。このとき、衝突による歯の破損防止のため、早送りではなく切削送りとするのが望ましい。(図7F)(ステップ10)
回転砥石51とワークWの両歯先端が互いに十分に噛み合う位置に到達した後、ワーク駆動モータ33の出力トルクを切削不能な程度まで下げる。(ステップ11)
さらに、切り込み駆動部60により回転砥石51及びワークW間のバックラッシュが零になるまで、回転砥石51の前進を続ける。バックラッシュ零の検出は、トルクコントロール機能に基づいて行なうことができる。バックラッシュの状態は、回転砥石51及びワークWの加工精度、熱処理による歪み、治具への取付誤差等により各歯の並び方向に均一ではない。これに対し、例えば以下の手段を適用することができる。水平駆動モータ61によるz軸方向の送りトルクを一定にし、プログラマブルコントローラにより1スキャン(プログラマブルコントローラにおける送り制御プログラムの先頭からエンドまでの1巡の処理)毎に、前回と今回のz軸座標値を比較する。その差が零又は実質上零とみなせる小さい値になったときに、バックラッシュ零とする。或いは、予め手動モードでワークと回転砥石とを噛合させてバックラッシュ零となるz軸方向の回転砥石の位置を検出し、その検出データにより設定された位置まで回転砥石51を前進させるようにしてもよい。(図7G)(ステップ12)
バックラシュ零の位置となれば、回転砥石51の前進を直ぐに停止する。この時、ワーク支持軸32はトルク制限しているので、ワークWは回転砥石51に対し連れ廻りしている状態となっている。したがって、ステップ6で設定された電気的同期及び位相一致位置に対しずれが生じている。回転砥石51及びワークW間のバックラッシュが零となった位置を正式にマスタ(回転砥石)とスレーブ(ワーク軸)の同期及び位相合致位置としてプログラマブルコントローラ等に認識させる。(ステップ13)
以下、研削加工を開始することになるが、この方法には、以下に記述するように複数の選択可能な形態がある。
【0025】
回転砥石51をプランジ送りで前進させる(テーブルを固定したままヘッドを前進させる)と同時にワーク駆動モータ33の出力トルクの制限を除々に解除していく。このとき 電気的位相ズレが発生しないようワーク駆動モータ33のトルク及び回転砥石51の送り速度を制御する。(ステップ14)
上記ステップ15に代えて、ワーク駆動モータ33の出力トルク制限を解除して設定した最大値まで戻し定トルク切削を行なうこともできる。(ステップ14A)
その後、テーブル10をワーク支持軸方向(図4の左右方向)に往復動させて研削を行なう。これには、テーブルが移動方向を切り換える毎に切り込み(Z軸)を行なう。ワークWが、ヘリカルギアの場合は、ヘリカル補正を行ないながら、研削を行なう。(ステップ15)
上記ステップ15Aを採用する場合は、上記ステップ16に代えて、一定のトルクで研削出来るよう、ワーク駆動モータ33の電流等を検出して、水平駆動モータ61による回転砥石51の送り速度を自動調整しながらパラレル送りを行う。(ステップ15A)
パラレル送り中にクラウニング軸(B軸)を駆動してクラウニングを行なう。パラレル送りは、テーブル(X軸)は中心からの移動距離を除々に広げながら行なう。またテーブル(X軸)が方向を切り換わる毎に水平駆動モータ61による前進動作を行なう(Z軸)。そして、ワークの最終形状に対応する切り込み軸(z軸)の設定位置に至るまで加工する。(ステップ16)
設定位置に至った時、ワークWの歯の反対側のフランクを研削するため、今までの方向と逆方向に同期位相をシフトする。位相シフトの量はプログラムで決定する。(ステップ17)
両側のフランクの加工が終了したら、最終仕上げ加工を行うのが望ましい。これは、再びワーク駆動モータ33をトルク制限し、ワーク支持軸を連れ廻り状態にして、切り込みを掛けず、テーブル送りとクラウニング加工をすることにより行なうことができる。(ステップ18)
次に、回転砥石51を後退させてワークWから遠ざけ、その後、同期を解除することによりワーク駆動モータ33を停止させる。さらに、テーブル10、回転砥石51、クラウニング軸の各軸(X軸,Z軸,B軸)及びワーク駆動モータ33を原点復帰させる。これにより、1個のワークWの加工が終了し、次のワークの加工準備が整った状態となる。(ステップ19)
【0026】
【発明の効果】
本発明においては、ワーク支持軸及び成形工具の駆動を、サーボモータによるサーボ制御又はACスピンドルモータによるCs制御により行なうものとし、その制御による位相決めをする(一次位相決め)。さらにワーク位置決め装置による位相修正を行ない、制御モータをフリーラン状態とすることにより位相ずれを読み取って基準位置を調整する(二次位相決め)。そしてさらに、ワーク支持軸の駆動トルクを低下させた状態で、バックラッシュ零の状態として、ワーク支持軸と成形工具との各制御モータの駆動位相を固定する(三次位相決め)。このようにして、ワークと成形工具との位相を正確に一致させることができる。この状態で、切り込み量を漸増させて切削を行なえば、同期駆動による極めて高い精度の仕上げ切削を行なうことができる。また、以上の操作は、一旦成形工具の位相合わせを行なった後は、成形工具の回転を止めることなく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一次実施形態に係る歯車仕上装置の正面図である。
【図2】 図1に示す歯車仕上装置の側面図である。
【図3】 図1に示す歯車仕上装置の平面図である。
【図4】 図1に示す歯車仕上装置の動作部分を中心に示す正面図である。
【図5】 図1に示す歯車仕上装置のワーク支持状態を中心に示す正面図であ
【図6】 図1に示す歯車仕上装置におけるワーク位置決め装置の使用状態を示す斜視図である。
【図7】 図1に示す歯車仕上装置による加工状体を示す説明図である。
【図8A】 図1に示す歯車仕上装置のワーク支持状態の操作手順を示すフローチャートである。
【図8B】 図8Aに続くフローチャートである。
【符号の説明】
10 テーブル10、 20 保持装置、
30,40 心押し台、 31 心押し台本体、
32 ワーク支持軸、 33 ワーク駆動モータ、
41 心押し台本体、 42 ワーク支持軸、
50 砥石保持装置、 51 回転砥石、
53 保持部、 531 ヘッド駆動モータ、
60 切り込み駆動部、 80 ワーク位置決め装置、
W ワーク

Claims (3)

  1. ワークである歯車を成形仕上げ加工するにあたり、機台に支持されたワーク支持軸及び仕上げ用成形工具の双方を同期回転するように駆動する歯車仕上げ加工方法であって、
    前記ワーク支持軸及び成形工具の制御モータによる駆動を、サーボモータによるサーボ制御又はACスピンドルモータによるCs制御により行なうものとし、
    該歯車仕上げ加工方法は、
    前記制御モータの回転方向原点への移動及び前記ワーク支持軸に対するワークの取付けを行なうステップと、
    ワーク位置決め装置をワークと噛合させてワークの回転方向位置決めを行なうステップと、
    ワークを前記ワーク位置決め装置と噛合させた状態で前記ワーク支持軸と芯押し台とによりクランプするステップと、
    前記ワーク支持軸に結合された前記制御モータをフリーラン状態とするステップと、
    フリーラン状態に伴って生じる前記ワーク支持軸における制御モータ側のワーク支持側に対する位相ずれを読み取るステップと、
    前記ワーク位置決め装置をワークから外すステップと、
    前記ワーク支持軸を前記制御モータにより回転させ、前記位相ずれを解消するように調整して前記ワーク支持軸及び前記成形工具を各制御モータの制御により同期させ且つ位相を合わせて回転させるステップと、
    前記ワーク支持軸の駆動トルクを前記成形工具による切削を受けない程度に低下させた状態で、バックラッシュ零として予め設定された位置又は検知される位置まで前記ワーク支持軸と前記成形工具とを接近させるステップと、
    前記バックラッシュ零の位置における前記ワーク支持軸と前記成形工具との各制御モータの駆動位相を固定するステップと、
    各制御モータの駆動により前記ワーク支持軸及び前記成形工具を同期回転させつつ切り込み量を漸増させて仕上げ切削を行なうステップと
    を備えていることを特徴とする歯車仕上げ加工方法。
  2. 前記仕上げ切削を行なうステップを、前記ワーク支持軸の駆動トルクを正常値まで漸増させつつ行なうことを特徴とする請求項1に記載の歯車仕上げ加工方法。
  3. 前記仕上げ切削を行なうステップを、前記成形工具又はワーク支持軸のサーボモータ又はACスピンドルモータの駆動負荷電流値を検出し切り込み速度を調整しつつ行なうことを特徴とする請求項1に記載の歯車仕上げ加工方法。
JP2000321165A 2000-10-20 2000-10-20 同期駆動による歯車仕上げ加工方法 Expired - Fee Related JP4517091B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000321165A JP4517091B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 同期駆動による歯車仕上げ加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000321165A JP4517091B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 同期駆動による歯車仕上げ加工方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003114446A Division JP4635142B2 (ja) 2003-04-18 2003-04-18 歯車仕上装置及び歯車の噛合わせ方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002126947A JP2002126947A (ja) 2002-05-08
JP4517091B2 true JP4517091B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=18799341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000321165A Expired - Fee Related JP4517091B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 同期駆動による歯車仕上げ加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4517091B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4258262B2 (ja) * 2003-04-22 2009-04-30 株式会社安川電機 ツイン同期制御方法及び装置
JP5781131B2 (ja) * 2013-09-05 2015-09-16 ジヤトコ株式会社 インボリュート歯形の加工方法およびその加工機の制御装置
KR102470290B1 (ko) * 2020-11-19 2022-11-25 주식회사 디.에스.케이 피스톤 크라운 그루브 연삭장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05301113A (ja) * 1992-04-23 1993-11-16 Honda Motor Co Ltd 歯車研削機の自動噛合方法および装置
JPH06226534A (ja) * 1993-02-08 1994-08-16 Toyo A Tec Kk ギアホーニング加工方法及び装置
JPH0751936A (ja) * 1993-05-26 1995-02-28 Kapp Co Werkzeug Mas Fab 歯を精密加工する方法及び工作機械

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05301113A (ja) * 1992-04-23 1993-11-16 Honda Motor Co Ltd 歯車研削機の自動噛合方法および装置
JPH06226534A (ja) * 1993-02-08 1994-08-16 Toyo A Tec Kk ギアホーニング加工方法及び装置
JPH0751936A (ja) * 1993-05-26 1995-02-28 Kapp Co Werkzeug Mas Fab 歯を精密加工する方法及び工作機械

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002126947A (ja) 2002-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4475817B2 (ja) 機械加工前のギヤ等の歯付き被加工物を機械加工する方法および装置
JP7224399B2 (ja) ワークの面取り加工装置、それを備えた歯加工センタ、およびワークの面取り加工装置を用いた加工方法
JP5277692B2 (ja) ポストプロセス定寸制御装置
US9696713B2 (en) Method for grinding machining of bevel gears in the single-indexing method
CN101811206A (zh) 范成加工夹持在机床上的工件的设备以及制造具有齿轮的工件的方法
JP2003225803A (ja) クランクシャフトの旋削加工装置及びその旋削加工方法
JP4517091B2 (ja) 同期駆動による歯車仕上げ加工方法
JP4635143B2 (ja) 同期駆動による歯車仕上げ加工方法
JP4635142B2 (ja) 歯車仕上装置及び歯車の噛合わせ方法
JP7167631B2 (ja) 工作機械及び工作機械を用いた歯車加工方法
EP0950214B1 (en) Method of controlling a machine tool
JP2982531B2 (ja) 歯車形状の加工方法
JPH10286720A (ja) スクリュロータのスクリュ部加工方法
JPH08118144A (ja) ホブ盤の歯車仕上げ加工方法
JP2004330397A (ja) 歯車ホーニング加工方法及び加工機械
JP3821345B2 (ja) クランクピンの研削方法及び研削装置
JP3643412B2 (ja) 歯車研削装置
JPH04189418A (ja) 歯車の仕上加工装置
JP3812869B2 (ja) 円筒研削方法及び装置
JP3241453B2 (ja) 研削方法
JP3731715B2 (ja) 円筒断面輪郭加工データの作成方法
JPH0957624A (ja) 内歯車形ハードギヤホーニングのドレス方法
JP3886694B2 (ja) 研削装置及び研削方法
JP3836098B2 (ja) クランクピンの研削方法及び研削装置
JP4539557B2 (ja) 工作機械の定寸加工制御方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100407

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100412

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees