JP3638309B2 - 自転車用ハブブレーキ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自転車のハブに一体回転可能に連結するブレーキドラムと、このブレーキドラムに制動作用するブレーキシューと、このブレーキシューを前記ブレーキドラム側に圧接操作するブレーキ操作部材とを備える自転車用ハブブレーキに関し、詳しくは、ブレーキの効き過ぎ防止が可能なブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば実開平2−35897号公報に示されるように、ブレーキシューとブレーキ操作部材を支持している固定部材が車体フレームに対してブレーキドラムの回動軸芯まわりで揺動するように、かつ、車体フレームに取り付けた支持体がばねを介して前記固定部材を受け止め支持するようにした自転車用ブレーキを構成した。すなわち、ブレーキ操作部材に連結したブレーキワイヤのインナーワイヤを引っ張り操作すると、ブレーキ操作部材がブレーキシューをブレーキドラムに圧接操作してブレーキシューとブレーキドラムの間に摩擦が発生することにより、ブレーキドラムとともに回動する車輪にブレーキが掛かる。そして、ブレーキシューとブレーキドラムの間に発生する摩擦力が前記ばねの強さによって決まる設定力以上になると、固定部材がブレーキドラムおよびブレーシューを介して伝達する車輪回動力のために前記ばねを弾性変形させながら車輪回動方向に揺動する。すると、この固定部材揺動のためにブレーキ操作部材がブレーキワイヤのアウターワイヤ端部の方に移動してインナーワイヤに緩みが発生することにより、自動的にブレーキシューとブレーキドラムの摩擦力が低下し、制動力がワイヤ緩みのない場合よりも低い制動力になる。
つまり、図13に示すように、インナーワイヤの操作ストロークSを横軸とし、制動力Bを縦軸とすると、制動力線B1で示す強さの制動力を発揮する。すなわち、インナーワイヤの操作ストロークが設定ストロークSAに達するまでは、操作ストロークSが増大するに伴って制動力は第1傾斜角aで増大して行き、操作ストロークが設定ストロークSAに達して制動力がばねによって決まる設定制動力BAになった後は、操作ストロークが増大するに伴って制動力は第2傾斜角bで増大して行く。そして、制動力が設定制動力BAになってからはインナーワイヤの緩み操作が行われることから、第2傾斜角bは第1傾斜角aより小角度になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ブレーキシューにグリースを供給して使用するようになったハブブレーキではグリースが切れた場合に、グリースを使用しないハブブレーキでも、錆が発生するとか塵埃が侵入した場合に、ブレーキシューによる摩擦制動力がアップしてブレーキの効き過ぎが発生することがある。しかし、従来の上記ブレーキ技術を採用すると、グリース切れや錆発生などの異常状態になっても、ブレーキが効き過ぎないようにできる。
すなわち、図13に示すように、グレース切れや錆発生などがない正常状態の場合には、制動力線B2で示す制動力が得られ、異常状態になった場合には、制動力線B1で示す制動力が発揮されるように構成する。すると、異常状態の場合に発揮される最大の制動力は、制動力線B1の線上にある制動力BYになり、この最大制動力BYは、制動力線B1の設定制動力BAまでの部分を延長した制動力線B3の線上に位置する最大制動力BXよりも低い制動力になる。
つまり、従来の上記ブレーキ技術を採用しないで異常状態になると、制動力BXが使用可能な最大の制動力になり、この最大制動力BXやこれに近い値の高制動力でブレーキが掛かるところのブレーキの効き過ぎが発生する場合がある。これに対し、従来の上記ブレーキ技術を採用すると、異常状態になっても、前記最大制動力BXよりも低い値の制動力BYが使用可能な最大制動力になり、限界までブレーキ操作したとしても制動力BYでブレーキが掛かることになってブレーキの効き過ぎにならないのである。
【0004】
ところが、従来のブレーキ技術を採用すると、固定部材を可動式に構成するともに、固定部材の遊端側にばねを作用せる必要があるなどにより、ブレーキ全体が比較的大型になっていた。
本発明の目的は、効き過ぎ防止が可能であるとともに比較的コンパクトに得られる自転車用ハブブレーキを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1による自転車用ハブブレーキにあっては、目的達成のために、冒頭に記したものにおいて、
ブレーキドラムとブレーキシューとの間に両者に摺接可能な摺動部材を介装し、前記ブレーキ操作部材の操作でブレーキシューをブレーキドラム側に圧接操作したとき、前記摺動部材とブレーキシューとの間に生じる摩擦力と、前記摺動部材とブレーキドラムとの間に生じる摩擦力とが、互いに異なるように設定してあることを特徴とする。
【0006】
請求項1によるハブブレーキを実施するに当たり、摺動部材とブレーキシューの間の摩擦係数と、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦係数を同じにし、ブレーキシューの摺動部材への圧接力と、摺動部材のブレーキドラムへの圧接力とを異ならせることにより、摺動部材とブレーキシューの間の摩擦力と、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力とが異なるように構成する手段を採用してもよいが、請求項2による構成を採用すると、つぎのように有利である。
【0007】
ハブブレーキを実施するに当たり、摺動部材をブレーキドラムの外周側に取り付け、ブレーキシューを摺動部材の外周側に巻き付け操作するようにバンドブレーキに構成してもよいが、請求項3による構成を採用すると、つぎのように有利である。
【0008】
ハブブレーキを実施するに当たり、正常状態にあると摺動部材とブレーキシューの間の摩擦力が摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力より大であるように構成してもよいが、請求項4による構成を採用すると、つぎのように有利である。
【0009】
摺動部材としては、ブレーキドラムの周方向に分散配置する複数個の摺動部材を採用してもよいが、請求項5による構成を採用すると、つぎのように有利である。
【0010】
請求項6による自転車用ハブブレーキにあっては、目的達成のために、冒頭に記したものにおいて、
ブレーキドラムとハブとの間にトルクリミッターを介装し、ブレーキドラムとハブとの間に設定値以上のトルクが作用すると、このトルクリミッターの作用で、前記ブレーキドラムとハブとが相対回転することを特徴とする。
【0011】
請求項6によるハブブレーキを実施するに当たり、トルクリミッターとして、噛み合いクラッチと、この噛み合いクラッチが切り作用する際のトルクを設定するスプリングとでなる噛み合い式のトルクリミッターを採用してもよい。さらには、ハブの外周側に配置する外装式を採用してもよいが請求項7や請求項8による構成を採用すると、つぎにように有利である。
【0012】
【作用】
請求項1によるハブブレーキの場合、ブレーキシューと摺動部材の間の摩擦力と、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力が異なることにより、それぞれの摩擦力の設定によっては、グリース切れや錆発生などがない正常状態にあると、ブレーキシューと摺動部材の間の摩擦力が正常状態のために摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力よりも小になっており、グリース切れや錆発生が生じた異常状態になると、ブレーキシューと摺動部材の間の摩擦力が異常状態のために摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力よりも大に変化するようにできる。あるいは、逆に、正常状態にあると、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力が正常状態のためにブレーキシューと摺動部材の間の摩擦力よりも小になっており、異常状態になると、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力が異常状態のためにブレーキシューと摺動部材の間の摩擦力よりも大に変化するようにできる。
すると、前者の場合、正常状態にあるときにブレーキ操作をすると、前記摩擦力差のために摺動部材がブレーキドラムと共回りし、ブレーキシューが摺動部材に摩擦して制動作用することにより、車輪にブレーキが掛かるとともに、たとえ高速走行時であっても、ブレーキシューが摺動部材に対してスリップして車輪が急停止しない程度にブレーキが掛かるようにできる。そして、異常状態になったときにブレーキ操作をすると、摩擦力差の逆転のためにブレーキシューが摺動部材をブレーキドラムと共回りしないように摩擦支持し、摺動部材がブレーキドラムに摩擦して制動作用することにより、車輪にブレーキが掛かるとともに、たとえ高速走行時であっても、摺動部材がブレーキドラムに対してスリップして車輪が急停止しない程度にブレーキが掛かるようにできる。
後者の場合、正常状態にあるときにブレーキ操作をすると、前記摩擦力差のためにブレーキシューが摺動部材をブレーキドラムと共回りしないように摩擦支持し、摺動部材がブレーキドラムに摩擦して制動作用することにより、車輪にブレーキが掛かかるとともに、たとえ高速走行時であっても、摺動部材がブレーキドラムに対してスリップして車輪が急停止しない程度にブレーキが掛かるようにできる。そして、異常状態になったときにブレーキ操作をすると、摩擦力差の逆転のために摺動部材がブレーキドラムと共回りし、ブレーキシューが摺動部材に摩擦して制動作用することにより、車輪にブレーキが掛かるとともに、たとえ高速走行時であっても、ブレーキシューが摺動部材に対してスリップして車輪が急停止しない程度にブレーキが掛かるようにできる。
【0013】
請求項1によるハブブレーキを実施するに当たり、請求項2による構成を採用すると、摩擦力差が精度よくかつ比較的容易に得られる。すなわち、ブレーキシューの摺動部材への圧接力と、摺動部材のブレーキドラムへの圧接力とを異ならせることにより、ブレーキシューと摺動部材の間と、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力差を得る場合、殊に摺動部材とブレーキドラムの圧接力が製作誤差や組み付け誤差などによって所望どおりになりにくいことから、精度よい摩擦力差が出にくい。これに対し、請求項2による構成を採用すると、摺動部材やブレーキドラムの表面処理を施すなどにより、ブレーキシューと摺動部材の間と、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦係数差を所望どおりにかつ安定的に得られる。この結果、摩擦力差が精度よくかつ比較的容易に得られる。
【0014】
請求項3による構成を採用すると、摺動部材やブレーキシューをブレーキドラムの内側に収納できる
【0015】
請求項4による構成を採用すると、所定の摩擦力差を設定どおり長期にわたって保持できる。すなわち、正常状態にあると摺動部材とブレーキシューの間に生じる摩擦力の方が摺動部材とブレーキドラムの間に生じる摩擦力よりも大になるように設定すると、正常時にブレーキ操作をした際、摺動部材とブレーキドラムの間でスリップが発生するようになり、殊に摺動部材の磨滅が発生しやすくなる。摺動部材に磨滅が発生すると、摺動部材とブレーキシューの間と、摺動部材とブレーキドラムの間の摩擦力差が設定のものとは変化することから、比較的早期に設定摩擦力の狂いが発生しやすくなる。これに対し、請求項4による構成を採用すると、正常時にブレーキ操作をした際には、ブレーキシューと摺動部材の間でスリップが発生するようになり、ブレーキ操作に伴う磨滅はブレーキシューと摩擦部材の間で発生することになる。この場合、磨滅発生による設定摩擦力差の変化が発生しても、この変化をブレーキ調整によって所望どおりのものに容易に修正できる。このため、正常時のブレーキ操作による磨滅発生にかかわらず、所定の摩擦力差が長期にわたって確保しやすくなる。
【0016】
請求項5による構成を採用すると、摺動部材がブレーキドラムに所定の摩擦力を発生する状態で構造簡単に組み付く。すなわち、摺動部材として、ブレーキドラムの周方向に分散配置する複数個の摺動部材を採用すると、摺動部材を特別な取り付け部材を用い、これによってブレーキドラムに圧接するように組み付ける必要がある。これに対し、請求項5による構成を採用すると、摺動部材をブレーキドラムに圧入するだけで、摺動部材がブレーキドラムに所定の圧接力で組み付くようになる。
【0017】
請求項6によるハブブレーキの場合、異常状態でブレーキ操作をし、ブレーキの効き過ぎ現象が発生する時にブレーキドラムとハブとの間に発生するトルクを前記設定値として設定する。すると、正常状態にあると、ブレーキ操作をしてブレーキシューがブレーキドラムに摩擦しても、両者間には異常状態になった時の摩擦力よりも小さい摩擦力しか発生しない。これにより、ブレーキドラムとハブの間には前記設定値よりも低い値のトルクしか発生しなくてトルクリミッターが作用しないことにより、車輪にブレーキが掛かる。しかも、たとえ高速走行時であっても、ブレーキシューがブレーキドラムに対してスリップして車輪が急停止しない程度にブレーキが掛かる。そして、異常状態になったときにブレーキ操作をすると、ブレーキ操作力が弱くてブレーキシューとブレーキドラムの間に発生する摩擦力が小で、ブレーキドラムとハブの間に発生するトルクが前記設定値より小である間は、トルクリミッターが作用しなくてブレーキシューによる制動作用がハブに伝わるが、この時は、ブレーキシューとブレーキドラムの摩擦力が小であるために、ブレーキは効き過ぎない。ブレーキ操作力が大になり、ブレーキーシューとブレーキドラムの間に発生する摩擦力が大きくなってブレーキドラムとハブの間に発生するトルクが前記設定値以上になると、ブレーキシューがブレーキドラムに対して強く制動作用していながらも、トルクリミッターが作用してブレーキシューの強い制動作用がハブに伝わらず、車輪が急停止しない程度にブレーキが掛かる。
【0018】
請求項7による構成を採用すると、トルクリミッターが作用するトルクを比較的微細に調節して設定できる。すなわち、噛み合い式のトルクリミッターを採用すると、噛み合いが外れることによってトルクリミッターが作用することにより、作用するべきトルクとして設定できる設定トルク値が大間隔で分散して存在することになる。これに対し、請求項7による構成を採用すると、トルクリミッターは摩擦式になり、スリップによってトルクリミッターが作用することになる。これにより、作用するべきトルクとして設定できる設定トルク値が小間隔で存在することになる
【0019】
請求項8による構成を採用すると、トルクリミッターがハブの内側に収納することになる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1によるハブブレーキの場合にはブレーキシューとブレーキドラムの間に介装する摺動部材の作用のために、請求項6によるハブブレーキの場合にはブレーキドラムとハブの間に介装するトルクリミッターの作用のために、それぞれ冒頭に記した異常状態においてもブレーキが効き過ぎないように掛かることにより、請求項1および請求項6のいずれのハブブレーキにおいても、正常時のみならず異常時でもブレーキを効き過ぎないように掛けられる。しかも、請求項1によるハブブレーキの場合の場合にはブレーキシューとブレーキドラムの間に摺動部材を介装するだけで済むことにより、請求項6によるハブブレーキの場合にはブレーキドラムとハブの間にトルクリミッターを介装するだけで済むことにより、請求項1および請求項6のいずれによるハブブレーキによっても、従来の技術に比してコンパクトに得られて車体に組み付けやすいようにできた。
【0021】
請求項2による構成を採用すると、摩擦力差が精度よくかつ安定的に、しかも、比較的容易に得られることにより、ブレーキの効き過ぎ防止が精度よくできる信頼性の高いものになり、かつ、比較的安価に得られる。
【0022】
請求項3による構成を採用すると、摺動部材およびブレーキシューをブレーキドラム内に収納できることから、効き過ぎ防止ができるブレーキを比較的小型で組み付けが一層しやすい状態に得られる。
【0023】
請求項4による構成を採用すると、所定の設定摩擦力差を長期にわたって得られることから、ブレーキの効き過ぎ防止機能を長期にわたって保持する信頼性の高いもになる。
【0024】
請求項5による構成を採用すると、摺動部材を圧接するだけで所定の摩擦力差が得られることにより、ブレーキの効き過ぎ防止が可能なものを構造簡単かつ安価に得られる。
【0025】
請求項7による構成を採用すると、トルクリミッターが作用するように設定するトルクを比較的小間隔で設定できることから、異常状態になってトルクリミッターが作用する時の制動力が極力設計どおりになるように精度よく作成でき、トルクリミッターの作動面からもブレーキの効き過ぎ防止が精度よくできるようになる。
【0026】
請求項8による構成を採用すると、トルクリミッターをハブに内装できることにより、トルクリミッターの装着面からもコンパクト化ができる。
【0027】
【実施例】
図1および図2に示すように、自転車の前輪用フォーク1に固定部材2を制動反力が作用しても動かないように固定し、ブレーキワイヤ3のアウターワイヤを固定部材2が備えているアウターホルダー4に装着するとともに、インナーワイヤ3aをブレーキ操作部材5が備えているワイヤ連結具6に連結し、インナーワイヤ3aを引っ張りおよび緩め操作してブレーキ操作部材5を揺動操作することにより、前輪用ハブ7にブレーキが掛かって前車輪にブレーキが掛かるとか、前輪用ハブ7に対するブレーキが解除して前車輪に対するブレーキが解除するように自転車前輪用のハブブレーキを構成してある。詳しくはつぎの如く構成してある。
【0028】
固定部材2は一端側に備えてある図1および図2に示す如き締め付けバンド8と、他端側に備えてある図4に示す如き取り付けボス部2aとにより、前輪用フォーク1に固定するように構成してある。すなわち、取り付けボス部2aはハブ軸9に外嵌して、固定部材2の他端側をハブ軸9を介して前輪用フォーク1によって支持させるように構成し、締め付けバンド8は前輪用フォーク1に締め付け連結して、固定部材2を前輪用フォーク1に対してハブ軸9の軸芯まわりで回動しないように連結するように構成してあることにより、取り付けボス部2aをハブ軸9に装着し、締め付けバンド8を前輪用フォーク1に連結することによって、固定部材2を前輪用フォーク1に制動反力が作用しても動かないように固定できる。
【0029】
図4に明示するように、前輪用ハブ7の一端側にブレーキドラム10を一体形成することにより、ブレーキドラム10と前輪用ハブ7とを一体に回転するように連結してある。
【0030】
図4および図5に示すように、ブレーキドラム10の内周面10aと、前記ブレーキ操作部材5の操作カム部5aとの間に、ブレーキドラム10の周方向に分散した複数個のブレーキシュー11、ブレーキシュー11それぞれの内周面側に2個ずつ位置するようにしてブレーキドラム10の周方向に分散配置した複数個のローラ12、これらローラ12の配置間隔が設定間隔になるように、かつ、ローラ12のブレーキドラム周方向での位置ずれ抑制をするようにローラ12を保持するローラケース13、ブレーキシュー11の外周面側に配置したリング状の摺動部材14を設けてある。
【0031】
ブレーキ操作部材5は、図4および図5に示すように玉押し15および玉押し固定ナット16に回動可能に外嵌している前記操作カム部5aと、この操作カム部5aから一体回動可能に延出し、延出端側が図3の如く固定部材2と防水キャップ17の貫通孔を通って固定部材2よりも車体横外側に位置しているとともに前記ワイヤ連結具6が連結している操作アーム部5bとからなり、前記インナーワイヤ3aの引っ張り操作力によってハブ軸9の軸芯まわりで切り位置OFFから入り方向ONに揺動し、前記防水キャップ17と装飾キャプ18との間で前記取り付けボス部2aに取り付けて、一端側を前記ワイヤ連結具6に連結してあるリターンばね19の作用によってブレーキ切り位置OFFに復帰する。図6に示すように、ブレーキ操作部材5を切り位置OFFから入り方向ONに揺動操作すると、操作カム部5aに備えてある複数の入り操作カム面5cが複数個のローラ12に各別に対接してローラ12をローラケース13からケース外周面側に押し操作してブレーキシュー11をブレーキドラム10の方に押し操作することにより、ブレーキ操作部材5がいずれものブレーキシュー11をブレーキドラム10の側に圧接操作して摺動部材14の内周面14aに押し付け操作する。この時、ブレーキドラム10の回動力がブレーキシュー11やローラ12に作用するが、図3および図4に示す如くローラケース13から延出して固定部材2および防水キャップ17を貫通しているローラケース固定ピン20が固定部材2の図3の如きピン孔2bの端部で固定部材2に当接し、固定部材2がローラケース固定ピン20、ローラケース13を介してローラ12を支持することにより、かつ、全てのブレーキシュー11にわたって巻きかけてあるシュー押さえばね21がブレーキシュー11をローラ12に押し付け付勢しているためにローラ12の一部がブレーキシュー11の内周面側の凹入部11aに入り込んでいてブレーキシュー11を係止していることにより、ローラ12もブレーキシュー11もローラケース固定ピン20がピン孔2bの内部でリターンばね22に抗して移動するストロークだけブレーキドラム10の回動に付いて移動することがあるが、それ以上は移動しなくてブレーキシュー11による制動作用が可能になる。この状態から、図5に示すように、ブレーキ操作部材5を切り位置OFFに戻し操作すると、操作カム部5aに備えてある複数の切り凹入部5dが複数のローラ12に対接し、シュー押さえばね21の付勢力のためにローラ12がローラケース13の方に戻り移動し、ブレーキシュー11が摺動部材14から離れることを可能にすることにより、ブレーキ操作部材5がブレーキシュー11を摺動部材14に対する圧接解除位置に戻し操作する。
【0032】
前記摺動部材14はブレーキシュー11およびブレーキドラム10とは別の部品に形成してブレーキドラム10に摺動可能に嵌入してある。摺動部材14のブレーキシュー11に向かう内周面側に図7に示すようなグリース溝23を形成し、ブレーキシュー11が摺動部材14に対してブレーキグリースが介在する状態で摩擦して制動作用するように、摺動部材14とブレーキシュー11の間にブレーキグリースを前記グリース溝23によって貯留するようにしてある。
ブレーキシュー11をクロムモリブデン鋼材で作成し、摺動部材14を炭素鋼で作成し、ブレーキドラム10をアルミ合金材で作成してある。摺動部材14はブレーキドラム10の内周面10aとの間に比較的高い摩擦力が容易に得られるようにブレーキドラム10に圧入するとともに、摺動部材14のブレーキドラム10に接触する外周面に、摩擦係数の安定化を図る固体潤滑剤24の一例としての硬質クロームメッキまたは二硫化モリブデンをコーティングすることにより、ブレーキグリースが存在する場合のブレーキシュー11と摺動部材14の間の摩擦係数f1、ブレーキグリースが切れた場合のブレーキシュー11と摺動部材14の間の摩擦係数f3、摺動部材14とブレーキドラム10の間の摩擦係数f2の関係を、
摩擦係数f1<摩擦係数f2<摩擦係数f3
に設定してある。これにより、ブレーキグリースが存在していてブレーキシュー11と摺動部材14とがブレーキグリースを介して接触する場合にブレーキシュー11と摺動部材14の間に発生する摩擦力F1と、摺動部材14とブレーキドラム10の間に発生する摩擦力F2との関係を、
摩擦力F1<摩擦力F2
になるように設定してある。さらに、ブレーキグリースが切れてブレーキシュー11と摺動部材14とがブレーキグリースを介さないで直接に接触する場合には、ブレーキシュー11と摺動部材14の間の摩擦力がグリース切れのために前記摩擦力F1より強い摩擦力F3に変化し、この摩擦力F3と、摺動部材14とブレーキドラム4の間に発生する前記摩擦力F2との関係を、
摩擦力F2<摩擦力F3
になるように設定してある。
つまり、前記摩擦力F1,F2,F3の大きさ関係を、
摩擦力F1<摩擦力F2<摩擦力F3
に設定してある。
【0033】
要するに、ブレーキワイヤ3のインナーワイヤ3aを緩め操作してブレーキ操作部材5をリターンばね19によって切り位置OFFに操作してあると、ブレーキ操作部材5がローラ12およびブレーキシュー11をシュー押さえばね21による操作力によってローラケース13側に戻し操作することによってブレーキシュー11が摺動部材14から離れ、ブレーキ切りになっている。
ブレーキワイヤ3のインナーワイヤ3aを引っ張り操作してブレーキ操作部材5を切り位置OFFから入り方向ONに揺動操作すると、ブレーキ操作部材5が操作カム部5aによりローラ12を介してブレーキシュー11を摺動部材14に圧接操作する。この時、ブレーキグリースが存在していると、ブレーキシュー11と摺動部材14の間の摩擦力F1が摺動部材14とブレーキドラム10の間の摩擦力F2より小であることにより、摺動部材14がブレーキドラム10と共回りし、ブレーキシュー11が摺動部材14に摩擦制動力を付与することにより、ブレーキシュー11が摺動部材14を介してブレーキドラム10に制動作用して前車輪にブレーキが掛かる。ブレーキグリースが切れていると、ブレーキシュー11と摺動部材14の間の摩擦力F3が摺動部材14とブレーキドラム10の間の摩擦力F2より大になることにより、ブレーキシュー11が摺動部材14をブレーキドラム10と共回りしないように摩擦支持し、摺動部材14がブレーキドラム10に摩擦制動力を付与することにより、前車輪にブレーキが掛かる。これにより、グリース切れになっていても、ブレーキの効き過ぎが発生しないようにしながらブレーキ操作できる。
【0034】
すなわち、図8に示すように、ブレーキグリースが存在している時、切れている時のいずれにおいても、インナーワイヤ3aの引き操作ストロークSを多くするに伴い、ブレーキ操作部材5がブレーキシュー11を摺動部材14に圧接する操作力が入りカム面5cの傾斜面のために増大して前車輪に作用する制動力Bが増大するが、ブレーキグリースが存在している時は、ブレーキシュー11と摺動部材14の間の摩擦力F1によって制動力Bが発生することから、制動力Bは制動力線B2に沿って増大し、インナーワイヤ3aを限界まで引き操作することによって得られる最大制動力BX2まで増大する。そして、ブレーキグリースが切れている時は、摺動部材14とブレーキドラム10の間の摩擦力F2によって制動力Bが発生するとともに、この摩擦力F2は前記摩擦力F1より大であることから、この時の制動力Bは制動力線B1に沿って増大し、インナーワイヤ3aを限界まで引き操作することによって得られる最大制動力BX1まで増大する。前記摩擦力F2がF1より大であることから、前記最大制動力BX1は前記最大制動力BX2より大になる。摺動部材14が存在しなくてブレーキシュー11がブレーキドラム10に直接制動作用する場合、ブレーキグリースが切れると、ブレーキシュー11は前記摩擦力F3でブレーキドラム10に直接制動作用することになるために、インナーワイヤ3aの引き操作ストロークSを多くするに伴って制動力Bは制動力線B3に沿って増大し、インナーワイヤ3aを限界まで引き操作すると、制動力Bは最大制動力BX3になる。この時の最大制動力BX3は、前記摩擦力F3とF2との大きさ関係により、前記最大制動力BX1よりも大きい制動力になる。したがって、グレース切れが発生した際、インナーワイヤ3aを限界まで引き操作するブレーキ操作を行っても、前記最大制動力BX3よりも低い最大制動力BX1しか得られないのであり、この最大制動力BX1は前記摩擦力F2の設定により、ブレーキの効き過ぎが発生しない値の制動力に設定してある。
実際には、前記最大制動力BX1としてのタイヤ接線力が約45Kgで、前記最大制動力BX2としてのタイヤ接線力が約35Kgになるように構成して実施する。
【0035】
図4および図5に示すように、ブレーキドラム10の取り付け孔に組み込んだ球体61、この球体61を摺動部材14の外周面に押し付け付勢するように構成してブレーキドラム10の外周側に取り付けねじ62によって取り付けた球体押しばね63、摺動部材14の外周面側に摺動部材14の周方向に分散配置して形成してある複数個の図7の如き切り込み溝64により、報知装置60を構成してある。
【0036】
すなわち、摺動部材14とブレーキドラム10が一体回動する場合、球体61が摺動部材14に対して回動移動しなくて発音作用しないことにより、報知装置60は非作動状態にある。ブレーキグリースが切れて摺動部材14とブレーキドラム10との間にスリップが発生し、ブレーキドラム10と摺動部材14とが相対回動すると、ブレーキドラム10が球体61を保持しながら摺動部材14に対して回動することにより、球体61が摺動部材14の外周側をその周方向に移動し、摺動部材14の切り込み溝64を通過して行く。すると、球体61は切り込み溝64を通過する際、球体押しばね63による押し操作のために切り込み溝64に落ち込んで摺動部材14に衝突する際、球体61と摺動部材14との衝突音が発生する。これにより、報知装置60が作動状態になり、球体61と摺動部材14との衝突音によってグリース切れの発生を報知する。
【0037】
上記ハブブレーキの場合、摺動部材14やブレーキシュー11がブレーキドラム10の内側に位置することから、ブレーキ全体がコンパクトになる。これにより、組み付けに必要なスペースの面や、取扱の面などから自転車用車体への組み付けがしやすくなって有利である。このドラム内装式に替え、ブレーキシューをバンド式に形成し、ブレーキシューや摺動部材をブレーキドラムの外側に配置する外装式に構成して実施してもよい。
【0038】
上記ハブブレーキの場合、摺動部材が上記実施例の如くリング形状であることから、ブレーキドラムに圧入するだけで、特別な取り付け部材や圧接操作部材を備えなくとも、ブレーキドラムに対して所定の摩擦力が得られるように圧接できるととともに組み付けられる。これにより、摺動部材取り付け構造の面からブレーキが構造簡単に得られて有利である。このリング状摺動部材に替え、ブレーキドラムの周方向に分散配置する複数の摺動部材を採用して実施してもよい。
【0039】
つぎに、請求項6による自転車用ハブブレーキの実施例を説明する。
図9に示すように、自転車前輪用ハブ7の一端側に配置するように構成したブレーキドラム31、図2〜図5に示すハブブレーキのものと同様に構成したブレーキシュー11、ローラ12、ローラケース13、ブレーキ操作部材5、固定部材2などを備えるブレーキ本体30と、このブレーキ本体30の前記ブレーキドラム31と前記前輪用ハブ7の間に介装してブレーキドラム31を前輪用ハブ7に一体回転可能に連結するように構成したトルクリミッター40とにより、自転車前輪用のハブブレーキを構成してある。
【0040】
前記ブレーキ本体30は図9および図10に示すように構成してある。
すなわち、ブレーキワイヤ3のインナーワイヤ3aを緩め操作してブレーキ操作部材5をリターンばね19によって切り位置OFFに操作してあると、ブレーキ操作部材5の複数個の切り凹入部5dが複数個のローラ12に各別に対応して、シュー押さえばね21がローラ12およびブレーキシュー11をローラケース13の方に押し戻している。これにより、ブレーキシュー11がブレーキドラム31の内周面31aから離れてブレーキドラム31に対する制動作用を解除している。
ブレーキワイヤ3のインナーワイヤ3aを引っ張り操作してブレーキ操作部材5を切り位置OFFから入りON方向にハブ軸9の軸芯まわりで揺動操作すると、ブレーキ操作部材5の操作カム部5aが備えている複数の入り操作カム面5cが複数個のローラ12に各別に対接してローラ12をローラケース13からその外周面側に出る方向に押圧操作することにより、ブレーキ操作部材5がローラ12を介してブレーキシュー11をブレーキドラム31の内周面31aに圧接操作する。これにより、ブレーキシュー11がブレーキドラム31に摩擦して制動作用する。
【0041】
ブレーキドラム31のブレーキシュー11に向かう内周面側に図9に示すようなグリース溝23を形成し、ブレーキシュー11がブレーキドラム31に対してブレーキグリースが介在する状態で摩擦して制動作用するように、ブレーキドラム31とブレーキシュー11の間にブレーキグリースを前記グリース溝23によって貯留するようにしてある。
【0042】
図9に示すように、前輪用ハブ7の一端部の内側に玉受け部50aを形成するための筒状体50を、これの連結部50bでのねじ連結によって一体に回動するように構成して前輪用ハブ7に連結し、前輪用ハブ7の一端部に一端側が内嵌するように構成して前記筒状体50の端部に外嵌するとともに筒状体50のストッパー面50cによって抜け止めされるように構成したリング部材41、前輪用ハブ7の一端部の前記リング部材41よりも内側に内嵌するとともに前記筒状体50に外嵌した摩擦板42、この摩擦板42よりもハブ7の内側で摩擦板42と、前輪用ハブ7の端面7aとの間に配置して筒状体50に外嵌したスプリング43により、前記トルクリミッター40を構成してある。すなわち、リング部材41は、ハブ7および筒状体50に対して相対回転可能に嵌合し、ブレーキドラム31に対してスプライン部31bによって係合していることにより、ハブ7とは相対回転可能で、ブレーキドラム31とは一体に回転する。摩擦板42は、ハブ7に対してスプライン部42aによって一体回転および摺動可能に係合し、筒状体50対して相対回転および摺動可能に嵌合していることにより、ハブ7に対してハブ軸芯方向に摺動することのみが可能で、ハブ7とは一体に回転する。スプリング43がハブ7を反力部材として摩擦板42をリング部材41の側面41bに押圧し、ハブ7の回動トルクが摩擦板42とリング部材41との摩擦によってブレーキドラム31に伝達することを可能にし、かつ、ハブ7の回動トルクが摩擦板42とリング部材41の間の摩擦係数と、スプリング43の押圧力とによって決まる設定トルクT以上になると、摩擦板42とリング部材41がスリップして相対回転することを可能にしている。
つまり、前輪用ハブ7の回動トルクが設定トルクTより低い場合には、トルクリミッター40が入りになってブレーキドラム31とハブ7とを一体回転するように摩擦連結する。そして、前輪用ハブ7の回動トルクが設定トルクT以上になると、トルクリミッター40が切り作動してブレーキドラム31とハブ7とを相対回転させる。
【0043】
さらに、トルクリミッター40をハブ7の一端側の内部に位置するハブ内装式に構成してある。これにより、ハブブレーキがトルクリミッター付きでありながらコンパクトになり、組み付けに必要なスペースの面や、取扱の面などから自転車用車体への組み付けがしやすい。この種トルクリミッターとしては、摩擦板をブレーキドラムの方に取り付け、リング部材をハブの方に取り付けて実施してもよい。
【0044】
ブレーキグリースが存在していてブレーキシュー11がブレーキグリースを介してブレーキドラム31に接触する時にはブレーキ本体30によって図11に示す制動力B2が得られるように、かつ、ブレーキグリースが切れてブレーキシュー11がブレーキグリースを介さないでブレーキドラム31に接触する時にブレーキ本体30によって得られる制動力Bと、トルクリミッター40の前記設定トルクTとが図11に示す関係になるように、ブレーキ本体30およびトルクリミッター40を構成してある。
【0045】
すなわち、ブレーキグリースが存在している時、切れている時のいずれにおいても、インナーワイヤ3aの引き操作ストロークSを多くするに伴い、ブレーキ操作部材5がブレーキシュー11をブレーキドラム31に圧接する操作力が入りカム面5cの傾斜面のために増大して前車輪に作用する制動力Bが増大するが、ブレーキグリースが存在している時は、ブレーキシュー11とブレーキドラム31の間の摩擦力によって制動力Bが発生することから、制動力Bは制動力線B2に沿って増大し、インナーワイヤ3aを限界まで引き操作することによって得られる最大制動力BX2まで増大する。そして、ブレーキグリースが切れている時は、ブレーキシュー11とブレーキドラム31の間にブレーキグリースが存在している時よりも強い摩擦力が発生し、この強摩擦力によって制動力Bが発生することから、この時の制動力Bは制動力線B3に沿って増大する。そして、前記設定トルクTによって決まる制動力BX1まで増大すると、この後は、インナーワイヤ3aをさらに引き操作してブレーキシュー11をブレーキドラム31に圧接する操作力がさらに増大しても、トルクリミッター40が切り作動して前輪用ハブ7がブレーキドラム31に対してスリップ回動し、前車輪に実際に作用する制動力は前記制動力BX1で止まり、これ以上には増大しない。
つまり、トルクリミッター40が存在しなくてブレーキグリースが切れた場合、インナーワイヤ3aの引き操作ストロークを多くするに伴って前車輪に実際に作用する制動力が前記制動力BX1よりさらに増大し、インナーワイヤ3aを限界まで引き操作すると、前車輪に実際に作用する制動力Bは最大制動力BX3になる。ところがトルクリミター40が存在していることにより、グレース切れが発生した際にインナーワイヤ3aを限界まで引き操作するブレーキ操作を行っても、前車輪には前記最大制動力BX3よりも低い制動力BX1しか作用しなくて、ブレーキの効き過ぎが発生しないようにしながらブレーキ操作できる。
実際には、前記最大制動力BX1としてのタイヤ接線力が約45Kgで、前記最大制動力BX2としてのタイヤ接線力が約35Kgになるように構成して実施する。
【0046】
図9に示すように、ブレーキドラム31にこれの周方向に分散配置して取り付けた発音体71と、ハブ7にこれの周方向に分散配置して形成した複数の突条72とにより、報知装置70を構成してある。
【0047】
すなわち、トルクリミッター40が作用しない場合には、摩擦板42とリング部材41の摩擦のためにブレーキドラム31とハブ7とが一体回動することにより、ハブ7が発音体71に対して回動移動しない。これにより、報知装置70は非作動状態にある。トルクリミッター40が作用すると、摩擦板42とリング部材41とがスリップしてブレーキドラム31とハブ7とが相対回動することにより、ハブ7が発音体71に対して回動移動する。すると、突条72が発音体71を通過する都度、発音体71が突条71により弾かれて振動するために発音する。これにより、報知装置70が作動状態になり、発音体71から発生する音によってグリース切れの発生を報知する。
【0048】
トルクリミッターとしては、図12に示す構造のトルクリミッター80を採用して実施してもよい。
このトルクリミッター80は、ハブ7の一端側に内装したリング部材81、2枚のハブ側摩擦板82,82、2枚のブレーキ側摩擦板83,83、および、両摩擦板82,83よりもハブ7の内側に位置する皿バネ製スプリング84によって構成してある。
すなわち、リング部材81はボール85、玉押し86を介してハブ軸9によって回動可能に支持されるように構成してハブ1の端部に相対回動可能に内嵌するとともにスプライン部81aによってブレーキドラム31に一体に回動するように連結してある。ハブ側摩擦板82はスプライン部82aにより、ハブ7に対して一体に回動するように、かつ、ハブ軸芯方向に摺動可能なように連結し、ブレーキ側摩擦板83はスプライン部83aにより、リング部材81に対して一体に回動するように、かつ、ハブ軸芯方向に摺動可能なように連結してある。スプリング84は、リング部材81の端部に螺着してあるバネ受け87を反力部材として、ハブ側摩擦板82およびブレーキ側摩擦板83をリング部材81の側面81aに直接にあるいは間接的に押し付け付勢することにより、ハブ側摩擦板82とブレーキ側摩擦板83とを圧接させて両摩擦板82と83の間に摩擦力を発生するようにしている。
つまり、摩擦板82と83の摩擦力の強さによって前記設定トルクTを設定してあり、前輪用ハブ7の回動トルクが設定トルクTより低い場合には、ハブ7とリング部材81とが摩擦板82,83による摩擦力によって一体に回動する。これにより、トルクリミッター80が非作用状態になって、ブレーキドラム31とハブを一体に回動させる。前輪用ハブ7の回動トルクが設定トルクT以上になると、摩擦板82と83がスリップしてハブ7とリング部材81とが相対回動する。これにより、トルクリミッター80が作用状態になってブレーキドラム31とハブ7とを相対回動させる。
【0049】
トルクリミッターとしては、上記各実施例の如き摩擦式を採用する他、噛み合い式のクラッチと、このクラッチを入り付勢するとともにクラッチが切り作動するときのトルクを設定するスプリングとでなる噛み合い式を採用して実施してもよい。さらには、ハブの内部に配置するハブ内装式の他、ハブの外側に配置する外装式を採用して実施してもよい。
【0050】
〔別実施例〕
上記実施構造の如く、報知装置60または70を備えていると、この報知装置の作動により、グリース切れが発生したことを容易かつ確実に認識し、直ちにブレーキグリースを供給して正常な状態でのブレーキ操作ができるようになって便利であるが、報知装置を省略して実施してもよい。
【0051】
本発明は、ブレーキグリースを供給して使用するハブブレーキの他、ブレーキグリースを供給しないで使用するように構成されたハブブレーキの場合にも適応できる。すなわち、グリース非使用ブレーキの場合でも、錆が発生したり、塵埃が入り込むと、ブレーキシューとブレーキドラムの間の摩擦力が錆発生や塵埃進入のない時の摩擦力よりも大になり、ブレーキの効き過ぎになることがある。
【0052】
また、本発明は、上記実施例の如くブレーキシューをローラによってブレーキドラム側に圧接するブレーキの他、一対のブレーキシューを回転カムによってブレーキドラムの内面側に圧接したり、圧接解除するように構成した内拡式ブレーキにも適用できる。さらには、バンド式ブレーキにも適用できる。
【0053】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】自転車前輪用ハブブレーキ全体の側面図
【図2】自転車前輪用ハブブレーキ全体の正面図
【図3】ブレーキ操作部材取り付け部の側面図
【図4】自転車前輪用ハブブレーキの断面図
【図5】ブレーキ切り状態の説明図
【図6】ブレーキ入り状態の説明図
【図7】摺動部材の一部切欠き状態での斜視図
【図8】制動力の説明図
【図9】自転車前輪用ハブブレーキの断面図
【図10】ブレーキ切り状態の説明図
【図11】制動力の説明図
【図12】別実施トルクリミッターの断面図
【図13】従来のブレーキによる制動力の説明図
【符号の説明】
5 操作部材
7 ハブ
10,31 ブレーキドラム
10a 内周面
11 ブレーキシュー
14 摺動部材
40,80 トルクリミッター
41,81 リング部材
42,82 摩擦板
43,84 スプリング
F1,F2 摩擦力
Claims (8)
- 自転車のハブ(7)に一体回転可能に連結するブレーキドラム(10)と、このブレーキドラム(10)に制動作用するブレーキシュー(11)と、このブレーキシュー(11)を前記ブレーキドラム(10)側に圧接操作するブレーキ操作部材(5)とを備える自転車用ハブブレーキであって、
前記ブレーキドラム(10)とブレーキシュー(11)との間に両者(10),(11)に摺接可能な摺動部材(14)を介装し、前記ブレーキ操作部材(5)の操作でブレーキシュー(11)をブレーキドラム(10)側に圧接操作したとき、前記摺動部材(14)とブレーキシュー(11)との間に生じる摩擦力(F1)と、前記摺動部材(14)とブレーキドラム(10)との間に生じる摩擦力(F2)とが、互いに異なるように設定してある自転車用ハブブレーキ。 - 前記摺動部材(14)とブレーキシュー(11)との間の摩擦係数と、摺動部材(14)とブレーキドラム(10)との間の摩擦係数とを異ならせることにより、前記両摩擦力(F1),(F2)が異なるようにしてある請求項1記載の自転車用ハブブレーキ。
- 前記摺動部材(14)が前記ブレーキドラム(10)の内周面(10a)とブレーキシュー(11)の外周面との間に介装してある請求項2記載の自転車用ハブブレーキ。
- 前記摺動部材(14)とブレーキシュー(11)との間に生じる摩擦力(F1)の方が、この摺動部材(14)とブレーキドラム(10)との間に生じる摩擦力(F2)よりも小になるように設定してある請求項3記載の自転車用ハブブレーキ。
- 前記摺動部材(14)がリング状でブレーキドラム(10)の内周面(10a)に対して圧入してある請求項4記載の自転車用ハブブレーキ。
- 自転車のハブ(7)に一体回転可能に連結するブレーキドラム(31)と、このブレーキドラム(31)に制動作用するブレーキシュー(11)と、このブレーキシュー(11)を前記ブレーキドラム(31)側に圧接操作するブレーキ操作部材(5)とを備える自転車用ハブブレーキであって、
前記ブレーキドラム(31)とハブ(7)との間にトルクリミッター(40)、(80)を介装し、ブレーキドラム(31)とハブ(7)との間に設定値以上のトルクが作用すると、このトルクリミッター(40),(80)の作用で、前記ブレーキドラム(31)とハブ(7)とが相対回転する自転車用ハブブレーキ。 - 前記トルクリミッター(40),(80)が摩擦板(42,82)とこの摩擦板(42,82)に作用するスプリング(43,84)とからなり、前記ブレーキドラム(31)とハブ(7)とのうち、少なくとも一方(7)の側に前記摩擦板(42,82)をハブ軸芯方向にのみ摺動自在に取り付け、他方(31)の側にこの摩擦板(42,82)を前記スプリング(43,84)によって押圧してある請求項6記載の自転車用ハブブレーキ。
- 前記ブレーキドラム(31)に連動連結のリング部材(41,81)と前記摩擦板(42,82)とが、この摩擦板(42,82)が前記リング部材よりもハブ軸芯方向において内側に位置するようにしてそれぞれハブ(7)の一端部に、前記リング部材(41)は前記ハブに対して相対回転自在に、前記摩擦板(42,82)は前記ハブに対してハブ軸芯方向にのみ摺動自在に内嵌されるとともに、この摩擦板(42,82)よりもハブ軸芯方向において内側に位置するスプリング(43,84)によって前記摩擦板(42,82)がリング部材(41,81)に押圧されている請求項7記載の自転車用ハブブレーキ。
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