JP3636901B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は工作機械の主軸駆動などに利用される誘導電動機の出力トルクを任意に制御する誘導電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の主軸駆動などの用途には、すべり周波数型ベクトル制御によって駆動される誘導電動機が多く用いられている。このすべり周波数型ベクトル制御において、出力トルクを任意に制御するためには、電動機の二次抵抗r2、励磁インダクタンスMおよびトルク電流i1qに応じて正確なすべり周波数を電動機に与える必要がある。しかしながら、二次抵抗r2は、電動機の温度変化等によって2倍程度に大きく変動する。それにも拘わらず制御装置内においては、二次抵抗r2の値は変動が考慮されていない。その結果、電動機に与えられるすべり周波数が不正確となり、出力トルクを正確に制御することができない。この問題を解決するべく、本出願人等は既に特願平7−92165号において、誘導電動機の励磁インダクタンスMおよび二次抵抗r2の値が正確に把握できない場合や、これらの値が変動する場合においても常に出力トルクを精度良く制御できる誘導電動機の制御装置を提案している。
【0003】
図5に特願平7−92165号に開示された誘導電動機の制御装置のシステム構成の一例を示す。この制御装置に対して外部からの入力指令として、トルク指令T*および磁束密度指令φ*が入力される。変換器1は、磁束密度指令φ*に応じて必要な励磁電流指令値i1d*を算出し出力する励磁電流指令発生手段であり、磁束密度と励磁電流の関係は後述するように励磁インダクタンスMを意味している。この変換器1では、Mの逆数を磁束密度指令Φ*に乗算することによって励磁電流指令値i1d*が出力される。除算器2はトルク電流指令発生手段を構成し、入力されたトルク指令T*を入力された磁束密度指令φ*で除算するものであり、誘導電動機の出力トルクは磁束密度とトルク電流値との積に比例することから、除算器2の出力がトルク電流指令値i1q*として出力される。
【0004】
この特願平7−92165号による誘導電動機の制御装置の動作を図8の誘導電動機の等価回路をもとに説明する。電動機の一次電流I1,励磁電流Io,一次電圧E1は磁束の回転角周波数ωに同期して回転するdq軸座標上の一次電流i1d,i1q,励磁電流iod,ioq、一次電圧e1d,e1qを用いて次のように表される。
【0005】
【数1】
I1=i1d・sinωt+i1q・cosωt ・・・(1)
【数2】
Io=iod・sinωt+ioq・cosωt ・・・(2)
【数3】
E1=e1d・sinωt+e1q・cosωt ・・・(3)
このとき誘導電動機の一次回路について電圧方程式は次のように表される。
【0006】
【数4】
Figure 0003636901
【数5】
Figure 0003636901
ここでpは微分演算子d/dt、r1は一次巻線抵抗(一次抵抗)、Lσは漏れインダクタンス、Mは励磁インダクタンスである。
【0007】
次に二次回路についても同様に電圧方程式は次のように表される。
【0008】
【数6】
−r2・i1d+(r2+pM)iod−ωs・M・ioq=0 ・・・(6)
【数7】
−r2・i1q+ωs・M・iod+(r2+pM)ioq=0 ・・・(7)
ここでr2は二次巻線抵抗、ωsはすべり角周波数である。このωsは電動機の回転角周波数ωmを用いて次のように表される。
【0009】
【数8】
ωs=ω−ωm ・・・(8)
磁束方向がd軸に一致していると仮定すると、電動機内部の励磁電流ioは次のように表される。
【0010】
【数9】
io=φ/M=iod,ioq=0 ・・・(9)
(9)式と(6)式よりioとi1dとの関係を求めると次式を得る。
【0011】
【数10】
io/i1d=1/(1+pM/r2) ・・・(10)
すなわち、励磁電流ioはi1dに対して一次遅れで応答し、その時定数はM/r2である。この時定数は一般的な誘導電動機において数100msであり、ioの変化は十分に緩慢であると近似できる。
【0012】
一方、(9)式と(7)式より、次式を得る。
【0013】
【数11】
ωs=r2・i1q/(M・io) ・・・(11)
これがいわゆるベクトル制御条件と呼ばれるもので、この式を満たすすべり角周波数ωsを電動機に与えるとき、磁束方向がd軸に一致する。このときi1qが磁束に直交することから電動機の発生トルクTは、以下のようになる。
【0014】
【数12】
T=φ・i1q=M・io・i1q ・・・(12)
従って、i1qを制御することによって任意にトルクを制御することができる。
【0015】
前記のようにioの変化は十分に緩慢であると近似するとき、(4),(5)式は次のように書き直すことができる。
【0016】
【数13】
e1d=(r1+pLσ)i1d−ωLσ・i1q ・・・(13)
【数14】
e1q=ωLσ・i1d+(r1+pLσ)i1q+ωM・io ・・・(14)
これらの式より、i1d,i1qを任意に制御しようとするとき、電動機に印加する電圧(励磁電流同相電圧指令及びトルク電流同相電圧指令)をそれぞれ次のように制御すればよい。
【0017】
【数15】
e1d*=Gd・Δi1d−ωLσ・i1q*+r1・i1d*
r1・i1d*は他の項と比較し十分小さいので下記のように近似できる。
【0018】
e1d*=Gd・Δi1d−ωLσ・i1q* ・・・(15)
【数16】
e1q*=ωLσ・i1d*+Gq・Δi1q+r1・iq*+ωMc・io* ・・・(16)
ここで添え字*は指令値であることを意味しており、またΔi1d,Δi1qは次式で表される電流誤差である。
【0019】
【数17】
Δi1d=i1d*−i1d,Δi1q=i1q*−i1q ・・・(17)
Mcはコントローラ内で想定した励磁インダクタンスであり、実際の励磁インダクタンスMとは異なるものである。また、Gd,Gqは十分に大きなゲインであり、pi演算増幅器などを用いて実現する。この(15),(16)式は図5のdq軸電圧指令算出部4で演算されd軸電圧指令算出手段及びq軸電圧指令算出手段が構成されている。また、(11)式を満たすようにすべり角周波数算出手段を構成する除算器7、乗算器8によってすべり角周波数ωsが出力される。
【0020】
(12)式で表される出力トルクTを正確に制御しようとするとき、実際の励磁インダクタンスMがコントローラ内のMcと等しいこと、および(11)式のベクトル制御条件が成立し、磁束位置がd軸に一致していることが必要である。しかしながら先に述べたように、励磁インダクタンスおよび(11)式中の二次抵抗r2を正確に把握することは困難であり、その結果、出力トルク精度が悪化する。そこで特願平7−92165号においては、まず励磁インダクタンスについて同定を行っており、同定部61における励磁インダクタンス同定部の構成を図6に示す。また、励磁インダクタンスの同定は、次式に基づいて行なっている。
【0021】
【数18】
Gq・Δi1q=ω(M−Mc)io= ω・ΔM・io ・・・(18)
ここでΔMはコントローラ側で想定した励磁インダクタンスMcと実際の電動機内部の真値Mとの間の設定誤差である。なお、(18)式は次のように導出されている。電動機が無負荷でi1q=i1q*=0であるとすると、(14),(16)式は次のように変形できる。
【0022】
【数19】
e1q=ωLσ・i1d+ωM・io ・・・(19)
【数20】
e1q*=ωLσ・i1d*+Gq・Δi1q+ωMc・io* ・・・(20)
電流制御系の働きにより、i1d*=i1d,io*=io,e1q=e1q*として(19),(20)式の差より、(18)式が導出される。上記のように、i1q=i1q*=0の状態において励磁インダクタンスの同定がおこなわれる。すなわち、i1q=i1q*=0の状態のとき図6のコンパレータ22によってトルク電流指令i1q*が小さいことが検出され、無負荷状態のときのみ、スイッチ23が閉となり増幅器21によってGq・Δi1q(=Δeq)が増幅されて同定が行なわれる。(図6においてGq・Δi1qをΔeqで示してある。)前記増幅器21の出力は、磁束密度指令φ*の値をアドレスとするデータテーブル24に各磁束密度ごとに積分して保持される。この積分値は励磁インダクタンスMの設定誤差ΔMであり励磁インダクタンス補正値を示し、トルク指令が0でない場合においても、磁束密度指令φ*に応じて保持されている設定誤差ΔMを取り出して、変換器1の係数1/Mを補償しているので、常に補正された励磁インダクタンスMの真値を用いて制御することが可能である。
【0023】
次に二次抵抗r2は、次式に基づいて同定が行なわれる。同定部61における二次抵抗同定部の構成を図7に示す。
【0024】
【数21】
Gq・Δi1q=Δr2(ω/ωs)i1q ・・・(21)
ここでΔr2はコントローラ側で想定した値r2cと実際の値r2との間の設定誤差である。この(21)式は以下のように導出される。まず(11)式を変形して(22)式を得る。
【0025】
【数22】
ωM・io=(ω/ωs)r2・i1q ・・・(22)
この(22)式を(14)式に代入することによって、実際に電動機に発生するq軸電圧は次のように表すことができる。
【0026】
【数23】
e1q=ωLσ・i1d+(r1+pLσ)i1q+(ω/ωs)r2・i1q・・・(23)
一方、コントローラの出力する電圧e1q*は、(22),(16)式から次のように表すことができる。
【0027】
【数24】
e1q*=Gq・Δi1q+ωLσ・i1d*+(ω/ωs)r2c・i1q*+r1・i1q*・・・(24)
電流制御系の働きにより、i1d*=i1d,i1q*=i1q,e1q=e1q*として(23),(24)式の差を求めると、次式を得る。
【0028】
【数25】
Figure 0003636901
第1項は他の項に比べて比較的小さいので無視すると(21)式が、導き出される。
【0029】
すなわち(21)式よりGq・Δi1qは二次抵抗r2の設定誤差Δr2を表しており、この誤差はGq・Δi1qを用いて補正することが可能である。図5および図7において、Gq・Δi1qをΔeqと表しており、図7においてΔeqに増幅器25で同定ゲインGr2を乗算し、その出力に応じて変換器8の係数r2を補償している。
【0030】
以上のように、特願平7−92165号の発明では、制御に用いられるパラメータの励磁インダクタンスM、二次抵抗r2について、実際の電動機における真値を同定し、自動的に制御パラメータを適性に追従させているので、鉄心の磁気飽和の影響や電動機の製造上の寸法精度などによる励磁インダクタンスMの変動および電動機の温度変化等による二次抵抗r2の変動の影響を受けず、精度良く所望の出力トルクを得ることができる。
【0031】
特願平7−92165号の発明における他の構成要素の動作を以下に簡単に説明する。dq軸電圧指令算出部4は(15),(16)式の演算を行なっている。図中の減算器11が励磁電流指令値i1d*から励磁電流検出値i1dを減算して励磁電流誤差Δi1dが出力され、増幅器12はΔi1dを増幅してGd・Δi1dが出力される。変換器13、乗算器14ではトルク電流指令値i1q*と回転周波数ω、漏れインダクタンスLσから(15)式の第2項が算出され、これが減算器31によってGd・Δi1dから減算されて、d軸電圧指令e1d*が出力される。同様に減算器15はトルク電流指令値i1q*からトルク電流検出値i1qを減算して、トルク電流誤差Δi1qが求められ、これが増幅器16で増幅されて(16)式の第2項Gq・Δi1qが得られている。変換器20はトルク電流指令iq*に一次抵抗r1を乗算し(16)式の第3項を算出している。変換器18は励磁電流指令i1d*に漏れインダクタンスLσを乗算し、さらに乗算器19で回転角周波数ωが乗算されることによって(16)式の第1項ωLσ・i1d*が得られている。(16)式の第4項ωMc・io*は、図5の図中においてはem*/ω=Mc・io*と置き換えて乗算器19によって出力されており、前記の第1項、第4項と加算器33、34によって加算され、さらに前記の第2項と第3項と加算器33、34によって加算されて(16)式のトルク電流同相電圧指令e1d*が出力される。なお、em*/ωは図5の変換器17によって磁束密度指令φ*に誘起電圧係数Kemを掛けることによって求められている。励磁電流同相電圧指令e1d*、トルク電流同相電圧指令e1q*は、三相電圧指令発生手段を構成する図5の二相三相変換器3によって三相の交流電圧指令eu*、ev*、ew*に変換され、インバータ26に入力される。インバータ26は直流電源27をエネルギー源として、この三相の交流電圧指令eu*、ev*、ew*に応じた電圧を電動機28に印加することによって三相交流電流iu、iv、iwが流れる。この三相交流電流iu、iv、iwは電流検出器6a、6b、6cによって検出され、三相二相変換器9によって励磁電流検出器i1dおよびトルク電流検出値i1qに変換される。なお、二相三相変換器3と三相二相変換器9とが座標変換に使用する信号sinωt、cosωtは、角周波数指令ωを基に二相正弦波発生器10によって出力される。この角周波数指令ωは、位置検出器29によって検出された電動機28の回転位置を微分器30で微分することによって得た回転速度ωmに、すべり角周波数ωsを加算する角周波数指令算出手段によって得られている。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
インバータと電動機間の配線が長い場合や、ビルトインモータ等でコイルエンド部近辺に電動機以外の金属部品が取付けられた場合に、予め測定されていた電動機の一次抵抗および漏れインダクタンス(コントローラが想定していた一次抵抗および漏れインダクタンス)と実際の一次抵抗および漏れインダクタンスに誤差が大きく発生していた。このような場合、前記(21)式により同定した二次抵抗に誤差が発生していた。前記の様に一次抵抗および漏れインダクタンスに誤差がある場合(24)式は次式のようになる。
【0033】
【数26】
e1q*=Gq・Δi1q+ωLσc・i1d*+(ω/ωs)r2c・i1q*+r1c・i1q*・・・(26)
ここでLσc、r1cはそれぞれコントローラで想定している漏れインダクタンス、
一次抵抗である。
【0034】
一次抵抗誤差、漏れインダクタンス誤差をそれぞれΔr1、ΔLσとすると一次抵抗誤差、漏れインダクタンス誤差は次式の様になる。
【0035】
【数27】
Δr1=r1cーr1, ΔLσ=Lσc−Lσ ・・・(27)
次に、(25)式を求めたときと同様に(23)式、(26)式の差を求めると、次式を得る。
【0036】
【数28】
Figure 0003636901
ここで(21)式を求めたときと同様に第1項は他の項に比べて比較的小さいので無視すると次式の様になる。
【0037】
【数29】
Gq・Δi1q≒Δr2(ω/ωs)i1q+Δr1・i1q+ωΔLσ・i1d=0・・・(29)
以上の様に、予め設定されている(コントローラが想定していた)一次抵抗および漏れインダクタンスに大きな誤差がある場合、二次抵抗同定精度が悪化することがわかる。
【0038】
特に、一次抵抗に大きな誤差がある場合、トルク電流指令が正のときとトルク電流指令が負のときで二次抵抗同定値の値が異なり、出力トルクが悪化し電動機の加速時間と減速時間に大きな差が発生した。また、一次抵抗は二次抵抗同様に温度にも影響されるため温度により二次抵抗同定精度が悪化し、トルクの出力精度が悪化した。
【0039】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明にかかる誘導電動機の制御装置は、直流電流から変換された三相交流電流によって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令からなる二相指令を前記電動機の1次電流を制御するための三相電圧指令に変換し、前記誘導電動機三相の1次電流を検出しトルク電流検出値と励磁電流検出値からなる二相の検出値に変換し、フィードバック制御を行う誘導電動機の制御装置において、前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値とによって補正された励磁インダクタンスとに基づき励磁電流指令値を算出する励磁電流指令発生手段と、前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を出力するトルク電流指令発生手段と、前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出する手段と、前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出する手段と、前記励磁電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の漏れインダクタンスの補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令と、前記電動機の漏れインダクタンスの補正値により補正された漏れインダクタンスと、角周波数指令と、前記励磁電流誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算出手段と、前記トルク電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の一次抵抗の補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令と、前記一次抵抗補正値により補正された一次抵抗と、前記励磁電流指令と、前記漏れインダクタンスと、前記角周波数指令と、前記トルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と前記トルク電流同相電圧指令に基づき電動機の二次抵抗の補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二次抵抗補正値によって補正された二次抵抗値とに基づきすべり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、前記すべり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧指令と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段とを有し、二次抵抗の補正値を算出する手段は、前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と、前記トルク電流誤差に基づき、前記トルク電流指令が予め定められた符号の異なる2つの所定値のうち符号が正である所定値以上のときに算出した電動機の二次抵抗の補正値1と、前記トルク指令が予め定められた符号の異なる2つの所定値のうち符号が負である所定値以下のときに算出した電動機の二次抵抗の補正値2を算出し、前記二次抵抗の補正値1と二次抵抗の補正値2の平均値を二次抵抗補正値とすることを特徴とする。
【0040】
また、本発明に係る誘導電動機の制御装置は、直流電流から変換された三相交流電流によって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令からなる二相指令を前記電動機の1次電流を制御するための三相電圧指令に変換し、前記誘導電動機三相の1次電流を検出しトルク電流検出値と励磁電流検出値からなる二相の検出値に変換し、フィードバック制御を行う誘導電動機の制御装置において、前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値とによって補正された励磁インダクタンスとに基づき励磁電流指令値を算出する励磁電流指令発生手段と、前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を出力するトルク電流指令発生手段と、前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出する手段と、前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出する手段と、前記励磁電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の漏れインダクタンスの補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令と、前記電動機の漏れインダクタンスの補正値により補正された漏れインダクタンスと、角周波数指令と、前記励磁電流誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算出手段と、前記トルク電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の一次抵抗の補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令と、前記一次抵抗補正値により補正された一次抵抗と、前記励磁電流指令と、前記漏れインダクタンスと、前記角周波数指令と、前記トルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と前記トルク電流同相電圧指令に基づき電動機の二次抵抗の補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二次抵抗補正値によって補正された二次抵抗値とに基づきすべり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、前記すべり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧指令と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段と、を有し、一次抵抗の補正値を算出する手段は、前記トルク電流指令又は、前記トルク電流検出値と、前記トルク電流指令が予め定められた符号の異なる2つの所定値のうち符号が正である所定値以上のときのトルク電流誤差1と、前記トルク指令が予め定められた符号の異なる2つの所定値のうち符号が負である所定値以下のときのトルク電流誤差2に基づき、一次抵抗補正値を算出することを特徴とする。
【0041】
また、本発明に係る誘導電動機の制御装置は、直流電流から変換された三相交流電流によって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令からなる二相指令を前記電動機の1次電流を制御するための三相電圧指令に変換し、前記誘導電動機三相の1次電流を検出しトルク電流検出値と励磁電流検出値からなる二相の検出値に変換し、フィードバック制御を行う誘導電動機の制御装置において、前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値とによって補正された励磁インダクタンスとに基づき励磁電流指令値を算出する励磁電流指令発生手段と、前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を出力するトルク電流指令発生手段と、前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出する手段と、前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出する手段と、前記励磁電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の漏れインダクタンスの補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令と、前記電動機の漏れインダクタンスの補正値により補正された漏れインダクタンスと、角周波数指令と、前記励磁電流誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算出手段と、前記トルク電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の一次抵抗の補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令と、前記一次抵抗補正値により補正された一次抵抗と、前記励磁電流指令と、前記漏れインダクタンスと、前記角周波数指令と、前記トルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と前記トルク電流同相電圧指令に基づき電動機の二次抵抗の補正値を算出する手段と、前記トルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二次抵抗補正値によって補正された二次抵抗値とに基づきすべり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、前記すべり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧指令と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段と、を有し、漏れインダクタンス補正値算出する手段は、前記トルク電流指令又は、前記トルク電流検出値と、前記トルク電流指令が予め定められた符号の異なる2つの所定値のうち符号が正である所定値以上のときの励磁電流誤差1と、前記トルク電流指令が予め定められた符号の異なる2つの所定値のうち符号が負である所定値以下のときの励磁電流誤差2に基づき、漏れインダクタンス補正値を算出することを特徴とする。
【0042】
本発明による誘導電動機の制御装置によれば、誘導電動機の三相の1次電流検出値をトルク電流検出値と励磁電流検出値の二相の検出値に変換する三相二相変換手段によって、電動機電流の3つの瞬時値(例えばiu、iv、iw)から電動機内部の励磁電流(例えばi1d)およびトルク電流(例えばi1q)を直流量として検出し、これらを磁束密度指令から変換した励磁電流指令(例えばi1d*)およびトルク指令を変換したトルク電流指令(例えばi1q*)のそれぞれに対して独立にフィードバック制御を行い、更に、トルク指令が小さな無負荷状態においては、磁束密度指令に対する励磁インダクタンス(M)をトルク電流の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)を用いて同定する。また、漏れインダクタンスLσを励磁電流の誤差アンプの出力(Gd・Δi1d)とトルク電流指令を用いて同定し、さらに一次抵抗、および二次抵抗r2についてもトルク電流の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)とトルク電流指令を用いて同定しており、漏れインダクタンスと一次抵抗については、同定感度が高い領域(トルク電流指令が任意の設定値以上の領域)で同定し同定感度が低い領域では同定感度が高い領域で同定した同定値を保持して用いる。二次抵抗r2の同定については、二次抵抗の同定値をトルク電流指令の符号により同定仕分け、トルク電流指令の符号より同定仕分けした2つの同定値の平均値を二次抵抗の同定値とすることにより他の電動機の電気定数(一次抵抗または漏れインダクタンス)の影響を少なくすることが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る誘導電動機の制御装置の一実施形態のブロック図である。図5に示す従来の誘導電動機の制御装置と同じ構成要素は同一符号で示してあり、その説明は重複するので省略する。
【0044】
図1中の二次抵抗8および一次抵抗20は、パラメータ同定部61により同定された二次抵抗同定値および一次抵抗同定値であり、前記二次抵抗同定値を用いすべり角周波数を求める。また、図1中に示す漏れインダクタンスσは、パラメータ同定部60により同定された漏れインダクタンス同定値である。前記一次抵抗同定値および前記漏れインダクタンス同定値を用いdq軸電圧指令算出部4においてd軸電圧指令e1d*及びq軸電圧指令e1q*を算出する。パラメータ同定部60は、漏れインダンクタンス補正手段により構成され、パラメータ同定部61は、二次抵抗補正手段および一次抵抗補正手段により構成される。
【0045】
図2は、本発明に係わる二次抵抗補正手段および一次抵抗補正手段の一実施形態のブロック図である。二次抵抗補正手段は、トルク電流指令i1q*とトルク電流iqの誤差アンプ出力Δeq(=Gq・Δi1q)を入力とし、トルク電流指令i1q*を予め設定されている2つの符号の異なる基準値iqref1、iqref2とコンパレータ37、38で比較する。例えば、符号が正の基準値をiqref1とし、符号が負の基準値をiqref2とする。トルク電流誤差アンプ出力Δeqを演算器25で演算し二次抵抗補正値を出力する。トルク電流指令i1q*がiqref1以上のときコンパレータ37の出力がHighになりスイッチ39がONし、演算器25の出力をフィルター41でフィルタリングする。トルク電流指令i1q*がiqref1以下になるとコンパレータ37の出力がLowになりスイッチ39がOFFしフィルター41の出力が保持される。トルク電流指令i1q*がiqref2以下のときコンパレータ38の出力がHighになりスイッチ40がONし、演算器25の出力をフィルター42でフィルタリングする。トルク電流指令i1q*がiqref2以上になるとコンパレータ38の出力がLowになりスイッチ40がOFFしフィルター42の出力が保持される。フィルター41、42の出力を平均化手段45で平均し、二次抵抗同定値として出力する。トルク電流指令i1q*がiqref1以上のときフィルター41でフィルタリングされた二次抵抗の補正値と、トルク電流指令i1q*がiqref2以下のときフィルター42でフィルタリングされた二次抵抗の補正値の差を減算器43により演算する。減算器43の出力から演算器44により一次抵抗補正値Δr1を演算し、コントローラ側で想定した一次抵抗初期値r1cと加算器46により加算し、一次抵抗r1を同定して出力する。演算器44には、pi演算増幅器などを用いる。
【0046】
図3は、本発明に係わる一次抵抗同定手段の他の実施形態である。図2と同じ構成要素は同一符号で示してあり、その説明は重複するので省略する。トルク電流指令とトルク電流の誤差アンプ出力Δeqを入力とし、トルク電流指令i1q*を予め設定されている2つの符号の異なる基準値iqref1、iqref2とコンパレータ37、38で比較する。除算器48でトルク電流誤差アンプ出力Δeqをトルク電流指令の絶対値|i1q*|で除算し、除算器48の出力をフィルター41、42の入力とする。
【0047】
図4は、本発明に係わる漏れインダクタンス補正手段の一実施形態である。トルク電流指令i1q*と励磁電流誤差アンプ出力Δed(=Gd・Δi1d)、角周波数指令ωを入力とする。トルク電流指令i1q*を予め設定されている2つの符号の異なる基準値iqref3、iqref4とコンパレータ49、50で比較する。例えば、符号が正の基準値をiqref3とし、符号が負の基準値をiqref4とする。変換器59で角周波数の符号により誤差アンプ出力Δedの符号を変換し、除算器51で変換器59の出力をトルク電流指令の絶対値|i1q*|で除算する。トルク電流指令i1q*がiqref3以上のときコンパレータ49の出力がHighになりスイッチ52がONし、除算器51の出力をフィルター54でフィルタリングする。トルク電流指令i1q*がiqref3以下になるとコンパレータ49の出力がLowになりスイッチ52がOFFしフィルター54の出力が保持される。トルク電流指令i1q*がiqref4以下のときコンパレータ50の出力がHighになりスイッチ53がONし、除算器51の出力をフィルター55でフィルタリングする。トルク電流指令i1q*がiqref4以上になるとコンパレータ50の出力がLowになりスイッチ53がOFFしフィルター55の出力が保持される。減算器56でフィルタ54、55の出力を減算し、減算器56の出力を演算器57で演算し、コントローラ側で想定した漏れインダクタンス初期値Lσcと加算器58により加算し、漏れインダクタンスを同定して出力する。演算器57には、pi演算増幅器などを用いる。
【0048】
この結果、コントローラで想定した一次抵抗および漏れインダクタンスに誤差があった場合でも、一次抵抗補償値および漏れインダクタンス補償値を演算し、正確な一次抵抗および漏れインダクタンスを同定することができる。また、前記一次抵抗および漏れインダクタンスの同定値をdq軸圧指令算出部4に用いることにより二次抵抗の同定に悪影響を及ぼさないため正確な二次抵抗の同定が可能となった。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明において誘導電動機内部の励磁電流およびトルク電流は、それぞれ独立にフィードバック制御されており、その制御に用いられるパラメータの励磁インダクタンスM、二次抵抗r2、および一次抵抗r1、漏れインダクタンスLσは正確な値を制御に用いることができる。特に二次抵抗値r2は、一次抵抗および漏れインダクタンスの初期値に誤差がある場合でも正確な同定値を制御に用いることができる。
【0050】
その結果、鉄心の磁気飽和の影響や電動機の製造上の寸法精度などによる励磁インダクタンスMの変動および電動機の温度変化等による二次抵抗r2および一次抵抗の変動の影響を受けず、また、誘導電動機取付け時に発生する一次抵抗r1および漏れインダクタンスLσの変動の影響を受けず常に精度良く所望の出力トルクを得ることができる。このため、従来は適用する電動機にあわせて制御パラメータの測定および調整が必要であったが、この調整を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による誘導電動機の制御装置の一実施形態のブロック図である。
【図2】 本発明による二次抵抗同定手段の一実施形態のブロック図である。
【図3】 本発明による一次抵抗同定手段の一実施形態のブロック図である。
【図4】 本発明による漏れインダクタンス同定手段の一実施形態のブロック図である。
【図5】 従来の誘導電動機の制御装置のブロック図である。
【図6】 励磁インダクタンス同定手段のブロック図である。
【図7】 従来の二次抵抗同定手段のブロック図である。
【図8】 誘導電動機の等価回路図である。
【符号の説明】
3 二相三相変換器、4 dq軸電圧指令算出部、6 電流検出器、9 三相二相変換器、10 二相正弦波発生器、24 データテーブル、26 インバータ、27 直流電源、28 誘導電動機、29 位置検出器、30 微分器、45 平均化手段、14,19 乗算器、2,7,48,51 除算器、41,42,54,55 フィルター、11,15,31,43,56 減算器、23,39,40,52,53 スイッチ、12,16,21,25,44,57 増幅器、22,32,37,38,49,50 コンパレータ、1,8,13,17,18,20,59 変換器、33,34,35,36,46,47,58 加算器。

Claims (3)

  1. 直流電源から変換された三相交流電流によって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令からなる二相指令を前記誘導電動機の1次電流を制御するための三相電圧指令に変換する手段と、前記誘導電動機の三相の1次電流を検出しトルク電流検出値と励磁電流検出値からなる二相の検出値に変換すると共に、この二相の検出値を前記二相指令を三相電圧指令に変換する手段にフィードバックする手段とを備えた誘導電動機の制御装置において、
    前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値とによって補正された励磁インダクタンスに基づき励磁電流指令値を算出する励磁電流指令発生手段と、
    前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を出力するトルク電流指令発生手段と、
    前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出する手段と、
    前記励磁電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の漏れインダクタンスの補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と、前記電動機の漏れインダクタンスの補正値によって補正された漏れインダクタンスと、角周波数指令と、前記励磁電流誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算出手段と、
    前記トルク電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の一次抵抗の補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と、前記一次抵抗補正値により補正された一次抵抗と、前記励磁電流指令と、前記補正された漏れインダクタンスと、前記角周波数指令と、前記トルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、
    前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と前記トルク電流誤差に基づき電動機の二次抵抗の補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二次抵抗補正値によって補正された二次抵抗値とに基づきすべり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、
    前記すべり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、
    前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧指令と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段と、
    を有し、
    前記二次抵抗の補正値を算出する手段は、
    前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と、前記トルク電流誤差に基づき、前記トルク電流指令が予め定められた2つの所定値のうち一方の所定値以上のときに算出した電動機の二次抵抗の補正値1と、前記トルク指令が予め定められた2つの所定値のうち他方の所定値以下のときに算出した電動機の二次抵抗の補正値2を算出し、前記二次抵抗の補正値1と二次抵抗の補正値2の平均値を二次抵抗補正値とすることを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. 直流電源から変換された三相交流電流によって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令からなる二相指令を前記誘導電動機の1次電流を制御するための三相電圧指令に変換する手段と、前記誘導電動機の三相の1次電流を検出しトルク電流検出値と励磁電流検出値からなる二相の検出値に変換すると共に、この二相の検出値を前記二相指令を三相電圧指令に変換する手段にフィードバックする手段とを備えた誘導電動機の制御装置において、
    前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値とによって補正された励磁インダクタンスに基づき励磁電流指令値を算出する励磁電流指令発生手段と、
    前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を出力するトルク電流指令 発生手段と、
    前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出する手段と、
    前記励磁電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の漏れインダクタンスの補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と、前記電動機の漏れインダクタンスの補正値によって補正された漏れインダクタンスと、角周波数指令と、前記励磁電流誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算出手段と、
    前記トルク電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の一次抵抗の補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と、前記一次抵抗補正値により補正された一次抵抗と、前記励磁電流指令と、前記補正された漏れインダクタンスと、前記角周波数指令と、前記トルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、
    前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と前記トルク電流誤差に基づき電動機の二次抵抗の補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二次抵抗補正値によって補正された二次抵抗値とに基づきすべり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、
    前記すべり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、
    前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧指令と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段と、
    を有し、
    前記一次抵抗の補正値を算出する手段は、
    前記トルク電流指令又は、前記トルク電流検出値と、前記トルク電流指令が予め定められた2つの所定値のうち一方の所定値以上のときのトルク電流誤差1と、前記トルク指令が予め定められた2つの所定値のうち他方の所定値以下のときのトルク電流誤差2の差に基づき、一次抵抗補正値を算出することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  3. 直流電源から変換された三相交流電流によって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令からなる二相指令を前記誘導電動機の1次電流を制御するための三相電圧指令に変換する手段と、前記誘導電動機の三相の1次電流を検出しトルク電流検出値と励磁電流検出値からなる二相の検出値に変換すると共に、この二相の検出値を前記二相指令を三相電圧指令に変換する手段にフィードバックする手段とを備えた誘導電動機の制御装置において、
    前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値とによって補正された励磁インダクタンスに基づき励磁電流指令値を算出する励磁電流指令発生手段と、
    前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を出力するトルク電流指令発生手段と、
    前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出する手段と、
    前記励磁電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の漏れインダクタンスの補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と、前記電動機の漏れインダクタンスの補正値によって補正された漏れインダクタンスと、角周波数指令と、前記励磁電流誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算出手段と、
    前記トルク電流誤差と、前記トルク電流指令に基づき電動機の一次抵抗の補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令と、前記一次抵抗補正値により補正された一次抵抗と、前記励磁電 流指令と、前記補正された漏れインダクタンスと、前記角周波数指令と、前記トルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、
    前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と前記トルク電流誤差に基づき電動機の二次抵抗の補正値を算出する手段と、
    前記トルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二次抵抗補正値によって補正された二次抵抗値とに基づきすべり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、
    前記すべり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、
    前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧指令と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段と、
    を有し、
    前記漏れインダクタンスの補正値を算出する手段は、
    前記トルク電流指令又は、前記トルク電流検出値と、前記トルク電流指令が予め定められた2つの所定値のうち一方の所定値以上のときの励磁電流誤差1と、前記トルク指令が予め定められた2つの所定値のうち他方の所定値以下のときの励磁電流誤差2の差に基づき、漏れインダクタンス補正値を算出することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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