JP2000037098A - 速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置 - Google Patents

速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置

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JP2000037098A
JP2000037098A JP10200822A JP20082298A JP2000037098A JP 2000037098 A JP2000037098 A JP 2000037098A JP 10200822 A JP10200822 A JP 10200822A JP 20082298 A JP20082298 A JP 20082298A JP 2000037098 A JP2000037098 A JP 2000037098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】3相インバータの容量を低減すること。 【解決手段】dq軸回転座標系上で3相インバータ1の
制御を行うベクトル制御手段を、磁束・トルク指令から
トルク軸・磁束軸電流指令を演算する電流指令演算手段
5、少くともトルク軸・磁束軸電流指令からd軸・q軸
電圧指令を演算する電圧指令演算手段6、d軸・q軸電
圧指令からd軸・q軸電圧指令からなる電圧指令の大き
さと磁束軸に対する角度を演算する座標変換手段7、電
動機の電流と電流指令と電圧指令の少くとも一つから3
相インバータ1の出力周波数を演算する出力周波数演算
手段11、3相インバータ1の出力周波数を積分した位相
と電圧指令の角度から3相インバータ1のゲートを制御
するゲート制御手段8、電圧指令と電圧指令の大きさと
電動機の電流と電流指令の少くとも一つから電動機の状
態量を指令と一致させるよう磁束指令を補正する磁束指
令補正手段10から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速度検出器を用い
ずに誘導電動機の磁束とトルクとを制御する速度センサ
レスベクトル制御を適用した電力変換装置に係り、特に
3相インバータが出力電圧の大きさが一定である定電圧
可変周波数(以下、CVVFと称する)動作をする場合
においても、出力電圧の大きさが最大値で固定としたま
ま制御可能として3相インバータの容量を低減できるよ
うにした速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、速度センサレスベクトル制御
を適用した電力変換装置に関しては、数多くの公知例が
存在する。
【0003】例えば、“「誘導電動機の速度・電圧セン
サレスベクトル制御法」昭62電学論D107第2号”
や“「センサレスベクトル制御インバータ」昭63電学
誌108第2号”等に、誘導電動機を駆動する速度セン
サレスベクトル制御の一例が開示されている。
【0004】図18は、この種の速度センサレスベクト
ル制御を適用した従来の電力変換装置の概略構成例を示
すブロック図である。
【0005】図18において、直流を任意の周波数の交
流に変換する3相インバータ1と、この3相インバータ
1の交流側に接続されて駆動される誘導電動機2と、3
相インバータ1の直流側に接続されたフィルタコンデン
サ3とから主回路が構成され、速度センサレスベクトル
制御により電動機駆動制御を行なうようになっている。
【0006】一方、速度センサレスベクトル制御は、電
流・電圧・磁束をベクトル量として制御するものであ
り、磁束軸に一致した軸をd軸とし、このd軸に直交す
る軸(トルク軸)をq軸とし、3相インバータ1の出力
周波数の回転角周波数と同一の速さで回転するdq軸回
転座標系上で、速度検出器を用いずに3相インバータ1
の制御を行なう。
【0007】図20は、座標系の関係を示す概念図であ
る。
【0008】図20において、ab軸直交座標系は、静
止座標系である。また、dq軸直交座標系は、回転座標
系であり、ab軸静止座標系に対してθabの位相差を
有している。さらに、出力電圧Vは、d軸から位相差θ
vの位置に出力されるものとする。なお、uvw軸は、
静止座標系上で、各々120degの位相差を有する軸
であり、a軸とu軸とが一致する。
【0009】速度センサレスベクトル制御にも様々な方
式があるが、ここでは、誘導電動機2の2次磁束とd軸
とが一致するように制御を行なう方式とする。従って、
以下の説明における磁束という記述は、2次磁束のこと
を指し示すものとする。
【0010】ベクトル制御部は、電流検出器4と、電流
指令演算部5と、電圧指令演算部6と、座標変換部7
と、ゲート制御部8と、積分部9と、出力周波数演算部
11とから構成される。
【0011】すなわち、電流検出器4では、誘導電動機
2に流れる相電流Iu ,Iw を検出する。
【0012】電流指令演算部5においては、磁束指令φ
* とトルク指令Tm* とを入力として、例えば次式によ
り、磁束軸(d軸)電流指令Id* とトルク軸(q軸)
電流指令Iq* とを演算する。
【0013】
【数1】
【0014】ただし、M:相互インダクタンス、L2:
2次インダクタンス。
【0015】電圧指令演算部6においては、磁束軸(d
軸)電流指令Id* とトルク軸(q軸)電流指令Iq*
とを入力として、例えば次式により、d軸電圧指令Vd
* とq軸電圧指令Vq* とを演算する。
【0016】
【数2】
【0017】ただし、R1:1次抵抗、L1:1次イン
ダクタンス、σL1:漏れインダクタンス(=L1×
(1−(M×M/L1/L2)))、ωi:インバータ
出力周波数。
【0018】座標変換部7においては、電圧指令演算部
6からの出力であるd軸電圧指令Vd* とq軸電圧指令
Vq* とを入力して、例えば次式により、電圧指令の大
きさ|V|とd軸からの位相角θvとを演算する。
【0019】
【数3】
【0020】ゲート制御部8においては、座標変換部7
からの出力である電圧指令の大きさ|V|と電圧指令の
d軸からの位相角θvと、3相インバータ1の出力周波
数ωiを積分する積分部9からの出力である回転座標系
d軸の静止座標系a軸からの位相角θabとに基づい
て、ゲート信号を作成する。
【0021】例えば、三角波比較PWM制御方式の場合
には、電圧指令の大きさ|V|と電圧指令のd軸からの
位相角θvと、回転座標系d軸の静止座標系a軸からの
位相角θabとに基づいて、例えば次式により、U相電
圧指令Vu* とV相電圧指令Vv* とW相電圧指令Vw
* とを演算する。
【0022】
【数4】
【0023】そして、このU相電圧指令Vu* とV相電
圧指令Vv* とW相電圧指令Vw*とを三角波と比較
し、その大小に応じて、3相インバータ1のスイッチン
グ素子のオン・オフの信号を作成するものである。
【0024】上述の方式では、出力電圧の大きさ|V|
とd軸から出力電圧の位相θvとにより、出力電圧の大
きさと位相とが任意に制御可能である。
【0025】出力周波数演算部11においては、電圧指
令演算部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸
電圧指令Vq* 、誘導電動機2の電流を検出する電流検
出器4からの出力である各相電流Iu,Iw、電流指令
演算部5からの出力である磁束軸電流指令Id* ,トル
ク軸電流指令Iq* に基づいて、3相インバータ1の出
力周波数ωiを演算する。
【0026】図19は、出力周波数演算部11の構成例
を示すブロック図である。
【0027】図19において、出力周波数演算部11
は、誘起電圧演算部21と、除算器32と、比例積分制
御器33と、加算器31とから構成される。
【0028】誘起電圧演算器21においては、例えば次
式により、d軸誘起電圧Edとq軸誘起電圧Eqとを演
算する。
【0029】
【数5】
【0030】
【数6】
【0031】ただし、s:ラプラス演算子。
【0032】除算器32においては、誘起電圧演算器2
1により演算されたq軸誘起電圧Eqを磁束指令φ*
割り、出力周波数基準ωirefを演算する。
【0033】比例積分制御器33においては、誘起電圧
演算器21により演算されたd軸誘起電圧Edを入力と
し、例えば次式により、3相インバータ1の出力周波数
ωiへの補正量Δωiを演算する。
【0034】
【数7】
【0035】ただし、Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲ
イン。
【0036】出力周波数補正量Δωiは、出力周波数基
準ωirefと加算器31により加算され、出力周波数ωi
となる。
【0037】図19の構成では、q軸誘起電圧Eqに基
づいて演算された出力周波数基準ωirefを、d軸誘起電
圧Edに基づいて補正している。
【0038】ベクトル制御が成り立つ場合、定常状態の
ベクトル図は、例えば図21に示すようになる。この場
合には、d軸と磁束軸とが一致し、d軸誘起電圧Edは
発生しない。
【0039】また、ベクトル制御が成り立たない場合、
すなわち軸ずれを生じている場合のベクトル図は、例え
ば図22に示すようになる。軸ずれにより、磁束軸とd
軸が一致しない場合には、磁束とは誘起電圧が直交する
ため、d軸誘起電圧Edが発生する。従って、d軸誘起
電圧Edに基づいて3相インバータ1の出力周波数ωi
を補正することにより、軸ずれを補償して、磁束軸とd
軸とを一致させることが可能である。
【0040】積分部9においては、出力周波数演算部1
1によりこのようにして演算された出力周波数ωiを入
力とし、出力周波数ωiを積分して、その積分値が出力
される。この積分部9の出力は、静止座標系a軸から回
転座標系d軸までの回転位相角θabである。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな従来の速度センサレスベクトル制御を適用した電力
変換装置においては、誘導電動機2のトルクを制御する
ために、出力電圧の大きさと位相と周波数とが可変であ
ることが必要である。
【0042】しかしながら、3相インバータ1の容量を
低減するためには、出力電圧の大きさを最大限に利用す
ることが不可欠である。速度センサレスベクトル制御に
おいて、出力電圧の大きさを可変とするために、出力電
圧の大きさに余裕を持たせることは、3相インバータ1
の容量増加を招くことになり、好ましくない。
【0043】本発明の目的は、3相インバータが出力電
圧の大きさが一定であるCVVF動作をする場合におい
ても、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御
可能として3相インバータの容量を低減することが可能
な速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置を
提供することにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、直流を任意の周波数の交流
に変換する3相インバータと、当該3相インバータの直
流側に接続されたフィルタコンデンサと、3相インバー
タの交流側に接続されて駆動される電動機とから主回路
を構成し、磁束軸に一致した軸をd軸とし、当該d軸に
直交する軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系
上で、速度検出器を用いずに3相インバータの制御を行
なうベクトル制御手段を備えて構成される電力変換装置
において、上記ベクトル制御手段として、磁束指令とト
ルク指令とに基づいて、トルク軸電流指令であるq軸電
流指令と磁束軸電流指令であるd軸電流指令とを演算す
る電流指令演算手段と、少なくとも電流指令演算手段に
より算出されたトルク軸電流指令と磁束軸電流指令とを
入力とし、当該入力に基づいてd軸電圧指令とq軸電圧
指令とを演算する電圧指令演算手段と、電圧指令演算手
段により演算されたd軸電圧指令とq軸電圧指令とを入
力とし、当該d軸電圧指令とq軸電圧指令とからなる電
圧指令の大きさと磁束軸に対する電圧指令の角度とを演
算する座標変換手段と、電動機に流れる電流を検出する
電流検出手段と、電流検出手段により検出された電動機
の電流と電流指令演算手段により演算された電流指令と
電圧指令演算手段により演算された電圧指令のうちの少
なくとも一つに基づいて、3相インバータの出力周波数
を演算する出力周波数演算手段と、出力周波数演算手段
により演算された3相インバータの出力周波数を入力と
し、当該入力された3相インバータの出力周波数を積分
して位相を演算する積分手段と、積分手段により演算さ
れた位相と座標変換手段により演算された電圧指令の角
度とに基づいて、3相インバータのゲートを制御するゲ
ート制御手段と、電圧指令演算手段により演算された電
圧指令と座標変換手段により演算された電圧指令の大き
さと電流検出手段により検出された電動機の電流と電流
指令演算手段により演算された電流指令のうちの少なく
とも一つに基づいて、電動機の状態量を対応する指令と
一致させるように、磁束指令を補正する磁束指令補正手
段とを備える。
【0045】従って、請求項1の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、電動機の状態量と
対応する各指令との差異に基づいて磁束指令を補正する
ことにより、電動機の各状態量と対応する指令とが一致
し、3相インバータの出力トルクをその指令に追従させ
ることができる。1パルスモードにおいても動作可能で
あり、3相インバータの電圧を最大限に利用することが
できる。
【0046】また、請求項2の発明では、上記請求項1
の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置において、上記磁束指令補正手段としては、電圧指
令演算手段により演算された電圧指令と座標変換手段に
より演算された電圧指令の大きさと電流検出手段により
検出された電動機の電流と電流指令演算手段により演算
された電流指令のうちの少なくとも一つに基づいて、磁
束補正量を演算する磁束補正量演算手段と、磁束補正量
演算手段により演算された磁束補正量と磁束指令とを加
算する加算手段とから成る。
【0047】従って、請求項2の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、電動機の各状態量
と対応する指令との差異に基づいて磁束補正量を演算
し、この磁束補正量を磁束指令に加算することで磁束指
令を補正することにより、電動機の状態量と対応する各
指令とが一致し、3相インバータの出力トルクをその指
令に追従させることができる。1パルスモードにおいて
も動作可能であり、3相インバータの電圧を最大限に利
用することができる。
【0048】さらに、請求項3の発明では、上記請求項
2の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変
換装置において、上記磁束補正量演算手段としては、3
相インバータの出力電圧の大きさを示す電圧長を演算す
る出力電圧長演算手段と、出力電圧長演算手段により演
算された出力電圧の大きさから座標変換手段により演算
された電圧指令の大きさを減算して偏差を演算する減算
手段と、減算手段にて演算された電圧の偏差に基づい
て、磁束の補正量を演算する第2の磁束補正量演算手段
とから成る。
【0049】従って、請求項3の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、3相インバータか
ら実際に出力される出力電圧の大きさ|V|* と電圧指
令に基づく出力電圧の大きさ|V|との偏差に基づい
て、この偏差が零となるように磁束補正量を演算し、こ
の磁束補正量を磁束指令に加算することで磁束指令を補
正することにより、3相インバータから出力され、電動
機にかかる実際の電圧長と電圧指令長とが一致すること
で、電動機の各状態量が対応する各指令と一致し、3相
インバータの出力トルクをその指令に追従させることが
できる。1パルスモードにおいても動作可能であり、3
相インバータの電圧を最大限に利用することができる。
【0050】さらにまた、請求項4の発明では、上記請
求項3の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電
力変換装置において、上記出力電圧長演算手段として
は、フィルタコンデンサにかかる直流リンク電圧を検出
する電圧検出手段と、電圧検出手段により検出された直
流リンク電圧に基づいて、出力電圧長を演算する第2の
出力電圧長演算手段とから成る。
【0051】従って、請求項4の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、3相インバータか
ら出力される実際の出力電圧の大きさと指令としての出
力電圧の大きさとの偏差に基づいて、この偏差が零とな
るように磁束補正量を演算し、この磁束補正量を磁束指
令に加算することで磁束指令を補正することにより、電
動機にかかる実際の電圧長と電圧指令長とが一致するこ
とで、電動機の各状態量が対応する各指令と一致し、出
力トルクをその指令に追従させることができる。1パル
スモードにおいても動作可能であり、3相インバータの
電圧を最大限に利用することができる。
【0052】特に、直流リンク電圧が変動するような場
合にも、直流リンク電圧に応じた出力電圧の大きさを算
出することで、直流リンク電圧の変動にも関わらず、出
力トルクをその指令に追従させることができる。
【0053】一方、請求項5の発明では、上記請求項2
の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置において、上記磁束補正量演算手段としては、電圧
指令演算手段により演算された電圧指令と電流検出手段
により検出された電動機の電流と電流指令演算手段によ
り演算された電流指令のうちの少なくとも一つに基づい
て、磁束の大きさを示す磁束長を演算する磁束長演算手
段と、磁束長演算手段により演算された磁束の大きさか
ら磁束指令補正手段により補正された磁束指令を減算し
て偏差を演算する減算手段と、減算手段により演算され
た磁束の偏差に基づいて、磁束補正量を演算する第2の
磁束補正量演算手段とから成る。
【0054】従って、請求項5の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、推定演算された磁
束の大きさと磁束指令との偏差に基づいて、この偏差が
零となるように磁束補正量を演算する。CVVF動作の
場合、磁束指令が実際の磁束量に一致しないと、出力電
圧の指令値と実際の出力電圧とが一致しない。電動機に
かかる実際の磁束長と磁束指令長とが一致することで、
電動機の各状態量が対応する各指令と一致し、3相イン
バータの出力トルクをその指令に追従させることができ
る。1パルスモードにおいても動作可能であり、3相イ
ンバータの電圧を最大限に利用することができる。
【0055】また、請求項6の発明では、上記請求項2
の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置において、上記磁束補正量演算手段としては、電圧
指令演算手段により演算された電圧指令と電流検出手段
により検出された電動機の電流と電流指令演算手段によ
り演算された電流指令のうちの少なくとも一つに基づい
て、dq軸回転座標系上でのd軸磁束を演算するd軸磁
束演算手段と、d軸磁束演算手段により演算されたd軸
磁束の大きさから磁束指令補正手段により補正された磁
束指令を減算して偏差を演算する減算手段と、減算手段
により演算された磁束の偏差に基づいて、磁束補正量を
演算する第2の磁束補正量演算手段とから成る。
【0056】従って、請求項6の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、電動機に発生する
実際のd軸磁束の大きさと補正後の磁束指令との偏差に
基づいて、この偏差が零となるように磁束補正量を演算
する。ベクトル制御においては、d軸と磁束軸が一致す
る、すなわちq軸磁束が零であるように制御する。CV
VF動作の場合、実際に電動機に発生するd軸磁束と磁
束指令が一致しないと、電圧指令と実際の出力電圧とが
一致しない。電動機のd軸磁束を推定演算し、磁束指令
との偏差に応じて磁束指令量を演算することで、電動機
の各状態量が対応する各指令と一致し、3相インバータ
の出力トルクをその指令に追従させることができる。1
パルスモードにおいても動作可能であり、3相インバー
タの電圧を最大限に利用することができる。
【0057】さらに、請求項7の発明では、上記請求項
2の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変
換装置において、上記磁束補正量演算手段としては、電
圧指令演算手段により演算された電圧指令と電流検出手
段により検出された電動機の電流と電流指令演算手段に
より演算された電流指令のうちの少なくとも一つに基づ
いて、dq軸回転座標系上におけるd軸誘起電圧とq軸
誘起電圧とを演算する誘起電圧演算手段と、誘起電圧演
算手段により演算されたd軸誘起電圧とq軸誘起電圧と
に基づいて、当該誘起電圧の大きさを示す誘起電圧長を
演算する誘起電圧長演算手段と、磁束指令補正手段によ
り補正された磁束指令と出力周波数演算手段により演算
された3相インバータの出力周波数とに基づいて、誘起
電圧基準を演算する誘起電圧基準演算手段と、誘起電圧
長演算手段により演算された誘起電圧長から誘起電圧基
準演算手段により演算された誘起電圧基準を減算して偏
差を演算する減算手段と、減算手段により演算された誘
起電圧の偏差に基づいて、磁束補正量を演算する第2の
磁束補正量演算手段とから成る。
【0058】従って、請求項7の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、推定演算された誘
起電圧の大きさと誘起電圧基準との偏差に基づいて、こ
の偏差が零となるように磁束補正量を演算する。CVV
F動作の場合、磁束指令が実際の磁束量に一致しない
と、誘起電圧基準と実際の誘起電圧の大きさとが一致し
ない。推定演算された誘起電圧と誘起電圧基準との偏差
に基づいて磁束補正量を演算することで、電動機の各状
態量が対応する各指令と一致し、3相インバータの出力
トルクをその指令に追従させることができる。1パルス
モードにおいても動作可能であり、3相インバータの電
圧を最大限に利用することができる。
【0059】さらにまた、請求項8の発明では、上記請
求項2の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電
力変換装置において、上記磁束補正量演算手段として
は、電圧指令演算手段により演算された電圧指令と電流
検出手段により検出された電動機の電流と電流指令演算
手段により演算された電流指令のうちの少なくとも一つ
に基づいて、dq軸回転座標系上におけるd軸誘起電圧
とq軸誘起電圧とを演算する誘起電圧演算手段と、磁束
指令補正手段により補正された磁束指令と出力周波数演
算手段により演算された3相インバータの出力周波数と
に基づいて、誘起電圧基準を演算する誘起電圧基準演算
手段と、誘起電圧演算手段により演算されたq軸誘起電
圧から誘起電圧基準演算手段により演算された誘起電圧
基準を減算して偏差を演算する減算手段と、減算手段に
より演算された誘起電圧の偏差に基づいて、磁束補正量
を演算する第2の磁束補正量演算手段とから成る。
【0060】従って、請求項8の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、3相イ
ンバータがCVVF動作する場合に、推定演算されたq
軸誘起電圧の大きさと誘起電圧基準との偏差に基づい
て、この偏差が零となるように磁束補正量を演算する。
ベクトル制御を施す場合、d軸に磁束を一致させるた
め、q軸誘起電圧のみが発生し、d軸誘起電圧は発生し
ない。3相インバータがCVVF動作を行なう場合、磁
束指令が実際の磁束量に一致しないと、誘起電圧基準と
実際のq軸誘起電圧とが一致しない。推定演算されたq
軸誘起電圧と誘起電圧基準との偏差に基づいて磁束補正
量を演算することで、電動機の各状態量が対応する各指
令と一致し、3相インバータの出力トルクをその指令に
追従させることができる。1パルスモードにおいても動
作可能であり、3相インバータの電圧を最大限に利用す
ることができる。
【0061】一方、請求項9の発明では、上記請求項1
の発明の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置において、上記請求項1の発明の速度センサレスベ
クトル制御を用いた電力変換装置において、上記電圧指
令演算手段としては、電流指令演算手段により演算され
たトルク軸電流指令と磁束軸電流指令と電流検出手段に
より検出された電動機の電流とを入力とし、当該入力に
基づいてd軸電圧指令とq軸電圧指令とを演算するよう
にする。
【0062】従って、請求項9の発明の速度センサレス
ベクトル制御を用いた電力変換装置においては、トルク
軸電流指令と磁束軸電流指令の他に、電動機の電流に基
づいてd軸電圧指令とq軸電圧指令とを演算することに
より、磁束補正に対する過補正を抑制することができ
る。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0064】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形
態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置の概略構成例を示すブロック図であり、図18と同
一要素には同一符号を付して示している。
【0065】図1において、直流を任意の周波数の交流
に変換する3相インバータ1と、この3相インバータ1
の交流側に接続されて駆動される誘導電動機2と、3相
インバータ1の直流側に接続されたフィルタコンデンサ
3とから主回路が構成され、速度センサレスベクトル制
御により電動機駆動制御を行なうようになっている。な
お、本実施の形態では、電動機として誘導電動機2を駆
動する場合について述べる。
【0066】一方、速度センサレスベクトル制御は、電
流・電圧・磁束をベクトル量として制御するものであ
り、磁束軸に一致した軸をd軸とし、このd軸に直交す
る軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系上で、
速度検出器を用いずに3相インバータ1の制御を行な
う。
【0067】ベクトル制御部は、電流検出器4と、電流
指令演算部5と、電圧指令演算部6と、座標変換部7
と、ゲート制御部8と、積分部9と、磁束指令補正部1
0と、出力周波数演算部11とから構成している。
【0068】電流検出器4は、誘導電動機2に流れる相
電流Iu,Iwを検出する。
【0069】電流指令演算部5は、後述する補正後の磁
束指令φ* cmp とトルク指令Tm*とを入力とし、この
入力に基づいて、トルク軸電流指令であるq軸電流指令
Iq* と磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id* とを
演算する。
【0070】電圧指令演算部6は、電流指令演算部5に
より演算されたトルク軸電流指令Iq* と磁束軸電流指
令Id* とを入力とし、この入力に基づいてd軸電圧指
令Vd* とq軸電圧指令Vq* とを演算する。
【0071】出力周波数演算部11は、電流検出器4に
より検出された誘導電動機2の相電流Iu,Iwと、電
流指令演算部5により演算された電流指令Id* ,Iq
* と、電圧指令演算部6により演算された電圧指令Vd
* ,Vq* のうちの少なくとも一つに基づいて、3相イ
ンバータ1の出力周波数ωiを演算する。
【0072】積分部9は、出力周波数演算部11により
演算された3相インバータ1の出力周波数ωiを入力と
し、この入力された3相インバータ1の出力周波数ωi
を積分して位相θabを演算する。
【0073】座標変換部7は、電圧指令演算部6により
演算されたd軸電圧指令Vd* とq軸電圧指令Vq*
を入力とし、この入力に基づいて電圧指令の大きさ|V
|とd軸からの位相角θvとを演算する。
【0074】ゲート制御部8は、座標変換部7により演
算された電圧指令のd軸からの位相角θvと、積分部9
により演算された回転座標系d軸の静止座標系a軸から
の位相角θabとに基づいて、3相インバータ1のゲー
トを制御する。
【0075】磁束指令補正部10は、電圧指令演算部6
により演算された電圧指令Vd* ,Vq* と、座標変換
部7により演算された電圧指令の大きさ|V|と、電流
検出器4により検出された誘導電動機2の相電流Iu,
Iwの少なくとも一つに基づいて、誘導電動機2の電流
・電圧・磁束といった状態量を対応する指令と一致させ
るように、上記磁束指令φ* を補正して補正後の磁束指
令φ* cmp を演算する。
【0076】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0077】図1において、磁束指令補正部10には磁
束指令φ* が入力され、詳細を後述するように補正し
て、補正後の磁束指令φ* cmp が出力される。
【0078】電流指令演算部5には、補正後の磁束指令
φ* cmp とトルク指令Tm* とが入力され、例えば次式
により、磁束軸(d軸)電流指令Id* とトルク軸(q
軸)電流指令Iq* とが演算される。
【0079】
【数8】
【0080】ただし、M:相互インダクタンス、L2:
2次インダクタンス。
【0081】電圧指令演算部6には、磁束軸(d軸)電
流指令Id* と、トルク軸(q軸)電流指令Iq* とが
入力され、例えば次式により、d軸電圧指令Vd* とq
軸電圧指令Vq* とが演算される。
【0082】
【数9】
【0083】ただし、R1:1次抵抗、L1:1次イン
ダクタンス、σL1:漏れインダクタンス(=L1×
(1−M×M/L1/L2)))、ωi:インバータ出
力周波数。
【0084】座標変換部7には、電圧指令演算部6から
の出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧指令Vq*
が入力され、例えば次式により、電圧指令の大きさ|V
|とd軸からの位相角θvとが演算される。
【0085】
【数10】
【0086】ゲート制御部8では、座標変換部7からの
出力である電圧指令のd軸からの位相角θvと、積分部
9からの出力である回転座標系d軸の静止座標系a軸か
らの位相角θabとに基づいて、ゲート信号が生成され
る。
【0087】例えば、3相インバータ1が最大の電圧を
出力可能な1パルスモードでの動作を簡単に説明する。
【0088】1パルスモードは、3相インバータ1の各
相が出力1周期のうち、180度ずつオン・オフを行な
う動作モードである。ゲート制御部8に入力される電圧
指令のd軸からの位相角θvと、回転座標系d軸の静止
座標系a軸からの位相角θabとから、各相の出力電圧
の位相θuu、θvv、θwwが、例えば次式により、決めら
れる。
【0089】
【数11】
【0090】そして、この3相インバータ1の各相の位
相θuu、θvv、θwwに基づいて、例えば次式のような出
力を得るゲート信号が生成されるものとする。
【0091】
【数12】
【0092】ただし、Vdc:直流リンク電圧。
【0093】1パルスモードでは、3相インバータ1の
出力電圧の大きさは一定であり、位相のみを制御するこ
とが可能である。3相インバータ1の出力電圧の大きさ
は、3相インバータ1が出力し得る最大の値となるのが
特徴である。
【0094】3相インバータ1が1パルスモードを代表
とするCVVF動作をする場合、出力電圧の大きさは制
御不能で、出力電圧の位相と周波数のみを制御すること
ができる。
【0095】磁束指令補正部10では、電圧指令演算部
6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧指令
Vq* と、座標変換部7からの出力である電圧指令の大
きさ|V|と、電流検出器4により検出された誘導電動
機2の各相電流、Iu,Iwとに基づいて、実際の誘導
電動機2の状態量と対応する指令との相違を判断して、
磁束指令φ* が補正される。誘導電動機2の電圧は、概
ね磁束×周波数で表わされるため、磁束指令φ* を補正
することで、出力電圧の大きさを補正していることにな
る。
【0096】出力周波数演算部11では、電圧指令演算
部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧指
令Vq* と、電流指令演算部5からの出力である磁束軸
(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q軸)電流指令I
* と、電流検出器4により検出された誘導電動機2の
各相電流、Iu,Iwとに基づいて、3相インバータ1
の出力周波数ωiが演算される。
【0097】ここで、出力周波数演算部11は、例えば
図2に示すように、出力周波数基準量演算器27と、出
力周波数補正量演算器28と、乗算器30と、加算器3
1とから構成される。
【0098】出力周波数基準量演算器27では、電圧指
令演算部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸
電圧指令Vq* 、電流指令演算部5からの出力である磁
束軸(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q軸)電流指
令Iq* 、電流検出器4により検出された誘導電動機2
の各相電流、Iu,Iwのうちの少なくとも一つに基づ
いて、出力周波数基準量が演算され、乗算器30へ入力
される。
【0099】また、乗算器30には、ゲインKも入力さ
れる。このゲインKは、0か1をとるものとする。
【0100】乗算器30では、出力周波数基準量演算器
27からの出力である出力周波数基準量にゲインKを乗
じて、出力周波数基準量ωirefが出力される。
【0101】また、出力周波数補正量演算器28では、
電圧指令演算部6からの出力であるd軸電圧指令V
* ,q軸電圧指令Vq* 、電流指令演算部5からの出
力である磁束軸(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q
軸)電流指令Iq* 、電流検出器4により検出された誘
導電動機2の各相電流、Iu,Iwのうちの少なくとも
一つに基づいて、出力周波数基準量ωirefへの補正量Δ
ωiが演算される。
【0102】加算器31には、乗算器30からの出力で
ある出力周波数基準ωirefと、出力周波数補正量演算器
28からの出力である出力周波数補正量Δωiとが入力
され、この出力周波数基準ωirefと出力周波数補正量Δ
ωiとを加算して、3相インバータ1の出力周波数ωi
が演算される。
【0103】このようにして、出力周波数演算部11に
より演算された3相インバータ1の出力周波数ωiは、
積分部9に入力され、その積分値が出力される。この積
分部9の出力は、静止座標系a軸から回転座標系d軸ま
での回転位相角θabである。
【0104】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、誘導電動機2の
電流・電圧・磁束といった各状態量と対応する各指令と
の差異に基づいて磁束指令φ* を補正することにより、
誘導電動機2の各状態量とその各指令とが一致し、3相
インバータ1の出力トルクをその指令に追従させること
ができる。1パルスモードにおいても動作可能であり、
3相インバータ1の電圧を最大限に利用することができ
る。
【0105】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0106】(第1の実施の形態の変形例)前記第1の
実施の形態の出力周波数演算部11において、前記ゲイ
ンKが1の場合には、出力周波数基準量ωirefと出力周
波数補正量Δωiとの加算値により出力周波数ωiとす
るもので、ゲインK=0の場合には、出力周波数基準量
ωirefを演算せず、出力周波数補正量Δωiを出力周波
数ωiとする構成の速度センサレスベクトル制御とな
る。
【0107】図3は、出力周波数演算部11の他の構成
例を示すブロック図である。
【0108】図3において、出力周波数演算部11は、
出力周波数基準量演算器27と、出力周波数補正量演算
器28と、乗算器30と、加算器31とから構成され
る。
【0109】また、出力周波数基準量演算器27は、誘
起電圧演算器21と、除算器32とから構成される。
【0110】さらに、出力周波数補正量演算器28は、
誘起電圧演算器21と、比例積分制御器33とから構成
される。
【0111】誘起電圧演算器21では、例えば次式によ
り、q軸誘起電圧Eqを演算する。
【0112】
【数13】
【0113】除算器32では、誘起電圧演算器21の出
力であるq軸誘起電圧Eqを、補正後の磁束指令値φ*
cmp で割る。
【0114】除算器32からの出力は、ゲインKと乗算
されて、出力周波数基準ωirefとなる。
【0115】出力周波数補正量演算器28では、誘起電
圧演算器21により演算されたd軸誘起電圧Edが比例
積分制御器33に入力され、比例積分制御器33では、
例えば次式により、出力周波数補正量Δωiが演算され
る。
【0116】
【数14】
【0117】ただし、Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲ
イン。
【0118】そして、この出力周波数補正量Δωiは、
加算器31により出力周波数基準量ωirefと加算され
て、3相インバータ1の出力周波数ωiとなる。
【0119】図3の出力周波数演算部11においては、
ゲインKが1であるとすると、q軸誘起電圧に基づいて
演算された出力周波数基準ωirefを、d軸誘起電圧Ed
に基づいて補正している。
【0120】前述した図21のように、ベクトル制御が
成り立つ場合、すなわちd軸と磁束軸とが一致する場合
には、d軸誘起電圧は発生しない。d軸誘起電圧に基づ
いて出力周波数を補正することで、軸ずれを補償して、
磁束軸とd軸とを一致させることが可能である。
【0121】また、ゲインKが0であり、出力周波数基
準ωirefが存在しない場合でも、比例積分制御器33の
積分の作用により、軸ずれを補償した安定な動作が可能
である。
【0122】図4は、出力周波数演算部11の他の構成
例を示すブロック図である。
【0123】なお、本例では、前記ゲインKが0である
場合の例であるため、出力周波数基準量演算器は存在し
ない。
【0124】図4において、出力周波数演算部11は、
座標系変換器34と、減算器35と、比例積分制御器3
3とから構成される。
【0125】座標系変換器34では、例えば次式によ
り、誘導電動機2の各相電流Iu,Iwを、dq軸回転
座標系上での電流Id,Iqに変換する。
【0126】ただし、θabは、静止座標系a軸から回
転座標系d軸までの位相角。
【0127】
【数15】
【0128】減算器35では、トルク軸(q軸)電流指
令Iq* からトルク軸(q軸)電流Iqを減算して、偏
差ΔIqを演算する。
【0129】比例積分制御器33には、このトルク軸
(q軸)電流の偏差ΔIqが入力され、3相インバータ
1の出力周波数ωiを出力する。
【0130】図4の出力周波数演算部11においては、
トルク軸(q軸)電流の偏差ΔIqに基づいて、3相イ
ンバータ1の出力周波数ωiを補正している。
【0131】前述した図21のように、ベクトル制御が
成り立つ場合には、トルク軸 (q軸)電流指令Iq*
とトルク軸(q軸)電流Iqとは一致する。このトルク
軸(q軸)電流の偏差ΔIqは、3相インバータ1の出
力周波数ωiがベクトル制御として適切に与えられない
ために生じるものであると考えられる。
【0132】このトルク軸電流の偏差ΔIqに基づい
て、3相インバータ1の出力周波数ωiを補正演算する
ことで、ベクトル制御の条件である磁束軸とd軸とを一
致させることが可能である。
【0133】(第2の実施の形態)図5は、本実施の形
態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置における磁束指令補正部10の概略構成例を示すブ
ロック図であり、前記図1と同一要素には同一符号を付
してその説明を省略し、ここでは異なる部分についての
み述べる。
【0134】すなわち、図5に示すように、本実施の形
態の磁束指令補正部10は、磁束補正量演算器12と、
加算器13とから構成している。
【0135】磁束補正量演算器12は、電圧指令演算部
6により演算された電圧指令Vd*,Vq* と、座標変
換部7により演算された電圧指令の大きさ|V|と、電
流検出器4により検出された誘導電動機2の相電流I
u,Iwと、電流指令演算部5により演算された電流指
令Iq* ,Id* のうちの少なくとも一つに基づいて、
磁束補正量φcmp を演算する。
【0136】加算器13は、磁束補正量演算器12によ
り演算された磁束補正量φcmp と磁束指令φ* とを加算
して、補正後の磁束指令φ* cmp を出力する。
【0137】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0138】なお、ここでは、前記図1と異なる部分の
作用についてのみ述べる。
【0139】図5において、磁束補正量演算器12で
は、電圧指令演算部6からの出力であるd軸電圧指令V
* ,q軸電圧指令Vq* 、座標変換部7からの出力で
ある電圧指令の大きさ|V|、電流指令演算部5からの
出力である磁束軸(d軸)電流指令Id* ,トルク軸
(q軸)電流指令Iq* 、電流検出器4により検出され
た誘導電動機2の各相電流Iu,Iwとに基づいて、実
際の誘導電動機2の状態量と対応する指令との差異を判
断し、磁束指令φ* への磁束補正量φcmp が演算され
る。
【0140】そして、この磁束指令φ* への磁束補正量
φcmp は、加算器13により磁束指令φ* と加算され
て、補正後の磁束指令φ* cmp が出力される。
【0141】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、誘導電動機2の
電流・電圧・磁束といった各状態量と対応する各指令と
の差異に基づいて磁束補正量φcmp を演算し、この磁束
補正量φcmp を磁束指令φ* に加算することで磁束指令
φ* を補正することにより、誘導電動機2の各状態量と
その各指令とが一致し、3相インバータ1の出力トルク
をその指令に追従させることができる。1パルスモード
においても動作可能であり、3相インバータ1の電圧を
最大限に利用することができる。
【0142】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0143】(第3の実施の形態)図6は、本実施の形
態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置における磁束指令補正部10の磁束補正量演算器1
2の概略構成例を示すブロック図であり、前記図1およ
び図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0144】すなわち、図6に示すように、本実施の形
態の磁束補正量演算器12は、出力電圧長演算器15
と、減算器16と、第2の磁束補正量演算器14とから
構成している。
【0145】出力電圧長演算器15は、3相インバータ
1の出力電圧の大きさ|V|* を示す電圧長を演算す
る。
【0146】減算器16は、出力電圧長演算器15によ
り演算された出力電圧の大きさ|V|* から前記座標変
換部7により演算された電圧指令の大きさ|V|を減算
して、偏差Δ|V|を演算する。
【0147】第2の磁束補正量演算器14は、減算器1
6により演算された電圧の偏差Δ|V|に基づいて、前
記磁束補正量φcmp を演算する。
【0148】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0149】なお、ここでは、前記図1および図5と異
なる部分の作用についてのみ述べる。
【0150】図6において、出力電圧長演算器15で
は、3相インバータ1がCVVF動作をする場合に、実
際に3相インバータ1から出力される出力電圧の大きさ
が演算される。
【0151】例えば、3相インバータ1が1パルスモー
ドの場合、実際に3相インバータ1から出力される出力
電圧の大きさ|V|* は、例えば次式により、直流リン
ク電圧Vdcから一意に決まる。
【0152】出力電圧長演算器15では、実際に3相イ
ンバータ1から出力される出力電圧長、すなわち出力電
圧の大きさ|V|* が出力される。
【0153】
【数16】
【0154】減算器16では、出力電圧長演算器15か
らの出力である実際の出力電圧の大きさ|V|* から、
座標変換部7からの出力である指令としての出力電圧の
大きさ|V|が減算される。
【0155】この減算器16からの出力Δ|V|は、3
相インバータ1の出力電圧の大きさの実際値と指令値と
の偏差を表わし、第2の磁束補正量演算器14に入力さ
れる。
【0156】第2の磁束補正量演算器14では、減算器
16からの出力である出力電圧の大きさの実際値と指令
値との偏差Δ|V|が零となるように、例えば次式によ
り、比例積分制御により磁束補正量φcmp が演算され
る。
【0157】
【数17】
【0158】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0159】すなわち、実際に3相インバータ1から出
力される出力電圧の大きさ|V|*が、指令としての出
力電圧の大きさ|V|よりも大きい場合(Δ|V|>
0)には、磁束指令φ* を大きくするような、すなわち
正の磁束補正量φcmp を出力するように、ゲインKp,
Kiが設定される。
【0160】出力電圧の大きさ|V|は、高速回転領域
では概ね磁束指令φ* に比例するため、補正後の磁束指
令φ* cmp が大きくなることにより、指令としての出力
電圧の大きさ|V|を大きくすることができる。
【0161】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、3相インバータ
1から実際に出力される出力電圧の大きさ|V|* と電
圧指令に基づく出力電圧の大きさ|V|との偏差Δ|V
|に基づいて、この偏差Δ|V|が零となるように磁束
補正量φcmp を演算し、この磁束補正量φcmp を磁束指
令φ* に加算することで磁束指令φ* を補正することに
より、3相インバータ1から出力され、誘導電動機2に
かかる実際の電圧の大きさと電圧指令の大きさとが一致
することで、誘導電動機2の各状態量とその各指令とが
一致し、3相インバータ1の出力トルクをその指令に追
従させることができる。1パルスモードにおいても動作
可能であり、3相インバータ1の電圧を最大限に利用す
ることができる。
【0162】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0163】(第4の実施の形態)図7は、本実施の形
態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置における磁束指令補正部10の磁束補正量演算器1
2の概略構成例を示すブロック図であり、前記図1およ
び図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0164】すなわち、図7に示すように、本実施の形
態の磁束補正量演算器12は、直流電圧検出器17と、
第2の出力電圧長演算器18と、減算器16と、第2の
磁束補正量演算器14とから構成している。
【0165】直流電圧検出器17は、フィルタコンデン
サ3にかかる直流リンク電圧Vdcを検出する。
【0166】第2の出力電圧長演算器18は、電圧検出
器17により検出された直流リンク電圧Vdcに基づい
て、3相インバータ1の出力電圧の大きさ|V|* を示
す電圧長を演算する。
【0167】減算器16は、第2の出力電圧長演算器1
8により演算された出力電圧の大きさ|V|* から前記
座標変換部7により演算された電圧指令の大きさ|V|
を減算して、偏差Δ|V|を演算する。
【0168】第2の磁束補正量演算器14は、減算器1
6により演算された電圧の偏差Δ|V|に基づいて、前
記磁束補正量φcmp を演算する。
【0169】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0170】なお、ここでは、前記図1および図5と異
なる部分の作用についてのみ述べる。
【0171】図7において、直流電圧検出器17では、
3相インバータ1の直流側に接続されたフィルタコンデ
ンサ3にかかる直流リンク電圧Vdcが検出され、この
検出された直流リンク電圧Vdcは、第2の出力電圧長
演算器18に入力される。
【0172】第2の出力電圧長演算器18では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作をする場合に、実際に3相イ
ンバータ1から出力される出力電圧の大きさ|V|*
演算される。
【0173】例えば、3相インバータ1が1パルスモー
ドの場合、実際に3相インバータ1から出力される出力
電圧の大きさ|V|* は、例えば次式により、直流リン
ク電圧Vdcに応じて演算される。
【0174】
【数18】
【0175】減算器16では、第2の出力電圧長演算器
18からの出力である実際の出力電圧の大きさ|V|*
から、座標変換部7からの出力である指令としての出力
電圧の大きさ|V|が減算される。
【0176】この減算器16からの出力Δ|V|は、3
相インバータ1から出力される実際の出力電圧の大きさ
と指令としての出力電圧の大きさとの偏差を表わし、第
2の磁束補正量演算器14に入力される。
【0177】第2の磁束補正量演算器14では、減算器
16からの出力である出力電圧の大きさの実際値と指令
値との偏差Δ|V|が零となるように、例えば次式によ
り、比例制御により磁束補正量φcmp が演算される。
【0178】
【数19】
【0179】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0180】すなわち、実際に3相インバータ1から出
力される出力電圧の大きさ|V|*が、指令としての出
力電圧の大きさ|V|よりも大きい場合(Δ|V|>
0)には、磁束指令φ* を大きくするような、すなわち
正の磁束補正量φcmp を出力するように、ゲインKp,
Kiが設定される。
【0181】出力電圧の大きさ|V|は、高速回転領域
では概ね磁束指令φ* に比例するため、補正後の磁束指
令φ* cmp が大きくなることにより、指令としての出力
電圧の大きさ|V|を大きくすることができる。
【0182】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、3相インバータ
1から実際に出力される出力電圧の大きさ|V|* と電
圧指令に基づく出力電圧の大きさ|V|との偏差Δ|V
|に基づいて、この偏差Δ|V|が零となるように磁束
補正量φcmp を演算し、この磁束補正量φcmp を磁束指
令φ* に加算することで磁束指令φ* を補正するように
している。
【0183】従って、3相インバータ1から出力され、
誘導電動機2にかかる実際の電圧長と電圧指令長とが一
致することで、誘導電動機2の各状態量とその各指令と
が一致し、3相インバータ1の出力トルクをその指令に
追従させることができる。1パルスモードにおいても動
作可能であり、3相インバータ1の電圧を最大限に利用
することができる。
【0184】特に、直流リンク電圧Vdcが変動するよ
うな場合にも、直流リンク電圧Vdcに応じた出力電圧
の大きさを算出することにより、直流リンク電圧Vdc
の変動にも関わらず、3相インバータ1の出力トルクを
その指令に追従させることができる。
【0185】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となり、さらに3相インバータ1の出力電圧の変動に
も対処することが可能となる。
【0186】(第5の実施の形態)図8は、本実施の形
態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置における磁束指令補正部10の磁束補正量演算器1
2の概略構成例を示すブロック図であり、前記図1およ
び図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0187】すなわち、図8に示すように、本実施の形
態の磁束補正量演算器12は、磁束長演算器19と、減
算器16と、第2の磁束補正量演算器14とから構成し
ている。
【0188】磁束長演算器19は、前記電圧指令演算部
6により演算された電圧指令Vd*,Vq* と、前記電
流検出器4により検出された誘導電動機2の相電流I
u,Iwと、前記電流指令演算部5により演算されたト
ルク軸電流指令Iq* ,磁束軸電流指令Id* のうちの
少なくとも一つに基づいて、磁束の大きさ|φ|を示す
磁束長を演算する。
【0189】減算器16は、磁束長演算器19により演
算された磁束の大きさ|φ|から前記磁束指令補正部1
0により補正された磁束指令φ* cmp を減算して、偏差
Δ|φ|を演算する。
【0190】第2の磁束補正量演算器14は、減算器1
6により演算された磁束の偏差Δ|φ|に基づいて、前
記磁束補正量φcmp を演算する。
【0191】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0192】なお、ここでは、前記図1および図5と異
なる部分の作用についてのみ述べる。
【0193】図8において、磁束長演算器19では、例
えば次式により、磁束推定の演算が行なわれる。
【0194】
【数20】
【0195】
【数21】
【0196】
【数22】
【0197】この場合、磁束推定の方法としては、上述
の演算以外にも多数存在するものであり、その方法をこ
こで限定するものではない。
【0198】減算器16では、磁束長演算器19からの
出力である磁束の大きさ|φ|から、補正後の磁束指令
φ* cmp が減算される。
【0199】この減算器16からの出力Δ|φ|は、推
定演算された磁束の大きさと指令値との偏差を表わし、
第2の磁束補正量演算器14に入力される。
【0200】第2の磁束補正量演算器14では、減算器
16からの出力である推定演算された磁束の大きさと指
令値との偏差Δ|φ|が零となるように、例えば次式に
より、比例積分制御により磁束補正量φcmp が演算され
る。
【0201】
【数23】
【0202】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0203】すなわち、推定演算された磁束の大きさ|
φ|が、補正後の磁束指令φ* cmpよりも大きい場合
(Δ|φ|>0)には、磁束指令φ* を大きくするよう
な、すなわち正の磁束補正量φcmp を出力するように、
ゲインKp,Kiが設定される。
【0204】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、推定演算された
磁束の大きさ|φ|と補正後の磁束指令φ* cmp との偏
差Δ|φ|に基づいて、この偏差Δ|φ|が零となるよ
うに磁束補正量φcmp を演算する。
【0205】CVVFの場合、磁束指令が実際の磁束量
に一致しないと、出力電圧の指令値と実際の出力電圧と
が一致しない。誘導電動機2にかかる実際の磁束長と磁
束指令長とが一致することで、誘導電動機2の各状態量
とその各指令とが一致し、3相インバータ1の出力トル
クをその指令に追従させることができる。1パルスモー
ドにおいても動作可能であり、3相インバータ1の電圧
を最大限に利用することができる。
【0206】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0207】(第6の実施の形態)図9は、本実施の形
態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換
装置における磁束指令補正部10の磁束補正量演算器1
2の概略構成例を示すブロック図であり、前記図1およ
び図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0208】すなわち、図9に示すように、本実施の形
態の磁束補正量演算器12は、d軸磁束演算器20と、
減算器16と、第2の磁束補正量演算器14とから構成
している。
【0209】d軸磁束演算器20は、前記電圧指令演算
部6により演算された電圧指令Vd* ,Vq* と、前記
電流検出器4により検出された誘導電動機2の相電流I
u,Iwと、前記電流指令演算部5により演算されたト
ルク軸電流指令Iq*,磁束軸電流指令Id* のうちの
少なくとも一つに基づいて、前記dq軸回転座標系上で
のd軸磁束φdを演算する。
【0210】減算器16は、d軸磁束演算器20により
演算されたd軸磁束の大きさφdから前記磁束指令補正
部10により補正された磁束指令φ* cmp を減算して、
偏差Δ|φ|を演算する。
【0211】第2の磁束補正量演算器14は、減算器1
6により演算された磁束の偏差Δ|φ|に基づいて、前
記磁束補正量φcmp を演算する。
【0212】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0213】なお、ここでは、前記図1および図5と異
なる部分の作用についてのみ述べる。
【0214】図9において、d軸磁束演算器20では、
例えば前述の(21)式,(22)式,(23)式によ
り、d軸磁束推定の演算が行なわれる。
【0215】この場合、d軸磁束推定の方法としては、
上述の演算以外にも多数存在するものであり、その方法
をここで限定するものではない。
【0216】減算器16では、d軸磁束演算器20から
の出力である推定演算されたd軸磁束φdから、補正後
の磁束指令値φ* cmp が減算される。
【0217】この減算器16からの出力Δ|φ|は、推
定演算されたd軸磁束φdと補正後の磁束指令値φ* cm
p との偏差を表わし、第2の磁束補正量演算器14に入
力される。
【0218】第2の磁束補正量演算器14では、減算器
16からの出力である推定演算されたd軸磁束φdと補
正後の磁束指令値φ* cmp との偏差Δ|φ|が零となる
ように、例えば次式により、比例積分制御により磁束補
正量φcmp が演算される。
【0219】
【数24】
【0220】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0221】すなわち、推定演算されたd軸磁束φd
が、補正後の磁束指令φ* cmp よりも大きい場合(Δ|
φ|>0)には、磁束指令φ* を大きくするような、す
なわち正の磁束補正量φcmp を出力するように、ゲイン
Kp,Kiが設定される。
【0222】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、誘導電動機2に
発生する実際のd軸磁束の大きさφdと補正後の磁束指
令φ* cmp との偏差Δ|φ|に基づいて、この偏差Δ|
φ|が零となるように磁束補正量φcmp を演算する。
【0223】ベクトル制御においては、d軸と磁束軸が
一致する、すなわちq軸磁束が零であるように制御す
る。CVVF動作の場合、実際に誘導電動機2に発生す
るd軸磁束と磁束指令とが一致しないと、電圧指令と実
際の出力電圧とが一致しない。誘導電動機2のd軸磁束
を推定演算し、磁束指令との偏差に応じて磁束指令量を
演算することで、誘導電動機2の各状態量とその各指令
とが一致し、3相インバータ1の出力トルクをその指令
に追従させることができる。1パルスモードにおいても
動作可能であり、3相インバータ1の電圧を最大限に利
用することができる。
【0224】特に、この場合には、前記第5の実施の形
態と比較して、過渡的には演算量が少なくて済み、結果
として演算に関するプログラムサイズを小さくすること
ができる。
【0225】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0226】(第7の実施の形態)図10は、本実施の
形態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変
換装置における磁束指令補正部10の磁束補正量演算器
12の概略構成例を示すブロック図であり、前記図1お
よび図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省
略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0227】すなわち、図10に示すように、本実施の
形態の磁束補正量演算器12は、誘起電圧演算器21
と、誘起電圧長演算器22と、誘起電圧基準演算器23
と、減算器16と、第2の磁束補正量演算器14とから
構成している。
【0228】誘起電圧演算器21は、前記電圧指令演算
部6により演算された電圧指令Vd* ,Vq* と、前記
電流検出器4により検出された誘導電動機2の相電流I
u,Iwと、前記電流指令演算部5により演算されたト
ルク軸電流指令Iq*,磁束軸電流指令Id* のうちの
少なくとも一つに基づいて、前記dq軸回転座標系上に
おけるd軸誘起電圧Edとq軸誘起電圧Eqとを演算す
る。
【0229】誘起電圧長演算器22は、誘起電圧演算器
21により演算されたd軸誘起電圧Edとq軸誘起電圧
Eqとに基づいて、この誘起電圧の大きさ|E|を示す
誘起電圧長を演算する。
【0230】誘起電圧基準演算器23は、前記磁束指令
補正部10により補正された磁束指令φ* cmp と、前記
出力周波数演算部11により演算された3相インバータ
1の出力周波数ωiとに基づいて、誘起電圧基準Eref
を演算する。
【0231】減算器16は、誘起電圧長演算器22によ
り演算された誘起電圧長|E|から誘起電圧基準演算器
23により演算された誘起電圧基準Eref をを減算し
て、偏差Δ|E|を演算する。
【0232】第2の磁束補正量演算器14は、減算器1
6により演算された誘起電圧の偏差Δ|E|に基づい
て、前記磁束補正量φcmp を演算する。
【0233】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0234】なお、ここでは、前記図1および図5と異
なる部分の作用についてのみ述べる。
【0235】図10において、誘起電圧演算器21で
は、例えば次式により、誘起電圧推定の演算が行なわれ
る。
【0236】
【数25】
【0237】
【数26】
【0238】この誘起電圧演算器21からの出力である
d軸誘起電圧Edとq軸誘起電圧Eqは、誘起電圧長演
算器22に入力される。
【0239】誘起電圧長演算器22では、例えば次式に
より、推定演算された誘起電圧の大きさ|E|が演算さ
れる。
【0240】
【数27】
【0241】誘起電圧基準演算器23では、補正後の磁
束指令φ* cmp と3相インバータ1の出力周波数ωiと
に基づいて、例えば次式により、誘起電圧基準Eref が
演算される。
【0242】
【数28】
【0243】減算器16では、誘起電圧演算器21から
の出力である推定演算された誘起電圧の大きさ|E|か
ら、誘起電圧基準演算器23からの出力である誘起電圧
基準Eref が減算される。
【0244】この減算器16からの出力Δ|E|は、推
定演算された誘起電圧の大きさ|E|と誘起電圧基準E
ref との偏差を表わし、第2の磁束補正量演算器14に
入力される。
【0245】第2の磁束補正量演算器14では、減算器
16からの出力である推定演算された誘起電圧の大きさ
|E|と誘起電圧基準Eref との偏差Δ|E|が零とな
るように、例えば次式により、比例積分制御により磁束
補正量φcmp が演算される。
【0246】
【数29】
【0247】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0248】すなわち、推定演算された誘起電圧の大き
さ|E|が、誘起電圧基準Eref よりも大きい場合(Δ
|E|>0)には、磁束指令φ* を大きくするような、
すなわち正の磁束補正量φcmp を出力するように、ゲイ
ンKp,Kiが設定される。
【0249】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、推定演算された
誘起電圧の大きさ|E|と誘起電圧基準Eref との偏差
Δ|E|に基づいて、この偏差Δ|E|が零となるよう
に磁束補正量φcmp を演算する。
【0250】CVVF動作の場合、磁束指令が実際の磁
束量に一致しないと、誘起電圧基準と実際の誘起電圧の
大きさとが一致しない。推定演算された誘起電圧と誘起
電圧基準との偏差に基づいて磁束補正量を演算すること
で、誘導電動機2の各状態量とその各指令とが一致し、
3相インバータ1の出力トルクをその指令に追従させる
ことができる。1パルスモードにおいても動作可能であ
り、3相インバータ1の電圧を最大限に利用することが
できる。
【0251】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0252】(第8の実施の形態)図11は、本実施の
形態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変
換装置における磁束指令補正部10の磁束補正量演算器
12の概略構成例を示すブロック図であり、前記図1お
よび図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省
略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0253】すなわち、図11に示すように、本実施の
形態の磁束補正量演算器12は、誘起電圧演算器21
と、誘起電圧基準演算器23と、減算器16と、第2の
磁束補正量演算器14とから構成している。
【0254】誘起電圧演算器21は、前記電圧指令演算
部6により演算された電圧指令Vd* ,Vq* と、前記
電流検出器4により検出された誘導電動機2の相電流I
u,Iwと、前記電流指令演算部5により演算されたト
ルク軸電流指令Iq*,磁束軸電流指令Id* のうちの
少なくとも一つに基づいて、前記dq軸回転座標系上に
おけるd軸誘起電圧Edとq軸誘起電圧Eqとを演算す
る。
【0255】誘起電圧基準演算器23は、前記磁束指令
補正部10により補正された磁束指令φ* cmp と、前記
出力周波数演算部11により演算された3相インバータ
1の出力周波数ωiとに基づいて、誘起電圧基準Eref
を演算する。
【0256】減算器16は、誘起電圧演算器21により
演算されたq軸誘起電圧Eqから誘起電圧基準演算器2
3により演算された誘起電圧基準Eref を減算して、偏
差Δ|E|を演算する。
【0257】第2の磁束補正量演算器14は、減算器1
6により演算された誘起電圧の偏差Δ|E|に基づい
て、前記磁束補正量φcmp を演算する。
【0258】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0259】なお、ここでは、前記図1および図5と異
なる部分の作用についてのみ述べる。
【0260】図11において、誘起電圧演算器21で
は、例えば前述の(27)式,(28)式により、誘起
電圧推定の演算が行なわれる。
【0261】誘起電圧基準演算器23では、補正後の磁
束指令φ* cmp と3相インバータ1の出力周波数ωiと
に基づいて、例えば前述の(30)式により、誘起電圧
基準Eref が演算される。
【0262】減算器16では、誘起電圧演算器21から
の一方の出力であるq軸誘起電圧Eqから、誘起電圧基
準演算器23からの出力である誘起電圧基準Eref が減
算される。
【0263】この減算器16からの出力Δ|E|は、減
算器16からの出力である推定演算されたq軸誘起電圧
Eqと誘起電圧基準Eref との偏差を表わし、第2の磁
束補正量演算器14に入力される。
【0264】第2の磁束補正量演算器14では、減算器
16からの出力である推定演算されたq軸誘起電圧Eq
と誘起電圧基準Eref との偏差Δ|E|が零となるよう
に、例えば次式により、比例積分制御により磁束補正量
φcmp が演算される。
【0265】
【数30】
【0266】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0267】すなわち、実際のq軸誘起電圧Eqが誘起
電圧基準Eref よりも大きい場合(Δ|E|>0)に
は、磁束指令φ* を大きくするような、すなわち正の磁
束補正量φcmp を出力するように、ゲインKp,Kiが
設定される。
【0268】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、推定演算された
q軸誘起電圧の大きさEqと誘起電圧基準Eref との偏
差Δ|E|に基づいて、この偏差Δ|E|が零となるよ
うに磁束補正量φcmp を演算する。
【0269】ベクトル制御を施す場合、d軸に磁束を一
致させるため、q軸誘起電圧のみが発生し、d軸誘起電
圧は発生しない。3相インバータ1がCVVF動作を行
なう場合、磁束指令が実際の磁束量に一致しないと、誘
起電圧基準と実際のq軸誘起電圧とが一致しない。推定
演算されたq軸誘起電圧と誘起電圧基準との偏差に基づ
いて磁束補正量を演算することで、誘導電動機2の各状
態量とその各指令とが一致し、3相インバータ1の出力
トルクをその指令に追従させることができる。1パルス
モードにおいても動作可能であり、3相インバータ1の
電圧を最大限に利用することができる。
【0270】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0271】(第9の実施の形態)図12は、本実施の
形態による速度センサレスベクトル制御を用いた電力変
換装置における出力周波数演算部11の概略構成例を示
すブロック図であり、前記図1と同一要素には同一符号
を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につい
てのみ述べる。
【0272】本実施の形態は、前記第1の実施の形態に
おいて、3相インバータ1に接続される電動機が特に誘
導電動機2であると限定した場合の出力周波数演算部1
1の構成例について特定している。
【0273】すなわち、図12に示すように、本実施の
形態の出力周波数演算部11は、ロータ回転周波数演算
部24と、滑り周波数演算部25と、加算器26とから
構成している。
【0274】ロータ回転周波数演算部24は、電圧指令
演算部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電
圧指令Vq* 、電流指令演算部5からの出力である磁束
軸(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q軸)電流指令
Iq* 、電流検出器4により検出された誘導電動機2の
各相電流、Iu ,Iw のうちの少なくとも一つに基づい
て、誘導電動機2のロータの回転周波数を推定演算し、
ロータ周波数ωrhを出力する。
【0275】滑り周波数演算部25は、電流指令演算部
5からの出力である磁束軸(d軸)電流指令Id* ,ト
ルク軸(q軸)電流指令Iq* 、電流検出器4により検
出された誘導電動機2の各相電流、Iu ,Iw のうちの
少なくとも一つに基づいて、誘導電動機2の滑り周波数
を演算し、滑り周波数ωshを出力する。
【0276】加算器26は、ロータ周波数演算部24か
らの出力ωrhと、滑り周波数演算部25からの出力ωsh
とを加算し、3相インバータ1の出力周波数を出力す
る。
【0277】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0278】なお、ここでは、前記図1および図5と異
なる部分の作用についてのみ述べる。
【0279】図12において、ロータ周波数演算部24
では、電圧指令演算部6からの出力であるd軸電圧指令
Vd* ,q軸電圧指令Vq* 、電流指令演算部5の出力
である磁束軸(d軸)電流指令Id* やトルク軸(q
軸)電流指令Iq* 、電流検出器4により検出された誘
導電動機2の各相電流Iu,Iwに基づいて、誘導電動
機2のロータの回転周波数が推定演算され、ロータ周波
数ωrhが出力される。
【0280】滑り周波数演算部25では、電流指令演算
部5からの出力である磁束軸 (d軸)電流指令I
* ,トルク軸(q軸)電流指令Iq* 、電流検出器4
により検出された誘導電動機2の各相電流Iu,Iwに
基づいて、誘導電動機2に与えるべき滑り周波数が演算
され、滑り周波数ωshが出力される。
【0281】この場合、滑り周波数演算部25では、例
えば次式により、滑り周波数ωshが演算される。
【0282】
【数31】
【0283】加算器26では、ロータ周波数演算部24
からの出力であるロータ周波数ωrhと、滑り周波数演算
部25からの出力である滑り周波数ωshとが加算され
て、3相インバータ1の出力周波数ωiが演算される。
【0284】ここで、ロータ周波数演算部24は、例え
ば図13に示すように、ロータ周波数基準演算部36
と、ロータ周波数補正量演算部37と、加算器38とか
ら構成される。
【0285】ロータ周波数基準演算部36では、電圧指
令演算部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸
電圧指令Vq* 、電流指令演算部5からの出力である磁
束軸(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q軸)電流指
令Iq* 、電流検出器4により検出された誘導電動機2
の各相電流Iu,Iwに基づいて、誘導電動機2のロー
タの回転周波数の基準量ωrh* が推定演算される。
【0286】ロータ周波数補正量演算部37では、電圧
指令演算部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q
軸電圧指令Vq* 、電流指令演算部5からの出力である
磁束軸(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q軸)電流
指令Iq* 、電流検出器4により検出された誘導電動機
2の各相電流Iu,Iwに基づいて、誘導電動機2のロ
ータの回転周波数への補正量ωrhcmp が演算される。
【0287】加算器38では、ロータ周波数基準演算部
36からの出力であるロータ周波数基準量ωrh* と、ロ
ータ周波数補正量演算部37からの出力であるロータ周
波数補正量ωrhcmp とが加算されて、ロータ周波数ωrh
が演算される。
【0288】ここで、ロータ周波数補正量演算部37
は、例えば図14に示すように、q軸磁束演算器39
と、比例積分制御器40とから構成される。
【0289】q軸磁束演算器39では、電圧指令演算部
6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧指令
Vq* 、電流指令演算部5からの出力である磁束軸
(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q軸)電流指令I
* 、電流検出器4により検出された誘導電動機2の各
相電流Iu,Iwに基づいて、例えば(21)式,(2
2)式,(23)式により、q軸磁束φqが推定演算さ
れる。
【0290】そして、この演算されたq軸磁束φqは、
比例積分制御器40に入力され、例えば次式により、ロ
ータ周波数補正量ωrhcmp が演算される。
【0291】
【数32】
【0292】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0293】ロータ周波数が正確に演算される場合、速
度センサ付きの滑り周波数形ベクトル制御と等価であ
り、d軸と磁束軸とが一致し、q軸磁束は発生しない。
【0294】このようにして、q軸磁束φqを推定演算
し、このq軸磁束φqに基づいてロータ周波数を補正す
ることにより、ロータ周波数の誤差を補正して、d軸と
磁束軸とを一致させる速度センサレスベクトル制御を行
なうことができる。
【0295】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、誘導電
動機2の各状態量から誘導電動機2のロータ周波数を推
定演算し、誘導電動機2の各状態量から与えるべき滑り
周波数を演算し、これらロータ周波数と滑り周波数とを
加算して3相インバータ1の出力周波数とすることによ
り、磁束軸とd軸とが一致するように制御を行なうこと
ができる。
【0296】また、3相インバータ1がCVVF動作す
る場合に、誘導電動機2の電流・電圧・磁束といった各
状態量と対応する各指令との差異に基づいて磁束指令φ
* を補正することにより、誘導電動機2の各状態量とそ
の各指令とが一致し、3相インバータ1の出力トルクを
その指令に追従させることができる。1パルスモードに
おいても動作可能であり、3相インバータ1の電圧を最
大限に利用することができる。
【0297】以上により、3相インバータ1が出力電圧
の大きさが一定であるCVVF動作をする場合において
も、出力電圧の大きさが最大値で固定としたまま制御可
能として、3相インバータ1の容量を低減することが可
能となる。
【0298】(第9の実施の形態の変形例)図15は、
ロータ周波数補正量演算部37の他の構成例を示すブロ
ック図である。
【0299】図15において、ロータ周波数補正量演算
部37は、d軸誘起電圧演算部41と、比例積分制御器
40とから構成される。
【0300】d軸誘起電圧演算器41では、電圧指令演
算部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧
指令Vq* 、電流指令演算部5からの出力である磁束軸
(d軸)電流指令Id* ,トルク軸(q軸)電流指令I
* 、電流検出器4により検出された誘導電動機2の各
相電流Iu,Iwに基づいて、例えば(21)式,(2
2)式により、d軸誘起電圧Edが推定演算される。
【0301】そして、この演算されたd軸誘起電圧Ed
は、比例積分制御器40に入力され、例えば次式によ
り、ロータ周波数補正量ωrhcmp が演算される。
【0302】
【数33】
【0303】ただし、s:ラプラス演算子、Kp:比例
ゲイン、Ki:積分ゲイン。
【0304】ロータ周波数が正確に演算される場合、速
度センサ付きの滑り周波数形ベクトル制御と等価であ
り、d軸と磁束軸とが一致し、q軸誘起電圧は発生しな
い。
【0305】このようにして、d軸誘起電圧Edを推定
演算し、このd軸誘起電圧Edに基づいてロータ周波数
を補正することにより、ロータ周波数の誤差を補正し
て、d軸と磁束軸とを一致させる速度センサレスベクト
ル制御を行なうことができる。 (第10の実施の形態)図16は、本実施の形態による
速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の概
略構成例を示すブロック図であり、前記図1と同一要素
には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異な
る部分についてのみ述べる。
【0306】本実施の形態は、前記第1乃至第9の各実
施の形態において、電動機として誘導電動機を駆動する
場合の構成例について示したものを、誘導電動機に限ら
ず全ての電動機について同様に適用可能とした場合の構
成例について示している。
【0307】なお、ここでは、その一例として、電動機
として永久磁石電動機を駆動する場合の構成例について
示している。
【0308】すなわち、図16に示すように、本実施の
形態の電力変換装置は、前記図1における誘導電動機2
を、永久磁石電動機41に置き換えた点のみが異なって
いる。
【0309】図16は、3相インバータ1と、3相イン
バータ1の直流側に接続されたフィルタコンデンサ3
と、該3相インバータ1の交流側に接続された永久磁石
電動機2とより主回路が構成され、ベクトル制御により
電動機駆動制御を行うものとする。
【0310】次に、以上のように構成した本実施の形態
の速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置の
作用について説明する。
【0311】図14において、磁束指令補正部10には
磁束指令φ* が入力され、詳細を後述するように補正し
て、補正後の磁束指令φ* cmp が出力される。
【0312】電流指令演算部5には、補正後の磁束指令
φ* cmp とトルク指令Tm* とが入力され、例えば次式
により、磁束軸(d軸)電流指令Id* とトルク軸(q
軸)電流指令Iq* とが演算される。
【0313】
【数34】
【0314】ただし、ΔL:Ld−Lq。
【0315】電圧指令演算部6には、磁束軸(d軸)電
流指令Id* と、トルク軸(q軸)電流指令Iq* とが
入力され、例えば次式により、d軸電圧指令Vd* とq
軸電圧指令Vq* とが演算される。
【0316】
【数35】
【0317】ただし、R:抵抗、Ld:d軸インダクタ
ンス、Lq:q軸インダクタンス、ωi:インバータ出
力周波数、φf:永久磁石磁束。
【0318】座標変換部7には、電圧指令演算部6から
の出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧指令Vq*
が入力され、例えば次式により、電圧指令の大きさ|V
|とd軸からの位相角θvとが演算される。
【0319】
【数36】
【0320】ゲート制御部8では、座標変換部7からの
出力である電圧指令のd軸からの位相角θvと、積分部
9からの出力である回転座標系d軸の静止座標系a軸か
らの位相角θabとに基づいて、ゲート信号が生成され
る。
【0321】なお、このゲート制御部8の動作は、前記
第1の実施の形態におけるゲート制御部8の動作と同一
であるため、ここではその説明を省略する。
【0322】磁束指令補正部10では、電圧指令演算部
6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧指令
Vq* と、座標変換部7からの出力である電圧指令の大
きさ|V|と、電流検出器4により検出された永久磁石
電動機41の各相電流Iu,Iwとに基づいて、実際の
永久磁石電動機41の状態量と対応する指令との相違を
判断して、磁束指令φ* が補正される。永久磁石電動機
41の電圧は、概ね磁束×周波数で表わされるため、磁
束指令φ* を補正することで、出力電圧の指令を補正し
ていることになる。
【0323】なお、この磁束指令補正部10について
も、前記第1の実施の形態における磁束指令補正部10
と同一の構成をとることができる。
【0324】出力周波数演算部11では、電圧指令演算
部6からの出力であるd軸電圧指令Vd* ,q軸電圧指
令Vq* と、電流検出器4により検出された永久磁石電
動機41の各相電流Iu,Iwとに基づいて、3相イン
バータ1の出力周波数ωiが演算される。
【0325】ここで、出力周波数演算部11は、例えば
図17に示すように、出力周波数基準量演算部27と、
出力周波数補正量演算部28と、加算器31から構成さ
れる。
【0326】また、出力周波数基準量演算部27は、誘
起電圧演算器42と、除算器32とから構成される。
【0327】誘起電圧演算器42では、例えば次式によ
り、d軸誘起電圧Edとq軸誘起電圧Eqとが演算され
る。
【0328】
【数37】
【0329】そして、この誘起電圧演算器42により演
算されたq軸誘起電圧Eqは、除算器32に入力され
て、補正後の磁束指令値φ* cmp により除算される。こ
の除算器32からの出力は、出力周波数基準ωirefとな
る。
【0330】一方、出力周波数補正量演算部28は、誘
起電圧演算器42と、比例積分制御器33とから構成さ
れる。
【0331】上記誘起電圧演算器42により演算された
誘起電圧のうち、d軸誘起電圧Edが比例積分制御器3
3に入力される。
【0332】比例積分制御器33では、例えば次式によ
り、出力周波数補正量Δωiが演算される。
【0333】
【数38】
【0334】ただし、Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲ
イン。
【0335】そして、この出力周波数補正量Δωiは、
加算器31により出力周波数基準量ωirefと加算され
て、3相インバータ1の出力周波数ωiが演算される。
【0336】このようにして、前述した誘導電動機2の
駆動制御の場合と同様に、永久磁石電動機41の駆動制
御の場合にも、ベクトル制御が成り立つ場合、すなわち
d軸と磁束軸とが一致する場合、d軸誘起電圧は発生し
ない。
【0337】このd軸誘起電圧に基づいて、3相インバ
ータ1の出力周波数ωiを補正するで、軸ずれを補償し
て、磁束軸とd軸とを一致させることが可能である。
【0338】このようにして、出力周波数演算部11に
より演算された3相インバータ1の出力周波数ωiは、
積分部9に入力され、その積分値が出力される。この積
分部9の出力は、静止座標系a軸から回転座標系d軸ま
での回転位相角θabである。
【0339】上述したように、本実施の形態の速度セン
サレスベクトル制御を用いた電力変換装置では、3相イ
ンバータ1がCVVF動作する場合に、永久磁石電動機
41の電流・電圧・磁束といった各状態量と対応する各
指令との差異に基づいて磁束指令φ* を補正することに
より、永久磁石電動機41の各状態量とその各指令とが
一致し、3相インバータ1の出力トルクをその指令に追
従させることができる。1パルスモードにおいても動作
可能であり、3相インバータ1の電圧を最大限に利用す
ることができる。
【0340】(その他の実施の形態)前記第1乃至第1
0の各実施の形態では、電圧指令演算部6においては、
磁束軸(d軸)電流指令Id* と、トルク軸(q軸)電
流Iq* とのみに基づいて、前述した(2)式により、
d軸電圧指令Vd* とq軸電圧指令Vq* とを演算する
場合について説明したが、これに限定されるものではな
い。
【0341】例えば、電動機2の相電流Iu,Iwも入
力し、磁束軸(d軸)電流指令Id* と、トルク軸(q
軸)電流Iq* と、電流検出器4により検出された電動
機の相電流Iu,Iwとに基づいて、d軸電圧指令Vd
* とq軸電圧指令Vq*とを演算するようにしてもよ
い。Iu,Iwは、例えば前述した(6)式により、I
d,Iqへ変更される。
【0342】この場合の演算式としては、前述した
(2)式におけるd軸電圧指令Vd* とq軸電圧指令V
* の演算式として、 Vd* =R1・Id* −ωi・σL1・Iq* Vq* =R1・Iq* +ωi・L1・Id* に代えて、 Vd* =R1・Id* −ωi・σL1・Iq Vq* =R1・Iq* +ωi・σL1・Id+ωi・L
2/M2 ・Id* とする場合もある。
【0343】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電力変換
装置によれば、3相インバータが速度センサレスベクト
ル制御により出力電圧の大きさが一定であるCVVF動
作をする場合においても、電動機の情報に基づいて磁束
指令を補正して、電動機の電流・電圧・磁束といった状
態量を対応する指令と一致させることにより、3相イン
バータのトルク出力をその指令に追従させることができ
る。
【0344】これにより、出力電圧の大きさが最大値で
固定としたまま制御可能として、1パルスモードにおい
ても動作可能であり、3相インバータの電圧を最大限に
利用して、3相インバータの容量を低減することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による速度センサレスベクトル制御を用
いた電力変換装置の第1の実施の形態を示すブロック
図。
【図2】同第1の実施の形態の速度センサレスベクトル
制御を用いた電力変換装置における出力周波数演算部の
詳細な第1の構成例を示すブロック図。
【図3】同第1の実施の形態の速度センサレスベクトル
制御を用いた電力変換装置における出力周波数演算部の
詳細な第2の構成例を示すブロック図。
【図4】同第1の実施の形態の速度センサレスベクトル
制御を用いた電力変換装置における出力周波数演算部の
詳細な第3の構成例を示すブロック図。
【図5】本発明による速度センサレスベクトル制御を用
いた電力変換装置の第2の実施の形態を示すブロック
図。
【図6】本発明による速度センサレスベクトル制御を用
いた電力変換装置の第3の実施の形態を示すブロック
図。
【図7】本発明による速度センサレスベクトル制御を用
いた電力変換装置の第4の実施の形態を示すブロック
図。
【図8】本発明による速度センサレスベクトル制御を用
いた電力変換装置の第5の実施の形態を示すブロック
図。
【図9】本発明による速度センサレスベクトル制御を用
いた電力変換装置の第6の実施の形態を示すブロック
図。
【図10】本発明による速度センサレスベクトル制御を
用いた電力変換装置の第7の実施の形態を示すブロック
図。
【図11】本発明による速度センサレスベクトル制御を
用いた電力変換装置の第8の実施の形態を示すブロック
図。
【図12】本発明による速度センサレスベクトル制御を
用いた電力変換装置の第9の実施の形態を示すブロック
図。
【図13】同第9の実施の形態の速度センサレスベクト
ル制御を用いた電力変換装置におけるロータ周波数演算
部の詳細な第1の構成例を示すブロック図。
【図14】同第9の実施の形態の速度センサレスベクト
ル制御を用いた電力変換装置におけるロータ周波数演算
部の詳細な第2の構成例を示すブロック図。
【図15】同第9の実施の形態の速度センサレスベクト
ル制御を用いた電力変換装置におけるロータ周波数演算
部の詳細な第3の構成例を示すブロック図。
【図16】本発明による速度センサレスベクトル制御を
用いた電力変換装置の第10の実施の形態を示すブロッ
ク図。
【図17】同第10の実施の形態の速度センサレスベク
トル制御を用いた電力変換装置における出力周波数演算
部の詳細な構成例を示すブロック図。
【図18】従来の速度センサレスベクトル制御を適用し
た電力変換装置の概略構成例を示すブロック図。
【図19】従来の速度センサレスベクトル制御を適用し
た電力変換装置における出力周波数演算部の一例を示す
ブロック図。
【図20】座標系の関係を示す概念図。
【図21】軸ずれのない定常状態での誘導電動機のベク
トル図。
【図22】軸ずれのある定常状態での誘導電動機のベク
トル図。
【符号の説明】
1…3相インバータ、 2…誘導電動機、 3…フィルタコンデンサ、 4…電流検出器、 5…電流指令演算部、 6…電圧指令演算部、 7…座標変換部、 8…ゲート制御部、 9…積分部、 10…磁束指令補正部、 11…出力周波数演算部、 12…磁束補正量演算部、 13…加算器、 14…第2の磁束補正量演算器、 15…出力電圧長演算器、 16…減算器、 17…直流電圧検出器、 18…第2の出力電圧長演算器、 19…磁束長演算器、 20…d軸磁束演算器、 21…誘起電圧演算器、 22…誘起電圧長演算器、 23…誘起電圧基準演算器、 24…ロータ周波数演算部、 25…滑り周波数演算部、 26…加算器、 27…出力周波数基準量演算器、 28…出力周波数補正量演算器、 29…比例積分器、 30…乗算器、 31…加算器、 32…除算器、 33…比例積分制御器、 34…座標系変換器、 35…減算器、 36…ロータ周波数基準演算部、 37…ロータ周波数補正量演算部、 38…加算器、 39…q軸磁束演算器、 40…比例積分制御器、 41…永久磁石電動機、 42…誘起電圧演算器、 φ* …磁束指令、 φ* cmp …補正後の磁束指令、 Tm* …トルク指令、 Id* …磁束軸(d軸)電流指令、 Iq* …トルク軸(q軸)電流指令、 Vd* …d軸電圧指令、 Vq* …q軸電圧指令、 |V|…電圧指令長(大きさ)、 θv…電圧指令のd軸からの位相角度、 θab…回転座標系d軸の固定座標a軸からの位相角
度、 s…ラプラス演算子、 ωiref…出力周波数基準量、 Δωi…出力周波数補正量、 Id…磁束軸(d軸)電流、 Iq…トルク軸(q軸)電流、 ωi…インバータ出力周波数、 R1…誘導電動機2の1次抵抗、 R2…誘導電動機2の2次抵抗、 L1…誘導電動機2の1次インダクタンス、 L2…誘導電動機2の2次インダクタンス、 M…誘導電動機2の相互インダクタンス、 σL1…誘導電動機2の漏れインダクタンス、 φcmp …磁束指令補正量、 Vdc…直流リンク電圧、 |V|* …実際にインバータから出力される出力電圧の
大きさ、 R…永久磁石電動機41の抵抗、 Ld…永久磁石電動機41のd軸インダクタンス、 Lq…永久磁石電動機41のq軸インダクタンス、 φf…永久磁石電動機41の永久磁石磁束量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H576 BB09 BB10 CC01 DD02 DD04 DD07 EE01 GG05 GG10 HB01 JJ05 JJ22 JJ24 JJ25 LL14 LL22 LL24 LL30 LL34 LL60

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流を任意の周波数の交流に変換する3
    相インバータと、当該3相インバータの直流側に接続さ
    れたフィルタコンデンサと、前記3相インバータの交流
    側に接続されて駆動される電動機とから主回路を構成
    し、 磁束軸に一致した軸をd軸とし、当該d軸に直交する軸
    (トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系上で、速度
    検出器を用いずに前記3相インバータの制御を行なうベ
    クトル制御手段を備えて構成される電力変換装置におい
    て、 前記ベクトル制御手段として、 磁束指令とトルク指令とに基づいて、トルク軸電流指令
    であるq軸電流指令と磁束軸電流指令であるd軸電流指
    令とを演算する電流指令演算手段と、 少なくとも前記電流指令演算手段により演算されたトル
    ク軸電流指令と磁束軸電流指令とを入力とし、当該入力
    に基づいてd軸電圧指令とq軸電圧指令とを演算する電
    圧指令演算手段と、 前記電圧指令演算手段により演算されたd軸電圧指令と
    q軸電圧指令とを入力とし、当該d軸電圧指令とq軸電
    圧指令とからなる電圧指令の大きさと前記磁束軸に対す
    る電圧指令の角度とを演算する座標変換手段と、 前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、 前記電流検出手段により検出された電動機の電流と前記
    電流指令演算手段により演算された電流指令と前記電圧
    指令演算手段により演算された電圧指令のうちの少なく
    とも一つに基づいて、前記3相インバータの出力周波数
    を演算する出力周波数演算手段と、 前記出力周波数演算手段により演算された3相インバー
    タの出力周波数を入力とし、当該入力された3相インバ
    ータの出力周波数を積分して位相を演算する積分手段
    と、 前記積分手段により演算された位相と前記座標変換手段
    により演算された電圧指令の角度とに基づいて、前記3
    相インバータのゲートを制御するゲート制御手段と、 前記電圧指令演算手段により演算された電圧指令と前記
    座標変換手段により演算された電圧指令の大きさと前記
    電流検出手段により検出された電動機の電流と前記電流
    指令演算手段により演算された電流指令のうちの少なく
    とも一つに基づいて、前記電動機の状態量を対応する指
    令と一致させるように、前記磁束指令を補正する磁束指
    令補正手段と、 を備えて成ることを特徴とする速度センサレスベクトル
    制御を用いた電力変換装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記磁束指令補正手段としては、 前記電圧指令演算手段により演算された電圧指令と前記
    座標変換手段により演算された電圧指令の大きさと前記
    電流検出手段により検出された電動機の電流と前記電流
    指令演算手段により演算された電流指令のうちの少なく
    とも一つに基づいて、磁束補正量を演算する磁束補正量
    演算手段と、 前記磁束補正量演算手段により演算された磁束補正量と
    前記磁束指令とを加算する加算手段と、 から成ることを特徴とする速度センサレスベクトル制御
    を用いた電力変換装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記磁束補正量演算手段としては、 前記3相インバータの出力電圧の大きさを示す電圧長を
    演算する出力電圧長演算手段と、 前記出力電圧長演算手段により演算された出力電圧の大
    きさから前記座標変換手段により演算された電圧指令の
    大きさを減算して偏差を演算する減算手段と、 前記減算手段にて演算された電圧の偏差に基づいて、前
    記磁束の補正量を演算する第2の磁束補正量演算手段
    と、 から成ることを特徴とする速度センサレスベクトル制御
    を用いた電力変換装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記出力電圧長演算手段としては、 前記フィルタコンデンサにかかる直流リンク電圧を検出
    する電圧検出手段と、 前記電圧検出手段により検出された直流リンク電圧に基
    づいて、出力電圧長を演算する第2の出力電圧長演算手
    段と、 から成ることを特徴とする速度センサレスベクトル制御
    を用いた電力変換装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項2に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記磁束補正量演算手段としては、 前記電圧指令演算手段により演算された電圧指令と前記
    電流検出手段により検出された電動機の電流と前記電流
    指令演算手段により演算された電流指令のうちの少なく
    とも一つに基づいて、磁束の大きさを示す磁束長を演算
    する磁束長演算手段と、 前記磁束長演算手段により演算された磁束の大きさから
    前記磁束指令補正手段により補正された磁束指令を減算
    して偏差を演算する減算手段と、 前記減算手段により演算された磁束の偏差に基づいて、
    前記磁束補正量を演算する第2の磁束補正量演算手段
    と、 から成ることを特徴とする速度センサレスベクトル制御
    を用いた電力変換装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項2に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記磁束補正量演算手段としては、 前記電圧指令演算手段により演算された電圧指令と前記
    電流検出手段により検出された電動機の電流と前記電流
    指令演算手段により演算された電流指令のうちの少なく
    とも一つに基づいて、前記dq軸回転座標系上でのd軸
    磁束を演算するd軸磁束演算手段と、 前記d軸磁束演算手段により演算されたd軸磁束の大き
    さから前記磁束指令補正手段により補正された磁束指令
    を減算して偏差を演算する減算手段と、 前記減算手段により演算された磁束の偏差に基づいて、
    前記磁束補正量を演算する第2の磁束補正量演算手段
    と、 から成ることを特徴とする速度センサレスベクトル制御
    を用いた電力変換装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項2に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記磁束補正量演算手段としては、 前記電圧指令演算手段により演算された電圧指令と前記
    電流検出手段により検出された電動機の電流と前記電流
    指令演算手段により演算された電流指令のうちの少なく
    とも一つに基づいて、前記dq軸回転座標系上における
    d軸誘起電圧とq軸誘起電圧とを演算する誘起電圧演算
    手段と、 前記誘起電圧演算手段により演算されたd軸誘起電圧と
    q軸誘起電圧とに基づいて、当該誘起電圧の大きさを示
    す誘起電圧長を演算する誘起電圧長演算手段と、 前記磁束指令補正手段により補正された磁束指令と前記
    出力周波数演算手段により演算された3相インバータの
    出力周波数とに基づいて、誘起電圧基準を演算する誘起
    電圧基準演算手段と、 前記誘起電圧長演算手段により演算された誘起電圧長か
    ら前記誘起電圧基準演算手段により演算された誘起電圧
    基準を減算して偏差を演算する減算手段と、 前記減算手段により演算された誘起電圧の偏差に基づい
    て、前記磁束補正量を演算する第2の磁束補正量演算手
    段と、 から成ることを特徴とする速度センサレスベクトル制御
    を用いた電力変換装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項2に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記磁束補正量演算手段としては、 前記電圧指令演算手段により演算された電圧指令と前記
    電流検出手段により検出された電動機の電流と前記電流
    指令演算手段により演算された電流指令のうちの少なく
    とも一つに基づいて、前記dq軸回転座標系上における
    d軸誘起電圧とq軸誘起電圧とを演算する誘起電圧演算
    手段と、 前記磁束指令補正手段により補正された磁束指令と前記
    出力周波数演算手段により演算された3相インバータの
    出力周波数とに基づいて、誘起電圧基準を演算する誘起
    電圧基準演算手段と、 前記誘起電圧演算手段により演算されたq軸誘起電圧か
    ら前記誘起電圧基準演算手段により演算された誘起電圧
    基準を減算して偏差を演算する減算手段と、 前記減算手段により演算された誘起電圧の偏差に基づい
    て、前記磁束補正量を演算する第2の磁束補正量演算手
    段と、 から成ることを特徴とする速度センサレスベクトル制御
    を用いた電力変換装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項1に記載の速度センサレスベ
    クトル制御を用いた電力変換装置において、 前記電圧指令演算手段としては、 前記電流指令演算手段により演算されたトルク軸電流指
    令と磁束軸電流指令と前記電流検出手段により検出され
    た電動機の電流とを入力とし、当該入力に基づいてd軸
    電圧指令とq軸電圧指令とを演算することを特徴とする
    速度センサレスベクトル制御を用いた電力変換装置。
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