JP3363732B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置

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JP3363732B2 JP02043997A JP2043997A JP3363732B2 JP 3363732 B2 JP3363732 B2 JP 3363732B2 JP 02043997 A JP02043997 A JP 02043997A JP 2043997 A JP2043997 A JP 2043997A JP 3363732 B2 JP3363732 B2 JP 3363732B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工作機械の主軸駆動
などに利用され、誘導電動機の出力トルクを任意に制御
する誘導電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械の主軸駆動などの用途には、す
べり周波数型ベクトル制御によって駆動される誘導電動
機が多く用いられている。このすべり周波数型ベクトル
制御において、出力トルクを任意に制御するためには、
電動機の二次抵抗r2、励磁インダクタンスMおよびト
ルク電流i1qに応じて正確なすべり周波数を電動機に与
える必要がある。しかしながら、二次抵抗r2は、電動
機の温度変化等によって2倍程度に大きく変動するにも
拘わらず制御装置内においては、二次抵抗r2の値は変
動が考慮されていない。その結果、電動機に与えられる
すべり周波数が不正確となり、出力トルクを正確に制御
することができない。この問題を解決するべく、本出願
人等は既に特願平7−92165号において、誘導電動
機の励磁インダクタンスMおよび二次抵抗r2の値が正
確に把握できない場合や、これらの値が変動する場合に
おいても常に出力トルクを精度良く制御できる誘導電動
機の制御装置を提案している。
【0003】図5に特願平7−92165号による誘導
電動機の制御装置のシステム構成の一例を示す。この制
御装置に対して外部からの入力指令として、トルク指令
T*および磁束密度指令φ*が入力される。変換器1は、
磁束密度指令φ*に応じて必要な励磁電流指令値i1d*を
算出発生する励磁電流指令発生器(手段)であり、磁束
密度と励磁電流の関係は後述するように励磁インダクタ
ンスMを意味している。この変換器1では、Mの逆数を
乗算することによって励磁電流指令値i1d*が出力され
る。除算器2はトルク電流指令発生手段を構成し、入力
されたトルク指令T*を入力された磁束密度指令φ*で除
算するものであり、誘導電動機の出力トルクは磁束密度
とトルク電流値との積に比例することから、除算器2の
出力がトルク電流指令値i1q*として出力される。
【0004】この特願平7−92165号による誘導電
動機の制御装置の動作を図6の誘導電動機の等価回路を
もとに説明する。電動機の一次電流I1,励磁電流Io,一
次電圧E1は磁束の回転角周波数ωに同期して回転する
dq軸座標上の一次電流i1d,i1q,励磁電流iod,ioq、一
次電圧e1d,e1qを用いて次のように表される。
【0005】
【数1】 I1=i1d・sinωt+i1q・cosωt ・・・(1)
【数2】 Io=iod・sinωt+ioq・cosωt ・・・(2)
【数3】 E1=e1d・sinωt+e1q・cosωt ・・・(3) このとき誘導電動機の一次回路について電圧方程式は次
のように表される。
【0006】
【数4】
【数5】 ここでpは微分演算子d/dt、r1は一次巻線抵抗、Lσ
は漏れインダクタンス、Mは励磁インダクタンスであ
る。
【0007】次に二次回路についても同様に電圧方程式
は次のように表される。
【0008】
【数6】 −r2・i1d+(r2+pM)iod−ωs・M・ioq=0 ・・・(6)
【数7】 −r2・i1q+ωs・M・iod+(r2+pM)ioq=0 ・・・(7) ここでr2は二次巻線抵抗、ωsはすべり角周波数であ
る。このωsは電動機の回転角周波数ωmを用いて次のよ
うに表される。
【0009】
【数8】ωs=ω−ωm ・・・(8) 磁束方向がd軸に一致していると仮定すると、電動機内
部の励磁電流ioは次のように表される。
【0010】
【数9】io=φ/M=iod,ioq=0 ・・・(9) (9)式と(6)式よりioとi1dとの関係を求めると次
式を得る。
【0011】
【数10】 io/i1d=1/(1+pM/r2) ・・・(10) すなわち、励磁電流ioはi1dに対して一次遅れで応答
し、その時定数はM/r2である。この時定数は一般的
な誘導電動機において数100msであり、ioの変化は十分
に緩慢であると近似できる。
【0012】一方、(9)式と(7)式より、次式を得
る。
【0013】
【数11】 ωs=r2・i1q/(M・io) ・・・(11) これがいわゆるベクトル制御条件と呼ばれるもので、こ
の式を満たすすべり角周波数ωsを電動機に与えると
き、磁束方向がd軸に一致する。このときi1qが磁束に
直交することから電動機の発生トルクTは、以下のよう
になる。
【0014】
【数12】T=φ・i1q=M・io・i1q ・・・(12) 従って、i1qを制御することによって任意にトルクを制
御することができる。
【0015】前記のようにioの変化は十分に緩慢である
と近似するとき、(4),(5)式は次のように書き直
すことができる。
【0016】
【数13】 e1d=(r1+pLσ)i1d−ωLσ・i1q ・・・(13)
【数14】 e1q=ωLσ・i1d+(r1+pLσ)i1q+ωM・io ・・・(14) これらの式より、i1d,i1qを任意に制御しようとすると
き、電動機に印加する電圧(励磁電流同相電圧指令及び
トルク電流同相電圧指令)をそれぞれ次のように制御す
ればよい。
【0017】
【数15】 e1d*=Gd・Δi1d−ωLσ・i1q* ・・・(15)
【数16】 e1q*=ωLσ・i1d*+Gq・Δi1q+ωMc・io* ・・・(16) ここで添え字*は指令値であることを意味しており、ま
たΔi1d,Δi1qは次式で表される電流誤差である。
【0018】
【数17】 Δi1d=i1d*−i1d,Δi1q=i1q*−i1q ・・・(17) Mcはコントローラ内で想定した励磁インダクタンスで
あり、実際の励磁インダクタンスMとは異なるものであ
る。また、Gd,Gqは十分に大きなゲインであり、pi演
算増幅器などを用いて実現する。この(15),(1
6)式は図5のdq軸電圧指令算出部4で演算されd軸
電圧指令算出手段及びq軸電圧指令算出手段が構成され
ており、その内部ブロック図は図7に表される。また、
(11)式を満たすようにすべり角周波数算出手段を構
成する除算器7、乗算器8によってすべり角周波数ωs
が出力される。
【0019】(12)式で表される出力トルクTを正確
に制御しようとするとき、実際の励磁インダクタンスM
がコントローラ内のMcと等しいこと、および(11)
式のベクトル制御条件が成立し、磁束位置がd軸に一致
していることが必要である。しかしながら先に述べたよ
うに、励磁インダクタンスおよび(11)式中の二次抵
抗r2を正確に把握することは困難であり、その結果、
出力トルク精度が悪化する。そこで特願平7−9216
5号においては、まず励磁インダクタンスについて次式
に基づいて同定を行なっている。
【0020】
【数18】 Gq・Δi1q=ω(M−Mc)io= ω・ΔM・io ・・・(18) ここでΔMはコントローラ側で想定した励磁インダクタ
ンスMcと実際の電動機内部の真値Mとの間の設定誤差
である。なお、(18)式は次のように導出されてい
る。電動機が無負荷でi1q=i1q*=0であるとすると、
(14),(16)式は次のように変形できる。
【0021】
【数19】 e1q=ωLσ・i1d+ωM・io ・・・(19)
【数20】 e1q*=ωLσ・i1d*+Gq・Δi1q+ωMc・io* ・・・(20) 電流制御系の働きにより、i1d*=i1d,io*=io,e1q=
e1q*として(19),(20)式の差より、(18)
式が導出される。上記のように、i1q=i1q*=0の状態
において励磁インダクタンスの同定がおこなわれる。す
なわち、i1q=i1q*=0の状態のとき図5のコンパレー
タ22によってトルク指令T*が小さいことが検出さ
れ、無負荷状態の時のみ、スイッチ23が閉となり増幅
器21によってGq・Δi1qが増幅されて同定が行なわれ
る。この増幅器21の出力は、磁束密度指令φ*の値を
アドレスとするデータテーブル24に各磁束密度ごとに
積分して保持される。この積分値は励磁インダクタンス
Mの設定誤差ΔMであり励磁インダクタンス補正値を示
し、トルク指令が0でない場合においても、磁束密度指
令φ*に応じて保持されている設定誤差ΔMを取り出し
て、変換器1の係数1/Mを補償しているので、常に補
正された励磁インダクタンスMの真値を用いて制御する
こと可能である。
【0022】次に二次抵抗r2については次式に基づい
て同定が行なわれる。
【0023】
【数21】 Gq・Δi1q=Δr2(ω/ωs)i1q ・・・(21) ここでΔr2はコントローラ側で想定した値r2cと実際
の値r2との間の設定誤差である。この(21)式は以
下のように導出される。まず(11)式を変形して(2
2)式を得る。
【0024】
【数22】 ωM・io=(ω/ωs)r2・i1q ・・・(22) この(22)式を(14)式に代入することによって、
実際に電動機に発生するq軸電圧は次のように表すこと
ができる。
【0025】
【数23】 e1q=ωLσ・i1d+(r1+pLσ)i1q+(ω/ωs)r2・i1q ・・・(23) 一方、コントローラの出力する電圧e1q*は、(2
2),(16)式から次のように表すことができる。
【0026】
【数24】 e1q*=Gq・Δi1q+ωLσ・i1d*+(ω/ωs)r2c・i1q* ・・・(24) 電流制御系の働きにより、i1d*=i1d,i1q*=i1q,e1q
=e1q*として(23),(24)式の差を求めると、
次式を得る。
【0027】
【数25】 第1項は他の項に比べて比較的小さいので無視すると
(21)式が、導き出される。
【0028】すなわち(21)式よりGq・Δi1qは二次
抵抗r2の設定誤差Δr2を表しており、この誤差はGq・
Δi1qを用いて補正することが可能である。図5におい
て、Gq・Δi1qをΔeqと表しており、dq軸電圧指令算
出部4の出力ΔeqすなわちGq・Δi1qに増幅器25で同
定ゲインGrを乗算し、その出力に応じて変換器8の係
数r2を補償している。
【0029】以上のように、特願平7−92165号の
発明では、制御に用いられるパラメータの励磁インダク
タンスM、二次抵抗r2について、実際の電動機におけ
る真値を同定し、自動的に制御パラメータを適性に追従
させているので、鉄心の磁気飽和の影響や電動機の製造
上の寸法精度などによる励磁インダクタンスMの変動お
よび電動機の温度変化等による二次抵抗r2の変動の影
響を受けず、精度良く所望の出力トルクを得ることがで
きる。
【0030】特願平7−92165号の発明における他
の構成要素の動作を以下に簡単に説明する。dq軸電圧
指令算出部4は(15),(16)式の演算を行なって
おり、その内部構成を図7に示す。図中の減算器11が
励磁電流指令値i1d*から励磁電流検出値i1dを減算して
励磁電流誤差Δi1dが出力され、増幅器12はΔi1dを増
幅してGd・Δi1dが出力される。変換器13、乗算器1
4ではトルク電流指令値i1q*と回転周波数ω、漏れイン
ダクタンスLσから(15)式の第2項が算出され、こ
れがGd・Δi1dと加算されて、d軸電圧指令e1d*が出力
される。同様に減算器15はトルク電流指令値i1q*から
トルク電流検出値i1qを減算して、トルク電流誤差Δi1q
が求められ、これが増幅器16で増幅されて(16)式
の第2項Gq・Δi1qが得られている。変換器18は励磁
電流指令i1d*に漏れインダクタンスLσを乗算し、さら
に乗算器19で回転角周波数ωが乗算されることによっ
て(16)式の第1項ωLσ・i1d*が得られている。
(16)式の第3項ωMc・io*は、図7の図中において
はem*=Mc・io*と置き換えて乗算器19によって出力
されており、前記の第1項、第2項と加算されて、トル
ク電流同相電圧指令e1q*が出力される。なお、em*は
図5の変換器17によって磁束密度指令φ*に誘起電圧
係数Kemを掛けることによって求められている。dq軸
電圧指令算出部4の出力した励磁電流同相電圧指令e1d
*,トルク電流同相電圧指令e1q*は、三相電圧指令発生
手段を構成する図5の二相三相変換器3によって三相の
交流電圧指令eu*,ev*,ew*に変換され、インバータ
26に入力される。インバータ26は直流電源27をエ
ネルギー源として、この三相の交流電圧指令eu*,ev
*,ew*に応じた電圧を電動機28に印加することによ
って三相交流電流iu,iv,iwが流れる。この三相交流電
流iu,iv,iwは電流検出器6a,6b,6cによって検出
され、三相二相変換器9によって励磁電流検出値i1dお
よびトルク電流検出値i1qに変換される。なお、二相三
相変換器3と三相二相変換器9とが座標変換に使用する
信号sinωt,cosωtは、角周波数指令ωを基に二相正
弦波発生器10によって出力される。この角周波数指令
ωは、位置検出器29によって検出された電動機28の
回転位置を微分器30で微分することによって得た回転
速度ωmに、すべり角周波数ωsを加算する角周波数指令
算出手段によって得られている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】二次抵抗の誤差によっ
て電動機内の磁束方向がd軸に一致していないと仮定す
ると、電動機内の実際の励磁電流i1d及びトルク電流i1q
とコントローラ内で想定している励磁電流指令i1d*及び
トルク電流指令i1q*には次式の関係が成立する。
【0032】
【数26】 ここでΔθは軸ずれ角である。また、励磁電流について
は次式の関係が成立する。
【0033】
【数27】 定常状態を考えると iod = i1d , ioq = 0であるから、
(26)、(27)式から次式を得る。
【0034】
【数28】 なお、上記の近似はΔθが十分に小さいとして、cosΔ
θ = 1, sinΔθ = Δθ,sin2Δθ = 0 を用いている。
【0035】(28)式を用いると(7)式は次式のよ
うになる。
【0036】
【数29】 -r2 i1q* + ωs M(i1d* + i1q*・Δθ) + r2 i1d*・Δθ =0 ・・・(29) 一方、コントローラ内ではベクトル制御条件に基づいて
(11)式は下記のように表すことができる。
【0037】
【数30】 ωs=r2c i1q*/(Mc・i1d*) ・・・(30) (29)、(30)式から励磁インダクタンスの同定が
完了している(M = Mc)として二次抵抗誤差Δr2(=r2
- r2c)と軸ずれ角Δθとの関係を求めると、次式のよ
うになる。
【0038】
【数31】 Δθ = Δr2/(ωs M + (r2・r2c/ωs M)) ・・・(31) ここで、電流制御系の働きにより、i1d*=i1d,e1q=
e1q*とし、定常状態を考えると iod = i1d,ioq = 0よ
りio=iod = i1dとなり、io=i1d*と表すことができ
る。励磁インダクタンスの同定が完了している(M = M
c)とし(16)、(14)式の差を求めると次のように
表すことができる。
【0039】
【数32】 e1q*−e1q=ωM(io*−i1d*)−(r1+pLσ)i1q+Gq・Δi1q=0 ・・・(32) 右辺2項は他項に比べて比較的小さいので無視できる。
さらに定常状態では、ioq*=0よりio*=iod*であるか
ら(32)式は次式のようになる。
【0040】
【数33】 Gq・Δi1q=ωM(i1d*−io*)=ωM(i1d*−iod*)・・・(33) (28)式1行目、(31)式及び(33)式を用い、
また R2・R2c = R2c∧2と近似し、Gq・Δi1qについて整
理すると次式のように表すことができる。
【0041】
【数34】 Gq・Δi1q≒ ω M i1qc Δθ =ωM・i1d*・(Δr2/r2c)・(i1q*/i1d*)∧2/(1+(i1q*/i1d*)∧2) =ωφ*・KΔr2/r2c ・・・(34) 但し、 K=(i1q*/i1d*)∧2/(1+(i1q*/i1d*)∧2) ここで、∧2は二乗を示す。
【0042】以上の様に、Gq・Δi1qは二次抵抗r2の設
定誤差Δr2を表しており、この誤差はGq・Δi1qを用い
て補正することが可能である。しかしながら、(34)
式において右辺Δr2の係数より、回転周波数ωが小さ
いときまた、i1q*/i1d*が小さいときGq・Δi1qの二次
抵抗誤差に対する感度が低下することを示している。K
とi1q*/i1d*の関係を図3に、またωφ*とωの関係を
図4に示す。図3はi1q*/i1d*の値が2以下になると感
度が急激に低下することを示しており、図4は角周波数
ωが電動機の基底速度での角周波数ωb以下になると感
度が低下することを示している。
【0043】従来の方法では、前記(34)式に於て二
次抵抗同定感度が大きい領域で二次抵抗r2について実
際の電動機における真値を同定することはできたが、前
記(34)式に於て感度が低下した領域では同定誤差が
大きくなってしまうことがあった。その結果、トルク指
令が小さい領域または低回転領域における出力トルク精
度が悪化した。
【0044】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明にかかる誘導電動機の制御装置は、直流電
流から変換された三相交流電流によって駆動される誘導
電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令
の二相指令を前記電動機の1次電流を制御するための三
相電圧指令に変換し、前記誘導電動機の三相の1次電流
検出値をトルク電流検出値と励磁電流検出値の二相の検
出値に変換し、フィードバック制御を行う誘導電動機の
制御装置において、前記磁束密度指令と、励磁インダク
タンス補正値とによって補正された励磁インダクタンス
に基づき励磁電流指令値を算出する励磁電流指令発生手
段と、前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき
励磁電流誤差を算出し、該励磁電流誤差に基づき、励磁
電流と同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧
指令算出手段と、前記トルク指令と前記磁束密度指令に
基づきトルク電流指令を算出するトルク電流指令発生手
段と、前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基
づきトルク電流誤差を算出し、該トルク電流誤差に基づ
き、トルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出
するq軸電圧指令算出手段と、前記トルク電流指令又は
前記トルク電流検出値と前記トルク電流同相電圧指令に
基づき電動機の二次抵抗の補正値を算出し、トルク電流
と励磁電流の比A(=トルク電流/励磁電流)が予め定
められた所定値以下である場合は、前記比Aが予め定め
られた所定値以上である場合に算出した二次抵抗の補正
値を保持し出力する二次抵抗補正値算出手段と、前記ト
ルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二次抵抗
補正値によって補正された二次抵抗値とに基づきすべり
角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、前記す
べり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基づき角
周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、前記励
磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧指令
と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加する三相
電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段と、を有する
ことを特徴とする。
【0045】また、本発明に係る誘導電動機の制御装置
の二次抵抗補正値算出手段は、前記トルク電流と前記励
磁電流の比Aが予め定められた所定値以上で、且つ、前
記電動機の角周波数が予め定められた所定値以上の時に
二次抵抗の補正値を算出して保持し、前記比Aが予め定
められた所定値以下、または前記電動機の角周波数が予
め定められた所定値以下の時は、前記保持された二次抵
抗の補正値を出力することを特徴とする。
【0046】本発明による誘導電動機の制御装置によれ
ば、誘導電動機の三相の1次電流検出値をトルク電流検
出値と励磁電流検出値の二相の検出値に変換する三相二
相変換手段によって、電動機電流の3つの瞬時値(例え
ばiu、iv、iw)から電動機内部の励磁電流(例えばi1
d)およびトルク電流(例えばi1q)を直流量として検出
し、これらを磁束密度指令から変換した励磁電流指令
(例えばi1d*)およびトルク指令を変換したトルク電流
指令(例えばi1q*)のそれぞれに対して独立にフィード
バック制御を行い、更に、トルク指令が小さな無負荷状
態においては、磁束密度指令に対する励磁インダクタン
ス(M)をトルク電流の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)
を用いて同定する。さらに二次抵抗r2についてもトル
ク電流の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)を用いて同定し
ており、二次抵抗r2については、同定感度が低い領域
に於ては同定感度が高い領域で同定した値がある場合
は、同定感度が高い領域の同定値を保持し用いる。
【0047】特に、上記のように二次抵抗r2の同定感
度が低い場合は、同定感度の高い領域で同定したより正
確な二次抵抗同定値を使用して制御することができる。
これによって、トルク指令が小さい領域または低回転領
域においても二次抵抗r2の正確な同定が可能となる。
【0048】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る誘導電動機の
制御装置の一実施形態のブロック図である。図5に示す
従来の誘導電動機の制御装置と同じ構成要素は同一符号
で示してあり、その説明は重複するので省略する。
【0049】図1中の二次抵抗同定器31は、dq軸電
圧指令算出部4におけるトルク電流指令とトルク電流の
誤差アンプ出力Δeq即ち(Gq・Δi1q)を入力とする、
またはトルク電流指令とトルク電流の誤差アンプ出力
(Gq・Δi1q)と角周波数指令を入力とする、または励
磁電流指令とトルク電流指令とトルク電流の誤差アンプ
出力(Gq・Δi1q)と角周波数を入力として二次抵抗補
償値を算出し、予めコントローラ内で想定してある二次
抵抗値と加算して二次抵抗同定値を出力する。
【0050】前記二次抵抗同定器31は本発明の二次抵
抗補正算出手段を構成し、その内部構成を図2に示す。
図中のΔeqはトルク電流の誤差アンプ出力でありΔeq
=Gq・Δi1qである。Aはトルク電流指令iq*または、ト
ルク電流指令i1q*と励磁電流指令i1d*より演算されるi1
q*/i1d*であり、ここではA=i1q*/i1d*を用いて説明
する。r2cは、コントローラ内で予め設定した二次抵抗
初期値である。図2中のArefは例えば図3に於てKの
値が急激に低下しない値i1q*/i1d*=2とする。また角
周波数ωとωφ*の関係は図4の様になるため、例えば
ωref=ωb(ωbは電動機の基底速度での角周波数であ
る。)とする。コンパレータ32はω>ωrefのとき即
ちω>ωbのときHighを出力する。またコンパレータ3
3はA>Aref即ちi1q*/i1d*>2のときHighを出力す
る。コンパレータ32、33の出力が両方ともHighのと
きAND器34はHighを出力する。AND器34の出力
がHighのとき同定値切換器35内のスイッチ38が閉と
なり、電流の誤差アンプ出力Δeqを用い演算器25に
て演算した二次抵抗補償値を出力する。また、AND器
34の出力がLowのときは同定値切換器35内のスイッ
チ38が開となるためスイッチが閉となっていたときの
値を保持し出力する。図2中の保持器36は、上記条件
が一度も揃っていない場合即ちAND器34の出力がLo
wのままのとき出力はHighのままであり、上記条件が一
度でも揃うと、即ちAND器34の出力が一旦Highにな
ると出力がLowとなる。同定値切換器35は、保持器3
6の出力がHighのとき同定値切換器35内のスイッチ3
9が閉となっており電流の誤差アンプ出力Δeqを用い
演算器25にて演算した二次抵抗補償値を出力する。
【0051】同定値切換器35の出力と予め設定してあ
る二次抵抗初期設定値r2cを加算器37によって加算し
二次抵抗同定値として出力する。
【0052】この結果、二次抵抗同定感度が低い領域で
のみ電動機が回転している場合は、感度が低いなりにも
二次抵抗を同定し誘導電動機を制御する。一旦、二次抵
抗同定感度が高い領域で同定が行われた場合は、同定感
度が低い領域では二次抵抗同定感度が高い領域で同定し
た、より同定精度が良い同定値を用い誘導電動機を制御
することができる。
【0053】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において電
動機内部の励磁電流およびトルク電流は、それぞれ独立
にフィードバック制御されており、その制御に用いられ
るパラメータの励磁インダクタンスM、二次抵抗r2は
正確な値を制御に用いることができる。特に二次抵抗値
r2は、二次抵抗同定感度が低いときも同定感度が高い
ときに同定した正確な同定値を制御に用いることができ
る。
【0054】その結果、鉄心の磁気飽和の影響や電動機
の製造上の寸法精度などによる励磁インダクタンスMの
変動および電動機の温度変化等による二次抵抗r2の変
動の影響を受けず、常に精度良く所望の出力トルクを得
ることができる。このため、従来は適用する電動機にあ
わせて制御パラメータの調整が必要であったが、この調
整を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による誘導電動機の制御装置の一実施形
態のブロック図である。
【図2】本発明による二次抵抗同定器の一実施形態のブ
ロック図である。
【図3】励磁電流指令,トルク電流指令と同定感度Kの
関係を示す図である。
【図4】角周波数と角周波数,磁束密度指令の積の関係
を示す図である。
【図5】従来の誘導電動機の制御装置のブロック図であ
る。
【図6】誘導電動機の等価回路図である。
【図7】dq軸電圧指令算出部の内部ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1,8,13,7,18,20 変換器、2,7 除算
器、3二相三相変換器、4 dq軸電圧指令算出部、6
電流検出器、9 三相二相変換器、10 二相正弦波
発生器、11,15 減算器、12,16,21,25
増幅器、14,19 乗算器、22,32,33 コ
ンパレータ、23,38,39 スイッチ、24 デー
タテーブル、26 インバータ、27 直流電源、28
誘導電動機、29 位置検出器、30 微分器、31
二次抵抗同定器、34 AND器、35 同定値切換
器、36 保持器、37 加算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−289600(JP,A) 特開 昭61−39888(JP,A) 特開 平3−135388(JP,A) 特開 昭57−20189(JP,A) 特開 平3−89885(JP,A) 特開 昭58−207894(JP,A) 特開 昭59−92792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電流から変換された三相交流電流に
    よって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トル
    ク指令と磁束密度指令の二相指令を前記電動機の1次電
    流を制御するための三相電圧指令に変換し、前記誘導電
    動機の三相の1次電流検出値をトルク電流検出値と励磁
    電流検出値の二相の検出値に変換し、フィードバック制
    御を行う誘導電動機の制御装置において、 前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値とによ
    って補正された励磁インダクタンスに基づき励磁電流指
    令値を算出する励磁電流指令発生手段と、 前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電
    流誤差を算出し、該励磁電流誤差に基づき、励磁電流と
    同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算
    出手段と、 前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流
    指令を算出するトルク電流指令発生手段と、 前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきト
    ルク電流誤差を算出し、該トルク電流誤差に基づき、ト
    ルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq
    軸電圧指令算出手段と、 前記トルク電流指令又は前記トルク電流検出値と前記ト
    ルク電流同相電圧指令に基づき電動機の二次抵抗の補正
    値を算出し、トルク電流と励磁電流の比A(=トルク電
    流/励磁電流)が予め定められた所定値以下である場合
    は、前記比Aが予め定められた所定値以上である場合に
    算出した二次抵抗の補正値を保持し出力する二次抵抗補
    正値算出手段と、 前記トルク電流指令および前記磁束密度指令と、前記二
    次抵抗補正値によって補正された二次抵抗値とに基づき
    すべり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、 前記すべり角周波数と実際の電動機の回転角周波数に基
    づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段と、 前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電
    圧指令と、前記角周波数指令とに基づき電動機に印加す
    る三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段と、 を有することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の誘導電動機の制御装置
    であって、 前記トルク電流と励磁電流の比Aは、トルク電流指令と
    励磁電流指令の比である ことを特徴とする誘導電動機の
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の誘導電動機の制
    御装置であって、前記二次抵抗補正値算出手段は、前記
    トルク電流と前記励磁電流の比Aが予め定められた所定
    値以上で、且つ、前記電動機の角周波数が予め定められ
    た所定値以上の時に二次抵抗の補正値を算出して保持
    し、前記比Aが予め定められた所定値以下、または前記
    電動機の角周波数が予め定められた所定値以下の時は、
    前記保持された二次抵抗の補正値を出力することを特徴
    とする誘導電動機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016134970A (ja) * 2015-01-16 2016-07-25 オークマ株式会社 誘導モータの制御装置

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