JP3635180B2 - シリル化ポリメチルシルセスキオキサン、その製造方法、それを用いた組成物 - Google Patents

シリル化ポリメチルシルセスキオキサン、その製造方法、それを用いた組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応性基をもつポリメチルシルセスキオキサン、その製造方法及びそれを用いた硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリメチルシルセスキオキサンは、ケイ素原子数に対する酸素原子数の比が1.5であるようなシリコーンレジンの総称である。耐熱性、電気絶縁性、耐炎性等にすぐれ、半導体製造時のレジスト材料、層間絶縁膜等として使用されている〔伊藤邦雄編「シリコーンハンドブック」日刊工業新聞社(1990)等参照〕。
【0003】
ポリメチルシルセスキオキサンの合成法としては、メチルトリクロロシランをアミンの存在下でケトンとエーテルの混合もしくは単独溶媒中に溶解し、これに水を滴下して加水分解後、加熱縮合させて合成する方法〔特公昭60−17214号公報、特公平1−43773号公報、USP4399266参照〕、三官能性のメチルシランを有機溶剤中に溶解し、これに−20℃から−50℃の温度で1000〜3000Paの不活性ガス加圧下、水を滴下して加水分解後、加熱縮合させて合成する方法〔特公昭62−16212号公報、EP第0406911A1参照〕、有機溶剤中でメチルトリアセトキシシラン及びこれと等量の、アルコール及び/又は水とを反応させアルコキシアセトキシシランを合成し、これを有機溶剤中で炭酸水素ナトリウム存在下に重縮合させてプレポリマーを得、さらに該プレポリマーをアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物及びトリエチルアミンの中から選択される少なくとも一種の触媒の存在下に加熱縮合させて合成する方法〔特開平3−20331号公報参照〕、及び水と炭化水素溶媒の二層を形成する混合液にアルカリ金属カルボン酸塩と低級アルコールを溶存させ、これにメチルトリハロシランを滴下して加水分解し、加熱縮合させて合成する方法〔特開平3−227321号公報参照〕などが知られている。
【0004】
これらの方法によって得られるポリメチルシルセスキオキサンの特徴は、共通して硬いが脆いことである。これらの中にはこの欠点を解決すべく工夫をこらしたものがあり、特公平1−43773号公報では、ポリメチルシルセスキオキサンの15〜30%(重量)が、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算分子量20000以下の部分で占められるよう調整しているが、それでも1.8〜2.0μm程度の膜厚の塗膜が製造できるに過ぎず、EP第0406911A1でも最大3〜3.5μmの塗膜がクラックなしで得られているに過ぎない。これ以上の厚膜ではクラックが生じ、ましてや独立フィルムを得られるほどの柔軟性はない。
【0005】
発明者らは特願平7−208087および特願平7−208143に開示したように、特定の分子量範囲および水酸基含量範囲にあり、好ましくは特定の方法により製造されたポリメチルシルセスキオキサンを硬化させることにより柔軟性と高い熱安定性を合わせ持つ皮膜が得られることを見いだした。
【0006】
ポリシルセスキオキサンの残留シラノールのシリル化は、J. Am. Chem. Soc., 1990, 112, 1931-1936 等に合成法が開示されている。特開昭61−221232号公報には上記特公昭62−16212号公報、EP第0406911A1のポリシルセスキオキサン合成法において、シリル化剤により反応を停止してシリル化ポリシルセスキオキサンを得る方法が記載されている。特開平6−279586号公報、特開平6−287307号公報、特開平7−70321号公報には側鎖有機基の50〜99.9モル%がメチル基であり、残りの有機基に架橋性反応基を含むポリシルセスキオキサンの水酸基をトリメチルシリル化することにより、ゲル化せずに安定にすることが記載されているが、発明者らが特願平7−208087および特願平7−208143に開示したポリメチルシルセスキオキサンは、シリル化しないでも製造時にもゲル化せず、室温で安定に保存できる。特開平5−125187号公報には、数平均分子量が10万以上で、側鎖有機基の50〜100モル%がメチル基であるポリシルセスキオキサンの水酸基をトリアルキルシリル化することにより、保存安定性を高めることが記載されている。上記特公昭62−16212号公報においても、ポリメチルシルセスキオキサンの水酸基をシリル化することにより、安定性を高めることが記載されている。
【0007】
上記のほか、種々の架橋性反応基をシルセスキオキサンの有機基としてもつシルセスキオキサンが、Chem. Rev. 1995, 95, 1409-1430等の文献に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らが特願平7−208087および特願平7−208143で開示したポリメチルシルセスキオキサンは多くのシラノール基を有し、かつ保存安定性に優れている。その硬化物は、従来のポリメチルシルセスキオキサン硬化物では達成し難かった柔軟性を有し、かつ熱安定性が極めて高い。熱安定性の高いことは硬化後の架橋密度が何らかの理由により高くなることによっても説明できるが、このことと硬化皮膜の柔軟性は、相反する性質であり、これらの性質を併せもつことはこのポリメチルシルセスキオキサンの特異な特徴である。本発明は、このような特徴をもつポリメチルシルセスキオキサンに官能基を付与することにより、機能性(ポリマーへの添加剤、充填剤として用いたときのマトリックスポリマーとの架橋性、または該ポリメチルシルセスキオキサンの重付加もしくは付加重合による硬化を可能にすること)をもたせる方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が380から2000の範囲にあり、式
〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2 m
〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また各直線の交点も含むものである。
(式1):m/(m+n)=0.152/(Mn×10-3)+0.10
(式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000
(式3):1/(Mn×10-3)=1000/380
(式4):m/(m+n)=0.034/(Mn×10-3)〕
で示されるポリメチルシルセスキオキサンのシラノール基をシリル化する、式
〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2 m-k 〔CH3 Si(OSiR1 23 )O2/2 k
〔上記式において、kはmより小さい正の数であり、(m−k)/(m+n)で表される残留シラノール基の量は0.12以下、R1 ,R2 及びR3 は置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が架橋性炭素−炭素二重結合を有する基である〕で示されるシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法、このようにして製造されうるシリル化ポリメチルシルセスキオキサン及びこのシリル化ポリメチルシルセスキオキサンとこれと反応性を有するポリオルガノシロキサンとから本質的になる組成物である。
【0010】
本発明におけるポリメチルシルセスキオキサンは、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が380から2000の範囲にあり、式
〔CH3 SiO3/2n 〔CH3 Si(OH)O2/2m
〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また各直線の交点も含むものである。
(式1):m/(m+n)=0.152/(Mn×10-3)+0.10
(式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000
(式3):1/(Mn×10-3)=1000/380
(式4):m/(m+n)=0.034/(Mn×10-3)〕
で示される。このポリメチルシルセスキオキサンは、好ましくは含酸素有機溶媒を含み、かつこれに対して50容量%以下の炭化水素溶媒を含むかまたは含まない有機溶媒と水との2相系にて、式:MeSiX3 (Meはメチル基、Xはハロゲン原子である。)で示されるメチルトリハロシランを加水分解およびその加水分解生成物を縮合せしめて製造される。この製造方法を用いなければ、分子量とシラノール基含量が前記範囲内にあっても、このポリメチルシルセスキオキサンを用いた硬化物のフィルムの柔軟性や耐熱性が低下する。すなわち、前述のように、特徴的なポリメチルシルセスキオキサンとならない。
【0011】
上記の分子量範囲および水酸基含量のポリメチルシルセスキオキサンの好適な合成法として次の例が挙げられる。
(1)50容量%以下の炭化水素溶媒を含みまたは含まない含酸素有機溶媒と水(必要に応じて水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱酸の塩を溶存させる)との2相系を形成させ、式MeSiX3 (Meはメチル基、Xはハロゲン原子である。)で示されるメチルトリハロシラン、または50容量%以下の炭化水素溶媒を含みまたは含まない含酸素有機溶媒に前記メチルトリハロシランを溶解させた溶液を滴下して加水分解し、加水分解生成物を縮合せしめる方法。
(2)水のみに上記50容量%以下の炭化水素溶媒を含みまたは含まない含酸素にメチルトリハロシランを溶解した溶液を滴下することにより結果として2相系反応となるようにする方法。それ以外は(1)と同様にする。
(3)上記50容量%以下の炭化水素溶媒を含みまたは含まない含酸素にメチルトリハロシランを溶解した溶液と水とを同時に空の反応容器に滴下することにより結果として2相系反応となるようにする方法。それ以外は(1)と同様にする。
【0012】
ここにXは、好ましくは臭素、塩素、さらに好ましくは塩素である。水と有機溶媒が2相を形成するというのは、水と有機溶媒が混和せず、均一溶液とならない状態のことをいい、攪拌を低速にすることにより有機層と水層が層状態を保つようにしてもよいし、激しく攪拌して懸濁状態にしてもよい。以下、前者のことを、「2層を形成する」と表現する。
【0013】
この製造方法において使用される有機溶媒は、メチルトリハロシランを溶解し、水に多少溶解してもよいが、水と2相を形成できる含酸素有機溶媒が用いられ、さらに50容量%以下の炭化水素溶媒を含んでもよい。炭化水素溶媒の含量がこれより多いとゲルの生成量が増え、目的生成物の収率が減少し、実用的でなくなる。この有機溶媒は、水に無制限に溶解する溶媒であっても、水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱酸の塩の水溶液と混和しないものは使用できる。
【0014】
含酸素有機溶媒としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジノルマルプロピルエーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶媒、n−ブタノール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、中でもケトン、エーテル、およびアルコール系溶媒がより好ましい。これら溶媒は二種以上混合して用いてもよい。炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、有機溶剤の使用量は特に制限されないが、好ましくはメチルトリハロシラン100重量部に対して50〜2000重量部の範囲である。これは有機溶剤がメチルトリハロシラン100重量部に対して50重量部未満であると生成したポリメチルシルセスキオキサンを溶解させるには不十分であり、場合により高分子量化のため目的とする分子量範囲のポリメチルシルセスキオキサンが得られず、また2000重量部を超えるとメチルトリハロシランの加水分解、縮合が速やかに進行せず目的とする分子量範囲のポリメチルシルセスキオキサンが得られないからである。水の使用量も特に制限されないが、好ましくはメチルトリハロシラン100重量部に対して10〜3000重量部の範囲である。
【0015】
水相には何も加えない水を用いても反応は可能であるが、生成するポリメチルシルセスキオキサンの分子量は高めになる。これはクロロシランから生成する塩化水素により反応が促進されるためで、このため酸性度を抑制する水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱酸の塩を加えることにより、より分子量の低いポリメチルシルセスキオキサンを合成できる。
【0016】
水溶性無機塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水溶性アルカリ等が挙げられ、緩衝能を有する弱酸の塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩、ビス(シュウ酸)三水素カリウム等のシュウ酸塩、フタル酸水素カリウム、酢酸ナトリウム等のカルボン酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム等のリン酸塩、四ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの使用量は、トリハロシラン1分子中のハロゲン原子1モルに対して、1.8グラム当量以下が望ましい。即ち、ハロシランが完全に加水分解された場合に生じるハロゲン化水素をちょうど中和する量の1.8倍以下が望ましい。これより多いと不溶性のゲルが生じやすくなる。これら水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱酸の塩は、上記の量的範囲内であれば二種以上混合して用いてもよい。
【0017】
メチルトリハロシランの加水分解において、反応液の攪拌速度は水相と有機溶剤の2層を保持することができる程度に低速にしてもよいし、また強く攪拌して懸濁状態にしてもさしつかえない。反応温度は室温(20℃)〜120℃の範囲内が適当であるが、40〜100℃程度が望ましい。
【0018】
なお、本発明のポリメチルシルセスキオキサンは、原料物質に含まれる不純物に起因して、メチル基以外の低級アルキル基等を有する単位や、1官能性(R3 SiO1/2 )、2官能性(R2 SiO2/2 )、4官能性(SiO4/2 )単位等を若干含むことがあってもよい。また該ポリメチルシルセスキオキサンはOH基を含むものであり、その構造は前記構造式で示されている通りであるが、極微量のレベルでこれ以外の構造にてOH基を有する単位が存在してもよい。本発明のポリメチルシルセスキオキサンは本質的に先に記載した条件を満たした構造を有するものであるが、上記のような原因等で発生する構造単位については、該ポリメチルシルセスキオキサンの特徴的性質を阻害しない範囲であれば、それらが存在してもよい。
【0019】
ポリメチルシルセスキオキサンの水酸基をシリル化するシリル基のR1 〜R3 は置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が架橋性炭素−炭素二重結合を含むものである。架橋性炭素−炭素二重結合を含む基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基などが例示される。残りの非反応性基としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、およびそれらのハロゲン置換有機基等が例示される。
【0020】
ポリメチルシルセスキオキサンの水酸基の、反応性の置換基をもつシリル基によるシリル化法としては、いずれも上記R1 〜R3 三置換のハロシランと反応させる方法、N,N−ジエチルアミノシラン、N−シリルアセトアミド、さらに六置換ジシラザン等の窒素含有シリル化剤を用いる方法、三置換シラノールと反応させる方法、及び六置換ジシロキサンと弱酸性下で反応させる方法が例示される。ハロシランを用いる場合には、塩基を共存させて、副生するハロゲン化水素を中和してもよい。窒素含有シリル化剤を用いる場合はトリメチルクロロシラン、硫酸アンモニウム等の触媒を添加してもよい。シリル化の反応は溶媒中でも行なえるが、溶媒を省略することもできる。適当な溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒、さらには、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が例示される。
【0021】
このシリル化反応の温度は0〜200℃が適切であり、好ましくは0〜140℃である。
【0022】
上記のようにして得られるシリル化ポリメチルシルセスキオキサンは一定のポリオルガノシロキサンと良好な相溶性をもって組成物を作ることができ、更に硬化用触媒の存在下に反応させて良好な物性の硬化物を得ることができる。このポリオルガノシロキサンの例としては次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:
【0023】
(i)アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
一般式:R4 a 5 b SiO(4-a-b)/2 (ここに、R4 はアルケニル基であり、R5 は炭素原子数1〜3のアルキル基であり、aは1分子中にR4 が少なくとも2個以上存在するのに必要な数であり、1.8≦a+b≦2.3である)で表される温度25℃における粘度が、100cp〜100,000cpであるオルガノポリシロキサン。粘度は、好適には、100cp〜50,000cp、更に好適には、300cp〜10,000cpのものが使用される。
その例を示すと次のようなものがある。
【0024】
【化1】
Figure 0003635180
【0025】
(ii)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
一般式:R6 a b SiO(4-a-b)/2 (ここに、R6 は炭素原子数1〜3のアルキル基であり、bは1分子中に水素原子が少なくとも3個以上存在するのに必要な数であり、1.8≦a+b≦2.3である)で表される温度25℃における粘度が、1cp〜100,000cpであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン。粘度は、好適には、100cp〜50,000cp、更に好適には、1000cp〜10,000cpのものが使用される。
その例を示すと次のようなものがある。
【0026】
【化2】
Figure 0003635180
【0027】
またジメチルポリシロキサンやフェニル基を有するポリシロキサンも例示できる。
これらのポリオルガノシロキサンは、同じく上記相溶性が良好であるという条件を満たす限り、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド等との共重合体であってもよく、また4官能性単位や3官能性単位を含むものであっても構わない。
【0028】
本発明の組成物の好ましいものは、下記成分▲1▼、▲2▼及び▲3▼を含む硬化性組成物である。
成分▲1▼ 請求項1、請求項2又は請求項3記載のシリル化ポリメチルシルセスキオキサン
成分▲2▼ Si原子に直接結合した水素原子を1分子中に平均2個以上有するポリシロキサン化合物
成分▲3▼ 硬化用触媒
【0029】
前記硬化性組成物は更に下記成分▲4▼を含んでもよい。
成分▲4▼ 架橋性炭素−炭素二重結合を1分子中に平均2個以上有するオルガノポリシロキサン
【0030】
この硬化性組成物は成分▲1▼と反応性を有する成分▲2▼及び硬化用触媒を含むものであるが目的に応じて、更に成分▲4▼のオルガノポリシロキサンを含んでいても構わないのである。
成分▲2▼のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、少なくとも成分▲1▼と反応して硬化性組成物が得られるものであれば格別限定されるものではない。具体的には直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドリドジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン、ヒドロシリル基を有するシリコーンレジン等が挙げられる。
【0031】
前記シリル化ポリメチルシルセスキオキサンとポリオルガノシロキサンとを含む組成物は、ポリオルガノシロキサンの粘度が低い場合には両者を単純に混合することにより、ポリオルガノシロキサンの粘度が高い場合には練り機を用いた練りブレンド法、さらに両成分を有機溶媒に溶解すること等により得られる。この有機溶剤は両成分を均一に溶解することのできるものであれば特に限定されず、上記の芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が例示される。
【0032】
【実施例】
次に実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、この発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0033】
(参考例1)
還流冷却管、滴下ロート、及び攪拌器を備えた反応容器に、炭酸ナトリウム63.5g(0.60mol )と水400mlを入れて攪拌し、これにメチルイソブチルケトン400mlを加えた。攪拌速度は有機層と水層が保持できる程度に低速にした。次いで、メチルトリクロロシラン74.7g(0.5mol )を滴下ロートからゆっくり滴下した。この際反応混合物の温度は50℃まで上昇した。さらに60℃の油浴上で、反応混合物を24時間加熱攪拌した。反応終了後、有機層を洗浄水が中性になるまで洗浄し、次いで有機層を乾燥剤を用いて乾燥した。乾燥剤を除去した後、溶媒を減圧で留去し、一夜真空乾燥を行ないポリメチルシルセスキオキサンを白色の固体として得た。このポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布をGPC〔東ソー(株)製HLC−8020、カラムは東ソー製 TSKgelGMHHR-L(商標)を2本使用し、溶媒としてクロロホルムを用いた〕により測定したところ、標準ポリスチレン換算での重量平均分子量は3270であり、数平均分子量は920であった。また29SiNMRスペクトル〔ブルカー製ACP−300により測定〕から求めた水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.22個〔この値がm/(m+n)に相当する〕であった。
【0034】
(参考例2)
参考例1と同様の反応装置で、水2Lとメチルイソブチルケトン1.5Lを二層を形成しないよう激しく攪拌しておき、メチルイソブチルケトン0.5Lに溶解したメチルトリクロロシラン745g(5.0mol )を、反応混合物の温度が50℃を超えないようにゆっくり滴下した。さらに50℃の油浴上で、反応混合物を2時間加熱攪拌し、参考例1と同様の処理を行ってポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は9180であり、数平均分子量は1060であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.22個であった。
【0035】
(実施例1)
還流冷却管、滴下ロート、及び攪拌器を備えた反応容器内をアルゴンで置換し、参考例1のポリメチルシルセスキオキサン3.0gを加え、9mLのメチルイソブチルケトンに溶解し、さらにトリエチルアミン1.47gを加えた。攪拌しながらビニルジメチルクロロシラン1.83gを1分で滴下し、室温で2時間反応させた。水を加えて反応を停止させた後、有機層を洗浄水が中性になるまで洗浄し、次いで有機層を乾燥剤を用いて乾燥した。乾燥剤を除去した後、溶媒を減圧で留去し、2昼夜真空乾燥を行ないビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン2.37gをごくわずかに流動性のある固体として得た。29SiNMRスペクトルから求めた残留水酸基の量は、シルセスキオキサン骨格に属するケイ素1原子当たり0.06個〔この値が(m−)/(m+n)に相当する〕であった。
【0036】
このビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン0.88gと両末端にビニル基を有する(ビニル基の重量含量0.12wt%、粘度9000cSt )ポリジメチルシロキサン3.5gを用い(重量比20:80)、これらを4.4gのトルエンに溶解し十分に攪拌した後、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をビニル基に対して白金原子の量で200ppm 、2−メチル−3−ブチン−2−オールを0.00028g、次式
【0037】
【化3】
Figure 0003635180
【0038】
で示される架橋剤0.21gを加え溶媒除去後、100℃で12時間加熱硬化を行ない、ポリメチルシルセスキオキサンを含むシリコーンゴムフィルムを得た。このフィルムは透明性が良好で、シリル化ポリメチルシルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンとの相溶性がよいことを示した。
【0039】
(実施例2)
実施例1と同様の反応装置を用い、参考例2のポリメチルシルセスキオキサン70gを210mLのメチルイソブチルケトンに溶解した。アミンは用いなかった。氷浴上にてビニルジメチルクロロシラン41.0gを3分で滴下し、室温で1時間反応させ、実施例1と同様に後処理をしてビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン71.6gをごくわずかに流動性のある固体として得た。29SiNMRスペクトルから求めた残留水酸基の量は、シルセスキオキサン骨格に属するケイ素1原子当たり0.05個であった。
【0040】
このビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンと実施例1と同様の両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサンを重量比20:80の比を用い、実施例1と同様に硬化してポリジメチルシロキサンを含む均一なシリコーンゴムフィルムを得た。
【0041】
このフィルムの引張試験をJIS K 6301に準じて行なったところ、応力歪曲線は降伏を示さず、10%弾性率(歪が10%のときの応力を歪で割った値)は1.3MPa であり、シリル化ポリメチルシルセスキオキサンを含まない場合の値が0.5MPa であったので、補強効果が見られた。
【0042】
また、JIS K 6394に基づいて動的性質試験を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにおけるせん断弾性率は、ビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンを含むフィルムで33MPa であり、ビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンを含まない場合の値13MPa に比べ2.5倍となった。
【0043】
(実施例3)
実施例2で用いたのと同じビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンと実施例1で用いたのと同じ両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサンを重量比40:60で用い、実施例1と同様に硬化してポリメチルシルセスキオキサンを含む透明性の良好なシリコーンゴムフィルムを得た。このフィルムの引張試験を実施例2と同様にして行ったところ、10%弾性率は8.0MPa であり、シリル化ポリメチルシルセスキオキサンを含まない場合に比べ16倍、シルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンを重量比20:80で用いた場合の値の6倍となり、さらに補強効果が高まった。
【0044】
また、実施例2と同様にして動的性質試験を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにおけるせん断弾性率は、ビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンを含むフィルムで82MPa となり、引張試験の場合と同様、さらに高い補強効果がみられた。
【0045】
(実施例4)
実施例2で用いたのと同じビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン1.75gと実施例1で用いたのと同じ架橋剤0.38gを1.8gのトルエンに溶解し、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をビニル基に対して白金原子の量で200ppm 、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.00042gを加え、100℃で12時間、130℃で2時間加熱硬化させてポリメチルシルセスキオキサン硬化物フィルムを得た。このフィルムについて引張モードで動的粘弾性試験を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにおける貯蔵弾性率は0.9から1.0GPa であった。この硬化物フィルムは、発明者らが特願平7−208087および特願平7−208143で開示したポリメチルシルセスキオキサンのシラノール縮合による硬化物と同様に柔軟で、200μmの厚さの独立フィルムについてJIS K−5400の屈曲試験機を用いて屈曲試験を行ったところ、直径10mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0046】
(参考例3)
実施例1と同様の反応装置を用い、参考例2のポリメチルシルセスキオキサン10.8gを30mLのメチルイソブチルケトンに溶解し、氷浴上で攪拌しながらジメチルクロロシラン5.02gを1分で滴下し、室温で2時間反応させた。水を加えて反応を停止させた後、有機層を洗浄水が中性になるまで洗浄し、次いで有機層を乾燥剤を用いて乾燥した。乾燥剤を除去した後、溶媒を減圧で留去し、2昼夜真空乾燥を行ないヒドリドジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン11.3gを高粘度の液体として得た。29SiNMRスペクトルから求めた残留水酸基の量は、シルセスキオキサン骨格に属するケイ素1原子当たり0.05個であった。
【0047】
(実施例5)
実施例4と同様にして、実施例2のビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン1.70gと参考例3のヒドリドジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン1.56gを用い、実施例4と同様の比率で白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、2−メチル−3−ブチン−2−オールを加え、同様に加熱してポリメチルシルセスキオキサン硬化物フィルムを得た。実施例4と同様に動的粘弾性試験を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにおける貯蔵弾性率は2GPa であった。この硬化物フィルムも、発明者らが特願平7−208087および208143で開示したポリメチルシルセスキオキサンのシラノール縮合による硬化物と同様に柔軟で、90μmの厚さの独立フィルムについてJIS K−5400の屈曲試験機を用いて屈曲試験を行ったところ、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0048】
(比較例1)
参考例2のシリル化していないポリメチルシルセスキオキサンと実施例1で用いたのと同じ両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサンを重量比20:80および重量比40:60で用い、実施例1と同様に硬化してポリメチルシルセスキオキサンを含むシリコーンゴムフィルムを得ようと試みたが、ビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンのように容易に分散しなかった。得られた硬化物ブレンドフィルムは不透明であり、機械的性質の測定に供することのできるものではなかった。
【0049】
(参考例4)
実施例1と同様の反応装置を用い、参考例2のポリメチルシルセスキオキサン70gを210mLのメチルイソブチルケトンに溶解し、さらにトリエチルアミン35.4gを加えた。トリメチルクロロシラン38.3gを17分かけて滴下し、室温で2時間反応させ、実施例1と同様に後処理をしてトリメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン72.1gを白色の固体として得た。29SiNMRスペクトルから求めた残留水酸基の量は、シルセスキオキサン骨格に属するケイ素原子1個当り、0.06個であった。
【0050】
(比較例2)
参考例4のトリメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンと実施例1で用いたのと同じ両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサンを重量比20:80および重量比40:60で用い、実施例1と同様に硬化してポリメチルシルセスキオキサンを含むシリコーンゴムフィルムを2種類得た。これらのフィルムは透明性が良好で、シリル化ポリメチルシルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンとの相溶性がよいことを示した。これらのフィルムの引張試験を実施例2と同様にして行ったところ、シリル化ポリメチルシルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンの重量比20:80で作成されたフィルムの10%弾性率は1.0MPa (破断伸び190%)であり、実施例2での値1.3MPa (破断伸び190%)に近い値となった。しかし、実施例2の試験片が破断するまで透明であったのに対し、本比較例のトリメチルシリル化シルセスキオキサンを含む試験片では歪が50%を超えると白化するという、実用上の問題を生じた。さらに、トリメチルシリル化シルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンの重量比を40:60としたところ、10%弾性率は0.5MPa と重量比20:80の場合よりも低くなり、シリル化ポリメチルシルセスキオキサンを含まない場合の値0.5MPa と同じ、すなわちまったく補強効果が見られなくなった。実施例3ではこの値は8.0MPa である。これは、本比較例のトリメチルシリル化シルセスキオキサンとポリメチルシルセスキオキサンの間に架橋がないため、少量では充填効果がみられたものの、シルセスキオキサンを多くすると可塑剤としての効果が現れたためと考えられる。
【0051】
また、実施例2と同様にして動的性質試験を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにおけるせん断弾性率は、トリメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンの重量比が20:80の場合で17MPa 、40:60のでは30MPa となり、実施例2,3に記したビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの場合よりも低い値となった。上記静的引張試験に比べ動的試験での実施例2,3のデータとの差が小さいのは、試験時の変形が線形領域にあるためにシルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンの間に架橋がないことが明確に反映されなかったためと考えられる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、特定のポリメチルシルセスキオキサンをポリジメチルシロキサン等のポリマーに添加し、添加効果を与えることができるように、該ポリメチルシルセスキオキサンにこれらのポリマーとの相溶性をもたせ、かつこれらのポリマーとの架橋を行える反応点を与えるものである。これにより、該ポリメチルシルセスキオキサンの、ゴムの補強充填剤などとしての広範な用途での応用を可能にするものである。さらに、本発明の反応性ポリメチルシルセスキオキサンは、該ポリメチルシルセスキオキサンの重付加または付加重合による硬化を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2 m で示されるポリメチルシルセスキオキサンのm,nの範囲を示すグラフ。

Claims (8)

  1. ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が380から2000の範囲にあり、式
    〔CH3 SiO3/2n 〔CH3 Si(OH)O2/2m
    〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また各直線の交点も含むものである。
    (式1):m/(m+n)=0.152/Mn×10-3)+0.10
    (式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000
    (式3):1/(Mn×10-3)=1000/380
    (式4):m/(m+n)=0.034/(Mn×10-3)〕
    で示されるポリメチルシルセスキオキサンのシラノール基をシリル化して得られ、式
    〔CH3 SiO3/2n 〔CH3 Si(OH)O2/2m-k 〔CH3 Si(OSiR123 )O2/2k
    〔上記式において、kはmより小さい正の数であり、(m−k)/(m+n)で表される残留シラノール基の量は0.12以下、R1 ,R2 及びR3 は置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が架橋性炭素−炭素二重結合を有する基である〕で示されるシリル化ポリメチルシルセスキオキサン。
  2. 請求項1に記載したポリメチルシルセスキオキサンが、含酸素有機溶媒を含み、かつこれに対して50容量%以下の炭化水素溶媒を含むかまたは含まない有機溶媒と水との2相系にて、式:MeSiX3 (Meはメチル基、Xはハロゲン原子である。)で示されるメチルトリハロシランを加水分解およびその加水分解生成物の縮合を行うことにより製造されたものである請求項1のシリル化ポリメチルシルセスキオキサン。
  3. 請求項1又は2に記載したシリル化ポリメチルシルセスキオキサンのR1 〜R3 が、次の組み合わせ、(a)又は(b)、から選ばれる1種以上である、請求項1又は2のシリル化ポリメチルシルセスキオキサン。
    (a)R1 =R2 =メチル基、R3 =ビニル基
    (b)R1 =R2 =メチル基、R3 =5−ヘキセニル基
  4. ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が380から2000の範囲にあり、式
    〔CH3 SiO3/2n 〔CH3 Si(OH)O2/2m
    〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また各直線の交点も含むものである。
    (式1):m/(m+n)=0.152/(Mn×10-3)+0.10
    (式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000
    (式3):1/(Mn×10-3)=1000/380
    (式4):m/(m+n)=0.034/Mn×10-3)〕
    で示されるポリメチルシルセスキオキサンのシラノール基をシリル化する、式
    〔CH3 SiO3/2n 〔CH3 Si(OH)O2/2m-k 〔CH3 Si(OSiR123 )O2/2k
    〔上記式において、kはmより小さい正の数であり、(m−k)/(m+n)で表される残留シラノール基の量は0.12以下、R1 ,R2 及びR3 は置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が架橋性炭素−炭素二重結合を有する基である〕で示されるシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法。
  5. 請求項4に記載したポリメチルシルセスキオキサンが、含酸素有機溶媒を含み、かつこれに対して50容量%以下の炭化水素溶媒を含むかまたは含まない有機溶媒と水との2相系にて、式:MeSiX3 (Meはメチル基、Xはハロゲン原子である。)で示されるメチルトリハロシランを加水分解およびその加水分解生成物の縮合を行うことにより製造されたものである請求項4のシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法。
  6. 請求項4又は5のシリル化ポリメチルシルセスキオキサンのR1 ,R2 及びR3 が、次の組み合わせ、(a)及び(b)、から選ばれる1種以上である、請求項4又は5のシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法。
    (a)R1 =R2 =メチル基、R3 =ビニル基
    (b)R1 =R2 =メチル基、R3 =5−ヘキセニル基
  7. 下記成分(1)、(2)及び(3)を含む硬化性組成物。
    成分(1) 請求項1、請求項2又は請求項3記載のシリル化ポリメチルシルセスキオキサン
    成分(2) Si原子に直接結合した水素原子を1分子中に平均2個以上有するポリシロキサン化合物
    成分(3) 硬化用触媒
  8. 前記硬化性組成物が更に下記成分(4)を含むものである請求項7記載の硬化性組成物。
    成分(4) 一般式:R 4 a 5 b SiO (4-a-b)/2 (ここに、R 4 はアルケニル基であり、R 5 は炭素原子数1〜3のアルキル基であり、aは1分子中にR 4 が少なくとも2個以上存在するのに必要な数であり、1.8≦a+b≦2.3である)で表される温度25℃における粘度が、100 cp 〜100,000 cp であるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
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