JPH07138369A - オルガノポリシロキサンとその製造法 - Google Patents

オルガノポリシロキサンとその製造法

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JPH07138369A
JPH07138369A JP5309897A JP30989793A JPH07138369A JP H07138369 A JPH07138369 A JP H07138369A JP 5309897 A JP5309897 A JP 5309897A JP 30989793 A JP30989793 A JP 30989793A JP H07138369 A JPH07138369 A JP H07138369A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3−グリシドキシプロピル基官能性のポリシ
ロキサンとその新規な製造法の提供。 【構成】 四アルコキシ官能シランと3−グリシドキシ
プロピルアルキルジアルコキシシランとを親水性溶媒
中、縮合触媒と加水分解触媒と水の共存下に、加水分
解、縮合反応せしめて化1で示される目的物を得る。 【化1】 【効果】 通常のシリコーンオイルとしての用途の他に
変性シリコーンシーラント等広範囲に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オルガノポリシロキサ
ンとその製造法に関する。更に詳しくは、四アルコキシ
官能シランと3−グリシドキシプロピルアルキルジアル
コキシシランを縮合触媒と加水分解触媒の存在下に共加
水分解および縮合反応せしめてなるオルガノポリシロキ
サンとその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】シランカップリング剤はガ
ラス強化FRP用途に1947年頃より実用化されダウ
コニング社のプルードマン(E.P.Plueddem
ane)等により応用展開がはかられたシラン化合物で
ある。現在でも主として熱硬化樹脂とフィーラ間に作用
して耐熱水強度向上や電気特性のダウンを抑えるバイン
ダーとして広く使用されている。最近では、強度向上目
的以外に繊維処理剤としてヌメリ感や反発弾性を与える
薬剤としての使い方やプラスチックマグネット製造時に
添加されて配向性と強度向上目的で使われている。また
ビニルシランカップリング剤ではポリエチレンの簡便な
架橋剤として電線被覆に適応されている。3−グリシド
キシプロピル基を有するシランカップリング剤はエポキ
シ樹脂コンパウンドに添加されてIC封止剤の特性維持
に効果的に使われたり、プラスチックレンズの染色タイ
プのハードコート剤にも使われている。また、テトラメ
トキシシランと3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランの共加水分解物が試作されているが、後述の本発
明とは異なってアルコキシ基を相当量残した極低粘度の
オイルである。これは、いわゆるポリマー化シランカッ
プリング剤としての展開を模索するものであり、構造的
にも機能的にも全く似て否なるものである。ポリメチル
シロキサン主鎖にペンダントとしてアルコキシ基を持た
せたものも提案されているが、いずれも有機樹脂との相
溶性の問題が大きなネックとなり応用展開がはかられな
いままである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、鋭意研究
の結果、次の諸事実を見出し、これらの知見に基づいて
本発明を完成した。すなわち、テトラアルコキシシラン
とオルガノ官能性アルコキシシランカップリング剤の共
加水分解でアルコキシ基を残留させず、シラノール基に
変換させる為にはシランのモル数の少なくとも3倍モル
の水、好ましくは3.5倍モル以上の水を反応させる必
要がある。この為には使用する親水性溶媒は添加される
水を充分溶解し得る量が必要である。かかる条件を満た
しS520の如く酸触媒のみでは加水分解が長期間かか
るシランカップリング剤では有機錫化合物の様な縮合触
媒を添加する事で解決し得る事を見いだした。本発明に
関わる反応原料の内の正珪酸エチルはこれ単独での加水
分解速度は常温で30分以内にモノマー消失する早さで
あるが、S520との混合で加水分解をスタートさせる
と著しい遅延反応が生じる。本発明ではこの問題も二段
加水分解縮合反応方法にて解決した。以上の記述から明
らかなように本発明は従来より提案されてきた残留アル
コキシ基を利用するのでなく、架橋性、反応性に富み、
かつ常温では安定なシラノール基を含み三次元構造を含
む3−グリシドキシプロピル基官能性のポリシロキサン
とその製造法を提供することを目的とする。このシラノ
ール基はメチル系ポリマーとの縮重合やポリシロキサン
架橋による硬化物を得る事も可能である。含有するエポ
キシ基は勿論通常のポリマー化反応をさせる事が出来る
し、エポキシ樹脂との良相溶性から従来のポリシロキサ
ンでは出来なかった均質なポリマー化が出来るので新た
な需要を創設可能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)な
いし(5)の各構成を有する。 (1)四アルコキシ官能シランと3−グリシドキシプロ
ピルアルキルジアルコキシシランを親水性溶剤ないし親
水性溶剤を含む混合溶剤中で有機錫縮合触媒と酸加水分
解触媒存在下にシラン総モルの3〜4倍モルの水で加水
分解、縮合反応せしめて[化5]で示されるオルガノポ
リシロキサンオイルを得ることを特徴とする該オイルの
製造法。
【化5】 (ここでxは1.5〜0.5、n,mはそれぞれ1〜1
0の整数、Rは炭素数1〜8の飽和炭化水素基またはア
ルケニル基である。) (2)一般式Si(OR14 で示されるテトラアルコ
キシシランと一般式[化6]で示される3−グリシドキ
シプロピルアルキルジアルコキシシランを有機錫縮合触
媒の存在下で親水性溶剤叉は親水性溶剤を含む混合溶剤
中にて酸触媒にてシラン総モルの3〜4倍モルの水を用
いて共加水分解、縮合反応せしめてなるとするオルガノ
ポリシロキサン。
【化6】 (ここでアルキル基RはC1 〜C8 の飽和炭化水素基あ
るいはアルケニル基である。) (3)前記(2)のテトラアルコキシシランと3−グリ
シドキシプロピルアルキルジアルコキシシランのモル比
を1/1以下で反応させた次に示す[化7]であるオル
ガノポリシロキサン。
【化7】 (シラノール基xは1.5〜0.5の範囲であってポリ
マー末端基はシラノール基である。) (4)テトラアルコキシシランと3−グリシドキシプロ
ピルアルキルジアルコキシシランの共加水分解、縮合反
応に先だってテトラアルコキシシランを酸触媒及び総シ
ランモルの3〜4倍モルの水を加えて加水分解させた後
に有機錫触媒と所定モル比の3−グリシドキシプロピル
アルキルジアルコキシシランを加えて共加水分解縮合反
応せしめる二段加水分解縮合方法による[化8]で示さ
れるオルガノポリシロキサン化合物の製造法。
【化8】 (5)テトラアルコキシシランがテトラメトキシシラン
またはテトラエトキサシランであり、3−グリシドキシ
プロピルジアルコキシシランが3−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシランもしくは3−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシランのいずれかの組み合わせ
で前記(4)の化合物の製造法。
【0005】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明に使用するテトラアルコキシシランとして
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラn−プロキシシラン等をあげることができる。これ
らの中では、加水分解速度とSi含有率から判断してテ
トラメトキシシランあるいはテトラエトキシシランが有
利に使用される。すなわち、テトラエトキシシランとし
ては多摩化学社製正珪酸エチル等の市販品が利用出来
る。他方、3−グリシドキシプロピル基を含むジアルコ
キシのシランカップリング剤としてはアルキル基RはC
1 〜C8 の飽和炭化水素基あるいはアルケニル基が適応
されるが、特に好適にはC1 〜C2 の飽和炭化水素基あ
るいはビニル基が使用出来る。2つのアルコキシ基もC
1 〜C8 の飽和アルコールより製したものが適当で、特
に好適にはその加水分解速度よりメトキシ基あるいはエ
トキシ基が挙げられる。すなわち3−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン(チッソ株式会社製サイラ
エースS520)や3−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン(信越化学社製CFシランKBE40
2)等の市販品が利用出来る。
【0006】次に加水分解触媒としての酸であるが、使
用量としては触媒量の酸があればよく酸濃度は特に規定
しない。例えば希釈した酸を規定量の水の分だけ添加す
る方法もある。酸の種類としては酢酸等の有機酸や塩
酸、硫酸等の無機酸あるいは強酸性イオン交換樹脂のい
ずれも使用出来るが好ましくは加水分解速度の早い無機
酸が推奨される。
【0007】シラノール縮合触媒として作用する広範な
種類の物質のいずれもが本発明に用いる事が出来る。か
かる物質には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、酢酸
第一錫、オクタン酸第一錫の様な有機錫化合物、あるい
はナフテン酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチルヘキサ
ン酸及びナフテン酸コバルトの如き金属カルボキシレー
ト、チタニウムエステル及びキレートが挙げられる。好
ましい化合物は有機錫化合物で特に錫カルボキシレー
ト、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセ
テートがある。縮合触媒量は触媒量であれば特に規定し
ないが一般的にはシラン総量の0.05%以下で行われ
る。加水分解を充分行わせる為の水の量は総シランモル
に対して3〜4倍モル、好ましくは3.5倍モル以上の
添加が必要である。
【0008】反応溶媒としては親水性溶媒単独でもよい
が、親水性溶媒の混合溶媒や親油性と親水溶媒の混合溶
媒も適応出来る。例えば、メタノール、エタノール、ア
セトン、ターシャリブタノール、ジアセトンアルコール
等の親水性溶媒、あるいはキシレン/アルコール、トル
エン/アルコール等の混合溶媒も使用できる。
【0009】本発明によるオルガノポリシロキサンの製
造では二段加水分解縮合方法が発明の重要な位置を占め
ている。すなわち、正珪酸エチルの如きテトラアルコキ
シシランは単独で酸触媒下の加水分解をガスクロマグラ
フィー(GC)でのチェック方法で測定すると室温で数
十分でモノマーが消失する。一方S520の如きジアル
コキシのシランカップリング剤は加水分解時間がテトラ
アルコキシシランに比べ著しく長く2日間で40%弱が
加水分解したに過ぎない程である。これを早めるには前
記した縮合触媒添加が有効である事を見いだした。しか
しながら、正珪酸エチルとS520を混合一括仕込にて
共加水分解縮合反応を行おうとした場合、縮合触媒なし
の条件下で正珪酸エチルの加水分解には数日間を要する
という著しい遅延が生じる。勿論S520の加水分解も
遅い。縮合触媒を添加するとS520の加水分解は促進
されて数時間で加水分解する。しかしやはり正珪酸エチ
ルは3日後でも仕込の約40%が残存する遅さである。
何故この様な大幅な反応遅延が起こるのかは不明であ
る。
【0010】本発明ではかかる事実にかんがみ、正珪酸
エチルを酸触媒下に規定量の水で加水分解後に縮合触媒
と規定モルのS520を加えて共加水分解縮合反応せし
める。この二段加水分解縮合反応によれば室温条件にて
数時間内に反応を完結出来る。従ってポリマーの構造形
態はブロックコポリマーをとる事が予想される。
【0011】更に本発明では共加水分解縮合反応させた
オルガノポリシロキサンを常温にて安定なシラノール基
を有し、仕込モル相当のエポキシ酸素量を持つ新規化合
物を単離する事に成功した。単離には使用した有機溶媒
を低温で親水性溶媒、中温で親油性溶媒及びこれら溶媒
の水共沸混合物として留去せしめる。残った水を除くた
めにバス温140〜150℃で加熱乾燥する。
【0012】本発明で得られたオルガノポリシロキサン
オイルの溶解性の測定はガラスサンプル管に本発明のシ
リコーンオイルサンプル100mgを採り、これに1m
lの各溶媒を加えて肉眼観察により溶け易さを判定する
方法で行った。その結果は易溶、溶解、微溶(微白
濁)、難溶(白濁)、不溶の5段階表示で行った。本発
明によるオロガノポリシロキサンオイルはトルエン、ア
ルコール等の多くの溶剤に溶ける。この特性はメチル系
シリコーンオイルに無い性質である。
【0013】本発明のオルガノポリシロキサン化合物は
一般に次の(a)〜(d)の様な手段で上記一般式で示
される化合物である事を確認出来る。 (a)赤外吸収スペクトル(IR)の解析 3450cm-1付近のSi−OHの特徴的吸収、300
0〜2900cm-1付近のCH結合に基づく数本の吸
収、1100〜1000cm-1付近のSi−O−Siの
ブロードな吸収が現れる。3450cm-1付近の吸収ピ
ークと2940cm-1付近の吸収ピークとの吸光度(l
ogI0 /I)比はシラノール基含有率の相対値の指標
となる。すなわち、この値が1.0以下であれば常温で
安定なシラノール基を有したオイルである。この値が
1.0以上では数十℃の加熱で樹脂状態の固体を呈する
オルガノポリシロキサンポリマーである。 (b)1 H−核磁気共鳴スペクトル(1 H−NMR) 本発明のオルガノポリシロキサン化合物中の水素原子の
個数や結合様式、更に重水素置換により(Si)−OH
である確認、水素原子の比から(Si)−OHの個数を
知る事が出来る。後述の実施例1の構造式とシグナルの
関係は下記の如くである。
【0014】
【化9】
【0015】
【表1】
【0016】 オキシラン酸素の定量はヨウ素−チオ硫酸カリの酸化還
元滴定法により求める。 (d)炭素、水素(CH)元素分析 ミクロ元素分析法により炭素、水素含有率を知る事が出
来る。
【0017】粘度データーの測定は東京計器(株)製回
転粘度計‘VISCONIC’を用いて25℃恒温で行
った。本発明の実施例1〜実施例3のオルガノポリシロ
キサンでは粘度は約1000cp〜8000cpの範囲
でS520/正珪酸エチルのモル比に比例的に変化し
た。すなわち正珪酸エチルのモル比が高い程粘度が高く
なり、これと同様な関係が赤外吸収(IR)でも観察さ
れた。すなわち、シラノールに基づく3450cm-1
収ピークとCHに基づく2950cm-1吸収ピークの強
度につきlogI0 /I吸光光度で両ピークの比をとっ
てモル比との関係をプロットすると正珪酸エチルが多く
なるにつれて相対シラノール量も多くなる。これは三次
元の立体構造性の正珪酸エチル成分が多くなり、線状ポ
リマー成分であるS520成分が相対的に減るのである
から、正珪酸エチル増大が粘度上昇とシラノール基の増
加をもたらすのは容易に理解出来る。また、本発明の二
段加水分解縮合反応方法による製造方法では、一段目の
正珪酸エチル単独での加水分解反応によりGC測定でモ
ノマー及びオリゴマーが検出されない事から少なくも5
量体以上のオリゴマ−ブロック形成しているものと推察
される。二段目の反応で上述の粘度、シラノール挙動か
らしてブロック状コポリマーであると考察される。
【0018】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサンは、後
述した実施例において証明されている如く、ポリマー中
に常温にて安定なシラノール基をテトラアルコキシシラ
ンと3−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシ
ランの仕込みモル比に応じて一ユニット当たり0.5個
から1.5個有している。また3−グリシドキシプロピ
ルアルキルジアルコキシシランの仕込みモル比分のグリ
シジルタイプのエポキシ基を有機官能基として有してい
る。それ故に大抵のメチル系ポリシロキサンが有機溶媒
や有機樹脂に溶解ないし親和性を持つていないのに対し
て本発明のオルガノポリシロキサンは多種類の有機溶媒
に溶解する。また多種類の有機樹脂に親和性を示す。こ
れら特徴より変性シリコーンオイルとしての用途は勿
論、その他離型剤、剥離紙用シリコーン、パーソナルケ
ア用シリコーン、塗料添加剤、シリコーン粘着剤、接着
シール材、変性シリコーンシラント他広範囲の用途に展
開出来る有用な化合物である。本発明を更に具体的に説
明する為に以下実施例をあげて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
実施例1 シラノール基含有ポリシロキサン−3−グリシドキシプ
ロピルメチルポリシロキサン共重合オイルの合成S52
0/正珪酸エチル=2/1(モル) 1Lの三口フラスコに多摩化学(株)製の正珪酸エチル
70gを採り、反応溶剤としてトルエン/メタノール=
60/40の混合溶媒500mlを加える。加水分解触
媒として塩酸を触媒量と3.5倍モルの水64mlを加
えて常温下に30分間攪拌反応せしめる。ガスクロマト
グラフィー(GC)にて正珪酸エチルのピークの消失を
確認する。チッソ(株)製S520の148gと縮合触
媒としてジブチル錫ジラウレートの0.05gを添加
し、常温にて攪拌下に3〜5時間加水分解縮合反応させ
る。GCにてS520及びこれのオリゴマーピーク消失
を確認して反応終了とする。ウオーターバスにて加温し
強攪拌下でメタノール及び共沸溶剤を留去する。残留液
を300mlフラスコに移し、オイルバスにて加温し強
攪拌下で残留トルエン及び塩酸を含む水を留去せしめ
る。こうして得られたオイルは119gで理論収率の9
8%、無色微かに甘い香りのする透明粘性液体、オキシ
ラン酸素含有8.7%、C46.3%、H8.15%で
あった。実験式C14295 Si3 に対する計算値であ
るオキシラン酸素8.9%、C46.5%,H8.1
%、O22.1%、Si24.1%によく一致した。粘
度は7,800センチポイズ(25℃)であった。IR
チャート及びNMRチャートを図1、図2に示した。な
おNMRで1.96ppmのシグナルがOHに基ずく事
の証明は図3に示した重水素置換により確認した。肉眼
観察による溶け易さの判定結果は、トルエン、ヘキサ
ン、アセトンに易溶、メタノール、酢酸エチル、メチル
エチルケトン、クロロホルムに溶解、エタノールに微溶
(微白濁)、イソプロパノールに難溶(白濁)、水に不
溶であった。前記、3450cm-1付近の吸収ピークと
2940cm-1付近の吸収ピークとの吸光度(logI
0 /I)比は繰り返し実験でそれぞれ0.70、0.8
2であった。
【0020】実施例2 シラノール基含有ポリシロキサン−3−グリシドキシプ
ロピルメチルポリシロキサン共重合オイルの合成S52
0/正珪酸エチル=4/1(モル) 実施例1と同様に二段加水分解縮合反応にて製造する。
但し仕込量は正珪酸エチル17.6g、トルエン/メタ
ノール=60/40の混合溶媒250ml、10分の1
規定塩酸溶液28.3ml(一段目)、S520の7
4.0gとジブチル錫ジラウレートの0.01g(二段
目)数時間後、GCにてモノマー消失確認して溶媒及び
水等を留去せしめる。こうして得られたオイルは55g
で理論収率の95%、無色微かに甘い香りのする透明粘
性液体、オキシラン酸素含有9.1%、C47.9%、
H8.21%であった。実験式C2856.89.9 Si5
に対する計算値であるオキシラン酸素9.3%、C4
8.6%,H8.2%、O22.9%、Si20.3%
によく一致した。粘度は1570センチポイズ(25
℃)であった。IRチャート及びNMRチャートを図
4、図5に示した。なおNMRでメチレン基に重なった
1.63ppmのシグナルがOHに基ずく事の証明は図
6に示した重水素置換により確認した。前記、3450
cm-1付近の吸収ピークと2940cm-1付近の吸収ピ
ークとの吸光度(logI0 /I)比は0.30であっ
た。
【0021】実施例3 シラノール基含有ポリシロキサン−3−グリシドキシプ
ロピルメチルポリシロキサン共重合オイルの合成S52
0/正珪酸エチル=8/1(モル) 実施例1と同様に二段加水分解縮合反応にて製造する。
但し仕込量は正珪酸エチル8.8g、トルエン/メタノ
ール=60/40の混合溶媒250ml、10分の1規
定塩酸溶液26.0ml(一段目)、S520の74.
0gとジブチル錫ジラウレートの0.01g(二段目)
数時間後、GCにてモノマー消失確認して溶媒及び水等
を留去せしめる。こうして得られたオイルは53gで理
論収率の96%、無色微かに甘い香りのする透明粘性液
体、オキシラン酸素含有9.7%、C50.9%、H
8.05%であった。実験式C56112.617.8Si9
に対する計算値であるオキシラン酸素9.7%、C5
0.8%,H8.6%、O21.5%、Si19.1%
によく一致した。粘度は1210センチポイズ(25
℃)であった。IRチャート及びNMRチャートを図
7、図8に示した。なおNMRでメチレン基に重なった
1.63ppmのシグナルがOHに基ずく事の証明は図
9に示した重水素置換により確認した。前記、3450
cm-1付近の吸収ピークと2940cm-1付近の吸収ピ
ークとの吸光度(logI0 /I)比は0.23であっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の赤外吸収図を示す。
【図4】上記に同じ。
【図7】上記に同じ。
【図2】本発明の実施例のNMRチャートを示す。
【図3】上記に同じ。
【図5】上記に同じ。
【図6】上記に同じ。
【図8】上記に同じ。
【図9】上記に同じ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の赤外吸収図を示す。
【図2】本発明の実施例のNMRチャートを示す。
【図3】本発明の実施例のNMRチャートを示す。
【図4】本発明の実施例の赤外吸収図を示す。
【図5】本発明の実施例のNMRチャートを示す。
【図6】本発明の実施例のNMRチャートを示す。
【図7】本発明の実施例の赤外吸収図を示す。
【図8】本発明の実施例のNMRチャートを示す。
【図9】本発明の実施例のNMRチャートを示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四アルコキシ官能シランと3−グリシド
    キシプロピルアルキルジアルコキシシランを親水性溶剤
    ないし親水性溶剤を含む混合溶剤中で有機錫縮合触媒と
    酸加水分解触媒の存在下にシラン総モルの3〜4倍モル
    の水で加水分解、縮合反応せしめて[化1]で示される
    オルガノポリシロキサンオイルを得ることを特徴とする
    該オイルの製造法。 【化1】 (ここでxは1.5〜0.5、n,mはそれぞれ1〜1
    0の整数、Rは炭素数1〜8の飽和炭化水素基またはア
    ルケニル基である。)
  2. 【請求項2】 一般式Si(OR14 で示されるテト
    ラアルコキシシランと一般式[化2]で示される3−グ
    リシドキシプロピルアルキルジアルコキシシランを有機
    錫縮合触媒の存在下で親水性溶剤又は親水性溶剤を含む
    混合溶剤中にて酸触媒にてシラン総モルの3〜4倍モル
    の水を用いて共加水分解、縮合反応せしめてなるとする
    オルガノポリシロキサン。 【化2】 (ここでアルキル基RはC1 〜C8 の飽和炭化水素基あ
    るいはアルケニル基である。)
  3. 【請求項3】 請求項2のテトラアルコキシシランと3
    −グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシランのモ
    ル比を1/1以下で反応させた次に示す[化3]である
    オルガノポリシロキサン。 【化3】 (シラノール基xは1.5〜0.5の範囲であってポリ
    マー末端基はシラノール基である。)
  4. 【請求項4】 テトラアルコキシシランと3−グリシド
    キシプロピルアルキルジアルコキシシランの共加水分
    解、縮合反応に先だってテトラアルコキシシランを酸触
    媒及び総シランモルの3〜4倍モルの水を加えて加水分
    解させた後に有機錫触媒と所定モル比の3−グリシドキ
    シプロピルアルキルジアルコキシシランを加えて共加水
    分解縮合反応せしめる二段加水分解縮合方法による[化
    4]で示されるオルガノポリシロキサン化合物の製造
    法。 【化4】
  5. 【請求項5】 テトラアルコキシシランがテトラメトキ
    シシランまたはテトラエトキサシランであり、3−グリ
    シドキシプロピルジアルコキシシランが3−グリシドキ
    シプロピルメチルジメトキシシランもしくは3−グリシ
    ドキシプロピルメチルジエトキシシランのいずれかの組
    み合わせで請求項4の化合物の製造法。
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