JP3627648B2 - 角速度センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板に、角速度を検出するための2個の振動子を形成してなる角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の角速度センサは、一般に、半導体基板と、この半導体基板に形成された2個の振動子とを備え、両振動子を第1の方向へ逆相に駆動振動させ、この駆動振動のもと角速度が印加されたときに第1の方向と直交する第2の方向への両振動子の振動に基づいて角速度を検出するものである。
【0003】
このような角速度センサによれば、両振動子を逆相に駆動振動させることによって、外部加速度をキャンセルしつつ、角速度の検出信号を2個の振動子からの足し合わせとして感度良く検出することができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の角速度センサについて、本発明者等は、試作検討を行った。図8は、本発明者等が周知の半導体製造技術を用いて試作した角速度センサの概略平面構成を示す図である。
【0005】
図8に示す様に、半導体基板J1には、エッチング等にて溝を形成することにより、第1の振動子J3、第2の振動子J4、及び、両振動子J3、J4の外周に位置し両振動子J3、J4を支持する基部J2等が形成されている。なお、両振動子J3、J4は基部J2に対して可動となっており、基部J2は、図示しない支持部(支持基板等)に支持されている。
【0006】
両振動子J3、J4は、図中のy方向へ自由度を持つ検出梁J5を介して基部J2に連結された略コの字型をなす外側部J31、J41と、外側部J31、J41の内側に位置する内側部J32、J42と、図中のx方向へ自由度を持ち、これら外側部と内側部とを連結する駆動梁J6とより構成されている。
【0007】
また、両振動子J3、J4の間に位置する基部J2には、各振動子J3、J4をx方向へ駆動振動させるための櫛歯状の駆動電極J7が、各振動子J3、J4毎に形成されている。この駆動電極J7は、各振動子J3、J4の内側部J32、J42から突出する櫛歯部と噛み合うように配置されている。
【0008】
また、基部J2には、角速度を検出するための櫛歯状の検出電極J8が、各振動子J3、J4毎に形成されている。検出電極J8は、各振動子J3、J4の外側部J31、J41から突出する櫛歯部と噛み合うように配置されている。
【0009】
かかる角速度センサにおいては、各振動子J3、J4について、対応する駆動電極J7から信号を印加することにより、各振動子J3、J4をx方向にて互いに逆相に駆動振動させる。そして、この駆動振動のもとz軸回りに角速度Ωが加わったとき、コリオリ力によって各振動子J3、J4は、y方向へ振動(検出振動)する。この検出振動によって、検出電極J8における櫛歯間の容量が変化し、この容量変化を検出することで、角速度Ωを求めることができる。
【0010】
しかしながら、上記試作品に示したような従来の角速度センサにおいては、2個の振動子J3、J4に対応して2個の駆動電極J7を設けるが、これら駆動電極J7を固定支持するための部分(上記図8では、両振動子J3、J4の間に位置する基部J2)が必要であり、この固定支持部の分、半導体基板の面積が必要となるため、センサの小型化の障害となる。
【0011】
本発明は上記問題に鑑み、半導体基板に、角速度を検出するための2個の振動子を形成してなる角速度センサにおいて、体格の小型化が可能な駆動電極の構成を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板(10)と、この半導体基板に形成された2個の振動子(30、40)とを備え、両振動子を第1の方向(x)へ駆動振動させ、この駆動振動のもと角速度が印加されたときに第1の方向(x)と直交する第2の方向(y)への両振動子の振動に基づいて角速度を検出するようにした角速度センサにおいて、各々の振動子(30、40)における両振動子が対向する部位に、櫛歯状に突出する電極部(34、44)を形成し、各々の電極部を互いの櫛歯が噛み合うように対向して配置させ、駆動振動を行うとき、各々の電極部間に電圧を印加することにより両振動子を互いに逆相で振動させるようにしたことを特徴としている。
【0013】
それによれば、対向する電極部(34、44)が駆動電極として機能するとともに、これら電極部は各振動子に固定支持されたものである。そのため、本発明によれば、従来必要とされていた駆動電極の固定支持部が不要となり、体格の小型化が可能な駆動電極の構成を実現することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1の角速度センサの具体的手段を提供するものであり、各々の振動子(30、40)を、第2の方向(y)へバネ変形可能な検出梁(50)を介して基部(20)に連結された第1の振動部(31、41)と、第1の方向(x)へバネ変形可能な駆動梁(33、43)を介して前記第1の振動部(31、41)の内側にて第1の振動部に連結された第2の振動部(32、42)とを備えるものとし、この第2の振動部を、各々の振動子(30、40)における両振動子が対向する部位として構成したことを特徴としている。
【0015】
それによれば、各々の振動子(30、40)において、第1及び第2の方向(x、y)へ振動可能な構成を適切に実現できるとともに、両振動子における第2の振動部(32、42)に、上記電極部(34、44)が形成された構造となる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、半導体基板(10)には、第1及び第2の振動子(30、40)それぞれに設けられた検出用可動電極(31a、41a)に対応した検出用固定電極(60、70)が形成されており、第1及び第2の振動子には基準電圧(V)と、この基準電圧に対し互いに反対の電圧とが印加され互いに逆相で振動させるようにしており、また、検出用固定電極には、基準電圧(V)が印加されており、第1及び第2の振動子の電位が基準電位の期間に、コリオリ力に起因する検出用可動電極と検出用固定電極との間の容量変化を検出するものであることを特徴としている。
【0017】
それによれば、駆動信号の影響を受けずに、コリオリ力に起因する容量変化を検出することができる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る角速度センサS1の概略平面構成を示す図である。
【0020】
角速度センサS1は、シリコン基板等の半導体基板10よりなり、この半導体基板10に、エッチング等の周知の半導体製造技術を用いて溝を形成することにより、図1に示す様に、枠状の基部20、2個の振動子30、40等が区画形成されている。なお、図1中、溝以外の部分は、斜線ハッチング領域及び太線部として示してある。
【0021】
基部20の内周に位置する第1の振動子(図中、左側)30及び第2の振動子(図中、右側)40は、互いに対称形状をなしている。本例では、両振動子30、40は、図1中のx方向(第1の方向)に沿って並べられており、両方とも基部20に対して可動となっている。なお、基部20は、図示しない支持部(支持基板等)に支持されている。
【0022】
両振動子30、40は、略コの字型をなす外側部(第1の振動部)31、41と、この外側部31、41の内側に位置する略矩形状の内側部(第2の振動部)32、42と、これら外側部31、41と内側部32、42とを連結する駆動梁33、43とを備えている。そして、両振動子30、40は、外側部31、41にて検出梁50を介して基部20に連結支持されている。
【0023】
駆動梁33、43は、図1中のx方向(第1の方向)へ自由度を持つもので、本例では、x方向へバネ変形可能な様に、x方向へ延びて折り返された略コの字形状をなしている。また、検出梁50は、図1中のy方向(第2の方向)へ自由度を持つもので、本例では、y方向へバネ変形可能な様に、y方向が長手方向となっている長方形枠状をなしている。なお、駆動梁33、43と検出梁50の共振周波数は異なっている。
【0024】
また、各々の振動子30、40において、両振動子30、40が対向する内側部32、42には、櫛歯状に突出する電極部(可動電極)34、44が形成されており、各々の電極部34、44は、互いの櫛歯が噛み合うように対向して配置されている。これら電極部34、44は、両振動子30、40を互いに逆相で駆動振動させるための駆動電極として機能する。
【0025】
また、基部20には、角速度を検出するための櫛歯状の検出電極(検出用固定電極)60、70が、各振動子30、40毎に形成されている。この検出電極60、70は、各振動子30、40の外側部31、41から突出する櫛歯部(検出用可動電極)31a、41aと噛み合うように配置されている。
【0026】
また、上記した第1の振動子30、第2の振動子40、検出電極60(第1の振動子側)、検出電極70(第2の振動子側)は、半導体基板10に形成された上記溝によって、それぞれ互いに電気的に絶縁されている。そして、これら振動子30、40及び検出電極60、70は、半導体基板10に形成されたアルミ等よりなるパッド(図示せず)により、後述するセンサS1の信号回路と電気的に接続されている。
【0027】
次に、角速度センサS1の製造方法について、SOI(シリコンオンインシュレータ)基板を用いた例として述べる。図2及び図3は、最終的に図3(d)に示す角速度センサS1を製造するための製造方法を示すもので、上記図1中のA−A線に沿った断面に対応して、各工程中のワークを示したものである。
【0028】
図3(d)に示す様に、このSOI基板104は、一対のシリコン基板101、102を酸化膜(絶縁層)103を介して貼り合わせてなるものであり、上記図1に示す半導体基板10は、図3(d)中のSOI基板104における上側のシリコン基板102に相当する。
【0029】
そして、図3(d)に示す様に、上側のシリコン基板(半導体基板)10は、開口部10aが形成された下側のシリコン基板101及び酸化膜103に、支持されている。なお、開口部10aの平面形状は、上記図1中の破線に示すようになっている。
【0030】
まず、図2(a)に示す様に、単結晶シリコンからなる両シリコン基板101、102の間に酸化膜(例えば厚さ1μm)103を挟んでなるSOI基板104を用意し、上側のシリコン基板102の全面に表面抵抗値を下げ、次工程にて形成されるアルミニウムからなる上記パッド(図示せず)との接触抵抗を下げるために、例えばリンを高濃度に拡散(N+ 拡散)する。
【0031】
続いて、SOI基板104の表面(上側のシリコン基板102)にアルミニウムを例えば1μm蒸着し、ホト、エッチングを行い、信号取り出し用の上記パッドを形成する。続いて、図2(b)に示す様に、SOI基板104の裏面(下側のシリコン基板101)を切削研磨(バックポリッシュ)することにより所定の厚さ(例えば300μm)とし、且つ鏡面仕上げする。
【0032】
続いて、図2(c)に示す様に、SOI基板104の裏面(下側のシリコン基板101)にプラズマSiN膜300を堆積(例えば0.5μm)し、ホトパターンを形成し、プラズマSiN膜300をエッチングすることにより所定の領域を開口する。
【0033】
続いて、図3(a)に示す様に、上側のシリコン基板102の表面に、上記振動子30、40、各電極及び各梁等を画定するパターンをレジストで形成し、ドライエッチングにより垂直に酸化膜103までトレンチ形状を形成する。
【0034】
続いて、図3(b)に示す様に、下側のシリコン基板101を、プラズマSiN膜300に形成したパターンをマスクとして、例えばKOH水溶液で深くエッチングする。このとき、酸化膜103までエッチングを進めると、エッチング液の圧力により酸化膜103が破れてSOI基板104を破損するため、酸化膜103が破れないように、例えば下側のシリコン基板101のシリコンを10μm残してエッチングを終了できるようエッチング時間を管理する。
【0035】
続いて、図3(c)に示す様に、プラズマドライエッチングにより、図3(b)の工程で残したSiをエッチング除去する。このとき、SOI基板104の裏面のプラズマSiN膜300は同時に除去される。最後に、図3(d)に示す様に、酸化膜103をドライエッチングによって除去して、上記振動子30、40等を形成することにより、角速度センサS1が完成する。
【0036】
この後、振動子30、40及び検出電極60、70は、上記パッドにより、上記信号回路と電気的に接続される。図4は、この信号回路のブロック図である。図4には、第1の振動子30、第2の振動子40、検出電極60(第1の振動子側)、検出電極70(第2の振動子側)に対応して接続される上記パッド30a、40a、60a、70aが示してある。
【0037】
図4に示す様に、第1の振動子30、第2の振動子40には、それぞれ、互いにオフセットされた逆相の交流電圧(矩形波もしくは正弦波)が、駆動信号として印加されるようになっている。つまり、電極部34と電極部44との間に、電圧が印加されることで静電気力が発生し、両振動子30、40が共振周波数(例えば5kHz)にて振動するようになっている。
【0038】
また、検出電極60、70には、それぞれ、検出電極60、70と櫛歯部31a、41aとの間の容量を電圧に変換するためのチャージアンプ(C/V変換回路)100が接続され、このチャージアンプ100の先には、駆動信号からのタイミングに基づき、検出を行わせるためのスイッチングを行うサンプルホールド回路110が接続されている。
【0039】
次に、本角速度センサS1の作動について、図5も参照して述べる。図5は、角速度検出における信号のタイミングチャートの一例を示す図である。まず、パッド30a、パッド40aを介してそれぞれ、第1の振動子30、第2の振動子40に駆動信号を印加する。
【0040】
例えば、図5に示す様に、第1の振動子30即ち電極部34には、基準電位をVとして、V〜2V(例えば2.5〜5V)の範囲で矩形波(第1矩形波)を印加する。同時に、第2の振動子40即ち電極部44には、0〜V(例えば0〜2.5V)の範囲で第1矩形波と逆相の矩形波(第2矩形波)を印加する。
【0041】
すると、電極部34と電極部44との間に電圧を印加することにより、両電極部34と44との間に電圧差の自乗に比例した静電引力が発生し、これによって、両振動子30、40における内側部32、42が、駆動梁33、43の作用により、互いに逆相でx方向へ駆動振動する。
【0042】
この駆動振動における両振動子30、40(両内側部32、42)の振動振幅は、図5に示す様になり、第1の振動子30(図中、実線にて図示)と第2の振動子40(図中、破線にて図示)とで、互いに逆相且つ同一周波数にて駆動振動が行われる。
【0043】
この両振動子30、40が駆動振動しているときに、z軸(図1参照)回りに角速度Ωが印加されると、各振動子30、40にはy方向へコリオリ力が作用する。すると、このコリオリ力によって、各振動子30、40は、それぞれ振動子全体が検出梁50の作用により、y方向へ互いに逆相且つ同一周波数にて振動(検出振動)する。
【0044】
この検出振動において、各振動子30、40に対応する検出電極60、70における櫛歯間の容量が、印加角速度(コリオリ力)の大きさに応じて変化し、この容量変化は、パッド60a、70aを介して上記チャージアンプ100にて電圧に変換される。このとき、上記サンプルホールド回路110によって検出電極60、70からの出力を所定のタイミングでサンプリングする。
【0045】
各振動子30、40に加わるコリオリ力の大きさは、図5に示す様に、第1の振動子30(実線)及び第2の振動子40(破線)にて変化する。両電極部34と44との間(パッド30aと40aとの間)の電圧が同じになる時間帯(図5中のハッチング部分)に、コリオリ力が最大となることを利用して、この時間帯で検出電極60、70の容量変化を検出する。
【0046】
なお、各検出電極60には、基準電位Vが印加されており、この時間を利用することにより、駆動電圧に影響されず、コリオリ力に基づく容量変化を検出できる。
【0047】
つまり、検出電極60、検出電極70におけるサンプリングのタイミング信号は、図5に示す様になり、上記時間帯にて、サンプルホールド回路110をオン状態とする。そして、チャージアンプ100、サンプルホールド回路110を介して検出された信号が、角速度信号として出力される。
【0048】
このように、図5に示すタイミングを用いれば、両振動子30、40が同電位の状態でコリオリ力を最大値近傍にて検出することができ、感度のよい角速度検出が可能となる。
【0049】
なお、各振動子に基準電圧Vから離れた駆動電圧(2V、0)が印加されるとき、各振動子30、40と検出電極60、70との間に静電引力が生ずるが、各振動子は共振周波数で駆動するとともに、駆動梁33、43と検出梁50の共振周波数が異なる(例えば5kHzと7kHz)ため、y方向へはほとんど変位しない。
【0050】
また、図5のタイミングで検出を行えば、いったん駆動信号の入力を停止し、検出を行うといった時間分割の必要は無いが、スイッチトキャパシタ回路を用いる等により、入力される駆動信号を間引くことで時間分割による検出を行うことも可能である。
【0051】
以上述べてきたように、本実施形態では、各々の振動子30、40における両振動子が対向する部位に、櫛歯状に突出する電極部34、44を形成し、各々の電極部33、43を互いの櫛歯が噛み合うように対向して配置させ、駆動振動を行うとき、各々の電極部33、43間に電圧を印加することにより両振動子30、40(内側部32、42)を互いに逆相で振動させるようにしたことを特徴としている。
【0052】
そして、本実施形態によれば、対向する電極部34、44が駆動電極として機能するとともに、これら電極部34、44は、それぞれ各振動子30、40(外側部31、41)に固定支持されたものであるため、従来必要とされていた駆動電極の固定支持部が不要となる。よって、体格の小型化が可能な駆動電極の構成が実現される。
【0053】
また、本実施形態では、各々の振動子30、40を、y方向へバネ変形可能な検出梁50を介して基部20に連結された外側部31、41と、x方向へバネ変形可能な駆動梁33、43を介して外側部31、41に連結された内側32、42とを備えたものとし、この内側部32、42にて、各々の振動子30、40を対向させている。そのため、各々の振動子30、40において、x方向及びy方向へ振動可能な構成を適切に実現できる。
【0054】
なお、本実施形態では、2個の振動子30、40をx方向へ逆相に振動させているが、図1に示す両振動子30、40の形状は、振動子の片側に櫛歯を設けているため、左右非対称となり、各振動子30、40がきちんと左右(x方向)に振れない場合が考えられる。その対策としては、以下のような種々の変形例が考えられる。
【0055】
図6に示す第1の変形例の様に、各振動子30、40の重心が振動子の中心に来るように、各振動子30、40において電極部34、44が形成されている部位と反対側の部位に、電極部34、44と同形状のダミー櫛歯パターン80を形成する。なお、このダミー櫛歯パターン80は、振動子の駆動振動状態(振幅、周波数等)をモニタするためのモニタ電極として用いてもよい。
【0056】
または、図7に示す第2の変形例の様に、各振動子30、40において電極部34、44が形成されている部位と反対側の部位の幅を大きくし(図中、幅広部81)、電極部34、44と釣り合うようにすることで、各振動子30、40の重心が振動子の中心に来るようにしてもよい。
【0057】
なお、各振動子30、40で共振周波数が極端に異ならないように、各振動子30、40の間で、振動子の重さや梁のバネ定数等のばらつきを抑えることが重要である。もし、各振動子30、40で共振周波数が極端に異なると、片方の振動子だけが大きく振動し、コリオリ力の作用が各振動子でばらつくため、加速度感度がキャンセルされずに現れる場合がある。
【0058】
実際には、本実施形態では、同一チップ内のしかも隣接する振動子パターンであるため、問題になるほど共振周波数のばらつきは無いと考えられる。それでも、各振動子30、40において、検出電極60、70と電極部34、44との間にバイアス電圧(上記図4中の仮想GND電圧V)を適宜設定し、見かけ上の検出梁50のバネ定数を調整するようにすれば、両振動子30、40の共振周波数を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る角速度センサの概略平面図である。
【図2】上記実施形態に係る角速度センサの製造方法を示す工程図である。
【図3】図2に続く製造方法を示す工程図である。
【図4】上記実施形態に係る角速度センサの信号回路のブロック図である。
【図5】角速度検出における信号のタイミングチャートの一例を示す図である。
【図6】上記実施形態の第1の変形例を示す概略平面図である。
【図7】上記実施形態の第2の変形例を示す概略平面図である。
【図8】本発明者等が試作した角速度センサの概略平面図である。
【符号の説明】
10…半導体基板、20…基部、30…第1の振動子、
31…第1の振動子の外側部、32…第1の振動子の内側部、
40…第2の振動子、41…第2の振動子の外側部、
42…第2の振動子の内側部、33、43…駆動梁、34、44…電極部、
50…検出梁、x…第1の方向、y…第2の方向。

Claims (3)

  1. 半導体基板(10)と、
    この半導体基板に形成された2個の振動子(30、40)とを備え、
    前記両振動子を第1の方向(x)へ駆動振動させ、この駆動振動のもと角速度が印加されたときに前記第1の方向と直交する第2の方向(y)への前記両振動子の振動に基づいて前記角速度を検出するようにした角速度センサにおいて、
    各々の前記振動子における前記両振動子が対向する部位には、櫛歯状に突出する電極部(34、44)が形成されており、
    各々の前記電極部は、互いの櫛歯が噛み合うように対向して配置されており、
    前記両振動子の前記駆動振動を行うとき、各々の前記電極部間に電圧を印加することにより、前記両振動子を互いに逆相で振動させるようにしたことを特徴とする角速度センサ。
  2. 各々の前記振動子(30、40)は、前記第2の方向(y)へバネ変形可能な検出梁(50)を介して基部(20)に連結された第1の振動部(31、41)と、
    この第1の振動部の内側に位置し、前記第1の方向(x)へバネ変形可能な駆動梁(33、43)を介して前記第1の振動部に連結された第2の振動部(32、42)とを備えるものであり、
    前記第2の振動部が、各々の前記振動子における前記両振動子が対向する部位として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 前記半導体基板(10)には、前記第1及び第2の振動子(30、40)それぞれに設けられた検出用可動電極(31a、41a)に対応した検出用固定電極(60、70)が形成されており、
    前記第1及び第2の振動子には基準電圧(V)と、この基準電圧に対し互いに反対の電圧とが印加され互いに逆相で振動させるようにしており、
    また、前記検出用固定電極には、前記基準電圧(V)が印加されており、前記第1及び第2の振動子の電位が基準電位の期間に、コリオリ力に起因する前記検出用可動電極と前記検出用固定電極との間の容量変化を検出するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の角速度センサ。
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