JP2002213962A - 角速度センサ及びその製造方法 - Google Patents

角速度センサ及びその製造方法

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JP2002213962A
JP2002213962A JP2001010228A JP2001010228A JP2002213962A JP 2002213962 A JP2002213962 A JP 2002213962A JP 2001010228 A JP2001010228 A JP 2001010228A JP 2001010228 A JP2001010228 A JP 2001010228A JP 2002213962 A JP2002213962 A JP 2002213962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の質量部を連結して2軸周りの角速度を
検出することにより、センサの検出性能を高めつつ、そ
の小型化、コストダウンを図る。 【解決手段】 中央質量部3、外側質量部4および枠状
質量部5,6を支持梁7,9,10によって連結し、支
持梁7の節部7Aを固定部11によって基板2に固定す
る。また、振動発生部15は、質量部3,5と質量部
4,6とを支持梁7を介して互いに逆位相で振動させ
る。そして、角速度検出部19は、中央質量部3が支持
梁9を介してY軸方向に変位するときの変位量をZ軸周
りの角速度Ω1として検出し、角速度検出部23は、外
側質量部4が捩れ支持梁10を介してZ軸方向に変位す
るときの変位量をY軸周りの角速度Ω2として検出す
る。これにより、角速度センサ1は、2軸周りの角速度
Ω1,Ω2を同時に検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば回転体等の
角速度を検出するのに好適に用いられる角速度センサ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、角速度センサとしては、基板
と、該基板により支持梁を介して互いに直交する2方向
に変位可能に支持された質量部と、該質量部を前記2方
向のうち基板と平行な振動方向に振動させる振動発生手
段と、前記質量部が前記振動方向と直交する検出方向に
変位するときの変位量を角速度として検出する角速度検
出手段とから構成されたものが知られている(例えば、
特開平5−312576号公報等)。
【0003】この種の従来技術による角速度センサは、
基板に対して平行なX軸、Y軸と垂直なZ軸のうち、例
えばX軸方向に沿って質量部を所定の振幅で振動させ、
この状態でZ軸周りの角速度が加わると、質量部にはY
軸方向のコリオリ力が作用する。これにより、質量部は
Y軸方向に変位するので、角速度検出手段は、このとき
の質量部の変位量を静電容量等の変化として検出するこ
とにより、角速度に応じた検出信号を出力するものであ
る。
【0004】この場合、質量部は、基板に設けられた支
持梁によってX軸方向等に変位(振動)可能に支持され
ている。そして、この支持梁は、基端側が基板に固定さ
れ、先端側が質量部に連結されると共に、角速度センサ
の作動時には、支持梁が撓み変形することによって質量
部がX軸方向に振動する構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による角速度センサを例えば車両等に搭載する場
合には、Y軸周りとZ軸周りのように2軸周りの角速度
を同時に検出することがある。この場合、従来技術によ
る角速度センサでは、例えばZ軸周りのように1軸周り
の角速度しか検出することができないから、2軸周りの
角速度を同時に検出するために2個の角速度センサを使
用する必要があった。このため、従来技術では、製造コ
ストが増大すると共に、角速度センサの実装面積も大き
くなるという問題があった。
【0006】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、2軸周りの角速度を同
時に検出でき、製造コストを低減し、小型化を図ること
ができるようにした角速度センサ及びその製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、基板と、該基板と隙間をもっ
て対向し互いに直交するX軸,Y軸,Z軸からなる3軸
方向のうちY軸方向に並んで配置され振動発生手段によ
ってX軸方向に互いに逆位相で振動する複数の質量部
と、該各質量部をX軸方向に変位可能に連結するX軸方
向支持梁と、該X軸方向支持梁と前記基板との間に設け
られ該X軸方向支持梁を前記基板に接続する固定部と、
前記複数の質量部のうち一部の質量部と前記X軸方向支
持梁との間に設けられ該一部の質量部をY軸方向に変位
可能に支持するY軸方向支持梁と、前記複数の質量部の
うち残余の質量部と前記X軸方向支持梁との間に設けら
れ該残余の質量部をZ軸方向に変位可能に支持するZ軸
方向支持梁と、前記一部の質量部に角速度が作用すると
きに該一部の質量部がY軸方向に変位する変位量をZ軸
周りの角速度として検出する第1の検出手段と、前記残
余の質量部に角速度が作用するときに該残余の質量部が
Z軸方向に変位する変位量をY軸周りの角速度として検
出する第2の検出手段とからなる構成を採用している。
【0008】このように構成することにより、複数の質
量部をX軸方向支持梁、Y軸方向支持梁およびZ軸方向
支持梁によってY軸方向に並べた状態で連結でき、この
状態でX軸方向支持梁が撓み変形することにより、互い
に隣合う質量部をほぼ逆位相で振動させることができ
る。そして、例えばセンサにZ軸周りの角速度が加わる
ときに、各質量部のうち一部の質量部は、コリオリ力に
よりY軸方向支持梁を介してY軸方向に変位でき、この
ときの変位量を第1の検出手段によりZ軸周りの角速度
として検出することができる。また、センサにY軸周り
の角速度が加わるときには、各質量部のうち残余の質量
部がZ軸方向支持梁によってZ軸方向に変位でき、この
ときの変位量を第2の検出手段によりY軸周りの角速度
として検出することができる。
【0009】また、請求項2の発明によると、固定部は
X軸方向支持梁のうち前記各質量部が互いに逆位相で振
動するときの節に対応する部位を前記基板に接続する構
成としている。
【0010】この場合、各質量部がX軸方向支持梁を介
して互いに逆位相で振動するときには、該各質量部間で
撓み変形するX軸方向支持梁の途中部位にほぼ一定の位
置を保持する振動の節を配置できる。そして、固定部
は、この節に対応する位置でX軸方向支持梁を基板側に
固定できるから、各質量部の振動がX軸方向支持梁等を
介して基板側に伝わるのを抑制することができる。
【0011】また、請求項3の発明によると、Z軸方向
支持梁は、X軸またはY軸周りで捩れ変形可能に形成さ
れ前記残余の質量部をZ軸方向に揺動可能に支持する捩
れ支持梁により構成している。
【0012】これにより、センサにY軸周りの角速度が
加わって前記残余の質量部にZ軸方向のコリオリ力が付
加されるときに、この質量部は、Z軸方向支持梁が捩れ
るように変形することにより、Z軸方向支持梁を支点と
してZ軸方向に揺動でき、基板に対し近接、離間するこ
とができる。
【0013】さらに、請求項4の発明によると、一部の
質量部はY軸方向に対して中央に位置する第1の質量部
によって構成し、前記残余の質量部はY軸方向に対して
該第1の質量部の両側に位置する第2の質量部によって
構成している。
【0014】これにより、第1の質量部を挟んで第2の
質量部を対称に配置でき、これらの質量部をX軸方向に
対して互いに逆位相で安定的に振動させることができ
る。そして、第1の質量部は、Y軸方向に変位すること
によってZ軸周りの角速度を検出することができる。ま
た、第2の質量部は、Z軸方向に変位することによって
Y軸周りの角速度を検出できると共に、第1の質量部を
挟んだ両側の位置でZ軸方向に揺動することにより、質
量部全体に加わる応力等のバランスをとることができ
る。
【0015】また、請求項5の発明では、基板と、該基
板と隙間をもって対向し互いに直交するX軸,Y軸,Z
軸からなる3軸方向のうち振動発生手段によってX軸方
向に振動する第1の質量部と、該第1の質量部を挟んで
Y軸方向の両側に設けられ振動発生手段によってX軸方
向に振動する第2の質量部と、前記第1の質量部と第2
の質量部との間に位置して第1の質量部を取囲む第3の
質量部と、前記第2の質量部の周囲に位置する第4の質
量部と、該第4の質量部を互いにX軸方向に変位可能に
連結するX軸方向支持梁と、該X軸方向支持梁に対して
前記第3の質量部を連結する連結部と、前記第3の質量
部に対して第1の質量部をY軸方向に変位可能に連結す
るY軸方向支持梁と、前記第4の質量部に対して第2の
質量部をZ軸方向に変位可能に連結するZ軸方向支持梁
と、前記基板とX軸方向支持梁との間に設けられ該X軸
方向支持梁を前記基板に接続する固定部と、前記第1の
質量部に角速度が作用するときに該第1の質量部がY軸
方向に変位する変位量をZ軸周りの角速度として検出す
る第1の検出手段と、前記第2の質量部に角速度が作用
するときに該第2の質量部がZ軸方向に変位する変位量
をY軸周りの角速度として検出する第2の検出手段とを
備え、前記第1,第3の質量部と第2,第4の質量部と
は互いに逆位相で振動する構成としている。
【0016】これにより、第1,第3の質量部は、X軸
方向支持梁を介して第2,第4の質量部と逆位相でX軸
方向に振動でき、この状態で第1の質量部は、Z軸周り
の角速度が加わったときに、Y軸方向支持梁を介してY
軸方向に変位することにより、この角速度を検出するこ
とができる。また、第2の質量部は、Y軸周りの角速度
が加わったときに、Z軸方向支持梁を介してZ軸方向に
変位でき、この角速度を検出することができる。また、
第3の質量部はX軸方向支持梁の撓み変形等が第1の質
量部に伝わるのを遮断でき、第4の質量部はX軸方向支
持梁の撓み変形等が第2の質量部に伝わるのを遮断する
ことができる。
【0017】また、請求項6の発明によると、固定部は
X軸方向支持梁のうち前記第1,第3の質量部と第2,
第4の質量部とが互いに逆位相で振動するときの節に対
応する部位を前記基板に接続する構成としている。
【0018】これにより、固定部は、第1,第2,第
3,第4の質量部がX軸方向支持梁を介して振動すると
きに、この振動の節に対応する位置でX軸方向支持梁を
基板側に固定できるから、各質量部の振動がX軸方向支
持梁等を介して基板側に伝わるのを抑制することができ
る。
【0019】さらに、請求項7の発明によると、Z軸方
向支持梁は、X軸またはY軸周りで捩れ変形可能に形成
され前記第2の質量部をZ軸方向に揺動可能に支持する
捩れ支持梁により構成している。
【0020】これにより、第2の質量部は、Z軸方向支
持梁が捩れるように変形することにより、この支持梁を
支点としてZ軸方向に揺動でき、Y軸周りの角速度によ
って基板に対し近接、離間することができる。
【0021】一方、請求項8に係る製造方法は、基板上
に配置した複数の質量部をX軸方向支持梁、Y軸方向支
持梁およびZ軸方向支持梁によって互いに連結し該各質
量部と支持梁とを固定部によって基板上に接続すると共
に、前記各質量部のうち一部の質量部がY軸方向に変位
するときの変位量を第1の検出手段によりZ軸周りの角
速度として検出し、前記各質量部のうち残余の質量部が
Z軸方向に変位するときの変位量を第2の検出手段によ
りY軸周りの角速度として検出してなる角速度センサの
製造方法であって、前記基板の表面には前記各質量部と
各支持梁とを基板から離して配置するための凹陥部を形
成し、該凹陥部には前記第2の検出手段となる電極を形
成し、前記基板の表面には該電極と対面して加工用基板
を接合し、該加工用基板にエッチング処理を施して前記
凹陥部に対応する位置に前記各質量部、各支持梁、固定
部および第1の検出手段を形成する構成としている。
【0022】これにより、例えば基板の表面側に研削等
の加工を施すことによって凹陥部を形成でき、この凹陥
部に金属膜等を用いて第2の検出手段となる電極を形成
することができる。そして、この基板上に接合した加工
用基板にエッチング処理を施すことにより、基板上に
は、各質量部、各支持梁、固定部および第1の検出手段
を1回のエッチング工程でほぼ同時に形成でき、これら
の部材を基板の凹陥部により該基板から離して配置する
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
角速度センサ及びその製造方法を、添付図面を参照しつ
つ詳細に説明する。
【0024】図中、1は本実施の形態に適用される角速
度センサ、2は該角速度センサ1の本体部分を構成する
基板で、該基板2は、例えば高抵抗なシリコン材料、ガ
ラス材料等によって四角形状に形成されている。
【0025】そして、基板2上には、図1、図2に示す
如く、例えば単結晶または多結晶をなす低抵抗なシリコ
ン材料を基板2上に設けてエッチング処理等の微細加工
を施すことにより、後述の中央質量部3、外側質量部
4、枠状質量部5,6、支持梁7,9,10、駆動電極
13,14、検出電極17,18,20,22等が形成
されている。また、基板2の表面側には、質量部3,
4,5,6、支持梁7,9,10、可動側の検出電極1
8,22等を基板2側からZ軸方向に離して配置するた
めに複数の凹陥部2Aが形成されている。
【0026】3は基板2の中央近傍に配置された第1の
質量部としての中央質量部で、該中央質量部3は、例え
ば略「日」の字をなす枠状体として形成され、互いに対
向してX軸方向に延びた横枠部3A,3Aと、該各横枠
部3Aの両端側を連結してY軸方向に延びた縦枠部3
B,3Bと、各横枠部3A間に位置してX軸方向に延設
され、各縦枠部3Bのほぼ中間部位を連結した中間枠部
3Cとによって構成されている。
【0027】ここで、中央質量部3は、後述の支持梁
7,9,10と連結部8とを介して外側質量部4、枠状
質量部5,6と連結されている。そして、これらの質量
部3,4,5,6は、基板2と平行な平面内でY軸方向
に沿ってほぼ直線状に並んで配置され、支持梁7によっ
てX軸方向に変位可能に支持されている。また、中央質
量部3は、支持梁9によってY軸方向に変位可能に支持
され、角速度センサ1にZ軸周りの角速度Ω1が加わる
ときには、このときのコリオリ力F1に応じてY軸方向
に変位するものである。
【0028】4,4はY軸方向に対して中央質量部3の
両側に配置された第2の質量部としての一対の外側質量
部で、該各外側質量部4は、図3ないし図4に示す如
く、例えば四角形の平板状に形成され、その重心Gから
中央質量部3側に向けてY軸方向に離間した端部側が支
持梁10と連結されている。
【0029】これにより、外側質量部4は、支持梁10
との連結部位を固定端とし、後述の電極取出部21側に
位置する部位を自由端として、支持梁10により片持ち
状態で揺動可能に支持されている。そして、後述の如く
角速度センサ1にY軸周りの角速度Ω2が加わるときに
は、支持梁10がX軸周りで捩れ変形することにより、
外側質量部4がコリオリ力F2に応じてZ軸方向に変位
するものである。
【0030】5は中央質量部3と外側質量部4との間に
配置された第3の質量部としての枠状質量部で、該枠状
質量部5は、中央質量部3を取囲む四角形の枠状体によ
って形成され、X軸方向に延びた前,後の横枠部5A,
5Aと、Y軸方向に延びた左,右の縦枠部5B,5Bと
を有している。そして、枠状質量部5は、その外側部位
が連結部8を介して支持梁7と連結され、その内側部位
には支持梁9を介して中央質量部3が連結されている。
【0031】6,6は外側質量部4を略コ字状に取囲ん
で配置された第4の質量部としての枠状質量部で、該各
枠状質量部6は、X軸方向に延びて両端側が各支持梁7
に連結された延設部6Aと、該延設部6Aから外側質量
部4の左,右両側に突出した外側突起部6B,6Bとに
より構成されている。
【0032】7,7は質量部3,4,5,6をX軸方向
に変位可能に支持するX軸方向支持梁で、該各X軸方向
支持梁7は枠状質量部5の左,右両側に配置され、X軸
方向に撓み変形可能な状態でY軸方向に延びている。そ
して、角速度センサ1の作動時には、質量部3,5と質
量部4,6とが支持梁7等を介して互いにほぼ逆位相で
X軸方向に振動し、このとき支持梁7の長さ方向途中部
位には、支持梁7が振動(撓み変形)するときに振動の
節となってほぼ一定の位置を保持する4箇所の節部7A
が配置されている。
【0033】8,8は各支持梁7に対して枠状質量部5
を連結する左,右の連結部で、該各連結部8は高い剛性
をもって形成され、枠状質量部5がY軸方向に変位する
のを規制している。
【0034】9,9,…は中央質量部3をY軸方向に変
位可能に支持する例えば4本のY軸方向支持梁で、該各
Y軸方向支持梁9は、一端側が中央質量部3の4隅に連
結され、他端側がX軸方向に延びて枠状質量部5の各横
枠部5Aに連結されると共に、Y軸方向に撓み変形可能
となっている。
【0035】10,10,…は各外側質量部4をZ軸方
向に変位可能に支持する例えば4本のZ軸方向支持梁と
しての捩れ支持梁で、該各捩れ支持梁10は、各外側質
量部4の左,右両側に配置され、一端側が外側質量部4
に連結されると共に、他端側がX軸方向に延びて枠状質
量部6の各外側突起部6Bに連結されている。
【0036】また、支持梁10は、図3、図4に示す如
く、例えばX軸方向の長さLが200〜400μm程
度、Y軸方向の幅wが10〜20μm程度、Z軸方向の
厚さtが30〜70μm程度となった薄板状に形成さ
れ、その幅wが長さL、厚さtに対して小さく設定され
ることにより、図5に示す如くX軸周りで捩れるように
弾性変形する構成となっている。
【0037】11は支持梁7の節部7Aを基板2に接続
する固定部で、該固定部11は、質量部3,4,5,6
を取囲む四角形の枠状体により形成され、基板2上に固
定された台座部11Aと、該台座部11Aの内側部位に
一体に設けられ、基板2から離間した例えば4個の腕部
11Bとによって構成されている。
【0038】また、各腕部11Bは、X軸方向に対して
各支持梁7の左,右両側に2個ずつ配置され、Y軸方向
に離間している。そして、固定部11は、図6に示す如
く、各腕部11Bによって質量部3,4,5,6と各支
持梁7とを節部7Aの部位で支持することにより、質量
部3,5と質量部4,6が、X軸方向に逆位相で振動す
るときに、基板2に振動が伝わるのを抑制するものであ
る。
【0039】一方、12,12,…は基板2上に固定的
に設けられた例えば4個の駆動電極用支持部で、該各駆
動電極用支持部12は、図1に示す如く、Y軸方向に対
し各枠状質量部6を挟んで両側に2個ずつ配置されてい
る。
【0040】13,13,…は各駆動電極用支持部12
にそれぞれ設けられた固定側駆動電極で、該各固定側駆
動電極13は、X軸方向に突出しY軸方向に間隔をもっ
て櫛歯状に配置された複数の電極板13A,13A,…
を有している。
【0041】14,14,…は各固定側駆動電極13に
対応して各枠状質量部6の外側突起部6Bにそれぞれ設
けられた可動側駆動電極で、該各可動側駆動電極14
は、X軸方向に櫛歯状をなして突出し、固定側駆動電極
13の各電極板13Aと噛合した複数の電極板14A,
14A,…を有している。
【0042】15,15,…は基板2と外側質量部4と
の間に設けられた振動発生手段としての振動発生部で、
該各振動発生部15は、固定側駆動電極13と可動側駆
動電極14とによって構成されている。そして、振動発
生部15は、これらの駆動電極13,14間に交流の駆
動信号を直流バイアス電圧と共に印加することによっ
て、電極板13A,14A間に静電引力を交互に発生
し、外側質量部4を図1中の矢示a1,a2方向に振動さ
せるものである。
【0043】16,16は中央質量部3の内側に位置し
て基板2上に設けられた2個の検出電極用支持部で、該
各検出電極用支持部16は、Y軸方向に対し中央質量部
3の中間枠部3Cを挟んで両側に配置されている。
【0044】17,17,…は中央質量部3の変位量を
検出するために各検出電極用支持部16にそれぞれ複数
個設けられた固定側検出電極で、該各固定側検出電極1
7は、X軸方向に突出しY軸方向の間隔をもって櫛歯状
に配置された複数の電極板17A,17A,…を有して
いる。
【0045】18,18,…は各固定側検出電極17に
対応して中央質量部3の中間枠部3Cに複数個設けられ
た可動側検出電極で、該各可動側検出電極18は、X軸
方向に櫛歯状をなして突出し、固定側検出電極17の各
電極板17Aに対しY軸方向の隙間を挟んで噛合した複
数の電極板18A,18A,…を有している。
【0046】19,19は基板2と中央質量部3との間
に設けられた第1の検出手段としての角速度検出部で、
該各角速度検出部19は、固定側検出電極17と可動側
検出電極18とによって構成されている。そして、角速
度検出部19は、中央質量部3がY軸方向に変位するこ
とによって静電容量が変化する平行平板コンデンサを形
成し、Z軸周りの角速度Ω1を検出電極17,18間の
静電容量の変化として検出するものである。
【0047】20,20は各外側質量部4に対応する位
置で基板2の凹陥部2A内に設けられた固定側検出電極
で、該各固定側検出電極20は、例えば金属膜等により
図4、図5に示す如く四角形状に形成されている。ま
た、固定側検出電極20は、その一部が凹陥部2Aの外
側に延設され、基板2上に突設された電極取出部21に
接続されている。
【0048】22,22は各外側質量部4のうち基板2
に面した部位により構成された可動側検出電極で、該各
可動側検出電極22は、図4に示す如く、固定側検出電
極20とZ軸方向の隙間を挟んで対面している。
【0049】23は基板2と外側質量部4との間に設け
られた第2の検出手段としての角速度検出部で、該角速
度検出部23は、固定側検出電極20と可動側検出電極
22とによって構成されている。そして、角速度検出部
23は、外側質量部4がZ軸方向に変位することによっ
て静電容量が変化する平行平板コンデンサを形成し、Y
軸周りの角速度Ω2を検出電極20,22間の静電容量
の変化として検出するものである。
【0050】本実施の形態による角速度センサ1は上述
の如き構成を有するもので、次にその作動について説明
する。
【0051】まず、左,右の振動発生部15に逆位相と
なる交流の駆動信号を直流バイアス電圧と共に印加する
と、左,右の固定側駆動電極13と可動側駆動電極14
との間には静電引力が交互に発生し、外側質量部4と枠
状質量部6とは、支持梁7が撓み変形することによって
図6中の矢示a1,a2方向に振動する。
【0052】また、質量部4,6の振動が支持梁7等を
介して枠状質量部5に伝わると、中央質量部3と枠状質
量部5とは、質量部4,6に対して振動の位相が約18
0°ずれた逆位相で振動する。印加する交流の駆動信号
の周波数を調整することにより、この振動を共振状態に
することができる。この場合、支持梁7の節部7Aはほ
ぼ一定の位置を保持するため、質量部3〜6の振動が支
持梁7、固定部11等を介して基板2に伝わることはほ
とんどない。
【0053】そして、この振動状態で例えば角速度セン
サ1にZ軸周りの角速度Ω1が加わると、中央質量部3
は、下記数1の式に示すコリオリ力F1がY軸方向に作
用し、支持梁9が撓み変形することにより、コリオリ力
F1の大きさに応じてY軸方向に変位する。
【0054】
【数1】F1=2MΩ1v 但し、 M:中央質量部3の質量 Ω1:Z軸周りの角速度 v:中央質量部3のX軸方向の速度
【0055】これにより、2つの角速度検出部19で
は、Y軸方向に対する中央質量部3の変位量に応じて検
出電極17,18間の間隔(静電容量)がそれぞれ変化
するので、例えば各角速度検出部19における静電容量
の変化量を差動出力することにより、Z軸周りの角速度
Ω1を検出することができる。
【0056】一方、角速度センサ1にY軸周りの角速度
Ω2が加わるときは、図5に示す如く、この角速度Ω2に
応じてZ軸方向のコリオリ力F2が作用するため、外側
質量部4は、支持梁10がX軸周りで捩れるように弾性
変形することにより、支持梁10を支点として揺動し、
コリオリ力F2の大きさに応じてZ軸方向に変位するよ
うになる。
【0057】これにより、2つの角速度検出部23で
は、Z軸方向に対する外側質量部4の変位量に応じて検
出電極20,22間の静電容量がそれぞれ変化するの
で、例えば各角速度検出部23における静電容量の変化
量を加算出力することにより、Y軸周りの角速度Ω2を
検出することができる。
【0058】次に、図7ないし図12を参照しつつ角速
度センサ1の製造方法について説明する。
【0059】まず、図7に示すように基板2となるガラ
ス板31を用意し、図8に示す基板形成工程では、ガラ
ス板31の表面側のうち、質量部3,4,5,6、支持
梁7,9,10、連結部8、電極14,18,22等に
対応する所定の部位に対して、例えば研削、サンドブラ
スト等の手段を用いて各凹陥部2Aを穿設し、基板2を
形成する。
【0060】次に、図9に示す電極形成工程では、例え
ばスパッタ、CVD等の手段を用いて基板2の各凹陥部
2Aに金属膜を形成し、この金属膜にエッチング処理を
施すことにより、固定側検出電極20を形成する。
【0061】そして、図10に示す基板接合工程では、
例えば陽極接合等の手段によって加工用基板となるシリ
コン板32を基板2の表面側に接合し、図11に示すエ
ッチング工程では、シリコン板32に対して表面側から
板厚方向に1回のエッチング処理を施すことにより、質
量部3,4,5,6、支持梁7,9,10、連結部8、
固定部11、支持部12,16、電極13,14,1
7,18,22、電極取出部21等をほぼ同時に形成す
る。
【0062】次に、図12に示す他の基板接合工程で
は、例えば蓋板となるガラス板33等を減圧雰囲気中で
質量部3,4,5,6に対して基板2と反対側に接合
し、質量部3〜6等を基板2とガラス板33との間に減
圧封止した後に、このガラス板33に電極取出用のスル
ーホール等を形成することにより、角速度センサ1を製
造することができる。
【0063】かくして、本実施の形態によれば、中央質
量部3、外側質量部4および枠状質量部5,6を支持梁
7,9,10等によって互いに連結し、質量部3,4の
変位量を角速度検出部19,23によりZ軸周りの角速
度Ω1,Y軸周りの角速度Ω2としてそれぞれ検出する構
成としている。
【0064】これにより、複数の質量部3〜6をY軸方
向に並べた状態で互いに連結でき、例えば質量部3〜6
のうち枠状質量部6を振動させるだけで、X軸方向支持
梁7が撓み変形することにより、質量部3,5と質量部
4,6とを互いにほぼ逆位相で効率よく振動させること
ができる。
【0065】そして、角速度センサ1にZ軸周りの角速
度Ω1が加わるときには、中央質量部3をY軸方向支持
梁9によりコリオリ力F1に応じてY軸方向に変位させ
ることができ、このときの中央質量部3の変位量を角速
度検出部19によりZ軸周りの角速度Ω1として確実に
検出することができる。また、Y軸周りの角速度Ω2が
加わるときには、外側質量部4を捩れ支持梁10により
コリオリ力F2に応じてZ軸方向に変位させることがで
き、このときの外側質量部4の変位量を角速度検出部2
3によりY軸周りの角速度Ω2として確実に検出するこ
とができる。
【0066】従って、単一の角速度センサ1により、質
量部3〜6を用いた簡単な構造で2軸周りの角速度Ω
1,Ω2を同時に検出でき、センサとしての検出性能を確
実に向上できると共に、その寸法を小型化し、製造コス
ト等を低減することができる。
【0067】この場合、外側質量部4のうち重心Gから
離れた部位を捩れ支持梁10によって枠状質量部6に連
結したので、各捩れ支持梁10は、外側質量部4のうち
捩れ支持梁10との連結部位を固定端とし、電極取出部
21側の部位を自由端として、外側質量部4を片持ち状
態で揺動可能に支持することができる。そして、Y軸周
りの角速度Ω2が加わるときには、各捩れ支持梁10が
X軸周りで捩れるように弾性変形することにより、外側
質量部4を基板2に対して安定的に揺動変位させること
ができ、外側質量部4をZ軸方向に変位させるための機
構を基板2上に小さな面積で実現することができる。
【0068】また、質量部3,5を挟んだ両側に質量部
4,6を対称に配置することにより、これらの質量部3
〜6をY軸方向にほぼ直線状に並べて配置でき、これら
を互いに逆位相で安定的に振動させることができる。そ
して、各外側質量部4は、中央質量部3を挟んだ両側の
位置でZ軸方向に揺動することにより、質量部3〜6全
体に加わる応力等のバランスをとることができる。
【0069】また、中央質量部3を枠状質量部5と連結
部8とを介してX軸方向支持梁7に連結し、外側質量部
4を枠状質量部6を介してX軸方向支持梁7に連結した
ので、質量部3〜6がX軸方向に振動するときには、X
軸方向支持梁7の撓み変形等が質量部3,4に伝わるの
を枠状質量部5,6によって遮断でき、これらの質量部
3,4がZ軸やY軸方向(検出方向)に誤って変位する
のを防止できると共に、検出精度をより向上させること
ができる。
【0070】さらに、質量部3,5と質量部4,6とを
互いに逆位相で振動させることにより、X軸方向支持梁
7の途中部位には、質量部3〜6の振動中にほぼ一定の
位置を保持する節部7Aを配置でき、この節部7Aの位
置では、質量部3,5と質量部4,6の振動を互いに打
消すことができる。そして、固定部11は、X軸方向支
持梁7の節部7Aを基板2に接続でき、質量部3〜6の
振動が基板2側に伝わるのを抑制することができる。
【0071】これにより、振動発生部15から質量部3
〜6に加えられる振動エネルギを基板2側に逃がすこと
なく、質量部3〜6を予め定められた振幅、振動速度等
で効率よく振動させることができると共に、基板2側に
振動が伝わることによって質量部3,4の変位量に対す
る検出精度が低下するのを防止でき、信頼性を向上させ
ることができる。
【0072】一方、角速度センサ1の製造時には、まず
基板2上に凹陥部2Aを形成し、該凹陥部2A内に固定
側検出電極20を形成した後に、シリコン板32を基板
2上に接合して該シリコン板32にエッチング処理を施
すようにしたので、シリコン板32に対して1回のエッ
チング処理を行うだけで、質量部3〜6、支持梁7,
9,10、連結部8、固定部11、支持部12,16、
電極13,14,17,18,22、電極取出部21等
をほぼ同時に形成できると共に、このとき質量部3〜
6、支持梁7,9,10等を凹陥部2Aにより基板2か
ら離して配置でき、角速度センサ1を最小限のエッチン
グ処理で効率よく製造することができる。
【0073】特に、本実施の形態による角速度センサ1
のように、X軸周りで捩れ変形する捩れ支持梁10を形
成する場合には、Y軸方向の幅wが小さな捩れ支持梁1
0を1回のエッチング工程で質量部3〜6等と一緒に容
易に形成できるから、捩れ変形が容易な支持梁を形成す
るために複数回のエッチング処理を行う必要がなくな
り、生産性を高めることができる。
【0074】なお、実施の形態では、Z軸方向支持梁と
してX軸周りで捩れ変形可能となった捩れ支持梁10を
用いる構成としたが、本発明はこれに限らず、Y軸周り
で捩れ変形可能に形成された捩れ支持梁を用いる構成と
してもよく、またZ軸方向に撓み変形する支持梁を用い
る構成してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、基板上に配置した複数の質量部のうち一部の質量
部をY軸方向支持梁によってX軸方向支持梁と連結し、
各質量部のうち残余の質量部をZ軸方向支持梁によって
X軸方向支持梁と連結し、第1,第2の検出手段により
Z軸周り、Y軸周りの角速度をそれぞれ検出する構成と
したので、第1の検出手段は、各質量部のうち一部の質
量部がY軸方向支持梁を介してY軸方向に変位するとき
の変位量をZ軸周りの角速度として検出でき、第2の検
出手段は、各質量部のうち残余の質量部がZ軸方向支持
梁を介してZ軸方向に変位するときの変位量をY軸周り
の角速度として確実に検出することができる。従って、
単一の角速度センサにより、各質量部を用いた簡単な構
造で2軸周りの角速度を同時に検出でき、センサとして
の検出性能を向上できると共に、その寸法を小型化し、
製造コスト等を低減することができる。
【0076】また、請求項2の発明によれば、固定部は
X軸方向支持梁のうち振動の節に対応する部位を基板に
接続する構成としたので、固定部の位置では各質量部の
振動を互いに打消すことができ、その振動がX軸方向支
持梁を介して基板に伝わるのを確実に抑制することがで
きる。これにより、振動発生手段による振動エネルギを
基板側に逃がすことなく、各質量部を所定の振幅、振動
速度等で効率よく振動させることができると共に、基板
に振動が伝わることによって検出精度が低下するのを防
止でき、信頼性を向上させることができる。
【0077】また、請求項3の発明によれば、Z軸方向
支持梁は、X軸またはY軸周りで捩れ変形可能に形成さ
れ残余の質量部をZ軸方向に揺動可能に支持する捩れ支
持梁により構成したので、Y軸周りの角速度が加わると
きには、捩れ支持梁が捩れるように弾性変形することに
より、第2の質量部を基板に対してZ軸方向に安定的に
揺動変位させることができ、Z軸方向への変位機構を基
板上に小さな面積で実現することができる。
【0078】さらに、請求項4の発明によれば、一部の
質量部はY軸方向に対して中央に位置する第1の質量部
によって構成し、前記残余の質量部はY軸方向に対して
該第1の質量部の両側に位置する第2の質量部によって
構成したので、第1の質量部を挟んだ両側に第2の質量
部を対称に配置でき、これらの質量部を互いに逆位相で
安定的に振動させることができる。そして、第2の質量
部は、Y軸周りの角速度が加わったときに、第1の質量
部を挟んだ両側の位置でZ軸方向に揺動することによ
り、各質量部全体に加わる応力等のバランスをとること
ができる。
【0079】また、請求項5の発明によれば、第1の質
量部をY軸方向支持梁によって第3の質量部に連結し、
第2の質量部をZ軸方向支持梁によって第4の質量部に
連結し、第3,第4の質量部をX軸方向支持梁に連結す
ると共に、第1,第2の検出手段により第1,第2の質量
部の変位量をそれぞれZ軸周り、Y軸周りの角速度とし
て検出する構成としたので、単一の角速度センサによ
り、第1,第2の検出手段と各質量部とを用いた簡単な
構造で2軸周りの角速度を同時に検出でき、センサとし
ての検出性能を向上できると共に、その寸法を小型化
し、製造コスト等を低減することができる。また、第3
の質量部はX軸方向支持梁の撓み変形等が検出方向の変
位となって第1の質量部に伝わるのを遮断でき、第4の
質量部はX軸方向支持梁の撓み変形等が第2の質量部に
伝わるのを遮断できるから、検出精度をより向上させる
ことができる。
【0080】また、請求項6の発明によれば、固定部は
X軸方向支持梁のうち第1,第3の質量部と第2,第4
の質量部とが互いに逆位相で振動するときの節に対応す
る部位を基板に接続する構成としたので、固定部の位置
では第1ないし第4の質量部の振動を互いに打消すこと
ができ、振動発生手段による振動エネルギを基板側に逃
がすことなく、各質量部を効率よく振動させることがで
きる。また、基板に振動が伝わることによって検出精度
が低下するのを防止でき、信頼性を向上させることがで
きる。
【0081】さらに、請求項7の発明によれば、Z軸方
向支持梁は、X軸またはY軸周りで捩れ変形可能に形成
され前記第2の質量部をZ軸方向に揺動可能に支持する
捩れ支持梁により構成したので、Y軸周りの角速度が加
わるときには、捩れ支持梁が捩れるように弾性変形する
ことにより、第2の質量部を基板に対してZ軸方向に安
定的に揺動変位させることができ、Z軸方向への変位機
構を基板上に小さな面積で実現することができる。
【0082】一方、請求項8に係る製造方法によれば、
基板の表面には凹陥部と電極とを形成して加工用基板を
接合し、該加工用基板にエッチング処理を施して凹陥部
に対応する位置に各質量部、各支持梁、固定部および第
1の検出手段を形成する構成としたので、加工用基板に
対して1回のエッチング処理を行うだけで、各質量部、
各支持梁等をほぼ同時に形成できると共に、これらの質
量部、支持梁等を基板の凹陥部により該基板から離して
配置でき、角速度センサを最小限のエッチング処理で効
率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による角速度センサを示す
平面図である。
【図2】図1中の矢示II-II方向からみた角速度センサ
の拡大断面図である。
【図3】角速度センサのうち図1中の下側に位置する片
側部位を示す拡大平面図である。
【図4】図2中の左片側に位置する外側質量部、角速度
検出部等を示す要部拡大断面図である。
【図5】外側質量部がY軸周りの角速度によってZ軸方
向に変位する状態を示す角速度センサの要部拡大断面図
である。
【図6】角速度センサのうち図1中の左片側部位で中央
質量部と外側質量部とが互いに逆位相で振動する状態を
示す拡大平面図である。
【図7】基板形成工程に用いるガラス板の左片側部位を
示す拡大断面図である。
【図8】基板形成工程により凹陥部を形成したガラス板
の左片側部位を示す拡大断面図である。
【図9】電極形成工程により固定側検出電極を形成した
基板の左片側部位を示す拡大断面図である。
【図10】基板接合工程により接合した基板とシリコン
板の左片側部位を示す拡大断面図である。
【図11】エッチング工程によりシリコン板にエッチン
グ処理を施して質量部、支持梁等を形成した状態を示す
角速度センサの左片側部位の拡大断面図である。
【図12】他の基板接合工程により質量部、支持梁等に
他のガラス板を接合した状態を示角速度センサの左片側
部位の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 角速度センサ 2 基板 3 中央質量部(第1の質量部) 4 外側質量部(第2の質量部) 5,6 枠状質量部(第3,第4の質量部) 7 X軸方向支持梁 7A 節部 8 連結部 9 Y軸方向支持梁 10 捩れ支持梁(Z軸方向支持梁) 11 固定部 12,16 電極用支持部 13,14 駆動電極 15 振動発生部(振動発生手段) 17,18,20,22 検出電極 19,23 角速度検出部(角速度検出手段) 21 電極取出部 31,33 ガラス板 32 シリコン板(加工用基板)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板と隙間をもって対向し互
    いに直交するX軸,Y軸,Z軸からなる3軸方向のうち
    Y軸方向に並んで配置され振動発生手段によってX軸方
    向に互いに逆位相で振動する複数の質量部と、該各質量
    部をX軸方向に変位可能に連結するX軸方向支持梁と、
    該X軸方向支持梁と前記基板との間に設けられ該X軸方
    向支持梁を前記基板に接続する固定部と、前記複数の質
    量部のうち一部の質量部と前記X軸方向支持梁との間に
    設けられ該一部の質量部をY軸方向に変位可能に支持す
    るY軸方向支持梁と、前記複数の質量部のうち残余の質
    量部と前記X軸方向支持梁との間に設けられ該残余の質
    量部をZ軸方向に変位可能に支持するZ軸方向支持梁
    と、前記一部の質量部に角速度が作用するときに該一部
    の質量部がY軸方向に変位する変位量をZ軸周りの角速
    度として検出する第1の検出手段と、前記残余の質量部
    に角速度が作用するときに該残余の質量部がZ軸方向に
    変位する変位量をY軸周りの角速度として検出する第2
    の検出手段とによって構成してなる角速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記固定部はX軸方向支持梁のうち前記
    各質量部が互いに逆位相で振動するときの節に対応する
    部位を前記基板に接続する構成としてなる請求項1に記
    載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記Z軸方向支持梁は、X軸またはY軸
    周りで捩れ変形可能に形成され前記残余の質量部をZ軸
    方向に揺動可能に支持する捩れ支持梁により構成してな
    る請求項1または2に記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 前記一部の質量部はY軸方向に対して中
    央に位置する第1の質量部によって構成し、前記残余の
    質量部はY軸方向に対して該第1の質量部の両側に位置
    する第2の質量部によって構成してなる請求項1,2ま
    たは3に記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 基板と、該基板と隙間をもって対向し互
    いに直交するX軸,Y軸,Z軸からなる3軸方向のうち
    振動発生手段によってX軸方向に振動する第1の質量部
    と、該第1の質量部を挟んでY軸方向の両側に設けられ
    振動発生手段によってX軸方向に振動する第2の質量部
    と、前記第1の質量部と第2の質量部との間に位置して
    第1の質量部を取囲む第3の質量部と、前記第2の質量
    部の周囲に位置する第4の質量部と、該第4の質量部を
    互いにX軸方向に変位可能に連結するX軸方向支持梁
    と、該X軸方向支持梁に対して前記第3の質量部を連結
    する連結部と、前記第3の質量部に対して第1の質量部
    をY軸方向に変位可能に連結するY軸方向支持梁と、前
    記第4の質量部に対して第2の質量部をZ軸方向に変位
    可能に連結するZ軸方向支持梁と、前記基板とX軸方向
    支持梁との間に設けられ該X軸方向支持梁を前記基板に
    接続する固定部と、前記第1の質量部に角速度が作用す
    るときに該第1の質量部がY軸方向に変位する変位量を
    Z軸周りの角速度として検出する第1の検出手段と、前
    記第2の質量部に角速度が作用するときに該第2の質量
    部がZ軸方向に変位する変位量をY軸周りの角速度とし
    て検出する第2の検出手段とを備え、前記第1,第3の
    質量部と第2,第4の質量部とは互いに逆位相で振動す
    る構成としてなる角速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記固定部はX軸方向支持梁のうち前記
    第1,第3の質量部と第2,第4の質量部とが互いに逆
    位相で振動するときの節に対応する部位を前記基板に接
    続する構成としてなる請求項5に記載の角速度センサ。
  7. 【請求項7】 前記Z軸方向支持梁は、X軸またはY軸
    周りで捩れ変形可能に形成され前記第2の質量部をZ軸
    方向に揺動可能に支持する捩れ支持梁により構成してな
    る請求項5または6に記載の角速度センサ。
  8. 【請求項8】 基板上に配置した複数の質量部をX軸方
    向支持梁、Y軸方向支持梁およびZ軸方向支持梁によっ
    て互いに連結し該各質量部と支持梁とを固定部によって
    基板上に接続すると共に、前記各質量部のうち一部の質
    量部がY軸方向に変位するときの変位量を第1の検出手
    段によりZ軸周りの角速度として検出し、前記各質量部
    のうち残余の質量部がZ軸方向に変位するときの変位量
    を第2の検出手段によりY軸周りの角速度として検出し
    てなる角速度センサの製造方法であって、 前記基板の表面には前記各質量部と各支持梁とを基板か
    ら離して配置するための凹陥部を形成し、該凹陥部には
    前記第2の検出手段となる電極を形成し、前記基板の表
    面には該電極と対面して加工用基板を接合し、該加工用
    基板にエッチング処理を施して前記凹陥部に対応する位
    置に前記各質量部、各支持梁、固定部および第1の検出
    手段を形成する構成としてなる角速度センサの製造方
    法。
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