JP3627618B2 - 角速度センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に設けられた可動部を基板の水平面内で振動させて基板と垂直軸回りに角速度が発生したときに、可動部に対して基板の水平面内に作用するコリオリ力を検出するようにした角速度センサ(ジャイロセンサ、ヨーレートセンサ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板に設けられた可動部を該基板の水平面内で駆動振動させるようにした角速度センサにおいては、該基板と垂直軸回りに角速度が発生したときに、該可動部に対して該基板の水平面内に作用するコリオリ力を検出することができる。一般には、コリオリ力による可動部の変位によって発生する電気的信号(例えば、可動部側の電極と固定部側の電極との容量変化等)に基づいて角速度を検出するようにしている。
【0003】
このようなセンサにおいては、外部加速度等の外力がセンサに加わった場合、この外力が可動部を変位させ、出力の誤差を発生させる。従来より、一般に、この外力による出力への影響を除去するために、可動部を複数個設け、互いの可動部から得られるコリオリ力による信号を、回路により差動処理する等の演算処理を行うことにより、外力の成分をキャンセルし、センサ出力から外力の影響を除去するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の外力成分の除去方法では、互いの可動部から得られるコリオリ力による信号に含まれる外力成分をキャンセルするために、センサの回路に差動回路等の演算処理機能が必要となるため、複雑な回路構成となってしまう。
【0005】
この問題に鑑み、本発明は、特別な回路構成とすることなく、簡単に外力の影響を受けないようにすることのできる新規な角速度センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、基板(104)に設けられた可動部(1〜4)を基板の水平面内で駆動振動させて基板と垂直軸回りに角速度が発生したときに、可動部に対して基板の水平面内に作用するコリオリ力を検出するようにした角速度センサにおいて、可動部を、基板の水平面内の所定点(K)を中心に点対称に配置された複数個のものより構成し、互いの可動部の全てを、上記所定点を中心とした円の径方向に沿って同一方向に同期して、同一周波数で駆動振動させるようにしたことを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、まず、複数個の可動部を基板の水平面内の所定点を中心に点対称に配置することで、駆動振動において、互いの可動部の振動によって漏れ振動を打ち消し合うことができるため、各可動部の駆動振動を高精度に行うことができる。
【0008】
そして、複数個の可動部の全てが、上記所定点を中心とした円の径方向に沿って同一方向に同期して駆動振動する。即ち、複数個の可動部の全てが、この円の径方向に沿って上記所定点からみて同時に広がるか、同時に狭まるように駆動振動するため、基板と垂直軸回りに角速度が発生したときに、各可動部に対して作用するコリオリ力も全ての可動部で、この円の周方向に沿って同一方向に作用する。そのため、各可動部は全て、コリオリ力によって上記所定点を中心として同一方向に回転振動し、この回転振動に基づいて角速度を検出することができる。
【0009】
ここで、センサに加わる外部加速度等の外力は直線的な力であるので、コリオリ力による各可動部の回転振動は、この外力により影響を受けない。回転運動する物体に対し、直線的な力を加えても回転の度合を変えることはできないためである。また、可動部に対して上記円の径方向に作用する遠心力については、そもそも、コリオリ力の方向が上記円の周方向なので、出力には影響しない。
【0010】
従って、本発明によれば、複数個の可動部全体でみたときのコリオリ力による信号は、外力が加わったときでも、外力が加わっていないときでも、変化することが無いため、外力の影響を考慮した特別な回路構成とすることなく、簡単に外力の影響を受けないようにすることのできる新規な角速度センサを提供することができる。
【0011】
また、請求項2の発明では、コリオリ力を検出するための検出部(6)を、基板(104)の水平面内において所定点(K)からみて各々の可動部(1〜4)の外側に設けたことを特徴としている。検出部は、コリオリ力による可動部の上記所定点を中心とした円の周方向への変位に基づく電気的信号を検出するが、検出部を各可動部の外側に設けることにより、検出部における電極自体を大面積化でき、出力の高感度化を容易に図れる等の利点がある。
【0012】
また、請求項3の発明では、請求項2記載の検出部(6)を、基板(104)の水平面内において所定点(K)からみて各可動部(1〜4)の外側に設けられた櫛歯状の第1電極(6c)と、各可動部に形成され第1電極における櫛歯の隙間と噛み合うように設けられた櫛歯状の第2電極(6b)とにより構成し、これら第1の電極と第2の電極との間に形成される検出間隔(6d)の変化によって生じる容量変化に基づいてコリオリ力を検出するようにしたことを特徴としている。
【0013】
それによれば、検出部を上記所定点を中心とした円の径方向において可動部の外側に設けることにより、第1電極及び第2電極の各櫛歯の長さをこの円の径方向へ伸ばすことができるため、電極の大面積化が図れる。また、第1及び第2電極の櫛歯の隙間(つまり、検出間隔)は、上記円の径が大きくなる方向へ行くに従い、広がるため、第1電極及び第2電極間の容量変化を大きくできる。このように、本発明によれば、電極面積及び容量変化を大きくすることができるため、センサ出力の感度をさらに向上させることが容易となる。
【0014】
さらに、請求項4の発明では、各々の可動部(1〜4)に対応する各々の検出部(6)において、検出間隔(6d)が、第1電極を基準としてみたとき、所定点(K)を中心とした円の周方向に沿って一方向側にある部分(C1)と、他方向側にある部分(C2)とが存在していることを特徴としている。
【0015】
それによれば、各可動部に対応する検出部において、検出間隔が上記一方向側にある部分と上記他方向側にある部分とで、第1電極と第2電極との間に発生する静電気力が逆方向となる。そのため、上記検出間隔が、第1電極を基準としてみたとき上記円の周方向に沿って一方向側のみにある構成を採用した場合に比べて、各可動部が回転しにくい構成を実現することができる。
【0016】
また、請求項5及び請求項6の発明は、可動部の適切な具体的構成を提供するものである。また、請求項7の発明のように、複数個の可動部(1〜4)を互いに、所定点(K)を中心とした円の径方向に弾性変形可能な連成梁(10)にて連結し、駆動振動時に各可動部を連成振動させれば、確実に各可動部を同じ周波数で駆動振動させることができ、好ましい。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。本実施形態では、車両に搭載される姿勢制御用として適用され、基板に設けられた可動部を該基板の水平面内で振動させて該基板と垂直軸回りに角速度が発生したときに、該可動部に対して該基板の水平面内に作用するコリオリ力を検出するようにした角速度センサについて、説明する。
【0019】
図1は本実施形態に係る角速度センサの平面構成を示し、図2は図1中のA−A断面を示し、図3は図1中のセンサ主要部の拡大図、図4は図3の部分拡大図であって1個の可動部の構成を示す説明図である。なお、図4中のハッチングは、識別のためのもので断面を示すものではない。
【0020】
本角速度センサ100は、図2に示す様に、共に結晶方位が(100)である単結晶シリコンからなる第1の半導体層101と第2の半導体層102との間に酸化膜からなる絶縁層103を有する矩形状のSOI基板(本発明でいう基板)104に、半導体製造技術を利用した周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成されたものである。そして、車両へは、図1の紙面垂直方向における紙面表側を上、紙面裏側を下として搭載される。
【0021】
SOI基板104における第1の半導体層101及び絶縁層103は、センサの主要部が形成される領域において、第2の半導体層102が露出するように矩形状に除去され、その除去部分は、第1の半導体層101の開口部(図1中、破線図示)105を構成している。この開口部105の領域における第2の半導体層102は、開口部105の外周部にて絶縁層103を介して第1の半導体層101に支持され、開口部105に臨んだ状態となっている。
【0022】
本角速度センサ100においては、この開口部105の領域における第2の半導体層102を溝で区画することにより、4個の可動部1、2、3、4、各可動部1〜4を駆動振動させるための駆動電極5、及び、各可動部1〜4からコリオリ力を検出するための検出電極6等からなるセンサ主要部が分離形成されている。なお、各半導体層101、102を構成する単結晶シリコンには、その抵抗率を下げるために不純物が予め拡散されている。
【0023】
4個の可動部1〜4は互いに同一形状であり、基板104の水平面(図1中の紙面に相当)において該水平面の所定点Kを中心に点対称に配置されている。個々の可動部1〜4は、略扇状の振動部(図4中、クロスハッチングで図示)1a、2a、3a、4aと、振動部1a〜4aの外周を取り囲むように配置された検出錘(図4中、片側斜線ハッチングで図示)7とを備えている。こうして、各可動部1〜4は全体として、振動部1a〜4aの円周方向両側を検出錘7で挟んだ1/4円形状をなす。
【0024】
そして、各可動部1〜4の円周方向両側には、所定点Kを中心とした円の径方向に延びるように検出梁(本発明でいう第1の弾性部材)8が設けられており、この検出梁8により、検出錘7はSOI基板104に支持されている。また、各可動部1〜4において、振動部1a〜4aは、その円周方向両側に設けられた略コの字形状を有する駆動梁(本発明でいう第2の弾性部材)9により、検出錘7に支持されている。
【0025】
また、各振動部1〜4は、上記所定点Kを略中心として環状に配置された1個の連成梁10に懸架され、連成梁10は、懸架梁11を介して各可動部1〜4の検出錘7に懸架されている。従って、各可動部1〜4は、連結された各梁8〜11を介して、絶縁層103を介して第1の半導体層101に支持されており、開口部105に臨んだ状態となっている。
【0026】
ここで、検出梁8は、所定点Kを中心とした円の周方向に弾性変形可能なものであり、振動部1a〜4aに対して検出錘7が、基板104の水平面内且つ上記所定点Kを中心とした円の周方向(駆動振動の方向と直交する方向)へ振動できるように、弾性を発揮する。また、駆動梁9及び連成梁10は、所定点Kを中心とした円の径方向に弾性変形可能なものであり、各振動部1a〜4aが基板104の水平面内且つ所定点Kを中心とした円の径方向(駆動振動の方向)へ振動できるように、弾性を発揮する。
【0027】
また、連成梁10によって、各可動部1〜4の振動部1a〜4aが互いに連結されているため、駆動振動時に各振動部1a〜4aが連成振動するようになっている。このような、各梁における振動方向への弾性の発揮は、例えば、アスペクト比を上げる等によって、振動方向には柔らかく、その他の方向には固くすることによって実現できる。次に、駆動及び検出電極5、6の詳細について述べる(上記図4参照)。
【0028】
各可動部1〜4を駆動振動させるための駆動電極(駆動部)5は、各可動部1〜4毎に設けられている。各駆動電極5は、第1の半導体層101上に絶縁層103を介して片持ち状に支持固定されるとともに、所定点Kを中心とした円の径方向外側から振動部1a〜4aに対向して配置された固定部(図4中、点々ハッチングで図示)5aと、この固定部5aにおける振動部1a〜4aと対向する面に形成された櫛歯状の固定部側電極5bと、この固定部側電極5bにおける櫛歯の隙間と噛み合うように振動部1a〜4a側に設けられた櫛歯状の可動部側電極5cとにより構成されている。
【0029】
また、各可動部1〜4からコリオリ力を検出するための検出電極(本発明でいう検出部)6は、各可動部1〜4毎に設けられている。各検出電極6は、各々、基板4の水平面内において所定点Kからみて可動部1〜4の外側(つまり上記所定点Kより離れる側)に位置している。
【0030】
各検出電極6は、第1の半導体層101上に絶縁層103を介して支持固定されるとともに、検出錘7に対向して配置された固定部6aと、この固定部6aにおける検出錘7と対向する面に形成された櫛歯状の固定部側電極(本発明でいう検出部の第2電極)6bと、この固定部側電極6bにおける櫛歯の隙間と噛み合うように検出錘7側に設けられた櫛歯状の可動部側電極(本発明でいう検出部の第1電極)6cとにより構成されている。
【0031】
ここで、図4に示す様に、検出電極6においては、固定部側電極6bと可動部側電極6cとの間隔のうち狭い方の間隔が検出間隔6dであり、この検出間隔6dにて両電極6b、6c間にコンデンサが形成される。そして、コリオリ力により可動部1〜4(検出錘7)が変位すると、検出間隔6dの距離が変化する。そのため、両電極6b、6c間の容量の変化に基づいて、コリオリ力を電気信号として検出し、角速度を求めることができるようになっている。
【0032】
また、開口部105以外の部位にて第1の半導体層101上に絶縁層103を介して支持された第2の半導体層(固定部)102には、上記駆動電極5及び検出電極6と後述する回路部200との信号のやり取りを行うためのパッド20〜22が、アルミニウムを蒸着する等により形成されている(図1参照)。駆動用パッド20は各駆動電極5の固定部5aに形成され、駆動電極5の固定部側電極5bに導通している。
【0033】
また、検出用可動部側パッド21は、検出梁8及び検出錘7を介して各検出電極6の可動部側電極6cに導通し、検出用固定部側パッド22は各検出電極6の固定部6aに形成されて各検出電極6の各固定部側電極6bに導通している。これら駆動用及び検出用の各パッド20〜22は、ワイヤボンディングや基板104に配線を形成する等により、上記回路部200に電気的に接続されるようになっている。
【0034】
次に、角速度センサ100の作動を行うために角速度センサに備えられた回路部(回路手段)200について、図5に示すブロック図を参照して述べる。回路部200は、各振動部1a〜4aを駆動させるとともに、基板104の水平面方向への各振動部1a〜4aの変位に基づく信号を角速度信号として出力するもので、上記駆動用パッド20に結線された駆動回路201と、上記検出用固定部側パッド22に結線された検出・処理回路202とを備えている。また、検出用可動部側パッド21は所定の電圧もしくはGNDの状態となっており、可動部1〜4は基準電位となっている。
【0035】
駆動回路201は、駆動電極5の固定部側電極5bに駆動信号(交流電圧)を印加し、各振動部1a〜4aを駆動振動させるものである。検出・処理回路202は、検出電極6の固定部側電極6bと可動部側電極6cとの間の静電容量変化を電圧値に変換するスイッチドキャパシタ等の容量−電圧変換回路(図5中、C/Vで図示)202aと、該容量−電圧変換回路202aから送られてきた電圧値を増幅し角速度検出信号S1として出力する増幅部202bとを備えている。
【0036】
かかる構成を有する角速度センサ100は、図6及び図7に示す製造方法により製造される。図6及び図7は、上記図2に示すA−A断面に基づく製造工程を示すものである。なお、図6(a)〜図7(c)は図7(d)に示す完成図(上記図2と同様)に対応した途中部分を示す。
【0037】
まず、共に結晶方位が(100)である単結晶シリコンからなる第1の半導体層101と第2の半導体層102との間にシリコン酸化膜(例えば厚さ1μm)からなる絶縁層103を有するSOI基板104を用意し(図6(a)参照)、第2の半導体層102の全面に表面抵抗値を下げ、次工程にて形成されるアルミニウムからなる上記パッド電極20〜22との接触抵抗を下げるために、例えばリンを高濃度に拡散(N+ 拡散)する。
【0038】
続いて、図6(b)に示す様に、基板104の表面(第2の半導体層102)にアルミニウムを例えば1μm蒸着し、ホト、エッチングを行い、信号取り出し用の上記パッド電極20〜22を形成する。続いて、図6(c)に示す様に、基板104の裏面(第1の半導体層101)を切削研磨(バックポリッシュ)することにより所定の厚さ(例えば300μm)とし、且つ鏡面仕上げする。
【0039】
続いて、図6(d)に示す様に、基板104の裏面(第1の半導体層101)にプラズマSiN膜300を堆積(例えば0.5μm)し、ホトパターンを形成し、プラズマSiN膜300をエッチングすることにより所定の領域を開口する。
【0040】
続いて、図7(a)に示す様に、第2の半導体層102の表面に、上記振動部1a〜4a、検出錘7、各電極5、6及び各梁8〜11等を画定するパターンをレジストで形成し、ドライエッチングにより垂直に絶縁層103までトレンチ形状を形成する。
【0041】
続いて、図7(b)に示す様に、第1の半導体層101を、プラズマSiN膜300に形成したパターンをマスクとして、例えばKOH水溶液で深くエッチングする。このとき、絶縁層103までエッチングを進めると、エッチング液の圧力により絶縁層103が破れて基板104を破損するため、絶縁層103が破れないように、例えば第1の半導体層101のシリコンを10μm残してエッチングを終了できるようエッチング時間を管理する。
【0042】
続いて、図7(c)に示す様に、プラズマドライエッチングにより、図7(b)の工程で残したSiをエッチング除去する。このとき、基板104の裏面のプラズマSiN膜300は同時に除去される。最後に、図7(d)に示す様に、絶縁層103をドライエッチングによって除去して、上記振動部1a〜4a等を形成し、上記回路部200との配線等を行うことにより、上記図2に示す角速度センサ100が出来上がる。
【0043】
次に、上記角速度センサ100の作動について、図8に示す図2の平面構成に対応したモデルを参照して、説明する。なお、図8は、各可動部1〜4の振動部1a〜4aを所定点Kを中心としたバネ系モデル(駆動梁9及び連成梁10をバネで示す)で示したものである。
【0044】
角速度センサ100において、駆動回路201によって、全ての駆動電極5において固定部側電極5bと可動部側電極5cとの間に、同相の矩形波もしくは正弦波の電圧信号(駆動信号)を印加する。すると、両電極5bと5cとの間に静電気力が発生し、駆動梁(第1の弾性部材)9及び連成梁10の弾性力によって、全ての可動部1〜4において、振動部1a〜4aが所定点Kを中心とした円の径方向に沿って同一方向に駆動振動する。
【0045】
つまり、4個の振動部1a〜4aの全てが、この円の径方向に沿って所定点Kからみて同時に広がるか、同時に狭まるように駆動振動する。図8では、各矢印vに示す様に、4個の振動部1a〜4aの全てが、同時に広がる瞬間を示している。このように各振動部1a〜4aを基板104の水平面内で駆動振動させ、基板104と垂直軸(図1中、符号Jで図示)回りに角速度Ωが発生すると、各振動部1a〜4aに対して基板104の水平面内において所定点Kを中心とした円の周方向にコリオリ力Fcが作用する。
【0046】
全ての振動部1a〜4aの駆動振動方向が同一であるため、コリオリ力Fcの作用方向は、全ての振動部1a〜4aにおいて該円周方向に沿って同一の方向である。例えば、ある瞬間をみたとき、図8に示す様に、全ての可動部1〜4においてコリオリ力Fcは、該円周方向に沿って左回り(反時計回り)方向に作用している。
【0047】
各可動部1〜4において、このコリオリ力Fcは、振動部1a〜4aから駆動梁9を介して検出錘7に作用する。すると、検出梁(第2の弾性部材)8の弾性力によって、4個の可動部1〜4全てにおいて、振動部1a〜4a及び検出錘7(つまり、可動部全体)が、基板104の水平面内且つ所定点Kを中心とした円の周方向に沿って同一方向へ回転振動(検出振動)する。
【0048】
そして、この可動部1〜4の検出振動による変位を、検出電極6の固定部側電極6bと可動部側電極6c間の容量変化として検出する。この容量変化の検出は、上記検出用パッド21、22を介し、上記容量−電圧変換回路202によって、電圧値に変換し、該電圧値を増幅し、角速度検出信号S1として出力する。本実施形態では4個のコリオリ力Fcが全て単純に加算された分(4Fc)に相当する出力がなされる。以上が角速度センサ100の基本動作である。
【0049】
このように、本実施形態によれば、4個の可動部1〜4における振動部1a〜4aの全てを、所定点Kを中心とした円の径方向に沿って同一方向に駆動振動させることによって、基板104と垂直軸J回りに角速度Ωが発生したときに、コリオリ力Fcは、全ての可動部1〜4で、この円の周方向に沿って同一方向に作用するため、各可動部1〜4は全て、コリオリ力Fcによって所定点Kを中心として同一方向に回転振動(検出振動)し、この回転振動に基づいて角速度Ωを検出することができる。
【0050】
ここで、もし、可動部が1個であると、駆動振動時において、振動の反作用により振動の漏れ(漏れ振動)が生じるが、本実施形態では、4個の可動部1〜4を基板104の水平面内の所定点Kを中心に点対称に配置しているので、そのような問題はない。即ち、駆動振動において、互いの振動部1a〜4aの振動によって漏れ振動を打ち消し合うことができるため、各振動部1a〜4aの駆動振動を高精度に行うことができる。
【0051】
また、可動部1〜4に対して上記円の径方向に作用する遠心力については、そもそも、コリオリ力Fcの方向が上記円の周方向なので、出力には影響しない。また、センサに加わる外部加速度等の外力は直線的な力であるので、コリオリ力Fcによる各可動部1〜4の回転振動は、この外力により影響を受けない。回転運動する物体に対し、直線的な力を加えても回転の度合を変えることはできないためである。
【0052】
この外部加速度等の外力が影響しないことについて、もう少し具体的に述べる。例えば、図8に示す様に、急停止、急発進等により、センサ100に対して外部加速度(外力、外部G)FGが加わったとする。このとき、外部加速度FGは振動部2a及び4aに作用し、部分的に見た場合、振動部2aの出力は(Fc+FG)、振動部4aの出力は(Fc−FG)であるが、4個の可動部1〜4全体の出力(4Fc)は変わらない。
【0053】
従って、本実施形態によれば、4個の可動部全体でみたときのコリオリ力による信号(4Fc分の出力)は、外力が加わったときでも、外力が加わっていないときでも、変化することが無いため、外力の影響を考慮した特別な回路構成とすることなく、簡単に外力の影響を受けないようにすることのできる新規な角速度センサを提供することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、コリオリ力検出用の検出電極(検出部)6を、基板104の水平面内において所定点Kからみて各々の可動部1〜4の外側に設けたことを特徴としている。それにより、検出電極6における櫛歯状電極5b、5cの長さを上記円の径方向へ任意に伸ばすことができ、電極自体を大面積化できるため、出力の高感度化を図れる。
【0055】
また、本実施形態によれば、検出電極6における各櫛歯状電極6b、6cは、上記円の径方向へ放射状に伸びるため、対向する電極6b、6c間の隙間(つまり、検出間隔)は、上記円の径が大きくなる方向へ行くに従い広がり、第1電極6c及び第2電極6b間の容量変化も大きくなる。そのため、センサ出力の感度を向上させることが容易となる。
【0056】
また、各々の可動部1〜4は、所定点Kを中心とした円の周方向に弾性変形可能な検出梁(第1の弾性部材)8により基板104に支持された検出錘7と、所定点Kを中心とした円の径方向に弾性変形可能な駆動梁(第2の弾性部材)9により検出錘7の内周側にて検出錘7に支持された振動部1a〜4dとを備えたものであり、それにより、各可動部1〜4は、上述のような駆動振動及び検出振動を適切に行うことができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、4個の可動部1〜4を互いに、所定点Kを中心とした円の径方向に弾性変形可能な連成梁10にて連結し、駆動振動時に各可動部1〜4を同じ周波数で連成振動させているので、確実に、各可動部1〜4の全てを、所定点Kを中心とした円の径方向に沿って同一方向に駆動振動させることができ、好ましい。なお、各可動部1〜4の全てを、該円の径方向に沿って同一方向に駆動振動させることは、連成梁10にて各可動部を連結しなくとも、各可動部の駆動梁9をトリミング等にて調整することでも可能である。
【0058】
また、上記図4に示す様に、各可動部1〜4の検出電極6における固定部側電極(第2電極)6bと可動部側電極(第1電極)6cとの検出間隔6dは、第1電極6cを基準としてみたとき、全ての検出間隔6dが、所定点Kを中心とした円の周方向に沿って一方向側(右回り側、時計回り側)にある。この検出間隔6dの位置関係については、図9に示す様な変形も可能である。
【0059】
図9においては、各々の可動部1〜4に対応する各々の検出電極6において、検出間隔6dが、第1電極6cを基準としてみたとき、所定点Kを中心とした円の周方向に沿って一方向側(右回り側)にある部分(図中、括弧で括ったC1部)と、他方向側(左回り側)にある部分(図中、括弧で括ったC2部)とが存在している。
【0060】
この変形例によれば、各検出電極6において、検出間隔6dが上記一方向側にある部分C1と上記他方向側にある部分C2とで、第1電極6cと第2電極6bとの間に発生する静電気力が逆方向となる。そのため、両部分C1、C2からの信号を差動処理する必要はあるけれども、上記図4に示す様に、検出間隔6dが、第1電極6cを基準としてみたとき上記円の周方向に沿って一方向側のみにある構成を採用した場合に比べて、各可動部1〜4を回転しにくい構成にすることができる。
【0061】
また、上記角速度センサ100では、SOI基板104において支持基板となる第1の半導体層101を、開口部105の形成によって除去した構成、いわゆる裏面エッチングした構成としているが、本実施形態の角速度センサとしては、図10に示す様なものも可能である。
【0062】
図10に示すセンサ200は、第2の半導体層102側からトレンチを形成し、犠牲層エッチングを行うことにより、上記開口部105に相当する位置の絶縁層103を除去し、第1の半導体層101は残したことが、上記センサ100とは異なる。他の部分は同一である。このセンサ200によれば、例えば、所定点Kの部分の絶縁層103及び第2の半導体層102を残して突起部12を形成し、この突起部12に連成梁10や懸架梁11を支持させるようにすることができるため、強度的により安定したセンサを実現することができる。
【0063】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、所定点Kを中心に点対称に配置された可動部は4個であったが、該可動部は、漏れ振動を打ち消すために少なくとも2個あれば良く、偶数、奇数を問わない。
【0064】
また、上述のように、検出電極(検出部)は、基板104の水平面内において所定点Kからみて各可動部1〜4の外側にあることが好ましいが、各可動部1〜4の内側に位置していてもよい。また、検出部としては、容量検出以外でも良く、例えば、検出錘7の変位を電磁力の変化として検出するものであってもよい。また、回路部200は、角速度センサ100と同一の基板104上に形成しても良いし、他の基板上に形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る角速度センサの平面構成図である。
【図2】図1中のA−Aに沿った概略断面図である。
【図3】図1中のセンサ主要部の拡大平面図である。
【図4】図3の部分拡大平面図である。
【図5】上記実施形態に係る角速度センサの回路部のブロック図である。
【図6】上記実施形態に係る角速度センサの製造方法を示す工程図である。
【図7】図6に続く製造方法を示す工程図である。
【図8】上記実施形態に係る角速度センサの作動説明図である。
【図9】検出間隔の位置関係についての変形例を示す平面図である。
【図10】上記実施形態に係る角速度センサの他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1〜4…可動部、1a〜4a…振動部、6…検出電極、
6b…検出部の固定部側電極(検出部の第2電極)、
6c…検出部の可動部側電極(検出部の第1電極)、6d…検出間隔、
7…検出錘、10…連成梁、
104…SOI(シリコンオンインシュレータ)基板。
Claims (7)
- 基板(104)に設けられた可動部(1〜4)を前記基板の水平面内で駆動振動させて前記基板と垂直軸回りに角速度が発生したときに、前記可動部に対して前記基板の水平面内に作用するコリオリ力を検出するようにした角速度センサにおいて、
前記可動部は、前記基板の水平面内の所定点(K)を中心に点対称に配置された複数個のものよりなり、
これら複数個の可動部は、前記所定点を中心とした円の径方向に沿って全てが同一方向に同期して、同一周波数で駆動振動するものであることを特徴とする角速度センサ。 - 前記コリオリ力を検出するための検出部(6)が、前記基板(104)の水平面内において前記所定点(K)からみて前記複数個の可動部(1〜4)の各々の外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ。
- 前記検出部(6)は、前記基板(104)の水平面内において前記所定点(K)からみて前記各可動部(1〜4)の外側に設けられた櫛歯状の第1電極(6c)と、前記各可動部に形成され前記第1電極における櫛歯の隙間と噛み合うように設けられた櫛歯状の第2電極(6b)とを備えるものであり、
これら第1の電極と第2の電極との間に形成される検出間隔(6d)の変化によって生じる容量変化に基づいて前記コリオリ力を検出することを特徴とする請求項2に記載の角速度センサ。 - 前記各々の可動部(1〜4)に対応する各々の前記検出部(6)において、前記第1電極(6c)を基準としてみたとき、前記検出間隔(6d)が前記所定点(K)を中心とした円の周方向に沿って一方向側にある部分(C1)と、他方向側にある部分(C2)とが存在していることを特徴とする請求項3に記載の角速度センサ。
- 前記可動部(1〜4)は、前記所定点(K)を中心とした円の周方向に弾性変形可能な第1の弾性部材(8)により前記基板(104)に支持された検出錘(7)と、前記所定点を中心とした円の径方向に弾性変形可能な第2の弾性部材(9)により前記検出錘に支持された振動部(1a〜4a)とを備えたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の角速度センサ。
- 前記検出錘(7)は前記振動部(1a〜4a)の外周側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の角速度センサ。
- 前記複数個の可動部(1〜4)は互いに、前記所定点(K)を中心とした円の径方向に弾性変形可能な連成梁(10)にて連結され、前記駆動振動時に各可動部が連成振動するようになっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の角速度センサ。
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