JPH11248733A - 角速度センサ及びその製造方法 - Google Patents

角速度センサ及びその製造方法

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JPH11248733A
JPH11248733A JP10053796A JP5379698A JPH11248733A JP H11248733 A JPH11248733 A JP H11248733A JP 10053796 A JP10053796 A JP 10053796A JP 5379698 A JP5379698 A JP 5379698A JP H11248733 A JPH11248733 A JP H11248733A
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JP
Japan
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angular velocity
electrodes
side structure
semiconductor substrate
comb
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Pending
Application number
JP10053796A
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English (en)
Inventor
Takao Iwaki
隆雄 岩城
Eiji Kawasaki
栄嗣 川崎
Yoshinori Otsuka
義則 大塚
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な構成にて精度よく角速度を検出すること
ができる角速度センサ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】シリコン基板1に形成した貫通孔により、
梁8a〜8dを有し基板1の表面に平行な方向に励振す
るアウター側構造体100が区画されるとともに、構造
体100に形成した貫通孔36〜39により、梁43,
44を有し角速度により基板1の表面に平行な方向での
励振方向Yに直交するX方向に移動するインナー側構造
体200が区画されている。構造体100の角速度検出
用固定電極48a〜48f,49a〜49fおよびこの
固定電極48a〜48f,49a〜49fに対向するイ
ンナー側構造体200の角速度検出用可動電極46a〜
46c,47a〜47cが、構造体100に形成した貫
通孔内の絶縁体50a〜50f,51a〜51f,5
7,58によって電気的に分離されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、振動型角速度セ
ンサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動型角速度センサが特開平9−335
57号公報に示されている。この角速度センサを図1
1,12を用いて説明する。同センサは、下層Si層3
01と犠牲層302と上層Si層303を積層した多層
基板300を用いて形成したものである。多層基板30
0の中央部には梁304を有する振動子305が作り込
まれ、振動子305は図中のY方向に励振(振動)す
る。振動子305において、シリコンの表面マイクロマ
シニング技術を用いて梁306を有する加速度センサエ
レメント307が作られている。つまり、上層Si層3
03を貫通させ、さらにその下の犠牲層302をエッチ
ング除去することによって加速度センサエレメント30
7を形成している。加速度センサエレメント307は、
角速度検出用可動電極308,309を有し、この可動
電極308,309はそれぞれ固定電極310,311
と対向している。そして、振動子305の励振時におけ
る角速度(コリオリ力)による励振方向Yに直交するX
方向での角速度検出用可動電極308,309の移動を
電極308・310間および309・311間のキャパ
シタンスの変化として検出している。
【0003】ところが、コリオリ力は微少であるため、
角速度センサにおいてはそのノイズの低減が最も重要な
課題となるが、加速度センサエレメント307の厚さ
(上層Si層303の厚さ)t1が例えば10μmと薄
くなり、そのため、錘の質量が小さく、また、対向電極
308〜311の面積も小さくなる。その結果、出力信
号が小さくなってしまっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、新規な構成にて精度よく角速度を検出することが
できる角速度センサ及びその製造方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の角速度
センサは、半導体基板に形成した貫通孔により、梁を有
し半導体基板の表面に平行な方向に励振するアウター側
構造体を区画するとともに、前記アウター側構造体に形
成した貫通孔により、梁を有し角速度により半導体基板
の表面に平行な方向での前記励振方向に直交する方向に
移動するインナー側構造体を区画し、さらに、アウター
側構造体の角速度検出用固定電極およびこの固定電極に
対向する前記インナー側構造体の角速度検出用可動電極
を、アウター側構造体に形成した貫通孔内の絶縁体によ
って、電気的に分離したことを特徴としている。
【0006】よって、半導体基板に形成した貫通孔によ
り、アウター側およびインナー側の構造体が形成される
とともに、角速度検出用の固定および可動電極が電気的
に分離される。その結果、インナー側構造体の厚さを厚
くできるので、錘の質量を大きくでき出力信号を大きく
することができる。また、インナー側およびアウター側
構造体の厚さを厚くできるので、対向電極の面積を大き
くでき出力信号を大きくすることができる。
【0007】また、アウター側構造体に形成した貫通孔
内の絶縁体により、角速度検出用固定電極および可動電
極を電気的に分離する構成をとったので、この角速度検
出用固定電極および可動電極をそれぞれ自由に絶縁でき
る。つまり、貫通孔内の絶縁体を用いて櫛歯状電極等を
自由なレイアウトで絶縁できる。
【0008】ここで、請求項2に記載の発明は、請求項
1における前記インナー側構造体の角速度検出用可動電
極は櫛歯状をなし、前記アウター側構造体の角速度検出
用固定電極は、櫛歯状をなし、かつ、角速度検出用可動
電極の一側面に対向する第1の電極と、角速度検出用可
動電極の他側面に対向する第2の電極とにより構成し、
さらに、当該第1および第2の電極を、アウター側構造
体に形成した貫通孔内の絶縁体によって、電気的に分離
し、各第1の電極を金属配線で電気的に接続するととも
に各第2の電極を金属配線で電気的に接続している。
【0009】よって、角速度検出用可動電極の両方の側
面に対し第1と第2の角速度検出用固定電極を等距離を
おいて配置することができる。その結果、更に精度よく
角速度を検出することができることとなる。
【0010】つまり、図11,12に示す従来の構造で
は、プロセスの関係上、角速度検出用可動電極(30
8,309)の両方の側面に対し第1と第2の角速度検
出用固定電極310,311を等距離をおいて配置する
ことが困難である。そのため、サーボ機構を用いると角
速度検出用可動電極308,309に回転トルクが発生
してノイズの原因となり角速度センサの分解能が低下す
るという不具合が生じる。これに対し本発明では、角速
度検出用可動電極の両方の側面に対し第1と第2の角速
度検出用固定電極を等距離をおいて配置することがで
き、サーボ制御を行うときに回転トルクを生じにくくで
きる。一般に、サーボ機構を用いると、信号の直線性が
良くなる、ダイナミックレンジが広がるなどの利点があ
り、性能は良くなり有利である。
【0011】また、請求項3に記載のように、励振用の
固定電極は櫛歯状をなし、金属配線と電気的に接続する
ためのコンタクトホールを、櫛歯状固定電極での各歯の
並設方向に等距離をおいて多数形成すると、それぞれの
歯が等電位になり励振方向が斜めになりにくい。
【0012】さらに、請求項4に記載のように、励振用
の可動電極は櫛歯状をなし、金属配線と電気的に接続す
るためのコンタクトホールを、櫛歯状可動電極での各歯
の並設方向に等距離をおいて多数形成すると、それぞれ
の歯が等電位になり励振方向が斜めになりにくい。
【0013】さらには、請求項5に記載のように、アウ
ター側構造体における梁の上に、アウター側構造体から
の金属配線を延設すると、ワイヤーボンディングを用い
ること無く配線を行うことができ、実用上好ましいもの
となる。
【0014】また、請求項6に記載のように、平面形状
として平行なる2辺を有するアウター側構造体本体部に
おける一辺に、櫛歯状をなす励振用の第1の可動電極を
配置するとともに、アウター側構造体本体部における当
該辺と平行な他の辺に、前記励振用の第1の可動電極と
導通し、櫛歯状をなす励振用の第2の可動電極を配置
し、さらに、いずれかの可動電極を金属配線に接続する
と、励振方向が斜めになりにくい。
【0015】さらに、請求項7に記載のように、アウタ
ー側構造体の裏面を絶縁膜で覆うと、裏面にゴミ等が付
着した時に表面リークが発生しない。請求項8に記載の
角速度センサの製造方法においては、半導体基板の表面
における所定領域に絶縁体充填用トレンチ溝を形成し、
半導体基板の表面に絶縁膜を堆積して前記絶縁体充填用
トレンチ溝を絶縁膜で埋める。そして、前記絶縁膜をパ
ターニングして基板の貫通孔形成領域を開口し、前記絶
縁膜上に金属配線を形成する。さらに、前記半導体基板
の裏面からの異方性エッチングにより前記絶縁体充填用
トレンチ溝に達する凹部を形成し、凹部の底面に薄肉部
を形成し、前記半導体基板の薄肉部に貫通孔を形成し、
半導体基板の表面に平行な方向に励振するアウター側構
造体と、角速度により半導体基板の表面に平行な方向で
の前記励振方向に直交する方向に移動するインナー側構
造体を区画形成する。
【0016】その結果、請求項1に記載の角速度センサ
を製造することができる。この場合、図11,12に示
す装置においては犠牲層エッチングの工程を必要として
いたためにプロセスが煩雑であったが、本発明において
は犠牲層エッチング工程が不要となりプロセスが簡単に
なる。
【0017】ここで、請求項9に記載のように、半導体
基板としてシリコン基板を用いると、好ましいものにな
る。さらに、請求項10に記載のように、半導体基板と
してSOI基板を用いると、請求項7に記載のセンサの
ように、アウター側構造体の裏面が絶縁膜で覆われる。
よって、裏面にゴミ等が付着した時に表面リークが発生
しない。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】図1は、本実施形態における振動型角速度
センサの平面図を示す。振動型角速度センサは、半導体
基板としてのシリコン基板1よりなり、シリコン基板1
の中央部にはアウター側構造体100を有する。図2
は、アウター側構造体100の拡大図である。図3
(a)は図1のA−A断面図であり、図3(b)は図2
のB−B断面図であり、図3(c)は図2のC−C断面
図である。
【0020】なお、図1、図2では図を見やすくするた
めに、図3の絶縁膜2を省略している。図1に示すよう
に、シリコン基板1は方形状をなしている。図3(a)
に示すように、シリコン基板1の表面(上面)には絶縁
膜2が形成されるとともに、シリコン基板1の裏面(下
面)には凹部3が形成され、この凹部3の底面にて薄肉
部4が形成されている。さらに、薄肉部4には貫通孔5
が形成され、この貫通孔5にて図1に示すように基板1
の4辺にて構成される四角枠部6と、アウター側構造体
100とが区画形成されている。アウター側構造体10
0は、長方形状の本体部7と、4つの梁8a,8b,8
c,8dと、第1の可動電極9と、第2の可動電極10
からなる。梁8a,8b,8c,8dは帯状をなし、か
つ蛇行した形状となっている。また、シリコン基板1の
中央部に四角形の本体部7が位置し、この四角形の本体
部7の四隅から梁8a,8b,8c,8dが延び、この
梁8a,8b,8c,8dの他端はシリコン基板1の四
角枠部6に連結されている。よって、アウター側構造体
100の本体部7は、図1において基板1の表面に平行
な直交2軸系座標(X−Y座標)におけるY方向に移動
可能に支持された構造となっている。
【0021】また、図1に示すように、アウター側構造
体100の本体部7における一つの辺には駆動用の第1
の可動電極(櫛歯)9が多数、平行に並設されている。
また、本体部7における反対側の他の辺には駆動用の第
2の可動電極(櫛歯)10が多数、平行に並設されてい
る。第1の可動電極9に対向する四角枠部6にも、駆動
用の固定電極(櫛歯)13が多数、平行に並設されてい
る。可動電極9と固定電極13とは互い違いに並んでい
る。同様に、第2の可動電極10に対向する四角枠部6
にも、駆動用の固定電極(櫛歯)14が多数、平行に並
設されている。可動電極10と固定電極14とは互い違
いに並んでいる。
【0022】駆動用の櫛歯構造の固定電極13と、その
根元部での外周部15とは、貫通孔に充填された絶縁体
(例えば、SiO2 等)16によって絶縁されている。
つまり、図4に示すように、シリコン基板1に形成した
貫通孔40内の絶縁体16によって電気的に分離されて
いる。図1の固定電極13の上における絶縁膜2上には
金属配線(例えば、Al、Ti等)17が延設されてい
る。固定電極13と金属配線17は絶縁膜2に形成した
コンタクトホール(開口部)23a〜23eを通して電
気的に接続されている。詳しくは、固定電極13の並設
方向(X方向)に等距離をおいてコンタクトホール23
a〜23eが配置されている。また、金属配線17は基
板外周部15において絶縁膜2上に配置された電極端子
(パッド)18と電気的に接続されている。
【0023】同様に、駆動用の櫛歯構造の固定電極14
と、その外周部19の根元部とは、貫通孔に充填された
絶縁体(例えば、SiO2 等)20によって絶縁されて
いる。つまり、図4と同様な構造にて貫通孔40内の絶
縁体20によって電気的に分離されている。図1の固定
電極14の上における絶縁膜2上には金属配線(例え
ば、Al、Ti等)21が延設されている。固定電極1
4と金属配線21は絶縁膜2に形成したコンタクトホー
ル(開口部)24a〜24eを通して電気的に接続され
ている。詳しくは、固定電極14の並設方向(X方向)
に等距離をおいてコンタクトホール24a〜24eが配
置されている。また、金属配線21は基板外周部19に
おいて絶縁膜2上に配置された電極端子(パッド)22
と電気的に接続されている。
【0024】このように、励振用の固定電極13,14
は櫛歯状をなし、金属配線17,21と電気的に接続す
るためのコンタクトホール23a〜23e,24a〜2
4eが、この櫛歯状固定電極13,14での各歯の並設
方向に等距離をおいて多数形成されている。これによ
り、各電極(歯)13,14が等電位になる。なお、櫛
歯状固定電極13,14の数(歯数)とコンタクトホー
ル23a〜23e,24a〜24eの数の関係におい
て、図1では固定電極13,14の数が「6」でありコ
ンタクトホール23a〜23e,24a〜24eの数が
「5」であったが、他にも、例えば電極数が「n」であ
りコンタクトホール数も「n」であってもよい。
【0025】図2のアウター側構造体100において、
本体部7の外周部に四角環状の絶縁体(例えば、SiO
2 等)30が配置され、この絶縁体30は四角環状の貫
通孔内に充填したものである。つまり、図4と同様な構
造にて貫通孔40内の絶縁体30によって、その内外
(図2の縁部31と中央部32)が電気的に分離(絶
縁)されている。このようにして、図2の駆動用の櫛歯
構造の可動電極9,10が中央部32と絶縁されてい
る。また、本体部7の縁部31に2つの電極9,10が
形成されていることから両者9,10は導通している。
さらに、縁部31の上における絶縁膜2上には金属配線
(例えば、Al、Ti等)34が延設され、可動電極1
0と金属配線34は絶縁膜2に形成したコンタクトホー
ル(開口部)33a〜33eを通して電気的に接続され
ている。詳しくは、可動電極10の並設方向(X方向)
に等距離をおいてコンタクトホール33a〜33eが配
置されている。この金属配線34は、図5に示すよう
に、梁8cの上部を通り、図1に示すように、基板外周
部まで延設され、絶縁膜2上に配置された電極端子(パ
ッド)35と電気的に接続されている。
【0026】このように、平面形状として長方形をなす
アウター側構造体本体部7における一辺に、櫛歯状をな
す励振用の第1の可動電極9が配置されるとともに、ア
ウター側構造体本体部7における当該辺と平行な他の辺
に、第1の可動電極9と導通し、櫛歯状をなす励振用の
第2の可動電極10が配置され、さらに、可動電極10
が金属配線34に接続されている。よって、両方の可動
電極9,10を平行に配置できるとともに両方の可動電
極9,10を等電位にすることができる。また、励振用
の可動電極9,10は櫛歯状をなし、金属配線34と電
気的に接続するためのコンタクトホール33a〜33e
が、櫛歯状可動電極9,10での各歯の並設方向に等距
離をおいて多数形成されている。これにより、各電極
(歯)9,10が等電位になる。なお、櫛歯状可動電極
10の数(歯数)とコンタクトホール33a〜33eの
数の関係において、図2では可動電極10の数が「5」
でありコンタクトホール33a〜33eの数も「5」で
あったが、他にも、例えば電極数が「n」でありコンタ
クトホール数が「n−1」であってもよい。
【0027】図2のアウター側構造体100において、
本体部7には貫通孔36,37,38,39が形成さ
れ、この貫通孔36,37,38,39にて本体部7の
中央部にインナー側構造体200が区画形成されてい
る。インナー側構造体200は、アンカー部41,42
と梁43,44と帯状部45と角速度検出用可動電極
(櫛歯)46a,46b,46c,47a,47b,4
7cとにより構成されている。そして、インナー側構造
体200は基板1の表面に平行な方向での励振方向Yに
直交するX方向に移動することができるようになってい
る。
【0028】インナー側構造体200に関し詳しくは、
アンカー部41,42から梁43,44を介して帯状部
45が延び、この帯状部45は直線的に延びる帯状をな
している。帯状部45の一側面に角速度検出用可動電極
46a,46b,46cが平行に並設されている。同様
に、帯状部45の反対面には角速度検出用可動電極47
a,47b,47cが平行に並設されている。
【0029】インナー側構造体200の角速度検出用可
動電極46a,46b,46cに対向するアウター側構
造体100には、角速度検出用固定電極(櫛歯)48a
〜48fが平行に並設されている。ここで、角速度検出
用固定電極48aと48bとの間に角速度検出用可動電
極46aを挟むようにし、かつ、等距離をおいて配置さ
れている。また、角速度検出用固定電極48cと48d
との間に角速度検出用可動電極46bを挟むようにし、
かつ、等距離をおいて配置されている。また、角速度検
出用固定電極48eと48fとの間に角速度検出用可動
電極46cを挟むようにし、かつ、等距離をおいて配置
されている。
【0030】同様に、インナー側構造体200の角速度
検出用可動電極47a,47b,47cに対向するアウ
ター側構造体100には、角速度検出用固定電極(櫛
歯)49a〜49fが多数、平行に並設されている。こ
こで、角速度検出用固定電極49aと49bとの間に角
速度検出用可動電極47aを挟むようにし、かつ、等距
離をおいて配置されている。また、角速度検出用固定電
極49cと49dとの間に角速度検出用可動電極47b
を挟むようにし、かつ、等距離をおいて配置されてい
る。また、角速度検出用固定電極49eと49fとの間
に角速度検出用可動電極47cを挟むようにし、かつ、
等距離をおいて配置されている。
【0031】アウター側構造体100において、固定電
極48a〜48f,49a〜49fの根元部にはそれぞ
れコ字状の絶縁体(例えば、SiO2 等)50a〜50
f,51a〜51fが形成され、この絶縁体50a〜5
0f,51a〜51fはコ字状の貫通孔に充填したもの
である。つまり、図4と同様な構造にて貫通孔40内の
絶縁体50a〜50f,51a〜51fによって電気的
に分離(絶縁)されている。また、図2の固定電極48
a〜48f,49a〜49fはそれぞれ金属配線52,
53によって1個おきに電気的に接続されている。つま
り、固定電極48a,48c,48e,49a,49
c,49eが金属配線52に電気的に接続されるととも
に、固定電極48b,48d,48f,49b,49
d,49fが金属配線53に電気的に接続されている。
このように、固定電極48a〜48f,49a〜49f
は、2セットの電極となっている。これらの金属配線5
2,53は絶縁膜2上に形成されており、図1における
外側の梁8d,8bの上部を通り(図5参照)、それぞ
れ外側の電極端子(パッド)54,55と接続されてい
る。ただし、図1では、金属配線52の端部52a(図
2参照)と電極端子54の間、金属配線53の端部53
a(図2参照)と電極端子55間の金属配線は省略され
ている。
【0032】このように、アウター側構造体100の角
速度検出用固定電極48a〜48f,49a〜49fお
よびこの固定電極に対向するインナー側構造体200の
角速度検出用可動電極46a〜46c,47a〜47c
は、アウター側構造体100に形成した貫通孔(40)
内の絶縁体50a〜50f,51a〜51fによって、
電気的に分離されている。より詳しくは、インナー側構
造体200の角速度検出用可動電極46a〜46c,4
7a〜47cは櫛歯状をなし、アウター側構造体100
の角速度検出用固定電極48a〜48f,49a〜49
fは、櫛歯状をなし、かつ、角速度検出用可動電極46
a〜46c,47a〜47cの一側面に対向する第1の
電極48a,48c,48e,49a,49c,49e
と、角速度検出用可動電極46a〜46c,47a〜4
7cの他側面に対向する第2の電極48b,48d,4
8f,49b,49d,49fとにより構成され、さら
に、この第1および第2の電極が、アウター側構造体1
00に形成した貫通孔内の絶縁体50a〜50f,51
a〜51fによって電気的に分離され、各第1の電極4
8a,48c,48e,49a,49c,49eを金属
配線52で電気的に接続するとともに各第2の電極48
b,48d,48f,49b,49d,49fを金属配
線53で電気的に接続した構成となっている。よって、
これら固定電極48a〜48f,49a〜49fを自由
に絶縁して金属配線を用いて自由に電気的接続をとるこ
とができ、レイアウトの自由性に優れている。
【0033】なお、図2において、固定電極48a〜4
8f,49a〜49fはそれぞれ金属配線52,53と
それぞれコンタクトホール(その一つを符号56で示
す)によって電気的に接触している。
【0034】また、図2において、アウター側構造体1
00におけるアンカー部41,42の根元部にはコ字状
の絶縁体(例えば、SiO2 等)57,58が形成さ
れ、この絶縁体57,58によってインナー側構造体2
00とその周辺部とが電気的に絶縁されている。つま
り、この絶縁体57,58はコ字状の貫通孔に充填した
ものであり、図4と同様な構造にて貫通孔40内の絶縁
体57,58によって電気的な分離が行われている。図
2の可動電極46a〜46c,47a〜47cは、外側
の梁8aの上部を通る金属配線59(図5参照)によっ
て図1における外側の電極端子(パッド)60と電気的
に接続されている。ただし、図1では、金属配線59の
端部59a(図2参照)と電極端子60との間の金属配
線は省略されている。
【0035】このように本実施形態では、アウター側構
造体100における梁8a〜8dの上に、アウター側構
造体100からの金属配線34,52,53,59を延
設し、アウター側構造体100からパッドへの配線構造
としてワイヤボンディングは行っていない。
【0036】次に、この角速度センサの動作を説明す
る。駆動用の櫛歯構造の可動電極9,10を接地電位
(GND)に接続し、一方の固定電極13にオフセット
のついた正弦波的な電圧を印加する。ここで、正弦波電
圧の周波数を、振動系の固有振動数に等しくすれば、小
さい電圧で駆動することが可能である。また、駆動電圧
はノイズの原因となり得るので、駆動電圧の周波数を振
動系の固有振動数と等しくすることにより分解能をよく
することができる。
【0037】一方、反対側の固定電極14には同じオフ
セットのついた逆位相の正弦波的な電圧を印加する。こ
れにより、アウター側構造体100が基板1の表面に平
行な方向(図1中、Y方向)に振動する。つまり、アウ
ター側構造体100は正弦波的な振動を起こす。ここ
で、系全体を真空中におけば、共振のQ値が大きくなる
ためより小さい電圧で駆動することが可能である。従っ
て、系全体を真空中におくことは分解能の向上につなが
る。
【0038】このとき、各電極9,10および13,1
4がコンタクトホール23a〜23e,24a〜24
e,33a〜33eの配置を工夫して等電位となってい
るので励振方向が斜めになりにくい。また、アウター側
構造体本体部7の平行なる辺に可動電極9,10が平行
かつ等電位で配置されているので、励振方向が斜めにな
りにくい。
【0039】この状態で、基板1の表面に垂直な軸回り
に角速度が加わると、振動方向(Y方向)に垂直なX方
向に正弦波的に変位するコリオリ力を受ける。その結
果、インナー側構造体200は励振方向Yに直交するX
方向に移動しようとして、角速度検出用可動電極(櫛
歯)46a〜46c,47a〜47cと角速度検出用固
定電極(櫛歯)48a〜48f、49a〜49fとの間
の静電容量が正弦波的に変化する。これに抗する静電気
力を付与する。この付与する力の変化を例えば同期検波
回路を用いて測定する。その結果、角速度の大きさが測
定される。
【0040】つまり、インナー側構造体200の可動電
極46a〜46c(47a〜47c)と第1の固定電極
48a,48c,48e(49a,49c,49e)と
の間に形成された第1のコンデンサの対向電極間の距離
と、可動電極46a〜46c(47a〜47c)と第2
の固定電極48b,48d,48f(49b,49d,
49f)との間に形成された第2のコンデンサの対向電
極間の距離を等しくするように電圧を印加し、この印加
電圧の大きさを測定することにより角速度が検出され
る。
【0041】より詳しくは、図2の可動電極46a〜4
6c(47a〜47c)は両側の固定電極48a,48
c,48e(49a,49c,49e)と48b,48
d,48f(49b,49d,49f)の中心に位置
し、可動電極と固定電極間の静電容量C1,C2は等し
い。そして、角速度が生じていないときにはV1=V2
であり、可動電極46a〜46c(47a〜47c)は
固定電極48a,48c,48e(49a,49c,4
9e)と48b,48d,48f(49b,49d,4
9f)から等しい静電気力で引かれている。この状態か
ら、角速度の作用により可動電極46a〜46c(47
a〜47c)が変位すると、可動電極と固定電極との間
の距離が変わり静電容量C1,C2が等しくなくなる。
例えば、可動電極46a〜46c(47a〜47c)が
固定電極48a,48c,48e(49a,49c,4
9e)側に変位したとすると、電圧V1が下がり、電圧
V2が上がる。
【0042】このときに、静電気力が等しくなるよう
に、図2の固定電極48a〜48f,49a〜49fと
可動電極46a〜46c,47a〜47c間の印加電圧
を制御する。つまり、静電気力の調整にて固定電極48
b,48d,48f(49b,49d,49f)を中点
位置に戻すようにする。即ち、可動電極46a〜46c
(47a〜47c)が中心位置に戻り静電容量C1,C
2が等しくなれば、角速度と静電気力が等しく釣り合っ
ており、このときの図2の固定電極48a〜48f,4
9a〜49fと可動電極46a〜46c,47a〜47
cとの間の印加電圧から角速度の大きさを求めることが
できる。
【0043】このようにしてサーボ機構(サーボ制御)
を採用すると、角速度の作用による構造体の変位を最小
限に抑えることができ、従って、センサの信頼性を高め
ることができる。
【0044】次に、本実施形態における振動型角速度セ
ンサの製造方法を説明する。図6,7はそれぞれ、図1
のA−A断面での製造プロセス断面図である。まず、図
6(a)に示すように、面方位(100)のシリコン基
板(ウエハ)1を用意する。そして、熱酸化により、表
面に絶縁膜(SiO2 膜)71を成膜する。この絶縁膜
71をパターニングして所定の領域を開口させ絶縁膜7
1をマスクとして異方性エッチングにより所定の位置に
絶縁体充填用トレンチ溝72を形成する。この絶縁体充
填用トレンチ溝72は後の工程にて図4に示す貫通孔4
0となるものである。なお、基板1の表面に絶縁膜(S
iO2 膜)71を成膜せず、直接マスクにより同様の位
置に絶縁体充填用トレンチ溝72を形成してもよい。
【0045】さらに、図6(b)に示すように、基板1
の表面に絶縁膜(SiO2 膜)2を成膜し、絶縁体充填
用トレンチ溝72を埋める。このトレンチ溝72に充填
された絶縁膜2が、図4に示す構造における絶縁体16
(20,30,50a〜50f,51a〜51f,5
7,58)となる。
【0046】なお、ここで、表面の凹凸が問題になる場
合は、絶縁膜2を必要とする膜厚以上に形成しておい
て、表面を研磨する。引き続き、図6(c)に示すよう
に、絶縁膜2をパターニングして所定の貫通孔形成領域
P1での絶縁膜2を除去する。つまり、後のSiエッチ
ングにて貫通孔(図3(a)の貫通孔5,39等)を形
成できるように所定領域の絶縁膜2を除去しておく。さ
らに、図7(a)に示すように、絶縁膜2上にスパッタ
や電子ビーム蒸着等によりAl、Ti等の金属配線73
を形成する。
【0047】そして、図7(b)に示すように、基板1
の裏面全面に絶縁膜(SiO2 膜)74を成膜する。さ
らに、絶縁膜74をパターニングして裏面の所定領域を
開口する。そして、絶縁膜74をマスクとしてシリコン
基板1を異方性エッチングして絶縁体充填用トレンチ溝
72に達する凹部3を形成する。この凹部3の底面が薄
肉部4になる。なお、この際、表面はダメージを避ける
ためにワックスや樹脂等で保護することが肝要である。
【0048】さらに、基板1の表面を保護したものを除
去する。その後、図3(a)に示すように、基板1の表
面より異方性エッチングにより基板1の薄肉部4におけ
る所定領域を除去して貫通孔5(および、図2の36〜
39)を形成する。これにより、アウター側およびイン
ナー側構造体100,200が区画形成される。
【0049】このようにして、本構造が完成する。この
ように製造された振動型角速度センサにおいては、以下
のような特徴がある。
【0050】一般に、インナー側構造体(加速度センサ
エレメント)200にサーボ制御を用いると、信号の直
線性がよくなる、ダイナミックレンジが大きくなる等の
メリットがある。図11,12に示す従来の角速度セン
サにおいては、加速度センサエレメント307が、本例
のように、可動電極に対し固定電極が2セット交互に配
置されていないために(例えば、図2における46aに
対する48aおよび48b)、サーボをかけた場合、加
速度センサエレメント(梁を有する構造体)307に回
転トルクが生じ、それが分解能を悪くする要因となる。
また、図11,12に示す従来の角速度センサにおいて
は、加速度センサエレメント307の可動部が表面マイ
クロマシニングによって作られていた。つまり、上層S
i層303を貫通させ、さらにその下の犠牲層302を
エッチング除去することによって加速度センサエレメン
ト307を形成している。そのため、2セットの固定電
極310,311を交互に配置することがプロセス上非
常に困難である。なお、それを実現するためには特開平
9−211022号公報に記載のような工程にて行うこ
ともできるが工程が複雑である。
【0051】これに対し本実施形態では、図1,2の駆
動用の電極(櫛歯)9,10,13,14および梁8a
〜8dと検出用の電極(櫛歯)46a〜46c,47a
〜47c,48a〜48f,49a〜49fおよび梁4
3,44を同一の基板を貫通させることによって形成
し、所定の位置の絶縁体(貫通孔)16,20,30,
50a〜50f,51a〜51f,57,58を図6の
トレンチ溝72によるトレンチ分離を用いて形成してお
り、簡単なプロセスで2セットの固定電極48a,48
c,48e,49a,49c,49eと48b,48
d,48f,49b,49d,49fを交互に配置する
ことが可能である。また、等距離に配置することにより
インナー側構造体200にサーボをかけた場合に回転ト
ルクが生じにくく分解能の悪化を回避することができ
る。
【0052】また、従来の装置では図12のt1にて示
すように上層Si層303の厚さ分しか電極厚さを確保
することができなかったが(例えば10μm)、本例で
はシリコン基板1の厚さとして50〜100μmにでき
る。よって、電極(櫛歯)46a〜46c,47a〜4
7c,48a〜48f,49a〜49fの極板面積が大
きいため、信号が大きくなり、このことも分解能を良く
する原因となっている。さらに、インナー側構造体20
0の厚さについても図11,12の装置に比べ厚くで
き、錘の質量を大きくして信号が大きくなる。このこと
によっても分解能を良くすることができる。
【0053】このように、本実施の形態は、下記の特徴
を有する。 (イ)シリコン基板1に形成した貫通孔5により梁8a
〜8dを有するアウター側構造体100を区画するとと
もに、アウター側構造体100に形成した貫通孔36〜
39により梁43,44を有するインナー側構造体20
0を区画し、さらに、アウター側構造体100の角速度
検出用固定電極48a〜48f,49a〜49fおよび
インナー側構造体200の角速度検出用可動電極46a
〜46c,47a〜47cを、アウター側構造体100
に形成した貫通孔内の絶縁体50a〜50f,51a〜
51f,57,58によって電気的に分離した。
【0054】よって、シリコン基板1に形成した貫通孔
5,36〜39によりアウター側およびインナー側の構
造体100,200が形成されるとともに、角速度検出
用の固定および可動電極46a〜46c,47a〜47
c,48a〜48f,49a〜49fが電気的に分離さ
れる。その結果、インナー側構造体200の厚さを50
〜100μm程度に厚くできるので、錘としての帯状部
45の質量を大きくでき出力信号を大きくすることがで
きる。また、インナー側およびアウター側構造体10
0,200の厚さを50〜100μm程度に厚くできる
ので、対向電極の面積を大きくでき出力信号を大きくす
ることができる。
【0055】また、アウター側構造体100に形成した
貫通孔内の絶縁体50a〜50f,51a〜51f,5
7,58により、アウター側構造体100の角速度検出
用固定電極および可動電極46a〜46c,47a〜4
7c,48a〜48f,49a〜49fを電気的に分離
する構成をとったので、この角速度検出用固定電極およ
び可動電極をそれぞれ自由に絶縁できる。つまり、貫通
孔内の絶縁体50a〜50f,51a〜51f,57,
58を用いて櫛歯状電極等を自由なレイアウトで絶縁で
きる。 (ロ)さらに詳しい電極の分離構造として、インナー側
構造体200の角速度検出用可動電極46a〜46c,
47a〜47cは櫛歯状をなし、アウター側構造体10
0の角速度検出用固定電極48a〜48f,49a〜4
9fは、櫛歯状をなし、かつ、角速度検出用可動電極4
6a〜46c,47a〜47cの一側面に対向する第1
の電極48a,48c,48e,49a,49c,49
eと、角速度検出用可動電極46a〜46c,47a〜
47cの他側面に対向する第2の電極48b,48d,
48f,49b,49d,49fとにより構成し、さら
に、当該第1および第2の電極を、アウター側構造体1
00に形成した貫通孔内の絶縁体50a〜50f,51
a〜51fによって、電気的に分離し、各第1の電極4
8a,48c,48e,49a,49c,49eを金属
配線52で電気的に接続するとともに各第2の電極48
b,48d,48f,49b,49d,49fを金属配
線53で電気的に接続した。
【0056】よって、角速度検出用可動電極46a〜4
6c,47a〜47cの両方の側面に対し第1と第2の
角速度検出用固定電極48a〜48f,49a〜49f
を等距離をおいて配置することができる。その結果、更
に精度よく角速度を検出することができることとなる。
【0057】つまり、図11,12に示す従来の構造で
は、プロセスの関係上、角速度検出用可動電極(30
8,309)の両方の側面に対し第1と第2の角速度検
出用固定電極310,311を等距離をおいて配置する
ことが困難であり、サーボ機構を用いた場合に角速度検
出用可動電極308,309に回転トルクが発生しノイ
ズの原因となって分解能の低下を招きやすい。これに対
し本実施形態では、角速度検出用可動電極46a〜46
c,47a〜47cの両方の側面に対し第1と第2の角
速度検出用固定電極48a〜48f,49a〜49fを
等距離をおいて配置することができ、サーボ制御を行う
ときに回転トルクを生じにくくできる。 (ハ)図1の励振用の固定電極13,14は櫛歯状をな
し、金属配線17,21と電気的に接続するためのコン
タクトホール23a〜23e,24a〜24eを、櫛歯
状固定電極13,14での各歯の並設方向に等距離をお
いて多数形成したので、それぞれの櫛歯が等電位になり
励振方向が斜めになりにくい。 (ニ)図2の励振用の可動電極10は櫛歯状をなし、金
属配線34と電気的に接続するためのコンタクトホール
33a〜33eを、櫛歯状可動電極10での各歯の並設
方向に等距離をおいて多数形成したので、それぞれの櫛
歯が等電位になり励振方向が斜めになりにくい。 (ホ)図5に示すごとく、アウター側構造体100にお
ける梁8a〜8dの上に、アウター側構造体100から
の金属配線(34)を延設したので、ワイヤーボンディ
ングを用いること無く配線を行うことができ、実用上好
ましいものとなる。 (ヘ)図1に示すように、平面形状として平行なる2辺
を有するアウター側構造体本体部7における一辺に、櫛
歯状をなす励振用の第1の可動電極9を配置するととも
に、アウター側構造体本体部7における当該辺と平行な
他の辺に、励振用の第1の可動電極9と導通し、櫛歯状
をなす励振用の第2の可動電極10を配置し、さらに、
可動電極10を金属配線21に接続したので、励振方向
が斜めになりにくい。 (ト)角速度センサの製造方法として、図6(a)のよ
うに、シリコン基板1の表面における所定領域に絶縁体
充填用トレンチ溝72を形成し、図6(b)のように、
シリコン基板1の表面に絶縁膜2を堆積して絶縁体充填
用トレンチ溝72を絶縁膜2で埋める。そして、図6
(c)のように、絶縁膜2をパターニングして基板1の
貫通孔形成領域P1を開口し、図7(a)のように、絶
縁膜2上に金属配線73を形成する。さらに、図7
(b)のように、シリコン基板1の裏面からの異方性エ
ッチングにより絶縁体充填用トレンチ溝72に達する凹
部3を形成し、凹部3の底面に薄肉部4を形成し、図3
(a)のように、シリコン基板1の薄肉部4に貫通孔
5,36〜39を形成し、シリコン基板1の表面に平行
な方向に励振するアウター側構造体100と、角速度に
よりシリコン基板1の表面に平行な方向での励振方向Y
に直交するX方向に移動するインナー側構造体200を
区画形成した。
【0058】その結果、(イ)に記載の角速度センサを
製造することができ、しかも、犠牲層エッチングの工程
が不要となり、プロセスが簡単になる。 (チ)半導体基板としてシリコン基板1を用いたので、
好ましいものになる。
【0059】以下、本実施形態の応用例を説明する。こ
のような振動体を2個(2セット)接続し、それらを逆
相に振動させてもよい。この2つの振動体の出力の差を
とることにより、外乱加速度をフィルタリング除去する
ことが可能である。この場合、インナー側構造体の出力
(加速度センサエレメント)の和をとることにより、加
速度を測定することも可能であり、信号処理により加速
度、角速度を同時に測定するセンサを構成することもで
きる。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0060】図8は、図3に代わる本実施形態における
振動型角速度センサの断面図を示す。平面構造は図1,
2と同じである。角速度センサとしての動作は、第1の
実施の形態と同様であるので、動作についての説明は省
略する。
【0061】本実施形態における振動型角速度センサ
は、第1実施形態に比べて、基板としてがSOI(Sil
icon on Insulator)基板83を用いている点が主に
異なっている。つまり、図8(a)に示すようにシリコ
ン基板80の上に絶縁膜(SiO2 膜)81を介してシ
リコン層82が形成された基板を用いている。そして、
アウター側構造体100における基板83の裏面が絶縁
膜81で覆われている。
【0062】次に、本実施形態における振動型角速度セ
ンサの製造方法を説明する。図9(a),(b),
(c)、図10(a),(b)は図1のA−A断面での
製造プロセスを示している。
【0063】まず、図9(a)に示すように、面方位
(100)のSOI基板(ウエハ)83を用意する。そ
して、熱酸化により、表面に絶縁膜(SiO2 膜)71
を成膜する。この膜71の所定の位置を開口した後、そ
れをマスクとして異方性エッチングにより所定の位置に
絶縁体充填用トレンチ溝72を掘る。この時、SiO2
膜81が露出した時にエッチングを終了する。
【0064】なお、表面に絶縁膜71を成膜せずに、直
接マスクにより同様の位置に絶縁体充填用トレンチ溝7
2を掘ってもよい。そして、図9(b)に示すように、
基板83の表面に絶縁膜(SiO2 膜)2を成膜し、絶
縁体充填用トレンチ溝72を埋める。ここで、表面の凹
凸が問題になる場合は、絶縁膜2を必要とする膜厚以上
に形成しておいて、表面を研磨する。
【0065】さらに、図9(c)に示すように、絶縁膜
2の所定の貫通孔形成位置P1を除去して開口させる。
そして、図10(a)に示すように、絶縁膜2上にスパ
ッタや電子ビーム蒸着等によりAl、Ti等の金属配線
73を形成する。
【0066】引き続き、図10(b)に示すように、基
板の裏面全面に絶縁膜(SiO2 膜)74を成膜しパタ
ーニングする。そして、異方性エッチングにより裏面の
所定の領域に凹部3を形成する。この時、絶縁膜(Si
2 膜)81が露出した時にエッチングを終了する。な
お、この際、表面はダメージを避けるためにワックスや
樹脂等で保護することが肝要である。
【0067】さらに、図8(a)に示すように、表面を
保護したものを除去後、表面より異方性エッチングによ
り所定の位置に貫通孔(5,39等)を形成してアウタ
ー側およびインナー側構成体100,200を形成す
る。その結果、本構造が完成する。
【0068】本実施形態は、SOI基板83により構造
体を形成しているため、図10(b)に示すプロセスに
おいてシリコン基板(シリコン層)80が完全に除去さ
れたところでエッチングを終了させれば、この時点でS
iO2 膜81はほとんどエッチングされないので、構造
体の厚さを一定にすることが比較的容易にできる。ま
た、裏面が絶縁体膜81で覆われるため、裏面にゴミ等
が付着したとしても表面リークは回避される。
【0069】このように本実施形態は下記の特徴を有す
る。 (イ)アウター側構造体100の裏面を絶縁膜81で覆
ったので、裏面にゴミ等が付着した時に表面リークが発
生しない。 (ロ)つまり、製造工程として半導体基板としてSOI
基板83を用いると、アウター側構造体の裏面が絶縁膜
81で覆われ、裏面にゴミ等が付着した時に表面リーク
が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における振動型角速度セン
サの平面図。
【図2】 図1の拡大図。
【図3】 振動型角速度センサの断面図。
【図4】 図1のD−D断面図。
【図5】 振動型角速度センサの一部拡大図。
【図6】 製造工程を説明するための断面図。
【図7】 製造工程を説明するための断面図。
【図8】 第2の実施の形態における振動型角速度セン
サの断面図。
【図9】 製造工程を説明するための断面図。
【図10】 製造工程を説明するための断面図。
【図11】 従来の振動型角速度センサの平面図。
【図12】 図12のE−E断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…絶縁膜、3…凹部、4…薄肉
部、5…貫通孔、7…本体部、8a,8b,8c,8d
…梁、9…第1の可動電極、10…第2の可動電極、1
3…固定電極、14…固定電極、17…金属配線、21
…金属配線、23a〜23e…コンタクトホール、24
a〜24e…コンタクトホール、33a〜33e…コン
タクトホール、34…金属配線、36〜39…貫通孔、
43…梁、44…梁、46a〜46c…角速度検出用可
動電極、47a〜47c…角速度検出用可動電極、48
a〜48f…角速度検出用固定電極、49a〜49f…
角速度検出用固定電極、50a〜50f…絶縁体、51
a〜51f…絶縁体、52…金属配線、53…金属配
線、57…絶縁体、58…絶縁体、72…絶縁体充填用
トレンチ溝、73…金属配線、81…絶縁膜、83…S
OI基板、100…アウター側構造体、200…インナ
ー側構造体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に形成した貫通孔により、梁
    を有し半導体基板の表面に平行な方向に励振するアウタ
    ー側構造体を区画するとともに、前記アウター側構造体
    に形成した貫通孔により、梁を有し角速度により半導体
    基板の表面に平行な方向での前記励振方向に直交する方
    向に移動するインナー側構造体を区画し、さらに、アウ
    ター側構造体の角速度検出用固定電極およびこの固定電
    極に対向する前記インナー側構造体の角速度検出用可動
    電極を、アウター側構造体に形成した貫通孔内の絶縁体
    によって、電気的に分離したことを特徴とする角速度セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記インナー側構造体の角速度検出用可
    動電極は櫛歯状をなし、前記アウター側構造体の角速度
    検出用固定電極は、櫛歯状をなし、かつ、角速度検出用
    可動電極の一側面に対向する第1の電極と、角速度検出
    用可動電極の他側面に対向する第2の電極とにより構成
    し、さらに、当該第1および第2の電極を、アウター側
    構造体に形成した貫通孔内の絶縁体によって電気的に分
    離し、各第1の電極を金属配線で電気的に接続するとと
    もに各第2の電極を金属配線で電気的に接続した請求項
    1に記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 励振用の固定電極は櫛歯状をなし、金属
    配線と電気的に接続するためのコンタクトホールを、櫛
    歯状固定電極での各歯の並設方向に等距離をおいて多数
    形成した請求項1に記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 励振用の可動電極は櫛歯状をなし、金属
    配線と電気的に接続するためのコンタクトホールを、櫛
    歯状可動電極での各歯の並設方向に等距離をおいて多数
    形成した請求項1に記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 アウター側構造体における梁の上に、ア
    ウター側構造体からの金属配線を延設した請求項1に記
    載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 平面形状として平行なる2辺を有するア
    ウター側構造体本体部における一辺に、櫛歯状をなす励
    振用の第1の可動電極を配置するとともに、アウター側
    構造体本体部における当該辺と平行な他の辺に、前記励
    振用の第1の可動電極と導通し、櫛歯状をなす励振用の
    第2の可動電極を配置し、さらに、いずれかの可動電極
    を金属配線に接続した請求項1に記載の角速度センサ。
  7. 【請求項7】 アウター側構造体の裏面を絶縁膜で覆っ
    た請求項1に記載の角速度センサ。
  8. 【請求項8】 半導体基板の表面における所定領域に絶
    縁体充填用トレンチ溝を形成する工程と、 半導体基板の表面に絶縁膜を堆積して前記絶縁体充填用
    トレンチ溝を絶縁膜で埋める工程と、 前記絶縁膜をパターニングして基板の貫通孔形成領域を
    開口する工程と、 前記絶縁膜上に金属配線を形成する工程と、 前記半導体基板の裏面からの異方性エッチングにより前
    記絶縁体充填用トレンチ溝に達する凹部を形成し、凹部
    の底面に薄肉部を形成する工程と、 前記半導体基板の薄肉部に貫通孔を形成し、半導体基板
    の表面に平行な方向に励振するアウター側構造体と、角
    速度により半導体基板の表面に平行な方向での前記励振
    方向に直交する方向に移動するインナー側構造体を区画
    形成する工程と、を有する角速度センサの製造方法。
  9. 【請求項9】 半導体基板としてシリコン基板を用いた
    ことを特徴とする請求項8に記載の角速度センサの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 半導体基板としてSOI基板を用いた
    ことを特徴とする請求項8に記載の角速度センサの製造
    方法。
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