JP4830757B2 - 角速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、支持基板上において、互いに対向するように可動電極および固定電極を設け、角速度の印加に伴う可動電極と固定電極との間の距離変化に基づいて、印加された角速度を検出する角速度センサおよびその製造方法に関する。
静電駆動・容量検出型マイクロジャイロセンサ等の角速度センサでは、角速度検出時に駆動用の固定電極および可動電極の間に駆動用電圧を印加することで電位差を発生させ、可動部を支持基板の基板面と水平な一方向に振動させている。このとき、角速度が印加されると、可動部に備えられた角速度検出用の可動電極と固定電極との間の間隔が印加された角速度に応じて変わることから、この間隔の変化による容量変化に基づいて、角速度に応じた出力を発生させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、角速度だけではなく、外部からの加速度に対しても各電極間の間隔が変わってしまい、この間隔の変化による容量変化も出力されることになる。この出力は本来角速度を検出すべきジャイロセンサにとってはノイズとなる。
このため、従来では、この外部加速度出力を小さくするために、同一形状の振動子2つを並べて逆相で駆動し、その2つの振動子の容量変化の差動出力をとることにより、外部加速度出力をキャンセルして角速度出力だけを得るという方法を採用していた。
特開平11−326365号公報
しかし、この方法では十分なキャンセル効果が得られず、外部加速度に起因する出力を発生させてしまうことが確認された。この原因は、左右振動子の出来映えのバラツキにより、駆動共振周波数に差が存在するためである。
例えば、図7に示されるように、左右振動子それぞれの駆動共振周波数(振幅比がピーク点となる周波数)に差が存在する場合、実際に振動子を駆動する振動周波数としては、左右振動子それぞれの駆動共振周波数の中間周波数が用いられる。これは、左右振動子それぞれの振幅比を足し合わせた値が最も大きくなる周波数が振動周波数とされるためである。このため、左右振動子の振動周波数が各々の駆動共振周波数からずれることになり、振動周波数での左右振動子における重心の運動イメージは、図8の丸印で示されるように、最も振動が大きくなった位置に対してずれる。
このため、以下のような理由により、上記のように十分なキャンセル効果が得られなくなる。図9に、左右振動子の出来映えのバラツキがあった場合の作動状態を示し、この図に基づいて、その理由について説明する。
まず、振動子に加速度が印加されていない状態について考える。左右振動子の出来映えにバラツキがある場合には、ある任意の時間における駆動電極の重なり、つまりオーバラップ量に差が発生する。例えば、図9(a)に示されるように、左側の振動子の方が右側の振動子よりも重なりが大きくなる。なお、このとき、駆動電極により、上下方向に発生させられる静電力に関しては、バランスした状態となる。
そして、左右振動子の検出方向に加速度が印加され、図9(b)に示されるように駆動電極間の間隔が変化すると、上下の静電力がアンバランスになる。このため、左右振動子の検出方向の加振力に差が発生する。具体的には、各振動子に発生する加振力は、次式で示され、駆動電極の重なりに応じて大きさが異なることになる。なお、次式中の電位差とは、駆動電極間の電位差を意味しており、従来では、直流成分がV1、交流成分がV2となる電圧を交流成分を逆相とした状態で駆動電極間に印加している。
(数1)
加振力∝(駆動電極の重なり)/ギャップ・電位差 2
このように、左右振動子それぞれの加振力に差が生じると、左右振動子の振動軌跡の変化に差が生じることになる。例えば、図10に示す左右振動子の振動軌跡の模式図から判るように、左右振動子それぞれの振動軌跡が加速度が印加されていない時(図中破線)には左右対称であったのに、加速度が印加された時(図中太線)には左右非対称となる。このため、左右振動子の容量変化の差動出力が変化し、外部加速度出力を十分にキャンセルできず、加速度に起因する出力を発生させてしまうのである。
これが外部加速度に起因した出力を発生させる原因である。この外部加速度に起因した出力を小さくすることは重要な課題であり、この問題を解決する方法が望まれている。
本発明は上記点に鑑みて、2つの振動子の差動出力によって外部加速度に起因した出力を抑制する容量型の角速度センサに関し、2つの振動子の出来映えバラツキによって外部加速度に起因した出力が発生することを抑制できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴によれば、左側振動子(3)における左半分側に位置する駆動用の固定電極(30)に対して印加する駆動電圧と、右側振動子(4)における右半分側に位置する駆動用の固定電極(40)に対して印加する駆動電圧とを第1電圧として、該第1電圧を直流成分がA[V]で交流成分がB[V]となるA±B[V]の電圧とする。また、左側振動子(3)における右半分側に位置する駆動用の固定電極(30)に対して印加する駆動電圧と、右側振動子(4)における左半分側に位置する駆動用の固定電極(40)に対して印加する駆動電圧とを第2電圧として、該第2電圧を直流成分がC[V]で交流成分がD[V]となるC±D[V]の電圧とする。さらに、第1電圧における交流成分となるB[V]と第2電圧における交流成分となるD[V]とを互いに逆位相とする。そして、a.左側振動子と右側振動子とが逆位相で駆動するように、第1電圧の直流成分となるAと第2電圧の直流成分となるCとのうち少なくとも一方を変化させること、b.左側振動子(3)と右側振動子とが逆位相で駆動するように第1電圧の交流成分となるBと第2電圧の交流成分となるDを第1、第2電圧の交流成分となるBと前記第2電圧の交流成分となるDとのうち少なくとも一方を変化させること、c.前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とが逆位相で駆動するように、第1電圧および第2電圧を矩形波として該矩形波のデューティ比の中心値に対して第1電圧および第2電圧のデューティ比のうち少なくとも一方変化させること、の少なくとも1つの調整を行う。
このように、第1電圧および第2電圧における直流成分、交流成分もしくはこれらを矩形波とする場合における矩形波のデューティ比の少なくとも1つを変化させることで、外部加速度出力を十分にキャンセルすることが可能となり、加速度に起因する出力が極力小さくなるように抑制することができる。
例えば、a.第1電圧の直流成分となるAと第2電圧の直流成分となるCとを第1、第2電圧の直流成分の中心値に対して逆方向に同じ変化量だけ変化させる、b.第1電圧の交流成分となるBと第2電圧の交流成分となるDとを第1、第2電圧の交流成分の中心値に対して逆方向に同じ変化量だけ変化させる、c.第1電圧および第2電圧が矩形波とされ矩形波のデューティ比の中心値に対して第1電圧および第2電圧のデューティ比を逆方向に同じ変化量だけ変化させると好ましい。
この場合、第1、第2電圧の変化量が同じであるため、変化量に対応するアドレスを記憶する記憶部(142)と、記憶部(142)に記憶されたアドレスを読み出すことにより、駆動用の固定電極(30)に対して、変化量分の調整を行った第1、第2電圧を印加させる記憶部制御回路(141)とを備え、記憶部(142)に第1、第2電圧の変化量を記憶させる場合に、その変化量に応じたアドレスを1つだけ記憶させれば済むため、記憶部(142)の記憶容量を少なくすることが可能となる。
また、本発明の第2の特徴によれば、左側振動子(3)における左半分側に位置する駆動用の固定電極(30)に対して印加する駆動電圧と、右側振動子(4)における右半分側に位置する駆動用の固定電極(40)に対して印加する駆動電圧とを第1電圧として、
該第1電圧を、直流成分がA[V]で交流成分がB[V]となるA±B[V]の電圧に設定すると共に、左側振動子(3)における右半分側に位置する駆動用の固定電極(30)に対して印加する駆動電圧と、右側振動子(4)における左半分側に位置する駆動用の固定電極(40)に対して印加する駆動電圧とを第2電圧として、該第2電圧を、直流成分がC[V]で交流成分がD[V]となるC±D[V]の電圧に設定し、かつ、第1電圧における交流成分となるB[V]と第2電圧における交流成分となるD[V]とを互いに逆位相として、該第1、第2電圧を駆動用固定電極(30)に印加することで左右振動子(3、4)を駆動させる駆動工程と、駆動工程を行っている状態で一定の加速度を印加しながらセンサ出力のモニタを行うモニタ工程とを行う。そして、モニタ工程を行いながら、a.第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を予め決められた該直流成分の中心値に対して変化させる、b.第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を予め決められた該交流成分の中心値に対して変化させる、c.第1、第2電圧が矩形波とされる場合に第1電圧と第2電圧を構成する矩形波のデューティ比を少なくとも一方を予め設定された該デューティ比の中心値に対して変化させる、のうちの少なくとも1つを行う電圧変化工程と、モニタしているセンサ出力が最も小さくなるときの変化量を記憶部(142)に記憶させる記憶工程と、を含んでいる。
このように、左右振動子(3、4)を駆動させている状態で一定の加速度を印加しながらセンサ出力をモニタし、センサ出力が最も小さくなる場合の第1、第2電圧の変化量を記憶部(142)に記憶させている。これにより、加速度に起因する出力が極力小さくなるように抑制できる角速度センサを製造することができる。
この場合、電圧変化工程において、第1、第2電圧における直流成分となるAとCの双方、交流成分となるBとDの双方、および、第1電圧と第2電圧を構成する矩形波の双方をそれぞれの中心値に対して互いに逆方向に同じ変化量分だけ変化させるようにすれば、第1電圧と第2電圧のいずれか一方のみを変化させる場合と比べて、調整効果を2倍にすることが可能となる。
また、本発明の第2の特徴において、a.第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を予め決められた該直流成分の中心値に対して変化させる、b.第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を予め決められた該交流成分の中心値に対して変化させる、c.第1、第2電圧が矩形波とされる場合に第1電圧と第2電圧を構成する矩形波のデューティ比を少なくとも一方を予め設定された該デューティ比の中心値に対して変化させる、のいずれか2つ以上を行う場合には、a〜cの順番に行うと良い。
このように順番に合せて調整を行えば、第1、第2電圧の調整が粗調整、微調整の順に行うことが可能である。これにより、より加速度に起因する出力が小さくなるように抑制できる角速度センサを製造することができる。
さらに、記憶工程において、記憶部(142)に第1、第2電圧の変化量に対応するアドレスを記憶させ、第1、第2電圧を中心値に対して逆方向に同じ変化量分だけ変化させたときに、第1、第2電圧双方の変化量に対応する1つのアドレスを記憶させるようにすれば、第1、第2電圧の変化量に応じたアドレスを1つだけ記憶させれば済むため、記憶部(142)の記憶容量を少なくすることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を適用した容量型の角速度センサとしての静電駆動・容量検出型マイクロジャイロセンサ(以下、単にジャイロセンサと省略する)の模式図を図1に示すと共に、図2にジャイロセンサにおける駆動電圧の印加状態を示す。また、図3に、図1のA−A断面図を示す。以下、これらの図を参照して、本実施形態のジャイロセンサについて説明する。
図1に示すように、ジャイロセンサ1は、半導体からなる支持基板2上において、2つの振動子3、4を備えて構成されている。図1における紙面左側の振動子が左側振動子3、紙面右側の振動子が右側振動子4であり、これら各振動子3、4が左右対称構造で構成されている。
以下、左右振動子3、4の構造について説明するが、各振動子3、4の構造は全く同じであるため、ここでは左側振動子3の構造に関して説明し、右側振動子4の構造に関しては省略する。
左側振動子3は、駆動用の固定電極30および可動電極31、振動検出用の固定電極32および可動電極33、錘部34、検出梁35、駆動梁36、角速度検出用の固定電極37および可動電極38を有し、これら各構成要素が枠部39によって囲まれた構成となっている。そして、これら各構成要素が紙面左半分と右半分とで対称となる左右対称構造で構成されている。これら各構成要素のうち、駆動用の固定電極30、駆動振動検出用の固定電極32、角速度検出用の固定電極37および枠部39は、支持基板2に対して固定された固定部に相当するものである。また、駆動用の可動電極31、振動検出用の可動電極33、錘部34、検出梁35、駆動梁36および角速度検出用の可動電極38は、支持基板2の基板面に平行な方向に対して動くことができる可動部に相当するものである。
駆動用の固定電極30は、左側振動子3の略中央位置において、上下2つずつ、合計4つ備えられている。各固定電極30は、図3に示されるように支持基板2に対して固定されるように支持されている、図1に示されるように枠部39より内側において二股に別れた形状とされている。そして、二股に別れた各部に、基体部30aと櫛歯部30bが備えられた構成となっている。基体部30aは、紙面上下方向を長手方向として左側振動子3の中央部に向けて延設されており、櫛歯部30bは、基体部30aの一側面において基体部30aの長手方向と垂直な方向に複数本突き出した状態で設けられている。また、各固定電極30は、枠部39に備えられた駆動用パッド30cに電気的に接続されており、この駆動用パッド30cを通じて、駆動用電圧が印加されるようになっている。
駆動用の可動電極31は、左側振動子3の略中央位置において、駆動用の固定電極30の各基体部30aと対向するように、上下4つずつ、合計8つ備えられている。この駆動用の可動電極31は、図3に示されるように支持基板2に対してフローティング状態とされ、図1に示されるように錘部34と一体化されている。各可動電極31は、基体部31aと櫛歯部31bを備えた構成となっている。基体部31aは、紙面上下方向を長手方向として錘部34から左側振動子3の上下に向けて延設されており、櫛歯部31bは、基体部31aの一側面、具体的には固定電極30における櫛歯部30bと対向する面において基体部31aの長手方向と垂直な方向に複数本突き出した状態で設けられている。このため、各可動電極31の櫛歯部31bと各固定電極30の櫛歯部30bとが、所定間隔を空けて交互に配置された状態となっている。
駆動振動検出用の固定電極32は、駆動用の固定電極30および可動電極31よりも外側の位置において、上下2つずつ、合計4つ備えられている。各固定電極32は、図3に示されるように支持基板2に対して固定されるように支持されている。そして、各固定電極32は、基体部32aと櫛歯部32bを備えて構成されている。基体部32aは、紙面上下方向を長手方向として左側振動子3の中央部に向けて延設されており、櫛歯部32bは、基体部32aの先端部の一側面において基体部32aの長手方向と垂直な方向に複数本突き出した状態で設けられている。また、各固定電極32は、枠部39に備えられた振動検出用パッド32cに電気的に接続されており、この振動検出用パッド32cを通じて、固定電極32の電位を測ることができるようになっている。
駆動振動検出用の可動電極33は、錘部34の両側に配置され、駆動振動検出用の固定電極32の各基体部32aと対向するように、上下2つずつ、合計4つ備えられている。各可動電極33は、図3に示されるように支持基板2に対してフローティング状態とされ、図1に示されるように錘部34と一体化されている。各可動電極33は、基体部33aと櫛歯部33bを備えた構成となっている。基体部33aは、紙面上下方向を長手方向として錘部34から左側振動子3の上下に向けて延設されており、櫛歯部33bは、基体部33aの一側面、具体的には固定電極32における櫛歯部32bと対向する面において基体部33aの長手方向と垂直な方向に複数本突き出した状態で設けられている。このため、各可動電極33の櫛歯部33bと各固定電極32の櫛歯部32bとが、所定間隔を空けて交互に配置された状態となっている。
錘部34は、駆動用の各固定電極30の間に配置されている。この錘部34は、紙面左右方向を長手方向として延設されており、支持基板2に対してフローティング状態とされている。
検出梁35は、左側振動子3における略四隅に配置されている。この検出梁35は、支持基板2に対する片持梁とされ、枠部39側から延設された支持部35bによって支持基板2に支持されている。これにより、可動部を構成する各要素が支持基板2に対して支持されている。この検出梁35は、支持部35bを介して角速度検出用のパッド35aと電気的に接続されている。この角速度検出用のパッド35aを通じて、駆動用の可動電極31、駆動振動検出用の可動電極33、および、角速度検出用の可動電極38に対して所定電圧が印加できるようになっている。
駆動梁36は、振動検出用の可動電極33と角速度検出用の可動電極38を接続するもので、紙面上下方向を長手方向とする複数本の梁部を備えて構成されている。そして、複数本の梁部によって紙面左右方向に振動検出用の可動電極33を移動させられるようになっている。このため、振動検出用の可動電極33と一体化された錘部34、さらにはこの錘部34と一体化された駆動用の可動電極31が紙面左右方向に移動できるようになっている。
角速度検出用の固定電極37は、左側振動子3における左右両側において、上下2つずつ、合計4つ備えられている。各固定電極37は、図3に示されるように支持基板2に対して固定されるように支持されている。そして、各固定電極37は、基体部37aと櫛歯部37bを備えて構成されている。基体部37aは、紙面上下方向を長手方向として左側振動子3の中央部に向けて延設されており、櫛歯部37bは、基体部37aの一側面において基体部37aの長手方向と垂直な方向に複数本突き出した状態で設けられている。また、各固定電極37は、枠部39に備えられた角速度検出用パッド37cに電気的に接続されており、この角速度検出用パッド37cを通じて、角速度検出用の固定電極37の電位が測れるようになっている。
角速度検出用の可動電極38は、錘部34の両側において、角速度検出用の各固定電極37と対向するように1つずつ配置され、合計2つ備えられている。各可動電極38は、図3に示されるように支持基板2に対してフローティング状態とされ、図1に示されるように錘部34や駆動梁36等と一体化されている。各可動電極38は、基体部38aと櫛歯部38bを備えた構成となっている。基体部38aは、紙面上下方向を長手方向として枠部39における上側位置から下側位置に至るように延設されており、櫛歯部38bは、基体部38aの一側面、具体的には固定電極37における櫛歯部37bと対向する面において基体部38aの長手方向と垂直な方向に複数本突き出した状態で設けられている。このため、各可動電極38の櫛歯部38bと各固定電極37の櫛歯部37bとが、所定間隔を空けて交互に配置された状態となっている。
枠部39は、左右振動子3、4を囲むように構成されたもので、図3に示されるように支持基板2に固定されている。この枠部39は、パッド39aを介して一定電位に保持されるようになっている。このような構成により、本実施形態のジャイロセンサ1が構成されている。
なお、右側振動子4に関しては、左側振動子3と全く同じ構成となっており、それぞれ、以下の対応関係となっている。駆動用の固定電極30および可動電極31は、固定電極40および可動電極41に対応する。振動検出用の固定電極32および可動電極33は、固定電極42および可動電極43に対応する。錘部34は、錘部44に対応し、検出梁35は、検出梁45に対応する。駆動梁36は、駆動梁36に対応し、角速度検出用の可動電極37および固定電極38は、可動電極47および固定電極48に対応する。そして、枠部39は、枠部49に対応する。また、右側振動子4の各部を構成する基体部40aや櫛歯部40bなどの詳細構成に関しても、図中において、左側振動子3に関して付した参照符号の30番代のものを40番代に変更したものとして示してある。
続いて、本実施形態のジャイロセンサ1の駆動およびジャイロセンサ1の検出容量の変化の検出に用いられるセンサ回路について説明する。図4に、センサ回路110のブロック構成を示し、この図を参照して説明する。
図4に示すように、センサ回路110は、駆動回路120と角速度検知回路130とが備えられた構成とされている。
駆動回路120は、ジャイロセンサ1に備えられた各振動子3、4における駆動用の可動電極31、41を振動させるためのものである。この駆動回路120には、センサ駆動電源を含む駆動電圧発生回路121、C−V変換回路122、増幅回路123、位相シフタ124および振幅一定制御部125が含まれている。
駆動電圧発生回路121は、センサ駆動電源からの電圧を昇圧することでジャイロセンサ1における駆動用の可動電極31、41を振動させるための電圧を形成するもので、駆動用の可動電極31、41を所定振幅かつ所定周波数で駆動するために、センサ駆動電源が発生させる電圧を昇圧し、所定の周波数の電圧を駆動電圧として駆動用の可動電極31、41に対して出力する。具体的には、C−V変換回路122および増幅回路123を介してフィードバックされる駆動電圧と振幅一定制御部125からの信号に基づいて、駆動電圧発生回路121が発生させる駆動電圧を調整するようになっている。
C−V変換回路122は、ジャイロセンサ1から、ジャイロセンサ1における駆動用の可動電極31、41の駆動振動に応じた検知信号(以下、駆動振動検知信号という)を受け取り、それを電圧変換するものである。
増幅回路123は、C−V変換回路122で電圧変換された駆動振動検知信号を所定ゲインで増幅するものである。この増幅回路123で増幅後の駆動振動検知信号が振幅一定制御部125および位相シフタ124に入力されるようになっている。
位相シフタ124は、駆動電圧の位相を調整するためのものである。上記したようにフィードバックされる駆動振動検知信号に基づいて駆動電圧発生回路121により駆動電圧が形成されることになるため、駆動振動検知信号の位相が実際に駆動用の可動電極31、41に出力したい駆動電圧の位相とずれている。この位相のズレを修復するために、駆動振動検知信号の位相を調整し、駆動電圧の位相に合わせなければならない。このため、位相シフタ124によって、駆動振動検知信号の位相が補正され、その結果、それに基づいて形成される駆動電圧の位相が調整されるようになっている。これにより、駆動電圧の周波数がfdとされる。
振幅一定制御部125は、駆動振動検知信号から現在の駆動用の可動電極31、41の振幅を検知すると共に、その振幅が一定となるように補正するための信号を駆動電圧発生回路121に出力するものである。
また、角速度検知回路130は、ジャイロセンサ1の検出信号に基づいてセンサ出力を得るためのものである。この角速度検知回路130には、2つのC−V変換回路131、132および増幅回路133、134と、差動増幅回路135と、同期検波回路136、LPF137および0点・感度温特調整回路138が備えられている。
2つのC−V変換回路131、132は、一対の振動子3、4それぞれから、角速度検出用の可動電極38、48に対して角速度が加わったときに発生する振動に応じた検知信号(以下、角速度検知信号という)を受け取り、それを電圧変換するものである。
増幅回路133、134は、各C−V変換回路131、132で電圧変換後の角速度検知信号を所定ゲインで増幅するものである。これら増幅回路133、134で増幅後の角速度検知信号が差動増幅回路135に入力されるようになっている。
差動増幅回路135は、各増幅回路133、134で増幅された角速度検知信号の差動出力を発生させる差動増幅手段に相当するものである。この差動増幅回路135の差動出力が同期検波回路136に入力されるようになっている。この差動増幅回路135の差動出力は、直流成分となる所定のオフセット電圧を含む交流信号となる。
同期検波回路136は、位相シフタ124によって調整された位相に基づいて、差動増幅回路135の差動出力から周波数fdと同期する成分を通過させ、LPF137に出力するものである。
LPF137は、同期検波回路136を通過した後の信号のうち、所定周波数以下の成分のみを抽出するものである。このLPF137に信号を通過させているため、LPF137のフィルタ定数に応じた時間遅れが生じることになる。
0点・感度温特調整回路138は、LPF137を通過した後の信号にも、出力オフセットや感度の温度特性が含まれていることから、それを調整するものであり、この0点・感度温特調整回路138で調整された後の信号が基本的にはセンサ出力として用いられる。
さらに、センサ回路110には、データ処理回路140が備えられている。このデータ処理回路140には、EPROM制御回路141とEPROM142が備えられている。
EPROM制御回路141は、センサ回路110が形成されるチップと外部とを接続するトリム端子(パッド)に接続され、外部からのデータの書き込み信号の入力、EPROMからのデータの読み出し、さらには、読み出したデータに基づいて駆動電圧発生回路121の出力する駆動電圧の調整や増幅回路123、133、134のゲイン調整などを行う。このEPROM制御回路141が記憶部制御回路に相当する。なお、トリム端子は、センサ回路100を接着・封止するパッケージ(図示せず)に覆われることになるが、パッケージの外部端子とワイヤボンディングにより接続されているため、外部端子を介してセンサ回路110の外部との電気的な接続を図ることが可能である。
EPROM142は、記憶部に相当するもので、駆動電圧発生回路121の出力する駆動電圧の調整を行うためのデータや増幅回路123、133、134のゲイン調整を行うためのデータを記憶している。ここでいう駆動電圧発生回路121の出力する駆動電圧の調整を行うためのデータとは、駆動電圧発生回路121の出力する駆動電圧として加速度の影響を小さくできる電圧に関する情報を示すアドレスなどのことを意味しており、EPROM142にはこのアドレスなどが記憶してある。そして、このEPROM142に記憶したアドレスに基づいて、EPROM制御回路141が駆動電圧発生回路121の出力する駆動電圧の調整が行われることで、加速度の影響が小さくされる。
次に、本実施形態のジャイロセンサ1の製造工程の一工程として行われる駆動電圧の調整工程について説明する。なお、駆動電圧の調整の事前準備として、駆動回路120や角速度検知回路130に備えられた増幅回路123、133、134のゲイン調整等を行っておき、その後、駆動電圧の調整を行う。
まず、通常の角速度検知が行える状況を作り出す必要がある。このため、駆動電圧発生回路121から駆動電圧を発生させる。このとき、駆動電圧として、従来と同様、左右振動子3、4に対して大きさが等しく、かつ、互いに逆相の信号を用いる。
具体的には、駆動用の固定電極30が電気的に接続された駆動用パッド30cに対して所望の駆動電圧を印加することによって本実施形態のジャイロセンサ1を駆動する。すなわち、図2に示されるように、左側振動子3における4つの駆動用の固定電極30のうち紙面左半分側に位置する2つと、右側振動子4における4つの駆動用の固定電極40のうち紙面右半分側に位置する2つに対して、第1の電源5から第1電圧としてA±B[V]を印加する。また、左側振動子3における4つの駆動用の固定電極30のうち紙面右半分側に位置する2つと、右側振動子4における4つの駆動用の固定電極40のうち紙面左半分側に位置する2つに対して、第2の電源6から第2電圧としてC±D[V]の電圧を印加する。
ここでいう第1電圧となるA±B[V]および第2電圧となるC±D[V]とは、直流成分となる定電圧A、Cに対して周期的に変化する交流成分となる電圧B、Dを加算もしくは減算した電圧値という意味である。ただし、交流成分となる電圧Bの±の符号と、交流成分となる電圧Dの±の符号は、相反の関係となっており、周期が180度ずれた互いに逆相の電圧となっている。
この状態で、左右振動子3、4のコリオリ力作用方向(駆動振動軸の垂直方向)に対して加速度を与える。加速度付与の手法としては、加振器などを使用する方法や重力加速度を利用する方法などがあるが、重力加速度を利用する方法を採用すると加速度付与の為の装置を備えなくても済み、かつ、常に一定の加速度を付与することが可能であるため、好ましい。
続いて、ジャイロセンサ1から角速度検知信号が出力され、角速度検知回路130からセンサ出力が出力されると、そのセンサ出力をモニタする。そして、センサ出力をモニタしながら左側振動子3に印加する駆動電圧と右側振動子4に印加する駆動電圧を変化させる。そして、センサ出力が最も小さくなるときの駆動電圧を検出する。例えば、駆動電圧(第1、第2電圧)における直流成分となる定電圧A、Cと交流成分となる電圧B、Dのいずれか一方もしくは双方を変化させることができるが、本実施形態では、定電圧A、Cを変化させる場合について説明する。
ここで、駆動電圧の変化のさせ方について説明する。調整のために駆動電圧(第1、第2電圧)を変化させる場合、変化させられる電圧範囲は決まっている。例えば、駆動電圧における直流成分となる定電圧A、Cを変化させる場合において、調整可能な電圧範囲が1〜9Vであり、ジャイロセンサ1の駆動電圧が5Vを中心値としている場合、調整のために例えば定電圧Aを5V→9V(5+4V)もしくは5V→1V(5−4V)にすることができる。
このため、第1電圧と第2電圧の少なくとも一方に関して、定電圧Aもしくは定電圧Cを5V→9Vもしくは5V→1Vに変化させる。このとき、定電圧Aのみ、または定電圧Cのみを変化させることで、駆動電圧を調整可能である。そして、さらに好ましくは、定電圧Aと同様に、定電圧Cに関しても定電圧Aと逆に変化させると良い。つまり定電圧Aを中心値に対して増加させるのであれば定電圧Cを中心値に対して減少させるように変化させるようにする。例えば、定電圧Aを5V→9Vとしたのであれば、定電圧Cを5V→1Vとする。このようにすれば、調整効果を2倍にすることが可能となるため、定電圧Aのみを変化させるよりも調整効果を向上させることが可能となる。
したがって、EPROM142の調整アドレス全体を等間隔で分割し、分割したそれぞれのアドレスを定電圧Aおよび定電圧Cの中心値からの変化量と対応づけておく。そして、アドレス順に定電圧Aおよび定電圧Cを中心値から変化させることで、分割したそれぞれのアドレスでのセンサ出力を計測する。例えば、EPROM142の調整アドレスが10bit(0〜255番)まである場合、アドレス全体を8点程度に分割し、その8点のアドレスでのセンサ出力を計測する。その結果、図5に示すような調整アドレス−センサ出力特性が得られる。なお、調整アドレス−センサ出力特性は、実験などによりほぼ直線関係になることが判っているため、調整アドレス順に則してセンサ出力が変化する。
続いて、このグラフからどのアドレスにすれば0点出力が狙い値になるかを算出する。すなわち、図5中に示したように、センサ出力が0となるセンサ0点出力の狙い値と調整アドレス−センサ出力特性を示す直線との交点に一番近いアドレスが、加速度が発生したとしても最もセンサ出力が0に近くなるアドレスとなる。このため、このアドレスでEPROM142への書き込みを行い記憶させる。
これにより、EPROM制御回路141にてEPROM142に記憶させたアドレスを読み出せば、ジャイロセンサ1に加速度が印加された場合に、その加速度の影響によるセンサ出力が最も小さくできる定電圧Aおよび定電圧Cの中心値からの変化量を求めることが可能となる。
なお、ここで示したように、定電圧Aおよび定電圧Cを共に調整する場合に、その変化量を同じとすれば、EPROM142に記憶させるアドレスを1つにすることが可能であるため、EPROM142の記憶容量を少なくすることも可能となる。
次に、本実施形態のジャイロセンサ1の駆動方法について説明する。
本実施形態のジャイロセンサ1は、駆動用の固定電極30が電気的に接続された駆動用パッド30cに対して所望の駆動電圧を印加することによって駆動される。具体的には、図2に示されるように、左側振動子3における4つの駆動用の固定電極30のうち紙面左半分側に位置する2つと、右側振動子4における4つの駆動用の固定電極40のうち紙面右半分側に位置する2つに対して、第1の電源5から第1電圧としてA±B[V]を印加する。また、左側振動子3における4つの駆動用の固定電極30のうち紙面右半分側に位置する2つと、右側振動子4における4つの駆動用の固定電極40のうち紙面左半分側に位置する2つに対して、第2の電源6から第2電圧としてC±D[V]の電圧を印加する。
このとき、第1、第2電圧における直流成分となる定電圧A、に関しては、EPROM制御回路141がEPROM142に記憶したアドレスを読み出して駆動電圧発生回路121に伝えているため、上述した加速度の影響を小さくできる中心値からの変化量を加味した値に設定される。
このような駆動電圧が駆動用パッド30c、40cに印加されると、駆動電圧の交流成分の周期的な変動に伴って、駆動用の固定電極30、40と可動電極31、41との間に形成される容量による静電引力が発生する。これにより、駆動梁37、47が撓み、錘部34、44と共に駆動用の可動電極31、41等が紙面左方向もしくは右方向に振動させられる。そして、駆動電圧の交流成分の周期変化に伴って錘部34、44と共に駆動用の可動電極31、41等が紙面左右方向に周期的に振動する。駆動電圧の交流成分が互いに逆相となっているため、左右の振動子は互いに逆方向へと振動する。
このとき、この周期的な振動に応じて振動検出用の固定電極32、42における櫛歯部32b、42bと可動電極32、42における櫛歯部32b、42bとのオーバラップ量が変動することから、これらによって形成される容量が変化する。この容量変化を固定電極32、42が接続された振動検出用のパッド32c、42cの電位から測定することで、周期的な振動の大きさをモニタリングすることが可能となる。このため、周期的な振動の大きさが所望の値となるように、周期的な振動の大きさに合わせて駆動電圧をフィードバック制御する。
この状態において、角速度が入力されると、コリオリ力が発生し、検出梁35、45の撓みにより、錘部34、44および角速度検出用の可動部38、48などが紙面上下方向に振動する。
これにより、角速度検出用の可動電極38、48に備えられた櫛歯部38b、48bと角速度検出用の固定電極37、47に備えられた櫛歯部37b、47bとの間の間隔が変化し、これらによって形成される容量が変化する。この容量の変化に伴って角速度検出用の固定電極37、47の電位が変化するため、この電位を測定することにより、角速度を検出することが可能となる。
続いて、本実施形態のジャイロセンサ1による効果について説明する。
本実施形態では、上述したように、第1電圧としてA±B[V]、第2電圧としてC±D[V]を採用し、これらのうち直流成分となる定電圧A、Cに関して、加速度が印加されたときのセンサ出力が最も小さくなる値を採用している。
このため、角速度検出時に加速度が印加されたとしても、その加速度による影響をできるだけ小さくすることが可能となる。これについて、図6を参照して説明する。
図6は、左右振動子3、4の振動軌跡の模式図を示したもので、図6(a)は、第1電圧と第2電圧の直流成分である定電圧A、Cを共に中心値(例えば5V)とした場合の振動軌跡、図6(b)は、第1電圧と第2電圧を本実施形態のようにした場合の振動軌跡を示している。
振動子の検出方向に加速度が加わっていなかったときから加速度が加わった状態になったとき、図6(a)に示されるように左右振動子3、4の変位量が揃う。
これは、ある任意の時間における検出方向、つまり紙面上下方向への加振力を調整することで、加速度が印加された際における可動部(錘部34、44や各可動電極等)の紙面上下方向への変位量を揃えることが可能となるためである。
すなわち、上述したように、各振動子3、4に発生する紙面上下方向への加振力は、次式で表される。
(数2)
加振力∝(駆動電極の重なり)/ギャップ・電位差2
そして、駆動電極に相当する駆動用の固定電極30および可動電極31における重なりとギャップが左右振動子3、4の出来映えのバラツキに起因するものである。このため、加振力を決定する3つ目のパラメータとなる電位差、つまり固定電極30および可動電極31の間の電位差を調整することで、左右振動子3、4の変位量が揃うように加振力をバランスさせられる。
したがって、加速度が印加された時、加速度が印加される前と左右振動子3、4の変位量が揃い、左右振動子3、4の容量変化の差動出力の変動が無くなる。このため、外部加速度出力を十分にキャンセルすることが可能となり、加速度に起因する出力が極力小さくなるように抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態のジャイロセンサ1によれば、外部加速度出力を十分にキャンセルすることが可能となり、加速度に起因する出力が極力小さくなるように抑制することができる。これにより、センサ精度を向上させることが可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、駆動電圧として第1、第2電圧における直流成分である定電圧A、Cのみを変化させる場合について説明したが、交流成分である電圧B、Dに関しても変化させることが可能である。すなわち、交流成分である電圧Bと電圧Dの少なくとも一方を変化させることで、調整を行うことができる。このとき、好ましくは、電圧Bと同様に、電圧Dに関しても電圧Bと逆に変化させると良い。このようにすれば、調整効果を2倍にすることが可能となるため、電圧B(または電圧D)のみを変化させるよりも調整効果を向上させるとともに、調整可能な範囲を広げることが可能となる。また、上記実施形態では駆動電圧が正弦波である場合について示しているが、矩形波としても良く、その場合には矩形波のデューティ比を変化させるという手法も用いることができる。
勿論、定電圧A、Cを変化させる手法と、電圧B、Dを変化させる手法と、矩形波のデューティ比を変化させる手法のすべて、もしくは、いずれか2つを組み合わせて行うことも可能である。組み合わせを行う場合、調整量の大きさが(1)定電圧A、Dを変化させる手法、(2)電圧B、Dを変化させる手法、(3)矩形波のデューティ比を変化させる手法の順番となるため、その順番に合せて粗調整、微調整を行うことが可能である。例えば、(1)、(2)の組み合わせとする場合には、まず(1)による調整にて粗調整を行い、続いて(2)による調整にて微調整を行うようにすると、素早い調整が行えると共に、より加速度による影響の少ない調整を行うことが可能となる。
上記実施形態で示したジャイロセンサ1の構造は、単なる一例であり、一般的に知られている他の構造などに本発明を適用しても良い。また、図1中において、各固定電極や各可動電極に備えられた櫛歯部の数は模式的なものであり、もちろん、図示された数に限られるものではない。
本発明の第1実施形態におけるジャイロセンサの模式図である。 図1に示すジャイロセンサにおける駆動電圧の印加の様子を示した模式図である。 図1に示すジャイロセンサのA−A断面図である。 センサ回路110のブロック構成を示した図である。 調整アドレス−センサ出力特性を示した図である。 左右振動子の振動軌跡の模式図を示したもので、(a)は、第1電圧と第2電圧とを同じもの(例えば、共にA±B[V])とした場合の振動軌跡を示した図、(b)は、第1電圧と第2電圧を異なるものとした場合の振動軌跡を示した図である。 左右振動子の出来映えのバラツキにより、駆動共振周波数に位相差を説明するための左右振動子の出力波形図である。 左右振動子における重心の運動イメージを示した模式図である。 左右振動子の出来映えのバラツキがあった場合の作動状態を示す模式図である。 左右振動子の振動軌跡の模式図である。
符号の説明
1…ジャイロセンサ、2…支持基板、3…左側振動子、4…右側振動子、30、40…駆動用の固定電極、31、41…駆動用の可動電極、32、42…振動検出用の固定電極、33、43…振動検出用の可動電極、34、44…錘部、35、45…検出梁、36、46…駆動梁、37、47…角速度検出用の固定電極、38、48…角速度検出用の可動電極、39、49…枠部39。

Claims (7)

  1. 支持基板(2)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に支持されるように形成され、前記支持基板(2)における基板面と水平方向に変位可能となっている駆動用の可動電極(31、41)と角速度検出用の可動電極(38、48)とを有する可動部(31、34、35、36、38、41、44、45、46、48)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に固定されて支持され、前記駆動用の可動電極(31、41)に対向する駆動用の固定電極(30、40)と、前記角速度検出用の可動電極(38、48)に対向する角速度検出用の固定電極(37、47)とを有する固定部(30、38、40、48)と、を備えた1対の左右振動子(3、4)を含み、
    前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)は共に、これら左右振動子(3、4)を構成する各構成要素が左半分と右半分とで対称となる左右対称構造で構成されており、
    前記左右振動子(3、4)それぞれにおける前記駆動用の固定電極(30、40)と前記駆動用の可動電極(31、41)との間に駆動電圧を印加することにより、前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)を前記支持基板(2)における前記基板面と水平な一方向に振動させると共に、
    前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)に対して角速度が印加されたときに、この角速度によって発生するコリオリ力によって前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44)を前記振動方向と垂直な一方向に振動させることで、前記角速度検出用の可動電極(38、48)および固定電極(37、47)との間に形成される容量を変化させ、この容量の変化に基づいて前記角速度に応じたセンサ出力を発生させるように構成された角速度センサであって、
    前記左側振動子(3)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第1電圧とすると、該第1電圧は、直流成分がA[V]で交流成分がB[V]となるA±B[V]の電圧であり、
    前記左側振動子(3)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第2電圧とすると、該第2電圧は、直流成分がC[V]で交流成分がD[V]となるC±D[V]の電圧であり、
    前記第1電圧における交流成分となるB[V]と前記第2電圧における交流成分となるD[V]とは、互いに逆位相となっており、さらに、
    a.前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とが逆位相で駆動するように、前記第1電圧の直流成分となるAと前記第2電圧の直流成分となるCとのうち少なくとも一方を変化させる、
    b.前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とが逆位相で駆動するように、前記第1電圧の交流成分となるBと前記第2電圧の交流成分となるDとのうち少なくとも一方を変化させる、
    c.前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とが逆位相で駆動するように、前記第1電圧および前記第2電圧が矩形波とされ該矩形波のデューティ比の中心値に対して前記第1電圧および前記第2電圧のデューティ比のうち少なくとも一方を変化させる、の少なくとも1つの調整が為されていると共に、
    a.前記第1電圧の直流成分となるAと前記第2電圧の直流成分となるCとは、前記第1、第2電圧の直流成分の中心値に対して逆方向に同じ変化量だけ変化させられている、
    b.前記第1電圧の交流成分となるBと前記第2電圧の交流成分となるDとは、前記第1、第2電圧の交流成分の中心値に対して逆方向に同じ変化量だけ変化させられている、
    c.前記第1電圧および前記第2電圧が矩形波とされ該矩形波のデューティ比の中心値に対して前記第1電圧および前記第2電圧のデューティ比が逆方向に同じ変化量だけ変化させられているの少なくとも1つの調整が為されていることを特徴とする角速度センサ。
  2. 前記変化量に対応するアドレスを記憶する記憶部(142)と、
    前記記憶部(142)に記憶されたアドレスを読み出すことにより、前記駆動用の固定電極(30)に対して、前記変化量分の調整を行った前記第1、第2電圧を印加させる記憶部制御回路(141)と、を備えていることを特徴とする請求項に記載の角速度センサ。
  3. 支持基板(2)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に支持されるように形成され、前記支持基板(2)における基板面と水平方向に変位可能となっている駆動用の可動電極(31、41)と角速度検出用の可動電極(38、48)とを有する可動部(31、34、35、36、38、41、44、45、46、48)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に固定されて支持され、前記駆動用の可動電極(31、41)に対向する駆動用の固定電極(30、40)と、前記角速度検出用の可動電極(38、48)に対向する角速度検出用の固定電極(37、47)とを有する固定部(30、38、40、48)と、を備えた1対の左右振動子(3、4)を含み、
    前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とを共に、これら左右振動子(3、4)を構成する各構成要素が左半分と右半分とで対称となる左右対称構造で構成されており、
    前記左右振動子(3、4)それぞれにおける前記駆動用の固定電極(30、40)と前記駆動用の可動電極(31、41)との間に駆動電圧を印加することにより、前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)を前記支持基板(2)における前記基板面と水平な一方向に振動させると共に、
    前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)に対して角速度が印加されたときに、この角速度によって発生するコリオリ力によって前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44)を前記振動方向と垂直な一方向に振動させることで、前記角速度検出用の可動電極(38、48)および固定電極(37、47)との間に形成される容量を変化させ、この容量の変化に基づいて前記角速度に応じたセンサ出力を発生する角速度センサの製造方法であって、
    前記左側振動子(3)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第1電圧として、該第1電圧を、直流成分がA[V]で交流成分がB[V]となるA±B[V]の電圧に設定すると共に、前記左側振動子(3)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第2電圧として、該第2電圧を、直流成分がC[V]で交流成分がD[V]となるC±D[V]の電圧に設定し、かつ、前記第1電圧における交流成分となるB[V]と前記第2電圧における交流成分となるD[V]とを互いに逆位相として、該第1、第2電圧を前記駆動用の固定電極(30)に印加することで前記左右振動子(3、4)を駆動させる駆動工程と、
    前記駆動工程を行っている状態で一定の加速度を印加しながら前記センサ出力のモニタを行うモニタ工程と、
    前記モニタ工程を行いながら、
    a.前記第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を予め決められた該直流成分の中心値に対して変化させる、
    b.前記第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を予め決められた該交流成分の中心値に対して変化させる、
    c.前記第1、第2電圧が矩形波とされる場合に前記第1電圧と前記第2電圧を構成する矩形波のデューティ比を少なくとも一方を予め設定された該デューティ比の中心値に対して変化させる、のうちの少なくとも1つを行う電圧変化工程と、
    前記モニタしている前記センサ出力が最も小さくなるときの変化量に関する情報を記憶部(142)に記憶させる記憶工程と、を含んでおり、
    前記電圧変化工程では、
    a.前記第1、第2電圧における直流成分となるAとCの双方を前記直流成分の中心値に対して互いに逆方向に同じ変化量分だけ変化させる、
    b.前記第1、第2電圧における交流成分となるBとDの双方を前記交流成分の中心値に対して互いに逆方向に同じ変化量分だけ変化させる、
    c.前記第1電圧と前記第2電圧を構成する矩形波の双方を前記デューティ比の中心値に対して互いに逆方向に同じ変化量分だけ変化させる、のいずれか1つを行うことを特徴とする角速度センサの製造方法。
  4. 支持基板(2)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に支持されるように形成され、前記支持基板(2)における基板面と水平方向に変位可能となっている駆動用の可動電極(31、41)と角速度検出用の可動電極(38、48)とを有する可動部(31、34、35、36、38、41、44、45、46、48)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に固定されて支持され、前記駆動用の可動電極(31、41)に対向する駆動用の固定電極(30、40)と、前記角速度検出用の可動電極(38、48)に対向する角速度検出用の固定電極(37、47)とを有する固定部(30、38、40、48)と、を備えた1対の左右振動子(3、4)を含み、
    前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とを共に、これら左右振動子(3、4)を構成する各構成要素が左半分と右半分とで対称となる左右対称構造で構成されており、
    前記左右振動子(3、4)それぞれにおける前記駆動用の固定電極(30、40)と前記駆動用の可動電極(31、41)との間に駆動電圧を印加することにより、前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)を前記支持基板(2)における前記基板面と水平な一方向に振動させると共に、
    前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)に対して角速度が印加されたときに、この角速度によって発生するコリオリ力によって前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44)を前記振動方向と垂直な一方向に振動させることで、前記角速度検出用の可動電極(38、48)および固定電極(37、47)との間に形成される容量を変化させ、この容量の変化に基づいて前記角速度に応じたセンサ出力を発生する角速度センサの製造方法であって、
    前記左側振動子(3)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第1電圧として、該第1電圧を、直流成分がA[V]で交流成分がB[V]となるA±B[V]の電圧に設定すると共に、前記左側振動子(3)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第2電圧として、該第2電圧を、直流成分がC[V]で交流成分がD[V]となるC±D[V]の電圧に設定し、かつ、前記第1電圧における交流成分となるB[V]と前記第2電圧における交流成分となるD[V]とを互いに逆位相として、該第1、第2電圧を前記駆動用の固定電極(30)に印加することで前記左右振動子(3、4)を駆動させる駆動工程と、
    前記駆動工程を行っている状態で一定の加速度を印加しながら前記センサ出力のモニタを行うモニタ工程と、
    前記モニタ工程を行いながら、
    a.前記第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を予め決められた該直流成分の中心値に対して変化させる、
    b.前記第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を予め決められた該交流成分の中心値に対して変化させる、
    c.前記第1、第2電圧が矩形波とされる場合に前記第1電圧と前記第2電圧を構成する矩形波のデューティ比を少なくとも一方を予め設定された該デューティ比の中心値に対して変化させる、のうちの少なくとも1つを行う電圧変化工程と、
    前記モニタしている前記センサ出力が最も小さくなるときの変化量に関する情報を記憶部(142)に記憶させる記憶工程と、を含んでおり、
    前記電圧変化工程では、前記第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を前記直流成分の中心値に対して変化させたのちに、前記第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を前記交流成分の中心値に対して変化させることを特徴とする角速度センサの製造方法。
  5. 支持基板(2)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に支持されるように形成され、前記支持基板(2)における基板面と水平方向に変位可能となっている駆動用の可動電極(31、41)と角速度検出用の可動電極(38、48)とを有する可動部(31、34、35、36、38、41、44、45、46、48)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に固定されて支持され、前記駆動用の可動電極(31、41)に対向する駆動用の固定電極(30、40)と、前記角速度検出用の可動電極(38、48)に対向する角速度検出用の固定電極(37、47)とを有する固定部(30、38、40、48)と、を備えた1対の左右振動子(3、4)を含み、
    前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とを共に、これら左右振動子(3、4)を構成する各構成要素が左半分と右半分とで対称となる左右対称構造で構成されており、
    前記左右振動子(3、4)それぞれにおける前記駆動用の固定電極(30、40)と前記駆動用の可動電極(31、41)との間に駆動電圧を印加することにより、前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)を前記支持基板(2)における前記基板面と水平な一方向に振動させると共に、
    前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)に対して角速度が印加されたときに、この角速度によって発生するコリオリ力によって前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44)を前記振動方向と垂直な一方向に振動させることで、前記角速度検出用の可動電極(38、48)および固定電極(37、47)との間に形成される容量を変化させ、この容量の変化に基づいて前記角速度に応じたセンサ出力を発生する角速度センサの製造方法であって、
    前記左側振動子(3)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第1電圧として、該第1電圧を、直流成分がA[V]で交流成分がB[V]となるA±B[V]の電圧に設定すると共に、前記左側振動子(3)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第2電圧として、該第2電圧を、直流成分がC[V]で交流成分がD[V]となるC±D[V]の電圧に設定し、かつ、前記第1電圧における交流成分となるB[V]と前記第2電圧における交流成分となるD[V]とを互いに逆位相として、該第1、第2電圧を前記駆動用の固定電極(30)に印加することで前記左右振動子(3、4)を駆動させる駆動工程と、
    前記駆動工程を行っている状態で一定の加速度を印加しながら前記センサ出力のモニタを行うモニタ工程と、
    前記モニタ工程を行いながら、
    a.前記第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を予め決められた該直流成分の中心値に対して変化させる、
    b.前記第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を予め決められた該交流成分の中心値に対して変化させる、
    c.前記第1、第2電圧が矩形波とされる場合に前記第1電圧と前記第2電圧を構成する矩形波のデューティ比を少なくとも一方を予め設定された該デューティ比の中心値に対して変化させる、のうちの少なくとも1つを行う電圧変化工程と、
    前記モニタしている前記センサ出力が最も小さくなるときの変化量に関する情報を記憶部(142)に記憶させる記憶工程と、を含んでおり、
    前記電圧変化工程では、前記第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を前記直流成分の中心値に対して変化させたのちに、前記第1電圧と前記第2電圧を構成する矩形波の少なくとも一方を前記デューティ比の中心値に対して変化させることを特徴とする角速度センサの製造方法。
  6. 支持基板(2)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に支持されるように形成され、前記支持基板(2)における基板面と水平方向に変位可能となっている駆動用の可動電極(31、41)と角速度検出用の可動電極(38、48)とを有する可動部(31、34、35、36、38、41、44、45、46、48)と、
    前記支持基板(2)上において、前記支持基板(2)に固定されて支持され、前記駆動用の可動電極(31、41)に対向する駆動用の固定電極(30、40)と、前記角速度検出用の可動電極(38、48)に対向する角速度検出用の固定電極(37、47)とを有する固定部(30、38、40、48)と、を備えた1対の左右振動子(3、4)を含み、
    前記左側振動子(3)と前記右側振動子(4)とを共に、これら左右振動子(3、4)を構成する各構成要素が左半分と右半分とで対称となる左右対称構造で構成されており、
    前記左右振動子(3、4)それぞれにおける前記駆動用の固定電極(30、40)と前記駆動用の可動電極(31、41)との間に駆動電圧を印加することにより、前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)を前記支持基板(2)における前記基板面と水平な一方向に振動させると共に、
    前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44、)に対して角速度が印加されたときに、この角速度によって発生するコリオリ力によって前記可動部の少なくとも一部(31、34、41、44)を前記振動方向と垂直な一方向に振動させることで、前記角速度検出用の可動電極(38、48)および固定電極(37、47)との間に形成される容量を変化させ、この容量の変化に基づいて前記角速度に応じたセンサ出力を発生する角速度センサの製造方法であって、
    前記左側振動子(3)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第1電圧として、該第1電圧を、直流成分がA[V]で交流成分がB[V]となるA±B[V]の電圧に設定すると共に、前記左側振動子(3)における右半分側に位置する前記駆動用の固定電極(30)に対して印加する前記駆動電圧と、前記右側振動子(4)における左半分側に位置する前記駆動用の固定電極(40)に対して印加する前記駆動電圧とを第2電圧として、該第2電圧を、直流成分がC[V]で交流成分がD[V]となるC±D[V]の電圧に設定し、かつ、前記第1電圧における交流成分となるB[V]と前記第2電圧における交流成分となるD[V]とを互いに逆位相として、該第1、第2電圧を前記駆動用の固定電極(30)に印加することで前記左右振動子(3、4)を駆動させる駆動工程と、
    前記駆動工程を行っている状態で一定の加速度を印加しながら前記センサ出力のモニタを行うモニタ工程と、
    前記モニタ工程を行いながら、
    a.前記第1、第2電圧における直流成分となるAとCの少なくとも一方を予め決められた該直流成分の中心値に対して変化させる、
    b.前記第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を予め決められた該交流成分の中心値に対して変化させる、
    c.前記第1、第2電圧が矩形波とされる場合に前記第1電圧と前記第2電圧を構成する矩形波のデューティ比を少なくとも一方を予め設定された該デューティ比の中心値に対して変化させる、のうちの少なくとも1つを行う電圧変化工程と、
    前記モニタしている前記センサ出力が最も小さくなるときの変化量に関する情報を記憶部(142)に記憶させる記憶工程と、を含んでおり、
    前記電圧変化工程では、前記第1、第2電圧における交流成分となるBとDの少なくとも一方を前記交流成分の中心値に対して変化させたのちに、前記第1電圧と前記第2電圧を構成する矩形波の少なくとも一方を前記デューティ比の中心値に対して変化させることを特徴とする角速度センサの製造方法。
  7. 前記記憶工程では、前記記憶部(142)に前記第1、第2電圧の変化量に対応するアドレスを記憶させ、前記第1、第2電圧を前記中心値に対して逆方向に同じ変化量分だけ変化させたときに、前記第1、第2電圧双方の変化量に対応する1つのアドレスを記憶することを特徴とする請求項に記載の角速度センサの製造方法。
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