JP3622738B2 - 地盤強化用薬液の注入工法 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は地盤強化用の薬液を地盤内に注入して固化させ、地盤を強化するための工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネルの掘削工事等において、特に軟弱な地盤(地山)にトンネルを掘削する工事等において、地盤中に薬液を注入して地盤の空隙内に充填し固化させることで地盤を固結させたり、或いは地盤に生じた大きな空洞内に薬液を充填して固化させることにより、地盤の強化を図ることが従来行われている。
【0003】
図8はその工法の一例を示している。
図示の例はトンネル掘削途中の先端面且つ外周に沿って薬液注入のための長孔を奥部に向って斜めに穿孔してそこに所定のケーシング管、ここでは鋼管200を挿入し、そこに車両202に搭載した注入機204を用いて薬液を注入して鋼管200内に薬液を充満させるとともに、鋼管200の周辺部の地盤内に鋼管200に設けた孔を通じて薬液を浸透させ、その固化によって地盤を固結し、トンネル形状に合せたルーフ206(図9参照)を形成して、その下側を奥部に掘り進んで行く場合の例である。
尚、長孔に挿入された鋼管200はそのままトンネル内に残置され、図9に示すように後においてコンクリートのトンネル壁208を形成することで隠蔽状態となる。
【0004】
この例は、薬液として2液型の発泡ポリウレタン薬液を用いる場合の例で、水ガラス等の第1薬液とイソシアネート等の第2薬液とを図8における第1薬液用の主タンク210-1,第2薬液用の主タンク210-2とにそれぞれ収容し、各内部の第1薬液,第2薬液を注入機204にて送り出し、それらを混合状態で上記鋼管200内部に挿入した吐出管に供給する。
吐出管に供給された混合薬液(発泡ポリウレタン薬液)は、吐出管の吐出孔より吐出して鋼管200内を充填し、更に鋼管200の孔から地盤内に浸出して地盤を固結強化する。
【0005】
この薬液の注入工法において、従来主タンク210-1,210-2としてそれぞれ容量100リットル程度のものが用いられており、この場合地盤への注入を行うと内部の薬液がすぐに消費されてしまう。
因みに長さ3m程度の鋼管200の場合、1回の注入量で用いる薬液の使用量は第1薬液,第2薬液合せた総量で約30kg程度である。
【0006】
このためこの工法にあっては第1薬液,第2薬液をそれぞれ約20kg入れた一斗缶212-1,212-2をそれぞれ40缶程度パレットに積んで現場まで運搬し、そして現場では作業員Aが1缶ずつ穴空けして一斗缶212-1,212-2を開封し、車両202にセットしてある主タンク210-1,210-2に内部の薬液を人力で頻繁に投入して補給することが必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの注入工法の場合、一斗缶212-1,212-2から主タンク210-1,210-2への薬液の補給作業を頻繁に行わなければならないことから、注入機204を操作する作業員Bの他に、薬液の補給を行う作業員Aがともに車両に張付きの状態となってしまう問題がある。
即ち薬液の補給を行う専用の作業員Aが、注入機204の操作を行う作業員Bの他に必要となり、コストがかかるとともに薬液の補給を自動化できないといった問題が生ずる。
【0008】
また空となった空缶が産業廃棄物としてトンネル掘削工事現場で多量に発生してしまい、多額の処理コストがかかるとともに環境への負荷も大きく、産業廃棄物の低減が急務な今日これが大きな問題となる。
また空となった空缶の中にも多少の残液があることがあり、その処理も問題となる。
【0009】
また発泡ポリウレタン薬液における上記イソシアネート等の第2薬液は危険物としての扱いを受けるものであって、上記のように一斗缶212-2から主タンク210-2への薬液の移し替えを頻繁に行うとなると、作業員Aがその危険物に触れる機会が多くなり、安全性の点で好ましくないのに加えて、場合により作業員Aがその薬液に対しアレルギー体質である場合もある。
【0010】
また主タンク210-1,210-2内部の薬液がすぐに消費されてしまうことから、それら主タンク210-1,210-2内部に常に適正な量で且つ適正な比率で薬液が補給されているか否かを常に監視していなければならず、それによる作業負担が大きいといった問題の外、工場から作業現場への一斗缶212-1,212-2を運搬する際、特に危険物である第2薬液を入れた一斗缶212-2を運搬する際の安全性も問題となる。
【0011】
こうした問題は鋼管200として長さが長く且つ太いものを用い、その内部に長さがそれぞれ異なる複数の吐出管を挿入して、それらから同時に薬液を吐出する多連注入式を採用した場合に特に大きな問題となる。
【0012】
この多連注入工法では、鋼管200として長さが例えば12m程度のものを用い、そこに長さの異なる複数本、例えば3本の吐出管を挿入し、各先端部の吐出孔から同時に薬液を吐出する。
この場合1回の薬液の吐出量は、例えば第1薬液及び第2薬液を合せた総量で略150kg程度となり、上記30kgの5倍量となる。
【0013】
この多連注入工法の場合、1回の薬液注入でトンネルの進行方向に長いルーフ206を形成することができ、従って工事の効率が高くなる一方で、作業員Aによる薬液の補給回数が著しく多くなり、作業員にかかる負担が大きくなるのに加えて、一定時間内の空缶の発生個数も多くなるなど上記の問題がより大きな問題となるのである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の地盤強化用薬液の注入工法はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、送液ポンプを含む注入機と地盤強化用薬液を内部に収容した主タンクとを車両に搭載し、該主タンク内の該薬液を該注入機により、地盤内に挿入した吐出管に供給して該吐出管の吐出孔より吐出し、該地盤の空隙若しくは空洞に注入充填し固化せしめて該地盤を強化する地盤強化用薬液の注入工法であって、前記薬液を収容する容器を有し且つ反復使用可能及び輸送可能に構成された薬液コンテナを前記主タンクとして前記車両に乗降可能に搭載して、該薬液コンテナ内の前記薬液を前記注入機により前記吐出管に供給するようになし、且つ該薬液コンテナから注入機への薬液の通路上に、コンテナ切換時の薬液切れ防止用の、該薬液コンテナより小容量の補助タンクを介挿し、該薬液コンテナから前記注入機への薬液の供給を該補助タンクを仲介して行うことを特徴とする。
【0015】
請求項のものは、請求項において、前記補助タンクは少なくとも1回の注入操作に必要な薬液量を収容可能な容量となしてあることを特徴とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】
上記のように本発明は、反復使用可能及び輸送可能に構成された薬液コンテナを車両に乗降可能に搭載し、これを主タンクとして内部の薬液を注入機により吐出管に供給し、その吐出管から地盤中に注入するようになしたものである。
【0017】
この薬液コンテナは上記の一斗缶に比べて大容量(例えば薬液1tを収容可能な容量)化できるものであり、従って本発明によれば図8に示す従来の注入工法において生じていた問題、即ち一斗缶を予め多数車両に積んでおいて、そこから主タンクに薬液の移替えを頻繁に行うといった問題を解消することができ、作業員にかかる負担を著しく軽減することができるとともに、トンネル掘削工事現場等において多量の空缶が産業廃棄物として発生するといった問題も解消することができる。
【0018】
また場合によって薬液の補給を行う専用の作業員を不要化することも可能となる。更に進んで薬液の供給を自動化することも可能となり、ひいては薬液の注入工事を自動化することも可能となり、また併せて産業廃棄物の処理コスト及び薬液の注入工事のコストを低減することが可能となる。
【0019】
その他、上記のように一斗缶を用いて薬液を主タンクに移し替えるといった必要をなくすことができるため、空となった一斗缶内に薬液が残ってその処理が問題になることも防げるし、更にまた作業員が頻繁に薬液を移し替えることを行わなくて良くなるため、薬液として危険物に指定されているものを用いる場合においても作業員がこれに触れる機会を殆どなくすことができる。
【0020】
また本発明の注入工法によれば、薬液コンテナ内部に工場等で薬液を充填し、これを工事現場に輸送してそのままこれを主タンクとして用いることができるため、運搬時の安全性の問題も解決でき、更にまた大容量の薬液コンテナを主タンクとして用い得ることから、作業員が注入作業中に常に第1薬液と第2薬液との薬液の残量を頻繁に監視作業するといったことも省略可能となり(薬液として第1薬液と第2薬液との2液型薬液を用いた場合)、この点でも作業員にかかる負担を軽減することができる。
【0021】
また例えば薬液が危険物扱いのものであったとしても、薬液コンテナを用いることで、即ち薬液コンテナを消防法の規定を満たす構造物とすることでこの規制を容易に満たすことができる。
【0022】
ここで上記薬液コンテナは、その容器を金属製で耐圧容器(例えば1.9kgf/cmG以上の耐圧)となしておくことができる。
またその容器は少なくとも容量が1000リットル以上の大容量のものとなしておくことができる。
【0023】
更に上記薬液コンテナは、容器を支持する支持フレームを備えたものとなしておくことができ、更にまた容器には内部の薬液を流出させる流出口を備えること、またその流出口を配管が接続可能なものとなしておくことができる。
またその流出口には、これを開閉するバルブを備えておくことができる。
尚このような薬液コンテナとして、本出願人等が提案している特願2002−064728に開示のものを用いることができる。
【0024】
本発明においては、薬液として第1薬液と第2薬液とから成る2液型の発泡ポリウレタン薬液を用いることができ、この場合において少なくとも一方の薬液を上記薬液コンテナから注入機により吐出管へと供給するようになすことができる。
【0025】
またこの薬液コンテナを車両に複数搭載しておき、先ず何れかの薬液コンテナから内部の薬液を供給し、そして内部が空となったところで他の薬液コンテナからの供給に切り換えるようになすことができる。
このようにすることで、より多量の薬液を途中で薬液の補給を行うことなしに注入機を通じて吐出管に継続して供給することが可能となる。
【0026】
尚、一の薬液コンテナから他の薬液コンテナに薬液の供給を切り換える際、これを手動で行っても良いし或いはまた自動で行うようにしても良い。
【0027】
本発明、薬液コンテナから注入機への薬液の通路上に小容量の補助タンクを介装し、その補助タンクを仲介して薬液コンテナから注入機への薬液供給をなすことを特徴としている
【0028】
例えばこのような補助タンクを仲介しないで薬液コンテナから直接注入機に薬液供給するようになすことも可能であるが、この場合、薬液コンテナが空となったときに注入機に空気が吸い込まれる恐れが生ずる。
而して注入機に空気が吸い込まれてしまうと、例えば上記2液型の発泡ポリウレタン薬液の場合、空気中の水分によって薬液の硬化が生じてしまう恐れがある。
【0029】
しかるに請求項に従って補助タンクを仲介して薬液コンテナから注入機に薬液供給するようにした場合、薬液コンテナが空となった時点でも、補助タンクから注入機に対し薬液供給がなされるため、空気がそのまま注入機に吸い込まれてしまうといった不都合を回避することができる。
【0030】
尚この補助タンクは少なくとも1回の注入操作に必要な薬液量を収容可能な容量となしておくことが望ましい(請求項)。
このようにしておけば、薬液コンテナが空となった後においても、少なくとも次の1回の注入操作を支障なく行うことができ、その間に新たな別の薬液コンテナから薬液を補助タンクに供給するようになすことで、注入操作を途切れることなく継続して行うことが可能となる。
【0031】
尚この補助タンクは、車両に同時に搭載してある複数の薬液コンテナの一方から他方に薬液供給を切り換えるに際して、薬液切れ防止用として用いることができる外、単一の薬液コンテナを車両に搭載しておき、その薬液コンテナが空となったときに別の薬液コンテナを車両に搭載して薬液供給を続ける場合においても、その際の薬液切れ防止用として用いることのできるものである
【0032】
【実施例】
次に本発明を、水ガラス系薬液(第1薬液)とイソシアネート薬液(第2薬液)との2液型の発泡ポリウレタン薬液を、地盤強化用薬液として注入する工法に適用した場合の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
【0033】
図4において、10は第2薬液を収容する薬液コンテナで、ステンレス製且つ耐圧性の容器11と、コーナの縦フレーム材12及び上下の横フレーム材14を有して容器11を支持する支持フレーム16及びガスボンベ20を有している。
ここで各コーナの縦フレーム材12の下部には円形の脚18が下向きに突設されている。
【0034】
ガスボンベ20は、導管22を通じ容器11内にガス圧を導いて内圧を与えるためのものである(但し本例ではこのガスボンベによる内圧の付加を省くことができる)。
24は容器11内に与える内圧を所定内圧とするためのレギュレータである。
【0035】
容器11には、その上部に薬液の供給口26と圧力ゲージ28とが設けられている。
また下部には内部の薬液を流出させる流出口30と、その流出口30を開閉するバルブ32が設けられており、その流出口30に対し後述の接続配管54が接続可能とされている。
尚容器11は1.9kgf/cmG以上の耐圧性を有している。
【0036】
図1において、34は薬液の注入設備を搭載した車両(トラック)で、第2薬液供給用の2個の上記の薬液コンテナ10と、第1薬液供給用のタンク36と、注入機38とを搭載している。
尚、本例において薬液コンテナ10は1tの第2薬液を収容する容量を有しており、またタンク36は第1薬液2000リットルを収容可能な容量を有している。
【0037】
尚タンク36には、内部の第1薬液を撹拌するための撹拌機40が設けられている。この撹拌機40は、撹拌部42とその駆動部44とを有している。
このタンク36からは吸込配管46が延び出していて、その先端部が注入機38に接続され、タンク36内の第1薬液がこの吸込配管46を通じて注入機38に送られるようになっている。
【0038】
図1及び図2において、48は車両34に搭載された漏洩防止槽で、図3に明らかに示しているように上面が開放された矩形の箱体状をなしている。
この漏洩防止槽48は、薬液コンテナ10から万一薬液が漏れたときにこれを受け入れて収容し、第2薬液が外部に流出するのを阻止するためのもので、上記薬液コンテナ10はこの漏洩防止槽48の上に載置されている。
本例においてこの漏洩防止槽48は、その内容量が約2200リットルとされている。
【0039】
図3に示しているように、この漏洩防止槽48の上面部には合計8つの円筒形状の受部50が設けてある。
上記2つの薬液コンテナ10は、脚18をこれら受部50に嵌め込む状態で、かかる漏洩防止槽48の上側に並んで載置されている。
【0040】
漏洩防止槽48の内部にはまた、薬液コンテナ10よりも小容量の補助タンク52が設置されている。
そしてこの補助タンク52と2つの薬液コンテナ10のそれぞれの流出口30とが、接続配管54にて互いに接続されている。
即ち各薬液コンテナ10内の第2薬液が、それら接続配管54を通じて補助タンク52へと供給されるようになっている。
【0041】
但し何れか一方の薬液コンテナ10から補助タンク52に第2薬液が供給されているときには、他の薬液コンテナ10におけるバルブ32が閉とされ、何れか一方の薬液コンテナ10から択一的に内部の第2薬液が補助タンク52へと供給される。
【0042】
尚この補助タンク52は、少なくとも1回の注入に必要な量の薬液を収容可能な容量で構成されている。
この補助タンク52からはまた、別の接続配管56が漏洩防止槽48内部において延び出しており、その先端が漏洩防止槽48外側において吸込配管58に接続され、補助タンク52からの第2薬液が、この接続配管56及び吸込配管58を通じて注入機38へと送られるようになっている。
【0043】
尚接続配管56と吸込配管58との接続部には緊急遮断弁60が設けられている。
この緊急遮断弁60は、万一薬液コンテナ10からの第2薬液の漏洩があったときに緊急閉弁させて薬液供給を遮断するものである。
【0044】
図2に示しているように、補助タンク52からは液面管62が垂直上向きに延び出しており、補助タンク52と接続状態にある薬液コンテナ10内部の第2薬液の液面が、液面管62に表れるようになしてある。
この液面管62は支柱66に固定されていて、支柱66により支持されている。
【0045】
液面管62には一対の薬液コンテナ10の底部よりも下側の位置において薬液量検知手段としての液面検知センサ64が設けられており、液面管62内の液面が下降して液面検知センサ64の位置に到ったとき、かかる液面検知センサ64にてこれが検知されるようになっている。
即ち薬液コンテナ10内の薬液が空となったときに液面検知センサ64にて検知されるようになっている。
【0046】
而して液面検知センサ64によって補助タンク52と接続状態にある薬液コンテナ10が空となったことが検知されると、即ち現在注入機38に対して薬液を供給している薬液コンテナ10が空になったことが検知されると、制御部の制御の下にアラーム68から警報が発せられ、作業員に対し現在薬液供給中の薬液コンテナ10が空になったことが告知される。
【0047】
従って作業員はその警報によって第2薬液の供給を、一方の薬液コンテナ10から他方の薬液コンテナ10へと切り換えることができる。
尚その際の切換えは、空となった方の薬液コンテナ10のバルブ32を閉じ、今一方の薬液コンテナ10のバルブ32を開くことによって行う。
【0048】
尚図2において70は液面管62,液面検知センサ64,アラーム68,液面検知センサ64の検知に基づいてアラーム68を作動させる制御部等を含む薬液管理ユニット(薬液管理手段)を表している。
【0049】
上記注入機38は、図5に示しているように第1ポンプユニット72-1,第2ポンプユニット72-2,第3ポンプユニット72-3と、それらを共通に制御する制御盤74とを有している。
【0050】
図6に拡大して示しているように、第1ポンプユニット72-1は、第1薬液を供給する第1ポンプ部76-1と、第2薬液を供給する第2ポンプ部78-1とを有している。
これら第1ポンプ部76-1と第2ポンプ部78-1とは共通の駆動モータ80に作動的に連結されていて、この駆動モータ80によりそれら第1ポンプ部76-1と第2ポンプ部78-1とが作動及び作動停止させられる。
【0051】
他の第2ポンプユニット72-2,第3ポンプユニット72-3も基本的に第1ポンプユニット72-1と同様の構成となっている。
そして第1,第2及び第3ポンプユニット72-1,72-2,72-3のそれぞれの第1ポンプ部76-1,76-2,76-3には、第1薬液を収容するタンク36から延び出した吸込配管46が接続され、また各ポンプユニット72-1,72-2,72-3の第2ポンプ部78-1,78-2,78-3のそれぞれには、第2薬液用の吸込配管58がそれぞれ接続されている。
【0052】
更に第1ポンプ部76-1,76-2,76-3の吐出口には吐出配管82がそれぞれ接続され、また第2ポンプ部78-1,78-2,78-3の吐出口には吐出配管84がそれぞれ接続されており、それら吐出配管82と84とが一対となって、後述する吐出部ユニット85に接続されている。
【0053】
尚各ポンプユニット72-1,72-2,72-3には、第1ポンプ部76-1,76-2,76-3の吐出口近傍位置において、吐出配管82上に圧力センサ86と積算流量計88とが設けられている。
ここで圧力センサ86は吐出配管82の圧力を検知するものであり、また積算流量計88は送り出した薬液の積算流量を検知するものである。
【0054】
図5に示しているように、吐出部ユニット85では第1薬液と第2薬液とを混合し、その混合液(発泡ポリウレタン薬液)を地盤Gに穿った長孔90内に注入する。
図7にも示しているように、吐出部ユニット85は地盤Gの長孔90内に挿入されるケーシング管としての鋼管92を有している。
【0055】
この鋼管92には30mm程度のピッチで孔が形成されており(図示省略)、それらの孔を通じて発泡ポリウレタン薬液を地盤G中に注入する。
尚本例において鋼管92は長さ12mのもので、この鋼管92の内部を充満させるための薬液量は約150kgである。
【0056】
この吐出部ユニット85は、前述の各ポンプユニット72-1,72-2,72-3に対応した3つの合流部94と、それら合流部94に接続された3本の吐出管96-1,96-2,96-3と、各吐出管96-1,96-2,96-3を周方向に120°ずつ隔てた位置に保持する長手形状の中心部材98とを更に有している。
【0057】
ここで各吐出管96-1,96-2,96-3の先端部には、それぞれ吐出孔100が設けてある。
尚それぞれの吐出孔100の手前には静止ミキサが装着されており、この静止ミキサにより第1薬液と第2薬液とが混合される。
【0058】
これら吐出管96-1,96-2,96-3はそれぞれ長さが異なっており、図5に示してあるように1番長さの長い吐出管96-1は地盤Gの長孔90の奥側(図5中No.1改良ゾーン)に、また2番目の長さの吐出管96-2は長孔90内の中間部(図5中No.2改良ゾーン)に、そして1番長さの短い吐出管96-3は長孔90内の入口側(図5中No.3改良ゾーン辺り)に、各ポンプユニット72-1,72-2,72-3からの発泡ポリウレタン薬液を吐出しそこに注入する。
【0059】
また中心部材98には、図7(A)に示しているように周方向3箇所に軸心方向に沿って延びる凹部102が形成されており、その凹部102に沿わせて3本の吐出管96-1,96-2,96-3を同時に鋼管92内に挿入するようになっている。
【0060】
尚、図6に示しているように制御盤74には圧力異常が生じたときに警報を発するアラーム104が備えてある。
このアラーム104は、例えば薬液コンテナ10からの薬液漏れが生じて注入機38の側に設定量で第2薬液が吸い込まれないとき、圧力センサ86の検知に基づいて警報を発する。
【0061】
本例の薬液の注入工法にあっては、工場で薬液コンテナ10内部に第2薬液を充填し、これを車両34に載せてトンネル掘削工事等の薬液注入現場まで輸送する。
或いは工場で第2薬液を充填した薬液コンテナ10を単独で工事現場まで輸送し、そこにおいて車両34上に薬液コンテナ10を搭載する。
【0062】
そして車両34に搭載したタンク36及び薬液コンテナ10の何れか一方を主タンクとして、そこから第1薬液,第2薬液を注入機38により図5の吐出部ユニット85に供給し、そこから吐出させて地盤G中に注入する。
このとき、何れか一方の薬液コンテナ10からの第2薬液は補助タンク52を仲介して注入機38に供給される。
【0063】
この薬液コンテナ10は一斗缶50缶分の容量を有しており、従って同一の薬液コンテナ10を用いて多数回の注入操作が可能である。
そしてトンネル掘削工事を行う中で薬液供給をしている側の薬液コンテナ10が空となったとき、液面検知センサ64による検知に基づいてアラーム68から警報が発せられる。
【0064】
これにより作業員は薬液コンテナ10の内部が空になったことを知ることができ、そこで薬液供給をしている側の薬液コンテナ10のバルブ32を閉じ、そして今一方の薬液コンテナ10の側のバルブ32を開くことで、薬液供給を空となった薬液コンテナ10の側から他方の満タン状態にある薬液コンテナ10の側に切り換えることができる。
【0065】
またその切換えに際して、一方の薬液コンテナ10が空となった場合であっても、第2薬液の供給は補助タンク52を仲介して行われるため、注入機38が空気を吸い込んでしまうといった不都合は生じない。
即ち一方の薬液コンテナ10から他方の薬液コンテナ10への切換えをトラブルなく円滑に行うことができる。
【0066】
かかる本例の薬液の注入工法においては、反復使用可能及び輸送可能な大容量の薬液コンテナ10を車両に乗降可能に搭載してこれを主タンクとして用いるため、薬液の注入作業に際して第2薬液の移替えを頻繁に行うといった従来の問題を解消することができ、作業員にかかる負担を著しく軽減することができるとともに、トンネル掘削工事現場等において多量の空缶が産業廃棄物として発生する問題も解消することができる。
【0067】
また場合によって薬液の補給を行う専用の作業員を不要化することも可能となる。
更に進んで薬液の供給を自動化することが可能となり、ひいては薬液の注入工事を自動化することも可能となり、併せて産業廃棄物の処理コスト及び薬液の注入工事のコストを低減することができる。
【0068】
また従来と異なって一斗缶を用いて危険物扱いされる第2薬液を主タンクに移し替える必要がなくなるため、空となった一斗缶内に薬液が残ってその処理が問題になることがなくなるのに加えて、作業員が頻繁に薬液を移し替える際に危険物に触れる恐れがある問題もなくすことができる。
また主タンクとして用いる薬液コンテナ10は反復使用可能且つ輸送可能に構成されたものであり、運搬時の安全性の問題も解決することができる。
【0069】
またその薬液コンテナ10は一斗缶50缶分の大容量のものであるため、従来の100リットル程度の主タンクを用いる場合と異なって作業員が注入作業中、常に第1薬液と第2薬液との薬液の残量を頻繁に監視作業するといったことを省略でき、この点でも作業員にかかる負担を軽減することができる。
【0070】
また本例では、液面検知センサ64を含む薬液管理ユニット70が車両34に搭載してあるため、その薬液管理ユニット70におけるアラーム68からの警報によって、作業員は常時薬液コンテナ10内部の液面を監視していなくても、薬液コンテナ10内部が空となったときにこれを知ることができ、そしてその警報に基づいてコンテナ切換作業を行うことができる。
また場合によって作業員による切換えではなく、自動的に切換えをなすようにすることもできる。
【0071】
また本例では薬液コンテナ10の下側に大容量の漏洩防止槽48が設置してあるため、万一薬液コンテナ10、例えばバルブ32等の部分からの第2薬液の漏出があったとしても、漏洩防止槽48でこれを受けて、その第2薬液が外部に流出するのを確実に阻止することができる。
【0072】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上例では発泡ポリウレタン薬液における第1薬液として危険物扱いとされないものを用いており、このため本実施例ではその主タンクとして薬液コンテナ10を用いていないが、第1薬液として危険物扱いされるようなものを用いる場合に、その主タンクとして薬液コンテナ10を用いることも可能である。
また場合によって危険物扱いされないような薬液を供給するに際しても、上記のような薬液コンテナ10を主タンクとして用いることもできる。
【0073】
また本発明は上例以外の他の様々な組成の第1薬液,第2薬液を用いた発泡ポリウレタン薬液を注入するに際し適用することも可能であるし、或いはまた地盤強化用の薬液として発泡ポリウレタン薬液以外の様々な薬液を注入するに際しても適用可能である。
【0074】
また地盤の空隙に薬液を注入しこれを固結することによって地盤強化をなす場合のみならず、地盤に生じた大きな空洞部に薬液を注入充填し、これを固化させることによって地盤強化をなす場合に際しても本発明の適用が可能である。
【0075】
また上例では2つの薬液コンテナ10を用い、コンテナ切換えによって薬液供給を継続するようにしているが、場合によって1つの薬液コンテナ10のみを車両34に搭載しておいてこれを主タンクとして用い、そしてその薬液コンテナ10が空となったときに別の新たな薬液コンテナ10を車両34上の薬液コンテナ10と取り替えて、以後の薬液注入を継続するようになすことも可能である。
その他本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いる薬液注入設備を示す図である。
【図2】同実施例における薬液コンテナとその周辺部を示す図である。
【図3】同実施例における漏洩防止槽と周辺部を示す図である。
【図4】同実施例における薬液コンテナの構成を示す図である。
【図5】同実施例におけるポンプユニットと制御部を示す図である。
【図6】図5のポンプユニットと制御部を拡大して示す図である。
【図7】図5における吐出部ユニットを拡大して示す図である。
【図8】従来の薬液の注入工法の一例を示す説明図である。
【図9】同注入工法によって地盤固結層を形成する例を示す図である。
【符号の説明】
10 薬液コンテナ
11 容器
34 車両
38 注入機
48 漏洩防止槽
52 補助タンク
64 液面検知センサ(薬液量検知手段)
68 アラーム(告知手段)
70 薬液管理ユニット(薬液管理手段)
96-1,96-2,96-3 吐出管
100 吐出孔
G 地盤

Claims (2)

  1. 送液ポンプを含む注入機と地盤強化用薬液を内部に収容した主タンクとを車両に搭載し、該主タンク内の該薬液を該注入機により、地盤内に挿入した吐出管に供給して該吐出管の吐出孔より吐出し、該地盤の空隙若しくは空洞に注入充填し固化せしめて該地盤を強化する地盤強化用薬液の注入工法であって、
    前記薬液を収容する容器を有し且つ反復使用可能及び輸送可能に構成された薬液コンテナを前記主タンクとして前記車両に乗降可能に搭載して、該薬液コンテナ内の前記薬液を前記注入機により前記吐出管に供給するようになし、且つ該薬液コンテナから注入機への薬液の通路上に、コンテナ切換時の薬液切れ防止用の、該薬液コンテナより小容量の補助タンクを介挿し、該薬液コンテナから前記注入機への薬液の供給を該補助タンクを仲介して行うことを特徴とする地盤強化用薬液の注入工法。
  2. 請求項において、前記補助タンクは少なくとも1回の注入操作に必要な薬液量を収容可能な容量となしてあることを特徴とする地盤強化用薬液の注入工法。
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