JP4041383B2 - 地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置 - Google Patents

地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置 Download PDF

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削工事において、地山などを固結・補強するための薬液注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トンネルなどの掘削工事において、地山などの地盤を固結・補強する方法として、ウレタン薬液注入方法が知られている。この方法では、図2に示すように、注入ポンプP11およびP12に配管接続された容量50〜200リットル程度のA液容器12およびB液容器13を用いる。トンネル坑内にて、作業員が18リットル石油缶14および15から、A液容器12にはウレタン樹脂A液を、B液容器13にはウレタン樹脂B液を、人力にて投入する。A液容器12には、硬化剤、水ガラス溶液、微粉体および補強剤などを添加することもできる。注入ポンプを駆動して、A液容器12およびB液容器13の薬液を送液し、ミキサーを通って混合された薬液がボルトなどを介して地山などに注入され、地山の間隙や節理内に侵入して固結強化する。このようなウレタン薬液注入方法は、たとえば特許文献1に開示されている。
【0003】
この従来の薬液注入方法においては、ウレタン薬液を注入ポンプに配管接続した容器に移し変えたのちの空の18リットル石油缶を、屑鉄または産業廃棄物として処理していた。そのための空缶回収作業および使用数量確認のための検収作業などが煩雑であり、さらに空缶の廃棄処理費用もかかっていた。そこで、薬液の搬入数量確認、注入設備および薬液のトラックへの積載、坑内への移動と注入作業の実施、注入作業後の設備および空缶のかたづけと坑外への移動、注入作業後の薬液使用数量検収作業、そして使用後の薬液廃缶処理までを含めた一連のウレタン薬液注入システムについて、総合的な改善が求められていた。
【0004】
また、従来は、ウレタン薬液の包材として市販の容量18リットルの石油缶を使用し、注入ポンプに配管・接続した容量50〜200リットル程度の金属製容器(図2の例では、A液容器12およびB液容器13)に入れ替えて注入作業を実施しており、注入作業時に必要数量分のウレタン薬液をトンネル坑内作業員が容量18リットル石油缶を開封し持ち上げ、薬液自重により自由落下させて、容量50〜200リットル程度の金属製容器にウレタン薬液を一缶ずつ移し変えていた。注入量はトンネルの規模や地山の土質などの条件により種々異なるが、注入作業一回につき通常約0.75〜1.5トン程度使用し、多い場合には一度に2トン以上使用する場合もあり、ウレタン薬液の移し変えが非常に重労働であった。さらに、容量18リットル石油缶から容量50〜200リットル程度の金属製容器にウレタン薬液を一缶ずつ移し変える作業工程が必要であり、開封および移し変え作業時にウレタン薬液がこぼれたり、液が飛び跳ねたりする場合があるため、坑内設備がウレタン薬液で汚れたり、坑内作業者に薬液が付着する恐れがあり、衛生面および作業環境面で改善が要求されていた。
【0005】
また、従来は、注入作業中、ウレタン薬液を簡易の蓋が付いただけの容器(図2の例では、A液容器12およびB液容器13)に入れていた。そのため、開封前は製造工場にて薬液を缶に充填する際にチッ素ガスを封入してあるため、劣化の危険性はないが、開封後は雰囲気中の水分あるいは工事の際に使用するセメントなどの粉塵に常時曝されて、これらが接触および混入することにより、ウレタン薬液の品質が劣化する恐れが懸念されていた。
【0006】
そこで、あらかじめ工場などで合成樹脂製の可搬容器に薬液を封入してコンテナーとし、これを現場プラントに持ち込んで薬液注入を行なう方法が、たとえば特許文献2に開示されている。特許文献2では、薬液1800リットルを合成樹脂製の可搬容器に入れてコンテナーとし、これらを現場プラントに持ち込み注入タンクに取り付け、圧縮空気を利用して地盤中に注入している。また、可搬容器と注入タンクとのセットを2組用意し、作業を中止することなく連続して薬液注入を行なうようにする方法が開示されている。
【0007】
しかしながら、この方法では、薬液の容器として、大容量の容器を用いているため、可搬容器から注入タンクへの薬液の移送時、薬液の注入作業中、および保管中などに、薬液の内容量を目視あるいは持ち上げて把握することが困難であるため、可搬容器あるいは注入タンク内の薬液量を容易に確認することができないことから、液量管理に不具合を生じていた。
【0008】
また、工場などで可搬容器に薬液を封入して現場プラントに持ち込んでいるため、薬液が注入作業の途中で少量だけ不足した場合に、可搬容器をもう1つ工場から持ち込む必要があり、迅速かつ柔軟な対応ができなかった。
【0009】
さらに、一般的に工場や倉庫では、コンテナーおよびドラム缶、石油缶などを積んだパレットなどの移動用にフォークリフトを使用しているが、通常トンネル工事現場では地面が整地されていない場所においても作業する必要があるため、フォークリフトは使用できず、クレーンで吊り上げて移動している。一般に市販されている大容量コンテナー(可搬容器)はフォークリフトで移動することを前提として作製されているため、トンネル工事現場では移動させることができず、使用できなかった。
【0010】
ところで、トンネル坑内は通常作業スペースが狭いため、注入作業設備やウレタン薬液を配置するスペースをできるだけコンパクトにすることが必要であり、また注入作業前後は、ほかの工事作業および重機やトラックの移動を妨げないように速やかに移動可能であることが求められる。さらに注入作業工程に要する時間も可能な限り短縮し、トンネル掘削工事全体の進捗を効率化することが望まれている。しかし、トンネル坑内で石油缶からの移し変えをおこなう従来のやり方では、ウレタン薬液を人力で移し変え、また使用後空缶を片付ける作業および使用薬液数量を確認する検収作業に手間、スペースおよび時間を要していたため、工事全体の効率化の妨げとなっていた。
【0011】
そこで、トンネル坑内外に速やかに移動できるように、搬送機構を備えた装置が開発されている。たとえば、特許文献3に開示の装置は、搬送機構によってトンネル坑内外を移動する坑内製造部を有しており、トンネル坑外の坑外製造部で製造した粉体材料および液体材料を、坑内製造部の粉体材料収容部および液体材料収容部に収容し、トンネル坑内へと移動するようになっている。そして、トンネル坑内にて粉体材料と液体材料を混合してグラウト材を製造し、圧送ポンプによってトンネル壁面に充填する。しかしながら、この装置では、粉体材料および液体材料を製造するための大型で複雑な製造設備を坑外に設置する必要があり、また、坑内においては粉体と液体を混合するための装置を使用する必要があるなど、設備に多大の費用を要し、さらに作業工程が多く繁雑であるため、工程管理や作業効率の面で問題がある。
【0012】
【特許文献1】
特開平5−5394号公報
【特許文献2】
特開昭54−82807号公報
【特許文献3】
特開2001−32698号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、作業効率を向上させることのできるトンネル掘削用の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の装置は、注入ポンプを使用してウレタン薬液を地盤に注入する地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置に関し、注入ポンプ、ウレタン薬液を入れる耐圧性能を有するメインタンク、およびウレタン薬液を入れるサブタンクからなり、サブタンクがメインタンクに配管接続され、メインタンクが注入ポンプに配管接続されている地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置であって、前記メインタンクに、開閉可能なバルブの付いた開口部と、通気口および安全弁が設けられ、かつ前記メインタンクの内部気相に乾燥空気あるいはチッ素ガスが封入されてなることを特徴とする地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置に関する。
【0015】
また、本発明の第2の装置は、注入ポンプを使用してウレタン薬液を地盤に注入する地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置に関し、注入ポンプ、ウレタン薬液を入れる耐圧性能を有するメインタンク、およびウレタン薬液を入れるサブタンクからなり、メインタンクが注入ポンプに配管接続され、サブタンクがメインタンクを介することなく注入ポンプに配管接続されている地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置であって、前記メインタンクに、開閉可能なバルブの付いた開口部と、通気口および安全弁が設けられ、かつ前記メインタンクの内部気相に乾燥空気あるいはチッ素ガスが封入されてなることを特徴とする地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置に関する。
【0016】
本発明の第3の装置は、前記第1または第2の装置に関し、メインタンクの容量が500リットル以上であり、サブタンクの容量が300リットル以下である地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置に関する。
【0018】
また、本発明の第5の装置は、前記第1〜第4の装置に関し、メインタンクがメインタンク上部とメインタンク下部とを接続する透明または半透明のルッキングチューブを有し、該ルッキングチューブ内のウレタン薬液液面高さによってメインタンク内のウレタン薬液量が観察可能である装置に関する。
【0019】
さらに、本発明の第6の装置は、前記第1〜第5の装置に関し、メインタンクが吊り上げ用のフックを備えている装置に関する。
【0020】
また、本発明の第7の装置は、前記第1〜第6の装置に関し、注入ポンプ、メインタンクおよびサブタンクを自走車両に搭載した装置に関する。
【0021】
さらに、本発明の第8の装置は、前記第1〜第7の装置に関し、さらにウレタン薬液を前記メインタンクに移すための容量500リットル以上の輸送用タンクを有し、該輸送用タンクがメインタンクに着脱自在に配管接続される装置に関する。
【0022】
本発明の第9の装置は、前記第8の装置に関し、輸送用タンクからメインタンクへのウレタン薬液の移送が、乾燥空気もしくはチッ素ガスによる加圧移送、送液ポンプによる移送、または薬液自重による自由落下移送、あるいはこれらの組み合わせによって行なわれる装置に関する。
【0023】
また、本発明の第10の装置は、前記第8または第9の装置に関し、輸送用タンクが金属製の耐圧容器であって、タンク内気相に乾燥空気またはチッ素ガスを封入することが可能であり、かつ気体導入口および安全弁を有し、該気体導入口からの乾燥空気またはチッ素ガスの供給によりウレタン薬液をメインタンクへと加圧移送することが可能である装置に関する。
【0024】
本発明の第11の装置は、前記第8〜第10の装置に関し、輸送用タンクが吊り上げ用のフックを備えている装置に関する。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のウレタン薬液注入装置は、図1に示すように、注入ポンプP1およびP2、注入ポンプに配管接続されたメインタンク3および4、ならびに、メインタンクと併設して該注入ポンプに配管接続されたサブタンク5および6を備える。このように、メインタンクとサブタンクの両方からウレタン薬液を注入ポンプに送液できる構造であるため、メインタンクの薬液が不足した場合に、サブタンクから送液することが可能である。メインタンクには、注入作業前に、脱着可能な配管設備を設けて輸送タンク9および10から配管を通してメインタンクに薬液を移送することができる。
【0026】
注入ポンプとしては、たとえば電動モーターで駆動する小型ギアポンプやピストンポンプなどが用いられる。
【0027】
メインタンクは、ウレタン薬液の容器として、輸送用タンクとは別に準備する必要がある。ウレタン薬液を移し替えずに輸送用タンクをそのままメインタンクとして使用した場合、注入作業中および坑内移動中にタンクが汚れたり、あるいは水分やセメントなどの粉塵および異物がタンク内に混入する可能性があるため、輸送用タンクをウレタン薬液の運搬用包材として再利用できなくなることが懸念される。
【0028】
前記メインタンクとしては、通常市販されている液体用金属製コンテナーを用いることができる。ウレタン薬液が消防法上の非危険物に分類される場合は、材質がプラスチック製である市販のコンテナーを使用することもできる。
【0029】
メインタンクの容量としては、500〜5000リットル、好ましくは500〜3000リットル、より好ましくは500〜1500リットルのものを好適に使用することができる。容量が500リットル未満の場合は、1個あたりの内容量が少ないために、輸送用タンクからウレタン薬液を移送する回数が多くなり、手間と時間を要すため、効率がわるい。容量が5000リットルをこえる場合は、薬液が充填されたコンテナーの質量が大きくなり、また容積も大きくなり、トンネル坑内外の機動性がわるくなる。
【0030】
前記輸送用タンクとしては、通常市販されている液体用金属製コンテナーで、一般的に使用される乾燥空気あるいはチッ素ガスボンベの圧縮気体により、ウレタン薬液を加圧移送可能な耐圧性能を有するものを用いることができる。ウレタン薬液が消防法上の非危険物に分類される場合は、材質がプラスチック製である市販のコンテナーを使用することもできる。ただし、この場合は耐圧性能が低いため、輸送用タンクからメインタンクへウレタン薬液を移送する方法としては、着脱可能な配管を接続して乾燥空気およびチッ素ガスによる加圧移送ができないことから、一般に使用される送液ポンプを用いて前記配管を通じて移送することが好ましい。
【0031】
輸送用タンクの容量としては、500〜5000リットル、好ましくは500〜3000リットル、より好ましくは500〜1500リットルのものを好適に使用することができる。容量が500リットル未満の場合は、1個あたりの内容量が少ないためにメインタンクへウレタン薬液を移送するコンテナーの個数が多くなり、手間と時間を要すため、効率がわるい。容量が5000リットルをこえる場合は、薬液が充填されたコンテナーの質量が重くなり、また容積も大きくなり、移動および保管場所確保が困難となるため好ましくない。
【0032】
前記輸送用タンクおよびメインタンクとしては、さらに、材質がステンレス鋼材などの金属製で、耐圧性能を有し、開閉可能なバルブの付いた開口部、通気口および安全弁を設置し、内部気相に乾燥空気あるいはチッ素ガスを封入可能であり、一般に使用されている乾燥空気あるいはチッ素ガスボンベの圧縮気体によりウレタン薬液を加圧移送可能な大容量コンテナーを用いることが好ましい。ここで、耐圧性能を有するとは、20kPaの水圧試験で漏れや変形を生じないことを言う。加圧移送用に乾燥空気あるいはチッ素ガスを使用すると、輸送用タンクおよびメインタンク内におけるウレタン薬液、とくにポリイソシアネート成分の水分混入による劣化は考慮する必要がない。また、安全弁を装着しているため、万一輸送用タンクおよびメインタンク内の圧力が過剰にかかった場合においても、安全弁からガスが抜けて破裂する心配はない。
【0033】
また、前記輸送用タンクおよびメインタンクには、図1に示すように、フック部7を3箇所以上取り付けることが好ましい。フック部を3箇所以上取り付けることにより、たとえば、ワイヤーを利用し、通常の玉掛け方法で安定してクレーンで吊り上げ、移動および吊り下げ式質量計量器にて質量計測を行なうことができる。これにより、使用薬液数量の検収作業についても効率化が図れる。
【0034】
通常、ウレタン薬液メインタンクが金属製で大容量の場合、輸送用タンクからメインタンクへ薬液を移送する際、および注入作業中および保管中に、ウレタン薬液の内容量を目視あるいは持ち上げて把握することが困難であるため、メインタンク内の薬液量を容易に確認することができないことから液量管理に不具合を生じる。そこで、金属製メインタンク内のウレタン薬液容量が把握できるように、図1に示すように、メインタンク下部と上部に薬液通液可能な開口部を設け、この開口部同士を透明および/または半透明材質のチューブで接続することによって、タンク内液面とチューブ内液面をほぼ一致するようにルッキングチューブ8を設置した金属製メインタンクを用いることにより、メインタンク内の薬液量を容易に確認することができ、液量管理が可能となる。
【0035】
前記サブタンクとしては、プラスチック製や金属製、直方体や円筒形など、さまざまな材質・形状のタンクが適用可能であるが、たとえば材質はステンレスで、形状は直方体であり、上面に開閉できるふたを有し、底部に排液口および制御バルブを有した容器が用いられる。
【0036】
前記メインタンクあるいは輸送用タンクと同様、サブタンクを耐圧性能を有する金属製の容器とし、乾燥空気やチッ素ガスを供給するためのバルブを設けてもよい。バルブから乾燥空気またはチッ素ガスを供給し、ウレタン薬液をメインタンクまたは送油ポンプへと加圧移送することにより、効率のよい移送が可能になり、またウレタン薬液への水分混入を防止することができる。さらに、サブタンクに安全弁を設けておけば、過度の圧力上昇によるポンプ、配管、タンクなどの損傷や破裂による事故を防ぐことができる。
【0037】
前記サブタンクの容量としては、300リットル以下、好ましくは50〜250リットルの小容量容器が用いられる。容量が300リットル以下であれば、作業スペースを過度に占有することなく、薬液を一時的に貯留しておくのに必要な容量が確保できる。300リットルをこえると占有するスペースが広くなるため、ほかの作業スペースがその分狭くなり、効率が悪くなる傾向がある。
【0038】
従来、基本的に輸送用タンクからメインタンクへのウレタン薬液移送作業は、ある程度スペースの確保できる坑外で行なうため、ウレタン薬液の容器の容量を単に従来より大きくしただけでは、ウレタン薬液が注入作業の途中で少量だけ不足した場合においても、一旦注入作業を中断して坑外に出てからウレタン薬液を補充して、再度坑内に戻って作業を再開する必要があり、かなりの時間と手間を要していた。しかし、サブタンクを併設しておくことにより、仮にメインタンクの薬液が少量不足した場合においても、不足分だけの薬液を従来の18L石油缶からサブタンクへ補充し、作業を中断せず施工継続が可能となる。
【0039】
注入ポンプ、メインタンクおよびサブタンクを接続する配管、ならびに、注入作業前にメインタンクを輸送用タンクと接続するための配管としては、たとえば、両端部に接続用アダプターを装着した、一般に送液ホースとして使用されているフレキシブルホースが用いられる。
【0040】
前記注入ポンプ、メインタンクおよびサブタンクなどのウレタン薬液注入設備一式は、一台の自走車両に搭載可能あるいは搭載してあると好ましく、たとえば市販の4トン積載可能トラックの荷台に設置可能あるいは設置してあると好ましい。トンネル坑内は通常作業スペースが狭いため、注入作業設備やウレタン薬液を配置するスペースをできるだけコンパクトにすることが必要であり、また、注入作業前後はほかの工事作業および重機やトラックの移動を妨げないように速やかに移動可能であることが求められる。さらに注入作業工程に要する時間も可能な限り短縮し、トンネル掘削工事全体の進捗を効率化することが望まれている。従来は、ウレタン薬液を人力で移し変え、また空缶を片付ける作業に手間、スペースおよび時間を要していたため、作業効率がわるかったが、ウレタン薬液注入設備一式を一台の市販の4トン積載可能トラックの荷台に同時に設置可能とし、注入作業前後にトンネル坑内外へ速やかに移動し得る注入システムの合理化をはかることにより、トンネル掘削工事全体の時間短縮および作業効率向上が可能となる。
【0041】
本発明において、輸送用タンクからメインタンクへのウレタン薬液の移送は、注入作業前にトンネル坑外にて行ない、乾燥空気もしくはチッ素ガスによる加圧移送、送液ポンプによる移送、および、薬液自重による自由落下による移送からなる群より選ばれた少なくとも1つの移送手段を利用することができる。加圧移送は、10kPa〜200kPa、好ましくは30kPa〜60kPaの乾燥空気またはチッ素ガスを導入して行なうことができる。10kPa未満では、圧力が低いため移送に長い時間を要する傾向があり、200kPaをこえると、タンク内に高い圧力がかかり、タンクが変形したり、配管接続部がはずれる危険性を伴なう傾向がある。送液ポンプによる移送は、10kPa〜200kPaの移送圧力で行なうことが好ましい。10kPa未満では移送に長い時間を要する傾向があり、200kPaをこえると配管接続部に負荷がかかり、はずれる危険性を伴なう傾向がある。
【0042】
本発明の装置を用いて、メインタンクおよびサブタンク内のウレタン薬液を注入ポンプによって送液し、地山などにボルトを介して注入固結させる方法としては、とくに限定はなく、公知の方法を採用し得る。その一例をあげれば、たとえば、後述するA成分およびB成分の注入量、圧力、配合比などをコントロールし得る比較配合式ポンプを用い、A成分とB成分とを別々の容器に入れ、岩盤などの所定箇所(たとえば0.3〜3メートル程度の間隔で穿設された複数個数の孔)に、あらかじめ固定されたスタチックミキサーや逆止弁などを内装した有孔のロックボルトや注入ロッドを通し、この中に前記タンク内の各成分を注入圧0.05〜5MPaで注入し、スタチックミキサーを通して、所定量のA成分とB成分を均一に混合させ、所定の不安定岩盤ないし地盤箇所に注入浸透、硬化させて固結安定化する方法などがある。
【0043】
ウレタン薬液としては、とくに限定はなく公知の方法で製造された通常2成分からなるウレタン注入材を使用することができる。本用途に使用されるウレタン注入材としては、一般にウレタン系注入材とシリカレジン系注入材があり、組成的には、前者は、ポリエーテルポリオールを主成分としたA成分とポリイソシアネートを主成分としたB成分から構成されている。後者は、無機物で消防法上の非危険物に分類されるケイ酸ナトリウム水溶液を主成分としたA成分とポリイソシアネートを主成分としたB成分から構成されている。そのため、後者をウレタン薬液として採用する場合は、A成分の輸送用タンクおよびメインタンクとしてプラスチック製のコンテナーを使用することもできる。また、本用途に使用されるウレタン薬液のA成分とB成分との混合比は、A/B=1/0.5〜3(質量比)程度が一般的である。
【0044】
なお、ここでは、メインタンクとサブタンクとが共に注入ポンプへと接続された図1の構成について説明したが、サブタンクがメインタンクへと配管接続され、メインタンクが注入ポンプへと接続されていてももちろんよい。この場合、サブタンクの薬剤はメインタンクを介して注入ポンプへと移送されることになる。また、図1の例では、メインタンクとサブタンクが1台の注入ポンプに接続されているが、メインタンクとサブタンクにそれぞれ専用の注入ポンプを設けるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明の第1の装置および第2の装置によれば、サブタンクを併設することによって、注入作業効率が向上する。
【0046】
本発明の第3の装置によれば、効率よくウレタン注入を行なうことができ、かつ過度に坑内作業用スペースを占有することがない。
【0047】
本発明の第4の装置によれば、密閉系でのウレタン薬液移送が可能であり、坑内作業環境の改善、ウレタン薬液移送によるウレタン薬液の品質劣化抑制を図ることができる。
【0048】
本発明の第5の装置によれば、メインタンクにルッキングチューブを設置することによって、メインタンク内のウレタン薬液容量の管理が可能となる。
【0049】
本発明の第6の装置によれば、フックの設置によって、メインタンクの吊り上げ移動および薬液の質量管理が可能となる。
【0050】
本発明の第7の装置によれば、注入設備一式のコンパクト配置および機動性確保によって、掘削工事全体の作業効率を向上させることができる。
【0051】
本発明の第8の装置によれば、輸送用タンクのウレタン薬液をメインタンクに移し、空になった輸送用タンクをリサイクル(再使用)して、空容器廃棄処理費用の減少を図ることができ、さらに、ウレタン薬液使用数量の検収作業の効率向上を図ることができる。
【0052】
本発明の第9の装置によれば、加圧移送、送液ポンプによる移送または薬液自重による自由落下移送を利用することによって、薬液移送作業効率が向上する。
【0053】
本発明の第10の装置によれば、密閉系でのウレタン薬液移送が可能であり、坑内作業環境の改善、ウレタン薬液移送によるウレタン薬液の品質劣化抑制を図ることができる。
【0054】
本発明の第11の装置によれば、フック部設置によって、輸送用タンクの吊り上げ移動および薬液の質量管理が可能となる。
【0055】
以上のように、本発明によれば、大容量コンテナーを薬液の輸送用タンクおよびメインタンクとして利用し、さらに輸送用タンクを回収し、薬液輸送用容器として再利用可能にすることによって、薬液の搬入・数量確認から、注入設備および薬液を機動性を有したトラックの荷台へ設置し、坑内へ移動して注入作業を実施し、作業後に設備をかたづけて坑外へ移動し、注入作業後の薬液使用数量検収作業、および使用後の薬液包材処理などまでを含めたウレタン薬液注入システムの総合的な改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウレタン薬液注入装置の模式図である。
【図2】従来のウレタン薬液注入装置の模式図である。
【符号の説明】
1、2 ウレタン薬液注入装置
3 A液メインタンク
4 B液メインタンク
5 A液サブタンク
6 B液サブタンク
7 フック部
8 ルッキングチューブ
9 A液輸送用タンク
10 B液輸送用タンク
11、16 制御バルブ
12 A液容器
13 B液容器
14、15 石油缶、
P1、P2、P11、P12 注入ポンプ
A 移送
B 人力投入
C 注入

Claims (10)

  1. 注入ポンプを使用してウレタン薬液を地盤に注入する地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置であって、
    注入ポンプ、ウレタン薬液を入れる耐圧性能を有するメインタンク、およびウレタン薬液を入れるサブタンクからなり、
    サブタンクがメインタンクに配管接続され、メインタンクが注入ポンプに配管接続される地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置であって、
    前記メインタンクに、開閉可能なバルブの付いた開口部と、通気口および安全弁が設けられ、かつ前記メインタンクの内部気相に乾燥空気あるいはチッ素ガスが封入されてなる
    ことを特徴とする地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置
  2. 注入ポンプを使用してウレタン薬液を地盤に注入する地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置であって、
    注入ポンプ、ウレタン薬液を入れる耐圧性能を有するメインタンク、およびウレタン薬液を入れるサブタンクからなり、
    メインタンクが注入ポンプに配管接続され、サブタンクがメインタンクを介することなく注入ポンプに配管接続される地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置であって、
    前記メインタンクに、開閉可能なバルブの付いた開口部と、通気口および安全弁が設けられ、かつ前記メインタンクの内部気相に乾燥空気あるいはチッ素ガスが封入されてなる
    ことを特徴とする地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置
  3. 前記メインタンクの容量が500リットル以上であり、前記サブタンクの容量が300リットル以下である請求項1または2記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
  4. 前記メインタンクが、メインタンク上部とメインタンク下部とを接続する透明または半透明のルッキングチューブを有し、該ルッキングチューブ内のウレタン薬液液面高さによってメインタンク内のウレタン薬液量が観察可能な請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
  5. 前記メインタンクが、吊り上げ用のフックを備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
  6. 前記注入ポンプ、メインタンクおよびサブタンクを自走車両に搭載してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
  7. さらに、ウレタン薬液を前記メインタンクに移すための容量500リットル以上の輸送用タンクを有し、該輸送用タンクがメインタンクに着脱自在に配管接続される請求項1〜6のいずれか1項に記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
  8. 輸送用タンクからメインタンクへのウレタン薬液の移送が、乾燥空気もしくはチッ素ガスによる加圧移送、送液ポンプによる移送、または薬液自重による自由落下移送、あるいはこれらの組み合わせによって行なわれる請求項記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
  9. 前記輸送用タンクが、金属製の耐圧容器であって、タンク内気相に乾燥空気またはチッ素ガスを封入することが可能であり、かつ気体導入口および安全弁を有し、該気体導入口からの乾燥空気またはチッ素ガスの供給によりウレタン薬液をメインタンクへと加圧移送することが可能である請求項または記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
  10. 前記輸送用タンクが、吊り上げ用のフックを備えている請求項7〜9のいずれか1項に記載の地盤安定強化用ウレタン薬液注入装置。
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