JP4725200B2 - 均一染色性に優れた分割型複合繊維およびその製造方法 - Google Patents

均一染色性に優れた分割型複合繊維およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、均一染色性に優れた分割型複合繊維およびその製造方法に関する。更に詳しくは、ソフト性、易分割性、低温染色性に優れ、天然繊維との複合加工が可能な分割型複合繊維、および、該複合繊維の製造に際して糸切れが少なく、工程的に安定した製糸性が得られる製造方法に関する。
複数成分から成る分割型複合繊維を減量し、極細繊維を得る方法は広く知られている。しかし、その多くはポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)系ポリマーを用いた複合繊維であって、該複合繊維を減量して得られる極細繊維は100℃を超える高温での染色を必要とするため、天然繊維と複合して染色した場合、天然繊維成分が過度に収縮したり、天然繊維が傷み、品位、強度ともに劣るものしか得られなかった。逆に、天然繊維に適したマイルドな100℃以下の低温で染色すると、PET成分の染色が不足し、十分な発色性は得られなかった。更にはPET繊維自体のヤング率が高いために分割して極細繊維としても、ソフト性が不十分であったり、風合いが堅い等の欠点があった。
これに対し、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸の低級アルキルエステルと、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)を重縮合させて得られるポリトリメチレンテレフタレート(以下、3GTと称する)は、100℃以下の低温で染色が可能であり、PETやポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと称する)に比べて低ヤング率であることから、近年、大きな注目を集めている。
3GTの極細繊維に関しては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合PETと3GTの海島複合繊維をアルカリ減量する技術が開示されているが(特許文献1参照)、こうしたアルカリ易溶出性の共重合PETは、3GTよりも融点が高いので、次のような問題がある。すなわち、3GTは耐熱性が低いポリマーであり、3GTの融点以上の温度条件下では容易に熱分解で劣化することから、特許文献1のような共重合系PETと複合紡糸した場合、劣化により強度の低い複合繊維しか得られず、製糸性においても糸切れが多発し、生産性に劣ることが明らかとなった。更に、このように共重合PETを減量成分として用いた分割型複合繊維は、分割に際して酸処理を必要とするため、酸に弱い天然繊維との複合が困難であった。
一方、減量分解される成分として生分解可能なポリ乳酸(以下、PLAと称する)を用い、分割型複合繊維とする技術については、PLAとPET、あるいはPLAとイソフタル酸共重合PETとの複合繊維(特許文献2参照)や、PLAとPBTの複合繊維(特許文献3参照)が技術開示されているが、3GTを用いた場合については明らかにされておらず、前述のとおりPETやPBTを用いた極細繊維では、低温染色性、ソフト性が不足し、天然繊維と複合しても、十分な染色性やソフト性は得られない。
ここで、3GTやPLAを構成成分とする複合繊維について言及する。3GTやPLAは、PETに比べてガラス転移温度が低いポリマーであり、PETよりも低い温度から熱結晶化が始まる。このため、従来技術のような相手成分にPETを用いた分割型複合繊維では、延伸前の糸条予熱工程において各成分の適正温度に差が生じる。このため、PETに適した温度で予熱すると、3GTやPLAの成分の熱結晶化が過度に進行し、それに伴う複合繊維の伸長が起こるため走行状態が不安定となり、繊維長手の品質ばらつきが増大したり、糸揺れによる糸切れが増加する。逆に、3GTやPLAに適した温度で予熱すると、PET成分の予熱が不足するために延伸不良による繊度斑や、延伸張力過多による糸切れが増え、本発明が目的とするような均一染色性に優れた繊維を得ることはできない。更には、熱結晶化による結晶構造の固定が不十分であると、製品巻取後にポリマー分子構造の再配列に伴う収縮(以下、遅延収縮と称する)が大きくなり、経時的にパッケージの内層/外層およびトラバースの中央/端面とで遅延収縮率に差が生じて原糸の品質バラツキを生じ易い。このため、製品として出荷後、高次加工を経て布帛とした際、染色斑、布帛品位の低下を引き起こし、本発明が目的とする均一な染色性を得ることは困難であった。
特開2001−89940号公報(実施例) 特開平11−302926号公報(請求項) 特開平8−35121号公報(請求項)
本発明は、均一染色性に優れた分割型複合繊維およびその製造方法を提供することにあり。更に詳しくは、ソフト性、易分割性、低温染色性に優れ、天然繊維との複合加工が可能な分割型複合繊維および、該複合繊維の製造に際して、糸切れが少なく工程的に安定した製糸性が得られる製造方法を提供するものである。
本発明の課題は、以下の(1)〜(4)により達成できる。
(1)ポリ乳酸を主成分とするポリエステルAと、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルBとからなる分割型複合繊維であって、以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とする分割型複合繊維。
(A)ポリエステルA:ポリエステルBの複合重量比が15:85〜80:20
(B)複合繊維の長手繊度変動率が5%以下
(C)複合繊維の長手湿熱収縮変動率が5%以下
(2)ポリ乳酸を主成分とするポリエステルAと、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルBとからなる分割型複合繊維を溶融押出して冷却固化した後、糸条を一旦巻き取ることなく、連続して延伸し巻取る直接紡糸延伸法による製造に際して、以下の(D)〜(F)の要件を満足することを特徴とする、請求項1記載の分割型複合繊維の製造方法。
(D)ポリエステルA:ポリエステルBの複合重量比が15:85〜80:20
(E)延伸〜巻取の間に90℃〜180℃にて熱セットする
(F)分割型複合繊維の口金からの吐出線速度V(m/分)、第1ロールの周速度V(m/分)、ポリエステルAの複合重量比R、ポリエステルBの複合重量比R、延伸倍率をE(倍)とが、次式(a)を満足する
200≦(V/V)×E≦200+1400×{R/(R+R)} ・・・(a)
(3)単孔吐出量M(g/分)、口金吐出孔の周長L(mm)が次式(b)を満足することを特徴とする、(2)記載の分割型複合繊維の製造方法。
M≦1.4L−0.4 ・・・(b)
(4)第1ロール以前で交絡を付与するとともに、第1ロールが糸条進行方向に対して、漸次2〜7%の割合で直径が大きくなるテーパーロールであることを特徴とする、(2)、(3)のいずれかに記載の分割型複合繊維の製造方法
本発明により、従来技術では成し得なかった均一染色性に優れた分割型複合繊維およびその製造方法を提供することができる。更に詳しくは、ソフト性、易分割性、低温染色性に優れ、天然繊維との複合加工が可能な分割型複合繊維および、該複合繊維の製造に際して、糸切れが少なく工程的に安定した製糸性が得られる製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の分割型複合繊維について説明する。該複合繊維はPLAを主成分とするポリエステルAと、3GTを主成分とするポリエステルBとからなり、ポリエステルAによってポリエステルBが複数のセグメントに分割された分割型複合繊維であり、図1、図2に示すような海島型複合繊維や割繊型複合繊維が例として挙げられる。分割数や繊度に特に規定はなく、対象となる最終製品や生産性を考慮して設定できる。
複合繊維の一方の成分であるポリエステルAは、PLAを主成分とするポリエステルであり、アルカリ処理により溶出される成分である。ポリエステルAにPLAを用いることにより、紡糸温度を低く設定することができ、ポリエステルB(3GT)の熱劣化を最小限に抑制することができる。更には、3GTとPLAは製糸工程における張力、収縮挙動が類似するため、複合紡糸に際して極めて良好な工程安定性が得られる。また、従来の有機金属塩を共重合したPETとは異なり、減量に際して酸処理工程を必要としないため、酸に弱い天然繊維との複合を可能とし、酸性溶媒の排出もないことから環境負荷を低減できると同時に、溶出工程の短縮化が図れる。
ここで、本発明で用いるPLAとは、90モル%以上が-(O-CHCH-CO)n-を繰り返し単位とするポリマーであり、乳酸やそのオリゴマーを重合したものをいう。ただし、10モル%以下の範囲で共重合成分や多官能性化合物などを添加してもよい。共重合成分としては、生物学的に生分解され易い脂肪族化合物、例えばエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールなどのジオールや、コハク酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸、ピバロラクトン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンが好ましい。多官能性化合物としてはグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などを反応させ、ポリマー中に適度な分岐や、弱い架橋を形成したものも利用できる。更には、繊維の摩擦抵抗を低減し工程通過性を高めるべく、酸化チタンなどの無機粒子を添加しても良い。
乳酸にはD−乳酸とL−乳酸の2種類の光学異性体が存在するため、その重合体もD体のみからなるポリ(D−乳酸)とL体のみからなるポリ(L−乳酸)および両者からなるポリ乳酸がある。ポリ乳酸中のD−乳酸、あるいはL−乳酸の光学純度は、低くなるとともに結晶性が低下し、融点降下が大きくなる。そのため、耐熱性を高めるために光学純度は90%以上であることが好ましい。より好ましい光学純度は93%以上、さらに好ましい光学純度は97%以上である。なお、光学純度は前記したように融点と強い相関が認められ、光学純度90%程度で融点が約150℃、光学純度93%で融点が約160℃、光学純度97%で融点が約170℃となる。また、上記のように2種類の光学異性体が単純に混合している系とは別に、前記2種類の光学異性体をブレンドして繊維に成型した後、140℃以上の高温熱処理を施してラセミ結晶を形成させたステレオコンプレックスにすると、融点を飛躍的に高めることができ、より好ましい。
他方の成分であるポリエステルBは、3GTを主成分とするポリマーであり、アルカリ減量処理後に極細繊維を構成する成分である。本発明において、ポリエステルBを3GTとすることにより、従来のPETやPBTの極細繊維では得られなかった、ソフト性と低温染色性を得ることができ、天然繊維と複合した際に、天然繊維が傷まない100℃以下での染色で十分な発色性を得ることができる。本発明で用いる3GTとは、90モル%以上がトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位からなる3GTであり、ここで言う3GTとはテレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、10モル%以下の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、たとえばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一方、グリコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、艶消剤として、二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤として、ヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
本発明における3GTの好ましい極限粘度は、0.7〜2.0であり、極限粘度が0.7以上とすることで充分な強度と伸度を兼ね備えた繊維を製造することが容易となる。より好ましい極限粘度は0.8以上である。また、極限粘度を2.0以下とすることで、生産安定性が良好となる。より好ましい極限粘度は1.5以下である。
均一染色性に優れた繊維を得る上で、ポリエステルA(PLA)とポリエステルB(3GT)の複合重量比は15:85〜80:20の範囲である必要があり、より好ましい範囲は20:80〜50:50である。ポリエステルAの複合重量比を15%以上とすることにより、相手成分であるポリエステルBとの複合異常を回避でき、繊維の長手方向で均一な繊維径および収縮特性を得ることが可能となる上、ポリエステルAの溶融後の配管通過時間を短縮できることから、熱分解によるポリマー劣化を抑制でき、製糸性の向上が可能となる。ポリエステルAの複合重量比を20%以上とすると、より安定した複合形態が得られるようになり、長手の収縮変動が小さく、製糸性に優れた製品が得られる。一方、ポリエステルAの複合重量比が80%を超える範囲となると、相手成分であるポリエステルBの吐出量が低下するため、ポリエステルBに起因した複合異常が発生する。これにより、繊維の長手方向で繊維径および収縮特性のばらつきが増大し、本発明の目的である均一染色性に優れた繊維は得られない。加えて、ポリエステルBの溶融後の配管通過時間が長くなるために、ポリマーの熱分解が進行して糸切れが増加する。
ここで、ポリエステルAは、減量により除去される成分であるため、減量による製品量損失を軽減して生産効率を高く維持するためには、ポリエステルAの複合重量比を50%以下とするのが好ましい。また、上記の分割型複合繊維において、優れた分割性を得るには、ポリエステルAが少なくとも繊維表面の一部を占めるよう配置するのが好ましい。ポリエステルAを繊維表面に露出させることにより、減量剤がポリエステルAに直接作用するため、露出させない場合と比べて、よりマイルドな減量条件で、より短時間で効率的に分割することが可能であり、天然繊維と複合した場合、天然繊維へのダメージを抑制することが可能となる。
次に、本発明の分割型複合繊維の物性について述べる。
本発明の複合繊維において、均一染色性に優れた製品を得るためには、複合繊維の長手方向において、繊度変動率を5%以下かつ、湿熱収縮変動率を5%以下とする必要がある。繊度変動率が5%を超える繊維では繊度斑に起因した染色斑が発生し、布帛とした場合にヨコ斑やタテ筋といった欠点が発生する。また、湿熱収縮変動率が5%を超える繊維では、繊維の長手方向での収縮ばらつきが大きいため、布帛形成後の染色工程において収縮度合いに斑が生る。このため織編地の組織密度に斑が生じ、組織密度の密/疎に起因した色調の濃淡斑が生じる。よって、繊度変動率、湿熱収縮変動率の両者が前述の要件を満たさないと、染色性の均一な布帛を得ることができない。より好ましい繊度変動率は3%以下、湿熱収縮変動率は3%以下である。
次いで、本発明の分割型複合繊維の好ましい製造方法について説明する。
本発明の複合繊維は、公知のいずれの溶融紡糸方法においても製造可能であるが、繊維長手方向での品質安定性、生産安定性を考慮すると、直接紡糸延伸法(以下、DSD法と称する)による生産が最も優れている。本発明の複合繊維をDSD法により製造するにあたっては、前述の通り、ポリエステルA:ポリエステルBの重量複合比を15:85〜20:80に設定する必要がある。また、長手での湿熱収縮変動率が5%以下の複合繊維を安定的に得るためには、口金より紡糸された糸条は、延伸〜巻取の間に90℃〜180℃にて熱セットされる必要があり、より好ましくは110℃〜170℃の範囲が良い。熱セット温度が90℃未満では、繊維を構成するポリマーの結晶構造固定が不十分であり、製品巻取後も経時で物性が変化したり、巻締りが進行するため、長手方向で物性が不均一となり、目的とする湿熱収縮変動率が5%以下の製品は得られない。逆に180℃を超える温度では、湿熱収縮変動率は良好となるものの、ポリエステルA(PLA)の融点に近づくために、フィラメント同士が融着し、毛羽やタルミが発生するため、製品として品質の劣るものになるほか、製糸の際にロール上での糸条の走行状態が不安定となって糸切れが増加する。また、繊度変動率、湿熱収縮変動率が良好な繊維を工程安定的に得るためには、分割型複合繊維の口金からの吐出線速度V(m/分)、第1ロールの周速度V(m/分)、ポリエステルAの複合重量比R、ポリエステルBの複合重量比R、延伸倍率をE(倍)とが、次式(a)を満足する必要がある。本発明でいう吐出線速度V(m/分)とは、口金吐出孔1個あたりから単位時間に吐出されるポリマーの体積(m/分)を吐出孔の断面積(m)で割り返した値であり、第1ロールの周速度V(m/分)とは、糸条と第1ロールが初めて接する部分の周速度を指す。
200≦(V/V)×E≦200+1400×{R/(R+R)} ・・・(a)
式(a)を満たす範囲を図4に斜線領域で示す。本発明の分割型複合繊維において紡糸/延伸における製糸応力は、ポリマー融点の高いポリエステルB(3GT)側に集中する。このため、V/V(以下、ドラフト倍率と称す)と延伸倍率Eの積算値が、200+1400×{R/(R+R)}を超える範囲となると、総合的な引伸し倍率がポリエステルBの許容引伸し倍率を超えるため、毛羽や糸切れが増加する。仮に製糸できたとしてもポリエステルBの結晶構造が不安定となるために、均一な染色性を得ることは困難となる。また、(V/V)×Eが200未満となる領域では、引伸し倍率が不足するために、繊維中に非晶質部分が多く存在しており、経時的に物性が変化したり、製品巻取後も巻締りが進行したりするため、本発明の目的とする繊維は得られない。ここで、延伸倍率Eは第1ロールと第2ロールの周速度の比であり、第1ロールと第2ロールの間で大きな速度差を設けた場合は延伸糸(FOY)が得られ、該ロール間で小さな速度差を設けた場合は部分延伸糸(POY)が得られる。最終巻取速度は目的とするFOY/POYの製品形態に合わせて、2500〜5000m/分の範囲で任意に設定可能である。
本発明の繊維を工程安定的に得る上で、単孔吐出量M(g/分)、口金吐出孔の周長L(mm)は次式(b)を満足する範囲に設定するとするのが好ましい。本発明でいう単孔吐出量M(g/分)とは、口金吐出孔1個あたりから単位時間(分)に吐出されるポリマーの重量(g)を指す。
M≦1.4L−0.4 ・・・(b)
式(b)を満たす範囲を図5に斜線領域で示す。式(b)を満たす範囲に設定すると、重合触媒や添加物等の汚れが、口金吐出孔周囲への析出する速度を抑制でき、口金の清掃周期を延長することができる。逆に単孔吐出量Mが式(b)の右辺を超える領域となると、口金汚れ析出速度が速くなるため、経時的にポリマーの吐出状態が不安定となったり、繊維長手での繊度変動が増大したりするため、品質を維持するために短いサイクルでの口金清掃が必要となる。
また、より安定的に目的の繊維を得るには、第1ロール以前で交絡を付与するとともに、第1ロールに糸条進行方向に対して、漸次2〜7%の割合で直径が大きくなるテーパーロールを用いることが好ましい。第1ロール前で交絡を付与することにより、糸条を構成するフィラメントの収束性が向上するため、ロール上でのフィラメント割れを抑制でき、フィラメント間で均一な延伸が保てるようになる上、第1ロール以降の工通過性が向上してタルミや毛羽の少ない製品が得られるようになる。また、本発明の複合繊維はガラス転移温度以上に加熱された第1ロールに接触すると、熱結晶化が起こり繊維長が伸長するが、第1ロールをテーパーロールとすることにより、該伸長分をローラー径の増加分で吸収できロール上での糸条走行状態が安定する。このため、糸揺れに起因する延伸点の変動が軽減され、繊維の長手方向で繊維変動率、収縮変動率ともにばらつきが小さな繊維が得やすくなるほか、糸揺れによる糸条干渉糸切れを抑制できる。更に、第2ロール〜巻取までの間にテンションコントロールロール(以下、TCRと称する)を設けると、熱セットされた糸条の冷却が促進されると共に、糸条にかかる張力を容易に調整でき、良好なパッケージを得易くなり好ましい。
一例として、以下に第1、第2加熱ロールおよびTCRを介する製造方法について詳しく説明する。
本発明の複合繊維を溶融紡糸する上では、一方の成分となる3GTは、240〜280℃にて溶融されるのが好ましい。溶融するに際し、プレッシャーメルター法およびエクストルーダー法が挙げられるが、均一溶融と滞留防止の観点からエクストルーダーによる溶融が好ましい。一方、他方の成分であるPLAは、3GTと同様にエクストルーダーを用い、200〜240℃での溶融が好ましい。別々に溶融されたポリマーは別々の配管を通り、計量された後、口金パックへ流入する。この際、熱劣化を抑制する観点から、配管通過時間は30分以内であることが好ましい。パックへ流入したポリマーは口金により合流され、公知の技術により海島型、割繊型などの形態に複合され口金より吐出される。
この際の紡糸温度は、240〜270℃が適当である。この範囲であれば、3GTの特徴を活かした複合繊維が製造できる。
口金から吐出されたポリマーは冷却、固化され、油剤が付与された後、交絡装置にて交絡を付与され、加熱ロール、TCRを介して巻き取られる。巻取速度は2500〜5000m/分において製造可能であり、工程安定性を考慮すると2700〜4500m/分がより好ましい。交絡数は任意に設定可能であるが、2個/m以上であると良好な工程通過性を得易いほか、必要であれば油剤付与〜巻取の間に複数個の交絡装置を設けることで交絡数を上げることも可能である。また、巻取直前に、追加で油剤を付与するのも良い。
好ましく用いられる装置の概略を図3に示す。口金3より吐出された糸条は冷却後、油剤付与装置5による油剤の付与を経て、交絡装置6にて交絡が付与される。次いで、温度50〜90℃、速度1000〜3500m/分、鏡面の第1ホットロール7上に数ターン巻付けられて予熱された後、第2ホットロール8との間で延伸される。更に、温度90〜180℃の第2ホットロール8上に数ターン巻付けられて熱セットが為され、交絡付与装置9を経て、ホットロール8より−10〜10%速い速度で回転するTCR10、11へ引き回される。熱セットされた糸条はTCRによって冷却されるとともに張力が調整され、巻取機にて速度2500〜5000m/分にてパッケージ13に巻付けられる。巻取機においては、パッケージに接するコンタクトロール12によってパッケージ巻付け張力が調整される。
ここで、第1ホットロール7は、鏡面ロールであることが好ましく、TCRは鏡面または溝付き鏡面ロールとするのが好ましい。ここで言う、鏡面とはロールの表面粗さが1S以下であり、梨地とは2〜4Sを指す。表面粗さとは、JIS−B−0601に記載される最大高さ(Rmax)の区分である。鏡面または溝付き鏡面とすることにより、糸条を効率的に把持することができるため、糸条はロールの前後で一定の張力を保って安定した走行が可能となり、原糸の長手方向での物性ばらつきの小さい良好な品質の製品を易くなる。TCRとしては梨地ロールも使用可能であるが、糸条把持性を維持すするためには、鏡面や溝付き鏡面ロールに比べて高度な張力管理が要求される。仮にTCR上で糸条のスリップが発生した場合、原糸の長手方向で繊度斑や収縮斑、染色斑を誘発し、仮撚工程における糸切れや、布帛とした際の品位低下を引き起こす。高度な張力管理が要求される場合は、TCRを複数個設置するのが有効な手段である。
一方、コンタクトロールの速度はパッケージの巻取速度に対して、1.001〜1.01倍早く設定することで得られるパッケージの良好なふくらみ率と耳高率が容易に得られる。コンタクトロール速度のオーバーフィードを1.001以上とすることで、パッケージに巻かれる際の張力を低減でき、ふくらみ率、耳高率を抑制することが可能となる。より好ましい範囲は、1.0015以上である。また、1.01以下とすることによりパッケージ端面からの糸落ちを防止することができ、良好な解舒性が確保できる。より好ましいオーバーフィードの範囲は1.008以下である。さらに、コンタクトロール入口での糸条の張力は、0.1〜0.3cN/dtexであることが好ましい。張力を0.1cN/dtex以上に設定することで、TCRから巻取機間の糸揺れを低減でき、巻取速度を上げた場合でも安定して糸条を巻き取ることができる。より好ましい張力は0.12cN/dtex以上である。また、張力を0.3cN/dtex以下とするとコンタクトロールでの張力制御が容易となり、良好なパッケージフォームが得られる。より好ましい張力は0.25cN/dtex以下である。
以下、実施例を挙げて具体的に説明する。なお、実施例の主な測定値は以下の方法で測定した。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
Figure 0004725200
定義式のηrは、純度98%以上のO−クロロフェノールで溶解した3GTの希釈溶液の25℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されているものである。また、cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
(2)強度、伸度
JIS L1013(1999)に従い、オリエンテック製テンシロンUCT−100にて測定した。
(3)繊度変動率
ツエルベガーウースター社製ウースターテスターUT−4CXを用い、下記の測定条件にて繊度変動チャート(Diagram Mass)を得、チャート上でhalf inertの変動幅(=最大値−最小値)を直読した。
給糸速度 :200m/分
測定糸長 :400m
ツイスター :S撚 12000ターン/分
ディスクテンション強さ:10%
スケール :−10〜+10%
(4)湿熱収縮変動率
東レ製FTA−500を用い、下記の測定条件にて測定を行い、繊維長手での湿熱収縮率のCV%を求めた。
湿熱温度:100℃
給糸張力:20g
給糸速度:10m/分
測定糸長:30m
(5)製糸性
製糸時の糸切れ発生率を、8錘建て巻取機にて生産した場合の値に換算して、以下の3段階にて評価した。合格レベルは○以上である。
○○:1.5回/t以下
○ :1.5回/tを超え3.0回/t以下
× :3回/tを超える
(6)均一染色性
製品巻取後、室温にて1カ月保管した複合繊維を用いて、28ゲージの丸編み地を製作し、染料としてテトラシールネイビーブルーSGL0.275%owf、助剤としてテトロシンPE−C5.0%owf、分散剤としてニッカサンソルト#12001.0%owfを用い、浴比1:100にて50℃15分、さらに90℃20分にて染色を行った。染色後のサンプルは染色斑、ドラムまたはボビン間での染色差を総合的に官能検査し、以下の3段階で評価した。合格レベルは○以上である。
○○:非常に均質で優れた染色品位である
○ :製品として許容される範囲の僅かな欠点が存在する
× :染色が不均一であり、製品として出荷不可能な重大な欠点が存在する
(7)ソフト性
上記の(6)にて得られた28ゲージの丸編み地について、肌触りを官能検査し、以下の3段階で評価した。合格レベルは○以上である。
○○:非常にソフト感に富み、肌触りが良好である
○ :ソフト感に優れる
× :従来PET製品と同等レベル
実施例1
光学純度98.0%のポリ−L−乳酸と極限粘度1.1のホモ3GTを、それぞれエクストルーダーを用いて210℃、250℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、250℃にて図1に示すような海島型複合形態を形成すべく公知の口金に流入させた。複合重量比はポリ乳酸20%に対し、3GT80%の割合とした。各ポリマーの配管通過時間は、ポリ乳酸が25分、3GTは10分であった。口金から吐出された糸条は、図3に示す装置にて冷却、油剤付与後、2700m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラー7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、4300m/分の速度で150℃に加熱された第2ホットローラー8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4200m/分にて回転する2個のTCR10、11に引き回した後、コンタクトロール入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトロール速度4080m、パッケージ巻き取り速度4072m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex―36フィラメント、8島の海島型複合繊維を得た。この複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、非常に優れた均一染色性と製糸性が得られた。
実施例2
ポリマーの複合重量比をPLA:3GT=75:25とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、均一染色性で実施例1に一歩譲るものの、製糸性、ソフト性に優れるものが得られた。
実施例3
ポリマーの複合重量比をPLA:3GT=50:50とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、製糸性に優れ、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等のものが得られた。
実施例4
口金を吐出孔周長の小さいものに変更した以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りである。実施例1に比べて口金汚れの析出速度が早く、約1/2の周期で口金清掃を必要としたが、製糸性は合格レベルにあり、均一染色性で実施例1に一歩譲るものの、ソフト性に優れたものが得られた。
実施例5
実施例4と同様の口金を用い、ポリマーの複合重量比をPLA:3GT=75:25とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、製糸性、均一染色性で実施例1に一歩譲るものの、ソフト性に優れるものが得られた。また、口金汚れの析出速度は実施例1に比べて早く、約1/2の周期で口金清掃を必要としたが、製糸性は合格レベルにあった。
実施例6
口金を吐出孔周長の大きいものに変更し、実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。糸条を冷却、油剤付与した後、温度55℃、速度2000m/分にて回転する第1ホットロール7に引取らせ、次いで温度150℃、速度2700m/分の第2ホットロール8に引き回して延伸および熱セットした後、第2ホットロールと同速度で回転するTCR10、11を介してパッケージに巻取り、海島複合繊維のPOYを得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、製糸性、均一染色性、ソフト性とも良好なものが得られた。
実施例7
口金および吐出量を変更した以外は実施例1と同様にして製糸し、110T−18フィラメント、36島の海島複合繊維を得た。この繊維は実施例1に比べて僅かに口金汚れの析出速度が速く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが、特性評価結果は表1の通り、製糸性、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。
実施例8
口金および吐出量を変更し、ポリマーの複合重量比をPLA:3GT=30:70とした以外は実施例1と同様にして製糸し、135T−18フィラメント、36島の海島複合繊維を得た。この繊維の特性評価結果は表1の通り、製糸性、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。
実施例9
口金を変更した以外は実施例1と同様にして製糸し、84T−36フィラメント、8分割の割繊型複合糸を得た。この繊維の特性評価結果は表1の通りであり、製糸性、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。
実施例10
第1ホットロールにテーパー率0%の鏡面ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして製糸し、海島複合繊維を得た。実施例1に比べて、第1ホットロール上での糸揺れが大きく、製糸性、均一染色性、ソフト性で実施例1に一歩譲るものとなったが、特性評価結果は表1の通り合格レベルのものが得られた。
実施例11
第1ロールにテーパー率9%の鏡面ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして製糸し、海島複合繊維を得た。特性評価結果は表1の通りである。実施例1に比べて、第1ロール上での糸揺れが小さく、均一染色性、ソフト性で実施例1と同等のものが得られたが、製糸性は実施例1に一歩譲るものとなった。
比較例1
ポリマーの複合重量比をPLA:3GT=10:90とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、繊度変動率、湿熱収縮変動率共に大きな値を示し、均一染色性において実施例1大きく及ばないものとなった。また、複合異常による島成分同士の融着が観察され、製糸性においても不合格であった。
比較例2
ポリマーの複合重量比をPLA:3GT=90:10とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、均一染色性において実施例1大きく及ばないものとなった。また、繊維断面において各島成分の直径にばらつきがあり、製糸性においても不合格であった。
比較例3
口金を吐出孔周長の大きなものに変更し、ポリマーの複合重量比をPLA:3GT=50:50とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率過多に起因した糸切れが多発し、製糸性が不合格であった。また。均一染色性においても実施例1大きく及ばないものとなった。
比較例4
口金を吐出孔周長の大きなものに変更した以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率過多に起因した糸切れが多発し、製糸性が不合格であった。また。均一染色性においても実施例1大きく及ばないものとなった。
比較例5
口金を吐出孔周長の小さなものに変更した以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率の過小に起因して巻取直後より経時的に巻締りが進行し、パッケージのフォーム崩れが観察されたほか、巻締りによるパッケージ端面において周期的な染色濃淡斑が生じ、均一染色性が不合格であった。
比較例6
第2ホットロールの熱セット温度を85℃とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、巻取中より巻締りが発生し、巻取コアが巻取機より払い出しできなくなる等の問題が発生した。また経時的に物性が変化し、均一染色性において実施例1に大きく及ばないものとなった。
比較例7
第2ホットロールの熱セット温度を185℃とした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、第2ホットロール上での糸揺れが大きく糸切れが多発した。また、採取された製品には毛羽やタルミが多く均一染色性に劣るものとなった。
比較例8
ポリエステルAとして5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合PETを用い、ポリエステルAの溶融温度を285℃、紡糸温度を280℃とした以外は、実施例1と同様にして製糸を試みたが、安定製糸が不可能であった。かろうじて得られた繊維を特性評価したところ、表2の通り均一染色性に著しく劣るものとなった。
比較例9
ポリエステルAとして5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合PETを、ポリエステルBとしてセミダルPETを用いて、量成分の溶融温度を285℃、紡糸温度を280℃とした以外は、実施例1と同様にして製糸して海島複合繊維を得た。特性評価結果は表2の通りであり、製糸性は非常に安定していたが、得られた繊維は均一染色性、ソフト性が不十分なものとなった。
Figure 0004725200
Figure 0004725200
海島型複合繊維断面の一例を示す。 割繊型複合繊維断面の一例を示す。 製糸工程(直接紡糸延伸法)の一例を示す。 請求項2に記載の式(a)の領域について図示する。 請求項3に記載の式(b)の領域について図示する。
符号の説明
1 ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリマーからなる領域
2 ポリ乳酸を主成分とするポリマーからなる領域
3 口金
4 糸条冷却送風装置
5 油剤付与装置
6 交絡装置
7 第1ホットロール
8 第2ホットロール
9 交絡装置
10 テンションコントロールロール
11 テンションコントロールロール
12 コンタクトロール
13 パッケージ

Claims (4)

  1. ポリ乳酸を主成分とするポリエステルAと、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルBとからなる分割型複合繊維であって、以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とする分割型複合繊維。
    (A)ポリエステルA:ポリエステルBの複合重量比が15:85〜80:20
    (B)複合繊維の長手繊度変動率が5%以下
    (C)複合繊維の長手湿熱収縮変動率が5%以下
  2. ポリ乳酸を主成分とするポリエステルAと、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルBとからなる分割型複合繊維を溶融押出して冷却固化した後、糸条を一旦巻き取ることなく、連続して延伸し巻取る直接紡糸延伸法による製造に際して、以下の(D)〜(F)の要件を満足することを特徴とする、請求項1記載の分割型複合繊維の製造方法。
    (D)ポリエステルA:ポリエステルBの複合重量比が15:85〜80:20
    (E)延伸〜巻取の間に90℃〜180℃にて熱セットする
    (F)分割型複合繊維の口金からの吐出線速度V(m/分)、第1ロールの周速度V(m/分)、ポリエステルAの複合重量比R、ポリエステルBの複合重量比R、延伸倍率をE(倍)とが、次式(a)を満足する。
    200≦(V/V)×E≦200+1400×{R/(R+R)} ・・・(a)
  3. 単孔吐出量M(g/分)、口金吐出孔の周長L(mm)が次式(b)を満足することを特徴とする、請求項2記載の分割型複合繊維の製造方法。
    M≦1.4L−0.4 ・・・(b)
  4. 第1ロール以前で交絡を付与するとともに、第1ロールが糸条進行方向に対して、漸次2〜7%の割合で直径が大きくなるテーパーロールであることを特徴とする、請求項2または3に記載の分割型複合繊維の製造方法。
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