JP3577952B2 - 燃焼式ヒータを有する内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼式ヒータを有する内燃機関、詳しくは、寒冷時において内燃機関の始動性を高めたり暖機促進を図ったりする燃焼式ヒータを有する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関は、特に寒冷時において、その始動性を高め暖機促進を図ることが望まれる。そこで、例えば特開昭62−75069号公報では、内燃機関の吸気通路に取付けた気化式燃焼ヒータが出す燃焼熱の利用によって機関冷却水を暖め、それによって暖機促進や車室用ヒータの性能向上を図る技術を示している。気化式燃焼ヒータは、その燃焼用の液化燃料を気化し、この気化した燃料に着火して火種を作り、この火種を成長させて火炎を起こす。
【0003】
気化式燃焼ヒータの一般的な基本構造は、周知のごとく、火炎を起こす燃焼室と、この燃焼室に燃焼用の液化燃料を供給する燃料供給部と、この燃料供給部によって供給した液化燃料を気化する燃料気化部と、この燃料気化部によって気化した気化燃料に着火して火種を起こす着火手段としてのグロープラグと、グロープラグによってできた火種を火炎に成長させるための空気供給用の送風ファンと、気化式燃焼ヒータの燃焼熱を内燃機関の機関冷却水に吸収して暖機促進を図るために機関冷却水を通す冷却水通路と、燃焼室に対して空気を供給および排出する空気流通路とを少なくとも有する。また、火種を作るためにグロープラグの通電時間の調整が必要であり、火種から火炎を大きく成長させるには、送風ファンの出力,空気の供給量,燃料の供給量等の各種調整を行う必要がある。そして、これらの調整はコンピュータが行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、着火、すなわち火種を作るに必要な処理を行っても、燃焼式ヒータの吸気側と排気側とで差圧が生じた場合、それに起因して燃焼式ヒータの前記空気流通路を流れる空気の速度が大きくなると、強風時にライターやマッチに火が着きにくいと同様で、火種ができにくい。またできてもすぐに消えてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みて発明されたものであって、着火を確実に行うことができる燃焼式ヒータを有する内燃機関を技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関は、次の手段を採用した。
【0006】
(1)本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関は、内燃機関が所定の運転状態にある時に作動して機関関連要素の温度を上げる燃焼式ヒータを有する内燃機関において、前記燃焼式ヒータに用いる燃焼用燃料に着火して火種を作る着火手段と、この着火手段によってできる前記火種を火炎に成長させる部屋である燃焼室と、この燃焼室に燃焼用の空気を供給する空気供給路と、前記内燃機関の吸気系に接続されるとともに、前記燃焼室から燃焼ガスを排出する燃焼ガス排出路と、前記空気供給路と前記燃焼ガス排出路とをつなぐ管体とを備える。
【0007】
ここで、
▲1▼「内燃機関が所定の運転状態にある時」とは、寒冷時や極寒冷時における、内燃機関の運転中あるいは内燃機関を始動させた後や内燃機関自身の発熱量が少ないとき(例えば燃料消費が少ないとき)、および内燃機関自身の発熱量が少ないことにより機関冷却水の受熱量が少ないときや常温での始動直後の機械暖機であり、寒冷時とは、ほぼ−10℃〜15℃位の温度範囲に外気があるときであり、極寒冷時とは、ほぼ−10℃以下の温度範囲に外気があるときである。
【0008】
▲2▼「機関関連要素」とは、機関冷却水や、吸気に燃焼式ヒータの燃焼ガスを導入する内燃機関本体のことである。
【0009】
▲3▼「着火手段」としては、バッテリーからの通電によって発熱する例えばグロープラグが好ましい。
【0010】
▲4▼「燃焼室」は、その内部に、空気供給路と燃焼ガス排出路とつながっている空気流通路を有する。
【0011】
▲5▼「管体」とは空気供給路と前記燃焼ガス排出路との間で空気の流通が可能な管をいう。
【0012】
▲6▼「燃焼式ヒータ」としては気化式燃焼ヒータが好ましい。また、燃焼式ヒータは、その燃焼室を空気供給路を介して内燃機関の吸気管または大気と接続するとともに燃焼ガス排出路を介して内燃機関の吸気管と接続する。よって、空気は吸気管または大気から空気供給路に入り、その後、この空気が燃焼室に入って燃焼に供されるとやがて燃焼ガスとなって燃焼ガス排出路を経て再び吸気管に戻り、その後、内燃機関本体の気筒内に送り込まれ、今度は内燃機関の燃焼用空気となって再び燃焼に供される。
【0013】
なお、火種を作るためにはグロープラグの通電(発熱)時間の調整が必要であり、また、火種から火炎に大きく成長させるには、送風ファンの出力,空気の供給量,燃料の供給量等の調整を行う必要がある。そして、これらの調整はコンピュータ、つまりECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)の中枢部であるCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット;中央情報処理装置)によって行う。従って、本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関は、内燃機関が所定の運転状態にある時に作動して機関関連要素の温度を上げる燃焼式ヒータを有する内燃機関において、前記燃焼式ヒータに用いる燃焼用燃料に着火して火種を作る着火手段と、この着火手段によってできる前記火種を火炎に成長させる部屋である燃焼室と、この燃焼室に燃焼用の空気を供給する空気供給路と、前記燃焼室から燃焼ガスを排出する燃焼ガス排出路と、前記空気供給路と前記燃焼ガス排出路とをつなぐ管体と、前記燃焼式ヒータの内部に形成した燃焼室の上流に設けられた送風ファンとを備えるようにしてもよい。また、前記燃焼式ヒータの内部に形成した燃焼室の上流に設けられた送風ファンの代わりに、前記空気供給路の空気の流れ方向における前記空気供給路と前記管体との連結部よりも下流側に設けられた送風ファンを備えるようにしてもよい。
【0014】
本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関では、空気供給路と燃焼ガス排出路とをつなぐ管体を備え、この管体は、前記のように空気供給路と燃焼ガス排出路との間で空気の流通を行うものである。よって、空気供給路を燃焼室に向かって流れて来た空気が管体に至ると、そこで管体に流れる空気と燃焼室に向かう空気とに分岐する。したがって、少なくとも燃焼式ヒータが着火を開始する、つまり先のグロープラグでいえば、グロープラグが通電によって発熱するときには、この管体を流れる空気量を調整できるようにして燃焼室に向かう空気量を燃焼式ヒータが確実に着火可能な程度にまで十分に減少または0(ゼロ)にすれば、着火ができない程の強い通風が燃焼室の空気流通路内に生じる虞れがない。よって、空気流通路内に強風が生じないので、燃焼式ヒータの着火を確実に行える、つまり火種の確保を確実に行える。また、着火が確実であるから、白煙の発生を防止できるばかりか、未燃炭化水素が生じることに起因する不快な臭いの発生も防止できる。
【0015】
(2)前記(1)項において、前記管体は、前記着火手段により着火を開始するときに開いて前記空気供給路と前記燃焼ガス排出路との間を連通する連通路であることが望ましい。
【0016】
本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関では、管体は、前記空気供給路と前記燃焼ガス排出路との間を連通する連通路であって、この連通路は着火手段によって着火を開始するときには開く。このため、燃焼式ヒータの前記空気流通路を流れる空気に勢いがあっても、この空気は連通路を通じて燃焼ガス排出路に流出してしまう。すなわち勢いが衰える。よって、連通路の開き量を十分大きくとれば、燃焼室に向かう空気量を燃焼式ヒータでの着火を確実に行える程度にまで十分に減少または0(ゼロ)にすることができる。よって、着火ができない程の強い通風が燃焼室に生じる虞れはない。このように燃焼室の空気流通路に強風が生じないので、燃焼式ヒータの着火を確実に行える。そればかりか、着火が確実であるから白煙の発生や未燃炭化水素が生じることに起因する不快な臭いの発生も防止できる。
【0017】
(3)前記(2)において、前記連通路は、前記着火手段による着火完了後に閉じるようにしてもよい。
【0018】
ここで、「着火完了」とは、燃焼室に火種ができることである。
【0019】
本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関では、着火完了後、すなわち火種を確保してから連通路を閉じるので、連通路が開いていたときに燃焼ガス排出路に流出していた空気が燃焼室に流れ込むようになる。しかし、このときすでに火種はできているので、火種を火炎に成長させることができる。
【0020】
(4)前記(2)または(3)において、前記連通路は連通路開閉手段を備えることを特徴としてもよい。
【0021】
ここで、「連通路開閉手段」としては、連通路を開閉制御できるものであればどのようなものでもよいが、少なくとも燃焼式ヒータがその着火手段によって着火を開始するときに連通路を流れる空気の量を増大し、これにより連絡路より下流に位置する空気供給路、燃焼室及び燃焼ガス排出路を流れる空気の量を大幅に減少またはゼロ(0)にできるものであることが望まれる。連通路開閉手段の制御もCPUが行う。
【0022】
(5)本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関は、内燃機関が所定の運転状態にある時に作動して機関関連要素の温度を上げる燃焼式ヒータを有する内燃機関において、前記燃焼式ヒータに用いる燃焼用燃料に着火して火種を作る着火手段と、この着火手段によってできる前記火種を火炎に成長させる部屋である燃焼室と、この燃焼室に燃焼用の空気を大気から供給する空気供給路と、前記燃焼室から燃焼ガスを排出する燃焼ガス排出路と、前記燃焼ガス排出路に設けられるとともに、前記燃焼ガス排出路を流通する燃焼ガス量を前記着火手段による着火開始時に低下する燃焼ガス量低下手段とを備える。
【0023】
ここで、「内燃機関が所定の運転状態にある時」,「機関関連要素」,「燃焼式ヒータ」,「着火手段」および「燃焼室」は、前記(1)の項で述べたものと同じである。
【0024】
また、「燃焼ガス量低下手段」とは、燃焼ガス排出路を流通する燃焼ガス量を低下することができるものであればどのようなものでもよいが、少なくとも燃焼式ヒータがその着火手段によって着火を開始するときに燃焼ガス排出路を流れる燃焼ガスの量を大鼻に減少または0(ゼロ)にできるものであることが望まれる。燃焼ガス量低下手段はCPUによって制御され、この制御によって燃焼ガス排出路において流通する燃焼ガス量が調整される。
【0025】
本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関では、燃焼ガス排出路に設けられるとともに、この燃焼ガス排出路を流通する燃焼ガス量を低下する燃焼ガス量低下手段を備え、この燃焼ガス量低下手段によって燃焼ガス排出路を流れる燃焼ガスの量を調整できるので、少なくとも燃焼式ヒータが着火を開始するときには、前記調整によって、燃焼ガス排出路を流れる燃焼ガスの量を十分に減少または0(ゼロ)にすれば、空気流通路内での流通が抑制されるので、着火ができない程の強い通風が空気流通路内に生じる虞れがない。従って、燃焼ガス排出路内に強風が生じないので、燃焼式ヒータの着火を一度で確実に行える。また、着火が確実であるから、白煙の発生を防止できるばかりか、未燃炭化水素が生じることに起因する不快な臭いの発生も防止できる。
【0026】
(6)前記(5)項において、前記燃焼ガス量低下手段は、前記燃焼ガス排出路を絞る弁装置にすると好適である。
【0027】
「弁装置」とは、前記燃焼ガス排出路を開閉する弁体と、この弁体を駆動する駆動部と、この駆動部を作動制御するCPUとを含むものをいう。「駆動部」としては適宜の駆動モータで弁体を作動させて燃焼ガス排出路を絞ることで、すなわち絞りの程度で開閉するようになっている開閉機構を含むものがよい。そして、弁体によって燃焼ガス排出路を閉じることで燃焼ガス排出路を流れる燃焼ガスの流量が低下する場合を燃焼ガス排出路が絞られるという。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面に基いて説明する。
〈第1の実施の形態〉
(エンジン1)
内燃機関としてのエンジン1は水冷式であって、機関関連要素の一つである冷却水が循環する図示しないウォータジャケットを備えたエンジン本体3と、エンジン本体3の図示しない複数の気筒内に燃焼に必要な空気を送り込む吸気装置5と、この吸気装置5に係る前記空気と図示しない燃料噴射装置による噴射燃料とからなる混合気を前記気筒内で燃焼した後の排気ガスを大気中に放出する排気装置7と、エンジン1を搭載する車輌の室内を暖める車室用ヒータ9とを有する。なお、エンジン1は、ディーゼルエンジンまたはガソリン直噴リーンバーンエンジンである。
【0029】
(吸気装置5)
吸気装置5は、気筒内に新鮮な空気を取り入れるエアクリーナ13を吸気装置5の始端とし、エンジン本体3の図示しない吸気ポートを終端とする。そして、その間に吸気系構造物であるターボチャージャ15のコンプレッサ15a,大気圧下で燃焼する燃焼式ヒータ17,インタークーラ19,インテークマニホールド21を備えている。
【0030】
これらの吸気系構造物は、吸気系構造物の他の一つであってかつ複数の管を備える吸気通路としての吸気管23に属する。
【0031】
(吸気管23)
吸気管23は、コンプレッサ15aを境に、吸気装置5に入って来る外気がコンプレッサ15aによって強制的に押し込まれるため加圧状態となる下流側連結管27と、そうでない上流側連結管25とに大別できる。
【0032】
(上流側連結管25)
一方の上流側連結管25は、図1において、エアクリーナ13からコンプレッサ15aに向けてまっすぐ延びる棒状の本流管29と、本流管29に対してバイパス状に接続する支流管としてのヒータ用枝管31とからなる。
【0033】
(外気温センサ32)
本流管29のうちエアクリーナ13の下流側近傍箇所には外気温センサ32を取付けてある。エアクリーナ13から本流管29に入って来る外気Aは、エンジン1および燃焼式ヒータ17に対する新気であって、その温度を外気温センサ32で検出する。
【0034】
(ヒータ用枝管31)
ヒータ用枝管31は、全体形状がほぼ”U”形をしており、その中途部分に燃焼式ヒータ17を含む。また、ヒータ用枝管31の他の構成部材として、燃焼式ヒータ17の空気の流れ方向における上流側部位と本流管29とを結ぶとともに本流管29から燃焼式ヒータ17に新気、すなわち燃焼式ヒータ17の燃焼に供する新気(燃焼前空気)a1を供給する空気供給路としての空気供給管33と、燃焼式ヒータ17の空気の流れ方向における下流側部位と本流管29とを結びかつ燃焼式ヒータ17から出る燃焼ガス(燃焼後空気)a2を本流管29に出す燃焼ガス排出路としての燃焼ガス排出管35とを有する。よって、ヒータ用枝管31は、空気供給管33と燃焼ガス排出管35とを介して空気を燃焼式ヒータ17に対して供給排出する。
【0035】
(連結管36)
また、ヒータ用枝管31には、本流管29寄りで空気供給管33と燃焼ガス排出管35とをつなぐ管体としての連結管36も備えている。連結管36は、空気供給管33と燃焼ガス排出管35との間で空気の流通を行うための管である。そして、連結管36の内部中央には連通路開閉手段としての弁装置44を設置してある。
【0036】
なお、空気供給路33と燃焼ガス導入路35とは、燃焼式ヒータ17のみに用いるものであり、また連通管36はこのように燃焼式ヒータ17に専属の管路である空気供給管33と燃焼ガス排出管35をつなぐものであるから、これらは燃焼式ヒータ17に属する部材といえる。
【0037】
(弁装置44)
弁装置44は、図4に示すように、絞り弁として機能する弁体44aと、この弁体44aを開閉駆動する駆動モータ44bと、駆動モータ44bと弁体44aとの間に設置した開閉機構部44cとからなり、駆動モータ44bは、コンピュータ、つまりECU46の中枢部である図示しないCPUによって作動制御される。詳しくは、燃焼式ヒータ17が着火を開始すると弁体44aを開き、着火が完了すると弁体44aを絞る、すなわち閉じるように作動する。このような弁体44aの動きに応じて連通路36が開閉し、この開閉により空気供給管33と燃焼ガス排出管35との間で空気の流通が行われたり停止したりする。
【0038】
また、空気供給管33および燃焼ガス排出管35の本流管29とのそれぞれの接続箇所c1およびc2のうち、続箇所c1は接続箇所c2よりも本流管29の上流側に位置する。よって、エアクリーナ13からの外気(新気)Aは、まず接続箇所c1でヒータ用枝管31に分岐する空気a1と、分岐せずに本流管29を接続箇所c2に向かう空気a1’とに分かれる。接続箇所c1で分岐した空気a1は、空気供給管33−燃焼式ヒータ17−燃焼ガス排出管35を経由して接続箇所c2から本流管29に空気a2となって戻る。また、この空気a2と前記新気a1’とが接続箇所c2で合流し、エンジン1の燃焼用空気である燃焼ガス混入空気a3となる。
【0039】
なお、一般に燃焼式ヒータの燃焼ガスは、通常の燃焼状態ではスモークのほとんどない、換言すればカーボンを含まないガスであり、この実施の形態に係る燃焼式ヒータ17も同様である。よって、燃焼式ヒータ17の燃焼ガスa2を内燃機関の吸気として使用しても支障はない。
(下流側連結管27)
下流側連結管27は、図1にあるよう、コンプレッサ15aとインテークマニホールド21とを結ぶ管であり、この実施の形態ではL字形をしている。また、下流側連結管27のうち、インテークマニホールド21寄りの箇所にはインタークーラ19を配置してある。
【0040】
(排気装置7)
一方、排気装置7は、エンジン本体3の図示しない排気ポートを排気装置7の始端とし、そこから排気装置7の終端であるマフラ41までの間に、排気系構造物であるエキゾーストマニホールド38,ターボチャージャ15のタービン15bおよび触媒コンバータ39を、同じく排気系構造物である排気管42上に備えてある。排気装置7を流れる空気はエンジン1の排気ガスとして符号a4で示す。
【0041】
(燃焼式ヒータ17)
次に燃焼式ヒータ17の構造を図2および図3に概略示す。
【0042】
燃焼式ヒータ17はCPUでその燃焼状態を制御する。
【0043】
燃焼式ヒータ17は、エンジン本体3の前記ウォータジャケットとつながっており、燃焼式ヒータ17は、その内部にウォータジャケットからの機関冷却水を通す機関冷却水通路17aを有する。この機関冷却水通路17aを流れる機関冷却水(図2に破線矢印で示す。)は、燃焼式ヒータ17の内部に形成した燃焼室17dの周りを巡るようにして通過し、その間に燃焼室17dからの熱を受けて暖まる。
【0044】
(燃焼室17d)
燃焼室17dは、火炎を出す燃焼室としての燃焼筒17bと、燃焼筒17bを覆うことで火炎が外部に漏れないようにする円筒状の隔壁17cとからなる。燃焼筒17bを隔壁17cで覆うことで、燃焼室17dを隔壁17c内に画する。そして、隔壁17cも燃焼式ヒータ17の外壁43aで覆われ、両者間には間隔を空けてある。この間隔をおくことで、外壁43aの内面と隔壁17cの外面との間に前記機関冷却水通路17aができる。
【0045】
また、燃焼室17dは、前記空気供給管33および燃焼ガス排出管35とそれぞれ直接つながる空気供給口17d1および排気排出口17d2を有している。
【0046】
そして、空気供給管33から空気供給口17d1を経て燃焼室17dに入って来た空気a1は、燃焼室17dを経由して排気排出口17d2に至り、その後、燃焼ガス排出管35から既述のように本流管29に空気a2として流れ入る。よって、燃焼室17dは、燃焼式ヒータ17内において空気a2に変化する空気a1を通すための一連の空気流通路の形態になっている。
【0047】
燃焼式ヒータ17が燃焼した後、燃焼ガス排出管35を経由して本流管29に戻る空気a2は、いわば燃焼式ヒータ17が排出する燃焼ガスであるから熱を持つ。そして、この熱を持った空気a2が燃焼式ヒータ17から燃焼ガス排出管35に出るまでの間において、空気a2の持つ熱が、隔壁17cを通して機関冷却水通路17aを流れる機関冷却水に伝わり、既述のように機関冷却水を暖め、この暖められた機関冷却水がエンジン1のウォータジャケットに送られてエンジン本体3を暖機する。
【0048】
(燃焼筒17b)
また、燃焼筒17bは、図示しない燃料ポンプとつながっている燃料供給管17eを備え、そこから前記燃料ポンプのポンプ圧を受けて燃焼用燃料を燃焼筒17bに供給する。よって燃料ポンプと燃料供給管17eとは、燃料供給手段といえる。燃料ポンプの作動による燃料の供給量は、燃料ポンプ作動開始時からの燃料供給量の積算値として燃焼式ヒータ17の燃焼状態を制御するECU46のRAM(ランダム・アクセス・メモリ)に一時記憶しておき、必要に応じてECU46の中枢部であるCPUに呼び出す。
【0049】
(液化燃料18)
供給する燃焼用燃料は、液化燃料18であり、図3に示す燃料気化部17fを経て気化燃料18’とされ、この気化燃料18’は、着火手段である、図示しないバッテリからの通電によって発熱するグロープラグ17gによって着火する。グロープラグ17gを発熱するとその通電開始からの実際の経過時間Tm1がタイマTim(図1参照)によってカウントされ、その値もRAMに一時記憶しておく。そして、必要に応じてCPUに呼び出す。
(イオンセンサ17hおよび燃料加熱蒸発板17i)
また、図3に符号17hおよび17iで示すものは、それぞれ着火センサとしてのイオンセンサ、および燃料加熱蒸発板である。燃料加熱蒸発板17iの近傍で気化燃料18’が着火し、火炎Fの元となる火種F’ができる。火種F’を火炎に成長させるものが送風ファン45である。
【0050】
(送風ファン45)送風ファン45は空気流通路の形態を為す燃焼室17dの上流側に位置する。そして、送風ファン45はECU46のCPUによってその作動を制御することで出力調整が為される。この出力調整によって、燃焼室17d内を流れる空気量が変わる。よって、送風ファン45の出力調整によって燃焼室17d内を流れる空気量を制御できる。
【0051】
(ECU46のROM)
また、ECU46のROM(リード・オンリ・メモリ;読み出し専用メモリ)には、燃料ポンプの作動制御実行の目安となり、グロープラグ17gの通電開始からの経過時間Tm1との比較時間である、所定時間T1を記憶してある。
【0052】
(機関冷却水の循環)
次に、機関冷却水通路17aに対する機関冷却水の循環について図1と図2を参照して説明する。
【0053】
(機関冷却水通路17a)
機関冷却水通路17aは、エンジン本体3の前記ウォータジャケットとつながっている冷却水導入口17a1と、車室用ヒータ9とつながっている機関冷却水排出口17a2とを有する。
【0054】
(水管路W1〜W3)
機関冷却水導入口17a1とエンジン本体3との間は水管路W1を介在させて連結してあり、機関冷却水排出口17a2と車室用ヒータ9との間は水管路W2を介して連結してある。
【0055】
これらの水管路W1および水管路W2を介して、燃焼式ヒータ17はエンジン本体3の前記ウォータジャケットおよび車室用ヒータ9とつながっている。また、車室用ヒータ9とエンジン本体3も水管路W3を介してつながっている。
【0056】
したがって、エンジン本体3のウォータジャケットの機関冷却水は、その流れの順序として、▲1▼水管路W1を介して機関冷却水導入口17a1から燃焼式ヒータ17に至り、そこで暖められる。▲2▼この暖められた機関冷却水は、燃焼式ヒータ17の機関冷却水排出口17a2から水管路W2を介して車室用ヒータ9に至る。▲3▼そして、機関冷却水は、車室用ヒータ9で熱交換されて温度が下がった後、水管路W3を介してウォータジャケットに戻る。なお、前記ウォータジャケットには、機関冷却水温度を検出する水温センサ47を取り付けてある。
【0057】
このように、機関冷却水は、水管路W1と、水管路W2と、水管路W3を介して、エンジン本体3と、燃焼式ヒータ17と、車室用ヒータ9との間を循環する。
【0058】
(ECU46へのセンサ等の電気的接続)
また、ECU46は、イオンセンサ17h,外気温センサ32および水温センサ47、ならびにタイマTim,送風ファン45および燃料ポンプと電気的につながっている。そして、各センサ17h,32および47、ならびにタイマTim,送風ファン45の出力値および燃料ポンプ等の各パラメータに応じて、CPUが、燃焼式ヒータ17の燃焼状態を適宜制御して、燃焼式ヒータ17の火炎の勢いや大きさ,温度等を最適状態に維持する。また、CPUによる燃焼式ヒータ17の燃焼状態の制御によって、燃焼式ヒータ17の排気の温度や燃焼式ヒータ17の空燃比を調整する。
【0059】
(燃焼式ヒータ17の作動制御実行ルーチン)
次に図4および図5を用いて燃焼式ヒータ17の作動制御実行ルーチンについて述べる。
【0060】
このルーチンはエンジン1を駆動する図示しない通常のフローチャートの一部であり、以下に述べるS101〜S117の各ステップからなり、これらのステップからなるフローチャートは、ECU46のROMに記憶してある。また、第2の実施の形態に係るフローチャートもエンジン1を駆動する図示しない通常のフローチャートの一部であり、やはりECU46のROMに記憶してある。そして、各フローチャートの各ステップにおける処理は、すべてECU46のCPUによるものである。
【0061】
なお、図5および図6は、本来であれば同一の紙面にまとめて示されるべきものであるが、紙面のスペースの関係で分断してある。図4に示す▲1▼および▲2▼の符号および図5に示す▲1▼および▲2▼の符号は、同一の符号同士で対応しており、処理の移行先をこれらの符号によって案内する。例えば、図4の▲1▼は、図5の▲1▼と対応しており、図4の▲1▼に係るルートにおける処理は、図5の▲1▼に係るルートに移行してそのまま図5で続行することを意味する。また、処理の移行先を案内する、数字に○を付けてなる▲1▼等の符号は、第2の実施の形態に係る燃焼式ヒータの作動制御ルーチンのフローチャートにあっても同様の意味を持つ。なお、記号Sを用い、例えばステップ101であればS101と省略して示す。
【0062】
エンジン1のスタート後、処理がこのルーチンに移行すると、まずS101で着火制御開始フラグをセット済みかどうか、すなわち燃焼式ヒータ17を効かせる必要のある運転状態にエンジン1があるかどうかを判定する。燃焼式ヒータ17を効かせる必要のある運転状態とは、例えばエンジン1が寒冷時や極寒冷時においての運転中や内燃機関の始動後、ならびに内燃機関自身の発熱量が少ないときおよび内燃機関自身の発熱量が少ないことにより機関冷却水の受熱量が少ないときと常温での始動直後の機械暖機時である。よって、この場合、当然機関冷却水の温度も低く、機関冷却水温度が所定温度、例えば60℃よりも低い場合を燃焼式ヒータ17を効かせる必要のある場合とする。機関冷却水の温度は、エンジン本体3のウォータジャケットに係る水温センサ47で検出する。S101で肯定判定すれば、S102で連通路36の弁装置44の弁体44aを駆動モータ44bを駆動し開閉機構部44cを作動して全開する。これにより、空気供給管33と燃焼ガス排出管35とが連通路36を介して直接的に通じる、つまり連通するようになる。
【0063】
また、機関冷却水の温度が前記60℃と例示した所定温度よりも高い場合は、燃焼式ヒータ17を効かせる必要のない運転状態にエンジン1がある場合であるから、S101で否定判定し、このルーチンを終了する。
【0064】
S103では、グロープラグ17gへの通電開始からの実際の経過時間Tm1が0(ゼロ)よりも大きいかどうかを不等式を用いて行う、すなわち経過時間Tm1>0の場合は肯定判定してS104に進み、そうでない場合は否定判定してS105に進む。また、S103での判定は、グロープラグ17gに一番最初の通電がされたかどうかを判定するステップでもある。すなわち、S103で否定判定するということは、グロープラグ17gへの通電がまだ一度もされていないということであるから、グロープラグ17gへの通電開始からの経過時間Tm1は必ず0である。よって否定判定してS105に処理を進め、そこでグロープラグ17gへの通電を開始する。また、S105では、グロープラグ17gへの通電をいつまでもするとバッテリが上がってしまうので、一番最初の通電開始後所定時間が来たら通電を止める(以下「グローOFF」という。)制御のセットを行い、その後S106へ進む。なお、説明を簡単にするため、グローOFF制御の処理をするステップを省略してある。
【0065】
S106では、グロープラグ17gへの最初の通電開始からの経過時間Tm1をカウントする。
【0066】
話を一旦S103に戻す。S103で肯定判定する場合は、着火制御開始フラグがセット済みで2回目以降のルーチンの場合を示す。詳しくは、グロープラグ17gへの通電がS103で否定判定した後の、すなわち既に一度、グロープラグ17gに通電をしてグロープラグ17gの通電開始からの実際の経過時間Tm1をタイマTimでカウントした後の2回目以降のルーチンの場合である。よって、グロープラグ17gへの通電開始から実際にカウントした時間Tm1は、必ず0よりも大きな数値となる。よって、S103ではこの場合肯定判定して次のS104に処理を進める。
【0067】
S104では、グローOFFの時間までグロープラグ17gへの通電を継続し、その後前記S106に進む。
【0068】
S107ではS106でカウントした経過時間Tm1が燃料ポンプの作動制御実行の目安となる所定時間T1を経過したかどうかの判定を等号を含む不等式を用いて行う。すなわち、経過時間Tm1≧所定時間T1の場合は肯定判定して次のS108に進み、否定判定した場合はこのルーチンを終了する。
【0069】
S108では、燃料ポンプを作動して燃料供給管17eから燃料気化部17fへ送る液化燃料の量を減量する。まずは火種を作るに必要な燃料の量を確保できれば十分だからである。
【0070】
S109では、出力を下げた状態で送風ファン45を作動する。火種を作り易くするためである。
【0071】
S110(S109)では、着火センサとしてのイオンセンサ17hの出力値を読み込む。
【0072】
S111(s110)ではS110のイオンセンサ17hの出力値に基づいて、着火完了の判定、すなわち火種ができたかどうかの判定を行う。火種ができているかどうかはS110での出力値が特定の所定値に対して大きいか小さいかで判定する。火種確保の確認判定ができたら次のS112へ進み、火種不確保の判定の場合は、S116に進む。また、燃焼式ヒータ17にあっては、火種が確保できたらこれを確実に火炎に成長させるようにするために、このS111でできる火種は、それに応えるに十分な大きさの火種であるものとする。
【0073】
S112(S111)では、連通路36の弁装置44の弁体44aを駆動モータ44bを駆動し開閉機構部44cを作動させて全閉する。これにより、空気供給管33と燃焼ガス排出管35とが連通路36を介して直接流通しないようになる。
【0074】
次のS113では、送風ファン45の出力を上げて、燃焼室17dへの流通空気量をさらに増やす。これは既にこのときには火種ができており、しかもこの火種はこれが確実に火炎に成長するに十分な大きさの火種であるから、送風ファン45の出力を上げて燃焼室17dへの流通空気量を増やしても、火種が消える心配がないからである。
【0075】
S114では、燃料ポンプを作動して燃料供給管17eから燃料気化部17fへ送る液化燃料の量を増量する。火種を火炎に成長させるためである。
S115では次の燃焼式ヒータ17の作動制御実行ルーチンに備えて着火制御開始フラグをリセットする。
【0076】
話をS111に戻す。S111で否定判定し、S116に進むと、燃料ポンプの作動を停止し、S117に進む。火種のない状態で燃料を供給しても燃焼式ヒータ内部にある空気量に対して供給燃料の量が多すぎて、いわゆる過剰リッチな状態に燃焼式ヒータ17の空燃比がなってしまい、その場合、燃料が気化するのみでそれ故白煙が出たり、あるいは未燃炭化水素の発生によって生ガスの臭いがしたりする等の弊害を生ずる虞れがあるので、これを防止するためである。S116の後は、S117に進む。
【0077】
S117では、送風ファン45を作動して燃焼式ヒータ17の燃焼室17d内を掃気、すなわち余分な燃料を燃焼室17dから掃き出す。そして、掃気終了後、送風ファン45の作動を停止し、このルーチンを終了する。送風ファン45の作動を停止するのは、掃気が終わった後にも送風ファン45を回し続ける意味がないからである。
【0078】
以上が本発明の第1の実施の形態に係る燃焼式ヒータ17を有するエンジン1である。
【0079】
〈第1の実施の形態の作用効果〉
次に第1の実施の形態の作用効果について説明する。
【0080】
エンジン1では、空気供給管33と燃焼ガス排出管35とをつなぐ連通路36を備え、この連通路36は、空気供給管33と燃焼ガス排出管35との間で空気の流通を行うものである。よって、空気供給管33を流れる空気が連通路36と接続している部位に至ると、そこで連通路36に流れる空気と燃焼式ヒータ17に向かう空気とに分岐する。また連通路36は、そこに設けた弁装置44の弁体44aが、グロープラグ17gによって着火を開始するときには開いている。このため、たとえ勢いのある空気が燃焼式ヒータ17に向けて流れたとしても、少なくとも燃焼式ヒータ17の着火開始時には、つまりグロープラグ17gが通電によって発熱するときには、この勢いのある空気は連通路36を通じて燃焼ガス排出管35に流出し、その勢いが減衰する。すなわち弁体44aの開きの程度によって連通路36の開き量を十分大きくすれば、燃焼式ヒータ17に向かう空気量を燃焼式ヒータ17での着火を確実に行える程度にまで十分に減少または0(ゼロ)にできる。よって、着火ができない程の強い通風が燃焼式ヒータ17の燃焼室17dには生じない。この結果、空気流通路内には強い風が流れないので、燃焼式ヒータの着火を一度で確実に行える。しかも、白煙や、未燃炭化水素が生じることに起因する不快な臭いの発生も防止できる。
【0081】
また、燃焼式ヒータ17では、着火手段であるグロープラグ17gにより燃焼用燃料が着火したかどうかを検出する着火センサとしてのイオンセンサ17hを有するとともに、このイオンセンサ17hにより着火を検出すると、イオンセンサ17hの出力値をCPUに入力し、この出力値に基づいて、燃焼用燃料が着火したことを、すなわち火種の確保ができたことをCPUが判断した場合は、弁装置44を閉じる。するとそれまで連通路36を介して燃焼ガス排出管35に流出していた空気が空気供給管33に戻るため、燃焼式ヒータ17の燃焼室17dにおける流通空気量が増大し、さらには送風ファン45の作動による流通空気量の増大と相俟って、やがて火種が火炎に成長する。また、火種を火炎に成長させるには、流通空気量を増大するだけでは不十分であり、燃料供給手段を構成する燃料ポンプと燃料供給管17eとによって燃料を供給する必要がある。燃料供給制御は、CPUによって行い、CPUはイオンセンサ17hによる着火検出前は、燃料供給量を制限し、着火検出後は燃料供給量の制限を解除する。
【0082】
このように、燃焼式ヒータ17では、イオンセンサ17hの検知に基づくCPUの判断によって火種の存在を確認し、着火ができていると確認してから燃焼室17dを通る流通空気量を増大するようになっているので、火種を火炎に確実に成長させることができる。
【0083】
また、燃焼式ヒータ17では、イオンセンサ17hによる着火検出前は、CPUが燃料供給量を制限し、着火検出後は燃料供給量の制限を解除する。よって、着火検出後、すなわち火種の確保が確実になった時点で初めて燃料供給量が増えるので、白煙の発生防止や未燃炭化水素が生じることに起因する不快な臭いの発生防止を一層確実に行える。
【0084】
〈第2の実施の形態〉
図7〜図10を用いて、第2の実施の形態を説明する。
【0085】
この第2の実施の形態に係る燃焼式ヒータ17が、第1の実施の形態に係る燃焼式ヒータ17と異なることは、▲1▼図7に示すように、第1の実施の形態に係る連通路36が無いこと,▲2▼第1の実施の形態に係る弁装置44を無くすとともに、これに相当する弁装置であって、燃焼ガス排出管35への燃焼式ヒータ17からの燃焼ガスの排出量を低下する燃焼ガス量低下手段としての弁装置44’を設けること,▲3▼燃焼式ヒータ17への新気の供給ルートおよび▲4▼燃焼式ヒータ17の作動制御実行ルーチンの中味である。よって、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0086】
(空気供給管33’)
空気供給管33’は、第1の実施の形態に係る空気供給管33に相当するものであるが、空気供給管33’は、本流管29からではなく大気から直接吸気を入れるようになっている。よって、空気供給管33’を通る空気は外気Aとなり、この外気Aが燃焼式ヒータ17の燃焼によって燃焼ガスa2となって燃焼ガス排出管35に流れる。
【0087】
(弁装置44’)
第2の実施の形態に係る弁装置44’は、燃焼ガス排出管35のうち燃焼式ヒータ17よりの部位に取り付けたものであり、第1の実施の形態に係る弁装置44とその構成部材が実質同じである。よって第2の実施の形態に係る弁装置44’の構成部材には、第1の実施の形態に係る弁装置44の構成部材に付したと同じ符号を付して説明を省略する。
【0088】
(燃焼式ヒータ17の作動制御ルーチン)
次に第2の実施の形態に係る燃焼式ヒータ17の作動制御ルーチンについて図8および図9を参照して説明する。
【0089】
第2の実施の形態に係るフローチャートは、以下に述べるS201〜S215の各ステップからなる。また、S202を除くS201〜S208は、第1の実施の形態に係る燃焼式ヒータ17の作動制御ルーチンのフローチャートのS102を除くS101〜S108と対応しており、それらは実質的に同じであるので、それらについての説明は省略し、S202の説明およびS209以降の説明とする。
【0090】
S202では、燃焼式ヒータ17に係る弁装置44’の弁体44aを閉じる。これにより燃焼ガス排出管35を流通する燃焼ガスの流れを抑制し燃焼ガス量を低下する。
【0091】
S201〜S208を経てS209に処理が進むと、S209では、イオンセンサ17hの出力値を読み込む。
【0092】
S210ではS209の出力値に基づいて、着火完了の判定、すなわち火種ができたかどうかの判定を行う。火種ができているかどうかは、前記S209での出力値が特定の所定値に対して大きいか小さいかで判定する。火種確保の確認判定ができたら次のS211へ進み、火種不確保の判定の場合は、S215に進む。また、本発明に係る燃焼式ヒータ17は、火種が確保できたら確実に火炎に成長させるために、このステップでできる火種は、それに応えるに十分な大きさの火種である。
【0093】
S211では、燃焼式ヒータ17の弁装置44’の弁体44aを全開し、燃焼式ヒータ17から排出する燃焼ガスの量を増やす。
【0094】
次のS212では、送風ファン45の出力を上げて、燃焼式ヒータ17内、すなわち燃焼室17dでの流通空気量を増やす。すでにこの段階では火種ができているので、送風ファン45の出力を上げて、燃焼室17dでの流通空気量を増やしても火種が消えることはないからである。
【0095】
S213では、燃料ポンプを作動して燃料供給管17eから燃料気化部17fへ送る液化燃料の量を増量する。火種を火炎に成長させるためである。
S214では次の燃焼式ヒータ17の作動制御実行ルーチンに備えて着火制御開始フラグをリセットする。
【0096】
話をS210に戻す。S210で否定判定し、S215に進むと、送風ファン45を停止またはその出力を下げ、その後、このルーチンを停止する。火種ができていないのに送風ファン45の出力を高めておく必要がないからである。
【0097】
〈第2の実施形態の作用効果〉
次に第2の実施の形態の作用効果について説明する。
【0098】
燃焼式ヒータ17では、その燃焼室17dを流れる空気の量を燃焼ガス排出管35において制御する弁装置44’を備え、この弁装置44’によって燃焼ガス排出管35の燃焼ガスの流れを抑制するので、燃焼室17dを流れる空気の量をも抑制できる。したがって、少なくとも燃焼式ヒータ17が着火を開始するときには、前記抑制によって燃焼室17dを流れる空気の量を火種ができるに十分なほどに減少または0(ゼロ)にすれば、着火ができない程の勢いのある強い風が燃焼室17d内に生じる虞れがない。従って、強風が燃焼室17d内に生じないので、燃焼式ヒータ17の着火を一度で確実に行える。また、着火が確実であるから、白煙の発生防止ができるばかりか未燃炭化水素が生じることに起因する不快な臭いの発生も十分防止できる。
【0099】
また、燃焼式ヒータ17を作動しないときは、弁装置44’の弁体44aを閉じておくことで、燃焼式ヒータ17内への泥や水等の異物の侵入を防止できる。
【0100】
なお、この実施の形態では、弁装置を燃焼ガス排出管35に設けたものを示したが、空気供給管33に設けるようにしても、また、燃焼ガス排出管35におよび空気供給管33の両方に弁装置44’を設けるようにしてもよい。この場合、着火制御時だけ両弁装置44’,44’の各弁体44aを閉じ、着火時の燃焼室17dでの差圧を極めて少なくして着火性の向上を図ることもできる。また、両方の弁装置44’,44’に係る弁体44aを閉じておくことで、燃焼式ヒータ17内への異物の侵入防止効果を高められる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関にあっては、燃焼式ヒータの着火時に着火ができない程の強い通風が燃焼式ヒータの燃焼室内に生じないので、燃焼式ヒータの着火を確実に行える。また、着火が確実であるから、白煙の発生を防止できるばかりか、未燃炭化水素が生じることに起因する不快な臭いの発生も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃焼式ヒータを有する内燃機関の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態に係る燃焼式ヒータの概略断面図
【図3】図2のIII−III線を含む仮想断面で切断し矢印方向に見た断面図
【図4】図1の要部拡大図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る燃焼式ヒータの作動制御実行ルーチンを構成するフローチャートの一部
【図6】本発明の第1実施の形態に係る燃焼式ヒータの作動制御実行ルーチンを構成し図5に連続するフローチャートの一部
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る燃焼式ヒータを有する内燃機関の概略構成図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る燃焼式ヒータの概略断面図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る燃焼式ヒータの作動制御実行ルーチンを構成するフローチャートの一部
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る燃焼式ヒータの作動制御実行ルーチンを構成し図9に連続するフローチャートの一部
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)
3…エンジン本体(内燃機関の本体)
5…吸気装置
7…排気装置
9…車室用ヒータ
13…エアクリーナ
15…ターボチャージャ
15a…コンプレッサ
15b…ターボチャージャのタービン
17…燃焼式ヒータ
17a…燃焼式ヒータの機関冷却水通路
17a1…機関冷却水導入口
17a2…機関冷却水排出口
17b…燃焼筒(燃焼室)
17c…円筒状隔壁
17d…燃焼室
17d1…空気供給口
17d2…排気排出口
17e…燃料供給管(燃料供給手段)
17f…燃料気化部
17g…グロープラグ(着火手段)
17h…イオンセンサ(着火検出手段)
17i…燃料加熱蒸発板
18…液化燃料
18’…気化燃料
19…インタークーラ
21…インテークマニホールド
23…吸気管
25…上流側連結管
27…下流側連結管
29…本流管
31…ヒータ用枝管(空気流通路)
32…外気温センサ
33…空気供給管(空気供給路)
35…燃焼ガス排出管(燃焼ガス排出路)
36…連結管(管体)
38…エキゾーストマニホールド
39…触媒コンバータ
41…マフラ
42…排気管
43a…外壁
44…弁装置(連通路開閉手段)
44’…弁装置
44a…弁体(絞り弁)
44b…駆動モータ
44c…開閉機構部
45…送風ファン
46…ECU
47…水温センサ
W1…水管路
W2…水管路
W3…水管路
F…火炎
F’…火種
Tim…タイマ
A…エアクリーナ13から本流管29に入って来る外気
a1…接続箇所c1で外気Aから分岐して空気供給管33を流れる空気(新気)
a1’…本流管29を接続箇所c2に向かう空気
a2…燃焼式ヒータ17の燃焼ガス
a3…空気a2と空気a1’との燃焼ガス混入空気
a4…エンジン1の排気ガス
c1…空気供給管33と本流管29との接続箇所
c2…燃焼ガス排出路35と本流管29との接続箇所

Claims (6)

  1. 内燃機関が所定の運転状態にある時に作動して機関関連要素の温度を上げる燃焼式ヒータを有する内燃機関において、
    前記燃焼式ヒータに用いる燃焼用燃料に着火して火種を作る着火手段と、
    この着火手段によってできる前記火種を火炎に成長させる部屋である燃焼室と、
    この燃焼室に燃焼用の空気を供給する空気供給路と、
    前記燃焼室から燃焼ガスを排出する燃焼ガス排出路と、
    前記空気供給路と前記燃焼ガス排出路とをつなぐ管体と、
    前記空気供給路の空気の流れ方向における前記空気供給路と前記管体との連結部よりも下流側に設けられた送風ファンとを備えた燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  2. 前記管体は、前記着火手段により着火を開始するときに開いて前記空気供給路と前記燃焼ガス排出路との間を連通する連通路であることを特徴とする請求項に記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  3. 前記連通路は、前記着火手段による着火完了後に閉じることを特徴とする請求項に記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  4. 前記連通路は連通路開閉手段を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  5. 内燃機関が所定の運転状態にある時に作動して機関関連要素の温度を上げる燃焼式ヒータを有する内燃機関において、
    前記燃焼式ヒータに用いる燃焼用燃料に着火して火種を作る着火手段と、
    この着火手段によってできる前記火種を火炎に成長させる部屋である燃焼室と、
    この燃焼室に燃焼用の空気を大気から供給する空気供給路と、
    前記燃焼室から燃焼ガスを排出する燃焼ガス排出路と、
    前記燃焼ガス排出路に設けられるとともに、前記燃焼ガス排出路を流通する燃焼ガス量を前記着火手段による着火開始時に低下する燃焼ガス量低下手段とを備えた燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  6. 前記燃焼ガス量低下手段は、前記燃焼ガス排出路を絞る絞り弁であることを特徴とする請求項に記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関。
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