JP3539260B2 - 燃焼式ヒータを有する内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼式ヒータを有する内燃機関に関し、詳しくは冷却水や吸気等の機関関連要素を昇温させて内燃機関の低温始動性の向上や暖機促進,車室内暖房装置の性能を向上させる燃焼式ヒータを有する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌に搭載するディーゼルエンジンやリーンバーンエンジンその他の希薄燃焼式エンジンは、通常のガソリンエンジンに比べて発熱量が少ない。そこで、希薄燃焼式エンジンには、特に寒冷時における暖機促進や車室内暖房装置の性能向上等を目的として燃焼式ヒータが備えられる。
【0003】
前記燃焼式ヒータは、燃料の燃焼を行う燃焼室と、燃焼室から出る燃焼ガスを排出する燃焼ガス排出管と、燃焼時に出る燃焼熱を吸収する熱媒体と、この熱媒体を流通させる通路であって前記燃焼室を包囲する熱媒体通路とを有する。そして、燃焼式ヒータにあっては、熱媒体が熱媒体通路を流通する間に熱媒体に燃焼熱が伝わって熱媒体の温度を高める。すなわち、熱媒体通路において熱媒体と燃焼熱との間で熱交換が為される。そして、熱交換が行われたことによって高温になった熱媒体は、例えば機関本体のウォータジャケットやヒータコアその他の必要箇所に送られ、これら必要箇所を昇温する。
【0004】
また、燃焼式ヒータの燃焼ガスを前記燃焼ガス排出管を介して内燃機関の排気通路に導入することで機関排気系を構成する排気系構造物である、例えば触媒コンバータを暖めて、その機能性を高めたり、あるいは機関吸気通路に導入することで機関暖機を促進したりする技術が知られている(例えば、特開昭60−78819号公報に記載の「燃焼式ヒータを有する内燃機関」や、特開昭63−71412号公報に記載の「車両用暖房装置」参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記燃焼式ヒータの燃焼ガスには二酸化炭素が多く含まれる。したがって、燃焼式ヒータの燃焼ガス排出管を内燃機関の吸気通路に接続した状態で燃焼式ヒータを作動すると、燃焼ガスは前記の如く二酸化炭素を多く含むため、燃焼ガスが吸気通路に導入されると、内燃機関の吸気に占める二酸化炭素の割合が増えて新気の割合が減少してしまう。
【0006】
特に機関始動時は、機関回転数が、例えば100〜200rpm程度と低く、それ故、吸気通路を介して大気中からシリンダに吸込まれる吸入空気量が少ないため、吸気のほとんどといってよい位に吸気に占める燃焼ガスの割合が高くなってしまう。したがって、機関始動時にシリンダに導入される吸気では、酸素濃度が少なくなって、極端な場合、エンジンがかからない虞さえある。かといって、吸気に占める燃焼ガスの量が過少であると、今度は吸気の温度が高まらないため、燃焼式ヒータを内燃機関の低温始動時の吸気加熱用装置として使えない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、内燃機関とは別に燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを内燃機関に導入し、前記燃焼ガスに含まれる燃焼熱を利用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃焼式ヒータを有する内燃機関において、内燃機関の始動時に機関吸気に占める新気の割合の減少を防止しつつ(酸素濃度を確保しつつ)、内燃機関の低温始動性の向上や暖機促進,車室内暖房装置の性能向上等を図ることを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係る燃焼式ヒータを有する内燃機関は、燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを内燃機関の吸気系に導入し、前記燃焼ガスに含まれる燃焼熱を利用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃焼式ヒータを有する内燃機関において、前記燃焼式ヒータと前記内燃機関の吸気通路とを接続し、前記燃焼ガスを前記吸気系に案内する燃焼ガス案内手段と、この燃焼ガス案内手段によって前記吸気系に案内される前記燃焼ガスの量を制御する燃焼ガス量制御手段とを備え、この燃焼ガス量制御手段は、送風量を可変にできる送風装置であって、この送風装置が生じた気流に乗せて、前記燃焼ガスを前記燃焼ガス案内手段により前記吸気通路に向けて流すものであり、内燃機関の始動時に前記燃焼ガス案内手段に案内されて前記吸気系に導入される燃焼ガスの量を、前記始動時以外の内燃機関の作動時に前記燃焼ガス案内手段に案内されて前記吸気系に導入される燃焼ガスの量よりも少なくすることを特徴とする。
【0009】
ここで、「内燃機関の始動時」とは、内燃機関本体に付属する例えばスタータモータ等の機関回転手段でクランクシャフトを回転する場合である。本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関では、燃焼ガス量制御手段は、送風量を可変にできる送風装置であって、この送風装置が生じた気流に乗せて、前記燃焼ガスを前記燃焼ガス案内手段により前記吸気通路に向けて流すものであり、内燃機関の始動時に前記吸気系に導入される燃焼ガスの量を、前記始動時以外の内燃機関の作動時に前記吸気系に導入される燃焼ガスの量よりも少なくする。このため、内燃機関の吸気系に導入される燃焼ガスの量が減少する分、吸気に占める二酸化炭素の割合が減って代わりに新気の割合が増える。したがって、この吸気に占める新気の割合(酸素濃度)を内燃機関を作動するに有効な吸気となるように設定すれば、機関回転数の少ない始動時に燃焼式ヒータの燃焼ガスを吸気系に導入しても前記燃焼ガスを吸気系に導入することを起因として内燃機関が作動しなくなってしまうということがない。ただし、その場合でも内燃機関の始動性の向上や暖機促進,車室内暖房装置の性能向上が可能なように、吸気に占める燃焼ガスの割合を燃焼ガス量制御手段によって最適に調整することが必要である。
【0011】
さらには、前記送風装置は、回転ファンと、この回転ファンの回転数を制御するファン制御装置とを備え、このファン制御装置は、始動時以外で内燃機関が作動するときの回転ファンの回転数よりも、始動時に内燃機関が作動する時の回転ファンの回転数を低くすると好適である。
【0012】
本発明では、回転ファンの回転数が低いということは、それだけ前記燃焼ガス案内手段には少しの風、すなわち少しの気流しか生じないので、燃焼ガスもそれに応じた量しか流れない。よって、回転ファンの回転数が低い場合は、高い場合よりも少しの量しか燃焼ガスが流れないので、吸気通路に至る燃焼ガスの量も少ない。このため、吸気に占める燃焼ガスの割合が減少する分、吸気に占める新気割合が増大する。
【0013】
さらには、始動時以外で前記内燃機関が作動するとき、前記回転ファンは、内燃機関の回転数が低いほど低くなる回転域を有することが好ましい。
本発明では前記回転域では、内燃機関の回転数が低いほど内燃機関が吸い込む吸入空気量は少なくなり、この吸入空気量に合わせて回転ファンの回転数が低くなれば、それだけ燃焼ガスが吸気に含まれる割合が減少し、反対に吸気に占める新気割合が増大する。また、エンジン回転数が低い場合は、それに応じて吸気に占める燃焼ガスの量も少ないので、吸気温度が燃焼ガスの熱影響で大幅に上昇してしまうことがない。つまり、エンジン回転数に合った適切な吸気温上昇を期待できる。
【0014】
さらに、前記燃料の前記燃焼式ヒータへの供給量は、前記回転域では、前記回転ファンの回転数が低いほど少なくすることが好ましい。
本発明では、内燃機関の回転数が低いほど内燃機関が吸い込む吸入空気量は少なくなり、この吸入空気量に合わせて燃焼式ヒータへの燃料供給量が減少すれば、燃焼式ヒータで発生する燃焼ガスの量も減少し、それだけ燃焼ガスが吸気に含まれにくくなって、吸気に占める新気割合が増大する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃焼式ヒータを有する内燃機関の具体的な実施の形態について添付した図面に基づいて説明する。
【0016】
内燃機関としてのエンジン1は、ディーゼルエンジンまたはガソリン直噴リーンバーンエンジンである。エンジン1は、図1にその全体構造を概略示すように、機関冷却水を含む図示しないウォータジャケットを備えたエンジン本体3と、エンジン本体3の図示しない複数のシリンダ内に燃焼に必要な空気を送り込む吸気装置5と、この吸気装置5を経て前記シリンダに送られる空気とシリンダに噴射供給される機関燃料とからなる混合気が燃焼室で燃焼後、シリンダから出る排気ガスを大気中に放出する排気装置7と、排気装置7から吸気装置5に向けて排気ガスを再循環させることで窒素酸化物の発生を抑制する排気再循環装置としてのEGR装置8と、エンジン1とは別に燃料を燃焼し、その時に発生する燃焼ガスを吸気装置5に導入することで燃焼ガスに含まれる燃焼熱により吸気装置5を流れる吸気の温度を高める燃焼式ヒータ9と、エンジン搭載車輌の室内温度を高める車室内暖房装置であるヒータコア10と、エンジン全体を制御するエンジン制御装置であるECU11とを有する。
【0017】
前記吸気装置5は、外気をろ過するエアクリーナ13を始端としエンジン本体3の図示しない吸気ポートを終端とする吸気通路14を有する。吸気通路14には、前記エアクリーナ13と前記吸気ポートとの間に、ターボチャージャ15のコンプレッサ15a,コンプレッサ15aを作動した場合に生ずる圧縮熱により昇温した吸気温を冷却するインタークーラ19,吸入分岐管であるインテークマニホールド22その他の吸気系構造物を順次配置してある。また、インタークーラ19とインテークマニホールド22との間には吸気通路14を流れる吸気の量を制御する吸気絞り弁23を設置してある。吸気通路14のうちインタークーラ19と吸気絞り弁23との間には、前記燃焼式ヒータ9を取り付けてある。
【0018】
前記排気装置7は、エンジン本体3の図示しない排気ポートを始端とし図示しないマフラを終端とする排気通路27を有する。排気通路27には、前記排気ポートと前記マフラとの間に、排気分岐管であるエキゾーストマニホールド28,ターボチャージャ15のタービン15b,排気ガス浄化装置である触媒コンバータ29その他の排気系構造物を配置してある。
【0019】
前記EGR装置8は、吸気通路14と排気通路27とを結びエンジン本体3をバイパスするとともに排気ポートから出た排気ガスを吸気側に向けて戻すEGR通路29と、EGR通路29を流れる排気ガスの量を制御するEGR弁30とを有する。
【0020】
前記燃焼式ヒータ9は、エンジン1で用いる燃料と同じ燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを吸気通路14に導入することで、燃焼ガスに含まれる熱を利用して前記のごとく吸気装置5を流れる吸気を昇温するヒータである。燃焼式ヒータ9によって昇温された吸気は、燃焼ガスを含んだ状態で前記シリンダに向けて吸気通路14を流れる。
【0021】
また、燃焼式ヒータ9は、前記燃焼熱で機関冷却水を暖めるようになっており、暖められた機関冷却水は、ヒータコア10やエンジン本体3等の昇温の必要な箇所に送られ、当該昇温必要箇所の温度を高める(図面ではヒータコア10とエンジン本体3のみ昇温必要箇所として示す。)。そして、前記昇温必要箇所に燃焼式ヒータ9で暖めた機関冷却水を送れるように、エンジン1には熱媒体循環路Wを設けてある。
【0022】
この熱媒体循環路Wは、エンジン本体3と燃焼式ヒータ9とを結びエンジン本体3のウォータジャケットから燃焼式ヒータ9に機関冷却水を導く冷却水導入通路31と、燃焼式ヒータ9で暖められた機関冷却水をエンジン本体3のウォータジャケットにヒータコア10を経由させてから戻す冷却水排出路32とを有する。また、冷却水導入通路31には電動ウォータポンプ33を設けてあり、この電動ウォータポンプ33が作動することによって前記熱媒体循環路W内を機関冷却水が循環する。
【0023】
ここで、燃焼式ヒータ9の具体的な構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
燃焼式ヒータ9は、その内部に、前記冷却水導入通路31と前記冷却水排出路32とに連通して熱媒体循環路Wの一部となっているヒータ内部冷却水通路37を有する。
【0024】
ヒータ内部冷却水通37は、前記冷却水導入通路31と接続する冷却水導入口37aと、前記冷却水排出路32と接続する冷却水排出口37bとを有する。また、ヒータ内部冷却水通路37は、燃焼式ヒータ9の燃焼室39の周りを巡回するように形成してある。
【0025】
前記燃焼室39は、火炎Fを発生させる燃焼源としての燃焼筒40と、燃焼筒40を覆うことで火炎Fが外部に漏れないようにするカップ形状の隔壁41とからなる。燃焼筒40を隔壁41で覆うことにより、燃焼室39が隔壁41内に画される。そして、前記隔壁41も燃焼式ヒータ9の外壁42で覆われている。
【0026】
また、隔壁41と外壁42との間には、環状の隙間を設けてあり、この隙間が前記ヒータ内部冷却水通路37として機能する。このヒータ内部冷却水通路37内を機関冷却水が流れる間に、機関冷却水は燃焼室39から受熱する。つまり機関冷却水は、燃焼室39内の高熱な燃焼ガスとの間で熱交換をして昇温する。よって、ヒータ内部冷却水通路37は熱交換領域といえる。
【0027】
さらに、燃焼室39は、燃焼室39に対して空気の出入りを行う空気流通口を有する。すなわち燃焼室39は、空気流通口として、燃焼室39に燃焼用空気を入れる空気供給口62と、燃焼ガスを燃焼室39から排出する燃焼ガス排出口63,65とを有する。そして、空気供給口62は、燃焼室39のうち、火炎Fが燃焼筒40から出る側と反対側に位置し、燃焼ガス排出口63は、燃焼室39のうち、ヒータ内部冷却水通路37の下流側に対応した適所に設けてある。
【0028】
また、燃焼ガス排出口65は、火炎Fが燃焼筒40から出る側にあって、火炎Fに対向して隔壁41および外壁42に連通して設けてある。
燃焼ガス排出口63と65とは燃焼式ヒータ9の長手方向に並行に延びる連結管74を介して連結されている。そして、これら空気供給口62および燃焼ガス排出口63,65は、いずれも吸気通路14に通じている。すなわち、空気供給口62は、吸気通路14から燃焼式ヒータ9に燃焼用空気を供給する空気供給管71を介して吸気通路14と通じており、燃焼ガス排出口63,65は、連結管74を通じて、燃焼ガスを燃焼式ヒータ9から吸気通路14に排出する燃焼ガス排出管73を介して連通している。よって、燃焼ガス排出管73を燃焼ガス案内手段ということにする。
【0029】
なお、空気供給管71および吸気通路14の接続箇所C1と、燃焼ガス排出管73および吸気通路14の接続箇所C2とは近接し、接続箇所C2の方がC1よりも下流にある。また、接続箇所C1およびC2は共に前記吸気絞り弁23よりも上流でかつインタークーラ19よりも下流に位置する。
【0030】
前記燃焼ガス排出管73は、前記燃焼ガス排出口65を開閉制御する弁装置78を備えており、弁装置78を介して燃焼式ヒータ9と接続されている。
弁装置78は、その内部に燃焼ガス排出口65を開閉する弁体80を有する弁室79を有している。弁室79は、三方向に開口79a,79bおよび79cを有し、これらの開口79a,79bおよび79cは、それぞれ燃焼ガス排出口65,燃焼ガス排出管73および連結管74と連通している。
【0031】
また、弁室79の内径d1は、燃焼ガス排出管73の口径d2および連結管74の口径d3よりも大径としてあり、これによって弁室79の容積を十分余裕をもって設定してある。そして、弁装置78は、弁体80を駆動するアクチュエータ82を有する。このアクチュエータ82によって弁体80が作動すると、開口79aが開閉され、これによって燃焼ガス排出口65が開閉する。
【0032】
また、燃焼ガス排出管73の吸気通路14側箇所には、排気通路27における前記触媒コンバータ29の上流側近傍箇所C3と接続され、エンジン本体3をバイパスする分岐管84を有する。
【0033】
そして、分岐管84と前記燃焼ガス排出管73との交叉部分には、三方切換弁86を取付けてある。
三方切換弁86は、燃焼ガスが燃焼ガス排出管73をそのまま吸気通路14に向けて流れるか、または分岐管84を流れるかを選択する切換え弁である。三方切換弁86の作動によって、燃焼ガス排出管73を三方切換弁86に向けて流れて来る燃焼ガスの流れ方向を必要に応じて前記のごとく切換え、この切換えによって吸気通路14側にまたは排気通路27側に燃焼ガスを導入する。
【0034】
三方切換弁86の切り替えによって燃焼ガスが吸気通路14に流れることで、燃焼ガス排出管73により実質的に燃焼式ヒータ9と吸気通路14とが接続される。そして、この接続によって、燃焼ガスが燃焼式ヒータ9からエンジン1の吸気系に案内される。
【0035】
一方、前記燃焼筒40には、図1に示すように燃焼筒40に外部から燃料を導入する燃料導入通路88を接続してある。燃料導入通路88は燃料ポンプ89と接続してあり、燃料ポンプ89のポンプ圧を受けて燃料導入通路88から燃焼筒40に燃料が吐出する。さらに、燃焼筒40は、燃料導入通路88によって供給された燃料に着火するグロープラグ(図示せず)を有する。
【0036】
また、燃焼式ヒータ9の前記外壁42は、燃焼筒40のうち火炎Fの出る側と反対側に、駆動源としてのモータ92を有する送風用の回転ファン90を内包したハウジング93を取付けてある。
【0037】
ハウジング93は、外部から空気を取り入れるための空気取入口95を有し、この空気取入口95に前記空気供給管71を接続してある。また、ハウジング93は、その内部空間Sが前記空気供給口62と通じている。よって、空気供給口62は、空気供給管71と内部空間Sを介して間接的に連結している。
【0038】
そして、モータ92により回転ファン90を回転すると、空気供給管71を経由して前記吸気通路14からハウジング93内に空気が導入される。このハウジング93に導かれた空気は、前記内部空間Sを経て、前記空気供給口62から燃焼筒3に燃焼用空気として供給される。そして、この燃焼用空気によって燃料を燃焼した後の燃焼ガスは、その後、燃焼式ヒータ9から燃焼ガス排出管73を経由して、前記のごとく吸気通路14または排気通路27に案内される。案内される燃焼ガスの量は、前記回転ファン90のファン回転数によって決まる。すなわち、ファン回転数が多いほど、燃焼ガス排出管73に起きる気流の量が多くなり、ファン回転数に比例した量の燃焼ガスが燃焼式ヒータ9から排出される。回転ファン90の回転数は、ECU11によりモータ92を制御することで決まるので、ECU11は回転ファン90の制御装置、すなわちファン制御装置といえる。よって、回転ファン90とECU11とを燃焼ガス排出管73における送風(気流)量を可変にできる送風装置とする。また、この送風装置によって、吸気通路14に案内される燃焼ガスの量が制御されるので、送風装置は燃焼ガス量制御手段といえる。
【0039】
このような燃焼式ヒータ9は、エンジン本体3の暖機促進や低温始動性の向上またはヒータコア10の性能向上等を図るべく機関冷却水を昇温させる必要が生じると、図2に示すように、前記弁装置78の作動によって弁体80が閉じ、その結果、燃焼ガス排出口65が閉鎖する。
【0040】
そして、回転ファン90を回転することにより、吸気通路14を流れる吸気の一部を空気供給管71を介して燃焼式ヒータ9の燃焼筒40へ導入する。また、前記燃料ポンプ89が燃料タンク(図示せず)内の燃料を吸い上げて燃料導入通路88から燃焼筒40へ吐出する。更に電動ウォータポンプ33を作動することでエンジン1のウォータジャケット内の機関冷却水を燃焼式ヒータ9のヒータ内部冷却水通路37へ圧送する。
【0041】
加えて、前記回転ファン90によって燃焼筒40に供給された吸気と燃料導入通路88から燃焼筒40に供給された燃料とからなる混合気が、前記グロープラグによって着火され、燃焼筒40内で火炎Fを生じて燃焼が開始する。
【0042】
燃焼によって生じた高温の燃焼ガスは、回転ファン90が回転することで生ずる気流に乗って燃焼室39をその燃焼ガス排出口63へ向けて流れ、その後、燃焼ガス排出口63と接続している前記連結管74へ排出される(図2の実線矢印a3参照)。
【0043】
一方、電動ウォータポンプ33により、前記ウォータジャケットから冷却水導入通路31を経由して燃焼式ヒータ9のヒータ内部冷却水通路37に圧送された機関冷却水は、ヒータ内部冷却水通路37を前記隔壁41の外面全体に亘って巡回するようにして流れ、その間に燃焼ガスの燃焼熱を吸収して上昇する。換言すれば、ヒータ内部冷却水通路37の全域で機関冷却水と燃焼ガスとの間で熱交換が為される。そして、前記燃焼熱を吸収した機関冷却水は、ヒータコア10に流れるべく、ヒータ内部冷却水通路37から冷却水排出路32に排出される(図2および図3の破線矢印参照)。
【0044】
その後、燃焼式ヒータ9から排出された機関冷却水は、ヒータコア10が属する冷却水排出路32を経由してエンジン本体3のウォータジャケットに戻る。 なお、前記ヒータコア10では、機関冷却水が持つ熱の一部が暖房用空気との間で熱交換され、暖房用空気が昇温する。この結果、車輌室内に温風が出る。
【0045】
以上のようにして、燃焼式ヒータ9で暖められて高熱になった機関冷却水が、エンジン本体3のウォータジャケットや室用ヒータ10へ流れ、その結果、内燃機関の暖機促進や始動性の向上、ヒータコアの性能等が向上する。
【0046】
次に、エンジン始動時等、エンジン1の吸気または触媒コンバータ29を早期に昇温させる必要が生じた場合は、図3に示すように、弁装置78の作動によって弁体80が弁装置78の開口79aを開き、その結果、開口79aと連通している燃焼ガス排出口65が開通する。
【0047】
続いて、モータ92により回転ファン90が回転し吸気通路14内を流れる吸気の一部を燃焼式ヒータ9の燃焼筒40へ供給する。また、前記燃料ポンプ89が前記燃料タンク内の燃料を吸い上げてこの吸い上げた燃料を燃料導入通路88から燃焼筒40へ供給する。
【0048】
そして、燃焼筒40のグロープラグに通電され、回転ファン90によって供給された吸気と燃料導入通路88から供給された燃料とからなる混合気が燃焼筒40内で燃焼される。
【0049】
この燃焼により生じた高温の燃焼ガスは、回転ファン90が回転することにより生ずる気流によって燃焼室39をその燃焼ガス排出口65へ向けて流れ、その後、燃焼ガス排出口65から弁装置78の前記開口79aを経由して燃焼ガス排出管73へ排出される。
【0050】
燃焼ガス排出口65の開通によって、燃焼ガスのうちヒータ内部冷却水通路37で熱交換されなかった燃焼ガスおよびヒータ内部冷却水通路37の一部の領域でのみ熱交換された燃焼ガスが燃焼ガス排出管73を経由して吸気通路14に導入される。
【0051】
なお、燃焼ガスのうちヒータ内部冷却水通路37で熱交換されなかった燃焼ガスとは、隔壁41の内面にほとんど接することなく燃焼ガス排出口65に向かう燃焼ガスのことであり(例えば図3の矢印a1参照)、ヒータ内部冷却水通路37の一部の領域でのみ熱交換された燃焼ガスとは、隔壁41の内面に一部接することにより、熱交換される量の少ない燃焼ガスのことである(例えば図3の矢印a2参照)。このとき燃焼ガス排出口63へ向けて流れる燃焼ガスもあるが、その量は燃焼ガス排出口65へ向かって流れる燃焼ガスに比べて少ない(例えば図3の矢印a3参照)。これは次の理由による。
【0052】
すなわち、弁装置78の弁体80が開くと、弁装置78の弁室79内には燃焼室39内の燃焼ガス排出口65における燃焼ガスの圧力P0と同じか、ほぼ同じ圧力P0がかかる。
【0053】
一方、燃焼室39を経由して連結管74の始端74aに至った燃焼ガスの圧力P1は、燃焼室39を経由している間に圧力損失を受けるので前記圧力P0よりも小さい。よって、燃焼室39を経由して圧力P1になった燃焼ガスが連結管74を経由して吸気通路14に向けては流れにくく、圧力P1よりも高圧な圧力P0の燃焼ガスの方が優先的に燃焼ガス排出管73を経由して吸気通路14に向けて導入される。但し、燃焼室39を経由して連結管74の始端74aに至った圧力P1の燃焼ガスでも全く燃焼ガス排出管73を流れないわけではない。よって、連結管74を経由して弁室79に至り、そこで、前記高圧な圧力P0の燃焼ガスと圧力P1の燃焼ガスとが混在しつつ、燃焼ガス排出管73に流れる。このとき、前記の如く弁室79内の圧力は圧力P0に近くなる。
【0054】
そして、前記燃焼ガス排出口65経由で燃焼ガス排出管73に排出された高温の燃焼ガスは、やがて三方切換弁86へ至る。次いで、燃焼ガスは、三方切換弁86によって閉ざされていない方の経路へ流れる。すなわち、燃焼ガス排出管73をそのまま通って吸気通路14へ出るか、または分岐管84へ流れて排気通路27へ出る。
【0055】
ここで、前記燃焼ガス排出口65から排出された燃焼ガスは、前記の通り、燃焼式ヒータ9内で機関冷却水との熱交換が行われていないかあるいは熱交換が行われていてもその交換量が少ない。このため、燃焼ガス排出口65から排出された燃焼ガスは、燃焼ガス排出口63から排出される熱交換された燃焼ガスに比べてかなり高温である。
【0056】
そこで、便宜上、燃焼ガス排出口63に向けて流れることで、機関冷却水と熱交換が行われた燃焼ガスのことを水冷後燃焼ガスといい、燃焼ガス排出口65に向けて流れることで前記熱交換の行われなかった燃焼ガスのことを水冷前燃焼ガスという。
【0057】
水冷前燃焼ガスを吸気通路14または排気通路27における触媒コンバータ29の上流箇所C3へ供給することにより、吸気または触媒コンバータ29を早期に昇温できる。
【0058】
図4は燃焼式ヒータ9に着火した直後の、水冷前排気および水冷後排気のシリンダ内における温度特性を示すグラフ線図である。縦軸はそれら排気の温度(ガス温度)を示し、横軸は燃焼式ヒータに着火を行った後の経過時間を示す。図中、破線グラフは、前記水冷前排気の温度を示し、実線グラフは、水冷後排気の温度を示す。また、図中ほぼ中央にあって横軸と平行な線は、エンジン1を低温始動させることが可能な目安温度を示す低温始動目標値である。この実施の形態では、低温始動目標値はおよそ320℃としてある。
【0059】
図4からわかることは、水冷前排気は、水冷後排気に比べ、シリンダ内雰囲気温度が急速に高まって、一気に低温始動目標値を経過することである。
よって、高温排気がシリンダに供給されると圧縮端温度が上昇し、シリンダ内での混合気の着火性の向上しエンジン1の始動性が高まる。
【0060】
ここで図1に戻る。
前記ECU11は、双方向性バスによって相互に接続された、中央処理制御装置CPU、読み出し専用メモリROM、ランダムアクセスメモリRAM、入力インタフェース回路、出力インタフェース回路等から構成されている。そして、前記入力インタフェース回路には各種のセンサが電気配線を介して接続され、前記出力インタフェース回路には、EGR弁30,電動ウォータポンプ33,燃焼筒40のグロープラグ,弁装置78,三方切換弁86,燃料ポンプ89,モータ92等が電気配線を介して接続されている。
【0061】
前記入力インタフェース回路に接続されるセンサとしては、吸気通路14に取り付けられるエアフローメータ,触媒コンバータ29に取り付けられる触媒温度センサ、ウォータジャケットに含まれる冷却水の温度を検出する水温センサ,アクセルペダルもしくはアクセルペダルと連動して動作するアクセルレバー等に取り付けられたアクセルポジションセンサ、イグニッションスイッチ、スタータスイッチ等を例示できる。これらセンサは、検出した検出値に相当する電気信号を出力してECU11に送る。なお、例示したこれらの各種センサは図示を省略してある。
【0062】
ECU11は、前記した各種センサの出力信号値に基づいてエンジン1の運転状態を判定する。そして、その判定結果に基づいて燃料噴射制御等エンジン1全体の制御を行う。同時に本発明に係る燃焼式ヒータ9の出力制御を行うべく、前記のように回転ファン90の回転数を制御したり、燃料導入通路88から供給される燃料の量を制御する。
【0063】
次にECU11によって実行される燃焼式ヒータ9の出力制御について述べる。
先ず、エンジン1の始動時は、図5に示すような始動時ヒータ制御ルーチンが実行される。
【0064】
始動時ヒータ制御ルーチンでは、ECU11は、S401においてイグニッションスイッチの出力信号値がONか否かを判定する。
前記S401においてイグニッションスイッチの出力信号値がONであると判定した場合は、ECU11は、S402へ進み、ウォータジャケットに係る前記水温センサの出力信号値THW(冷却水温度)が所定温度未満であるか否かを判別する。
【0065】
前記S402において肯定判定した場合はECU11はS403に進み、スタータスイッチの出力信号値がONか否かを判別する。
前記S403において肯定判定した場合は、ECU11は、エンジン1が冷間始動状態にあるとみなし、S404へ進む。
【0066】
S404では、ECU11は、燃焼ガス排出口65を開状態とすべく、前記のごとく弁装置78の弁体80を制御するとともに、三方切換弁86を制御して、燃焼ガスが吸気通路14に流れるようにする。なお、三方切換弁86を制御して、分岐管84に燃焼ガスを流し、排気通路27にある触媒コンバータ39の温度を燃焼ガスの熱で高める場合があるが、これは本発明の要旨とするところと関係ないので説明を省略する。
【0067】
S405では、ECU11は、以下の手順によって燃焼式ヒータ9を作動制御する。
先ず、ECU11は、回転ファン90および燃料ポンプ89を作動して、それぞれ吸気通路14内を流れる吸気の一部および図示しない燃料タンク内の燃料を燃焼式ヒータ9内の燃焼筒40へ供給する。続いて、ECU11は、燃焼筒40のグロープラグへ通電し、前記一部の吸気および前記燃料からなる混合気に着火して燃焼式ヒータ9による燃焼を実施する。
【0068】
その際、ECU11は、燃焼式ヒータ9から出る燃焼ガスの空燃比が通常よりもリーンな空燃比になるように、回転ファン90の制御回転数Nf1と、燃料ポンプ89の制御回転数Np1を設定する。詳しくは、前記リーンな空燃比の燃焼ガスを吸気通路14内の吸気に含めた場合に、その吸気に占める酸素濃度が14%以上になって、吸気として有効に利用できるように、前記Nf1とNp1とを設定する。燃焼ガスの回転ファン90の制御回転数Nf1(以降、単にファン回転数Nf1という。)は、図6に示すようなマップM1から求める。
【0069】
マップM1は、縦軸にファン回転数Nf1を取り、横軸にエンジン回転数Neを取ってなるファン回転数−エンジン回転数線図である。そして、エンジン回転数Neが求まれば、マップM1からエンジン回転数Neに対応するファン回転数Nf1が求まる。
【0070】
マップ1によれば、エンジン回転数Neが約200rpm以下の場合がエンジン1の始動時(クランキング時)であることを意味する。よって、この時にエンジン1はスタータモータによって作動されている状態にあることがわかる。また、マップM1からエンジン1が始動状態にある時のファン回転数Nf1は一定であることがわかる。
【0071】
また、マップ1から、エンジン1がその始動状態から脱し、エンジン回転数Neが約200rpm〜600rpmの回転域にあるときに、ファン回転数Nf1とエンジン回転数Neとが比例関係にあることがわかる。よって、エンジン1がその始動状態以外の時にファン回転数Nf1は、エンジン回転数Neが低いほど低く、またエンジン回転数Neが大きいほど大きいといえる。
【0072】
さらに、マップ1から、エンジン回転数Neが約600rpmよりも多いときもエンジン始動時と同様、ファン回転数Nf1の値が一定であることがわかる。また、マップ1から、エンジン始動時に燃焼ガス排出管73経由で吸気通路14に導入される燃焼ガスの量は、始動時以外のエンジン作動時でかつエンジン回転数Neが前記回転域(約200rpm〜600rpm)にあるときに燃焼ガス排出管73経由で吸気通路14に導入される燃焼ガスの量よりも少ないことが、両者の回転数の対比から間接的にわかる。
【0073】
また、燃料ポンプ89の制御回転数Np1(以降、単にポンプ回転数Np1)は、演算によってもまた図示しないマップから特定してもよいが、送風ファン回転数Nf1が低いほど低い、すなわち送風ファン回転数Nf1が低いほど、燃料供給量が少なくなるように設定してある。
【0074】
ファン回転数およびポンプ回転数をそれぞれ前記したNf1およびNp1にした状態で、ECU11は燃焼筒40の前記グロープラグへ通電し、これにより、前記吸気および前記燃料からなる混合気の燃焼が燃焼式ヒータ9の燃焼室39で実現する。このようにファン回転数およびポンプ回転数を前記Nf1およびNp1にした状態で、燃焼式ヒータ9の燃焼を実行することを以降、単に燃焼式ヒータの作動制御1実行という。そして、燃焼式ヒータの作動制御1実行後、このルーチンを終了する。
【0075】
一方、前記S401およびS402にて否定判定した場合は、S408にて燃焼式ヒータ9の停止制御を実行し、このルーチンを終了する。いずれの場合も燃焼式ヒータ9を作動して燃焼熱を利用する必要のない運転状態にあるからである。
【0076】
また、前記S403において否定判定、すなわちスタータスイッチの出力信号値がOFFであると判定した場合は、ECU11は、すでにエンジン1が始動している、換言すればエンジン回転数Neが200rpmよりも多いとみなし、S406へ進む。
【0077】
S406では、ECU11は、前記燃焼ガス排出口65を閉状態とすべく弁装置78を制御するとともに、三方切換弁86を制御して、燃焼ガスが吸気通路14に流れるようにする。
【0078】
また、三方切換弁86を制御して、分岐管84に燃焼ガスを流し、排気通路27にある触媒コンバータ39の温度を燃焼ガスの熱で高める場合があるが、これは本発明の要旨とするところと関係ないので説明を省略する。
【0079】
次に、S407では、ECU11は、以下の手順によって燃焼式ヒータ9を作動する。
先ず、ECU11は、回転ファン90および燃料ポンプ89を作動して、それぞれ吸気通路14内を流れる吸気の一部および図示しない燃料タンク内の燃料を燃焼式ヒータ9の燃焼筒40へ供給する。併せて、ECU11は、冷却水導入通路31に設置してあるウォータポンプ33を作動し、エンジン本体3のウォータジャケットを流れる機関冷却水を燃焼式ヒータ9のヒータ内部冷却水通路37へ前記冷却水導入通路31を介して供給する。
【0080】
続いて、ECU11は、燃焼筒40のグロープラグへ通電し、前記一部の吸気および前記燃料からなる混合気に着火して燃焼式ヒータ9による燃焼を実施する。その際、ECU11は、前記燃焼筒40で燃焼する混合気の空燃比が通常の空燃比となるように、燃料ポンプ89の吐出量およびまたは回転ファン90の送風量を制御する。すなわち、前記マップM1等を用いることによりファン回転数およびポンプ回転数を求める。このとき前記のようにエンジン回転数Neは、200rpmよりも多いので、前記Nf1およびNp1よりも大きなNf2およびNp2(Nf1<Nf2,Np1<Np2)になる。そして、このようにファン回転数およびポンプ回転数を前記Nf2およびNp2にした状態で、燃焼式ヒータ9の燃焼を実行することを以降、単に燃焼式ヒータの作動制御2実行という。S407で作動制御2を行った後、このルーチンを終了する。
【0081】
次に本実施の形態の作用効果を述べる。
エンジン1では、前記作動制御1実行の場合、エンジン回転数が約200rpm以下の機関始動時に吸気通路14に導入される燃焼式ヒータ9の燃焼ガスの量が、エンジン始動時以外の作動時であってエンジン回転数が約200rpm〜600rpmの時に吸気通路14に導入される前記燃焼ガスの量よりも少なくなるように、ファン回転数Nf1とポンプ回転数Np1とが制御される。そして、そのようにファン回転数およびポンプ回転数を制御した場合に燃焼式ヒータ9から出る燃焼ガスを含んだ吸気は、前記のようにエンジン1を作動できるに十分な、すなわち酸素濃度14%以上の吸気となる。また、暖機促進やヒータコア10の性能向上を図れるように、燃焼式ヒータ9から出る燃焼ガスの吸気に占める割合をECU11によって最適に調整すると好適である。
【0082】
図7は、エンジン始動時(クランキング時)におけるエンジン吸気中の燃焼ガスの割合いを従来技術と本発明とで比較して示すグラフ線図である。縦軸はエンジン吸気に占める燃焼ガスの割合(吸気中燃焼式ヒータ排気割合)を示し、横軸はエンジン回転数を示す。また、図中、破線で示すグラフ線が従来技術の場合であり、実線で示すグラフ線が本発明の場合である。
【0083】
従来技術を示す破線グラフ線によれば、エンジン1がクランキング域(機関回転数が200rpm以下の場合)で作動している場合、エンジン1の燃焼室に供給される吸気の大部分(ほぼ100%)が、燃焼式ヒータ9からの燃焼ガスで占められていることがわかる。
【0084】
また、実線グラフ線によれば、前記クランキング域でエンジン1が作動している場合はもちろん約200rpm〜600rpmの回転域で作動している場合でも吸気に占める燃焼ガスの割合が、破線グラフと比較して大幅に低下していることがわかる。
【0085】
さらに、エンジン1を低温始動する場合、燃焼式ヒータ9にて冷却水との熱交換が行われていない、前記した高温且つリーン雰囲気な水冷前排気をエンジン1の吸気系に供給することができる。このため、エンジン1の燃焼室内の雰囲気温度が高くなり、混合気の着火性およびエンジン1の始動性を向上させること可能となる。また、グロープラグなしでかつ低圧縮比での低温始動が可能となる。
【0086】
さらに、触媒コンバータ29を昇温させる必要が発生した場合は、前記水冷前排気を触媒コンバータ29へ供給することができるため、触媒コンバータ29を所望の温度まで早期に昇温させることが可能となり、一層の排気エミッションを向上させることができる。
【0087】
その際、吸気絞り弁23を作動させてエンジン1から触媒コンバータ29へ流れる排気の量を減少させることにより、低負荷運転時等の低温排気による触媒コンバータ29の温度低下を抑制できる。このため、燃焼式ヒータ9の燃焼ガスによる触媒コンバータ29の昇温率を一層向上させることが可能となる。
【0088】
また、作動制御2を実行する場合、既述の如くマップM1からわかるように、エンジン回転数が約200rpm〜600rpmの範囲でエンジン1が作動するときのファン回転数は、エンジン回転数Neが低いほど低く、それに応じて前記Nf2およびNp2が定まるようになっている。したがって、エンジン回転数が低い場合は、それに応じて吸気に占める燃焼ガスの量も少ないので、吸気温度が燃焼ガスの熱影響で大幅に上昇してしまうことがない。つまり、エンジン回転数に合った適切な吸気温上昇を期待できる。
【0089】
さらに、ポンプ回転数Np2もエンジン回転数に応じて変化するので、燃焼式ヒータ9への燃料供給量は、前記回転ファンの回転数が小さければ少なくなる。よって、燃焼式ヒータ9から出る燃焼ガスを含んだ吸気のリッチ化を防止できる。
【0090】
そして、燃焼式ヒータ9から出る燃焼ガスは、前記の如く回転ファン90の送風により燃焼室39を前記燃焼ガス排出口63へ向けて流れ、燃焼ガス排出口63と接続している前記連結管74へ排出される(図2の実線矢印a3参照)。このとき、燃焼ガスは機関冷却水との間で熱交換されるので、温度が低くなっている前記水冷後排気となる。
【0091】
前記連結管74へ排出された燃焼ガスは、連結管74を通った後、弁装置78を経由してやがて燃焼ガス排出管73に配置されている三方切換弁86へ導かれる。このとき三方切換弁86の制御によって、分岐管84に燃焼ガスが流れない状態にあれば、三方切換弁86へ導かれた燃焼ガスは、燃焼ガス排出管73をそのまま通って吸気通路14へ出る。
【0092】
前記吸気通路14へ排出された燃焼ガスは、前記インテークマニホールド22を介してエンジン本体3の燃焼室へ吸気の一部として供給される。また、燃焼室には、図示しない燃料噴射弁から燃料も供給される。そして、前記燃焼ガスを含む吸気で前記燃料が燃焼に供される。このとき、燃焼ガスは、前記の如く燃焼式ヒータ9において冷却水との熱交換が行われて温度が低くなっている水冷後排気であるため、エンジン1が熱害を被ることもない。さらに、エンジン1の始動時よりもCO2濃度が比較的高い燃焼ガスを燃焼室へ供給することにより、機関燃焼時に発生するNOX量を低減することも可能となる。
【0093】
また、燃焼式ヒータ9の空気供給管71と吸気通路14との接続箇所C1と、燃焼ガス排出管73と吸気通路14との接続箇所C2とをインタークーラ19の下流において、両箇所C1およびC2を近接して配置し、また、その間には吸気抵抗物となるものはなにも配置してないため、接続箇所C1と接続箇所C2との間で生じる圧力差は、ないかあるいは極めて小さくなる。このため、吸気通路14から燃焼ガス排出管73に向けて燃焼ガスが逆流してしまうことはない。よって、燃焼ガスが失火してしまうこともない。また、吸気絞り弁23が、接続箇所C1と接続箇所C2との間にないので、燃焼式ヒータ9への吸気増大の虞もない。
【0094】
一方、図8の変形例に示すように接続箇所C1と接続箇所C2との間に吸気絞り弁23を配置しした場合は、燃焼式ヒータ9から出る排気ガスが吸気絞り弁23には流れないので、吸気絞り弁23への熱害の心配もない。なお、図8が図1と異なる点は、吸気絞り弁23の設置場所の違いでしかないので、他の同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0095】
また、吸気通路14における燃焼式ヒータ9の接続箇所C1およびC2がコンプレッサ15aやインタークーラ19よりも下流にあるので、それらには高熱な水冷前排気が流れない。したがって、インタークーラ19やコンプレッサ15a等への熱害の心配もない。また、高熱な水冷前排気がインタークーラ19やコンプレッサ15a等へ流れないので、燃焼ガスの持つ熱がインタークーラ19やコンプレッサ15aによって吸収されてしまうことがない。このため、高熱な燃焼ガスをシリンダや触媒コンバータ39に供給できる。よって、暖機性を高めかつ触媒の活性化が速まる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関によれば、内燃機関とは別に燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを内燃機関に導入し、前記燃焼ガスに含まれる燃焼熱を利用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃焼式ヒータを有する内燃機関において、内燃機関の始動時に機関吸気に占める新気の割合の減少を防止しつつ(酸素濃度を確保しつつ)、内燃機関の始動性の向上や暖機促進,車室内暖房装置の性能向上等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関の概略構成図
【図2】燃焼式ヒータの作動状態を示す断面図
【図3】燃焼式ヒータの別の作動状態を示す断面図
【図4】燃焼式ヒータの着火直後の排気温度特性を水冷前排気と水冷後排気とで比較して示す、ガス温度−経過時間線図
【図5】始動時ヒータ制御ルーチンを示すフローチャート
【図6】ファン回転数−エンジン回転数マップ
【図7】エンジン吸気中の燃焼ガスの割合いを従来技術と本発明とで比較して示すグラフ線図
【図8】図1の変形例を示す図
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)
3…エンジン本体
5…吸気装置
7…排気装置
8…EGR装置
9…燃焼式ヒータ
10…ヒータコア
11…ECU(燃焼ガス量制御手段,送風装置,ファン制御装置)
13…エアクリーナ
14…吸気通路
15…ターボチャージャ
15a…コンプレッサ
15b…タービン
19…インタークーラ
22…インテークマニホールド
23…吸気絞り弁
27…排気通路
28…エキゾーストマニホールド
29…触媒コンバータ
30…EGR弁
31…冷却水導入通路
32…冷却水排出路
33…電動ウォータポンプ
37…ヒータ内部冷却水通
37a…冷却水導入口
37b…冷却水排出口
39…燃焼室
40…燃焼筒
41…隔壁
42…外壁
62…空気供給口
63…燃焼ガス排出口
65…燃焼ガス排出口
71…空気供給管
73…燃焼ガス排出管(燃焼ガス案内手段)
74…連結管
78…弁装置
80…弁体
82…アクチュエータ
84…分岐管
86…三方切換弁
88…燃料導入通路
89…燃料ポンプ
90…回転ファン(燃焼ガス量制御手段,送風装置)
92…モータ
93…ハウジング
95…空気取入口
C1…空気供給管71と吸気通路14との接続箇所
C2…燃焼ガス排出管73と吸気通路14との接続箇所
C3…触媒コンバータ29の上流側近傍箇所
F…火炎
S…ハウジング93の内部空間
W…熱媒体循環路

Claims (4)

  1. 燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを内燃機関の吸気系に導入し、前記燃焼ガスに含まれる燃焼熱を利用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃焼式ヒータを有する内燃機関において、
    前記燃焼式ヒータと前記内燃機関の吸気通路とを接続し、前記燃焼ガスを前記吸気系に案内する燃焼ガス案内手段と、
    この燃焼ガス案内手段によって前記吸気系に案内される前記燃焼ガスの量を制御する燃焼ガス量制御手段とを備え、
    この燃焼ガス量制御手段は、送風量を可変にできる送風装置であって、この送風装置が生じた気流に乗せて、前記燃焼ガスを前記燃焼ガス案内手段により前記吸気通路に向けて流すものであり、内燃機関の始動時に前記燃焼ガス案内手段に案内されて前記吸気系に導入される燃焼ガスの量を、前記始動時以外の内燃機関の作動時に前記燃焼ガス案内手段に案内されて前記吸気系に導入される燃焼ガスの量よりも少なくすることを特徴とする燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  2. 前記送風装置は、回転ファンと、この回転ファンの回転数を制御するファン制御装置とを備え、このファン制御装置は、始動時以外で内燃機関が作動するときの回転ファンの回転数よりも、始動時に内燃機関が作動する時の回転ファンの回転数を低くすることを特徴とする請求項記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  3. 始動時以外で前記内燃機関が作動するとき、前記回転ファンは、内燃機関の回転数が低いほど低くなる回転域を有することを特徴とする請求項記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  4. 前記燃料の前記燃焼式ヒータへの供給量は、前記回転域では、前記回転ファンの回転数が低いほど少なくすることを特徴とする請求項記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関。
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