JP3570481B2 - パネル取り付けコネクタ - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル取り付けコネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、パネル取り付けコネクタは、コネクタハウジングの側面に張り出させたフランジを、パネルに形成したコネクタ取付孔の開口縁に押しつけた状態にして取り付けられており、防水を図ったものでは、防水リングがフランジとパネルとの間に挟まれて取り付けられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したコネクタでは予めフランジに防水リングを敷設しておいても、コネクタをパネルに取り付ける際に防水リングがフランジから離脱してしまうことがあり、コネクタの取り付け作業が困難であった。一方、実開平３−１２７７８３号公報に掲載されたパネル取り付けコネクタのように、フランジに防水リングを一体に成形した構造とすると、製造コストがかかってしまう。
【０００４】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、製造コストをかけずして、パネルへの取り付け作業の容易化を図ることが可能なパネル取り付けコネクタの提供を目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１に係る発明は、コネクタハウジングの側面から張り出したフランジの背面と、パネルに形成したコネクタ取付孔の開口縁との間に防水リングを挟んで取り付けられるパネル取り付けコネクタであって、コネクタハウジングを貫通してその背面側で直角曲げされた基板側端子群の先端位置を、コネクタハウジングの側面に沿わせて配置したアライメント板によって矯正したものにおいて、防水リングから内側に延設部を延ばし、この延設部にフランジと反対側からアライメント板の一端を突き合わせたところに特徴を有する。
【０００６】
請求項２に係る発明は、請求項１に記載のパネル取り付けコネクタにおいて、アライメント板の一端には、防水リングの延設部に並行して垂直壁が突設されているところに特徴を有する。
【０００７】
【発明の作用及び効果】
請求項１の構造では、アライメント板との突き合わせにより、防水リングがフランジから離脱しないように規制される。即ち、本発明によれば、基板側端子群の位置矯正用のアライメント板を利用して、製造コストをかけずに防水リングの離脱を規制でき、これによりコネクタのパネルへの取り付け作業が容易になる。
【０００８】
請求項２の構造によれば、アライメント板に設けた垂直壁と防水リングに設けた延設部とが突き合わされて、防水リングのコネクタハウジングからの離脱が規制される。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図１〜図７に基づいて説明する。
本実施形態のパネル取り付けコネクタ（以下、適宜「コネクタ」という）に備えたコネクタハウジング１０（以下、「ハウジング１０」という）は、図１に示すように横長の直方体状をなしている。ハウジング１０には、３つのコネクタ部１１が横方向に並べて備えられ、そのコネクタ部１１ごとにハウジング１０の前面に開放した凹所１２（図２参照）が形成されている。また、ハウジング１０の前面には、各凹所１２の開口縁から角筒状のフード部１３が延設されており、このフード部１３に沿って図示しない相手コネクタが凹所１２内に嵌入される。
【００１０】
ハウジング１０には、各コネクタ部１１ごとに複数の端子群１４が配されている。端子群１４の各基板側端子１４Ａは、図２に示すように前記凹所１２の奥壁１２Ａを貫通して、その一端が凹所１２の開放口に向かって突出しており、前記相手コネクタを凹所１２に嵌入したときに、その相手コネクタに収容した相手端子金具に接続される。また、各基板側端子１４Ａの他端は、ハウジング１０の背面側において、互いに並行して同図の下方に直下曲げされ、それらの先端が同図における垂直方向の同じ位置に揃えられている。
【００１１】
ハウジング１０には、その側面から側方に向けてフランジ１６が張り出されている。フランジ１６は、ハウジング１０の側面のうち図１における上下面から均一の高さとなって突出すると共に、左右を向いた両面からその中央が高く突出して略三角形状となっている。そして、その三角形の頂点付近には、貫通孔１６Ａが形成されている。
【００１２】
フランジ１６の背面１６Ｂの基端側には、周方向に沿って収容溝１７が陥没形成され、そこに防水リング１８が収容される。防水リング１８は、図４に示すように、ハウジング１０の外周形状に対応した長方形の枠状をなし、その一長辺にの両端部から内側に向けて一対の延設片１９，１９（本発明の延設部に相当する）が延ばされている。また、防水リング１８には、表裏の両面に周方向に沿った２条ずつのリップ１８Ａ（図４（Ｂ）参照）が備えらている。
【００１３】
ハウジング１０の側面のうち基板側端子群１４Ａの先端が延びる側は、アライメント板１５が取り付けられる取付面２０となっている。取付面２０には、図５に示すように横方向の両側と中間部分とに計４つのリブ２１が設けられている。また、取付面２０のうち前記収容溝１７内に配置された部分には、図７に示すように、防水リング１８を位置決めするための張り出し部２２が設けられている。張り出し部２２は、取付面２０の横方向の途中部分に亘って延ばされ、前記リブ２１と同じ高さをなしている。そして、防水リング１８のうち両延設片１９，１９の間の内周面が張り出し部２２に同図の下方から当接して位置決めされると共に、各延設片１９が収容溝１７のうち取付面２０の両側のリブ２１と張り出し部２２との間の矩形領域１７Ａに収容される。
【００１４】
アライメント板１５は、ハウジング１０に対応して横長となっており、かつ、前後方向（図２の水平方向）の途中に段付き部２３を備えている。アライメント板１５のうち段付き部２３より後方（図２の左側）には、３つの挿通孔群２４が設けられ、かつ、段付き部２３より前方側は、横方向で３つの装着用突片２５に分割されている。そして、アライメント板１５がハウジング１０に取り付けられると、図２に示すように、挿通孔群２４の各挿通孔２４Ａに前記端子群１４の各基板側端子１４Ａが挿通されると共に、各装着用突片２５がハウジング１０の取付面２０に設けた前記リブ２１同士の間に収まる（図４参照）。
【００１５】
アライメント板１５のうち中央の装着用突片２５Ａには、図１に示すように、位置決め突起２６が上方に向けて突出されており、これがハウジング１０に設けた孔２７（図７参照）に嵌入される。さらに、両側の装着用突片２５Ｂ，２５Ｂには、図１に示すように、中央の装着用突片２５Ａ寄りの側縁部に沿って長孔２８が設けられており、前記取付面２０のリブ２１に設けた突起２９（図７参照）によって、装着用突片２５Ｂの側壁が長孔２８側に変形されるようになっている。また、図２に示すように、アライメント板１５の端部と収容溝１７に収容した防水リング１８との間には、クリアランスＣが設けられている。
【００１６】
さて、両側の各装着用突片２５の先端には、前記収容溝１７の矩形領域１７Ａに対応する位置に垂直壁３０が突設されている。この垂直壁３０は、図２に示すように、フランジ１６と並行して取付面２０から離れる側に延びている。
【００１７】
上記したパネル取り付けコネクタが取り付けられるパネル３２（図３参照）は、例えば電気機器のケースを構成しており、そのパネル３２には、前記ハウジング１０の外周形状に対応した矩形のコネクタ取付孔３３が形成され、そのコネクタ取付孔３３の両側には図示しないボルト通し孔が形成されている。
【００１８】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
ハウジング１０に防水リング１８を取り付けるには、ハウジング１０の図１における下方に防水リング１８を配しかつ防水リング１８のうち延設片１９を備えた側をハウジング１０のフランジ１６側に位置させて、基板側端子群１４Ａの先端を防水リング１８の開口内に差し込む。そして、防水リング１８を基板側端子群１４Ａの屈曲部分に沿って垂直に起こしつつ移動し、フランジ１６背面の収容溝１７内に押し込む。すると、図７に示すように、防水リング１８の延設片１９が収容溝１７の矩形領域１７Ａ内に収まり、かつ、防水リング１８のうち延設片１９以外の内周面が、ハウジング１０の側面全周に亘って密着する。
【００１９】
次いで、アライメント板１５をハウジング１０に取り付ける。そのために、ハウジング１０の図１における下方にアライメント板１５を配置し、アライメント板１５に設けた挿通孔群２４にハウジング１０の基板側端子群１４Ａを挿通させつつ、そのタブ群１４に沿ってアライメント板１５をハウジング１０側に移動する。このとき、アライメント板１５の先端と収容溝１７に収容した防水リング１８との間には、クリアランスＣ（図２参照）が設けられているから、アライメント板１５と防水リング１８とが干渉することはない。
【００２０】
アライメント板１５をハウジング１０の取付面２０に押し付けと、アライメント板１５の各装着用突片２５が取付面２０に設けたリブ２１，２１同士の間に収まる（図６参照）。このとき、アライメント板１５に設けた位置決め突起２６（図７参照）がハウジング１０に設けた孔２７（図７参照）に収まって位置決めされる。また、取付面２０のリブ２１に設けた突起２９（図７参照）によって、装着用突片２５Ｂの側壁が長孔２８（図１参照）側に変形される。これにより、前記突起２９と装着用突片２５の側壁とが互いに押し付けられ、その摩擦力をもってアライメント板１５がハウジング１０に係止される。すると、図２に示すように、アライメント板１５に設けた垂直壁３０と防水リング１８に設けた延設片１９が突き合わされた状態となる。
【００２１】
本実施形態のコネクタをパネル３２（図３参照）に取り付けるには、アライメント板１５に保持された基板側端子群１４Ａの先端側からパネル３２に形成したコネクタ取付孔３３に挿入し、その基板側端子群１４Ａの屈曲部分に沿ってハウジング１０を起こしつつコネクタ取付孔３３の奥に移動する。ここで、コネクタを取り扱う際にフランジ１６の背面が下側に向けられても、アライメント板１５の垂直壁３０と防水リング１８の延設片１９との突き合わせによって防水リング１８の移動が規制されているから、防水リング１８がハウジング１０からずれ落ちてしまうことはない。そして、フランジ１６の背面をコネクタ取付孔３３の縁部に押し付け、フランジ１６に備えた貫通孔１６Ａとパネル３２に設けた孔（図示せず）とにボルトを挿通させてその先端にナットを螺合させる。すると、フランジ１６がパネル３２に押し付けられることによって、防水リング１８のリップ１８Ａが押しつぶされ、コネクタ取付孔３３の周縁部に防水面が形成され、もってコネクタのパネル３２への取り付けが完了する。
【００２２】
このように本実施形態の取り付けコネクタによれば、防水リング１８が離脱しないようになっているから、コネクタをパネル３２に取り付ける作業を効率良く行える。しかも、基板側端子群１４Ａの位置矯正用のアライメント板１５を利用して防水リング１８の離脱を規制しているから、製造コストもかからない。
【００２３】
＜他の実施形態＞
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
（１）前記実施形態のアライメント板１５の先端には、垂直壁３０が備えられていたが、垂直壁を設けずに単にアライメント板を防水リングに突き合わせた構造としてもよい。但し、前記実施形態のようにアライメント板１５に垂直壁３０を設けて防水リング１８に設けた延設片１９と突き合わせた構造とすれば、両者の突き合わせ部分を広く確保できるから、防水リング１８の移動規制を確実に行える。
（２）また、前記実施形態では延設部（延設片１９）が対をなして設けられていたが、例えば、防水リングの内側全周に亘って延設部を連続させた構造としてもよい。そのようにすれば、防水リングが上下にも対称形状となり、ハウジングへの取り付けの自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係るパネル取り付けコネクタの斜視図
【図２】その側断面図
【図３】パネル取り付けコネクタをパネルに取り付けた状態の側断面図
【図４】（Ａ）防水リングの平面図
（Ｂ）その側断面図
【図５】パネル取り付けコネクタの底面図
【図６】アライメント板を取り付けた状態のパネル取り付けコネクタの底面図
【図７】パネル取り付けコネクタの背面図
【符号の説明】
１０…コネクタハウジング
１４Ａ…基板側端子群
１５…アライメント板
１６…フランジ
１６Ｂ…背面
１８…防水リング
１９…延設片（延設部）
２４…挿通孔群
３０…垂直壁
３２…パネル
３３…コネクタ取付孔

Claims (2)

  1. コネクタハウジングの側面から張り出したフランジの背面と、パネルに形成したコネクタ取付孔の開口縁との間に防水リングを挟んで取り付けられるパネル取り付けコネクタであって、前記コネクタハウジングを貫通してその背面側で直角曲げされた基板側端子群の先端位置を、前記コネクタハウジングの側面に沿わせて配置したアライメント板によって矯正したものにおいて、
    前記防水リングから内側に延設部を延ばし、この延設部に前記フランジと反対側から前記アライメント板の一端を突き合わせたことを特徴とするパネル取り付けコネクタ。
  2. 前記アライメント板の一端には、前記防水リングの前記延設部に並行して垂直壁が突設されていることを特徴とする請求項１に記載のパネル取り付けコネクタ。
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