JP3558626B2 - 魚釣用両軸リール - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣用両軸リールに係り、詳しくは超音波センサを用いて釣糸の繰出し量や巻取り量を計測する糸長計測装置を備えた魚釣用両軸リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は先に、超音波センサを用いて釣糸の繰出し量や巻取り量を計測する魚釣用両軸リール(以下、「両軸リール」という)の糸長計測装置を開示した(例えば、下記の特許文献1,2参照。)。
これらの糸長計測装置は、リール本体の側板間に回転自在に支持したスプールの回転数を検出する回転数検出手段と、送信用の超音波センサから発射された超音波が、スプールに巻回された釣糸の巻回面で反射して受信用の超音波センサで受信されるまでの時間を計時手段で計時して、その計時値に基づき糸巻径を計測する糸巻径計測手段と、当該糸巻径計測手段で求めた糸巻径と上記回転数検出手段で求めた検出値を基に糸長を演算する演算手段と、当該演算手段で演算された糸長を表示する表示器を備えたことを特徴としており、図3及び図4に示すように特許文献1で開示した両軸リール1は、リール本体3上部の側板5,7間に取り付けた制御ボックス(電子制御機構収容体)9のスプール対向面11に、送信用の超音波センサ13と受信用の超音波センサ15を、スプール17に巻回された釣糸37の巻回面19に対向させてV字状に装着したものである。
【0003】
また、図5及び図6に示すように特許文献2で開示した両軸リール21は、超音波センサ13,15を装着するセンサ支持体23をリール本体25後方のサムレスト27の下側の側板間に取り付け、当該センサ支持体23のスプール対向面29に超音波センサ13,15を釣糸37の巻回面19に対向させてV字状に装着すると共に、センサ支持体23の外側を保護カバー31で覆ったことを特徴としている。
【0004】
そして、既述したようにいずれの従来例も、超音波センサ13から超音波が釣糸37の巻回面19に発射されると、その反射波が超音波センサ15で受信されるまでの時間が、先ず制御ボックス9内の糸巻径計測手段の計時手段で計時される。
次いで、計時手段の計時値が糸巻径に比例した電気信号に変換され、この糸巻径信号と、マグネット33とリードスイッチ35からなる回転数検出手段で検出されたスプール17の回転数を基に釣糸37の繰出し量が演算手段で計算されて、その数値が制御ボックス9上の操作パネル39に設けたデジタル表示器(以下、「表示器」という)41に表示されるようになっている。
【0005】
而して、これらの糸長計測装置を装着したことにより、釣糸37の繰出し量や巻取り量を高精度に計測することが可能となった。
【特許文献1】
特開平5−23082号公報(第3頁−第5頁、図1)。
【特許文献2】
実開平7−7435号公報(第2頁、図1)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上述の如き超音波センサ13,15を用いた糸長計測装置は、釣糸37の巻回面19と超音波センサ13,15との間に一定の距離を確保しないと超音波センサ13,15が正常に機能しないため、図3に示す両軸リール1にあっては、制御ボックス9を巻回面19から離間させなければならず、このため、リール本体3が天地方向に大型化してしまう欠点が指摘されている。
【0007】
同様に、図5に示す両軸リール21にあっても、釣糸37の巻回面19と超音波センサ13,15との間に一定の距離を確保しなければならないため、リール本体25が前後方向に大型化してしまう不具合が指摘されていた。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、超音波センサによる糸長計測装置を備えたこの種の両軸リールに改良を加え、スプールに巻回された釣糸の巻回面と超音波センサ間の距離を十分に確保しつつ、リール本体の小型,軽量化を図り、併せてリール組立時の組込み性に優れた両軸リールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、リール本体の側板間に、釣糸が巻回されるスプールを回転自在に支持すると共に、スプールの回転数を検出する回転数検出手段の検出値と、超音波センサからスプールに巻回された釣糸の巻回面に超音波を発射してその反射波を超音波センサが受信するまでの時間から糸巻径を計測する糸巻径計測手段の計測値とを基に糸長を演算して、表示器に当該糸長を表示する糸長計測装置を備えた両軸リールに於て、上記両側板内に、スプールに巻回された釣糸の巻回面方向に開口するセンサ取付孔を設け、当該センサ取付孔内に超音波センサを装着したことを特徴とする。
【0009】
(作用)
請求項1に係る両軸リールによれば、リール本体を天地方向に大型化したり前後方向に大型化することなく、スプールとの距離を十分に確保し乍ら、超音波センサが側板内にユニット化して装着される。
【0010】
そして、従来と同様、糸長計測装置は、スプールの回転数を検出する回転数検出手段の検出値と、超音波センサからスプールに巻回された釣糸の巻回面に超音波を発射してその反射波を超音波センサが受信するまでの時間から糸巻径を計測する糸巻径計測手段の計測値とを基に糸長を演算し、その演算結果が釣糸の繰出し量や巻取り量として表示器に表示されることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本実施形態に於ける糸長計測装置は、送信用の超音波センサと受信用の超音波センサを用いた特許文献1,2の糸長計測装置と同様であるため、ここではそれらについての詳細な説明は省略し、専ら発明部分について説明する。
【0012】
図1及び図2は請求項1に係る両軸リールの一実施形態を示し、図1に於て、43はスプール軸45を介してリール本体47の側板49,51間に回転自在に支持されたスプール、53はハンドルで、当該ハンドル53を巻取り操作すると、その回転力がハンドル軸55とスプール軸45に装着されたドライブギヤ57とピニオンギヤ59からスプール軸45に伝達されて、回転するスプール43に釣糸61が巻回されるようになっている。
そして、ピニオンギヤ59は、スプール軸45に回転可能且つその軸方向へ摺動自在に取り付き、スプール軸45に設けたクラッチ部63に係脱可能に構成されている。そして、従来と同様、クラッチレバー65を操作してクラッチ部63とピニオンギヤ59とのクラッチ係合をクラッチプレート67で解除すると、スプール43がスプールフリー状態となって、キャスティング動作で釣糸61がスプール43から繰り出されるようになっている。
【0013】
また、図2中、68はリール本体43の下部に取り付く釣竿取付脚、69はスプール43前方の、スプール軸45よりやや上方のリール本体47に装着された従来周知のレベルワインド機構で、ハンドル53の回転操作に伴い、図1に示すようにドライブギヤ57に噛合するアイドルギヤ71に結合されたトラバースカム軸73が回転して、釣糸案内部材75がスプール43の軸方向へトラバース運動することにより釣糸61がスプール43に均一に巻回され、また、釣糸61の繰り出しに伴い、スプール43に巻回された釣糸61が均一に繰り出されるようになっている。
【0014】
そして、図1及び図2に示すようにリール本体47の側板49,51間には、扁平な制御ボックス77がスプール43の上部前方に取り付けられており、その内部に糸長計測装置のマイクロコンピュータが組み込まれている。
また、図1中、79はスプール43の回転数とその方向を検出する回転数検出手段で、当該回転数検出手段79は側板49内に装着された一対のリードスイッチ81と、これに対向してスプール43の内側周縁に固着された複数のマグネット83とで構成されている。そして、リードスイッチ81がマグネット83によりいずれか先にON/OFFされることで得られるスプール43の正転,逆転判定信号をマイクロコンピュータが取り込んで、内蔵のアップ/ダウンカウンタをアップカウントまたはダウンカウント状態にセットすると共に、リードスイッチ81のON/OFFで得られるスプール43の回転パルスをアップ/ダウンカウンタに入力してスプール43の回転数を計測することで、後述する糸長計測の演算に用いるようになっている。
【0015】
そして、その演算結果が釣糸61の繰出し量や巻取り量として、制御ボックス77上部の図示しない操作パネルに装着した表示器に表示されるようになっている。
一方、図1及び図2に示すように、スプール43の前方且つレベルワインド機構69の下方の両側板49,51内には、スプール43に巻回された釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔107,109が設けられ、当該センサ取付孔107,109内に、超音波センサ99,97が巻回面101に対しV字状に装着,配置されて、超音波センサ97から発射した超音波が巻回面101で反射して超音波センサ99で良好に受信できるようになっており、図1に示すように超音波センサ97は、図3の超音波センサ13と同様、スプール43に巻回された釣糸61の巻回面101に超音波を発射する送信手段として機能し、また、超音波センサ99は、巻回面101から反射された反射波を受信する受信手段として機能する。
【0016】
そして、既述した特許文献1,2の糸長計測装置と同様、本実施形態に係る糸長計測装置も、超音波センサ97から巻回面101に発射された超音波の反射波が超音波センサ99で受信されるまでの時間を計時手段が計時した後、その計時値に基づき糸巻径計測手段が糸巻径を計測して、その計測値と上記回転数検出手段79の検出値を基に糸長演算手段が糸長を演算して、その演算結果が釣糸61の繰出し量や巻取り量として表示器に表示されるようになっている。
【0017】
本実施形態に係る両軸リール111はこのように構成されており、釣糸61の繰出しや巻取りに伴いスプール43に巻回された釣糸61の糸巻径は増減するが、既述したように計時手段が先ず、超音波センサ97から発射された超音波の反射波が超音波センサ99で受信されるまでの時間を計時して、その計時値に基づき糸巻径計測手段が糸巻径を計測する。
【0018】
そして、斯かる糸巻径と回転数検出手段79の検出値を基に糸長が糸長演算手段で演算されて、その演算結果が釣糸61の繰出し量や巻取り量として表示器に表示されることとなる。
このように、本実施形態に係る両軸リール1111によっても、超音波センサ97,99を用いて釣糸61の繰出し量や巻取り量を高精度に計測することができるが、本実施形態は、レベルワインド機構69の下方の両側板49,51内に、釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔107,109を設けて、当該センサ取付孔109内に送信用の超音波センサ97、そして、センサ取付孔107内に受信用の超音波センサ99を巻回面101に対しV字状に装着,配置したので、図3に示す従来例の如くリール本体47が天地方向に大型化したり、図5に示す従来例の如くリール本体47が前後方向に大型化することがなくなり、因って、スプール43と超音波センサ97,99間の距離を十分に確保し乍ら、リール本体47の小型化が図れることとなった。
【0019】
而も、本実施形態によれば、図5の如きセンサ支持体23をリール本体47に設ける必要がないため、リール本体47の軽量化が図れると共に、超音波センサ97,99が側板49,51にユニット化されるため、リール組立時の組込み性に優れた利点を有する。
尚、本実施形態は、スプール43前方のレベルワインド機構69の下方の両側板49,51内に、釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔107,109を設けて、両センサ取付孔107,109内に超音波センサ99,97を巻回面101に対しV字状に配置したが、図示しない他の実施形態の如くレベルワインド機構69をスプール43前方のリール本体47の下部に装着して、レベルワインド機構69上方の側板49,51内に設けたセンサ取付孔内に、超音波センサ97,99を同様に装着してもよい。
【0020】
また、スプール43後方の両側板49,51内に釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔を設けて、当該センサ取付孔内に、超音波センサ99,97を巻回面101に対しV字状に装着,配置してもよく、図示しないこれらの各実施形態によっても、図1の実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る両軸リールによれば、側板間に従来の如きセンサ支持体を設けることなく、スプールとの距離を十分に確保し乍ら超音波センサをリール本体に装着することが可能となってリール本体の小型,軽量化が図れ、また、超音波センサが側板にユニット化されているため、リール組立時の組込み性に優れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の一実施形態に係る両軸リールの要部切欠き平面図である。
【図2】図1に示す両軸リールの断面図である。
【図3】超音波センサによる糸長計測装置を備えた従来の両軸リールの一部切欠き平面図である。
【図4】図3に示す両軸リールの断面図である。
【図5】超音波センサによる糸長計測装置を備えた従来の他の両軸リールの一部切欠き平面図である。
【図6】図5に示す両軸リールの断面図である。
【符号の説明】
43 スプール
45 スプール軸
47 リール本体
49,51 側板
53 ハンドル
61 釣糸
69 レベルワインド機構
77 制御ボックス
79 回転数検出手段
97,99 超音波センサ
101 巻回面
107,109 センサ取付孔
111 両軸リール
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣用両軸リールに係り、詳しくは超音波センサを用いて釣糸の繰出し量や巻取り量を計測する糸長計測装置を備えた魚釣用両軸リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は先に、超音波センサを用いて釣糸の繰出し量や巻取り量を計測する魚釣用両軸リール(以下、「両軸リール」という)の糸長計測装置を開示した(例えば、下記の特許文献1,2参照。)。
これらの糸長計測装置は、リール本体の側板間に回転自在に支持したスプールの回転数を検出する回転数検出手段と、送信用の超音波センサから発射された超音波が、スプールに巻回された釣糸の巻回面で反射して受信用の超音波センサで受信されるまでの時間を計時手段で計時して、その計時値に基づき糸巻径を計測する糸巻径計測手段と、当該糸巻径計測手段で求めた糸巻径と上記回転数検出手段で求めた検出値を基に糸長を演算する演算手段と、当該演算手段で演算された糸長を表示する表示器を備えたことを特徴としており、図3及び図4に示すように特許文献1で開示した両軸リール1は、リール本体3上部の側板5,7間に取り付けた制御ボックス(電子制御機構収容体)9のスプール対向面11に、送信用の超音波センサ13と受信用の超音波センサ15を、スプール17に巻回された釣糸37の巻回面19に対向させてV字状に装着したものである。
【0003】
また、図5及び図6に示すように特許文献2で開示した両軸リール21は、超音波センサ13,15を装着するセンサ支持体23をリール本体25後方のサムレスト27の下側の側板間に取り付け、当該センサ支持体23のスプール対向面29に超音波センサ13,15を釣糸37の巻回面19に対向させてV字状に装着すると共に、センサ支持体23の外側を保護カバー31で覆ったことを特徴としている。
【0004】
そして、既述したようにいずれの従来例も、超音波センサ13から超音波が釣糸37の巻回面19に発射されると、その反射波が超音波センサ15で受信されるまでの時間が、先ず制御ボックス9内の糸巻径計測手段の計時手段で計時される。
次いで、計時手段の計時値が糸巻径に比例した電気信号に変換され、この糸巻径信号と、マグネット33とリードスイッチ35からなる回転数検出手段で検出されたスプール17の回転数を基に釣糸37の繰出し量が演算手段で計算されて、その数値が制御ボックス9上の操作パネル39に設けたデジタル表示器(以下、「表示器」という)41に表示されるようになっている。
【0005】
而して、これらの糸長計測装置を装着したことにより、釣糸37の繰出し量や巻取り量を高精度に計測することが可能となった。
【特許文献1】
特開平5−23082号公報(第3頁−第5頁、図1)。
【特許文献2】
実開平7−7435号公報(第2頁、図1)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上述の如き超音波センサ13,15を用いた糸長計測装置は、釣糸37の巻回面19と超音波センサ13,15との間に一定の距離を確保しないと超音波センサ13,15が正常に機能しないため、図3に示す両軸リール1にあっては、制御ボックス9を巻回面19から離間させなければならず、このため、リール本体3が天地方向に大型化してしまう欠点が指摘されている。
【0007】
同様に、図5に示す両軸リール21にあっても、釣糸37の巻回面19と超音波センサ13,15との間に一定の距離を確保しなければならないため、リール本体25が前後方向に大型化してしまう不具合が指摘されていた。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、超音波センサによる糸長計測装置を備えたこの種の両軸リールに改良を加え、スプールに巻回された釣糸の巻回面と超音波センサ間の距離を十分に確保しつつ、リール本体の小型,軽量化を図り、併せてリール組立時の組込み性に優れた両軸リールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、リール本体の側板間に、釣糸が巻回されるスプールを回転自在に支持すると共に、スプールの回転数を検出する回転数検出手段の検出値と、超音波センサからスプールに巻回された釣糸の巻回面に超音波を発射してその反射波を超音波センサが受信するまでの時間から糸巻径を計測する糸巻径計測手段の計測値とを基に糸長を演算して、表示器に当該糸長を表示する糸長計測装置を備えた両軸リールに於て、上記両側板内に、スプールに巻回された釣糸の巻回面方向に開口するセンサ取付孔を設け、当該センサ取付孔内に超音波センサを装着したことを特徴とする。
【0009】
(作用)
請求項1に係る両軸リールによれば、リール本体を天地方向に大型化したり前後方向に大型化することなく、スプールとの距離を十分に確保し乍ら、超音波センサが側板内にユニット化して装着される。
【0010】
そして、従来と同様、糸長計測装置は、スプールの回転数を検出する回転数検出手段の検出値と、超音波センサからスプールに巻回された釣糸の巻回面に超音波を発射してその反射波を超音波センサが受信するまでの時間から糸巻径を計測する糸巻径計測手段の計測値とを基に糸長を演算し、その演算結果が釣糸の繰出し量や巻取り量として表示器に表示されることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本実施形態に於ける糸長計測装置は、送信用の超音波センサと受信用の超音波センサを用いた特許文献1,2の糸長計測装置と同様であるため、ここではそれらについての詳細な説明は省略し、専ら発明部分について説明する。
【0012】
図1及び図2は請求項1に係る両軸リールの一実施形態を示し、図1に於て、43はスプール軸45を介してリール本体47の側板49,51間に回転自在に支持されたスプール、53はハンドルで、当該ハンドル53を巻取り操作すると、その回転力がハンドル軸55とスプール軸45に装着されたドライブギヤ57とピニオンギヤ59からスプール軸45に伝達されて、回転するスプール43に釣糸61が巻回されるようになっている。
そして、ピニオンギヤ59は、スプール軸45に回転可能且つその軸方向へ摺動自在に取り付き、スプール軸45に設けたクラッチ部63に係脱可能に構成されている。そして、従来と同様、クラッチレバー65を操作してクラッチ部63とピニオンギヤ59とのクラッチ係合をクラッチプレート67で解除すると、スプール43がスプールフリー状態となって、キャスティング動作で釣糸61がスプール43から繰り出されるようになっている。
【0013】
また、図2中、68はリール本体43の下部に取り付く釣竿取付脚、69はスプール43前方の、スプール軸45よりやや上方のリール本体47に装着された従来周知のレベルワインド機構で、ハンドル53の回転操作に伴い、図1に示すようにドライブギヤ57に噛合するアイドルギヤ71に結合されたトラバースカム軸73が回転して、釣糸案内部材75がスプール43の軸方向へトラバース運動することにより釣糸61がスプール43に均一に巻回され、また、釣糸61の繰り出しに伴い、スプール43に巻回された釣糸61が均一に繰り出されるようになっている。
【0014】
そして、図1及び図2に示すようにリール本体47の側板49,51間には、扁平な制御ボックス77がスプール43の上部前方に取り付けられており、その内部に糸長計測装置のマイクロコンピュータが組み込まれている。
また、図1中、79はスプール43の回転数とその方向を検出する回転数検出手段で、当該回転数検出手段79は側板49内に装着された一対のリードスイッチ81と、これに対向してスプール43の内側周縁に固着された複数のマグネット83とで構成されている。そして、リードスイッチ81がマグネット83によりいずれか先にON/OFFされることで得られるスプール43の正転,逆転判定信号をマイクロコンピュータが取り込んで、内蔵のアップ/ダウンカウンタをアップカウントまたはダウンカウント状態にセットすると共に、リードスイッチ81のON/OFFで得られるスプール43の回転パルスをアップ/ダウンカウンタに入力してスプール43の回転数を計測することで、後述する糸長計測の演算に用いるようになっている。
【0015】
そして、その演算結果が釣糸61の繰出し量や巻取り量として、制御ボックス77上部の図示しない操作パネルに装着した表示器に表示されるようになっている。
一方、図1及び図2に示すように、スプール43の前方且つレベルワインド機構69の下方の両側板49,51内には、スプール43に巻回された釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔107,109が設けられ、当該センサ取付孔107,109内に、超音波センサ99,97が巻回面101に対しV字状に装着,配置されて、超音波センサ97から発射した超音波が巻回面101で反射して超音波センサ99で良好に受信できるようになっており、図1に示すように超音波センサ97は、図3の超音波センサ13と同様、スプール43に巻回された釣糸61の巻回面101に超音波を発射する送信手段として機能し、また、超音波センサ99は、巻回面101から反射された反射波を受信する受信手段として機能する。
【0016】
そして、既述した特許文献1,2の糸長計測装置と同様、本実施形態に係る糸長計測装置も、超音波センサ97から巻回面101に発射された超音波の反射波が超音波センサ99で受信されるまでの時間を計時手段が計時した後、その計時値に基づき糸巻径計測手段が糸巻径を計測して、その計測値と上記回転数検出手段79の検出値を基に糸長演算手段が糸長を演算して、その演算結果が釣糸61の繰出し量や巻取り量として表示器に表示されるようになっている。
【0017】
本実施形態に係る両軸リール111はこのように構成されており、釣糸61の繰出しや巻取りに伴いスプール43に巻回された釣糸61の糸巻径は増減するが、既述したように計時手段が先ず、超音波センサ97から発射された超音波の反射波が超音波センサ99で受信されるまでの時間を計時して、その計時値に基づき糸巻径計測手段が糸巻径を計測する。
【0018】
そして、斯かる糸巻径と回転数検出手段79の検出値を基に糸長が糸長演算手段で演算されて、その演算結果が釣糸61の繰出し量や巻取り量として表示器に表示されることとなる。
このように、本実施形態に係る両軸リール1111によっても、超音波センサ97,99を用いて釣糸61の繰出し量や巻取り量を高精度に計測することができるが、本実施形態は、レベルワインド機構69の下方の両側板49,51内に、釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔107,109を設けて、当該センサ取付孔109内に送信用の超音波センサ97、そして、センサ取付孔107内に受信用の超音波センサ99を巻回面101に対しV字状に装着,配置したので、図3に示す従来例の如くリール本体47が天地方向に大型化したり、図5に示す従来例の如くリール本体47が前後方向に大型化することがなくなり、因って、スプール43と超音波センサ97,99間の距離を十分に確保し乍ら、リール本体47の小型化が図れることとなった。
【0019】
而も、本実施形態によれば、図5の如きセンサ支持体23をリール本体47に設ける必要がないため、リール本体47の軽量化が図れると共に、超音波センサ97,99が側板49,51にユニット化されるため、リール組立時の組込み性に優れた利点を有する。
尚、本実施形態は、スプール43前方のレベルワインド機構69の下方の両側板49,51内に、釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔107,109を設けて、両センサ取付孔107,109内に超音波センサ99,97を巻回面101に対しV字状に配置したが、図示しない他の実施形態の如くレベルワインド機構69をスプール43前方のリール本体47の下部に装着して、レベルワインド機構69上方の側板49,51内に設けたセンサ取付孔内に、超音波センサ97,99を同様に装着してもよい。
【0020】
また、スプール43後方の両側板49,51内に釣糸61の巻回面101方向に開口するセンサ取付孔を設けて、当該センサ取付孔内に、超音波センサ99,97を巻回面101に対しV字状に装着,配置してもよく、図示しないこれらの各実施形態によっても、図1の実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る両軸リールによれば、側板間に従来の如きセンサ支持体を設けることなく、スプールとの距離を十分に確保し乍ら超音波センサをリール本体に装着することが可能となってリール本体の小型,軽量化が図れ、また、超音波センサが側板にユニット化されているため、リール組立時の組込み性に優れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の一実施形態に係る両軸リールの要部切欠き平面図である。
【図2】図1に示す両軸リールの断面図である。
【図3】超音波センサによる糸長計測装置を備えた従来の両軸リールの一部切欠き平面図である。
【図4】図3に示す両軸リールの断面図である。
【図5】超音波センサによる糸長計測装置を備えた従来の他の両軸リールの一部切欠き平面図である。
【図6】図5に示す両軸リールの断面図である。
【符号の説明】
43 スプール
45 スプール軸
47 リール本体
49,51 側板
53 ハンドル
61 釣糸
69 レベルワインド機構
77 制御ボックス
79 回転数検出手段
97,99 超音波センサ
101 巻回面
107,109 センサ取付孔
111 両軸リール
Claims (1)
- リール本体の側板間に、釣糸が巻回されるスプールを回転自在に支持すると共に、
スプールの回転数を検出する回転数検出手段の検出値と、超音波センサからスプールに巻回された釣糸の巻回面に超音波を発射してその反射波を超音波センサが受信するまでの時間から糸巻径を計測する糸巻径計測手段の計測値とを基に糸長を演算して、表示器に当該糸長を表示する糸長計測装置を備えた魚釣用両軸リールに於て、
上記両側板内に、スプールに巻回された釣糸の巻回面方向に開口するセンサ取付孔を設け、当該センサ取付孔内に超音波センサを装着したことを特徴とする魚釣用両軸リール。
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