JP3552554B2 - コイル挿入方法およびコイル挿入装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータなどにおけるステータコアのスロットにコイルを挿入するためのコイル挿入方法およびコイル挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ステータコアの内周部に形成されたスロットにコイルを挿入する作業は、図8(a)〜(c)に示すような方法で行われている。すなわち、モータにおける円筒状に形成されたステータコア1の内周には、図中で上下方向に延長形成される内歯3が円周方向等間隔に設けられ、この内歯3の相互間にはコイル5が挿入されるスロット7が形成されている。
【0003】
コイル挿入装置は、内歯3に対応する位置にてコイル5を保持する複数のブレード9が環状に配置されるとともに、ステータコア1内に下方から挿入されてコイル5を押圧するストリッパ11が上下動可能に設けられている。ストリッパ11は、外周部にブレード9相互間を移動しつつスロット7内に入り込んでコイル5を押圧する押圧突起11aが円周方向等間隔に複数設けられている。
【0004】
上記の構成において、まず図8(a)に示すように、コイル5を所定のブレード9相互間に挿入してブレード9に保持させた後、同図(b)に示すように、ステータコア1を、ブレード9が内歯3に対向する位置となるようコイル挿入装置にセットする。この状態で、ストリッパ11を、ステータコア1内に向けて移動させると、コイル5は、押圧突起11aに押圧されてブレード9相互間にガイドされつつ上方に移動してスロット7内に入り込む。
【0005】
ストリッパ11をさらに上昇させて同図(c)に示すようにステータコア1内に挿入し終わると、コイル5は、ステータコア1の反対側(図中で上部側)に突出してスロット7内に挿入されることになる。コイル挿入後は、ストリッパ11を後退させた後、ステータコア1をコイル挿入装置から取り外し、これによりコイル挿入作業が完了する。
【0006】
しかしながら、このようなコイル挿入方法においては、コイル5を保持したブレード9が固定されているので、コイル挿入時にブレード9とコイル5との間に生ずる摩擦力により、コイル5が損傷するなどの不具合が発生する。このため、スロット7内に挿入するコイル5の密度を増大させて、いわゆる占積率を高めてモータとしての高性能化を図るには、限界がある。
【0007】
このため、例えば特開平5−236712号公報には、コイルを保持するブレードをストリッパとともに移動させることで、コイルとブレードとの間の摩擦を防ぐようにしたものが開示されている。
【0008】
図9は、そのコイル挿入装置の断面図で、コイル13を保持するブレードは、図中で上下動可能なストリッパ15に固定されている第1の可動ブレード17と、ストリッパ15の後方にて図中で上下動可能なブレードホルダ19に固定されている第2の可動ブレード21とから構成され、これら各可動ブレード17,21は円周方向に交互に配置されている。第1の可動ブレード17は、ストリッパ15と一体となって移動する一方、第2の可動ブレード21は、ブレードホルダ19と一体となって第1の可動ブレード17に対して相対移動可能である。
【0009】
コイル13が挿入されるスロット23aを備えたステータコア23は、クランパ25により固定されており、このステータコア23内には、第1,第2の各可動ブレード17,21の先端が係合するステータコアガイド27が配置されている。
【0010】
このような構成のコイル挿入装置においては、第1,第2の各可動ブレード17,21にコイル13を保持させた状態で、ストリッパ15およびブレードホルダ19を同時に前進させてコイル13をステータコア23のスロット23a内の第1の位置まで挿入する。このとき、第1,第2の各可動ブレード17,21も同時に移動するので、固定ブレードを用いた場合に比べコイル13との摩擦が低減されるものとなる。
【0011】
次に、ストリッパ15を停止させた状態で、ブレードホルダ19のみを第2のブレード21とともに後退させた後、再度前進させ、第2のブレード21の先端が第1のブレード17の先端と同一位置となった状態で、ストリッパ15およびブレードホルダ19を再度同時に前進させてコイル13をスロット23a内の第2の位置まで挿入する。
【0012】
このような、第1,第2の各可動ブレード17,21の前進および、第2の可動ブレード21の後退を繰り返し行い、コイル13をスロット23a内に徐々に挿入していく。第1,第2の各可動ブレード17,21の最後の前進動作で、コイル13の挿入が完了すると、第2の可動ブレード21のみを後退させて第2の可動ブレード21の先端をコイル13から離脱させ、これによりコイル13先端のステータコア23から突出量低減を図っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のコイル挿入方法にあっては、コイル13がスロット23a内に完全に挿入された後に、第2の可動ブレード21を後退させているので、この後退動作に伴ってコイル13がスロット23a内に引き戻されることとなる。このため、このコイル13の戻り量を想定してある程度コイル13を余計にステータコア23の端面から突出させる必要があり、この結果ステータコア23から突出するコイル13端部の長さが長くなりがちで、線材の消費が増大するとともに、コイル13の端部が大きなループ状となってモータなどに使用した際に、磁束漏れが生じ、モータの性能低下を招くものとなる。
【0014】
また、上記したコイル挿入方法では、第1,第2の可動ブレード17,21の前進・停止および、第2の可動ブレード21の後退を繰り返し行うことで、コイル13を複数回に分けて徐々に挿入するので、1度の前進動作で挿入する場合に比べ、挿入抵抗の低減が図れるものの、第2の可動ブレード21を繰り返し後退させる分だけコイル13に対してダメージを与えるとともに、コイル挿入に要する時間が長くなる。
【0015】
そこで、この発明は、ステータコアから突出するコイル端部の長さを短く抑えるとともに、ブレードによるコイルに対するダメージ付与を軽減し、かつコイル挿入時間を短縮化することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、円筒状のステータコアの内歯に対応して交互に配置され、互いに軸線方向に相対移動可能な第1,第2の可動ブレードにコイルを保持させ、前記コイルをストリッパにより押圧して前記ステータコアの内歯相互間に形成されるスロットに挿入するコイル挿入方法において、前記第1,第2の可動ブレードを、前記コイルが前記ステータコアの所定の位置まで挿入されるまで、前記ストリッパとともに前進させた後、前記第1の可動ブレードを前記ストリッパとともにさらに前進させると同時に、前記第2の可動ブレードを後退させ、この第2の可動ブレードの後退開始時期は、コイルの挿入方向先端部が、ステータコアの端面より突出した時点から、コイルの挿入が完了するまでの間であるコイル挿入方法としてある。
【0017】
このようなコイル挿入方法によれば、コイルが所定の位置まで挿入された後、第2の可動ブレードの後退動作を、第1の可動ブレードの前進動作、すなわちストリッパの前進動作とともに行うので、第2の可動ブレードの後退動作に伴うコイルのスロット内への戻りが回避される。また、第2の可動ブレードの後退動作は、繰り返し行わず1度だけであるので、コイルに対するダメージが軽減されるとともに、コイル挿入に要する時間も短縮化される。さらに、コイルがほぼ完全に挿入し終わる限界まで、第1,第2の各可動ブレードをストリッパとともに前進させるので、ブレードとコイルとの摩擦発生が最小限に抑えられる。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の発明のコイル挿入方法において、第2の可動ブレードの後退開始時期は、コイル挿入の際に発生する挿入抵抗が小さくなったときとしてある。
【0021】
上記コイル挿入方法によれば、第1の可動ブレードのみの前進によるコイル挿入作業がより容易になされる。
【0022】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明のコイル挿入方法において、ループ状に形成されたコイル先端付近の、ステータコアの円周方向に沿う2カ所のコイル保持部は、第2の可動ブレードが前記ループ部の内側に位置し、第1の可動ブレードが前記ループ部の外側に位置し、これら第1,第2の各可動ブレード相互間にコイルが配置されて保持されている。
【0023】
上記コイル挿入方法によれば、ループ状に形成されたコイル内側の第2の可動ブレードが後退することで、コイルは第2の可動ブレードから外れ、挿入後のステータコアから突出するコイル先端の長さがより短縮化される。
【0024】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明のコイル挿入方法において、第1の可動ブレードはストリッパに固定され、第2の可動ブレードは、ストリッパの後方に配置されたブレードホルダに固定されている。
【0025】
上記コイル挿入方法によれば、第1の可動ブレードは、ストリッパの前進に伴い前進し、第2の可動ブレードは、ブレードホルダの前進に伴い前進する。
【0026】
請求項5の発明は、円筒状のステータコアの内歯に対応して円周方向に沿って複数配置される可動ブレードと、前記ステータコア内に侵入可能で前記ブレードに保持させたコイルを押圧して前記ステータコアの内歯相互間に形成されるスロットに挿入させるストリッパとを有するコイル挿入装置において、前記可動ブレードを、前記ストリッパと一体となって移動する第1の可動ブレードと、この第1の可動ブレードに対し交互に配置されて相対移動可能な第2の可動ブレードとから構成するとともに、前記第1,第2の可動ブレードを、前記コイルが前記ステータコア内の所定の位置まで挿入されるまで前進させた後、前記第1の可動ブレードをさらに前進させると同時に、前記第2の可動ブレードを後退させる駆動手段を設け、前記第2の可動ブレードの後退開始時期は、コイルの挿入方向先端部が、ステータコアの端面より突出した時点から、コイルの挿入が完了するまでの間である構成としてある。
【0027】
上記構成によれば、駆動手段により、コイルがステータコア内の所定の位置まで挿入されるまで、第1,第2の可動ブレードが前進した後、第1の可動ブレードがさらに前進してコイル挿入動作が継続すると同時に、第1の可動ブレードが、コイルの挿入方向先端部が、ステータコアの端面より突出した時点から、コイルの挿入が完了するまでの間に後退を開始する。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、コイルがステータコアの所定の位置まで挿入された後、第2の可動ブレードの後退動作を、ストリッパと同動する第1の可動ブレードの前進動作とともに行うので、第2の可動ブレードの後退動作に伴うコイルのスロット内への戻りが回避され、コイルのステータコア端面からの突出量を、前記戻り量を考慮して多く設定する必要がなく、このため前記突出量を少なくできて線材の消費増大を防止できるとともに、モータなどに使用した際に、コイルの端部が大きなループ状となるのを回避でき、磁束漏れを抑えてモータなどの性能低下を回避することができる。また、第2の可動ブレードの後退動作は1度だけであるので、コイルに対するダメージを軽減できるとともに、コイル挿入に要する時間も短縮化される。
さらに、コイルの挿入方向先端部がステータコアの端面より突出した時点から、コイルの挿入が完了するまでの間に、第2の可動ブレードを後退させるようにしたので、コイルがほぼ完全に挿入し終わる限界まで、第1,第2の各可動ブレードをストリッパとともに前進させることとなり、第1,第2の各可動ブレードとコイルとの摩擦発生を最小限に抑えることができる。
【0030】
請求項2の発明によれば、コイル挿入の際に発生する挿入抵抗が小さくなったときに、第2の可動ブレードを後退させるようにしたので、第1の可動ブレードのみの前進によるコイル挿入作業がより容易になされる。
【0031】
請求項3の発明によれば、ループ状に形成されたコイル内側の第2の可動ブレードが後退することで、コイルは第2の可動ブレードから外れ、挿入後のステータコアから突出するコイル先端の長さをより短縮化することができる。
【0032】
請求項4の発明によれば、第1の可動ブレードはストリッパに固定され、第2の可動ブレードは、ストリッパの後方に配置されたブレードホルダに固定されているので、ストリッパの前進に伴い第1の可動ブレードを前進させ、ブレードホルダの前進および後退に伴い第2の可動ブレードを前進および後退させることができる。
【0033】
請求項5の発明によれば、コイルがステータコア内の所定の位置まで挿入されるまで、第1,第2の可動ブレードを前進させた後、第1の可動ブレードをさらに前進させてコイル挿入動作を継続させると同時に、第1の可動ブレードを後退させるようにしたので、第2の可動ブレードの後退動作に伴うコイルのスロット内への戻りが回避され、コイルのステータコア端面からの突出量を、前記戻り量を考慮して多く設定する必要がなく、このため前記突出量を少なくできて線材の消費増大を防止できるとともに、モータなどに使用した際に、コイルの端部が大きなループ状となるのを回避でき、磁束漏れを抑えてモータなどの性能低下を回避することができる。また、第2の可動ブレードの後退動作は1度だけであるので、コイルに対するダメージを軽減できるとともに、コイル挿入に要する時間も短縮化される。
さらに、コイルの挿入方向先端部がステータコアの端面より突出した時点から、コイルの挿入が完了するまでの間に、第2の可動ブレードを後退させるようにしたので、コイルがほぼ完全に挿入し終わる限界まで、第1,第2の各可動ブレードをストリッパとともに前進させることとなり、第1,第2の各可動ブレードとコイルとの摩擦発生を最小限に抑えることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0035】
図1は、この発明の実施の一形態を示すコイル挿入装置の断面図で、ハウジング29内のベース板31上にブレードホルダ33が上下動可能に収容されるとともに、その上部にストリッパ35が上下動可能に収容されている。
【0036】
ストリッパ35の外周には、円周方向に沿って複数の第1の可動ブレード37の下部が固定され、ブレードホルダ33の外周には、円周方向に沿って複数の第2の可動ブレード39の下部が固定されている。上記第1,第2の各可動ブレード37,39は、円周方向に沿って交互に配置され、かつ円筒状に配置されることになる。
【0037】
円筒状に配置された第1,第2の各可動ブレード37,39の先端部には、ステータコアガイド41が、ストリッパ35に形成された支持ロッド35aの先端に位置決めされた状態で配置されている。ステータコアガイド41は、図示しないクランプ機構によって保持される円筒状のステータコア43内に挿入されてステータコア43を位置決めガイドするものである。上記ステータコア43は、前記図8に示したものと同様に、内周面に内歯43aを備えるとともに、この内歯43a相互間にはコイル45が挿入されるスロット43bが形成されている。そして、上記第1,第2の各可動ブレード37,39は、ステータコア43の内歯43aに対向した位置に配置される。
【0038】
図2は、図1の拡大されたA−A矢視断面図で、コイル45が、第1の可動ブレード37と第2の可動ブレード39との間にセットされた状態を示している。すなわち、ループ状に形成されたコイル45先端付近の、ステータコア43の円周方向に沿う2カ所のコイル保持部47は、第2の可動ブレード39が前記ループ部におけるコイル45の内側に位置し、第1の可動ブレード37が前記ループ部におけるコイル45の外側に位置している。
【0039】
ブレードホルダ33の下部には、ベース板31の下部に配置された円筒状のガイド49内を上下方向に摺動可能に収容される中空の外ロッド51の上端が着脱可能に装着されており、このブレードホルダ33は、図示しない駆動機構の作動により外ロッド51とともに上下動する。ストリッパ35の下部には、外ロッド51内を上下動可能に収容され、かつブレードホルダ33の貫通孔33aに貫通して挿入される内ロッド53の上端が着脱可能に装着されており、このストリッパ35は、図示しない駆動機構の作動により内ロッド53とともに上下動する。上記ブレードホルダ33およびストリッパ35を上下動させる各駆動機構は、駆動手段を構成している。
【0040】
上記円筒状に配置された第1,第2の各可動ブレード37,39の外周部には、ウェッジガイド55がハウジング29の内周部に固定した状態で配置されている。ウェッジガイド55は、その上端が、本装置にセットされたステータコア43の下部に位置し、その内側にウェッジガイド溝が形成されている。このウェッジガイド溝に沿って、挿入後のコイル45をスロット43bの開口部側から覆って保持するためのウェッジ57が、ウェッジプッシャ59に押されてガイドされる。ウェッジプッシャ59は、内ロッド53の上昇とともに上昇するもので、ウェッジ57は、ストリッパ35の外周側に位置し、ストリッパ35の後を追従するようにストリッパ35とともに上昇する。
【0041】
次に、上記した構成のコイル挿入装置の動作を説明する。まず、図3に示すように、ステータコアガイド41を本装置から外した状態で、コイル45を、図2に示すような形態で、第1,第2の各可動ブレード37,39に保持させる。コイル45を保持させた後、ステータコア43およびステータコアガイド41を、図1に示すように本装置にセットして、コイル挿入作業の準備が終了する。
【0042】
コイル挿入作業の準備が終了した図1の状態から、内ロッド53および外ロッド51を同時に前進させて、ストリッパ35およびブレードホルダ33を、第1,第2の各可動ブレード37,39とともに前進させることで、図4に示すように、コイル45がステータコア43のスロット43b内に挿入されることとなる。
【0043】
このコイル挿入作業を以後継続して行い、図5に示すように、コイル45の挿入方向前方側の先端が、ステータコア43の端面から突出した時点から、コイル45が完全にスロット43b内に挿入されるまでの間の所定の位置で、ストリッパ35の前進移動をさらに継続して行って第1の可動ブレード37を前進させると同時に、ブレードホルダ33を後退させて第2の可動ブレード39を後退させる。
【0044】
図6は、上記したコイル挿入作業により、コイル45がステータコア43のスロット43bに完了に挿入された状態を示している。このときストリッパ35は、先端側がステータコア43の端面から突出した状態で前進移動が停止し、ブレードホルダ33は、第2の可動ブレード39の先端がステータコア43の端面にほぼ一致する位置となった状態で後退移動が停止する。これによりコイル45は、第2の可動ブレード39の先端から外れることとなる。
【0045】
その後、図7に示すように、ストリッパ35を後退させて第1の可動ブレード37を第2の可動ブレード39と同一位置とした状態で、ステータコア43を本装置から外し、これによりコイル挿入作業が完了する。
【0046】
上記した第2の可動ブレード39の後退動作は、第1の可動ブレード37の前進動作、つまりストリッパ35によるコイル挿入動作と同時になされるので、第2の可動ブレード39の後退動作に伴うコイル45のスロット43b内への戻りが回避される。このため、コイル45の挿入方向先端部のテータコア43の端面からの突出量を、前記戻り量を考慮して多く設定する必要がなく、第2の可動ブレード39から外れた状態のコイル45の周長を短くすることが可能となる。この結果、コイル45に用いる線材の消費増大を防止できるとともに、モータなどに使用した際に、コイル45の端部が大きなループ状となるのを回避でき、磁束漏れを抑えてモータなどの性能低下を回避することができる。
【0047】
また、第2の可動ブレード39の後退動作開始は、コイル45がステータコア43の端面より突出した時点から、コイル45の挿入が完了するまでの所定の位置に達するまでの間に行うようにしたので、コイル45がほぼ完全に挿入し終わる限界まで、第1,第2の各可動ブレード37,39をストリッパ35とともに前進させることができ、第1,第2の各可動ブレード37,39とコイル45との摩擦発生を最小限に抑えることができる。これにより、コイル45に傷が発生しにくくなるとともに、高占積率化も可能となる。
【0048】
なお、第2の可動ブレード39の後退動作開始時期を、コイル45がステータコア43の端面より突出した時点から、コイル45の挿入が完了するまでの所定の位置に達するまでの間において、コイル挿入の際に発生する挿入抵抗が小さくなったときとすることで、第1の可動ブレード37のみの前進によるコイル挿入作業がより容易になされる。
【0049】
上記した第2の可動ブレード39の後退動作は、複数回繰り返して行うものではなく、1度だけであるので、第2の可動ブレード39の後退動作に伴うコイル45に対するダメージが軽減されるとともに、コイル挿入に要する時間も短縮化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すコイル挿入装置の断面図である。
【図2】図1の拡大されたA−A断面図である。
【図3】図1のコイル挿入装置において、コイルをセットした状態を示す動作説明図である。
【図4】図1のコイル挿入装置において、コイルがステータコアのスロットに挿入されている途中の状態を示す動作説明図である。
【図5】図1のコイル挿入装置において、第2の可動動ブレードを後退させる状態を示す動作説明図である。
【図6】図1のコイル挿入装置において、コイルがステータコアのスロットに挿入完了した状態を示す動作説明図である。
【図7】図1のコイル挿入装置において、コイル挿入作業が終了した状態を示す動作説明図である。
【図8】一般的なコイル挿入作業を示す動作説明図で、(a)はコイルをブレードに保持させた状態を示し、(b)はステータコアをコイル挿入装置にセットした状態を示し、(c)はストリッパによりコイルを挿入している状態を示している。
【図9】従来例を示すコイル挿入装置の断面図である。
【符号の説明】
33 ブレードホルダ
35 ストリッパ
37 第1の可動ブレード
39 第2の可動ブレード
43 ステータコア
43a 内歯
43b スロット
45 コイル
47 コイル保持部
Claims (5)
- 円筒状のステータコアの内歯に対応して交互に配置され、互いに軸線方向に相対移動可能な第1,第2の可動ブレードにコイルを保持させ、前記コイルをストリッパにより押圧して前記ステータコアの内歯相互間に形成されるスロットに挿入するコイル挿入方法において、前記第1,第2の可動ブレードを、前記コイルが前記ステータコアの所定の位置まで挿入されるまで、前記ストリッパとともに前進させた後、前記第1の可動ブレードを前記ストリッパとともにさらに前進させると同時に、前記第2の可動ブレードを後退させ、この第2の可動ブレードの後退開始時期は、コイルの挿入方向先端部が、ステータコアの端面より突出した時点から、コイルの挿入が完了するまでの間であることを特徴とするコイル挿入方法。
- 第2の可動ブレードの後退開始時期は、コイル挿入の際に発生する挿入抵抗が小さくなったときであることを特徴とする請求項1記載のコイル挿入方法。
- ループ状に形成されたコイル先端付近の、ステータコアの円周方向に沿う2カ所のコイル保持部は、第2の可動ブレードが前記ループ部の内側に位置し、第1の可動ブレードが前記ループ部の外側に位置し、これら第1,第2の各可動ブレード相互間にコイルが配置されて保持されていることを特徴とする請求項1または2記載のコイル挿入方法。
- 第1の可動ブレードはストリッパに固定され、第2の可動ブレードは、ストリッパの後方に配置されたブレードホルダに固定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコイル挿入方法。
- 円筒状のステータコアの内歯に対応して円周方向に沿って複数配置される可動ブレードと、前記ステータコア内に侵入可能で前記ブレードに保持させたコイルを押圧して前記ステータコアの内歯相互間に形成されるスロットに挿入させるストリッパとを有するコイル挿入装置において、前記可動ブレードを、前記ストリッパと一体となって移動する第1の可動ブレードと、この第1の可動ブレードに対し交互に配置されて相対移動可能な第2の可動ブレードとから構成するとともに、前記第1,第2の可動ブレードを、前記コイルが前記ステータコア内の所定の位置まで挿入されるまで前進させた後、前記第1の可動ブレードをさらに前進させると同時に、前記第2の可動ブレードを後退させる駆動手段を設け、前記第2の可動ブレードの後退開始時期は、コイルの挿入方向先端部が、ステータコアの端面より突出した時点から、コイルの挿入が完了するまでの間であることを特徴とするコイル挿入装置。
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