JP3536537B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP3536537B2 JP16966496A JP16966496A JP3536537B2 JP 3536537 B2 JP3536537 B2 JP 3536537B2 JP 16966496 A JP16966496 A JP 16966496A JP 16966496 A JP16966496 A JP 16966496A JP 3536537 B2 JP3536537 B2 JP 3536537B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用自動変速機の変速
制御装置に係り、特に、変速期間中における油圧式摩擦
係合装置の油圧制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】所定の油圧式摩擦係合装置の解放と一方
向クラッチの係合により、或いは所定の油圧式摩擦係合
装置の解放と他の油圧式摩擦係合装置の係合により所定
のギヤ段へのダウン変速が達成される車両用自動変速機
が知られている。このような車両用自動変速機では、特
に、アクセルペダルが踏み込まれた加速走行すなわちパ
ワーオン走行においてアップ変速時の変速ショックが発
生し易く、そのようなアップ変速時の変速ショックを緩
和するのが望まれている。
【0003】これに対し、変速時において解放される側
の油圧式摩擦係合装置を所定値まで急速に低下させた後
に、自動変速機の入力軸回転速度が目標入力軸回転速度
となるようにその係合圧を連続的に且つ緩やかに低下さ
せることにより変速ショックを緩和する変速油圧制御技
術が提案されている。たとえば、特開昭63−3978
49号公報に記載された車両用自動変速機の制御装置が
それである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用自動変速機の制御装置では、変速期間中の変
速の進行状態に影響する他の要因、たとえば油圧式摩擦
係合装置に供給される作動油温度、油圧式摩擦係合装置
の係合特性の経時変化などについてまでは細かに検討さ
れておらず、特に加速走行中のアップ変速時において、
変速ショックが大きくなったり或いはエンジン回転速度
の一時的上昇などが発生して、十分な変速感が安定的に
得られていなかった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、特に加速走行中
のアップ変速時において、十分な変速感が安定的に得ら
れる車両用自動変速機の変速制御装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、
所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他の油圧式摩擦係合
装置の係合とにより所定の変速が達成される車両用自動
変速機において、その所定の変速の判断に応答してその
所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、所定の急速低下
値まで急速に低下させて所定の保持時間だけその急速低
下値に保持した後にさらに所定の低下速度で連続的に低
下させてその所定の油圧式摩擦係合装置を解放させるこ
とにより、上記所定の変速を開始させる車両用自動変速
機の変速制御装置であって、前記所定の変速の進行状態
が予め設定された目標進行状態となるように前記所定
の油圧式摩擦係合装置の滑りが発生する値よりも大きい
値に予め決定された急速低下値、その保持時間、或いは
そこからの係合圧低下速度を学習により補正する係合圧
変化状態学習補正手段を、含むことにある。
【0007】
【第1発明の効果】このようにすれば、係合圧変化状態
学習補正手段により、前記所定の変速の進行状態が予め
設定された目標進行状態となるように前記所定の油圧
式摩擦係合装置の係合圧の滑りが発生する値よりも大き
い値に予め決定された急速低下値、その保持時間、或い
はそこからの係合圧低下速度が学習により補正されるこ
とから、所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他の油圧式
摩擦係合装置の係合とにより達成されるクラッチツウク
ラッチ変速において、たとえ油圧式摩擦係合装置に供給
され或いはそれから排出される作動油温度の変化や、油
圧式摩擦係合装置の係合特性の経時変化などが発生した
としても、油圧式摩擦係合装置の係合圧の変化状態すな
わち変速の進行状態に影響することがなく、変速ショッ
クが大きくなったり或いはエンジン回転速度の一時的上
昇などが発生したりすることなく、十分な変速感が安定
的に得られる。
【0008】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、前記変速
は、駆動力がエンジンから駆動輪へ向かって伝達される
パワーオン走行時のアップ変速であり、前記変速制御装
置は、そのアップ変速判断に応答して、前記所定(解放
側)の油圧式摩擦係合装置の係合圧をその油圧式摩擦係
合装置の滑りが発生する値よりも大きい値に予め決定さ
れた急速低下値まで急速に低下させる係合圧急速低下手
段と、前記他(係合側)の油圧式摩擦係合装置のピスト
ンがその移動ストロークを完了するまで上記係合圧をそ
の急速低下値に保持する係合圧保持手段と、その係合圧
保持手段により急速低下値に保持されていた係合圧を所
定の低下速度で連続的に低下させる係合圧連続低下手段
と、上記アップ変速の開始を判定する変速開始判定手段
と、その変速開始判定手段によりアップ変速の開始が判
定されると、上記係合圧を大気圧に解放する係合圧解放
手段とを含むものである。
【0009】また、好適には、前記変速制御装置は、前
記他(係合側)の油圧式摩擦係合装置内に速やかに作動
油を供給するファーストフィル手段と、そのファースト
フィル手段による作動油の急速供給に続いて、前記所定
の油圧式摩擦係合装置の係合圧を所定の待機圧まで上昇
させてそれに所定期間保持させる係合圧待機手段と、前
記変速開始判定手段によりアップ変速の開始が判定され
ると、係合圧待機手段により待機圧に保持されていた係
合圧を所定の昇圧速度で連続的に昇圧させる係合圧連続
上昇手段と、上記アップ変速の終了を判定する変速終了
判定手段と、その変速終了判定手段によりアップ変速の
終了が判定されると、上記油圧式摩擦係合装置の係合圧
をその最大値とする係合圧最大値昇圧手段とを含むもの
である。
【0010】前記係合圧変化状態学習補正手段は、前記
変速のイナーシャ相開始に関連して発生する自動変速機
の回転部材の回転速度変化率が予め設定された目標回転
速度変化率と一致するように、前記所定の油圧式摩擦係
合装置の係合圧の変化状態を学習により補正するもので
ある。
【0011】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記変速の変速時間が予め設定された目標
変速時間と一致するように、前記所定の油圧式摩擦係合
装置の係合圧の変化状態を学習により補正するものであ
る。
【0012】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記アップ変速の進行状態が予め設定され
た目標進行状態と一致するように、前記係合圧を急速低
下値に保持するための保持時間を学習により補正するも
のである。
【0013】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記アップ変速の進行状態が予め設定され
た目標進行状態と一致するように、前記係合圧を前記急
速低下値から連続的に低下させるための低下速度を学習
により補正するものである。
【0014】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記アップ変速の進行状態が予め設定され
た目標進行状態と一致するように、前記係合圧の急速低
下値を学習により補正するものである。
【0015】また、好適には、前記所定の油圧式摩擦係
合装置の解放と他の油圧式摩擦係合装置の係合とにより
達成されるクラッチツウクラッチ変速に際して、予め設
定された関係から前記自動変速機の実際の入力トルクに
基づいて前記急速低下値を決定する急速低下値決定手段
をさらに含むものである。上記の関係は、自動変速機の
入力トルク毎に所定の油圧式摩擦係合装置のすべりが開
始される値よりも所定値だけ高い値となるように予め求
められたものである。
【0016】
【課題を解決するための第2の手段】前記目的を達成す
るための請求項8に係る発明の要旨とするところは、所
定の油圧式摩擦係合装置の解放と他の油圧式摩擦係合装
置の係合とにより所定の変速が達成される車両用自動変
速機において、その所定の変速判断に応答して上記所定
の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、所定の急速低下値ま
で急速に低下させて所定の保持時間だけその急速低下値
に保持した後にさらに所定の低下速度で連続的に低下さ
せてその所定の油圧式摩擦係合装置を解放させることに
より、所定の変速を達成する車両用自動変速機の変速制
御装置であって、(a) 前記変速の過程で前記所定の油圧
式摩擦係合装置および他の油圧式摩擦係合装置の係合状
態のオーバラップの不足に起因するエンジン回転速度の
一時的上昇を検出するオーバシュート検出手段と、(b)
そのオーバシュート検出手段により前記変速の過程での
エンジン回転速度の一時的上昇が検出されると、エンジ
ンの出力トルクを一時的に低下させるトルク低下手段
と、(c) そのオーバシュート検出手段により検出された
変速過程におけるエンジン回転速度の一時的上昇が所定
の範囲内となるように、前記所定の油圧式摩擦係合装置
の係合圧の滑りが発生する値よりも大きい値に予め決定
された急速低下値、その保持時間、或いはそこからの係
合圧低下速度を学習により補正する係合圧変化状態学習
補正手段とを、含むことにある。
【0017】
【第2発明の効果】このようにすれば、係合圧変化状態
学習補正手段により、オーバシュート検出手段により検
出された変速過程におけるエンジン回転速度の一時的上
昇が所定の範囲内となるように、前記所定の油圧式摩擦
係合装置の係合圧の滑りが発生する値よりも大きい値に
予め決定された急速低下値、その保持時間、或いはそこ
からの係合圧低下速度が学習により補正されることか
ら、所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他の油圧式摩擦
係合装置の係合とにより達成されるクラッチツウクラッ
チ変速において、たとえ油圧式摩擦係合装置に供給され
或いはそれから排出される作動油温度の変化や、油圧式
摩擦係合装置の係合特性の経時変化などが発生したとし
ても、油圧式摩擦係合装置の係合圧の変化状態すなわち
変速の進行状態に影響することがなく、変速ショックが
大きくなったり或いはエンジン回転速度の一時的上昇な
どが発生したりすることなく、十分な変速感が安定的に
得られる。また、オーバシュート検出手段により前記変
速の過程でのエンジン回転速度の一時的上昇が検出され
ると、トルク低下手段によってエンジンの出力トルクが
一時的に低下させられるので、車両の組み立て直後やバ
ッテリ交換後のアップ変速時において過剰なエンジンの
吹き上がりが防止される。
【0018】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、前記変速
は、駆動力がエンジンから駆動輪へ向かって伝達される
パワーオン走行時のアップ変速であり、前記変速制御装
置は、そのアップ変速判断に応答して、前記所定(解放
側)の油圧式摩擦係合装置の係合圧をその油圧式摩擦係
合装置の滑りが発生する値よりも大きい値に予め決定さ
れた急速低下値まで急速に低下させる係合圧急速低下手
段と、前記他(係合側)の油圧式摩擦係合装置のピスト
ンがその移動ストロークを完了するまでその急速低下値
に保持する係合圧保持手段と、その係合圧保持手段によ
り急速低下値に保持されていた係合圧を所定の低下速度
で連続的に低下させる係合圧連続低下手段と、上記アッ
プ変速の開始を判定する変速開始判定手段と、その変速
開始判定手段によりアップ変速の開始が判定されると、
上記係合圧を大気圧に解放する係合圧解放手段とを含む
ものである。
【0019】また、好適には、前記変速制御装置は、前
記他(係合側)の油圧式摩擦係合装置内に速やかに作動
油を供給するファーストフィル手段と、そのファースト
フィル手段による作動油の急速供給に続いて、前記所定
の油圧式摩擦係合装置の係合圧を所定の待機圧まで上昇
させてそれに所定期間保持させる係合圧待機手段と、前
記変速開始判定手段によりアップ変速の開始が判定され
ると、係合圧待機手段により待機圧に保持されていた係
合圧を所定の昇圧速度で連続的に昇圧させる係合圧連続
上昇手段と、上記アップ変速の終了を判定する変速終了
判定手段と、その変速終了判定手段によりアップ変速の
終了が判定されると、上記油圧式摩擦係合装置の係合圧
をその最大値とする係合圧最大値昇圧手段とを含むもの
である。
【0020】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記オーバシュート検出手段により検出さ
れた変速過程におけるエンジン回転速度の一時的上昇が
所定の範囲内となるように、前記急速低下値に所定時間
保持された後の前記係合圧の低下速度を学習により補正
するものである。
【0021】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記オーバシュート検出手段により検出さ
れた変速過程におけるエンジン回転速度の一時的上昇が
所定の範囲内となるように、前記係合圧の保持時間を学
習により補正するものである。
【0022】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記オーバシュート検出手段により検出さ
れた変速過程におけるエンジン回転速度の一時的上昇が
所定の範囲内となるように、前記係合圧の急速低下値を
学習により補正するものである。
【0023】また、好適には、前記係合圧変化状態学習
補正手段は、前記オーバシュート検出手段により検出さ
れた変速過程におけるエンジン回転速度の一時的上昇が
所定の範囲内となるように、前記他の油圧式摩擦係合装
置内に作動油を速やかに満たすためのファーストフィル
期間を学習により補正するものである。
【0024】また、好適には、前記所定の油圧式摩擦係
合装置の解放と他の油圧式摩擦係合装置の係合とにより
達成されるクラッチツウクラッチ変速に際して、予め設
定された関係から前記自動変速機の実際の入力トルクに
基づいて前記急速低下値を決定する急速低下値決定手段
をさらに含むものである。上記の関係は、自動変速機の
入力トルク毎に所定の油圧式摩擦係合装置のすべりが開
始される値よりも所定値だけ高い値となるように予め求
められたものである。
【0025】
【課題を解決するための第3の手段】前記目的を達成す
るための第3発明の要旨とするところは、所定の変速判
断に応答して、所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、
所定の待機圧まで上昇させてそれに保持した後に変速開
始が判断されるとさらに連続的に昇圧させて油圧式摩擦
係合装置を係合させることにより、所定の変速を達成す
る車両用自動変速機の変速制御装置であって、変速開始
による前記変速の進行状態が予め設定された目標進行状
態と一致するように、前記待機圧を学習により補正する
待機圧学習補正手段を、含むことにある。
【0026】
【第3発明の効果】このようにすれば、待機圧学習補正
手段により、変速開始による前記変速の進行状態が予め
設定された目標進行状態と一致するように、前記待機圧
が学習により補正されることから、所定の油圧式摩擦係
合装置の係合により達成される変速において、たとえ油
圧式摩擦係合装置に供給され或いはそれから排出される
作動油温度の変化や、油圧式摩擦係合装置の係合特性の
経時変化などが発生したとしても、油圧式摩擦係合装置
の係合圧の変化状態すなわち変速の進行状態に影響する
ことがなく、変速ショックが大きくなったりすることな
く、十分な変速感が安定的に得られる。
【0027】
【第3発明の他の態様】ここで、好適には、前記変速
は、駆動力がエンジンから駆動輪へ向かって伝達される
パワーオン走行時のアップ変速であり、前記変速制御装
置は、所定の変速判断に応答して、前記所定の油圧式摩
擦係合装置内に速やかに作動油を供給するファーストフ
ィル手段と、そのファーストフィル手段による作動油の
急速供給に続いて、前記所定の油圧式摩擦係合装置の係
合圧を所定の待機圧まで上昇させてそれに所定期間保持
させる係合圧待機手段と、上記アップ変速の開始を判定
する変速開始判定手段と、その変速開始判定手段により
アップ変速の開始が判定されると、係合圧待機手段によ
り待機圧に保持されていた係合圧を所定の昇圧速度で連
続的に昇圧させる係合圧連続上昇手段と、上記アップ変
速の終了を判定する変速終了判定手段と、その変速終了
判定手段によりアップ変速の終了が判定されると、上記
油圧式摩擦係合装置の係合圧をその最大値とする係合圧
最大値昇圧手段とを含むものである。
【0028】また、好適には、前記油圧式摩擦係合装置
の係合によって回転速度が変化させられる自動変速機内
の回転部材の回転速度変化率を決定する回転変化率決定
手段が備えられ、前記待機圧学習補正手段は、その回転
変化率決定手段により決定された実際の回転速度変化率
が予め設定された目標回転速度変化率と一致するよう
に、前記待機圧を学習により補正する。
【0029】
【発明の好適な実施の態様】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】図1において、車両のエンジン10の出力
は、流体式伝動装置としてのトルクコンバータ12、自
動変速機14、差動歯車装置16を経て図示しない駆動
輪へ伝達されるようになっている。トルクコンバータ1
2は、エンジン10のクランク軸18と連結されている
ポンプ翼車20と、自動変速機14の入力軸22に連結
されたタービン翼車24と、一方向クラッチ26を介し
て非回転部材であるハウジング28に固定されたステー
タ翼車30と、図示しないダンパを介して上記入力軸2
2に連結されたロックアップクラッチ32とを備えてい
る。
【0031】自動変速機14は、入力軸22上に同軸に
配設された2組のシングルピニオン型遊星歯車装置4
0,42と、前記入力軸22と平行なカウンタ軸44上
に同軸に配置された1組の遊星歯車装置46と、そのカ
ウンタ軸44の軸端に固定されて差動歯車装置16とか
み合う出力ギヤ48とを備えている。上記遊星歯車装置
40,42,46の構成要素は、3つのクラッチC1、
C2、C3によって互いに選択的に連結され、或いは3
つのブレーキB1、B2、B3によって非回転部材であ
るハウジング28に選択的に連結されるようになってい
る。また、2つの一方向クラッチF1、F2によってそ
の回転方向により相互に若しくはハウジング28と係合
させられるようになっている。なお、差動歯車装置16
は軸線(車軸)に対して対称的に構成されているため、
下側を省略して示してある。
【0032】上記クラッチC1、C2、C3およびブレ
ーキB1、B2、B3(以下、特に区別しない場合には
クラッチC,ブレーキBという)は、多板式のクラッチ
やバンドブレーキなど油圧アクチュエータによって係合
制御される油圧式摩擦係合装置である。それらの油圧ア
クチュエータが作動させられることによって上記クラッ
チC,ブレーキBが選択的に係合させられることによ
り、図2に示すように、前進4段のうちの何れかの変速
段が成立させられる。図2の「○」は係合、「◎」は駆
動時のみにおいて係合を意味しており、空欄は解放を意
味している。
【0033】図3において、車両のエンジン10の吸気
配管には、アクセルペダル50によって操作されるスロ
ットル弁52が設けられている。また、エンジン10の
回転速度NE を検出するエンジン回転速度センサ58、
エンジン10の吸入空気量Qを検出する吸入空気量セン
サ60、吸入空気の温度TA を検出する吸入空気温度セ
ンサ62、上記スロットル弁52の開度θを検出するス
ロットルセンサ64、カウンタ軸44の回転速度Nout
すなわち車速Vを検出する車速センサ66、エンジン1
0の冷却水温度TW を検出する冷却水温センサ68、ブ
レーキの作動を検出するブレーキスイッチ70、シフト
レバー72の操作位置を検出する操作位置センサ74な
どが設けられており、それらのセンサから、エンジン回
転速度N E 、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロッ
トル弁の開度θ、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレ
ーキの作動状態BK、シフトレバー72の操作位置Psh
を表す信号がエンジン用電子制御装置76および変速用
電子制御装置78に供給されるようになっている。ま
た、タービン翼車24の回転速度を検出するタービン回
転速度センサ75からタービン回転速度NT すなわち入
力軸22の回転速度N INを表す信号が変速用電子制御装
置78にそれぞれ供給される。
【0034】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ82を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御する。
【0035】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROM79に記憶されたプロ
グラムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の
各電磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえ
ば、変速用電子制御装置78は、スロットル弁52の開
度θに対応した大きさの出力圧PSLT を発生させるため
にリニヤソレノイド弁SLT を、ロックアップクラッチ3
2のスリップ量Nslipを制御するためにリニヤソレノイ
ド弁SLU を、ロックアップクラッチ32の係合および解
放を切り換えるために電磁弁SLをそれぞれ駆動する。
また、変速用電子制御装置78は、図示しない予め記憶
された変速線図から実際のスロットル弁開度θおよび車
速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段やロックアップ
クラッチ32の変速判断を実行し、この判断されたギヤ
段および係合状態が得られるように電磁弁S1、S2、
S3を駆動する。
【0036】図4は、第2速ギヤ段および第3速ギヤ段
の達成に直接関連するブレーキB1およびクラッチC2
の係合制御に関連する油圧制御回路84の要部を示して
いる。図において、電磁弁S1およびS2は、ライン圧
LINEから一定の値に調圧されたモジュレータ圧PM
元圧とし、変速用電子制御装置78からの駆動信号のデ
ューティ比すなわち駆動電流IS1およびIS2 に対応し
た大きさの制御圧PS1およびPS2を、B1調圧弁90お
よびC2調圧弁92へそれぞれ出力し、ブレーキB1お
よびクラッチC2の係合圧PB1および係合圧PC2を、そ
れぞれ直接的に調圧する。なお、ブレーキB1およびク
ラッチC2には、係合圧PB1およびPC2の脈動を吸収す
るためのB1ダンパ94およびC2ダンパ96がそれぞ
れ接続されている。
【0037】B1調圧弁90は、シフトレバー72がD
レンジ、2レンジ、Lレンジなどの前進レンジに操作さ
れたときに図示しないマニアル弁から発生させられる前
進レンジ圧PD を受け入れる入力ポート100と、係合
圧PB1を出力する出力ポート102と、それら入力ポー
ト100と出力ポート102との間を開閉するスプール
弁子104と、このスプール弁子104を閉弁方向に付
勢するスプリング106と、スプール弁子104を開弁
方向に付勢するために制御圧PS1を受け入れる油室10
8と、上記スプリング106を収容し、スプール弁子1
04を閉弁方向に付勢するフィードバック圧として係合
圧PB1を受け入れるフィードバック油室110とを備
え、数式1から制御圧PS1に従って調圧した係合圧PB1
をフェイルセーフ弁112を通してブレーキB1へ出力
する。なお、数式1において、S1は油室108の受圧
面積、S2 はフィードバック油室110の受圧面積、W
1 はスプリング106の付勢力であり、S1 >S2 であ
る。
【0038】
【数1】PB1=(S1 ・PS1−W1 )/S2
【0039】C2調圧弁92は、ライン圧PLINEを受け
入れる入力ポート114と、係合圧PC2を出力する出力
ポート116と、それら入力ポート114と出力ポート
116との間を開閉するスプール弁子118と、このス
プール弁子118を閉弁方向に付勢するスプリング12
0と、スプール弁子118を開弁方向に付勢するために
制御圧PS2を受け入れる油室122と、上記スプリング
120を収容し、スプール弁子118を閉弁方向に付勢
するフィードバック圧として係合圧PC2を受け入れるフ
ィードバック油室124とを備え、数式2から制御圧P
S2に従って調圧した係合圧PC2をクラッチC2へ出力す
る。なお、数式2において、S3 は油室122の受圧面
積、S4 はフィードバック油室124の受圧面積、W2
はスプリング120の付勢力であり、S3 >S4 であ
る。また、126は、シフトレバー72がLレンジへ操
作されたときに発生するLレンジ圧PL を受け入れてス
プール弁子118を閉弁位置にロックするための油室で
ある。
【0040】
【数2】PC2=(S3 ・PS2−W2 )/S4
【0041】なお、フェイルセーフ弁112は、クラッ
チC2の係合圧PC2、ブレーキB1の係合圧PB1並びに
ブレーキB2の係合圧PB2が同時に発生した場合にダブ
ルロック現象によるクラッチおよびブレーキの損傷を回
避するためのものであり、クラッチC2の係合圧PC2
ブレーキB1の係合圧PB1若しくはクラッチC2の係合
圧PC2とブレーキB2の係合圧PB2が同時に高圧となっ
た場合には、スプール弁子128が図面の上側に移動し
てブレーキB1の係合圧PB1或いはブレーキB2の係合
圧PB2が遮断されるようになっている。
【0042】図5は、第1発明が適用された変速用電子
制御装置78の制御機能の要部を説明する機能ブロック
線図である。解放側変速油圧制御手段130は、パワー
オン走行における所定のアップ変速、たとえばブレーキ
B1の解放とクラッチC2の係合とにより達成されるク
ラッチツウクラッチ変速である2→3変速に際して、解
放側の摩擦係合装置であるブレーキB1の係合圧PB1
たとえば図6に示すように制御し、上記2→3変速を変
速ショックのない滑らかなものとする。このため、解放
側変速油圧制御手段130は、2→3変速判断に応答し
てブレーキB1の係合圧PB1をその最大値からそのブレ
ーキB1の滑りが発生する値よりも予め高く決定された
所定の急速低下値PD まで急速に低下させる係合圧急速
低下手段132と、その係合圧急速低下手段132によ
り急速低下値PD まで低下させられた係合圧を、係合側
摩擦係合装置であるクラッチC2のピストンの移動が完
了するまですなわちクラッチC2のピストンが摩擦材に
当接するまでその急速低下値PD に所定の保持時間TD
だけ保持する係合圧保持手段134と、係合圧保持手段
134により保持された係合圧を変速開始に先立って所
定の低下速度ΔPS1で連続的に低下させる係合圧連続低
下手段136と、変速開始判定手段138により上記2
→3アップ変速の変速開始が判定されると、ブレーキB
1の係合圧P B1をその最低値である大気圧に解放する係
合圧解放手段140とを備えている。上記変速開始判定
手段138は、2→3アップ変速期間内において、自動
変速機14の入力軸回転速度(タービン回転速度NT
の低下開始点を検出することにより2→3アップ変速の
実質的な開始点を判定する。この2→3アップ変速中に
おけるエンジン回転速度NE の下降はブレーキB1のす
べりによって開始される。なお、上記係合圧連続低下手
段136による連続低下期間t2 〜t4 においては、ダ
ンパ94のアキュムレータ作用により、途中から低下速
度が緩和されている。
【0043】入力トルク決定手段142は、予め記憶さ
れた関係から実際のエンジン回転速度NE およびスロッ
トル弁開度θに基づいてエンジン10の出力トルクTE
を決定し、予め記憶された関係から実際のトルクコンバ
ータ12のタービン翼車24の回転速度NT とポンプ翼
車20の回転速度(エンジン回転速度NE )との速度比
e(=NT /NE )に基づいてトルクコンバータ12の
トルク(増幅)比tを決定し、自動変速機14の入力軸
22に入力される入力トルクTI を決定する。急速低下
値決定手段144は、予め記憶された関係から、上記入
力トルク決定手段142により決定された実際の入力ト
ルクTI に基づいて前記急速低下値PDを決定する。上
記の関係は、入力トルクTI が増加する程急速低下値P
D も増加する線形の関係、たとえばPD =A×TI +B
であって、ブレーキB1の滑りが発生する値よりも所定
値だけ高い値すなわちブレーキB1の滑りが発生する直
前の値、或いはブレーキB1のすべりが発生する値より
も僅かに低い値となるように、入力トルクTI に応じて
設定されたものである。
【0044】また、係合側変速油圧制御手段150は、
2→3変速判断に応答して、係合圧PC2を最大とする駆
動信号を電磁弁S2に短時間だけ供給することにより、
係合側のクラッチC2内に速やかに作動油を供給するフ
ァーストフィル手段152と、そのファーストフィル手
段152による作動油の急速供給に続いて、クラッチC
2の係合圧PC2を上昇させ、そのクラッチC2の係合ト
ルクが発生する直前か或いは僅かに係合トルクが発生す
る所定の待機圧PS に所定期間保持させる係合圧待機手
段154と、前記変速開始判定手段138により2→3
アップ変速の開始が判定されると、係合圧待機手段15
4により待機圧PS に保持されていた係合圧PC2を所定
の昇圧速度で連続的に昇圧させる係合圧連続上昇手段1
56と、変速終了判定手段158により2→3アップ変
速の終了が判定されると、上記クラッチC2の係合圧P
C2をその最大値とする係合圧最大値昇圧手段160とを
含む。上記変速終了判定手段158は、たとえば、入力
軸回転速度(タービン回転速度NT )が第3速ギヤ段の
変速比ρ3RD と出力軸回転速度NOUT との積(ρ3R D ×
OUT )に一致することに基づいて判定する。なお、上
記係合圧連続上昇手段156による連続昇圧期間t2
4 においては、ダンパ96のアキュムレータ作用によ
り、途中から上昇速度が緩和されている。
【0045】係合圧変化状態学習補正手段162は、上
記パワーオン走行時の2→3アップ変速の進行状態が予
め設定された目標進行状態となるように、たとえば、上
記2→3アップ変速の実質的変速時間T23が予め設定さ
れた目標変速時間T23M と一致するように、或いは入力
軸回転速度NT の回転速度変化が開始されるイナーシャ
相開始に関連して発生する自動変速機14の回転部材、
たとえばブレーキB1のハブ、遊星歯車装置42のサン
ギヤなどのブレーキB1のすべり開始により回転変化が
発生する回転部材の回転変化率ΔNB1が予め設定された
目標回転変化率ΔNB1M と一致するように、解放側のブ
レーキB1の係合圧PB1の変化状態を学習により補正す
る。
【0046】上記係合圧変化状態学習補正手段162
は、上記パワーオン走行時の2→3アップ変速の進行状
態が予め設定された目標進行状態となるように、係合圧
連続低下手段136により急速低下値PD から連続的に
低下させる係合圧PB1の低下速度ΔPS1を補正すること
により、係合圧保持手段134により係合圧PB1が保持
される保持時間TD を補正することにより、或いは、係
合圧急速低下手段132により係合圧PB1が急速低下さ
せられる急速低下値PD を補正することにより、解放側
のブレーキB1の係合圧PB1の変化状態を学習により補
正するものである。
【0047】図7および図8は、前記第1発明が適用さ
れた変速用電子制御装置78の制御作動の要部を説明す
るフローチャートであって、図7は2→3変速油圧制御
ルーチンであり、図8は2→3変速の進行状態を目標進
行状態とするための学習制御ルーチンである。
【0048】図7において、ステップ(以下、ステップ
を省略する)SA1では、図示しない予め記憶された変
速線図から実際のスロットル弁開度θおよび車速Vに基
づいて2→3アップ変速判断が行われたか、或いはシフ
トレバー72が2レンジ或いは3レンジから3レンジ或
いはDレンジへ操作されたことなどに関連して、2→3
アップ変速の必要性があるか否かが判断される。このS
A1の判断が否定された場合には本ルーチンが終了させ
られるが、肯定された場合には、前記入力トルク決定手
段142および急速低下値決定手段144に対応するS
A2が実行される。
【0049】SA2では、よく知られた関係から実際の
エンジン回転速度NE およびスロットル弁開度θに基づ
いてエンジン10から出力されるエンジントルクTE
算出され、また、よく知られた関係から実際のトルクコ
ンバータ12の速度比e(=NT /NE )に基づいてト
ルクコンバータ12のトルク(増幅)比tが算出され、
そして、上記エンジントルクTE にトルクコンバータ1
2のトルク(増幅)比tを乗算することにより、自動変
速機14の実際の入力トルクTI が算出されるととも
に、予め記憶された関係(PD =A×TI +B)から実
際の入力トルクT I に基づいて急速低下値PD が算出さ
れる。
【0050】次いで、前記係合圧急速低下手段132お
よび係合圧保持手段134に対応するSA3では、ブレ
ーキB1の係合圧PB1が上記急速低下値PD まで急速に
低下させられるとともに、その急速低下値PD で所定の
保持時間TD だけ保持される。図6のt1 時点はこの状
態を示している。この保持時間TD は、係合側であるク
ラッチC2のピストンがその摩擦材に当接するまでの移
動ストローク分だけ充分に移動完了できる値に予め設定
されている。
【0051】次に、前記ファーストフィル手段152に
対応するSA4において、係合圧P C2を最大とする駆動
信号が電磁弁S2に短時間だけ供給されることにより、
クラッチC2内に作動油が急速供給された後、前記係合
圧待機手段154に対応するSA5において、係合側の
クラッチC2の係合圧PC2が待機圧PS に維持される。
前記係合圧連続低下手段136に対応するSA6におい
て、急速低下値PD に保持されていたブレーキB1の係
合圧PB1が、所定の低下速度ΔPS1で連続的に低下させ
られる。図6のt2 時点はこの状態を示している。
【0052】前記変速開始判定手段138に対応するS
A7では、自動変速機14の入力軸回転速度(タービン
回転速度NT )の低下が検出されたか否かに基づいて2
→3アップ変速が実質的に開始されたか否かが判断され
る。このSA7の判断が否定される場合は、係合圧PC2
が待機圧PS に維持される状況下において、上記SA6
以下が繰り返し実行されてブレーキB1の係合圧PB1
ΔPS1による連続低下が継続される。
【0053】しかし、上記SA7の判断が肯定される場
合には、前記係合圧変化状態学習補正手段162に対応
するSA8において、同じ入力トルクTI であれば次回
の制御サイクルにおいて用いられる急速低下値PD の保
持時間TD を補正するための、図8の学習制御ルーチン
が実行される。
【0054】図8において、SS1では、イナーシャ相
開始に関連して発生する自動変速機14の回転部材、た
とえばブレーキB1のハブ、遊星歯車装置42のサンギ
ヤなどのブレーキB1のすべり開始により回転変化が発
生する回転部材の回転変化率ΔNB1が、図示しない回転
速度センサからの信号などに基づいて算出される。次い
で、SS2では実際の回転変化率ΔNB1が予め設定され
た目標回転変化率ΔN B1M 以上となったか否かが判断さ
れる。このSS2の判断が肯定された場合には、実際の
回転変化率ΔNB1を小さくして目標回転変化率ΔNB1M
に接近させるために、SS3において保持時間TD が所
定の減少値ΔTD だけ減少させられる。しかし、上記S
S2の判断が否定された場合には、実際の回転変化率Δ
B1を大きくして目標回転変化率ΔNB1M に接近させる
ために、SS4において保持時間TD が所定の増加値Δ
D だけ増加させられる。このようにして補正された保
持時間TD は次回の制御サイクルのSA6において用い
られる。
【0055】上記回転変化率ΔNB1と保持時間TD との
間には図9に示すような関係があるが、上記図8の学習
制御ルーチンによる学習補正により、たとえば図9に示
す学習制御の目標収束範囲A内となるように保持時間T
D が補正されて上記回転変化率ΔNB1が略一定とされる
結果、2→3変速の進行状態が目標の変速進行状態に維
持されるようになる。図9において、保持時間TD が小
さすぎて上記目標収束範囲Aを下回った状態では、ブレ
ーキB1の滑り出しが早すぎて実際の回転変化率ΔNB1
が目標回転変化率ΔNB1M よりも小さくなり、2→3変
速期間内においてエンジン回転速度NE の一時的上昇す
なわちオーバシュートが発生するが、保持時間TD が大
き過ぎて上記目標収束範囲Aを上回った状態では、ブレ
ーキB1の滑り出しが遅すぎて実際の回転変化率ΔNB1
が目標回転変化率ΔNB1M よりも大きくなり、2→3変
速期間内において出力トルクTOUT が一時的に下降する
現象が発生する。
【0056】次いで、係合圧解放手段140に対応する
SA9において解放側のブレーキB1の係合圧PB1が大
気圧に解放されるとともに、係合圧連続上昇手段156
に対応するSA10において係合側のクラッチC2の係
合圧PC2がそれまでの待機圧から連続的に上昇させられ
る。図6のt3'時点はこの状態を示している。
【0057】次いで、前記変速終了判定手段158に対
応するSA11では、自動変速機14の入力軸回転速度
(タービン回転速度NT )が、2→3アップ変速後の入
力軸回転速度、すなわち出力軸回転速度NOUT に第3速
ギヤ段の変速比ρ3RD を乗算した値(=ρ3RD ×
OUT )に一致するか否かに基づいて、2→3アップ変
速の終了か否かが判定される。上記SA11の判断が否
定される場合は、SA10以下が繰り返し実行されてク
ラッチC2の係合圧PC2の連続上昇が継続される。図6
のt3'〜t4 の区間はこの状態を示している。
【0058】しかし、上記SA11の判断が肯定された
場合(図6のt4 時点)には、前記係合圧最大値昇圧手
段160に対応するSA12が実行されることにより、
所定時間後にクラッチC2の係合圧PC2が最大値に昇圧
される。図6のt5 時点はこの状態を示している。
【0059】上述のように、本実施例によれば、係合圧
変化状態学習補正手段162(SA8)により、2→3
アップ変速の進行状態が予め設定された目標進行状態と
なるように、解放側のブレーキB1の係合圧PB1の変化
状態が学習により補正されることから、ブレーキB1の
解放とクラッチC2の係合とにより達成されるクラッチ
ツウクラッチ変速において、たとえブレーキB1或いは
クラッチC2に供給され或いはそれから排出される作動
油温度の変化や、ブレーキB1或いはクラッチC2の係
合特性の経時変化などが発生したとしても、変速期間内
におけるブレーキB1或いはクラッチC2の係合圧の変
化状態すなわち変速の進行状態に影響することがなく、
変速ショックが大きくなったり或いはエンジン回転速度
の一時的上昇などが発生したりすることなく、十分な変
速感が安定的に得られる。
【0060】また、本実施例では、2→3アップ変速判
断に応答して、解放側のブレーキB1の係合圧PB1が、
係合圧急速低下手段132および係合圧保持手段(SA
3)により、そのブレーキB1の滑りが発生する値より
も予め高く設定された所定の急速低下値PD まで急速に
低下させられるとともに所定の保持時間TD だけ保持さ
れ、次いで係合圧連続低下手段136(SA6)により
予め設定された低下速度ΔPS1で連続的に低下させら
れ、さらに、変速開始判定手段138(SA7)により
上記2→3アップ変速の開始が判定された後は、係合圧
解放手段140(SA9)により大気圧へ低下させられ
ると同時に、係合側のクラッチC2の係合圧PC2が、係
合圧待機手段154(SA5)により待機圧PS に待機
させられた後変速開始判定手段138(SA7)により
上記2→3アップ変速の開始が判定された後は、係合圧
連続上昇手段156(SA10)により所定の速度で昇
圧させられ、変速終了判定手段158(SA11)によ
り2→3変速の終了が判定されると、その最大値まで昇
圧させられる。このため、ブレーキB1の解放とクラッ
チC2の係合とが滑らかに行われ得て、好適なアップ変
速感が得られる。
【0061】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】図10は、本発明の他の実施例における変
速用電子制御装置78の制御作動の要部を説明するフロ
ーチャートである。以下、前述の実施例との相違点を中
心に説明する。本実施例における係合圧変化状態学習補
正手段162は、ブレーキB1のハブ、遊星歯車装置4
2のサンギヤなどのブレーキB1のすべり開始により回
転変化が発生する回転部材の回転変化率ΔNB1が予め設
定された目標回転変化率ΔNB1M と一致するように、係
合圧急速低下手段132により係合圧PB1が急速低下さ
せられる急速低下値PD を補正することにより、解放側
のブレーキB1の係合圧PB1の変化状態を学習により補
正する。
【0063】図10において、SS2において、実際の
回転変化率ΔNB1が予め設定された目標回転変化率ΔN
B1M 以上となったと判断された場合には、実際の回転変
化率ΔNB1を小さくして目標回転変化率ΔNB1M に接近
させるために、SS3において急速低下値PD が所定の
減少値ΔPD だけ減少させられる。しかし、上記SS2
の判断が否定された場合には、実際の回転変化率ΔNB1
を大きくして目標回転変化率ΔNB1M に接近させるため
に、SS4において急速低下値PD が所定の増加値ΔP
D だけ増加させられる。このようにして補正された急速
低下値PD は次回の制御サイクルにおいて用いられる。
【0064】図11は、本発明の他の実施例における変
速用電子制御装置78の制御作動の要部を説明するフロ
ーチャートである。本実施例における係合圧変化状態学
習補正手段162は、ブレーキB1のハブ、遊星歯車装
置42のサンギヤなどのブレーキB1のすべり開始によ
り回転変化が発生する回転部材の回転変化率ΔNB1が予
め設定された目標回転変化率ΔNB1M と一致するよう
に、係合圧連続低下手段136により係合圧PB1が連続
低下させられる低下速度ΔPS1を補正することにより、
解放側のブレーキB1の係合圧PB1の変化状態を学習に
より補正する。
【0065】図11において、SS2において実際の回
転変化率ΔNB1が予め設定された目標回転変化率ΔN
B1M 以上となったと判断された場合には、実際の回転変
化率ΔNB1を小さくして目標回転変化率ΔNB1M に接近
させるために、SS3において低下速度ΔPS1が所定の
減少値βだけ減少させられる。しかし、上記SS2の判
断が否定された場合には、実際の回転変化率ΔNB1を大
きくして目標回転変化率ΔNB1M に接近させるために、
SS4において低下速度ΔPS1が所定の増加値βだけ増
加させられる。このようにして補正された低下速度ΔP
S1は次回の制御サイクルにおいて用いられる。
【0066】図12は、本発明の他の実施例における変
速用電子制御装置78の制御作動の要部を説明するフロ
ーチャートである。本実施例における係合圧変化状態学
習補正手段162は、実際の変速時間T23が目標変速時
間T23M と一致するように、係合圧保持手段134によ
り係合圧PB1が急速低下値PD に保持される保持時間T
D を補正することにより、前述の実施例と同様に、解放
側のブレーキB1の係合圧PB1の変化状態、たとえば係
合圧急速低下手段132により急速低下させられる値で
ある急速低下値PD 、係合圧保持手段134により保持
される時間である保持時間TD 、或いは係合圧連続低下
手段136により連続低下させられる低下速度ΔP
S1を、学習により補正する。図12は、係合圧保持手段
134により保持される時間である保持時間TD を学習
補正する場合の作動を示している。
【0067】図12において、ST1では、2→3アッ
プ変速の実際の変速時間T23が、たとえば所定のタイマ
ーを用いて前記SA7の判断が肯定されてからSA11
の判断が肯定されるまでの時間差を計時することにより
算出される。ST2では、実際の変速時間T23が目標変
速時間T23M 以上となったか否かが判断される。このS
T2の判断が否定された場合には本ルーチンが終了させ
られるが、肯定された場合には、ST3において、2→
3変速の変速開始付近におけるエンジン回転速度NE
一時的上昇すなわちオーバシュートが発生したか否かが
判断される。このST3の判断が肯定された場合は、変
速ショックの少ない図13に示す学習制御の目標収束範
囲Bよりも保持時間TD が短いことにより変速時間T23
が長くなった状態であるので、ST4において保持時間
D がそれまでの値に所定の増加値ΔTD を加算するこ
とにより増加させられ、実際の変速時間T23が目標変速
時間T23M に接近させられる。反対に、上記ST3の判
断が否定された場合は、変速ショックの少ない図13の
目標収束範囲Bよりも保持時間TD が長いことにより変
速時間T23が長くなった状態であるので、ST5におい
て保持時間TD がそれまでの値から所定の減少値ΔTD
を減算することにより減少させられ、実際の変速時間T
23が目標変速時間T23M に接近させられる。なお、保持
時間TD が所定の値を越えると係合圧連続低下手段13
6による係合圧PB1の連続低下を開始させるガードタイ
マが設けられていることから、図13において、保持時
間TDが範囲Bよりも大きい側において平坦な部分が形
成されている。
【0068】図14は、第2発明が適用された実施例に
おける、変速用電子制御装置78の制御機能の要部を説
明する機能ブロック線図である。図14の実施例では、
オーバシュート検出手段164は、ブレーキB1の解放
とクラッチC2の係合とにより達成されるクラッチツウ
クラッチ変速である2→3アップ変速過程において、ブ
レーキB1およびクラッチC2の係合のオーバラップ不
足に起因して変速開始時に発生するエンジン回転速度N
E の一時的な急上昇であるオーバシュートが発生したか
否かを、その回転上昇量Dが所定の判断基準値を越えた
ことに基づいて検出する。トルク低下手段166は、2
→3アップ変速期間内において上記オーバシュート検出
手段164によってエンジン回転速度NE のオーバシュ
ートが検出されると、エンジン10の出力トルクを一時
的に低下させる。
【0069】係合圧変化状態学習補正手段162は、前
述のようにたとえば回転変化率ΔN B1が目標回転変化率
ΔNB1M となるように保持時間TD を学習補正する他
に、上記オーバシュート検出手段164により検出され
たオーバシュートが所定の範囲内となるように、解放側
のブレーキB1の係合圧PB1の変化状態、たとえば係合
圧急速低下手段132により急速低下させられる値であ
る急速低下値PD 、係合圧保持手段134により保持さ
れる時間である保持時間TD 、或いは係合圧連続低下手
段136により連続低下させられる低下速度ΔPS1を、
学習により補正する。図15は、係合圧保持手段134
により保持される時間である保持時間TDを学習補正す
る場合の変速油圧制御作動を示している。なお、図15
は、図7の実施例に比較して、SA7とSA8との間
に、SA13乃至SA15が挿入されている点において
相違する。以下、その相違点を中心として説明する。
【0070】図15において、前記オーバシュート検出
手段164に対応するSA13では、2→3アップ変速
開始判定時点すなわちエンジン回転速度NE の回転速度
低下判定時点(図16のt3 時点)において、一時的上
昇量すなわちオーバシュート量Dが所定の判断基準値を
越えたことに基づいてオーバシュートが発生したか否か
が判定される。このSA13の判断が否定された場合
は、前記SA6以下において図7の場合と同様の作動が
実行される。
【0071】しかし、上記SA13の判断が肯定された
場合は、前記トルク低下手段166に対応するSA14
において、エンジン回転速度NE のオーバシュートを速
やかに終結させるために、点火時期の一時的遅角或いは
燃料噴射量の一時的低減が行われてエンジン10の出力
トルクが一時的に低下させられる。次いで、前記係合圧
変化状態学習補正手段162に対応するSA15におい
て、ブレーキB1とクラッチC2との係合のオーバラッ
プを大きくして上記オーバシュートを減少させるため
に、ブレーキB1の係合トルクの低下を遅らせることに
寄与する保持時間TD がそれまでの値に所定の増加値Δ
D を加算することにより更新される。そして、続くS
A8も上記係合圧変化状態学習補正手段162に対応す
るものであり、このSA8では、たとえば前記図8に示
す学習制御ルーチンが実行される。
【0072】本実施例によれば、係合圧変化状態学習補
正手段162(SA15)により、オーバシュート検出
手段164(SA13)により検出されたオーバシュー
トが所定の範囲内となるように、解放側のブレーキB1
の係合圧PB1の変化状態が学習により補正されることか
ら、ブレーキB1の解放とクラッチC2の係合とにより
達成される2→3変速において、たとえブレーキB1或
いはクラッチC2に供給され或いはそれから排出される
作動油温度の変化や、ブレーキB1或いはクラッチC2
の係合特性の経時変化などが発生したとしても、ブレー
キB1の係合圧PB1の変化状態すなわち変速の進行状態
に影響することがなく、変速ショックが大きくなったり
或いはエンジン回転速度の一時的上昇などが発生したり
することなく、十分な変速感が安定的に得られる。
【0073】また、本実施例によれば、オーバシュート
検出手段164(SA13)によりオーバシュートが検
出されると、トルク低下手段166によりエンジン10
の出力トルクが一時的に低下させられるので、車両の組
み立て直後やバッテリ交換後のアップ変速時において過
剰なエンジン10の吹き上がりが防止される。
【0074】図17は、第3発明が適用された実施例に
おける、変速用電子制御装置78の制御機能の要部を説
明する機能ブロック線図である。図17の実施例の係合
側変速油圧制御手段150は、パワーオン走行の1→2
アップ変速時において係合させられるブレーキB1の係
合圧PB1を前述の実施例の2→3アップ変速時において
係合させられるクラッチC2と同様に制御する。回転変
化率決定手段168は、ブレーキB1の係合によって回
転速度が変化させられる自動変速機14内の回転部材、
たとえばブレーキB1のハブ、遊星歯車装置42のサン
ギヤなどのブレーキB1のすべり開始により回転変化が
発生する回転部材の回転変化率ΔNB1を決定する。待機
圧学習補正手段170は、パワーオン走行時の1→2ア
ップ変速の進行状態が予め設定された目標進行状態とな
るように、たとえば、その回転変化率ΔNB1が予め設定
された目標回転変化率ΔNB1M と一致するように、1→
2アップ変速におけるブレーキB1の係合時の待機圧P
S を補正する。
【0075】図18は、上記パワーオン走行の1→2ア
ップ変速が判断されたときの変速油圧制御作動を示して
いる。図18のSB1では、図示しない予め記憶された
変速線図から実際のスロットル弁開度θおよび車速Vに
基づいて1→2アップ変速判断が行われたか、或いはシ
フトレバー72がLレンジから2レンジ或いはDレンジ
へ操作されたことなどに関連して1→2変速の必要性が
あるか否かが判断される。上記SA1の判断が否定され
た場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場
合は、ファーストフィル手段152に対応するSB2に
おいて、電磁弁S1への指令値が所定時間だけ係合圧P
B1を最大とするための値とされることにより、ブレーキ
B1内へ作動油が急速供給される。図19のt1 〜t2
の区間は上記ファーストフィル期間を示している。
【0076】次いで、前記係合圧待機手段154に対応
するSB3において、電磁弁S1への指令値が待機圧P
S とするための値とされることにより、ブレーキB1の
係合圧PB1が待機圧PS とされる。そして、変速開始判
定手段138に対応するSB4において、たとえばエン
ジン回転速度NE の低下開始に基づいて1→2変速の開
始か否かが判断される。このSB4の判断が否定される
場合は、上記SB3以下が繰り返し実行されることによ
りブレーキB1の係合圧PB1が待機圧PS に維持され
る。図19のt2 〜t3 の区間は、係合圧PB1が待機圧
S に維持される待機期間を示している。しかし、上記
SB4の判断が肯定された場合は、図20に示す学習補
正ルーチンが実行される。
【0077】図20において、回転変化率決定手段16
8に対応するSR1では、ブレーキB1の係合によって
回転速度が変化させられる自動変速機14内の回転部
材、たとえばブレーキB1のハブ、遊星歯車装置42の
サンギヤなどのブレーキB1のすべり開始により回転変
化が発生する回転部材の回転変化率ΔNB1が算出され
る。続いて、待機圧学習補正手段170に対応するSR
2乃至SR4が実行される。すなわちSR2では、上記
回転変化率ΔNB1が予め設定された目標回転変化率ΔN
B1M 以上であるか否かが判断される。このSR2の判断
が肯定された場合は、実際の回転変化率ΔNB1を小さく
して目標回転変化率ΔNB1M に接近させるために、SR
3において待機圧PS が所定の減少値ΔPS だけ減少さ
せられる。しかし、上記SR2の判断が否定された場合
には、実際の回転変化率ΔNB1を大きくして目標回転変
化率ΔNB1M に接近させるために、SR4において待機
圧PSが所定の増加値ΔPS だけ増加させられる。この
ようにして補正された待機圧P S は次回の制御サイクル
のSB3において用いられる。
【0078】上記回転変化率ΔNB1と待機圧PS との間
には図21に示すような関係があるが、上記図20の学
習制御ルーチンによる学習補正により、たとえば図21
に示す学習制御の目標収束範囲C内となるように待機圧
S が補正されて上記回転変化率ΔNB1が略一定とされ
る結果、1→2変速の進行状態が目標の変速進行状態に
維持されるようになる。図21において、待機圧PS
上記目標収束範囲C内であれば、変速ショックが良好に
維持される。
【0079】次いで、係合圧連続上昇手段156に対応
するSB6においてブレーキB1の係合圧PB1がそれま
での待機圧PS から連続的に上昇させられる。図19の
3時点はこの状態を示している。そして、前記変速終
了判定手段158に対応するSB7では、自動変速機1
4の入力軸回転速度(タービン回転速度NT )が、1→
2アップ変速後の入力軸回転速度、すなわち出力軸回転
速度NOUT に第2速ギヤ段の変速比ρ2ND を乗算した値
(=ρ2ND ×NOUT )に一致するか否かに基づいて、1
→2アップ変速の終了か否かが判定される。上記SB7
の判断が否定される場合は、SB6以下が繰り返し実行
されて係合圧PB1の上昇が継続される。図6のt3 〜t
4 の区間はこの状態を示している。
【0080】しかし、上記SB7の判断が肯定された場
合(図19のt4 時点)には、前記係合圧最大値昇圧手
段160に対応するSB8が実行されることにより、所
定時間後にブレーキB1の係合圧PB1がその最大値へ昇
圧される。図19のt5 時点はこの状態を示している。
【0081】上述のように、本実施例によれば、待機圧
学習補正手段170(SR2乃至SR4)により、1→
2アップ変速の進行状態が予め設定された目標進行状態
と一致するように、ブレーキB1の待機圧PS が学習に
より補正されることから、ブレーキB1の係合により達
成される1→2アップ変速において、たとえブレーキB
1に供給される作動油温度の変化や、油圧式摩擦係合装
置の係合特性の経時変化などが発生したとしても、油圧
式摩擦係合装置の係合圧の変化状態すなわち変速の進行
状態に影響することがなく、変速ショックが大きくなっ
たりすることなく、十分な変速感が安定的に得られる。
【0082】以上、本発明の幾つかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施する
こともできる。
【0083】例えば、図7或いは図15の2→3変速の
実施例に、図18の1→2変速の実施例が設けられた
り、図15の実施例のSA8が、図10、図11、図1
2の何れかの学習制御ルーチンにより構成されてもよ
い。
【0084】また、前述の図7、図15の実施例では2
→3アップ変速について説明され、図18の実施例では
1→2アップ変速について説明されていたが、自動変速
機14が前進5段である場合などでは、上記2→3アッ
プ変速や1→2アップ変速以外の他のアップ変速に適用
される。要するに、所定の摩擦係合装置の解放と他の摩
擦係合装置の係合とにより達成されるアップ変速、所定
の摩擦係合装置の係合により達成されるアップ変速につ
いて適用され得る。
【0085】また、前述の実施例の図7、図15、図1
8は、パワーオン走行時に際してのみ実行されるもので
あってもよい。
【0086】また、前述の図7および図15の実施例に
おいて、解放側のブレーキB1の係合圧PB1が係合圧保
持手段134によって急速低下値PD に所定の保持時間
Dだけ保持されるようになっていたが、所定の低下割
合で僅かに低下させられても差し支えない。
【0087】また、前述の図7の実施例において、ファ
ーストフィル手段152によるクラッチC2への作動油
の急速供給は、クラッチC2の係合圧PC2の上昇を検知
することにより終了させられるようにしてもよい。
【0088】また、前述の図7および図15の実施例に
おいて、2→3アップ変速時に車輪のスリップを検出し
た場合には、学習補正を中止する学習補正中止手段を設
けてもよい。
【0089】また、前述の図15の実施例において、2
→3アップ変速時に車輪のスリップに起因して見かけ上
のエンジン10のオーバシュートが発生した場合には、
トルク低下手段166によるエンジン出力トルク低下の
みを実施させ、学習補正を中止する学習補正中止手段を
設けてもよい。
【0090】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用される車両用自動変速
機の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機の各変速段を成立させるため
のクラッチおよびブレーキの係合作動を説明する図であ
る。
【図3】図1の自動変速機を制御するために車両に設け
られた変速用電子制御装置などを説明するブロック線図
である。
【図4】図3の油圧制御回路の要部の構成を説明する油
圧回路図である。
【図5】図3の変速用電子制御装置による制御機能の一
例であって、その制御機能の要部を説明する機能ブロッ
ク線図である。
【図6】図3の実施例の作動を説明するために、2→3
変速により変化するエンジン回転速度NE (≒NT )、
自動変速機の出力トルクTOUT 、ブレーキB1の係合圧
B1、クラッチC2の係合圧PC2をそれぞれ示すタイム
チャートである。
【図7】図3の変速用電子制御装置による制御作動の一
例であって、その制御作動の要部を説明するフローチャ
ートである。
【図8】図7のSA8の学習補正制御を詳しく説明する
学習制御ルーチンを示す図である。
【図9】図8の学習補正により補正される保持時間TD
と回転変化率ΔNB1との関係を示す図である。
【図10】本発明の他の実施例の図8に相当する図であ
る。
【図11】本発明の他の実施例の図8に相当する図であ
る。
【図12】本発明の他の実施例の図8に相当する図であ
る。
【図13】図12の実施例において、学習補正される保
持時間TD と変速時間T23との関係を示す図である。
【図14】本発明の他の実施例における変速用電子制御
装置の制御機能を示す機能ブロック線図であって、図5
に相当する図である。
【図15】図14の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動を示すフローチャートであって、図7に相当
する図である。
【図16】図14および図15の実施例において、2→
3変速により変化するエンジン回転速度NE (≒
T )、自動変速機の出力トルクTOUT 、ブレーキB1
の係合圧PB1、クラッチC2の係合圧PC2の変化を示す
タイムチャートである。
【図17】本発明の他の実施例における変速用電子制御
装置の制御機能を示す機能ブロック線図であって、図5
に相当する図である。
【図18】図17の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動を示すフローチャートであって、図7に相当
する図である。
【図19】図17の実施例において、1→2変速により
変化するエンジン回転速度NE (≒NT )、自動変速機
の出力トルクTOUT 、ブレーキB1の係合圧PB1の変化
を示すタイムチャートである。
【図20】図18のSB5の学習補正制御を詳しく説明
する学習制御ルーチンを示す図である。
【図21】図20の学習制御により補正される待機圧P
S と回転変化率ΔNB1との関係を示す図である。
【符号の説明】
14:自動変速機 132:係合圧急速低下手段 134:係合圧保持手段 136:係合圧連続低下手段 138:変速開始判定手段 140:係合圧解放手段 142:入力トルク決定手段 144:急速低下値決定手段 152:ファーストフィル手段 154:係合圧待機手段 156:係合圧連続上昇手段 158:変速終了判定手段 160:係合圧最大値昇圧手段 162:係合圧変化状態学習補正手段 164:オーバシュート検出手段 166:トルク低下手段 168:回転変化率決定手段 170:待機圧学習補正手段 B1:ブレーキ(油圧式摩擦係合装置) C2:クラッチ(油圧式摩擦係合装置)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−145157(JP,A) 特開 平8−40115(JP,A) 特開 平7−71587(JP,A) 特開 平7−286662(JP,A) 特開 平7−119820(JP,A) 特開 平6−341525(JP,A) 特開 平6−207656(JP,A) 特開 平6−11028(JP,A) 特開 平6−341535(JP,A) 特開 平6−331016(JP,A) 特開 平5−312261(JP,A) 特開 平5−332440(JP,A) 特開 平5−106722(JP,A) 特開 平1−279159(JP,A) 特開 平1−273738(JP,A) 特開 平7−301318(JP,A) 特開 平6−313475(JP,A) 特開 平5−306760(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他の
    油圧式摩擦係合装置の係合とにより所定の変速が達成さ
    れる車両用自動変速機において、該所定の変速の判断に
    応答して該所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、所定
    の急速低下値まで急速に低下させて所定の保持時間だけ
    その急速低下値に保持した後にさらに所定の低下速度で
    連続的に低下させて該所定の油圧式摩擦係合装置を解放
    させることにより、該所定の変速を開始させる車両用自
    動変速機の変速制御装置であって、 前記所定の変速の進行状態が予め設定された目標進行状
    態となるように前記所定の油圧式摩擦係合装置の滑り
    が発生する値よりも大きい値に予め決定された急速低下
    値、その保持時間、或いはそこからの係合圧低下速度
    学習により補正する係合圧変化状態学習補正手段を、含
    むことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記係合圧変化状態学習補正手段は、前
    記変速のイナーシャ相開始に関連して発生する自動変速
    機の回転部材の回転速度変化率が予め設定された目標回
    転速度変化率と一致するように、前記所定の油圧式摩擦
    係合装置の係合圧の変化状態を学習により補正するもの
    である請求項1の車両用自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記係合圧変化状態学習補正手段は、前
    記変速の変速時間が予め設定された目標変速時間と一致
    するように、前記所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧の
    変化状態を学習により補正するものである請求項1の車
    両用自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他の
    油圧式摩擦係合装置の係合とにより駆動力がエンジンか
    ら駆動輪へ向かって伝達されるパワーオン走行時のアッ
    プ変速が達成される車両用自動変速機において、該アッ
    プ変速判断に応答して、前記所定の油圧式摩擦係合装置
    の係合圧をその油圧式摩擦係合装置の滑りが発生する値
    よりも大きい値に予め決定された急速低下値まで急速に
    低下させる係合圧急速低下手段と、前記他の油圧式摩擦
    係合装置のピストンがその移動ストロークを完了するま
    で上記係合圧をその急速低下値に保持する係合圧保持手
    段と、その係合圧保持手段により急速低下値に保持され
    ていた係合圧を所定の低下速度で連続的に低下させる係
    合圧連続低下手段と、上記アップ変速の開始を判定する
    変速開始判定手段と、その変速開始判定手段によりアッ
    プ変速の開始が判定されると、上記係合圧を大気圧に解
    放する係合圧解放手段とを備え、該アップ変速の判断に
    応答して前記所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、前
    記予め決定された急速低下値まで急速に低下させて所定
    の保持時間だけその急速低下値に保持した後にさらに所
    定の低下速度で連続的に低下させて該所定の油圧式摩擦
    係合装置を解放させることにより、前記パワーオン走行
    時のアップ変速を開始させる車両用自動変速機の変速制
    御装置であって、 前記所定の変速の進行状態が予め設定された目標進行状
    態となるように、前記所定の変速の開始のために行われ
    る前記所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧の変化状態を
    学習により補正する係合圧変化状態学習補正手段を、含
    むことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記係合圧変化状態学習補正手段は、前
    記アップ変速の進行状態が予め設定された目標進行状態
    と一致するように、前記係合圧を急速低下値に保持する
    ための保持時間を学習により補正するものである請求項
    4の車両用自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記係合圧変化状態学習補正手段は、前
    記アップ変速の進行状態が予め設定された目標進行状態
    と一致するように、前記係合圧を前記急速低下値から連
    続的に低下させるための低下速度を学習により補正する
    ものである請求項4の車両用自動変速機の変速制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記係合圧変化状態学習補正手段は、前
    記アップ変速の進行状態が予め設定された目標進行状態
    と一致するように、前記係合圧の急速低下値を学習によ
    り補正するものである請求項4の車両用自動変速機の変
    速制御装置。
  8. 【請求項8】 所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他の
    油圧式摩擦係合装置の係合とにより変速が達成される車
    両用自動変速機において、該変速判断に応答して該所定
    の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、所定の急速低下値ま
    で急速に低下させて所定の保持時間だけその急速低下値
    に保持した後にさらに所定の低下速度で連続的に低下さ
    せて該所定の油圧式摩擦係合装置を解放させることによ
    り、該所定の変速を達成する車両用自動変速機の変速制
    御装置であって、 前記変速の過程で前記所定の油圧式摩擦係合装置および
    他の油圧式摩擦係合装置の係合状態のオーバラップの不
    足に起因するエンジン回転速度の一時的上昇を検出する
    オーバシュート検出手段と、 該オーバシュート検出手段により前記変速の過程でのエ
    ンジン回転速度の一時的上昇が検出されると、エンジン
    の出力トルクを一時的に低下させるトルク低下手段と、 前記オーバシュート検出手段により検出された変速過程
    におけるエンジン回転速度の一時的上昇が所定の範囲内
    となるように、前記所定の油圧式摩擦係合装置の滑りが
    発生する値よりも大きい値に予め決定された急速低下
    値、その保持時間、或いはそこからの係合圧低下速度
    学習により補正する係合圧変化状態学習補正手段とを、
    含むことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装
    置。
  9. 【請求項9】 アップ変速時に車輪のスリップに起因し
    て見かけ上のエンジン回転速度のオーバシュートが発生
    した場合には、前記トルク低下手段によるエンジン出力
    トルク低下のみを実施させて学習補正を中止する学習補
    正中止手段を、さらに含むものである請求項8の車両用
    自動変速機の変速制御装置。
  10. 【請求項10】 所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他
    の油圧式摩擦係合装置の係合とにより変速が達成される
    車両用自動変速機において、該変速判断に応答して該所
    定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、所定の急速低下値
    まで急速に低下させて所定の保持時間だけその急速低下
    値に保持した後にさらに所定の低下速度で連続的に低下
    させて該所定の油圧式摩擦係合装置を解放させることに
    より、該所定の変速を達成する車両用自動変速機の変速
    制御装置であって、 前記変速の過程で前記所定の油圧式摩擦係合装置および
    他の油圧式摩擦係合装置の係合状態のオーバラップの不
    足に起因するエンジン回転速度の一時的上昇を検出する
    オーバシュート検出手段と、 該オーバシュート検出手段により前記変速の過程でのエ
    ンジン回転速度の一時的上昇が検出されると、エンジン
    の出力トルクを一時的に低下させるトルク低下手段と、 前記オーバシュート検出手段により検出された変速過程
    におけるエンジン回転速度の一時的上昇が所定の範囲内
    となるように、前記急速低下値に所定時間保持された後
    の前記係合圧の低下速度を学習により補正する係合圧変
    化状態学習補正手段とを、含むことを特徴とする車両用
    自動変速機の変速制御装置。
  11. 【請求項11】 所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他
    の油圧式摩擦係合装置の係合とにより変速が達成される
    車両用自動変速機において、該変速判断に応答して該所
    定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、所定の急速低下値
    まで急速に低下させて所定の保持時間だけその急速低下
    値に保持した後にさらに所定の低下速度で連続的に低下
    させて該所定の油圧式摩擦係合装置を解放させることに
    より、該所定の変速を達成する車両用自動変速機の変速
    制御装置であって、 前記変速の過程で前記所定の油圧式摩擦係合装置および
    他の油圧式摩擦係合装置の係合状態のオーバラップの不
    足に起因するエンジン回転速度の一時的上昇を検出する
    オーバシュート検出手段と、 該オーバシュート検出手段により前記変速の過程でのエ
    ンジン回転速度の一時的上昇が検出されると、エンジン
    の出力トルクを一時的に低下させるトルク低下手段と、 前記オーバシュート検出手段により検出された変速過程
    におけるエンジン回転速度の一時的上昇が所定の範囲内
    となるように、前記係合圧の保持時間を学習により補正
    する係合圧変化状態学習補正手段とを、含むことを特徴
    とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  12. 【請求項12】 所定の油圧式摩擦係合装置の解放と他
    の油圧式摩擦係合装置の係合とにより変速が達成される
    車両用自動変速機において、該変速判断に応答して該所
    定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、所定の急速低下値
    まで急速に低下させて所定の保持時間だけその急速低下
    値に保持した後にさらに所定の低下速度で連続的に低下
    させて該所定の油圧式 摩擦係合装置を解放させることに
    より、該所定の変速を達成する車両用自動変速機の変速
    制御装置であって、 前記変速の過程で前記所定の油圧式摩擦係合装置および
    他の油圧式摩擦係合装置の係合状態のオーバラップの不
    足に起因するエンジン回転速度の一時的上昇を検出する
    オーバシュート検出手段と、 該オーバシュート検出手段により前記変速の過程でのエ
    ンジン回転速度の一時的上昇が検出されると、エンジン
    の出力トルクを一時的に低下させるトルク低下手段と、 前記オーバシュート検出手段により検出された変速過程
    におけるエンジン回転速度の一時的上昇が所定の範囲内
    となるように、前記係合圧の急速低下値を学習により補
    正する係合圧変化状態学習補正手段とを、含むことを特
    徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  13. 【請求項13】 前記係合圧変化状態学習補正手段は、
    前記オーバシュート検出手段により検出された変速過程
    におけるエンジン回転速度の一時的上昇が所定の範囲内
    となるように、前記他の油圧式摩擦係合装置内に作動油
    を速やかに満たすためのファーストフィル期間を学習に
    より補正するものである請求項8の車両用自動変速機の
    変速制御装置。
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