JP3536472B2 - 交流発電機 - Google Patents

交流発電機

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JP3536472B2
JP3536472B2 JP24892795A JP24892795A JP3536472B2 JP 3536472 B2 JP3536472 B2 JP 3536472B2 JP 24892795 A JP24892795 A JP 24892795A JP 24892795 A JP24892795 A JP 24892795A JP 3536472 B2 JP3536472 B2 JP 3536472B2
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    • HELECTRICITY
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    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
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    • H01R39/02Details for dynamo electric machines
    • H01R39/18Contacts for co-operation with commutator or slip-ring, e.g. contact brush
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロータコアに巻
装されたロータコイル、およびこのロータコイルに固定
側刷子から集電環およびコネクションバーを介して給電
する交流発電機に関するもので、特に車両に搭載された
バッテリを充電する車両用オルタネータに係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、図7に示したように、三相整
流装置101と、発電電圧を調整する電圧調整装置10
2と、ハウジング103内に回転自在に支持されたシャ
フト104と、ハウジング103の内面に固定されたス
テータ105と、このステータ105と相対回転するロ
ータ106と、シャフト104の端部外周に固定された
集電装置107と、この集電装置107の外周を摺動す
る刷子装置108とを備えた車両用交流発電機100が
知られている。ここで、ステータ105は、ステータコ
ア111および三相のステータコイル112等からな
る。ロータ106は、ランデル型のポールコア113お
よびロータコイル114等からなり、ロータコイル11
4の端末線115の大部分が絶縁チューブ116により
覆われている。
【0003】そして、集電装置107は、2個の集電環
120、および2個のコネクションバー121等から構
成されている。なお、2個の集電環120は、銅合金や
ステンレス鋼等の金属質部材で環状に作られており、シ
ャフト104と一体的に回転する。また、2個のコネク
ションバー121は、ロータコイル114の両端末線1
15にそれぞれ電気的に接続され、且つ2個の集電環1
20にそれぞれ電気的に接続されている。
【0004】一方、刷子装置108は、2個の固定側刷
子131、これらの固定側刷子131を保持する刷子ホ
ルダー132、および2個の固定側刷子131を2個の
集電環120の外周に押圧して電気的に接続させるコイ
ルスプリング133等から構成されている。なお、2個
の固定側刷子131は、炭素質部材により作られてい
る。また、2個の固定側刷子131は、電圧調整装置1
02と刷子ターミナル(図示せず)を介して銅線よりな
るピグテール134により結線されている。
【0005】近年、車両のエンジンルームの小型化に伴
う補機類の取付スペースの狭小化と燃料消費の規制によ
る小型、軽量化、および車両寿命の保証期間の延長化に
よる長寿命化を図った車両用交流発電機が望まれてい
る。なお、車両用交流発電機の小型、軽量化の一手段と
しては、一般に車両用交流発電機の体格の縮径および車
両用交流発電機の軸方向寸法の短縮が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の車両
用交流発電機100においては、2個の固定側刷子13
1が摩耗部材であるために予め摩耗を予測した長さを設
定して長寿命化を図る必要があるが、ロータコイル11
4に励磁電流を供給する励磁回路の電圧ドロップを小さ
くして発電出力の低下を防止するために、ロータコイル
114への励磁電流を制御する電圧調整装置102に近
接して刷子ホルダー132を設置している。このため、
電圧制御装置102と刷子ホルダー132とが近接して
配置されていることから、2個の固定側刷子131の長
さを大きくするために、刷子ホルダー132の軸方向に
直交する径方向寸法を大きく、長く設定できなかった。
したがって、刷子ホルダー132と2個の集電環120
の軸方向寸法が車両用交流発電機100の全軸長に対し
て大きな割合を占めることになり、車両用交流発電機1
00の小型化の大きな妨げになっているという問題が生
じている。
【0007】また、2個の固定側刷子131が炭素質部
材で作られていることから、2個の固定側刷子131に
おいて2個の集電環120の外周に接触する接触部分の
電気抵抗を小さくするため、適度の面積(大きさ)とコ
イルスプリング133の押圧力(バネ荷重)とが必要で
ある。したがって、車両用交流発電機100を小型化す
るために、2個の固定側刷子131の接触部分の表面積
を小さくすると、電流密度が大きくなり、2個の固定側
刷子131の温度が上昇して耐久寿命が短くなるという
問題が生じてしまう。
【0008】ここで、小型直流回転電機(例えばモータ
ー類)においては、固定側刷子を金属質部材(薄い金属
板を重ねたものあるいは銅線)で作り、回転側コンミテ
ータを銅合金で作った例があるが、回転側コンミテータ
の段差により固定側刷子に異常摩耗が発生する。このた
め、低電圧で低速回転の場合しか使用されておらず、車
両用交流発電機のような低速回転から高速回転まで幅広
い範囲で回転するものには上記の構造は採用されなかっ
た。
【0009】一方、従来の車両用交流発電機100にお
いては、図8に示したように、ロータコイル114の端
末線115とコネクションバー121とを、絶縁チュー
ブ116より露出した端末線115の端部をコネクショ
ンバー121の穴部内に差し込んだ後にフュージング溶
接等の抵抗溶接により結線している。また、集電環12
0とコネクションバー121とは、ろう付けにより結線
されている。そして、車両振動や車両用交流発電機10
0の回転変動により端末線115の端部とコネクション
バー121との結線部分や、集電環120とコネクショ
ンバー121との結線部分が共振することにより、それ
らの両結線部分の接続強度が低下することを防止するた
めに、絶縁チューブ116の先端部および端末線115
とコネクションバー121との結線部分を含浸剤(エポ
キシ系樹脂)123により覆っている。
【0010】一方、集電環120とコネクションバー1
21との結線部分は、樹脂質部材(フェノール系樹脂)
で作られ、シャフト104の端部外周に圧入または直接
成形される絶縁部材124にて覆っている。なお、絶縁
部材124は、シャフト104の軸方向溝117内に設
けられてシャフト104と集電環120およびコネクシ
ョンバー121とを電気的に絶縁している。ところが、
従来の車両用交流発電機100においては、集電環12
0とコネクションバー121との結線をろう付けにより
行っているので、ろう付け作業のために治具を挿入する
ための大きな作業スペースが必要となるので、集電環1
20がシャフト104の軸方向および径方向に大きくな
らざるをえないという問題が生じている。
【0011】ここで、米国特許第4406961号公報
においては、固定側刷子を炭素質部材で作り、集電環も
炭素質部材で作り、ロータコイルの端末線を被覆する絶
縁チューブをシャフトに形成された軸方向溝部内に通し
てロータコイルの端末線と集電環とを直接結線するよう
にした交流発電機が記載されている。そして、集電環と
ロータコイルの端末線とは、集電環に近接した半田層を
利用した半田付けにより結線されている。ところが、集
電環と端末線との結線後の半田層の収縮による集電環の
ガタの発生と柔らかい半田層の耐振動性に不安があり、
さらに半田付けのために端末線と集電環との結線部分の
接続強度が低下するという問題点が生じている。また、
集電環とロータコイルの端末線との結線を半田付けによ
り行っているので、半田付け作業のために半田ごてや治
具を挿入するための大きな作業スペースが必要となるの
で、小型化を図ることができないという問題点が生じて
いる。
【0012】〔請求項1の目的〕請求項1に記載の発明
の目的は、集電環とコネクションバーとの結線部分が大
きなスペースを占める点に着目して、集電環とコネクシ
ョンバーとの結線を廃止することにより集電環とコネク
ションバーとの結合部分の小型化を図ることのできる交
流発電機を提供することにある。また、集電環のガタの
発生を防止し、集電環とコネクションバーとの結合部分
の耐振動性の不安を解消し、且つ集電環とコネクション
バーとの結合部分の接続強度を長期間維持することので
きる交流発電機を提供することにある。さらに、自己潤
滑性があり高速回転でも安定した摩耗と給電を確保する
ことのできる交流発電機を提供することにある。
【0013】〔請求項2の目的〕請求項2に記載の発明
の目的は、集電環とコネクションバーとの結合部分の接
続強度の低下を抑えて長寿命化することのできる交流発
電機を提供することにある。また、集電環とコネクショ
ンバーとの結合状態を正規な状態に維持することのでき
る交流発電機を提供することにある。
【0014】〔請求項3の目的〕請求項3に記載の発明
の目的は、送風装置と集電環固定部材を1つの成形型で
一体成形することにより、樹脂質部材の成形型の型数を
低減することができ、且つ送風装置、集電環およびコネ
クションバーを組み付ける際の作業工数を低減すること
のできる交流発電機を提供することにある。
【0015】〔請求項4の目的〕請求項4に記載の発明
の目的は、コネクションバーのインサート部をリング状
にすることにより、集電環の強度を向上することがで
き、且つ集電環に大きな応力が加わらないようにするこ
とのできる交流発電機を提供することにある。
【0016】〔請求項5の目的〕請求項5に記載の発明
の目的は、コネクションバーのインサート部の表面に凸
凹を形成することにより、集電環とコネクションバーと
の結合強度を向上することのできる交流発電機を提供す
ることにある。
【0017】〔請求項6の目的〕請求項6に記載の発明
の目的は、バネ荷重を低減することにより、固定側刷子
の振動による影響を抑えて長寿命化を達成することので
きる交流発電機を提供することにある。また、固定側刷
子と外部接続端子との接続をバネ鋼の弾性力を利用した
構造にすることにより、ネジ、リベット等の接続部品を
必要とせず、刷子装置を大幅に軽量、小型化することの
できる交流発電機を提供することにある。さらに、集電
環に対する固定側刷子の接触圧を十分に確保することの
できる交流発電機を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の構成〕 請求項1に記載の発明は、ハウジングの内面に固定され
たステータコアと、このステータコアに巻装されたステ
ータコイルと、前記ステータコアの内周側において前記
ステータコアと相対回転するロータコアと、このロータ
コアに巻装されたロータコイルと、前記ロータコアの中
心部を貫通するシャフトと、このシャフトの外周に設け
られると共に、炭素質部材により作られた集電環と、
端部に前記ロータコイルが電気的に接続し、且つ他端部
に前記集電環内にインサート成形されるインサート部を
有すると共に、金属質部材により作られたコネクション
バーと、前記集電環の外周を摺動して前記集電環および
前記コネクションバーを介して前記ロータコイルを給電
する固定側刷子を有する刷子装置とを備えた技術手段を
採用した。
【0019】〔請求項1の作用〕請求項1に記載の発明
によれば、シャフトが回転すると、ロータコアおよびロ
ータコイルもシャフトと一体的に回転する。このとき、
刷子装置の固定側刷子から集電環およびコネクションバ
ーを介してロータコイルが給電されると、ロータコアが
磁化される。このため、回転磁界が発生することによ
り、ロータコアと相対回転するステータコアに巻装され
たステータコイルに誘導起電力が発生して、ステータコ
イルから交流電圧が発電される。
【0020】〔請求項1の効果〕 請求項1に記載の発明は、集電環へのコネクションバー
の結合を集電環内にコネクションバーのインサート部
インサート成形することにより行っている。このため、
集電環とコネクションバーとの結線、すなわち、集電環
とコネクションバーとの半田付け等の溶接手段を廃止で
きる。したがって、集電環とコネクションバーとの結合
部分に要するスペースを減少できるので、集電環とコネ
クションバーとの結合部分の小型化を図ることができ
る。
【0021】そして、集電環にコネクションバーのイ
ンサート部がインサート成形されていることにより、集
電環のガタの発生を防止でき、集電環とコネクションバ
ーとの結合部分の耐振動性の不安を解消でき、且つ集電
環とコネクションバーとの結合部分の接続強度を長期間
維持することができる。そして、集電環が炭素質部材で
作られていることにより、自己潤滑性を備えるため、集
電環自身の摩擦係数を軽減できる。そして、集電環が炭
素質部材で作られているので、仮に固定側刷子を金属質
部材で作ってその固定側刷子を集電環の外周に高速で摺
動させても安定した摩耗とロータコイルへの給電を確保
することができる。
【0022】〔請求項2の構成〕請求項2に記載の発明
は、請求項1に記載の交流発電機に加えて、前記交流発
電機は、前記集電環および前記コネクションバーの大部
分を覆って前記集電環および前記コネクションバーを保
持すると共に、前記シャフトの外周に固定される集電環
固定部材を備え、前記集電環固定部材は、材質として電
気絶縁性の樹脂質部材が使用され、前記集電環および前
記コネクションバーをインサート成形したことを特徴と
する。
【0023】〔請求項2の作用および効果〕請求項2に
記載の発明によれば、集電環とコネクションバーを電気
絶縁性の樹脂質部材で作られた集電環固定部材にインサ
ート成形することにより、集電環を、集電環固定部材を
用いてシャフトに組み付ける際にコネクションバーも同
時に組み付けることができる。また、集電環とコネクシ
ョンバーとの結合部分を集電環固定部材により覆うこと
ができるので、集電環とコネクションバーとの結合部分
の接続強度の低下を抑えて長寿命化することができる。
さらに、集電環およびコネクションバーとシャフト等の
他の導電部品との電気絶縁を同時に行え、且つ集電環と
コネクションバーとの結合状態を正規な状態に維持する
ことができる。
【0024】〔請求項3の構成〕請求項3に記載の発明
は、請求項2に記載の交流発電機に加えて、前記交流発
電機は、前記ハウジング内に冷却風を発生させると共
に、前記ロータコアに固定される送風装置を備え、前記
送風装置は、材質として電気絶縁性の樹脂質部材が使用
され、前記集電環固定部材を一体成形したことを特徴と
する。
【0025】〔請求項3の作用および効果〕請求項3に
記載の発明によれば、送風装置と集電環固定部材を電気
絶縁性の樹脂質部材により一体成形することにより、1
個の成形型で送風装置と集電環固定部材とを作り出すこ
とができるので、成形型の型数を低減できる。また、集
電環固定部材を一体成形した送風装置をロータコアに組
み付ける際に、同時に集電環およびコネクションバーを
シャフトに組み付けることができる。したがって、送風
装置、集電環固定部材、集電環およびコネクションバー
を組み付ける際の作業工数が減少して作業時間が短縮す
ることにより製品価格を低減することができる。
【0026】〔請求項4の構成〕 請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記
載の交流発電機に加えて、前記インサート部が、リング
形状に形成されていることを特徴とする。すなわち、前
コネクションバーに、前記集電環にインサート成形
されるリング状のインサート部を設けたことを特徴とす
る。
【0027】〔請求項4の作用および効果〕 請求項4に記載の発明によれば、集電環固定部材に集電
環およびコネクションバーを樹脂質部材によりインサー
ト成形する際に、樹脂質部材の射出成形圧が集電環に加
わるが、その射出成形圧を集電環内にインサート成形さ
れたリング状のインサート部で受ける。すなわち、樹脂
質部材の射出成形圧を金属質部材で作られたコネクショ
ンバーで受けることにより、金属質部材で作られた集電
環よりも強度が1/10程度の炭素質部材で作られた集
電環に大きな応力が加わらないようにできる。
【0028】〔請求項5の構成〕 請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のい
ずれかに記載の交流発電機に加えて、前記コネクション
バーに、前記集電環にインサート成形されるインサー
ト部を設け、前記インサート部の表面に凸凹を形成した
ことを特徴とする。
【0029】〔請求項5の作用および効果〕請求項5に
記載の発明によれば、コネクションバーのインサート部
の表面に例えばショットブラスト法またはプレス加工法
等の加工方法により凸凹を形成することにより、コネク
ションバーと集電環との接触面積を増加させて、コネク
ションバーと集電環との接触抵抗を減少させる。このた
め、集電環とコネクションバーとを半田付けやろう付け
等の溶接手段を用いて結線したものと比較して、集電環
とコネクションバーとの結合強度を向上することができ
る。したがって、集電環よりコネクションバーが抜け落
ちることはない。
【0030】〔請求項6の構成〕請求項6に記載の発明
は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の交流発
電機に加えて、前記固定側刷子は、燐青銅またはベリリ
ウム銅等の銅合金を主体とするバネ鋼を材料とし、自己
の弾性力によって前記集電環および外部接続端子と接触
していることを特徴とする。
【0031】〔請求項6の作用および効果〕請求項6に
記載の発明によれば、固定側刷子を金属質部材で作るこ
とにより、摩耗し難くなるので、従来のように摩耗部材
で作った固定側刷子のように予め摩耗を予測した大きさ
と長さに設定する必要はない。これにより、固定側刷子
を薄くすることができるので、刷子装置を大幅に軽量化
することができ、且つ刷子装置の径方向寸法および軸方
向寸法を短縮できる。また、刷子装置の軸方向寸法を短
縮できるので、集電環の軸方向寸法を短縮できる。した
がって、交流発電機の径方向寸法を縮径化でき、且つ交
流発電機の全軸長を短縮化できるので、交流発電機を軽
量、小型化することができる。そして、固定側刷子を従
来のスプリングとピグテールおよび黒鉛質刷子を兼ねた
バネ鋼とすることにより、固定側刷子を大幅に軽量化で
きるので、バネ荷重を低減することができる。これによ
り、大幅に集電環および固定側刷子の摩耗が少なくな
り、且つ固定側刷子の振動による不具合を回避できるの
で、固定側刷子の寿命を長期化できる。
【0032】そして、固定側刷子が金属質部材で作られ
ていることにより、固定側刷子において集電環の外周に
接触する接触部分の電気抵抗を小さくするために、固定
側刷子の接触部分の表面積を小さくしても電流密度が変
化しないので、固定側刷子の温度上昇が抑えられて固定
側刷子の耐久寿命が延びる。一方、固定側刷子の代わり
に集電環を炭素質部材で作っているが、円環状の集電環
のうち固定側刷子に接触する部分は円周方向寸法の一部
であるため、集電環の温度上昇も抑えられて集電環の耐
久寿命が延びる。したがって、交流発電機の長寿命化を
達成することができる。そして、集電環が炭素質部材で
作られているので、固定側刷子を金属質部材で作って、
その固定側刷子を集電環の外周に高速で摺動させても安
定した摩耗とロータコイルへの給電を確保することがで
きる。また、固定側刷子を銅合金のバネ鋼で作ることに
より、スプリングが無くても固定側刷子が集電環側に付
勢するため、集電環に対する固定側刷子の接触圧を十分
に確保できるので、安定したロータコイルへの給電状態
を確保することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例の構成〕図1ないし図5はこの発明の発電
機を車両用交流発電機に適用した第1実施例を示したも
ので、図1は車両用交流発電機の主要部構造を示した図
であり、図2は車両用交流発電機の全体構造を示した図
で、図3はリヤハウジングに三相整流装置、電圧調整装
置および刷子装置を組み付けた状態を示した図である。
【0034】車両用交流発電機1は、ポリVベルト(図
示せず)を介してエンジンで駆動され、発電した交流電
流を三相整流装置9で整流し、直流に変換して、車両に
搭載されたバッテリ(図示せず)の充電と電気負荷へ必
要な電力の供給とを行うオルタネータである。この車両
用交流発電機1は、ハウジング2、ステータ3、ロータ
4、シャフト5、集電装置6、送風装置7、刷子装置
8、三相整流装置9および電圧調整装置10等から構成
されている。
【0035】〔ハウジングの説明〕次に、ハウジング2
について図1ないし図3に基づいて説明する。このハウ
ジング2は、2個のアルミニウムダイカスト製のフロン
トハウジング(ドライブフレームとも言う)11および
リヤハウジング(リヤフレームとも言う)12からな
り、複数のスタッドボルト13およびナット14によっ
て締結されている。
【0036】そして、フロントハウジング11には、シ
ャフト5のフロント側(先端側)を回転自在に支持する
フロントベアリング15がボス部16に圧入およびかし
めによって固定されている。また、リヤハウジング12
にはシャフト5のリヤ側(後端側)を回転自在に支持す
る軸受としてのリヤベアリング17が後記する刷子保持
装置52を介してボス部18に圧入によって固定されて
いる。そして、ハウジング2内に冷却風を吸い込むべ
く、フロントハウジング11には多数の通風口19が、
リヤハウジング12には多数の通風口20および多数の
排気口21が、略円環状に周設されている。
【0037】さらに、フロントハウジング11の上部に
はエンジンの上側ブラケット(図示せず)に締結固定さ
れるステー部22が、下部にはエンジンの下側ブラケッ
ト(図示せず)に締結固定されるステー部23が一体成
形されている。また、リヤハウジング12には、エンジ
ンの下側ブラケットに締結固定されるステー部24が一
体成形されている。これらのステー部22〜24には、
ボルトが挿通するボルト穴25〜27が貫通している。
【0038】〔ステータの説明〕次に、ステータ3につ
いて図2に基づいて説明する。このステータ3は、ハウ
ジング2の内面に固定されたステータコア31、および
このステータコア31に巻装された三相のステータコイ
ル32により構成された固定子である。
【0039】ステータコア31は、電機子鉄心を構成す
るもので、磁性材料製の薄鋼板を複数積層してなる積層
コアよりなり、フロントハウジング11の内周面に圧入
固定されて一体化されている。ステータコア31の内周
側には、多数のスロット(図示せず)が等間隔で形成さ
れている。三相のステータコイル32は、Y結線または
Δ結線により接続され、ロータ4の回転に伴って三相交
流出力が誘起する三相の電機子巻線である。これらのス
テータコイル32の巻線端は、三相整流装置9の三相整
流回路に半田付け等を用いて電気的に接続されている。
【0040】〔ロータの説明〕次に、ロータ4について
図1および図2に基づいて説明する。このロータ4は、
界磁として働く部分で、シャフト5と一体的に回転する
回転子である。ロータ4は、シャフト5、このシャフト
5に固定されたランデル型のポールコア33、このポー
ルコア33に巻装された界磁コイル34、この界磁コイ
ル34に励磁電流を供給するための集電装置6、および
冷却風を発生させる送風装置7等から構成されている。
【0041】ポールコア33は、本発明のロータコア
(界磁極、界磁鉄心または回転子鉄心とも言う)であっ
て、中央に界磁コイル34が巻かれ、強磁性材料により
作られている。このポールコア33は、界磁コイル34
に励磁電流が流れると一方の爪状磁極部35が全てN極
になり、他方の爪状磁極部36が全てS極になる。そし
て、他方の爪状磁極部36のリヤ側壁面には、ハウジン
グ2内に冷却風を吸い込む送風装置7が溶接等の手段を
用いて取り付けられている。
【0042】界磁コイル34は、本発明のロータコイル
であって、ポールコア33の中央部にコイルボビン37
を介して巻回され、励磁電流が流れるとポールコア33
を磁化する励磁巻線(回転子巻線とも言う)である。こ
の界磁コイル34は、両端の端末線がコネクションバー
(図示せず)に半田付け等を用いて電気的に接続されて
いる。なお、コイルボビン37は、界磁コイル34とポ
ールコア33とを電気的に絶縁する電気絶縁性の樹脂質
部材で作られている。
【0043】〔シャフトの説明〕次に、シャフト5につ
いて図1および図2に基づいて説明する。このシャフト
5は、ハウジング2のボス部16、18にフロント、リ
ヤベアリング15、17を介して回転自在に支持されて
いる。このシャフト5の一端部(先端部、フロント側端
部)には、エンジンの回転動力をシャフト5に伝達する
ためのVリブドプーリ(ポリVベルト用プーリ)38が
座付きナット39とフロントベアリング15との間に締
結固定されている。
【0044】このVリブドプーリ38は、ポリVベルト
等の伝動手段(図示せず)を介してエンジンの出力軸
(クランク軸)に装着されたポリVベルト用プーリ(図
示せず)に駆動連結されている。なお、シャフト5とV
リブドプーリ38との間に電磁クラッチ等のクラッチ手
段を配しても良い。
【0045】〔集電装置の説明〕次に、集電装置6につ
いて図1、図2、図4および図5に基づいて説明する。
ここで、図4は集電装置6と刷子装置8とを示した図
で、図5はコネクションバーとスリップリング(カーボ
ン)との結合状態を示した図である。集電装置6は、バ
ッテリおよび電圧調整装置10と界磁コイル34とを刷
子装置8を通して接続するために使われる2個のスリッ
プリング41、およびこれらのスリップリング41の各
々に接続される2個のコネクションバー(スリップリン
グ端子とも言う)42等から構成されている。
【0046】2個のスリップリング41は、本発明の集
電環であって、シャフト5の他端部(後端部、リヤ側端
部)の外周に設けられた円環形状の炭素質集電環であ
る。これらのスリップリング41の材質としては、炭素
(カーボン)質部材(例えば銅合金の発泡骨格金属を金
属母体とした炭素粉末、天然黒鉛、電気黒鉛または金属
黒鉛等)が使用されている。これらのスリップリング4
1は、2個のコネクションバー42をそれぞれインサー
トした状態で焼成されることにより所定の円環形状に成
形される。
【0047】2個のコネクションバー42は、プレス加
工により平板形状に形成され、シャフト5の径方向に平
行な径方向部421、およびシャフト5の軸方向に平行
で、径方向部421の内周側端部(屈曲部)422より
後端側に延長された軸方向部423等をそれぞれ有して
いる。コネクションバー42の一端部、つまり径方向部
421の外周側端部には、図1および図2に示したよう
に、外側が折曲げられた結線部42aが設けられてい
る。この結線部42aには、界磁コイル34の端末線3
4aが半田付け、ろう付け、フュージング溶接(抵抗溶
接)等の溶接手段により電気的に接合されている。
【0048】コネクションバー42の他端部、つまり軸
方向部423の後端部には、図4および図5に示したよ
うに、スリップリング41内にインサート成形されるこ
とによりスリップリング41に機械的、電気的に接続さ
れるインサート部42bが設けられている。なお、イン
サート部42bの外周面および内周面に、例えばショッ
トブラスト法、ショットピーニング法またはプレス加工
法等の加工方法により凸凹を形成することにより、スリ
ップリング41とコネクションバー42との接触面積を
増加させて、スリップリング41とコネクションバー4
2との接触抵抗を減少させても良い。そして、2個のコ
ネクションバー42のうち後記する三相整流装置9の直
流出力ターミナル71に接続される後端側のスリップリ
ング41にインサート成形されるコネクションバー42
の軸方向部423には、図4に示したように、前端側の
スリップリング41との干渉を防ぐために折り曲げられ
た逃がし部42cが形成されている。
【0049】〔送風装置の説明〕次に、送風装置7につ
いて図1および図2に基づいて説明する。この送風装置
7は、電気絶縁性の樹脂質部材で一体成形され、2個の
スリップリング41と2個のコネクションバー42を樹
脂質部材にてインサート成形している。この送風装置7
は、2個のスリップリング41と2個のコネクションバ
ー42との結合部分(インサート部42b)を保護する
端子保護部材でもある。
【0050】送風装置7は、遠心式ファンを構成する複
数の翼部43、これらの翼部43を支持する円環状の支
持板部44、およびスリップリング41をインサート成
形した円筒状の集電環固定部45等から構成されてい
る。支持板部44は、2個のコネクションバー42の径
方向部421の大部分をインサート成形してポールコア
33の後端側の側面に固定され、刷子装置8と対向する
対向面(後端面)に嵌合部としての凸部46を設けてい
る。集電環固定部45は、本発明の集電環固定部材であ
って、2個のスリップリング41および2個のコネクシ
ョンバー42の軸方向部423をインサート成形してシ
ャフト5の他端部外周に圧入固定または形成されてい
る。なお、樹脂質部材としては、例えば電気絶縁性およ
び耐熱性に優れ、高強度で寸法安定性に優れる、例えば
ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)またはナ
イロン樹脂(PBT樹脂)等のフェノール系樹脂を使用
することが望ましい。
【0051】〔刷子装置の説明〕次に、刷子装置8につ
いて図1ないし図4に基づいて説明する。この刷子装置
8は、2個のスリップリング41の各々の外周を摺動し
て各々と電気的に接続する2個の固定側刷子51、これ
らの固定側刷子51を支持固定する刷子保持装置52、
およびこの刷子保持装置52にインサート成形された接
続ターミナル53、54等から構成されている。
【0052】2個の固定側刷子51は、プレス加工のみ
により一体成形され、2個のスリップリング41を介し
て界磁コイル34に励磁電流を供給する金属質のブラシ
(金属質刷子)である。これらの固定側刷子51の材質
としては、金属質部材(例えば銅合金のバネ鋼である燐
青銅またはベリリウム銅等の導電性の薄板弾性材)が使
用されている。
【0053】そして、2個の固定側刷子51には、2個
のスリップリング41の各々を囲むように設けられた刷
子基体55、およびこの刷子基体55より刷子保持装置
52側に突出した刷子固定部56がそれぞれ形成されて
いる。この刷子基体55から両側には、スリップリング
41の外周面と接触する2個のアーム57、58が延長
されている。2個のアーム57、58は、図4に示した
ように、アーム間寸法Aとスリップリング41の外径B
との寸法差(B−A)の締め代により2個のスリップリ
ング41へ押圧され、先端部の2個の接触子571、5
81で2個のスリップリング41の外周面と接触するよ
うに半円弧形状(馬蹄形状)に形成されている。
【0054】2個の接触子571、581は、各スリッ
プリング41の外周面を摺動する摺動部分で、自己のバ
ネ特性により各スリップリング41との接触圧を確保し
ている。これらの接触子571、581の軸方向の両側
からは、4個の延長片(飛び出し部)57a、57b、
58a、58bが突き出している。4個の延長片57
a、57b、58a、58bは、スリップリング41の
軸方向両端よりそれぞれ軸方向の両側に向けて延長さ
れ、且つ各接触子571、581の軸方向に対して外側
に反った形状(面取り形状)に形成されている。
【0055】刷子固定部56は、固定側刷子51の材質
として銅合金のバネ鋼を使用していることから、つまり
バネ鋼の特徴であるバネ特性を利用した方法で接続ター
ミナル53、54と電気的、機械的に固定されている。
このため、この実施例の刷子固定部56は、性能上およ
び製造上の最小スペースとなるファストン形状に形成さ
れている。
【0056】すなわち、刷子固定部56は、図4に示し
たように、刷子基体55より軸方向に突出した突出片5
6a、およびこの突出片56aの両側を断面形状が略長
円形状の円周を描くように折り曲げた弾性変形可能な係
止片56b、56cを有している。そして、刷子固定部
56は、接続ターミナル53、54の先端部が突出片5
6aと係止片56b、56cとの間に挿入されることに
より、突出片56aと係止片56b、56cとの間で接
続ターミナル53、54の先端部を挟持する。
【0057】刷子保持装置52は、2個の固定側刷子5
1を保持固定する刷子(ブラシ)ホルダーのことで、電
気絶縁性の樹脂質部材(例えばPPS樹脂等)よりな
る。この刷子保持装置52は、刷子保持部(ブラシホル
ダー部とも言う)59、この刷子保持部59の内周側に
設けられた円筒状の軸受保持部(ベアリングホルダー部
とも言う)60、刷子保持部59の前端側より軸方向へ
延長された円筒状の延長部(集電環筒状被覆部、スリッ
プリングカバー部とも言う)61、および後記する電圧
調整装置10のケーシング62を一体成形している。
【0058】刷子保持部59は、接続ターミナル53、
54をインサート成形しており、接続ターミナル53、
54の各々の先端部を突出した状態で接続ターミナル5
3、54を保持している。軸受保持部60は、リヤハウ
ジング12のボス部18内に圧入され、内周側にリヤベ
アリング17が圧入によって固定されている。
【0059】延長部61は、送風装置7と共に、2個の
スリップリング41と2個の固定側刷子51との摺動部
分の周囲を覆っている。この延長部61は、送風装置7
の支持板部44と対向する対向面(前端面)に、支持板
部44の凸部46に嵌め合わされる被嵌合部としての凹
部63を形成している。
【0060】このため、刷子保持装置52の凹部63
は、支持板部44の凸部46との間に断面形状が略U字
形状のラビリンスシール64が形成される。このラビリ
ンスシール64は、全周切れ目なく円環状に形成されて
いる。したがって、2個のスリップリング41と2個の
固定側刷子51との摺動部分が存する円筒状空隙は、送
風装置7および刷子保持装置52により気密的にシール
されることになる。
【0061】接続ターミナル53は、本発明の外部接続
端子であって、断面形状が略L字状に形成され、電圧調
整装置10の励磁電流出力端子(図示せず)と一体的に
設けられた給電端子である。接続ターミナル54は、刷
子装置8の外部接続端子であって、接続ターミナル53
に対して逆側に延びるように断面形状が略逆L字状に形
成され、三相整流装置9の直流出力ターミナル71に固
定ねじ72により締結固定されて電気的に接続された給
電端子である。なお、接続ターミナル53、54の先端
部は、図1に示したように、刷子固定部56の突出片5
6aと係止片56b、56cとの間に挿入し易いように
テーパー形状に形成されている。また、接続ターミナル
53、54は、アルミニウム合金や銅合金等の金属質部
材により製作されている。
【0062】〔三相整流装置の説明〕次に、三相整流装
置9について図2および図3に基づいて説明する。この
三相整流装置9は、所謂レクティファイヤであって、直
流出力ターミナル71、正極側冷却フィン73、負極側
冷却フィン74、3個の正極側ダイオード75、3個の
負極側ダイオード76および端子台77等から構成され
ている。
【0063】直流出力ターミナル71は、三相整流装置
9の外部接続端子であって、一端部に図示しない導電線
を介してバッテリの正極に電気的に接続され、他端部が
刷子装置8の接続ターミナル54および正極側冷却フィ
ン73に図示しない固定ねじを締め付けることにより電
気的に接続されている。この直流出力ターミナル71
は、バッテリに充電電流を供給するターミナル(直流出
力正極側ターミナルとも言う)で、車両用交流発電機1
のB端子を構成する。
【0064】正極側冷却フィン73は、負極側冷却フィ
ン74と共に刷子保持装置52を囲むように所定の形状
に一体成形され、リヤハウジング12の側面に沿うよう
に配されている。正極側冷却フィン73は、図示しない
絶縁部材を介してリヤフレーム12の内側面に固定され
ている。負極側冷却フィン74は、リヤフレーム12を
介してボディアース(接地)されている。すなわち、正
極側冷却フィン73はバッテリの正極(+)側に電気的
に接続され、負極側冷却フィン74はバッテリの負極
(−)側に電気的に接続されている。
【0065】そして、正極側、負極側冷却フィン73、
74は、それぞれ熱伝導性に優れる導電性金属板(例え
ばアルミニウム板)で作られており、3個の正極側、負
極側ダイオード75、76の発熱を放熱する放熱フィン
であると共に、3個の正極側、負極側ダイオード75、
76を保持固定する整流素子保持手段でもある。
【0066】3個の正極側、負極側ダイオード75、7
6は、三相のステータコイル32の交流出力を整流して
直流出力に変換(整流)する正極側、負極側整流素子で
ある。3個の正極側、負極側ダイオード75、76は、
一端側(リード線)がそれぞれ3個の交流入力端子78
に半田付けにより電気的に接続され、他端側がそれぞれ
正極側、負極側冷却フィン73、74に半田付けにより
電気的に接続されている。なお、直流出力ターミナル7
1、正極側、負極側冷却フィン73、74、3個の正極
側、3個の負極側ダイオード75、76および3個の交
流入力端子78等から三相整流回路が構成される。
【0067】端子台77は、電気絶縁性の樹脂質部材
(例えばPPS樹脂等)で所定の形状に作られ、3個の
交流入力端子78をインサート成形して保持すると共
に、正極側冷却フィン73と負極側冷却フィン74とを
電気的に絶縁する。この端子台77は、固定ねじ79に
より正極側、負極側冷却フィン73、74を固定してい
る。
【0068】〔電圧調整装置の説明〕次に、電圧調整装
置10について図2および図3に基づいて説明する。こ
の電圧調整装置10は、本発明の通電制御回路であっ
て、励磁電流出力端子等の各種外部接続端子(図示せ
ず)、集積回路(図示せず)およびケーシング62等か
ら構成されたICレギュレータである。励磁電流出力端
子は、電圧調整装置10の外部接続端子であって、前述
したように銅合金等の金属質部材により接続ターミナル
53と一体成形され、リヤハウジング12に固定される
ケーシング62に保持され、且つ2個の固定側刷子51
に機械的に接続されている。
【0069】集積回路は、界磁コイル34に供給する励
磁電流を制御して三相のステータコイル32の発電電圧
を調整する電圧調整手段である。この集積回路には、界
磁コイル34の通電および通電停止を制御するスイッチ
ング素子としてのパワートランジスタや、界磁コイル3
4に流れる励磁電流を減衰させる逆起電力吸収用ダイオ
ード等が組み込まれている。
【0070】ケーシング62は、電気絶縁性の樹脂質部
材(例えばPPS樹脂等)により刷子保持装置52と一
体成形され、リヤハウジング12に固定ねじ65により
締結固定される複数のブラケット66を有している。こ
れにより、ケーシング62は、刷子保持装置52および
2個の固定側刷子51をリヤハウジング12に固定する
刷子固定手段として働く。また、ケーシング62の内部
には、集積回路等の電子部品がエポキシ樹脂系の樹脂質
部材によりモールド成形されている。
【0071】〔実施例の作用〕次に、この実施例の車両
用交流発電機1の作用を図1ないし図5に基づいて簡単
に説明する。
【0072】車両に搭載されたエンジンが始動すると、
エンジンの回転動力がポリVベルト等の伝動手段を介し
てVリブドプーリ38に伝達され、ハウジング2にフロ
ント、リヤベアリング15、17を介して回転自在に支
持されているシャフト5が回転することによりロータ4
が回転する。このとき、シャフト5の一体的にポールコ
ア33、界磁コイル34および2個のスリップリング4
1が回転する。
【0073】そして、電圧調整装置10が界磁コイル3
4の給電を開始すると、バッテリ→直流出力ターミナル
71→接続ターミナル54→刷子基体55→スリップリ
ング41→一方のコネクションバー42→界磁コイル3
4→他方のコネクションバー42→刷子基体55→接続
ターミナル53(励磁電流出力端子)→電圧調整装置1
0→リヤフレーム12→ボディのように励磁電流が流れ
る。したがって、界磁コイル34にバッテリより電圧が
印加されて界磁コイル34に励磁電流が流れることによ
りポールコア33の2個の爪状磁極部35、36が磁化
する。これにより、一方の爪状磁極部35が全てN極に
なり、他方の爪状磁極部36が全てS極になる。
【0074】そして、ロータ4と相対回転するステータ
3のステータコア31に巻装された三相のステータコイ
ル32に順次交流電流が誘起し、発電電圧が急速に立ち
上がる。この三相の交流電流は、3個の交流入力端子7
8を経て三相整流回路に入力される。すなわち、3個の
正極側ダイオード75および3個の負極側ダイオード7
6に入力されることにより、三相の交流電流が整流され
直流電流に変換される。
【0075】そして、三相のステータコイル32の発電
電圧(直流出力ターミナル71の電圧、B端子電圧)が
バッテリ電圧を越えると、整流された直流電流、すなわ
ち、充電電流は、3個の正極側ダイオード75→正極側
冷却フィン73→直流出力ターミナル71→導電線を経
てバッテリに供給される。これにより、バッテリに充電
電流が流れることによってバッテリが充電されると共
に、車両に搭載された電気負荷に電力が供給される。
【0076】ここで、車両用交流発電機1の三相のステ
ータコイル32、界磁コイル34、三相整流装置9およ
び電圧調整装置10の各電気部品が通電されることによ
り発熱する。この熱は、ロータ4が回転することによ
り、ポールコア33に固定された複数の翼部43が回転
することにより、ハウジング2内に冷却風が吸い込まれ
ることにより冷却される。
【0077】具体的には、ステータ3の三相のステータ
コイル32およびロータ4の界磁コイル34は、図2に
示したように、フロントハウジング11およびリヤハウ
ジング12に形成された多数の通風口19および多数の
通風口20を通って送り込まれる複数の翼部43の冷却
風によって直接冷却される。
【0078】また、3個の正極側、負極側ダイオード7
5、76で発生した熱は、正極側、負極側冷却フィン7
3、74にリヤハウジング12の通風口20を通って送
り込まれた冷却風が当たることで正極側、負極側冷却フ
ィン73、74が冷やされることにより、正極側、負極
側冷却フィン73、74を介して放熱する。
【0079】なお、ハウジング2内に冷却風が吸い込ま
れる際に、水や埃等の異物もハウジング2内に侵入す
る。特に、リヤハウジング12の通風口20を通って異
物が侵入すると、スリップリング41と固定側刷子51
との摺動部分に入り込む可能性がある。しかし、この実
施例では、刷子保持装置52の軸受保持部60によって
スリップリング41と固定側刷子51との摺動部分が存
する円筒状空隙のリヤフレーム12側がシールされてい
る。
【0080】さらに、刷子保持部59および延長部61
によって円筒状空隙の外周側がシールされ、支持板部4
4の凸部46と刷子保持装置52の凹部63との間のラ
ビリンスシール64によって円筒状空隙のポールコア3
3側がシールされている。これによって、スリップリン
グ41と固定側刷子51との摺動部分で発生する磨耗粉
がハウジング2内に飛散することが防止できる。
【0081】また、水や埃等の異物がハウジング2内に
侵入しても、送風装置7と刷子保持装置52とで囲まれ
た空間内、すなわち、スリップリング41と固定側刷子
51との摺動部分が存する円筒状空隙内に水や埃等の異
物が侵入することを防ぐこともできる。
【0082】そして、車両用交流発電機1を長期間運転
することにより、シャフト5の外周に一体的に設けられ
た2個のスリップリング41と刷子保持装置52に保持
された接続ターミナル53、54に機械的に固定された
2個の固定側刷子51とが高速回転で摺動して摩耗す
る。
【0083】しかるに、2個のスリップリング41で作
られているので、自己潤滑性を備えている。すなわち、
スリップリング41自身の摩擦係数を軽減することによ
り、従来の銅合金製の金属質集電環120と比較してス
リップリング41の摩耗量が大幅に軽減される。
【0084】また、2個の固定側刷子51で作られてい
るので、軽量化されバネ荷重が軽減することにより2個
の固定側刷子51の摩耗量が大幅に軽減される。したが
って、2個のスリップリング41および2個の固定側刷
子51の耐久寿命を長期化することができる。
【0085】〔実施例の効果〕以上のように、この実施
例の車両用交流発電機1は、スリップリング41へのコ
ネクションバー42の結合をスリップリング41内にイ
ンサート部42bをインサート成形することにより行っ
ている。このため、半田付けやろう付け等の溶接手段を
用いた結線を廃止できる。したがって、スリップリング
41とコネクションバー42との結合部分に要する作業
スペースを小さくすることができるので、スリップリン
グ41とインサート部42bとの結合部分の小型化を図
ることができる。
【0086】そして、スリップリング41にコネクショ
ンバー42をインサート成形することにより、スリップ
リング41のガタの発生を防止でき、スリップリング4
1とインサート部42bとの結合部分の耐振動性の不安
を解消できる。さらに、スリップリングとロータコイル
の端末線とを半田付けにより結線した従来装置(米国特
許第4406961号公報)と比較して、スリップリン
グ41とインサート部42bとの結合部分の接続強度を
長期間維持することができる。
【0087】次に、集電環固定部45にスリップリング
41とコネクションバー42をインサート成形した場合
の効果について説明する。集電環固定部45をシャフト
5の外周に圧入固定または形成することにより、スリッ
プリング41をシャフト5に組み付けることができ、さ
らにスリップリング41と同時にコネクションバー42
もシャフト5の外周に組み付けることができる。また、
スリップリング41とコネクションバー42のインサー
ト部42bとの結合部分を集電環固定部45により覆う
ことができるので、スリップリング41とインサート部
42bとの結合部分の接続強度の低下を抑えて長寿命化
することができる。さらに、スリップリング41および
コネクションバー42とシャフト等の他の導電部品との
電気絶縁を同時に行え、且つスリップリング41とイン
サート部42bとの結合状態を正規な状態に維持するこ
とができる。
【0088】次に、送風装置7および刷子保持装置52
によるシール性能について説明する。上記のように、ロ
ータ4がステータ3内を回転すると、2個のスリップリ
ング41および2個の固定側刷子51からは、両者の摺
動による摩耗粉が発生して、ハウジング2内の電気部品
(例えば三相整流装置9の電気部品、電圧調整装置10
の電子部品、三相のステータコイル32および界磁コイ
ル34等)に付着して、絶縁劣化やアース不良等の不具
合をもたらす可能性がある。
【0089】一方、車両の走行時に車両用交流発電機1
が被水した時、ハウジング2内に浸入した水が、2個の
スリップリング41および2個の固定側刷子51に触れ
ると、これらのスリップリング41および固定側刷子5
1を異常摩耗させて、車両用交流発電機1の寿命を縮め
る可能性がある。しかるに、この実施例の車両用交流発
電機1は、ロータ4のスリップリング41を送風装置7
に樹脂質部材によりインサート成形し、送風装置7の支
持板部44と刷子保持装置52の延長部61との互いの
対向面に形成した凸部46と凹部63で円環状のラビリ
ンスシール64を設けている。また、刷子保持装置52
の刷子保持部59と軸受保持部60とを樹脂質部材によ
り一体成形し、リヤベアリング17を刷子保持装置52
に一体的に組み込むことにより、従来の刷子ホルダー1
32とリヤハウジング109との間に形成される隙間を
なくしている。
【0090】したがって、2個のスリップリング41と
2個の固定側刷子51との摺動部分が存する円筒状空隙
は、前端側(ポールコア33の後端壁側)がラビリンス
シール64により気密化(シール)され、外周側が刷子
保持装置52の延長部61により気密化(シール)さ
れ、後端側(リヤハウジング12の側壁側)が刷子保持
装置52の刷子保持部59および軸受保持部60により
気密化(シール)されることになる。この結果、2個の
スリップリング41と2個の固定側刷子51と摺動によ
り発生する摩耗粉が円筒状空隙より外部に飛散しないた
め、ハウジング2内の電気部品(例えば三相整流装置9
の電気部品、電圧調整装置10の電子部品、三相のステ
ータコイル32および界磁コイル34等)に付着して絶
縁劣化やアース不良等の不具合を回避することができ
る。
【0091】また、ハウジング2内に侵入した水や埃等
の異物が、2個のスリップリング41と2個の固定側刷
子51との摺動部分が存する円筒状空隙内に侵入するこ
とを妨げることができるため、2個のスリップリング4
1および2個の固定側刷子51の異常摩耗を抑えること
ができる。すなわち、2個のスリップリング41および
2個の固定側刷子51を外部から侵入する水や埃等の異
物から保護することができるので、2個のスリップリン
グ41および2個の固定側刷子51を長寿命化できる。
これにより、車両用交流発電機1を長寿命化できる。
【0092】次に、刷子保持装置52の刷子保持部59
と軸受保持部60を一体化した場合の効果について説明
する。上記のように、シール性の効果以外に、リヤベア
リング17(シャフト5の後端部)を保持する軸受保持
部60と固定側刷子51を接続ターミナル53、54を
介して保持する刷子保持部59とを樹脂質部材により一
体成形することにより、刷子保持部59と軸受保持部6
0との位置関係が一定となり、リヤベアリング17と軸
受保持部60との組付け誤差および刷子保持部59と軸
受保持部60との組付け誤差によるシャフト5の軸芯ず
れをなくすことができる。
【0093】次に、刷子保持装置52の刷子保持部59
と電圧調整装置10のケーシング62とを一体化した場
合の効果について説明する。刷子保持部59とケーシン
グ62とは、従来より樹脂質部材よりなる樹脂成形品で
あり、両者を一体成形することにより、成形型の型数を
低減することができる。また、刷子保持部59とケーシ
ング62とを別体で製作すると、刷子装置8の接続ター
ミナル53と電圧調整装置10の励磁電流出力端子とを
電気的に結合するためにねじ締めや溶接等のスペースが
必要となり、刷子装置8および電圧調整装置10が大型
化してしまう。しかし、この実施例の車両用交流発電機
1では、ねじ締めや溶接等のスペースが必要がないの
で、刷子装置8および電圧調整装置10の小型化を図る
ことができる。したがって、車両用交流発電機1の小型
化を図ることができる。
【0094】次に、送風装置7の複数の翼部43および
支持板部44と集電環固定部45とを一体化した場合の
効果について説明する。送風装置7の複数の翼部43お
よび支持板部44と集電環固定部45とを電気絶縁性の
樹脂質部材により一体成形することにより、1個の成形
型で送風装置7と集電環固定部45とを作り出すことが
できるので、成形型の型数を低減できる。また、送風装
置7および集電環固定部45をポールコア33の後端面
およびシャフト5の後端部外周に圧入固定する際に、同
時にスリップリング41とコネクションバー42のシャ
フト5への組付作業も行うことができる。したがって、
これらをロータ4に組み付ける際の作業工数を減少でき
るので、作業時間が短縮することにより車両用交流発電
機1の製品価格を低減することができる。
【0095】次に、車両用交流発電機1の固定側刷子と
して2個の固定側刷子51を使用した場合の効果につい
て説明する。従来のように固定側刷子131として炭素
質部材を使用した場合には、接触電気抵抗を小さくする
ために、炭素の中に銅粉を混合して接触電気抵抗と固定
側刷子131の摩耗寿命によりその配合比を決めてい
た。そして、銅粉等の金属質部材を炭素に配合すること
により、固定側刷子131の重量が重たくなるため振動
による不具合を考慮しなければならなかった。なお、固
定側刷子の耐振動は、一般に機械設計書の文献によると
下記の数1の式で表される。
【数1】耐振動∝{(k×バネ荷重)/(固定側刷子重
さ)}+{スプリング重さ}
【0096】上記の数1の式から、固定側刷子(刷子本
体)の重量を軽量化すると、固定側刷子のバネ荷重を小
さくできることが分かる。この発明では、固定側刷子と
してスプリングおよびピグテールを兼ねた固定側刷子5
1を使用し、この固定側刷子51の材質として銅合金の
バネ鋼(実施例では燐青銅またはベリリウム銅)を使用
することにより、固定側刷子51の重量を大幅に軽量化
している。
【0097】これにより、固定側刷子51のバネ荷重を
従来の固定側刷子131と比較して大幅に低減できるの
で、固定側刷子51の摩耗量が大幅に低減でき、且つ固
定側刷子51の振動による不具合を抑制できることによ
り固定側刷子51の寿命を長期化できる。したがって、
車両用交流発電機1の長寿命化を達成することができ
る。
【0098】また、図3および図4に示したように、固
定側刷子51の形状を略半円弧形状に形成し、しかもス
リップリング41を2個の接触子571、581で挟み
込むようにすることにより、固定側刷子51がスリップ
リング41の外周に接触する時の接触圧の合成ベクトル
が0になるので、接続ターミナル53、54に機械的に
固定される刷子固定部56にその接触圧の力が加わらな
い構造となる。そして、固定側刷子51の刷子基体55
がスリップリング41より剥離し易い方向、つまりスリ
ップリング41の径方向に過大な振動が発生した場合で
も、剥離する接触子571(581)と剥離しない接触
子581(571)とが存在することにより、固定側刷
子51とスリップリング41との電気的な接続が維持さ
れ、界磁コイル34に安定した励磁電流を流すことがで
きる。
【0099】さらに、図1に示したように、固定側刷子
51の2個のアーム57、58の先端部に設けられた接
触子571、581の軸方向の両側に面取り形状の延長
片57a、57b、58a、58bを設けることによ
り、接触子571、581が軸方向に滑らかに移動する
ことができるので、固定側刷子51をスリップリング4
1の外周に組付けたり、固定側刷子51をスリップリン
グ41の外周から取り外して分解したりすることが非常
に容易となる。これにより、車両用交流発電機1の生産
性が向上するので、車両用交流発電機1の製品コストを
低減できる。
【0100】また、従来のように金属質部材で製作され
た集電環120の場合には、集電環120とコネクショ
ンバー121との半田付けやろう付け等の溶接および集
電環120を精密な円環形状に仕上げるための切削性を
考慮すると、長寿命化のために集電環120の材料であ
る金属質部材の硬さ向上はできないという問題が生じて
いた。しかるに、本発明の固定側刷子51は導電性の薄
板弾性材(板金)でありプレス加工だけで図4の形状に
成形加工できるので、固定側刷子51の材料である金属
質部材の摩耗寿命に影響する素材の硬さを十分に高くで
きる。これにより、固定側刷子51の長寿命化を達成で
きる。
【0101】次に、固定側刷子51の固定方法(支持構
造)による効果について説明する。固定側刷子51の刷
子固定部56と接続ターミナル53、54は、コスト的
に異種金属を設定することにより、車両用交流発電機1
の製造コストを低減できる。また、接続ターミナル5
3、54と一体で電気絶縁性の樹脂質部材にて刷子保持
装置52を一体成形する場合には、接続ターミナル5
3、54のインサート成形時の樹脂温度により金属特性
が変質し、固定側刷子51の耐摩耗性が低下する可能性
があるので、インサート成形後に接続ターミナル53、
54と刷子固定部56とを機械的に固定して両者の電気
的な接続を行う必要がある。
【0102】接続ターミナル53、54と刷子固定部5
6の固定方法としては、溶接、かしめ等どのような固定
方法を用いることができるが、固定側刷子51の材質が
銅合金のバネ鋼であることから性能上および製造上の最
小スペースとなるファストン形状(図4参照)による固
定方法が最適である。
【0103】次に、スリップリング41を炭素質部材
(例えば銅合金の発泡骨格金属を金属母体とし炭素粉末
より形成等)により製作した場合の効果について説明す
る。従来の構造の場合は、固定側刷子131の材質が炭
素質部材(摩耗部材)であるために予め摩耗を予測した
大きさと長さを設定する必要があり、図6に示したよう
に、さらに励磁回路のドロップ電圧を小さくするために
電圧調整装置102を刷子装置108の近傍に配置して
いる。このため、車両用交流発電機100の体格の縮小
化ができず、車両用交流発電機100のコンパクト化の
妨げとなっている。
【0104】しかるに、固定側刷子51を金属質部材で
製作することにより、固定側刷子51が摩耗し難くなる
ので、従来の摩耗部材で作った刷子本体(炭素質刷子)
のように予め摩耗を予測した大きさと長さに設定する必
要はない。これにより、固定側刷子51を極めて薄くす
ることができる。すなわち、固定側刷子51を薄板弾性
材により製作できるので、固定側刷子51および刷子保
持装置52等から構成される刷子装置8を大幅に軽量、
小型化することができる。したがって、図2に示したよ
うに、固定側刷子51の近傍に電圧調整装置10を設置
した場合でも、車両用交流発電機1の体格を縮径化で
き、且つ軸方向寸法(全軸長)も縮小化できるので、車
両用交流発電機1を軽量、小型化することができる。
【0105】また、本発明のように、スリップリング4
1を炭素質部材で製作して、スリップリング41自身の
自己潤滑性(摩擦係数の軽減)、および固定側刷子51
との接触確率が大幅に少なくなることにより、従来の集
電環120と比較して摩耗量を大幅に低減することがで
きる。また、上記の数1の式のように、固定側刷子51
の軽量化のために固定側刷子51のバネ荷重が低減する
ことによりスリップリング41の摩耗量を更に低減する
ことができるので、スリップリング41の長寿命化を達
成できる。したがって、車両用交流発電機1の長寿命化
を達成することができる。
【0106】そして、固定側刷子51が金属質部材で製
作されていることにより、固定側刷子51においてスリ
ップリング41の外周に接触する接触部分の電気抵抗を
小さくするために、固定側刷子51の接触部分の表面積
を小さくしても電流密度が変化しないので、固定側刷子
51の温度上昇が抑えられて固定側刷子51の耐久寿命
が延びる。一方、スリップリング41を炭素質部材で製
作しているが、円環状のスリップリング41のうち固定
側刷子51に接触する部分は円周方向寸法の一部である
ため、スリップリング41の温度上昇も抑えられてスリ
ップリング41の耐久寿命が延びる。したがって、車両
用交流発電機1の長寿命化を達成することができる。
【0107】そして、スリップリング41が炭素質部材
で製作されていることにより、固定側刷子51を金属質
部材で製作して、その固定側刷子51をスリップリング
41の外周に高速運転(例えば10000rpm以上)
で摺動させても安定した摩耗と界磁コイル34への通電
を確保することができる。
【0108】〔第2実施例〕図6はこの発明の第2実施
例を示したもので、コネクションバーをスリップリング
にインサート成形した状態を示した図である。この実施
例では、コネクションバー42の軸方向部423に設け
られるインサート部42bをリング形状にしている。ま
た、スリップリング41には、軸方向部423が突出す
る部分の肉厚を厚くしている。したがって、スリップリ
ング41とコネクションバー42とは、第1実施例より
も接触面積がかなり増加しており結合強度が向上してい
る。
【0109】また、集電環固定部45にスリップリング
41およびコネクションバー42を樹脂質部材によりイ
ンサート成形する際に、樹脂質部材の射出成形圧(例え
ばPPS樹脂の場合は3kgf/cm2 、PBT樹脂の
場合は3kgf/cm2 )がスリップリング41に加わ
るが、その射出成形圧をスリップリング41内のリング
状のインサート部42bで受ける。すなわち、樹脂質部
材の射出成形圧を金属質部材で作られたコネクションバ
ー42のリング状のインサート部42bで受けることに
より、金属質部材で製作されたスリップリング(集電
環)よりも強度が1/10程度の炭素質部材で製作され
たスリップリング41に大きな応力が加わらないように
できる。なお、インサート部42bの外周面および内周
面に、例えばショットブラスト法、ショットピーニング
法またはプレス加工法等の加工方法により凸凹を形成す
ることにより、スリップリング41とインサート部42
bとの接触面積を増加させて、スリップリング41とイ
ンサート部42bとの接触抵抗を減少させても良い。
【0110】〔変形例〕この実施例では、本発明を車両
用交流発電機(所謂オルタネータ)1に適用したが、本
発明を建物内の電力供給を行う定置式の交流発電機に適
用しても良い。また、本発明を発電電動機に適用しても
良い。そして、シャフト5をエンジンの出力軸に直接連
結しても良い。この場合には、プーリは不要となる。ま
た、シャフト5とエンジンの出力軸との間に一段以上の
歯車変速機やVベルト式無断変速機等の伝動手段を連結
しても良い。さらに、シャフト5を水車、風車あるいは
電動モータにより回転駆動しても良い。
【0111】この実施例では、スリップリング41の材
質として炭素質部材(例えば銅合金の発泡骨格金属を金
属母体として形成した炭素粉末、天然黒鉛、電気黒鉛ま
たは金属黒鉛等)を使用したが、スリップリング41の
材質としてカーボン単体よりも高強度で且つ導電率(導
電性)が高い金属粉末を使用しても良い。なお、この場
合でも、固定側刷子51の材質として金属質部材(例え
ば銅合金のバネ鋼である燐青銅またはベリリウム銅等)
を使用する。
【0112】また、固定側刷子(ブラシ)として炭素粉
末、天然黒鉛、電気黒鉛または金属黒鉛等よりなる炭素
質刷子を利用しても良い。固定側刷子にピグテールを一
体成形しても良く、固定側刷子の接触圧を別体のスプリ
ングで確保しても良い。
【0113】この実施例では、複数の翼部43、これら
の支持する支持板部44およびスリップリング(集電
環)41をインサート成形した集電環固定部45を樹脂
質部材により一体成形したが、これらを別体で製作して
も良い。また、複数の翼部43または支持板部44を金
属質部材で製作して集電環と共に樹脂質部材によりイン
サート成形しても良い。
【0114】この実施例では、刷子保持装置(ブラシホ
ルダー)52と電圧調整装置(レギュレータ)10のケ
ーシング62と軸受保持部(ベアリングホルダー部)6
0を樹脂質部材により一体成形したが、これらを別体で
製作しても良い。また、刷子保持装置52および電圧調
整装置10のみ一体成形しても良い。
【0115】この実施例では、送風装置7の複数の翼部
43および支持板部44で遠心式ファンを構成したが、
送風装置の複数の翼部および支持板部で軸流式ファンを
構成しても良い。なお、フロントハウジング11内、す
なわち、ハウジング2内のポールコア33の前端側に集
電装置6、送風装置7および刷子装置8を設けても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用交流発電機の主要部構造を拡大した断面
図である(第1実施例)。
【図2】車両用交流発電機の全体構造を示した断面図で
ある(第1実施例)。
【図3】リヤハウジングに三相整流装置、電圧調整装置
および刷子装置を組み付けた状態を示した平面図である
(第1実施例)。
【図4】集電装置と刷子装置を示した斜視図である(第
1実施例)。
【図5】スリップリングとコネクションバーとの結合状
態を示した斜視図である(第1実施例)。
【図6】スリップリングとコネクションバーとの結合状
態を示した斜視図である(第2実施例)。
【図7】従来の車両用交流発電機を示した断面図である
(従来例)。
【図8】従来の車両用交流発電機の集電装置を示した斜
視図である(従来例)。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機 2 ハウジング 5 シャフト 6 集電装置 7 送風装置 8 刷子装置 31 ステータコア 32 ステータコイル 33 ポールコア(ロータコア) 34 界磁コイル(ロータコイル) 41 スリップリング(集電環) 42 コネクションバー 42b インサート部 45 集電環固定部(集電環固定部材) 51 固定側刷子 52 刷子保持装置 53 接続ターミナル(外部接続端子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−101991(JP,A) 実開 昭56−102972(JP,U) 実開 昭56−149563(JP,U) 米国特許4406961(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 13/00 H01R 39/00 H02K 19/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ハウジングの内面に固定されたステ
    ータコアと、 (b)このステータコアに巻装されたステータコイル
    と、 (c)前記ステータコアの内周側において前記ステータ
    コアと相対回転するロータコアと、 (d)このロータコアに巻装されたロータコイルと、 (e)前記ロータコアの中心部を貫通するシャフトと、 (f)このシャフトの外周に設けられると共に、炭素
    部材により作られた集電環と、 (g)一端部に前記ロータコイルが電気的に接続し、且
    つ他端部に前記集電環内にインサート成形されるインサ
    ート部を有すると共に、金属質部材により作られたコネ
    クションバーと、 (h)前記集電環の外周を摺動して前記集電環および前
    記コネクションバーを介して前記ロータコイルを給電す
    る固定側刷子を有する刷子装置とを備えた交流発電機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の交流発電機において、 前記交流発電機は、前記集電環および前記コネクション
    バーの大部分を覆って前記集電環および前記コネクショ
    ンバーを保持すると共に、前記シャフトの外周に固定さ
    れる集電環固定部材を備え、 前記集電環固定部材は、材質として電気絶縁性の樹脂質
    部材が使用され、 前記集電環および前記コネクションバーをインサート成
    形したことを特徴とする交流発電機。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の交流発電機において、 前記交流発電機は、前記ハウジング内に冷却風を発生さ
    せると共に、前記ロータコアに固定される送風装置を備
    え、 前記送風装置は、材質として電気絶縁性の樹脂質部材が
    使用され、 前記集電環固定部材を一体成形したことを特徴とする交
    流発電機。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載の交流発電
    機において、前記インサート部は、リング形状に形成されてい ること
    を特徴とする交流発電機。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の交流発電機において 記インサート部の表面には、凸凹が形成されたことを
    特徴とする交流発電機。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の交流発電機において、 前記固定側刷子は、燐青銅またはベリリウム銅等の銅合
    金を主体とするバネ鋼を材料とし、自己の弾性力によっ
    て前記集電環および外部接続端子と接触していることを
    特徴とする交流発電機。
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