JPH09154262A - 発電機 - Google Patents

発電機

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Publication number
JPH09154262A
JPH09154262A JP8236397A JP23639796A JPH09154262A JP H09154262 A JPH09154262 A JP H09154262A JP 8236397 A JP8236397 A JP 8236397A JP 23639796 A JP23639796 A JP 23639796A JP H09154262 A JPH09154262 A JP H09154262A
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JP
Japan
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brush
housing
generator
current collecting
rotor
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Pending
Application number
JP8236397A
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English (en)
Inventor
Takuzo Mukai
向井  拓三
Kenzou Mitani
涓三 三谷
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポールコア33の端面に送風装置7を有する
車両用交流発電機1の軸方向寸法を短縮することにより
車両用交流発電機1の小型化を達成する。 【解決手段】 送風装置7の環状ブレード列の径方向の
内側に2個の集電環41と2個のブラシ51を配置して
車両用交流発電機1の軸長を短縮し、しかも2個の集電
環41と2個のブラシ51を収容する収容室48を形成
する集電環カバー61を極めてシンプルな円筒状の壁部
材とすることにより、送風装置7の環状ブレード列の全
周に向けて均等に空気を吸い込む吸い込み空間を形成し
た。そして、リヤハウジング12に固定されたブラシホ
ルダ59と集電環カバー61によって2個の集電環41
の周囲を取り囲み、集電環カバー61とポールコア33
の端面に取り付けられた送風装置7の支持板部44との
間に、収容室48内の密閉性を高める微小間隙47を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロータコイルに
電気的に接続された集電環の外周をブラシ部材が摺動す
る発電機に関するもので、特に車両に搭載されたバッテ
リを充電する車両用交流発電機に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両用交流発電機10
0は、図12に示したように、フロントハウジング10
1の内面に固定され、ステータコア102にステータコ
イル103を巻装したステータ104、シャフト105
と一体回転するロータコア106にロータコイル107
を巻装したロータ108、リヤハウジング109とリヤ
カバー110との間に固定されたブラシホルダ111等
から構成されている。
【0003】なお、シャフト105の後端部の外周に
は、コネクションバー112を介してロータコイル10
7に電気的に接続する一対の金属質の集電環113が設
けられている。また、ロータコア106の両面には、内
部に冷却風を吸い込むための冷却ファン114、115
が取り付けられている。さらに、ブラシホルダ111
は、接続ターミナル(図示せず)をインサート成形し、
内部に一対の炭素質のブラシ116を格納している。
【0004】そして、ブラシ116と集電環113との
摺動部分は、防水、防塵のため、ブラシホルダ111と
共にリヤハウジング109の円筒部117で囲まれてお
り、ブラシホルダ111と円筒部117の気密性を保持
するためにゴム製のパッキン118が介護されている。
ここで、121は電圧調整装置で、122はブラシホル
ダ111、ブラシ116、パッキン118およびコイル
スプリング123により構成されたブラシ装置である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の車両
用交流発電機100においては、ブラシ116を内蔵し
たブラシホルダ111を別体であるリヤハウジング10
9に固定ねじ(図示せず)により締め付け固定してい
る。すなわち、集電環113の円周方向は、ブラシホル
ダ111とリヤハウジング109のブラケット部119
で覆い、ブラシホルダ111の前後はリヤハウジング1
09とリヤカバー110とで覆い、それぞれブラシホル
ダ111との隙間の3面をシールする必要がある。
【0006】そして、ブラシホルダ111と円筒部11
7とのシールにパッキン118を使用しているため、軸
方向の積み重ね組み立て性が悪く、シール不良が発生す
る可能性がある。さらに、円筒部117がブラケット部
119と一体でアルミニウムダイカストで製作されてい
るため、その円筒部117に上型と下型の型合わせ部に
ダイカスト時のバリが発生し、パッキン118の接触面
よりシール不良に至るという問題が生じている。
【0007】さらに、従来の車両用交流発電機100で
は、ブレードを環状に配列した冷却ファン115をロー
タコア106の端面に設置し、発電機内部部品あるいは
発電機に付属する機器の冷却を行っている。ところが、
従来の技術に見られるようなブラシ装置122では、ロ
ータ108のシャフト105から径方向に延びる略直方
体形状のブラシホルダ111が設けられているため、冷
却ファン115のブレードとブラシ装置122との干渉
を避けるために車両用交流発電機の軸方向長さ(軸長)
が大型化するという問題が生じている。しかも、従来の
ブラシ装置122は、シャフト105から径方向にブラ
シホルダ111が配置されるため、冷却ファン115の
送風経路を遮ることになり、送風効率の向上を妨げる一
因ともなっている。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、新規なブラシ部材を備
えた発電機を提供することにある。本発明の目的は、発
電機の小型化を達成することにある。本発明の他の目的
は、ロータコアの端面に送風装置を有する発電機の小型
化を達成することにある。本発明の他の目的は、ブラシ
部材と集電部材とを収容する収容室の高い密閉性を実現
することにある。本発明の他の目的は、送風装置と収容
室形成部材との低コスト化を実現することにある。本発
明の他の目的は、シャフトとブラシホルダとの軸心ずれ
を低減することにある。本発明の他の目的は、ブラシ部
材の小型、軽量化を図ることにある。本発明の他の目的
は、製造が容易なブラシホルダを提供することにある。
本発明の他の目的は、ブラシ部材の長寿命化を図ること
にある。本発明の他の目的は、ロータコイルの通電電流
を制御する通電制御回路とブラシ装置とを含むサブアッ
センブリの低コスト化、小型化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、ブラシ部材と環状の集電部材とを収容する収容
室を形成する収容室形成部材の外周と送風装置の環状ブ
レード列の内周との間に円環状空間を形成しており、こ
の円環状空間によって送風装置の環状ブレード列の全周
に向けて略均等に吸い込み側空間を形成している。これ
により、送風装置のブレードと収容室形成部材との干渉
が避けられるため、発電機のシャフトの軸方向寸法を小
型化できる。したがって、ロータコアの端面に送風装置
を備えた発電機の小型化を図ることができる。しかも、
収容室形成部材が送風装置の送風経路を遮ることも防止
できるので、騒音の発生を抑えることができ、且つ送風
効率を向上できる。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、収容室形
成部材を形成するロータ側部材とハウジング側部材とが
微小間隙を介して対向していることにより、パッキンを
廃止しながらも、ブラシ部材と集電部材とを収容する収
容室の高い密閉性を実現することができる。これによ
り、ブラシ部材と集電部材との接触部分に水や埃等の異
物が侵入することはないので、シール不良を防止するこ
とができる。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、送風装置
とロータ側部材とを連続して一体的に形成することによ
り、送風装置と収容室形成部材の低コスト化を実現する
ことができる。請求項4に記載の発明によれば、集電部
材を固定する絶縁性部材とロータ側部材とを連続して一
体的に形成することにより、絶縁性部材および集電部材
よりなる集電装置と収容室形成部材の低コスト化を実現
することができる。
【0012】請求項5に記載の発明によれば、環状壁部
材の筒状の凸部と筒状壁部材の開口側との間に微小間隙
を形成しているので、パッキンを廃止しながらも、ブラ
シ部材と集電部材とを収容する収容室の高い密閉性を実
現することができる。これにより、ブラシ部材と集電部
材との接触部分に水や埃等の異物が侵入することはない
ので、シール不良を防止することができる。
【0013】請求項6に記載の発明によれば、シャフト
を軸支する軸受に対してブラシホルダを位置決めするこ
とにより、軸受とブラシホルダとの組付け誤差によるブ
ラシホルダとシャフトとの軸芯ずれをなくすことができ
る。請求項7に記載の発明によれば、微小間隙が屈曲し
た隙間であるため、ブラシ部材と集電部材とを収容する
収容室の密閉性をより向上することができる。これによ
り、ブラシ部材と集電部材との接触部分に水や埃等の異
物が侵入することはないので、シール不良を防止するこ
とができる。
【0014】請求項8に記載の発明によれば、ブラシ部
材に電気的に接続される接続ターミナルがブラシホルダ
内を貫通した状態で配置されていることにより、ブラシ
部材と集電部材とを収容する収容室の密閉性を高めるこ
とができる。請求項9に記載の発明によれば、ブラシホ
ルダの付属部分が送風装置の環状ブレード列よりも軸方
向外側に配置されることにより、複数のブレードが回転
する時にブレードと付属部分との干渉を防止できる。
【0015】請求項10に記載の発明によれば、ブラシ
ホルダの筒状部分から径方向外側に向けて延びる付属部
分に通電制御回路を搭載することにより、ブラシホルダ
と通電制御回路の小型化を図ることができる。そして、
ロータコイルの通電電流を制御する通電制御回路とブラ
シホルダとを含むサブアッセンブリの低コスト化を図る
ことができる。
【0016】請求項11に記載の発明によれば、ハウジ
ング部材を軸受の外周と接触させることにより、ブラシ
部材と集電部材とを収容する収容室の密閉性を高めるこ
とができる。請求項12に記載の発明によれば、ハウジ
ング側部材を軸受とハウジングとの間に収容することに
より、収容室の端部がハウジングと軸受とによって閉塞
されるので、ブラシ部材と集電部材とを収容する収容室
の密閉性を高めることができる。
【0017】請求項13に記載の発明によれば、ブラシ
部材を集電部材の外周に沿って延びる円弧形状とするこ
とにより、集電部材に対するブラシ部材の接触圧の合成
ベクトルが略0になり、ブラシ部材を保持する収容室形
成部材にブラシ部材の接触圧があまり加わらないように
できる。これにより、ブラシ部材と収容室形成部材との
結合状態が低下することを防止できる。
【0018】請求項14に記載の発明によれば、ブラシ
部材がブラシ被固定部から集電部材の回転方向の前方側
と後方側との少なくとも一方で集電部材に接触している
ので、ブラシ部材から集電部材へ安定した給電を行うこ
とができる。請求項15に記載の発明によれば、ブラシ
部材がブラシ被固定部から集電部材の回転方向の前方側
と後方側との両方で集電部材に接触しているので、ブラ
シ部材が剥離し易い方向に過大な振動が発生して、一方
が集電部材より剥離しても他方が集電部材の外周に密着
することになるので、ブラシ部材から集電部材へ安定し
た給電を行うことができる。
【0019】請求項16に記載の発明によれば、2個の
集電部材が電気絶縁性の樹脂質部材によって、シャフト
の外周にシャフトの軸方向に横並びで電気的に絶縁され
て保持されていることにより、狭い収容室内で電気的に
絶縁されながらコンパクトに2個の集電部材を収容でき
る。
【0020】請求項17に記載の発明によれば、収容室
形成部材で形成される円筒状の収容室内において、2個
のブラシ部材が2個の集電部材の軸方向位置に対応して
軸方向に互いに離れて設置されていると共に、シャフト
の周方向にも互いに離れて設置されていることにより、
狭い収容室内で所定の絶縁距離を保ちながらコンパクト
に2個のブラシ部材を収容できる。
【0021】請求項18に記載の発明によれば、収容室
形成部材を形成するロータ側部材とハウジング側部材と
が微小間隙を介して対向していることにより、パッキン
を廃止しながらも、ブラシ部材と集電部材とを収容する
収容室の高い密閉性を実現することができる。これによ
り、ブラシ部材と集電部材との接触部分に水や埃等の異
物が侵入することはないので、シール不良を防止するこ
とができる。
【0022】請求項19に記載の発明によれば、送風装
置とロータ側部材とを連続して一体的に形成することに
より、送風装置と収容室形成部材の低コスト化を実現す
ることができる。請求項20に記載の発明によれば、集
電部材を固定する絶縁性部材とロータ側部材とを連続し
て一体的に形成することにより、絶縁性部材および集電
部材よりなる集電装置と収容室形成部材の低コスト化を
実現することができる。
【0023】請求項21に記載の発明によれば、環状壁
部材の筒状の凸部と筒状壁部材の開口側との間に微小間
隙を形成しているので、パッキンを廃止しながらも、ブ
ラシ部材と集電部材とを収容する収容室の高い密閉性を
実現することができる。これにより、ブラシ部材と集電
部材との接触部分に水や埃等の異物が侵入することはな
いので、シール不良を防止することができる。
【0024】請求項22に記載の発明によれば、シャフ
トを軸支する軸受に対してブラシホルダを位置決めする
ことにより、軸受とブラシホルダとの組付け誤差による
ブラシホルダとシャフトとの軸芯ずれをなくすことがで
きる。請求項23に記載の発明によれば、微小間隙が屈
曲した隙間であるため、ブラシ部材と集電部材とを収容
する収容室の密閉性をより向上することができる。これ
により、ブラシ部材と集電部材との接触部分に水や埃等
の異物が侵入することはないので、シール不良を防止す
ることができる。
【0025】請求項24に記載の発明によれば、ブラシ
部材を薄板弾性金属質部材を使用することにより、ブラ
シ部材を薄くすることができるので、ブラシ部材を大幅
に軽量、小型化することができる。したがって、発電機
の体格を縮径できるので、発電機を軽量、小型化でき
る。また、ブラシ部材を薄板弾性金属質部材で作ること
により、スプリングがなくてもブラシ部材が集電部材側
に付勢することにより、集電部材に対するブラシ部材の
接触圧を十分に確保することができるので、安定した給
電状態を確保することができる。さらに、ブラシ部材を
軽量化してバネ荷重を軽減することにより摩耗が大幅に
低減され、且つブラシ部材の振動による不具合を抑える
ことによりブラシ部材の寿命を長期化できる。したがっ
て、発電機の長寿命化を達成することができる。
【0026】また、ブラシ部材を薄板弾性金属質部材で
作ることにより、摩耗し難くなるので、従来の摩耗部材
で作ったブラシ部材のように予め摩耗を予測した大きさ
と長さに設定する必要はない。これにより、ブラシ部材
を薄くすることができるので、ブラシ部材を大幅に軽
量、小型化することができる。したがって、新規なブラ
シ部材を備えた発電機を提供することができると共に、
発電機の体格を縮径できるので、発電機を軽量、小型化
できる。そして、切削加工を行わず、プレス加工のみで
薄板弾性金属質部材よりなるブラシ部材を作ることによ
り、摩耗寿命に影響するブラシ部材の硬さを充分に高く
できることにより、ブラシ部材の長寿命化を達成するこ
とができる。
【0027】請求項25に記載の発明によれば、ブラシ
部材に電気的に接続される接続ターミナルがブラシホル
ダ内を貫通した状態で配置されていることにより、ブラ
シ部材と集電部材とを収容する収容室の密閉性を高める
ことができる。請求項26に記載の発明によれば、付属
部分が送風装置の環状ブレード列よりも軸方向外側に配
置されることにより、複数のブレードが回転する時にブ
レードと付属部分との干渉を防止できる。
【0028】請求項27に記載の発明によれば、ブラシ
ホルダの筒状部分から径方向外側に向けて延びる付属部
分に通電制御回路を搭載することにより、ブラシホルダ
と通電制御回路の小型化を図ることができる。そして、
ロータコイルの通電電流を制御する通電制御回路とブラ
シボルダとを含むサブアッセンブリの低コスト化を図る
ことができる。
【0029】請求項28に記載の発明によれば、ブラシ
部材を集電部材の外周に沿って延びる円弧形状とするこ
とにより、集電部材に対するブラシ部材の接触圧の合成
ベクトルが略0になり、ブラシ部材を保持する収容室形
成部材にブラシ部材の接触圧があまり加わらないように
できる。これにより、ブラシ部材と収容室形成部材との
結合状態が低下することを防止できる。
【0030】請求項29に記載の発明によれば、ブラシ
部材がブラシ被固定部から集電部材の回転方向の前方側
と後方側との少なくとも一方で集電部材に接触している
ので、ブラシ部材から集電部材へ安定した給電を行うこ
とができる。請求項30に記載の発明によれば、ブラシ
部材がブラシ被固定部から集電部材の回転方向の前方側
と後方側との両方で集電部材に接触しているので、ブラ
シ部材が剥離し易い方向に過大な振動が発生して、一方
が集電部材より剥離しても他方が集電部材の外周に密着
することになるので、ブラシ部材から集電部材へ安定し
た給電を行うことができる。
【0031】請求項31に記載の発明によれば、集電部
材がカーボン質部材で作られていることにより、集電部
材の自身の摩擦係数を軽減できるので、自己潤滑性を備
える。そして、集電部材がカーボン質部材で作られてい
ることにより、ブラシ部材を金属質部材で作って、その
ブラシ部材を集電部材の外周に高速で摺動させても安定
した摩耗とロータコイルへの給電を確保することができ
る。
【0032】請求項32に記載の発明によれば、ロータ
側部材の環状の嵌合部とハウジング側部材の環状の被嵌
合部との間に微小間隙を形成することにより、パッキン
を廃止しながらも、ブラシ部材と集電部材との摺動部分
に水や埃等の異物が侵入することはない。これにより、
シール不良を防止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例の構成〕図1ないし図6はこの発明の発電
機を車両用交流発電機に適用した実施例を示したもの
で、図1は車両用交流発電機の全体構造を示した図で、
図2および図3は車両用交流発電機の主要部構造を示し
た図であり、図4は車両用交流発電機の電気接続装置の
主要部構造を示した図であり、図5はリヤハウジングに
三相整流装置、電圧調整装置およびブラシ装置を組み付
けた状態を示した図である。
【0034】車両用交流発電機1は、ポリVベルト(図
示せず)を介してエンジンで駆動され、発電した交流電
流を三相整流装置9で整流し、直流に変換して、車両に
搭載されたバッテリ(図示せず)の充電と電気負荷へ必
要な電力の供給とを行うオルタネータである。この車両
用交流発電機1は、ハウジング2、ステータ3、ロータ
4、シャフト5、集電装置6、送風装置7、ブラシ装置
8、三相整流装置9および電圧調整装置10等から構成
されている。
【0035】〔ハウジングの説明〕次に、ハウジング2
について図1ないし図4に基づいて説明する。このハウ
ジング2は、2個のアルミニウムダイカスト製のフロン
トハウジング(ドライブフレームとも言う)11および
リヤハウジング(リヤフレームとも言う)12からな
り、複数のスタッドボルト13およびナット14によっ
て締結されている。
【0036】また、フロントハウジング11には、シャ
フト5のフロント側(前端側)を回転自在に支持する軸
受としてのフロントベアリング(軸受)15がボス部
(軸受保持部)16に圧入およびかしめによって固定さ
れている。また、リヤハウジング12には、シャフト5
のリヤ側(後端側)を回転自在に支持する軸受としての
リヤベアリング17がボス部(軸受保持部)18に圧入
およびかしめによって固定されている。そして、ハウジ
ング2内に冷却風を吸い込むべく、フロントハウジング
11には多数の通風口19が、リヤハウジング12には
多数の通風口20および多数の排気口21が、略円環状
に周設されている。
【0037】さらに、フロントハウジング11の上部に
はエンジンの上側ブラケット(図示せず)に締結固定さ
れるステー部22が、下部にはエンジンの下側ブラケッ
ト(図示せず)に締結固定されるステー部23が一体成
形されている。また、リヤハウジング12の下部には、
エンジンの下側ブラケットに締結固定されるステー部2
4が一体成形されている。これらのステー部22〜24
には、ボルトが挿通するボルト穴25〜27が貫通して
いる。
【0038】〔ステータの説明〕次に、ステータ3につ
いて図1に基づいて説明する。このステータ3は、ハウ
ジング2の内面に固定されたステータコア31、および
このステータコア31に巻装された三相のステータコイ
ル32により構成された固定子である。
【0039】ステータコア31は、電機子鉄心を構成す
るもので、磁性材料製の薄鋼板を複数積層してなる積層
コアよりなり、フロントハウジング11の内周面に圧入
固定されて一体化されている。ステータコア31の内周
側には、多数のスロット(図示せず)が等間隔で形成さ
れている。
【0040】三相のステータコイル32は、Y結線また
はΔ結線により接続され、ロータ4の回転に伴って三相
交流出力が誘起する三相の電機子巻線である。これらの
ステータコイル32の巻線端は、三相整流装置9の三相
整流回路に半田付け等を用いて電気的に接続されてい
る。
【0041】〔ロータの説明〕次に、ロータ4について
図1に基づいて説明する。このロータ4は、界磁装置と
して働く部分で、シャフト5と一体的に回転する回転子
である。ロータ4は、シャフト5、このシャフト5に固
定されたランデル型のポールコア33、このポールコア
33に巻装された界磁コイル34、この界磁コイル34
に励磁電流を供給するための集電装置6、および冷却風
を発生させる送風装置7等から構成されている。
【0042】ポールコア33は、本発明のロータコア
(界磁極、界磁鉄心または回転子鉄心とも言う)であっ
て、中央に界磁コイル34が巻かれ、強磁性材料により
作られている。このポールコア33は、界磁コイル34
に励磁電流が流れると一方の爪状磁極部35が全てN極
になり、他方の爪状磁極部36が全てS極になる。そし
て、他方の爪状磁極部36のリヤ側壁面には、ハウジン
グ2内に冷却風を吸い込む送風装置7が溶接等の手段を
用いて取り付けられている。
【0043】界磁コイル34は、本発明のロータコイル
であって、ポールコア33の中央部にコイルボビン37
を介して巻回され、励磁電流が流れるとポールコア33
を磁化する励磁巻線(回転子巻線とも言う)である。な
お、コイルボビン37は、界磁コイル34とポールコア
33とを電気的に絶縁する電気絶縁性の樹脂質部材で作
られている。
【0044】〔シャフトの説明〕次に、シャフト5につ
いて図1に基づいて説明する。このシャフト5は、ハウ
ジング2のボス部16、18にフロント、リヤベアリン
グ15、17を介して回転自在に支持されている。この
シャフト5の一端部(先端部、フロント側端部)には、
エンジンの回転動力をシャフト5に伝達するためのVリ
ブドプーリ(ポリVベルト用プーリ)38が座付きナッ
ト39とフロントベアリング15との間に締結固定され
ている。
【0045】このVリブドプーリ38は、ポリVベルト
等の伝動手段(図示せず)を介してエンジンの出力軸
(クランク軸)に装着されたポリVベルト用プーリ(図
示せず)に駆動連結されている。なお、シャフト5とV
リブドプーリ38との間に電磁クラッチ等のクラッチ手
段を配しても良い。
【0046】〔集電装置の説明〕次に、集電装置6につ
いて図1ないし図4に基づいて説明する。この集電装置
6は、バッテリおよび電圧調整装置10と界磁コイル3
4とをブラシ装置8を通して接続するために使われる2
個の集電環41、およびこれらの集電環41の各々に接
続される2個のコネクションバー(スリップリング端子
とも言う)42(図2参照)等から構成されている。
【0047】2個の集電環41は、本発明の集電部材
(所謂スリップリング)であって、シャフト5の他端部
(後端部、リヤ側端部)の外周に設けられ、互いに電気
的に独立した2個の円環状集電環本体(炭素質集電環)
である。これらの集電環41は、後記する電気絶縁性の
樹脂質部材によって、シャフト5の他端部の外周にシャ
フト5の軸方向に所定間隔を隔てて横並びで保持され、
且つ電気的に絶縁されている。2個の集電環41にコネ
クションバー42の一端がインサート成形されることで
両者が機械的、且つ電気的に接続される。
【0048】2個の集電環41の材質としては、炭素
(カーボン)質部材(例えば銅合金の発泡骨格金属を金
属母体とした炭素粉末、天然黒鉛、電気黒鉛または金属
黒鉛等)が使用されている。なお、コネクションバー4
2は、界磁コイル34の端末線が半田付け等の手段によ
り電気的に接合されている。
【0049】〔送風装置の説明〕次に、送風装置7につ
いて図1ないし図4に基づいて説明する。この送風装置
7は、電気絶縁性の樹脂質部材(以下絶縁性部材と呼
ぶ)40で成形されている。この絶縁性部材40は、2
個の集電環41と2個のコネクションバー42との接続
箇所を保護する端子保護部材でもある。なお、絶縁性部
材40は、本発明の収容室形成部材のロータ側部材であ
って、材質として、例えば電気絶縁性および耐熱性に優
れ、高強度で寸法安定性に優れる例えばポリフェニレン
スルフィド樹脂(PPS樹脂)を使用することが望まし
い。
【0050】絶縁性部材40は、送風装置(遠心式ファ
ン)7の冷却翼を構成する複数のブレード43、これら
のブレード43を支持する円環状の支持板部(ベース
板)44、および2個の集電環41と2個のコネクショ
ンバー42の軸方向部分をインサート成形した筒状の集
電環固定部45等を有している。
【0051】ブレード43は、図2および図3に示した
ように、支持板部44の外周部の端面上に円環状に複数
配列されている。支持板部44は、本発明の環状壁部材
であって、ポールコア33の集電環側端面(後端側の側
面)に固定され、2個のコネクションバー42の径方向
部分をインサート成形している。なお、複数のブレード
43と支持板部44とから送風装置7が構成される。集
電環固定部45は、2個の集電環41および2個のコネ
クションバー42の軸方向部分と一体化されてシャフト
5の他端部外周に圧入固定されている。
【0052】〔ブラシ装置の説明〕次に、ブラシ装置8
について図1ないし図6に基づいて説明する。このブラ
シ装置8は、2個の集電環41のそれぞれの外周に接触
する互いに電気的に独立した2個のブラシ51、これら
のブラシ51を支持固定するブラシホルダ59を含む絶
縁性部材52、およびこの絶縁性部材52にインサート
成形された接続ターミナル53、54等から構成されて
いる。
【0053】各ブラシ51は、本発明のブラシ部材であ
って、プレス加工のみにより一体成形され、2個の集電
環41を介して界磁コイル34に励磁電流を供給するブ
ラシ(金属質刷子)である。これらのブラシ51の材質
としては、金属質部材(例えば銅合金のバネ材である燐
青銅またはベリリウム銅等の導電性の薄板弾性材)が使
用されている。
【0054】そして、ブラシ51には、集電環41を囲
むように形成された半円弧形状のブラシ本体55、およ
びこのブラシ本体55より絶縁性部材52側に突出した
ブラシ被固定部56がそれぞれ形成されている。このブ
ラシ本体55は、ブラシ被固定部56から集電環41の
外周に沿って円弧形状に延びる板状の延長部(アーム
部)551、552と、これらの先端に設けられ、集電
環41の外周面と摺動接触する2個の接触子57、58
とを備えている。
【0055】そして、ブラシ本体55は、基端部(頂端
部)55aから集電環41の回転方向の前方側(リーデ
ィング側)と後方側(トレーリング側)との両方に延び
ていて、前方側と後方側との両方の接触子57、58で
集電環41と接触している。すなわち、ブラシ本体55
は、図4に示したように、両方の延長部551、552
の先端間(両方の接触子57、58間)寸法Aと炭素質
集電環径Bとの寸法差(B−A)の締め代により集電環
41へ押圧され両方の接触子57、58で集電環41の
外周面と接触するように半円弧形状(馬蹄形状)に形成
されている。なお、ブラシ本体55が基端部55aから
集電環41の回転方向の前方側と後方側とのいずれか一
方のみに延びて集電環41と接触していても良い。
【0056】2個の接触子57、58は、各集電環41
の外周面を摺動する摺動部分である。そして、これらの
接触子57、58は、ブラシ本体55のバネ特性により
各集電環41との接触圧を確保している。2個の接触子
57、58の軸方向の両方の開口側からは、4個の延長
片57a、57b、58a、58bが突き出している。
4個の延長片57a、57b、58a、58bは、集電
環41の軸方向両端よりそれぞれ軸方向の両側に向けて
延長され、且つ各接触子57、58の軸方向に対して外
側に副った形状(面取り形状)に形成されている。
【0057】ブラシ被固定部56は、ブラシ51の材質
として銅合金のバネ材を使用していることから、つまり
バネ材の特徴であるバネ特性を利用した方法で接続ター
ミナル53、54と電気的および機械的に固定されてい
る。このため、この実施例のブラシ被固定部56は、性
能上および製造上の最小スペースとなるファストン形状
に形成されている。
【0058】すなわち、ブラシ被固定部56は、図4に
示したように、ブラシ本体55の基端部55aより軸方
向に突出した突出片56a、およびこの突出片56aの
両側を断面形状が略長円形状の円周を描くように折り曲
げた弾性変形可能な係止片56b、56cを有してい
る。そして、ブラシ被固定部56は、接続ターミナル5
3、54の先端部が突出片56aと係止片56b、56
cとの間に挿入されることにより、突出片56aと係止
片56b、56cとの間で接続ターミナル53、54の
先端部を挟持する。
【0059】以上のようにして、一方の集電環41と一
方のブラシ51とが電気的に接続される。同様にして、
他方の集電環41と他方のブラシ51とが電気的に接続
される。このように2対の集電環41とブラシ51とに
よって電気接続装置が構成されている。これにより、接
続ターミナル53、一方のブラシ51、一方の集電環4
1、一方のコネクションバー42、ロータコイル34、
他方のコネクションバー42、他方の集電環41、他方
のブラシ51、および接続ターミナル54の経路で通電
経路が形成される。
【0060】なお、図1には、シャフト5のポールコア
33側の集電環41とブラシ51との接続状態が図示さ
れている。但し、理解を容易にするために、接触子57
およびブラシ被固定部56の周方向の位置関係は模式的
に図示されている。これらの部分の周方向の配置は、図
6のようである。すなわち、2個のブラシ51は、シャ
フト5の周方向に所定距離だけ離れて固定されている。
また、図2に示したように、2個のブラシ51は、シャ
フト5の軸方向に所定距離だけ離れて固定されている。
【0061】絶縁性部材52は、本発明の収容室形成部
材のハウジング部材であって、電気絶縁性の樹脂質部材
(例えばPPS樹脂等)よりなる。この絶縁性部材52
は、2個のブラシ51を保持固定する円筒状のブラシホ
ルダ59、およびこのブラシホルダ59の前端側より軸
方向の前方側へ延長された円筒状の集電環カバー(所謂
スリップリングカバー)61を一体成形している。
【0062】ブラシホルダ59は、接続ターミナル5
3、54をインサート成形しており、接続ターミナル5
3、54の各々の両端部を突出した状態で接続ターミナ
ル53、54を保持固定することによって、2個のブラ
シ51を保持するブラシ保持部である。
【0063】集電環カバー61は、本発明の筒状壁部材
であって、ポールコア33側が開口した円筒形状に形成
されており、開口側端と送風装置7の支持板部44との
間に円環状の微小間隙47を形成している。集電環カバ
ー61と絶縁性部材40の集電環固定部45との間に
は、2個の集電環41および2個のブラシ51を収容
し、且つ2個の集電環41の外周を取り囲む円筒状の収
容室48が区画形成されている。
【0064】また、この集電環カバー61の外周と送風
装置7の環状ブレード列の内周との間には、図2に示し
たように、円環状空間49が区画形成されている。この
円環状空間49は、送風装置7の環状ブレード列の全周
に向けて均等に吸い込み側空間を形成している。
【0065】ここで、ブラシ装置8のブラシホルダ59
および集電環カバー61を形成する絶縁性部材52と、
送風装置7の支持板部44および集電装置6の集電環固
定部45を形成する絶縁性部材40とから上記の収容室
48を形成する収容室形成部材が構成される。
【0066】接続ターミナル53は、断面形状が略L字
状に形成され、電圧調整装置10の励磁電流出力ターミ
ナル69に固定ねじ70により締結固定されて電気的に
接続された給電端子である。接続ターミナル54は、接
続ターミナル53に対して逆側に延びるように断面形状
が略逆L字状に形成され、三相整流装置9の直流出力タ
ーミナル71に固定ねじ72により締結固定されて電気
的に接続された給電端子である。
【0067】なお、接続ターミナル53、54の先端部
には、シャフト5の軸方向に沿ってのみブラシ51のブ
ラシ被固定部56と結合する形状に形成されたブラシ固
定部が設けられている。すなわち、接続ターミナル5
3、54のブラシ固定部は、図4に示したように、ブラ
シ被固定部56の突出片56aと係止片56b、56c
との間に挿入し易いようにテーパー形状に形成されてい
る。
【0068】また、図5には、周方向に並べて露出した
接続ターミナル53、54が図示されている。これらの
接続ターミナル53、54は、2個の集電環41に対応
して軸方向に離れて配置されている。そして、一つの接
続ターミナル53に一つのブラシ51のブラシ被固定部
56が固定され、他の接続ターミナル53に他のブラシ
51のブラシ被固定部56が固定される。このため、2
個のブラシ51は、2個の集電環41の軸方向位置に対
応して軸方向に互いに離れて保持されると共に、接続タ
ーミナル53、54の位置に対応して周方向にも互いに
離れて保持される。この構成により、半円弧形状の2つ
のブラシ51を円筒状の空間内に配置することができ
る。
【0069】〔三相整流装置の説明〕次に、三相整流装
置9について図1、図2、図5および図6に基づいて説
明する。この三相整流装置9は、所謂レクティファイヤ
であって、直流出力ターミナル71、正極側冷却フィン
73、負極側冷却フィン74、3個の正極側ダイオード
75、3個の負極側ダイオード76および端子台77等
から構成されている。
【0070】直流出力ターミナル71は、三相整流装置
9の外部接続端子であって、一端部に図示しない導電線
を介してバッテリの正極に電気的に接続され、他端部が
ブラシ装置8の接続ターミナル54および正極側冷却フ
ィン73に図示しない固定ねじを締め付けることにより
電気的に接続されている。この直流出力ターミナル71
は、バッテリに充電電流を供給するターミナル(直流出
力正極側ターミナルとも言う)で、車両用交流発電機1
のB端子を構成する。
【0071】正極側冷却フィン73は、負極側冷却フィ
ン74と共に絶縁性部材52を囲むように所定の形状に
一体成形され、リヤハウジング12の側面に沿うように
配されている。正極側冷却フィン73は、図示しない絶
縁部材を介してリヤハウジング12の内側面に固定され
ている。負極側冷却フィン74は、リヤハウジング12
を介してボディアース(接地)されている。すなわち、
正極側冷却フィン73はバッテリの正極(+)側に電気
的に接続され、負極側冷却フィン74はバッテリの負極
(−)側に電気的に接続されている。
【0072】そして、正極側、負極側冷却フィン73、
74は、それぞれ熱伝導性に優れる導電性金属板(例え
ばアルミニウム板)で作られており、3個ずつの正極
側、負極側ダイオード75、76の発熱を放熱する放熱
フィンであると共に、3個ずつの正極側、負極側ダイオ
ード75、76を保持固定する整流素子保持手段でもあ
る。
【0073】3個ずつの正極側、負極側ダイオード7
5、76は、三相のステータコイル32の交流出力を整
流して直流出力に変換(整流)する正極側、負極側整流
素子である。3個ずつの正極側、負極側ダイオード7
5、76は、一端側(リード線)がそれぞれ3個の交流
入力端子78に半田付けにより電気的に接続され、他端
側がそれぞれ正極側、負極側冷却フィン73、74に半
田付けにより電気的に接続されている。なお、直流出力
ターミナル71、正極側、負極側冷却フィン73、7
4、3個ずつの正極側、負極側ダイオード75、76お
よび3個の交流入力端子78等から三相整流回路が構成
される。
【0074】端子台77は、電気絶縁性の樹脂質部材
(例えばPPS樹脂等)で所定の形状に作られ、3個の
交流入力端子78をインサート成形して保持すると共
に、正極側冷却フィン73と負極側冷却フィン74とを
電気的に絶縁する。この端子台77は、固定ねじ79に
より正極側、負極側冷却フィン73、74を固定してい
る。
【0075】〔電圧調整装置の説明〕次に、電圧調整装
置10について図1、図2、図5および図6に基づいて
説明する。この電圧調整装置10は、所謂ICレギュレ
ータであって、励磁電流出力ターミナル69、集積回路
(図示せず)およびケーシング62等から構成されてい
る。
【0076】励磁電流出力ターミナル69は、電圧調整
装置10の外部接続端子であって、リヤハウジング12
に固定されるケーシング62に保持され、且つ接続ター
ミナル53を介して2個のブラシ51に固定ねじ70を
用いて機械的に接続されている。これにより、励磁電流
出力ターミナル69は、絶縁性部材52および2個のブ
ラシ51をリヤハウジング12に固定する刷子固定手段
として働く。
【0077】集積回路は、本発明の通電制御回路であっ
て、界磁コイル34に供給する励磁電流を制御して三相
のステータコイル32の発電電圧を調整する電圧調整手
段である。この集積回路には、界磁コイル34の通電お
よび通電停止を制御するスイッチング素子としてのパワ
ートランジスタや、界磁コイル34に流れる励磁電流を
減衰させる逆起電力吸収用ダイオード等が組み込まれて
いる。
【0078】ケーシング62は、電気絶縁性の樹脂質部
材(例えばPPS樹脂等)で作られ、リヤハウジング1
2に固定ねじ65により締結固定されるブラケット66
を有している。また、ケーシング62の内部には、集積
回路等の電子部品がエポキシ樹脂系の樹脂質部材により
モールド成形されている。
【0079】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
車両用交流発電機1の作用を図1ないし図6に基づいて
簡単に説明する。
【0080】車両に搭載されたエンジンが始動すると、
エンジンの回転動力がポリVベルト等の伝動手段を介し
てVリブドプーリ38に伝達され、ハウジング2にフロ
ント、リヤベアリング15、17を介して回転自在に支
持されているシャフト5が回転することによりロータ4
が回転する。このとき、シャフト5と一体的にポールコ
ア33、界磁コイル34および2個の集電環41が回転
する。
【0081】そして、電圧調整装置10が界磁コイル3
4の給電を開始すると、バッテリ→直流出力ターミナル
71→接続ターミナル54→一方のブラシ51→一方の
集電環41→一方のコネクションバー42→界磁コイル
34→他方のコネクションバー42→他方の集電環41
→他方のブラシ51→接続ターミナル53→励磁電流出
力ターミナル69→電圧調整装置10→リヤハウジング
12→ボディのように励磁電流が流れる。したがって、
界磁コイル34にバッテリより電圧が印加されて界磁コ
イル34に励磁電流が流れることによりポールコア33
の2個の爪状磁極部35、36が磁化する。これによ
り、一方の爪状磁極部35が全てN極になり、他方の爪
状磁極部36が全てS極になる。
【0082】そして、ロータ4と相対回転するステータ
3のステータコア31に巻装された三相のステータコイ
ル32に順次交流電流が誘起し、発電電圧が急速に立ち
上がる。この三相の交流電流は、3個の交流入力端子7
8を経て三相整流回路に入力される。すなわち、3個の
正極側ダイオード75および3個の負極側ダイオード7
6に入力されることにより、三相の交流電流が整流され
直流電流に変換される。
【0083】そして、三相のステータコイル32の発電
電圧(直流出力ターミナル71の電圧、B端子電圧)が
バッテリ電圧を越えると、整流された直流電流、すなわ
ち、充電電流は、3個の正極側ダイオード75→正極側
冷却フィン73→直流出力ターミナル71→導電線を経
てバッテリに供給される。これにより、バッテリに充電
電流が流れることによってバッテリが充電されると共
に、車両に搭載された電気負荷に電力が供給される。
【0084】そして、車両用交流発電機1を長期間運転
することにより、シャフト5の外周に一体的に設けられ
た2個の集電環41と絶縁性部材52に保持された接続
ターミナル53、54に機械的に固定された2個のブラ
シ51とが高速回転で摺動して摩耗する。
【0085】しかるに、2個の集電環41が炭素質部材
で作られているので、自己潤滑性を備えている。すなわ
ち、集電環41自身の摩擦係数を軽減することにより、
従来の銅合金製の金属質集電環と比較して集電環41の
摩耗量が大幅に軽減される。また、2個のブラシ51が
金属質部材で作られているので、軽量化されバネ荷重が
軽減することにより2個のブラシ51の摩耗量が大幅に
軽減される。したがって、2個の集電環41および2個
のブラシ51の耐久寿命を長期化することができる。
【0086】ここで、車両用交流発電機1の三相のステ
ータコイル32、界磁コイル34、三相整流装置9およ
び電圧調整装置10の各電気部品が通電されることによ
り発熱する。この熱は、ロータ4が回転することによ
り、ポールコア33の側面に固定された送風装置7の複
数のブレード43が回転することにより、ハウジング2
内に冷却風が吸い込まれることにより冷却される。
【0087】具体的には、ステータ3の三相のステータ
コイル32およびロータ4の界磁コイル34は、図1お
よび図2に示したように、フロントハウジング11およ
びリヤハウジング12に形成された多数の通風口19お
よび多数の通風口20を通って送り込まれる冷却風によ
って直接冷却される。また、3個の正極側、負極側ダイ
オード75、76で発生した熱は、正極側、負極側冷却
フィン73、74にリヤハウジング12の通風口20を
通って送り込まれた冷却風が当たることで正極側、負極
側冷却フィン73、74が冷やされることにより、正極
側、負極側冷却フィン73、74を介して放熱する。
【0088】なお、この実施例では、送風装置7の環状
ブレード列の径方向の内側に2個の集電環41および2
個のブラシ51とが配置されており、絶縁性部材52の
集電環カバー61の外周と送風装置7の環状ブレード列
との間に円環状空間49を形成している。これにより、
送風装置7の複数のブレード43の内周側の円環状空間
49内に冷却風の通過を妨げるような部材が存在しない
ので、通風口20より吸い込まれた冷却風が集電環カバ
ー61の外周側を通って複数のブレード43の内周部分
にスムーズに冷却風が吸い込まれることにより、送風装
置7の騒音を抑えることができる。さらに、充分な風量
の冷却風を得ることができるので、各電気部品の冷却効
率を向上できると共に、発電効率を向上できる。
【0089】そして、ハウジング2内に冷却風が吸い込
まれる際に、水や埃等の異物もハウジング2内に侵入す
る。特に、リヤハウジング12の通風口20を通って異
物がハウジング2内に侵入すると、集電環41とブラシ
51との摺動部分に入り込む可能性がある。しかし、こ
の実施例では、絶縁性部材52の集電環カバー61によ
って、2個の集電環41の周囲を囲むように円筒形状の
収容室48を区画形成しており、しかも集電環カバー6
1の開口側が送風装置7の複数のブレード43の径方向
の内側に位置するので、集電環41とブラシ51との摺
動部分への水や埃等の異物が侵入し難い。
【0090】〔第1実施例の効果〕先ず、車両用交流発
電機1のブラシ部材として金属質部材により製作された
2個のブラシ51を使用した場合の効果について説明す
る。
【0091】従来のようにブラシ部材として炭素質部材
により製作されたブラシ116を使用した場合には、接
触電気抵抗を小さくするために、炭素の中に銅粉を混合
して接触電気抵抗とブラシ116の摩耗寿命によりその
配合比を決めていた。そして、銅粉等の金属質部材を炭
素に配合することにより、ブラシ116の重量が重たく
なるため振動による不具合を考慮しなければならなかっ
た。なお、ブラシ部材の耐振動は、一般に機械設計書の
文献によると下記の数1の式で表される。
【0092】
【数1】 耐振動∝{(k×バネ荷重)/(ブラシ部材重さ)}+
{スプリング重さ} ここで、ブラシ部材(ブラシ本体)の重量を軽量化する
と、ブラシ部材のバネ荷重を小さくできることが分か
る。
【0093】この発明では、ブラシ部材としてスプリン
グおよびピグテールを兼ねる金属質部材により製作され
たブラシ51を使用し、このブラシ51の材質として銅
合金のバネ材(実施例では燐青銅またはベリリウム銅)
を使用することにより、ブラシ51の重量、特にブラシ
本体55の重量を大幅に軽量化している。
【0094】これにより、ブラシ51のバネ荷重を従来
のブラシ116と比較して大幅に低減できるので、ブラ
シ51の摩耗量が大幅に低減でき、且つブラシ51の振
動による不具合を抑制できることによりブラシ51の寿
命を長期化できる。したがって、車両用交流発電機1の
長寿命化を達成することができる。
【0095】また、図4に示したように、ブラシ51の
ブラシ本体55の形状を略半円弧形状に形成し、しかも
集電環41を2個の接触子57、58で挟み込むように
することにより、ブラシ51が集電環41の外周に接触
する時の接触圧の合成ベクトルが0になるので、接続タ
ーミナル53、54に機械的に固定されるブラシ被固定
部56にその接触圧の力が加わらない構造となる。
【0096】そして、ブラシ51のブラシ本体55が集
電環41より剥離し易い方向、つまり集電環41の径方
向に過大な振動が発生した場合でも、剥離する接触子5
7(58)と剥離しない接触子58(57)とが存在す
ることにより、ブラシ51と集電環41との電気的な接
続が維持され、界磁コイル34に安定した励磁電流を流
すことができる。
【0097】さらに、図4に示したように、ブラシ51
の接触子57、58の軸方向の両側に面取り形状の延長
片57a、57b、58a、58bを設けることによ
り、接触子57、58が軸方向に滑らかに移動すること
ができるので、ブラシ51を集電環41の外周に組み付
けたり、ブラシ51を集電環41の外周から取り外して
分解したりすることが非常に容易となる。これにより、
車両用交流発電機1の生産性が向上するので、車両用交
流発電機1の製品コストを低減できる。
【0098】また、従来のように金属質部材で作られた
集電環113の場合には、集電環113とコネクション
バー112との溶接および集電環113を精密な円環形
状に仕上げるための切削性を考慮すると、長寿命化のた
めに集電環113の材料である金属質部材の硬さの向上
はできないという問題が生じていた。しかるに、本発明
のブラシ51は導電性の薄板弾性材(板金)でありプレ
ス加工だけで図1の形状に成形加工できるので、ブラシ
51の材料である金属質部材の摩耗寿命に影響する素材
の硬さを十分に高くできる。これにより、ブラシ51の
長寿命化を達成できる。
【0099】次に、ブラシ51の固定方法(支持構造)
による効果について説明する。ブラシ51のブラシ被固
定部56と接続ターミナル53、54は、コスト的に異
種金属を設定することにより、車両用交流発電機1の製
造コストを低減できる。また、接続ターミナル53、5
4と一体で電気絶縁性の樹脂質部材にて絶縁性部材52
を一体成形する場合には、接続ターミナル53、54の
インサート成形時の樹脂温度により金属特性が変質し、
ブラシ51の耐摩耗性が低下する可能性があるので、イ
ンサート成形後に接続ターミナル53、54とブラシ被
固定部56とを機械的に固定して両者の電気的な接続を
行う必要がある。
【0100】接続ターミナル53、54とブラシ被固定
部56の固定方法としては、溶接、かしめ等のような固
定方法を用いることができるが、ブラシ51の材質が銅
合金のバネ材であることから性能上および製造上の最小
スペースとなるファストン形状(図1参照)による固定
方法が最適である。
【0101】次に、集電環41を炭素質部材(例えば銅
合金の発泡骨格金属を金属母体とした炭素粉末より形成
等)により製作した場合の効果について説明する。従来
の構造の場合は、ブラシ116が摩耗部材であるために
予め摩耗を予測した大きさと長さを設定する必要があ
り、さらに励磁回路のドロップ電圧を小さくするために
電圧調整装置を刷子本体の近傍に配置している。このた
め、車両用交流発電機1の体格の縮小化ができず車両用
交流発電機1のコンパクト化の妨げとなっている。
【0102】しかるに、ブラシ51を金属質部材で製作
することにより、ブラシ51が摩耗し難くなるので、従
来の摩耗部材で作ったブラシ116のように予め摩耗を
予測した大きさと長さに設定する必要はない。これによ
り、ブラシ51を極めて薄くすることができる。すなわ
ち、ブラシ51を薄板弾性材により製作できるので、ブ
ラシ51および絶縁性部材52等から構成されるブラシ
装置8を大幅に軽量、小型化することができる。したが
って、ブラシ51の近傍に電圧調整装置10を設置した
場合でも、車両用交流発電機1の体格を縮径でき、且つ
軸方向寸法も縮小化できるので、車両用交流発電機1を
軽量、小型化することができる。
【0103】また、本発明のように、集電環41を炭素
質部材で製作して、集電環41の自身の自己潤滑性(摩
擦係数の軽減)、およびブラシ51との接触確率が大幅
に少なくなることにより、従来の金属質部材で製作され
た集電環113と比較して摩耗量を大幅に低減すること
ができる。また、上記の数1の式のように、ブラシ51
の軽量化のためにブラシ51のバネ荷重が低減すること
により集電環41の摩耗量を更に低減することができる
ので、集電環41の長寿命化を達成できる。したがっ
て、車両用交流発電機1の長寿命化を達成することがで
きる。
【0104】そして、ブラシ51が金属質部材で製作さ
れていることにより、ブラシ51において集電環41の
外周に接触する接触部分の電気抵抗を小さくするため
に、ブラシ51の接触部分の表面積を小さくしても電流
密度が変化しないので、ブラシ51の温度上昇が抑えら
れてブラシ51の耐久寿命が延びる。一方、集電環41
を炭素質部材で製作しているが、円環状の集電環41の
うちブラシ51に接触する部分は円周方向寸法の一部で
あるため、集電環41の温度上昇も抑えられて集電環4
1の耐久寿命が延びる。したがって、車両用交流発電機
1の長寿命化を達成することができる。
【0105】そして、集電環41が炭素質部材で製作さ
れていることにより、ブラシ51を金属質部材で製作し
て、そのブラシ51を集電環41の外周に高速運転(例
えば10000rpm以上)で摺動させても安定した摩
耗と界磁コイル34への通電を確保することができる。
【0106】次に、2個のブラシ51、2個の接続ター
ミナル53、54をブラシホルダ59内に保持した場合
の効果について説明する。絶縁性部材52に含まれる円
筒状のブラシホルダ59内においては、図2、図5およ
び図6に示したように、2個の接続ターミナル53、5
4がシャフト5の軸方向に所定距離だけ離れて保持固定
され、且つシャフト5の周方向にも所定距離だけ離れて
保持固定されている。これにより、狭いブラシホルダ5
9内で所定の絶縁距離を保ちながらコンパクトに2個の
接続ターミナル53、54を収容することができる。
【0107】また、ブラシホルダ59内においては、図
3に示したように、2個のブラシ51がシャフト5の軸
方向に所定距離だけ離れて保持固定され、且つシャフト
5の周方向にも所定距離だけ離れて保持固定されてい
る。これにより、2個の集電環41の外周面とブラシホ
ルダ59の前端面と集電環カバー61の内周面とで囲ま
れた円筒状の収容室48内で所定の絶縁距離を保ちなが
らコンパクトに2個のブラシ51を収容することができ
る。これらによって、ブラシ51および絶縁性部材52
等から構成されるブラシ装置8を大幅に軽量、小型化す
ることができる。したがって、車両用交流発電機1の径
方向寸法および軸方向寸法を縮小化できるので、車両用
交流発電機1を軽量、小型化することができる。
【0108】次に、送風装置7の環状ブレード列の径方
向の内側に2個の集電環41および2個のブラシ51を
配置した場合の効果について説明する。この実施例で
は、送風装置7の環状ブレード列の径方向の内側に、2
個の集電環41および2個のブラシ51を収容する収容
室48を形成する集電環カバー61の開口端が配置され
ている。これにより、車両用交流発電機1の軸方向の体
格の小型化、すなわち、車両用交流発電機1の軸長の短
縮化を実現することができる。
【0109】しかも、2個のブラシ51を収容する収容
室48は、極めてシンプルな円筒状の集電環カバー(円
筒壁部材)61で取り囲まれており、送風装置7の吸い
込み側空間(円環状空間49)をその全周に亘って均等
に確保している。このような構成によると、車両用交流
発電機1の軸長を短縮化でき、しかも送風装置7の送風
性能を低下させることもない。特にこのような構成は、
従来のような棒状のブラシ116を持つ車両用交流発電
機100を用いたのでは実現することは不可能である。
【0110】また、この実施例では、収容室形成部材の
ロータ側部材を構成する円筒状の集電環固定部45が、
ポールコア33の端面からシャフト5の軸方向に沿って
後方に延びており、ポールコア33の端面とそこから延
び出すシャフト5との角部空間を無駄にすることなく、
2個のブラシ51を収容する収容室48を形成している
ので、車両用交流発電機1の軸長を短縮化できる。以上
により、車両用交流発電機1の小型、軽量化を実現する
ことができる。
【0111】そして、この実施例では、電圧調整装置1
0のケーシング62が送風装置7の環状ブレード列より
も軸方向の外側に配置されているので、送風装置7の複
数のブレード43が回転する時に複数のブレード43と
ケーシング62との干渉を防止できる。
【0112】そして、従来の車両用交流発電機100で
は、シャフト105から径方向の外側に向かって大型化
したブラシホルダ111が設けられていることから、冷
却ファン115と所定の軸方向寸法を隔ててブラシホル
ダ111が配置されているため、冷却ファン115の送
風経路を遮ることにより、冷却ファン115の送風効率
(冷却効率)を低下させていた。しかし、この実施例で
は、ブラシホルダ59の前端面より軸方向に沿って前方
に延ばされた、極めてシンプルな円筒状の集電環カバー
(円筒壁部材)61によって、送風装置7の吸い込み側
空間をその全周に亘って均等に確保しているので、送風
装置7の送風効率(冷却効率)を向上でき、しかも環状
ブレード列に吸い込まれる空気に乱れが生じないので、
騒音の発生を抑えることもできる。
【0113】〔実施例と従来例の比較〕次に、炭素(カ
ーボン)質の集電環41および金属質のブラシ51を備
えた実施例と金属質の集電環113および炭素質のブラ
シ116を備えた従来例とを比較した実験について説明
する。この実験は、実施例のブラシ51と従来例のブラ
シ116のバネ荷重Pを種々変化させ、両者のブラシの
摩耗量Qがどのように変化するかについて調査したもの
で、その実験結果を図7のグラフに示した。
【0114】この図7のグラフからも確認できるよう
に、従来例のブラシ116のバネ荷重Pが80gfより
小さくなると、急激にブラシ116の摩耗量Q(mm3
1000h)が増大する傾向にあることが分かる。ま
た、従来例のブラシ116のバネ荷重Pが170gfよ
り徐々に大きくなると、徐々にブラシ116の摩耗量Q
(mm3 /1000h)が増大していく傾向にあることが
分かる。
【0115】一方、実施例のブラシ51のバネ荷重Pが
30gfより小さくなると、急激にブラシ51の摩耗量
Q(mm3 /1000h)が増大する傾向にあるが、従来
のブラシ116の摩耗量Qに対して1/3の摩耗量であ
ることが分かる。また、実施例のブラシ51のバネ荷重
Pが50gfより徐々に大きくなると、徐々にブラシ5
1の摩耗量Q(mm3 /1000h)が増大していく傾向
にあるが、従来のブラシ116の摩耗量Qの増加傾向に
対して微々たるものである。
【0116】したがって、実施例のブラシ51は、ブラ
シ51のバネ荷重の軽減化を達成できることにより、従
来例のブラシ116と比較して、大幅に摩耗量が少なく
なるのでブラシ51の長寿命化を達成できる。また、ブ
ラシ116にピグテール126を一体形成し、且つ接触
圧を確保するためにコイルスプリング123が必要な従
来例のブラシ116と比較して実施例のブラシ51は、
スプリングおよびピグテールを兼ねた銅合金のバネ材で
ある金属質部材で製作されているので、部品点数を軽減
できる。このため、2個の集電環41の周囲に、2個の
ブラシ51、絶縁性部材52および接続ターミナル5
3、54等から構成されるブラシ装置8を組み付ける組
付作業が簡素化できることにより、車両用交流発電機1
の製造コストを低減できる。
【0117】〔第2実施例の構成〕図8ないし図11は
この発明の発電機を車両用交流発電機に適用した第2実
施例を示したもので、図8は車両用交流発電機の全体構
造を示した図で、図9は車両用交流発電機の主要部構造
を示した図であり、図10はリヤハウジングに三相整流
装置、電圧調整装置およびブラシ装置を組み付けた状態
を示した図である。
【0118】この実施例のリヤハウジング12には、シ
ャフト5のリヤ側(後端側)を回転自在に支持する軸受
としてのリヤベアリング17が後記する絶縁性部材52
を介してボス部18に圧入によって固定されている。こ
の実施例の集電装置6のコネクションバー42は、図9
に示したように、界磁コイル34の端末線34aが半田
付け等の手段により電気的に接合されている。
【0119】この実施例の絶縁性部材52は、送風装置
(遠心式ファン)7の冷却翼を構成する複数のブレード
43、これらのブレード43を支持する円環状の支持板
部(環状壁部材)44、および集電環41をインサート
成形した円筒状の集電環固定部45等を有している。な
お、複数のブレード43と支持板部44とから送風装置
(遠心式ファン)7が構成されている。そして、ポール
コア33の後端側の側面に固定された支持板部44の後
端面には、ブラシ装置8と対向する対向面(後端面)に
嵌合部としての凸部46が一体成形さている。
【0120】また、この実施例の絶縁性部材52は、円
筒状のブラシホルダ59、このブラシホルダ59の内周
側に設けられた円筒状のベアリングホルダ(軸受保持部
とも言う)60、ブラシホルダ59の前端側より軸方向
へ延長された円筒状の集電環カバー61、および後記す
る電圧調整装置10のケーシング62を一体成形してい
る。
【0121】ブラシホルダ59は、接続ターミナル5
3、54をインサート成形しており、接続ターミナル5
3、54の各々の先端部を突出した状態で接続ターミナ
ル53、54を保持している。ベアリングホルダ60
は、リヤハウジング12のボス部18内に圧入され、内
周側にリヤベアリング17が圧入によって固定されてい
る。
【0122】集電環カバー61は、本発明の筒状壁部材
であって、絶縁性部材40と共に、2個の集電環41と
2個のブラシ51との摺動部分の周囲を覆っている。こ
の集電環カバー61は、送風装置7の支持板部44と対
向する対向面(前端面)に、支持板部44の凸部46に
嵌め合わされる被嵌合部としての凹部63を形成してい
る。
【0123】このため、絶縁性部材52の凹部63は、
支持板部44の凸部46との間に断面形状が略U字形状
の微小間隙(ラビリンスシール)64が形成される。こ
の微小間隙64は、全周切れ目なく円環状に形成され、
途中で屈曲している。また、第1実施例と同様に、集電
環カバー61と集電環固定部45との間には、2個の集
電環41および2個のブラシ51を収容し、且つ2個の
集電環41の外周を取り囲む円筒状の収容室48が区画
形成されている。したがって、2個の集電環41と2個
のブラシ51との摺動部分が存する収容室48は、送風
装置7および絶縁性部材52により気密的にシールされ
ることになる。
【0124】また、この集電環カバー61の外周と送風
装置7の環状ブレード列の内周との間には、円環状空間
49が区画形成されている。この円環状空間49は、第
1実施例と同様に、送風装置7の環状ブレード列の全周
に向けて均等に吸い込み側空間を形成する。
【0125】そして、ブラシ装置8のブラシホルダ5
9、ベアリングホルダ60および集電環カバー61を形
成する絶縁性部材52と、送風装置7の支持板部44お
よび集電装置6の集電環固定部45を形成する絶縁性部
材40とから収容室48を形成する収容室形成部材が構
成されている。
【0126】電圧調整装置10のケーシング62は、本
発明のブラシホルダの付属部分であって、電気絶縁性の
樹脂質部材(例えばPPS樹脂等)により絶縁性部材5
2と一体成形され、リヤハウジング12に固定ねじ65
により締結固定される複数のブラケット66を有してい
る。これにより、ケーシング62は、絶縁性部材52お
よび2個のブラシ51をリヤハウジング12に固定する
刷子固定手段として働く。また、ケーシング62の内部
には、集積回路等の電子部品がエポキシ樹脂系の樹脂質
部材によりモールド成形されている。
【0127】〔第2実施例の作用〕次に、この実施例の
車両用交流発電機1の作用を図8ないし図11に基づい
て簡単に説明する。
【0128】車両用交流発電機1の三相のステータコイ
ル32、界磁コイル34、三相整流装置9および電圧調
整装置10の各電気部品が通電されることにより発熱す
る。この熱は、ロータ4が回転することにより、ポール
コア33に固定された複数のブレード43が回転するこ
とにより、ハウジング2内に冷却風が吸い込まれること
により冷却される。
【0129】なお、ハウジング2内に冷却風が吸い込ま
れる際に、水や埃等の異物もハウジング2内に侵入す
る。特に、リヤハウジング12の通風口20を通って異
物が侵入すると、集電環41とブラシ51との摺動部分
に入り込む可能性がある。しかし、この実施例では、絶
縁性部材52のベアリングホルダ60によって集電環4
1とブラシ51との摺動部分が存する収容室48のリヤ
ハウジング12側がシールされている。
【0130】さらに、ブラシホルダ59および集電環カ
バー61によって収容室48の外周側がシールされ、支
持板部44の凸部46と絶縁性部材52の凹部63との
間の微小間隙64によって収容室48のポールコア33
側がシールされている。これによって、集電環41とブ
ラシ51との摺動部分で発生する磨耗粉がハウジング2
内に飛散することが防止できる。
【0131】また、水や埃等の異物がハウジング2内に
侵入しても、送風装置7と絶縁性部材52とで囲まれた
空間内、すなわち、集電環41とブラシ51との摺動部
分が存する収容室48内に水や埃等の異物が侵入するこ
とを防ぐこともできる。
【0132】そして、車両用交流発電機1を長期間運転
することにより、シャフト5の外周に一体的に設けられ
た2個の集電環41と絶縁性部材52に保持された接続
ターミナル53、54に機械的に固定された2個のブラ
シ51とが高速回転で摺動して摩耗する。
【0133】しかるに、2個の集電環41で作られてい
るので、自己潤滑性を備えている。すなわち、集電環4
1自身の摩擦係数を軽減することにより、従来の銅合金
製の集電環113と比較して集電環41の摩耗量が大幅
に軽減される。
【0134】また、2個のブラシ51で作られているの
で、軽量化されバネ荷重が軽減することにより2個のブ
ラシ51の摩耗量が大幅に軽減される。したがって、2
個の集電環41および2個のブラシ51の耐久寿命を長
期化することができる。
【0135】〔第2実施例の効果〕上記の構成により、
第1実施例と同様な効果を得ることができる。その他に
以下の効果を備える。
【0136】先ず、送風装置7および絶縁性部材52に
よるシール性能について説明する。上記のように、ロー
タ4がステータ3内を回転すると、2個の集電環41お
よび2個のブラシ51からは、両者の摺動による摩耗粉
が発生して、ハウジング2内の電気部品(例えば三相整
流装置9の電気部品、電圧調整装置10の電子部品、三
相のステータコイル32および界磁コイル34等)に付
着して、絶縁劣化やアース不良等の不具合をもたらす可
能性がある。
【0137】一方、車両の走行時に車両用交流発電機1
が被水した時、ハウジング2内に浸入した水が、2個の
集電環41および2個のブラシ51に触れると、これら
の集電環41およびブラシ51を異常摩耗させて、車両
用交流発電機1の寿命を縮める可能性がある。
【0138】しかるに、この実施例の車両用交流発電機
1は、ロータ4の集電環41を送風装置7に樹脂質部材
によりインサート成形し、送風装置7の支持板部44と
絶縁性部材52の集電環カバー61との互いの対向面に
形成した凸部46と凹部63で円環状の微小間隙64を
設けている。また、絶縁性部材52のブラシホルダ59
とベアリングホルダ60とを樹脂質部材により一体成形
し、リヤベアリング17を絶縁性部材52に一体的に組
み込むことにより、従来のブラシホルダ111とリヤハ
ウジング109との間に形成される隙間をなくしてい
る。
【0139】したがって、2個の集電環41と2個のブ
ラシ51との摺動部分が存する収容室48は、前端側
(ポールコア33の後端壁側)が微小間隙64により気
密化(シール)され、外周側が絶縁性部材52の集電環
カバー61により気密化(シール)され、後端側(リヤ
ハウジング12の側壁側)が絶縁性部材52のブラシホ
ルダ59およびベアリングホルダ60により気密化(シ
ール)されることになる。
【0140】この結果、2個の集電環41と2個のブラ
シ51との摺動により発生する摩耗粉が収容室48より
外部に飛散しないため、ハウジング2内の電気部品(例
えば三相整流装置9の電気部品、電圧調整装置10の電
子部品、三相のステータコイル32および界磁コイル3
4等)に付着して絶縁劣化やアース不良等の不具合を回
避することができる。
【0141】また、ハウジング2内に侵入した水や埃等
の異物が、2個の集電環41と2個のブラシ51との摺
動部分が存する収容室48内に侵入することを妨ぐこと
ができるため、2個の集電環41および2個のブラシ5
1の異常摩耗を抑えることができる。すなわち、2個の
集電環41および2個のブラシ51を外部から侵入する
水や埃等の異物から保護することができるので、2個の
集電環41および2個のブラシ51を長寿命化できる。
これにより、車両用交流発電機1を長寿命化できる。
【0142】次に、ブラシホルダ59とベアリングホル
ダ60とを一体化した場合の効果について説明する。上
記のように、シール性の効果以外に、リヤベアリング1
7(シャフト5の後端部)を保持するベアリングホルダ
60とブラシ51を接続ターミナル53、54を介して
保持するブラシホルダ59とを絶縁性部材(樹脂質部
材)52により一体成形することにより、ブラシホルダ
59とベアリングホルダ60との位置関係が一定とな
り、リヤベアリング17とベアリングホルダ60との組
付け誤差およびブラシホルダ59とベアリングホルダ6
0との組付け誤差によるブラシホルダ59とシャフト5
との軸芯ずれをなくすことができる。
【0143】次に、ブラシホルダ59と電圧調整装置1
0のケーシング62とを一体化した場合の効果について
説明する。ブラシホルダ59とケーシング62とは、従
来より樹脂質部材よりなる樹脂成形品であり、両者を一
体成形することにより、成形型の型数を低減することが
できる。
【0144】また、ブラシホルダ59とケーシング62
とを別体で製作すると、ブラシ装置8の接続ターミナル
53と電圧調整装置10の励磁電流出力端子とを電気的
に結合するためにねじ締めや溶接等のスペースが必要と
なり、ブラシ装置8および電圧調整装置10が大型化し
てしまう。しかし、この実施例の車両用交流発電機1で
は、ねじ締めや溶接等のスペースが必要がないので、ブ
ラシ装置8および電圧調整装置10の小型化を図ること
ができる。したがって、車両用交流発電機1の小型化を
図ることができる。
【0145】そして、ブラシホルダ59から径方向の外
側に延びるケーシング62が送風装置7の環状ブレード
列よりも軸方向の外側に配置されることにより、複数の
ブレード43が回転する時に複数のブレード43とケー
シング62との干渉を防止することができる。さらに、
ブラシホルダ59の筒状部分から径方向外側に向けて延
びるケーシング62内に電圧調整装置10を構成する集
積回路を内蔵することにより、ブラシホルダ59と電圧
調整装置10の小型化を図ることができる。そして、絶
縁性部材52と電圧調整装置10とを含むサブアッセン
ブリの価格を低減することができる。
【0146】次に、送風装置7の複数のブレード43お
よび支持板部44と集電環固定部45とを一体化した場
合の効果について説明する。送風装置7の複数のブレー
ド43および支持板部44と集電環固定部45とを絶縁
性部材(樹脂質部材)40により一体成形することによ
り、1個の成形型で送風装置7と集電環固定部45とを
作り出すことができるので、成形型の型数を低減でき
る。これにより、集電装置6と送風装置7とを含むサブ
アッセンブリの価格を低減することができる。
【0147】また、送風装置7および集電環固定部45
をポールコア33の後端面およびシャフト5の後端部外
周に圧入固定する際に、同時に集電環41とコネクショ
ンバー42のシャフト5への組付作業も行うことができ
る。したがって、これらをロータ4に組み付ける際の作
業工数を減少できるので、作業時間が短縮することによ
り車両用交流発電機1の製品価格を低減することができ
る。
【0148】〔変形例〕この実施例では、本発明を車両
用交流発電機(所謂オルタネータ)1に適用したが、本
発明を建物内の電力供給を行う定置式の交流発電機に適
用しても良い。また、本発明を発電電動機や直流発電機
に適用しても良い。そして、シャフト5をエンジンの出
力軸に直接連結しても良い。この場合には、プーリは不
要となる。また、シャフト5とエンジンの出力軸との間
に一段以上の歯車変速機やVベルト式無断変速機等の伝
動手段を連結しても良い。さらに、シャフト5を電動モ
ータにより回転駆動しても良い。
【0149】この実施例では、集電環41の材質として
炭素質部材(例えば銅合金の発泡骨格金属を金属母体と
して形成した炭素粉末、天然黒鉛、電気黒鉛または金属
黒鉛等)を使用したが、集電環41の材質としてカーボ
ン単体よりも高強度で且つ導電率(導電性)が高い金属
粉末を使用しても良い。なお、この場合でも、ブラシ5
1の材質として金属質部材(例えば銅合金のバネ鋼であ
る燐青銅またはベリリウム銅等)を使用する。
【0150】この実施例では、送風装置7の環状ブレー
ド列および支持板部44で遠心式ファンを構成したが、
送風装置7の環状ブレード列および支持板部44で軸流
式ファンを構成しても良い。また、フロントハウジング
11内、すなわち、ハウジング2内のポールコア33よ
りも軸方向の前方側に集電装置6、送風装置7およびブ
ラシ装置8を設けても良い。
【0151】この実施例では、集電環(スリップリン
グ)として炭素質の集電環41を利用したが、集電環と
して銅合金やステンレス鋼等の金属質の集電環を利用し
ても良い。また、この実施例では、ブラシ部材(ブラ
シ)として板状のブラシ51を利用したが、ブラシ部材
として炭素粉末、天然黒鉛または金属黒鉛等よりなる板
状の炭素質のブラシを利用しても良い。さらに、ブラシ
部材にピグテールを一体成形しても良く、ブラシ部材の
接触圧を別体のスプリングで確保しても良い。
【0152】この実施例では、複数のブレード43、こ
れらを支持する支持板部44、および集電環41をイン
サート成形した集電環固定部45を電気絶縁性の樹脂質
部材により一体成形したが、これらを別体で製作しても
良い。また、複数のブレード43または支持板部44を
金属質部材で製作しても良い。さらに、金属質部材で製
作したブレードと支持板部を集電環と共に樹脂質部材に
よりインサート成形しても良い。
【0153】この実施例では、ブラシホルダ59と電圧
調整装置(レギュレータ)10のケーシング62とベア
リングホルダ60を絶縁性部材52(樹脂質部材)によ
り一体成形したが、これらを別体で製作しても良い。ま
た、ブラシホルダ59および電圧調整装置10のみ一体
成形しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用交流発電機の全体構造を示した
断面図である(第1実施例)。
【図2】図1のA−A断面図である(第1実施例)。
【図3】本発明の車両用交流発電機の主要部構造を示し
た断面図である(第1実施例)。
【図4】本発明の車両用交流発電機の電気接続装置の主
要部構造を示した斜視図である(第1実施例)。
【図5】本発明の車両用交流発電機の主要部構造を示し
た平面図である(第1実施例)。
【図6】図5の拡大図である(第1実施例)。
【図7】実施例のブラシと従来例のブラシの摩耗特性を
示したグラフである。
【図8】本発明の車両用交流発電機の全体構造を示した
断面図である(第2実施例)。
【図9】本発明の車両用交流発電機の主要部構造を拡大
した断面図である(第2実施例)。
【図10】本発明の車両用交流発電機の主要部構造を示
した平面図である(第2実施例)。
【図11】本発明の車両用交流発電機の電気接続の主要
部構造を示した斜視図である(第2実施例)。
【図12】従来の車両用交流発電機を示した断面図であ
る(従来例)。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機 2 ハウジング 3 ステータ 4 ロータ 5 シャフト 6 集電装置 7 送風装置 8 ブラシ装置 9 三相整流装置 10 電圧調整装置 17 リヤベアリング(軸受) 18 ボス部 19 通風口 20 通風口 21 排気口 31 ステータコア 32 ステータコイル 33 ポールコア(ロータコア) 34 界磁コイル(ロータコイル) 40 絶縁性部材(収容室形成部材のロータ側部材) 41 集電環(集電部材) 43 ブレード 44 支持板部(環状壁部材) 45 集電環固定部 46 凸部(嵌合部) 47 微小間隙 48 収容室 49 円環状空間 51 ブラシ(ブラシ部材) 52 絶縁性部材(収容室形成部材のハウジング側部
材) 53 接続ターミナル 54 接続ターミナル 55 ブラシ本体 56 ブラシ被固定部 57 接触子 58 接触子 59 ブラシホルダ 60 ベアリングホルダ 61 集電環カバー(筒状壁部材) 62 ケーシング(ブラシホルダの付属部分) 63 凹部(被嵌合部) 64 微小間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 19/36 H02K 19/36 A

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、 ステータコイルおよびステータコアを有し、前記ハウジ
    ングに対して固定されたステータと、 ロータコイル、ロータコアおよびこのロータコアから延
    長されたシャフトを有し、前記ステータに対して相対回
    転するロータと、 前記ハウジングと前記ロータとの間に設けられ、前記ロ
    ータコイルを通る電流経路を形成するための電気接続装
    置と、 複数のブレードを前記ロータコアの端面上に環状に配列
    して形成された送風装置と、を備えた発電機であって、 前記電気接続装置は、前記シャフト上に設けられた環状
    の集電部材と、この集電部材と接触するブラシ部材と、
    前記ブラシ部材と前記集電部材とを収容し、且つ前記集
    電部材の外周を取り囲む円筒状の収容室を形成する収容
    室形成部材とを備え、 前記収容室形成部材の外周と前記送風装置の環状ブレー
    ド列の内周との間に円環状空間を形成しており、この円
    環状空間は前記送風装置の環状ブレード列の全周に向け
    て略均等に吸い込み側空間を形成していることを特徴と
    する発電機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の発電機において、 前記収容室形成部材は、前記ロータ上に設けられたロー
    タ側部材と、前記ハウジング側に設けられたハウジング
    側部材とを含み、前記ロータ側部材と前記ハウジング側
    部材とが微小間隙を介して対向しており、前記ハウジン
    グ側部材は前記シャフトの先端側で前記収容室を閉塞し
    ていることを特徴とする発電機。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の発電機において、 前記ロータ側部材は、前記送風装置と連続して一体的に
    形成されていることを特徴とする発電機。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の発電機において、 前記ロータ側部材は、前記集電部材を固定する絶縁性部
    材と連続して一体的に形成されていることを特徴とする
    発電機。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の発電機において、 前記ロータ側部材は、前記ロータの端面から前記シャフ
    トに沿って延びる筒状の凸部を有する環状壁部材を含
    み、 前記ハウジング側部材は、開口側が前記環状壁部材と対
    向する筒状壁部材を含み、 前記環状壁部材と前記筒状壁部材とが前記微小間隙を介
    して互いに重複して配置されていることを特徴とする発
    電機。
  6. 【請求項6】請求項2または請求項5に記載の発電機に
    おいて、 前記ハウジング側部材は、前記ブラシ部材を保持する筒
    状のブラシホルダを含み、 前記ブラシホルダは、前記シャフトを軸支する軸受に対
    して位置決めされていることを特徴とする発電機。
  7. 【請求項7】請求項2または請求項5に記載の発電機に
    おいて、 前記ロータ側部材と前記ハウジング側部材との間に形成
    される前記微小間隙は、屈曲した隙間であることを特徴
    とする発電機。
  8. 【請求項8】請求項2に記載の発電機において、 前記ハウジング側部材は、前記ブラシ部材を保持する筒
    状のブラシホルダを含み、前記ブラシ部材に電気的に接
    続される接続ターミナルが前記ブラシホルダ内を貫通し
    た状態で配置されていることを特徴とする発電機。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の発電機において、 前記ブラシホルダは、前記ブラシホルダの筒状部分から
    径方向外側に向けて延びる付属部分を有しており、この
    付属部分は前記送風装置の環状ブレード列よりも軸方向
    外側に配置されることを特徴とする発電機。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の発電機において、 前記付属部分には、前記ロータコイルへの通電電流を制
    御する通電制御回路を搭載していることを特徴とする発
    電機。
  11. 【請求項11】請求項2に記載の発電機において、 前記ハウジング側部材は、前記シャフトを軸支する軸受
    の外周と接触していることを特徴とする発電機。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の発電機において、 前記ハウジング側部材は、前記軸受と前記ハウジングと
    の間に収容され、前記収容室の端部は前記ハウジングと
    前記軸受とによって閉塞されていることを特徴とする発
    電機。
  13. 【請求項13】請求項1に記載の発電機において、 前記ブラシ部材は、前記収容室形成部材に保持されてお
    り、前記集電部材の外周に沿って延びる円弧形状に形成
    されていることを特徴とする発電機。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の発電機において、 前記ブラシ部材は、前記収容室形成部材に固定されるブ
    ラシ被固定部を備え、前記ブラシ被固定部から前記集電
    部材の回転方向の前方側と後方側とのうち少なくとも一
    方に延長され、その前方側と後方側とのうち少なくとも
    一方で前記集電部材と接触していることを特徴とする発
    電機。
  15. 【請求項15】請求項13に記載の発電機において、 前記ブラシ部材は、前記収容室形成部材に固定されるブ
    ラシ被固定部を備え、 前記ブラシ被固定部から前記集電部材の回転方向の前方
    側と後方側との両方に延長され、その前方側と後方側と
    の両方で前記集電部材と接触していることを特徴とする
    発電機。
  16. 【請求項16】請求項1に記載の発電機において、 前記集電部材は、互いに電気的に独立した2個の集電部
    材を有し、 前記2個の集電部材は、電気絶縁性の樹脂質部材によっ
    て、前記シャフトの外周に前記シャフトの軸方向に横並
    びで電気的に絶縁されて保持されていることを特徴とす
    る発電機。
  17. 【請求項17】請求項16に記載の発電機において、 前記ブラシ部材は、前記2個の集電部材のそれぞれに接
    触する互いに電気的に独立した2個のブラシ部材を有
    し、 前記2個のブラシ部材は、前記2個の集電部材の軸方向
    位置に対応して軸方向に互いに離れて設置されていると
    共に、前記シャフトの周方向にも互いに離れて設置され
    ていることを特徴とする発電機。
  18. 【請求項18】ハウジングと、 ステータコイルおよびステータコアを有し、前記ハウジ
    ングに対して固定されたステータと、 ロータコイル、ロータコアおよびこのロータコアから延
    長されたシャフトを有し、前記ステータに対して相対回
    転するロータと、 前記ハウジングと前記ロータとの間に設けられ、前記ロ
    ータコイルを通る電流経路を形成するための電気接続装
    置とを備え、 前記電気接続装置は、前記シャフト上に設けられた環状
    の集電部材と、この集電部材と接触するブラシ部材と、
    前記ブラシ部材と前記集電部材とを収容し、且つ前記集
    電部材の外周を取り囲む円筒状の収容室を形成する収容
    室形成部材とを備え、 前記収容室形成部材は、前記ロータ上に設けられたロー
    タ側部材と、前記ハウジング側に設けられたハウジング
    側部材とを含み、前記ロータ側部材と前記ハウジング側
    部材とが微小間隙を介して対向しており、前記ハウジン
    グ側部材は前記シャフトの先端側で前記収容室を閉塞し
    ていることを特徴とする発電機。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の発電機において、 複数のブレードを前記ロータコアの端面上に環状に配列
    して形成された送風装置を備え、 前記ロータ側部材は、前記送風装置と連続して一体的に
    形成されていることを特徴とする発電機。
  20. 【請求項20】請求項18または請求項19に記載の発
    電機において、 前記ロータ側部材は、前記集電部材を固定する絶縁性部
    材と連続して一体的に形成されていることを特徴とする
    発電機。
  21. 【請求項21】請求項18または請求項19に記載の発
    電機において、 前記ロータ側部材は、前記ロータの端面から前記シャフ
    トに沿って延びる筒状の凸部を有する環状壁部材を含
    み、 前記ハウジング側部材は、開口側が前記環状壁部材と対
    向する筒状壁部材を含み、 前記環状壁部材と前記筒状壁部材とが前記微小間隙を介
    して互いに重複して配置されていることを特徴とする発
    電機。
  22. 【請求項22】請求項18、請求項19または請求項2
    1のいずれかに記載の発電機において、 前記ハウジング側部材は、前記ブラシ部材を保持する筒
    状のブラシホルダを含み、 前記ブラシホルダは、前記シャフトを軸支する軸受に対
    して位置決めされていることを特徴とする発電機。
  23. 【請求項23】請求項18、請求項19または請求項2
    1に記載の発電機において、 前記ロータ側部材と前記ハウジング側部材との間に形成
    される前記微小間隙は、屈曲した隙間であることを特徴
    とする発電機。
  24. 【請求項24】請求項18ないし請求項21のいずれか
    に記載の発電機において、 前記ブラシ部材は、材質として薄板弾性金属質部材が使
    用されていることを特徴とする発電機。
  25. 【請求項25】請求項18ないし請求項24のいずれか
    に記載の発電機において、 前記ハウジング側部材は、前記ブラシ部材を保持する筒
    状のブラシホルダを含み、前記ブラシ部材に電気的に接
    続される接続ターミナルが前記ブラシホルダ内を貫通し
    て配設されていることを特徴とする発電機。
  26. 【請求項26】請求項18に記載の発電機において、 複数のブレードを前記ロータコアの端面上に環状に配列
    して形成された送風装置を備え、 前記ハウジング側部材は、前記ブラシ部材を保持する筒
    状のブラシホルダを含み、 前記ブラシホルダは、前記ブラシホルダの筒状部分から
    径方向外側に向けて延びる付属部分を有しており、この
    付属部分は前記送風装置の環状ブレード列よりも軸方向
    外側に配置されることを特徴とする発電機。
  27. 【請求項27】請求項26に記載の発電機において、 前記付属部分には、前記ロータコイルへの通電電流を制
    御する通電制御回路を搭載していることを特徴とする発
    電機。
  28. 【請求項28】請求項18または請求項19に記載の発
    電機において、 前記ブラシ部材は、前記集電部材の外周に沿って延びる
    円弧形状に形成されていることを特徴とする発電機。
  29. 【請求項29】請求項28に記載の発電機において、 前記ブラシ部材は、前記収容室形成部材に固定されるブ
    ラシ被固定部を備え、 前記ブラシ被固定部から前記集電部材の回転方向の前方
    側と後方側とのうち少なくとも一方に延長され、その前
    方側と後方側とのうち少なくとも一方で前記集電部材と
    接触していることを特徴とする発電機。
  30. 【請求項30】請求項28に記載の発電機において、 前記ブラシ部材は、前記収容室形成部材に固定されるブ
    ラシ被固定部を備え、 前記ブラシ被固定部から前記集電部材の回転方向の前方
    側と後方側との両方に延長され、その前方側と後方側と
    の両方で前記集電部材と接触していることを特徴とする
    発電機。
  31. 【請求項31】請求項18または請求項19に記載の発
    電機において、 前記集電部材は、材質としてカーボン質部材が使用され
    ていることを特徴とする発電機。
  32. 【請求項32】請求項18または請求項19に記載の発
    電機において、 前記ロータ側部材は、前記ハウジング側部材との対向面
    に環状の嵌合部を有し、 前記ハウジング側部材は、前記ロータ側部材との対向面
    に前記嵌合部に嵌め合わされ、前記嵌合部との間に前記
    微小間隙を形成する環状の被嵌合部を有することを特徴
    とする発電機。
JP8236397A 1995-09-06 1996-09-06 発電機 Pending JPH09154262A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013106361A (ja) * 2011-11-10 2013-05-30 Mitsubishi Electric Corp 制御装置一体型回転電機
WO2015159761A1 (ja) * 2014-04-15 2015-10-22 株式会社豊田自動織機 スリップリング機構及びスリップリング機構を備える回転電機
JP2017175699A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 株式会社デンソー 回転電機

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