JP3526501B2 - 傾動式自動注湯方法 - Google Patents

傾動式自動注湯方法

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JP3526501B2
JP3526501B2 JP12640096A JP12640096A JP3526501B2 JP 3526501 B2 JP3526501 B2 JP 3526501B2 JP 12640096 A JP12640096 A JP 12640096A JP 12640096 A JP12640096 A JP 12640096A JP 3526501 B2 JP3526501 B2 JP 3526501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には鋳造技術
に関するものであり、特に、溶解された鉄、アルミニウ
ムなどの金属溶湯を取鍋に所定量保持し、取鍋を傾動す
ることによりモールド枠へと注湯する傾動式自動注湯方
法に関するものである。本発明によれば、取鍋内の湯面
が、特に、注湯終了後の後傾動作時に振動するのを迅速
に抑制した傾動式自動注湯方法が提供される。
【0002】
【従来の技術】溶湯を保持した取鍋を傾動することによ
り注湯する傾動式注湯方法においては、取鍋を前傾させ
溶湯をモールド枠に注ぎ込み、注湯終了後に所定角度だ
け取鍋を後傾させ、次の注湯に備えて停止させる。取鍋
の後傾動作を、注湯時の取鍋前傾動作時に比べ、注湯サ
イクルタイムの短縮化のために速くすると、取鍋内に保
持された溶湯と取鍋内壁との衝突により湯面が振動(液
面振動:スロッシング)し、残留振動が生じる。このス
ロッシングが大きい場合には、溶湯が取鍋より溢れ出た
りする。このような溢流がない場合でも残留振動が長い
と次の注湯時に残留振動が悪影響し、注湯制御を良好に
行なうことができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】傾動式注湯では、溶湯
のモールド枠への正確な注湯、及びモールド枠への注湯
口における注湯レベルを一定にする制御が重要である。
【0004】しかしながら、上述のように、取鍋後傾動
作により湯面が振動すると、それがモールド枠湯口への
正確な注湯制御及びモールド枠内溶湯レベル制御に悪影
響することから、湯面振動をなくす取鍋後傾の回転制御
が現在重要な課題となっている。
【0005】又、取鍋後傾時のスロッシングが大きい場
合には、空気やノロの巻き込みによるコンタミネーショ
ン(溶湯汚濁)が生じ、品質の劣化の原因となることも
ある。
【0006】昨今、注湯装置の自動化、高速化が進めら
れているが、このような溶湯のスロッシングの問題を完
全に解決した注湯方法及び装置は、未だ実用化されては
いない。
【0007】従って、本発明の目的は、傾動式注湯方法
における取鍋の後傾動作を迅速に行ない、しかも取鍋内
溶湯の残留振動をなくし、取鍋後傾動作時の溶湯のスロ
ッシングの問題を完全に解決して、溶湯が取鍋より溢れ
出たり、或は、モールド枠湯口への正確な注湯制御及び
モールド枠内溶湯レベル制御に悪影響を与えることがな
く、更には、空気やノロの巻き込みによるコンタミネー
ション(溶湯汚濁)に起因した製品の品質劣化を未然に
防いだ傾動式自動注湯方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
傾動式自動注湯方法にて達成される。要約すれば、本発
明は、金属溶湯を保持した取鍋を傾動することによって
モールド枠へと注湯する注湯方法において、モールド枠
への注湯終了後に前記取鍋を前記注湯時とは反対方向へ
と後傾する時、前記取鍋は、回転加速度(a)=αsi
nωt(ωは取鍋の回転角振動数)にて後傾動作を行な
い、後傾開始後△T時間に前記取鍋には更に回転加速度
(b)=Kαsinω(t−△T)を加え、取鍋内の溶
湯の湯面振動を制振することを特徴とする傾動式自動注
湯方法である。
【0009】本発明の他の態様によると、金属溶湯を保
持した取鍋を傾動することによってモールド枠へと注湯
する注湯方法において、モールド枠への注湯終了後に前
記取鍋を前記注湯時とは反対方向へと後傾する時、前記
取鍋は、回転加速度(a)=(α/(1+K))sin
ωt(ωは取鍋の回転角振動数)にて後傾動作を行な
い、後傾開始後△T時間に前記取鍋には更に回転加速度
(b)=(Kα/(1+K))sinω(t−△T)を
加え、取鍋内の溶湯の湯面振動を制振することを特徴と
する傾動式自動注湯方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る傾動式自動注
湯方法を図面に則して更に詳しく説明する。図1に本発
明に係る傾動式自動注湯方法を実施するための自動注湯
装置の一実施例を示す。
【0011】自動注湯装置1は、取鍋2を有しており、
該取鍋2は、出湯口3近傍を通る回転中心軸線Oの回り
に傾動可能とされる。本実施例で、取鍋2は、断面形状
が扇形とされる、所謂扇形取鍋とされ、回転中心軸線O
は扇形の要の部分を通るように構成される。
【0012】更に、取鍋2は、取鍋2に固定されたセク
タ歯車4、及び取鍋を支持する枠体5に設けられたピニ
オンギヤ6を介して、サーボモータのような電動機7及
びベルト駆動部材8を備えた駆動手段9にて傾動され
る。
【0013】今、取鍋2を駆動手段9にて回転中心軸線
Oの回りに、図1にて時計方向へと回転傾動することに
より、取鍋2内の溶湯が出湯口3からモールド枠Mの湯
口Mo へと注湯される。1モールド分の注湯が済むと、
取鍋2は、湯切りが円滑に行なわれるように、駆動手段
9により回転中心軸線Oの回りに注湯時とは逆方向へ
と、図1にて反時計方向へと最大速度で後傾し、一定の
角度(溶湯が出湯口3からこぼれない位置)に達した時
この後傾動作を停止する。通常、後傾角度は10°程度
とされる。
【0014】連続したタクトサイクルに従って、次のモ
ールドM枠が注湯ラインLP に沿って所定位置に設置さ
れると、上述の手順に従って繰り返し注湯作業が行なわ
れる。このような注湯作業は取鍋2内の溶湯が1モール
ド分以下になるまで連続して行なわれれる。取鍋2への
溶湯の給湯は、取鍋2を支持した枠体5が搭載された台
車11を軌条12上で後方へと移動させ、そこに位置し
た給湯装置(図示せず)から適宜給湯される。
【0015】上記構成の鋳造システムにおいては、自動
注湯装置1は、取鍋2が、回転中心軸線Oの回りに駆動
手段9にて傾動される時に取鍋2内に保持した溶湯の振
動、即ち、スロッシングが発生する。
【0016】本発明は、上記スロッシングを、取鍋駆動
手段9のサーボモータ7を制御することによって抑制す
るものである。
【0017】先ず、本発明の基礎をなす制振の基本原理
について説明する。上述のように、取鍋内液面振動は取
鍋2の後傾動作時に発生すると考えられるので、取鍋2
の後傾時の液面振動について説明する。
【0018】又、本発明者らの研究実験の結果による
と、取鍋後傾時の取鍋2内の液面は、取鍋後傾開始時に
は液面振動はないものとすると、実際の注湯条件下で
は、ほぼ直線を保ちながら振動しており、液面振動は1
次モードが支配的であることが分かった。従って、1次
モードを対象として、液面振動のモデリングを行なっ
た。
【0019】図2は、図1に示すように、取鍋の回転中
心を取鍋の注湯口に設けた構成の注湯装置の模式図であ
り、取鍋内のスロッシングを単振り子型モデルとして捉
えた時のスロッシングモデルの概念図である。尚、図2
に示す取鍋は、図1の扇形取鍋ではなく、円筒形状とさ
れているが、スロッシングの制振に関しては取鍋の形状
に関係なく同様に考えることができる。
【0020】取鍋の回転中心Or の回りに取鍋がηだけ
傾動したときの振り子の支点Oの回りのモーメントの釣
り合いは、
【0021】
【数1】 となる。
【0022】ここで、η:取鍋傾動角度 ψ:液面振動角度 Or :取鍋回転中心 Og :溶湯の重心 O:振り子の支点 D:取鍋回転中心Or から溶湯重心Og までの距離 θg :線分Org が水平線となす角度 m:溶湯質量 c:等価粘性係数 l:等価振り子長さ である。又、液面振動角度ψは、時計回りの方向を正と
し、初期角度θini からの変動をとる。
【0023】又、上記式(1)で、Jは支点Oの回りの
振り子の慣性モーメントであり、J=ml2 とされる。
gは重力加速度である。
【0024】従って、上記式(1)の左辺は慣性項、右
辺第1項は粘性(減衰)項、右辺第2項は重力項、右辺
第3項は取鍋回転による外力の鉛直成分の項、右辺第4
項は取鍋回転による外力の水平成分の項である。
【0025】本発明にて、取鍋の後傾角度は0.174
5rad(10°)とされるので、ηを十分小さいと見
なすことができる。従って、ψが十分小さいとき、式
(1)を線形近似する。このとき、D、θg は定数と見
なすことができ、又、式(1)にて右辺第3項において
【0026】
【数2】 であるとし、この第3項を省略すると、式(1)は次の
式(2)で表される。
【0027】
【数3】
【0028】更に、その伝達関数G(s)は次の式
(3)となる。但し、sはラプラス演算子である。
【0029】
【数4】
【0030】上述のように、取鍋後傾時の液面振動が式
(2)のような簡単なモデルで表現することができたの
で、このモデルを用い液面振動の制振を行なうことがで
きる。
【0031】一般に、対象システムの伝達関数G(s)
が次の式(4)で示す2次遅れ系で表現でされるとき、
初期時刻t0 にインパルス状に大きさ1の入力を加える
と、図3(A)に示すような振動が生じる。
【0032】
【数5】 但し、 A:システムゲイン ωn :固有角周波数 ζ:減衰比 u(s):入力(注湯では、取鍋の回転加速度) y(s):出力(注湯では、取鍋内溶湯振動の大きさ) s:ラプラス演算子
【0033】これに対して、時刻t1 で実線の振動を打
ち消すような入力インパルスKを加えると、その入力に
対して、点線のような振動が生じる。従って、図3
(A)にて実線で示された2次系の振動特性は、点線の
振動にて互に打ち消され、図3(B)のような振動とな
る。即ち、この制振方法は、逆位相入力による制振方法
である。
【0034】この逆位相入力による制振方法では、逆位
相入力の大きさKと、そのタイミングの時間△T、即
ち、(t1 −t0 )が重要である。2次系の場合は、上
記式(4)の解がラプラス逆変換により求まり、次の式
(5)で示される。
【0035】
【数6】 この式(5)を用いて、K及び△Tが次のように求ま
る。
【0036】
【数7】
【0037】上述したように、最初のインパルス入力1
に対して、△T時間経過後に入力インパルスKを加える
ことにより残留振動を完全になくすことができる。この
方法は、ポジ−キャスト(Posi−Cast)或はプ
リシェイプ(Preshape)理論と呼ばれるもので
ある。
【0038】上述のように、プリシェイプ理論は、上記
式(4)に適用し得るものであるが、本発明の液面振動
モデルは、上記式(3)で示すように、分子も(s)に
ついての2次式である。しかしながら、本発明者らの研
究の理論解析によると、システムの応答については式
(3)の分母が支配的であり、本発明においても同様に
プリシェイプ理論を適用し得ることが分かった。
【0039】しかしながら、上記制振方法では、実際に
は、二つのインパルス状の加速入力で制御するために大
きな入力を要し、しかもインパルス状であるために、実
現が困難であり、又、衝撃的入力であるため、モデル化
されていない高次モードの振動を励起し易く、現実的で
ない。又、実際の注湯においては、インパルスのような
急激な入力を加えると、取鍋内溶湯の飛散を起こす可能
性もあり、好ましいものではない。
【0040】更に、注湯制御では、取鍋を後傾させ、一
定角度で止めなけらばならず、そのためには負の加速度
も必要となる。
【0041】そこで、次に、取鍋後傾時に目的の角度だ
け後傾させ、しかも残留振動をなくす本発明に従った迅
速な取鍋回転制御方法について説明する。
【0042】取鍋後傾での後傾角度の制御:取鍋は、湯
切りや溢流を防ぐため、注湯後、完全に取鍋を戻すので
はなく、一定の後傾角度、上述したように、最大10
°、例えば5°程度、戻される。その時の加減速カーブ
は、インパルス状ではなく、滑らかな正弦波状のカーブ
が望ましい。このとき、この正弦波状のカーブを極めて
滑らかなものとすると時間がかかるので、例えば、図4
(A)に示すように立ち上げ、立ち下げは不連続になら
ないように滑らかにし、そして所定の目標時間(tf
後に目標回転角度(θ)になるような加減速カーブを有
した回転加速度(a)を与える。その時の回転角速度
(v)及び回転角(θ)を図4(B)及び(C)にそれ
ぞれ示す。
【0043】加減速カーブが正弦波状(即ち、回転加速
度a=αsinωt、ωは取鍋の回転角振動数)の場合
に、目標時間tf と目標回転角度θが与えられると、目
標時間tf より回転各振動数ωが、又回転角θよりαが
求められる。
【0044】溶湯の制振:図4(A)の加減速カーブで
は、取鍋の回転終了時tf において残留振動が生じる。
従って、加減速カーブ(図4(A))に対して、上述の
プリシェイプ理論を、図5及び図6に説明するように適
用する。
【0045】つまり、図5(A)には、図4(A)に示
すと同様の取鍋の後傾時の回転加速度を示す加減速カー
ブを示す。この加減速カーブは、コンピュータからの指
令のために、図5(B)に示すように適当なサンプリン
グ間隔、例えば△t=0.01秒で離散化する。
【0046】そこで、この各々のインパルス的加速度に
対して、液体振動をなくすために、式(6)に従い、△
T秒後に、Kの入力を加える。即ち、加速ai (i=
1、2、3、・・・・、10)に対して各々△T秒後に
加速bi (i=1、2、3、・・・・、10)を加え
る。この状態が図6(A)に示される。従って、実際に
取鍋に加えられる加減速カーブは、図6(B)に示すよ
うになる。
【0047】これによって、tf +△T秒後には、残留
振動は完全になくなる。
【0048】溶湯の制振を考慮した目標回転角度への到
達:上述より理解されるように、取鍋内溶湯の液面振動
の制振において、目標取鍋回転角度θを得るために、取
鍋の後傾動作時の回転加速度をa=αsinωtとした
場合、残留振動を打ち消すために△T時間後に取鍋に加
えられる回転加速度は、図7に示すように、b=Kαs
inω(t−△T)である。
【0049】従って、実際には、取鍋に、 a=αsinωt+Kαsinω(t−△T) の加速入力を加えることとなる。
【0050】しかしながら、その場合タンクの回転角
(θ)は、 a=αsinωt と、 a=αsinωt+Kαsinω(t−△T) の加速入力では異なる。
【0051】つまり、取鍋の回転角θは、加速度を2
回、時間で積分すると求まり、 (i)a=Asinωtの場合
【0052】
【数8】
【0053】
【数9】
【0054】従って、残留振動を考慮した(ii)の場合の
回転角θは、(i)の場合の(1+K)倍とされる。
【0055】よって、残留振動を考慮した(ii)の場合
に、回転角θを(α/ω)tf としたい場合には、
【0056】
【数10】 とすればよい。従って、a’=a+bとなり、その積分
は(α/ω)tf となり、回転角度の制御が達成され
る。この状態を図8に示す。
【0057】従って、実際には、 (1)tf と△Tの合計時間が目標時間となるように、
f を決め、ωとαを決定する。但し、△Tは実施され
る注湯方法によって決定される。 (2)下記式にて表される加速度入力を加える。
【0058】
【数11】 (3)これにより、目標時間tf で、目標角度θが達成
され、且つ、tf +△T以降残留振動がなくなる。
【0059】つまり、前記回転加速度(a)=αsin ω
t の一周期により達成される所定の傾動角度と同じ傾動
角度に制御し、しかも、制振させるには、取鍋2は、回
転加速度(a)=(α/(1+K))sin ωt にて後傾
動作を行ない、後傾開始後△T時間に取鍋2には更に回
転加速度(b)=(Kα/(1+K))sin ω(t−△
T)を加えればよい。
【0060】以上説明した本発明を実施するに際して
は、上記式(3)或は式(4)において、減衰係数ζ及
び固有角振動数ωn を求めることが必要であるが、これ
らは、実験により求めることができる。又、これら減衰
係数ζ及び固有角振動数ωn は、例えば、本発明者らが
開発した流体解析数値シミュレータによりコンピュータ
計算によって求めることも可能である。
【0061】ただ、減衰係数ζ及び固有角振動数ωn
は、取鍋内の湯面の位置、即ち、液位により異なるの
で、各液位毎に求める。従って、液面振動の制振のため
の上記式(6)は、液位毎に求めておく。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の傾動式自
動注湯方法は、金属溶湯を保持した取鍋を傾動すること
によってモールド枠へと注湯する注湯方法において、モ
ールド枠への注湯後前記取鍋を、前記注湯時とは反対方
向へと後傾する時、(A)前記取鍋は、回転加速度(a)=αsinωt
(ωは取鍋の回転角振動数)にて後傾動作を行ない、後
傾開始後△T時間に前記取鍋には更に回転加速度(b)
=Kαsinω(t−△T)を加えるか、或いは、 (B)前記取鍋は、回転加速度(a)=(α/(1+
K))sinωt(ωは取鍋の回転角振動数)にて後傾
動作を行ない、後傾開始後△T時間に前記取鍋には更に
回転加速度(b)=(Kα/(1+K))sinω(t
−△T)を加え、 取鍋内の溶湯の湯面振動を制振する構
成とされるので、取鍋の後傾動作を迅速に行ない、しか
も取鍋内溶湯の残留振動をなくし、取鍋後傾動作時の溶
湯のスロッシングの問題を完全に解決して、溶湯が取鍋
より溢れ出たり、或は、モールド枠湯口への正確な注湯
制御及びモールド枠内溶湯レベル制御に悪影響を与える
ことがなく、更には、空気やノロの巻き込みによるコン
タミネーション(溶湯汚濁)に起因した製品の品質劣化
を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の傾動式自動注湯方法を実施するための
自動注湯装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】取鍋内のスロッシングを単振り子型モデルとし
て捉えた時のスロッシングモデルの概念図である。
【図3】図3(A)は、2次系の振動特性を示す図であ
り、図3(B)は逆位相入力による制振の態様を示す図
である。
【図4】取鍋の後傾動作における回転角、回転角速度及
び回転加速度を示す線図である。
【図5】図5(A)は、取鍋に加えられた加減速カーブ
を示し、図5(B)は、この加減速カーブを所定の時間
△t間隔にて離散化した状態を示す図である。
【図6】図6(A)は、取鍋の後傾動作時に振動除去の
ために加減速を加えた状態を示す図であり、図6(B)
は、振動除去を考慮して実際に取鍋に加えられる加減速
カーブを示す図である。
【図7】取鍋の後傾動作時における取鍋の後傾加速度カ
ーブと、振動除去のための追加加速度カーブとを示す図
である。
【図8】取鍋の後傾動作時における制振を考慮した回転
角制御を説明する図である。
【符号の説明】
1 傾動式自動注湯装置 2 取鍋 3 注湯口 9 取鍋駆動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−190541(JP,A) 特開 昭52−111828(JP,A) 特開 昭53−15226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 41/06 B22D 37/00 B22D 46/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属溶湯を保持した取鍋を傾動すること
    によってモールド枠へと注湯する注湯方法において、 モールド枠への注湯終了後に前記取鍋を前記注湯時とは
    反対方向へと後傾する時、前記取鍋は、回転加速度
    (a)=αsinωt(ωは取鍋の回転角振動数)にて
    後傾動作を行ない、後傾開始後△T時間に前記取鍋には
    更に回転加速度(b)=Kαsinω(t−△T)を加
    え、取鍋内の溶湯の湯面振動を制振することを特徴とす
    る傾動式自動注湯方法。
  2. 【請求項2】 金属溶湯を保持した取鍋を傾動すること
    によってモールド枠へと注湯する注湯方法において、 モールド枠への注湯終了後に前記取鍋を前記注湯時とは
    反対方向へと後傾する時、 前記取鍋は、回転加速度
    (a)=(α/(1+K))sinωt(ωは取鍋の回
    転角振動数)にて後傾動作を行ない、後傾開始後△T時
    間に前記取鍋には更に回転加速度(b)=(Kα/(1
    +K))sinω(t−△T)を加え、取鍋内の溶湯の
    湯面振動を制振することを特徴とする傾動式自動注湯方
    法。
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