JP3471564B2 - 負性微分抵抗素子論理回路 - Google Patents

負性微分抵抗素子論理回路

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JP3471564B2 JP14779697A JP14779697A JP3471564B2 JP 3471564 B2 JP3471564 B2 JP 3471564B2 JP 14779697 A JP14779697 A JP 14779697A JP 14779697 A JP14779697 A JP 14779697A JP 3471564 B2 JP3471564 B2 JP 3471564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負性微分抵抗素子
を用いて構成した超高速論理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の負性微分抵抗素子論理回路として
は、例えば特願平4−351114号公報に記載されて
いるものがある。図9〜図13は上記従来例の回路図お
よび特性図である。すなわち、図9に示した回路は、負
性微分抵抗特性を有する2つの素子A、Xの直列接続
と、Xと並列接続された電界効果トランジスタMと、M
のゲートに接続された信号入力端子Pと、AとXの接続
点Uから引き出された信号出力端子Qと、グランドに接
続された端子Tと、回路に電圧を供給する端子Rと、端
子Rとグランドとの間に挿入され、下限V1と上限V2
間で時間とともに振動する電圧VCKを回路に供給する電
圧源VOSCと、から構成される。負性微分抵抗特性を有
する2つの素子A、Xとしては、例えば共鳴トンネルダ
イオードが用いられる。また、電界効果トランジスタM
には、例えばヘテロ接合FETが用いられる。
【0003】また、図10(a)には、負性微分抵抗素
子Xの電流電圧特性X(IV)と、負荷として作用する
負性微分抵抗素子Aの電流電圧特性A(IV)との一例
を示した。この場合、X(IV)とA(IV)との交点は
1個であり、回路は単安定状態にある。VCKの下限電圧
1は、この回路が図10(a)に示すような単安定状
態となる値に設定する。
【0004】また、図10(b)には、負性微分抵抗素
子Xの電流電圧特性X(IV)と、負荷として作用する
負性微分抵抗素子Aの電流電圧特性A(IV)との他の
一例を示した。この場合、X(IV)とA(IV)との交
点は2個であり、回路は双安定状態にある。VCKの上限
電圧V2は、この回路が図10(b)に示すような双安
定状態となる値に設定する。
【0005】この回路で論理動作を得るには、電圧源V
OSCの電圧VCKが電圧V1の状態で、信号入力端子Pに入
力電圧VINを供給する。次いで電圧源VOSCの電圧VCK
を電圧V2へ増加させる。この時、入力信号に応じて、
信号出力端子Qに出力電圧VOUTが得られる(詳細後
述)。更に、一旦、電圧源VOSCの電圧VCKを電圧V1
戻した状態で、信号入力端子Pに次の入力信号を供給
し、次いで再び電圧源VOSCの電圧VCKが電圧V2へ増加
した時、その時の入力信号に応じた出力電圧VOUTが得
られる。この様子を図11(c)に示した。
【0006】次に論理動作原理を説明する。図11
(d)には、AとXの接続点Uと、グランドに接続され
た端子Tとの間の電流電圧特性を、信号入力端子Pへの
入力電圧VINをパラメータとして示す。このような特性
が得られる理由は、U・T間に流れる電流が、負性微分
抵抗特性を有する素子Xに流れる電流と、Xと並列接続
された電界効果トランジスタMに流れる電流との和であ
り、後者が信号入力端子Pへの入力電圧VINが増加する
と増加するためである。図11(d)に示したように、
ピーク電流値IP Xが入力信号VINにより変化するため
に、以下に述べる論理動作が得られる。
【0007】図11(e)には、入力信号VINに応じて
変化するピーク電流値IP Xと、負性微分抵抗特性を有す
る素子Aのピーク電流値IP Aとを、入力電圧VINの関数
として示した。図11(e)において、VIN THはIP X
P Aとの交点の入力電圧を示す。VIN<VIN THではIP A
>IP Xであり、VIN>VIN THではIP A<IP Xである。
【0008】図12(a)から(d)には、VIN L<V
IN THを満足する入力電圧VIN Lを入力し、その後に電圧
源VOSCの電圧VCKを電圧V1から電圧V2へ増加させた
時の、負性微分抵抗素子Xの電流電圧特性X(IV)
と、負荷として作用する負性微分抵抗素子Aの電流電圧
特性A(IV)との変化を示した。図中の白丸が安定点
であり、信号出力端子Qで得られる出力電圧VOUTが、
OUT 1から、VOUT 2、VOUT 3と増加し、VCK=V2では
OUT Hが最終的に出力として得られることを示してい
る。このことは、図12(b)から図12(c)ヘ移る
過程で、ピーク電流の小さい負性微分抵抗素子Xがピー
ク状態から谷状態ヘスイッチする結果として起きる。こ
れにより、出力端子Qに“high”であるVOUT Hが得
られる。
【0009】これに対して、図13(a)から(d)に
は、VIN H>VIN THを満足する入力電圧VIN Hを入力し、
その後に電圧源VOSCの電圧VCKを電圧V1から電圧V2
へ増加させた時における、負性微分抵抗素子Xの電流電
圧特性X(IV)と、負荷として作用する負性微分抵抗
素子Aの電流電圧特性A(IV)との変化を示した。図
中の白丸が安定点であり、信号出力端子Qで得られる出
力電圧VOUTが、VOUT 4から、VOUT 5、VOUT 6と変化
し、VCK=V2ではVOUT Lが最終的に出力として得られ
ることを示している。このことは、図13(b)から図
13(c)ヘ移る過程で、ピーク電流の小さい負性微分
抵抗素子Aがピーク状態から谷状態ヘスイッチする結果
として起きる。これにより、出力には“low”である
OUT Lが得られる。
【0010】以上に論理動作を説明したように、従来の
負性微分抵抗素子論理回路では、入力電圧の変化に伴う
ピーク電流の大小関係の逆転を利用して、VIN THを閾値
とするインバータ動作が実現されている。VOUT H>VIN
THおよびVOUT L<VIN THであれば、これらの論理回路を
多段に接続しても、論理動作は正常に行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
負性微分抵抗素子論理回路では、以下に説明する問題点
があった。図14(a)には、図11(e)と同様、入
力信号VINにより変化する、負性微分抵抗特性を有する
素子Xのピーク電流値IP Xと、負性微分抵抗特性を有す
る素子Aのピーク電流値IP Aとを、入力電圧VINの関数
として示した。図11(e)との違いは、製造工程で発
生する寸法バラツキ等に起因する特性変動を考慮して、
P XとIP Aの値に幅ΔPを持たせて表現した点である。
このような変動があると、論理動作の閾値も図14
(a)に示したように、VIN TH(low)とVIN TH(h
igh)の間に分布するようになる。
【0012】このような状態では、論理回路を多段に接
続したときの正常論理動作には、VOUT H>VIN TH(hi
gh)およびVOUT L<VIN TH(low)が要求される。
言い換えれば、従来回路では、負性微分抵抗特性を有す
る素子X、Aの特性変動に伴い、図14(a)に示した
雑音余裕が著しく減少する。そして雑音余裕が減少した
ため、もし更に何等かの原因でVOUT H、VOUT Lが変動
し、VOUT H>VIN TH(high)またはVOUT L<VIN TH
が満足されなくなると、回路が誤動作することになる。
【0013】負性微分抵抗特性を有する素子X、Aに特
性変動があった場合でも大きな雑音余裕を確保し、回路
の誤動作を回避するためには、図14(b)に示したよ
うに、IP Xの傾きを急にすればよい。こうすれば、V
OUT HとVIN TH(high)との間隔、およびVOUT LとV
IN THとの間隔が広がり、雑音余裕が大きくなる結果、回
路の誤動作が回避できる。このためには、素子Xと並列
接続した電界効果トランジスタMの相互コンダクタンス
gmを大きくする必要があるが、従来回路のように、ピ
ーク電流の大小関係の逆転を利用した論理動作では、大
きな相互コンダクタンスを利用することが困難であると
いう問題点があった。
【0014】その理由を以下に説明する。電界効果トラ
ンジスタMの相互コンダクタンスgmは、ドレイン・ソ
ース間の電圧VDSの関数gm(VDS)である。一方、ピ
ーク電流を得るために必要な素子Xの端子間の電圧をV
Pとすると、素子MとXが並列接続されているため、ピ
ーク電流の変化を決める相互コンダクタンスはgm
(VP)である。ところで、図15(c)に示したよう
に、gm(VDS)はVDSの増加とともに増加する性質が
ある。通常、消費電力の増加を防ぐためVPは低く設定
するのが普通で、VP=0.2V程度である。この値でg
m(VP)を大きさせることは、従来のトランジスタでは
極めて困難である。上記のように、従来技術における問
題点であった、雑音余裕減少を回避するには、回路構成
を工夫して、トランジスタが大きな相互コンダクタンス
を持つ領域を利用できるような回路構成上の工夫が必要
がある。
【0015】本発明は、上記のごとき従来技術における
問題を解決するためになされたものであり、雑音余裕が
大きく誤動作しにくい負性微分抵抗素子論理回路を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。なお、請求項1は例えば後記図1に示す
実施の形態に、請求項2は例えば後記図8に示す実施の
形態に、請求項3は例えば後記図7に示す実施の形態に
それぞれ相当する。
【0017】電界効果トランジスタのgm(VDS)はV
DSの増加とともに増加する性質を有するので、本発明で
は、ピーク電流を得るために必要な素子Xの端子間の電
圧VPより大きな電圧領域で得られる大きな相互コンダ
クタンスgmを利用して、素子の特性変動があっても大
きな雑音余裕が得られる回路構成を実現したものであ
る。具体的には、入力電圧の変化に伴う谷電流の大小関
係の逆転を利用して論理動作を実現するように構成して
いる。前記図11(d)にも示したように、谷電流を得
るために必要な素子Xの端子間の電圧VVはVPよりも大
きく、従って図15(c)に示したように、大きなgm
(VV)〔gm(VV)>gm(VP)〕が利用できる。
【0018】なお、請求項の記載において、トランジス
タの一方の電源端子、他方の電源端子、制御端子とは、
例えば電界効果トランジスタであればソース端子、ドレ
イン端子、ゲート端子に相当し、バイポーラトランジス
タであれば、エミッタ端子、コレクタ端子、ベース端子
に相当する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態について図面を
参照して説明する。 (第1の実施の形態)図1〜図6は本発明の第1の実施
の形態を示す図であり、図1は回路図、図2〜図6は特
性図を示す。まず、図1に示す回路図において、負性微
分抵抗特性を有する2つの素子A、Xの直列接続と、X
と並列接続された電界効果トランジスタMと、Mのゲー
トに接続された信号入力端子Pと、AとXの接続点Uか
ら引き出された信号出力端子Qと、グランドに接続され
た端子Tと、回路に一定電圧VCを供給するための端子
Kと、端子Rとグランドとの間に挿入され、一定電圧V
DDを回路に供給する電圧源VOと、接続点Uと端子Kと
の間に接続されたスイッチSとから構成される。負性微
分抵抗特性を有する2つの素子A、Xとしては、共鳴ト
ンネルダイオードを、また、電界効果トランジスタMに
は、ヘテロ接合FETを用いた。
【0020】図2(a)には、負性微分抵抗素子Xの電
流電圧特性X(IV)と、負荷として作用する負性微分
抵抗素子Aの電流電圧特性A(IV)を示した。X(I
V)とA(IV)との交点は3個あるが、安定点はその
うちの白丸を付した2個であり、回路は双安定状態にあ
る。電圧源VOが回路に供給する一定電圧VDDは、この
回路が図2(a)に示すような双安定状態となる値に設
定する。この時、出力端子Qで得られる出力電圧は、2
つの交点に対応するVOUT LまたはVOUT Hである。
【0021】この回路で論理動作を得るには、スイッチ
Sを閉(on)の状態で、信号入力端子Pに入力電圧V
INを供給する。次いでスイッチSを開(off)の状態
にした時、入力信号に応じて、信号出力端子Qに出力電
圧VOUTが得られる(詳細後述)。更に、一旦、スイッ
チSを閉(on)の状態に戻し、信号入力端子Pに次の
入力信号を供給すれば、次に再びスイッチSを開(of
f)の状態にした時、その時の入力信号に応じた出力電
圧が得られる。上記の様子を図2(b)に示した。
【0022】次に論理動作原理を説明する。図3(c)
には、AとXの接続点Uと、グランドに接続された端子
Tとの間の電流電圧特性を、信号入力端子Pへの入力電
圧VINをパラメータとして示した。このような特性が得
られる理由は、従来回路と同じであるが、U・T間に流
れる電流が、負性微分抵抗特性を有する素子Xに流れる
電流と、Xと並列接続された電界効果トランジスタMに
流れる電流との和であり、後者は信号入力端子Pに入力
電圧VINが増加すると増加するためである。図3(c)
に示したように、谷電流値IV Xが入力信号VINにより変
化するために、以下に述べる論理動作が得られる。
【0023】図3(d)には、入力信号VINにより変化
する谷電流値IV Xと、負性微分抵抗特性を有する素子A
の谷電流値IV Aとを、入力電圧VINの関数として示し
た。VIN THはIV XとIV Aとの交点の入力電圧を示す。V
IN<VIN THではIV A>IV Xであり、VIN>VIN THではI
V A<IV Xである。
【0024】図4(a)〜(d)には、VIN<VIN TH
満足する、或る入力電圧VIN Lを入力し、その後にスイ
ッチSを閉(on)の状態から開(off)の状態にし
た時の、負性微分抵抗素子Xの電流電圧特性X(IV)
と、負荷として作用する負性微分抵抗素子Aの電流電圧
特性A(IV)との変化を示した。
【0025】図4(a)は、スイッチSが閉(on)
で、入力電圧VINが0である時の状態を示す。この状態
では回路は図中で白丸を付した状態にある。結線部Uの
電圧は端子Kの電圧VCと等しい。本実施の形態では、
CはVDD/2に設定した。
【0026】図4(b)は、スイッチSが閉(on)
で、入力電圧VINがVIN Lとなった時の状態を示す。負
性微分抵抗素子X、Aに流れる電流の差分(IV A
V X)は、スイッチSを通してKへ流入する。この状態
から、スイッチSを開(off)にした状態が図4
(c)である。端子Kからの電圧固定が解除されると、
結線部Uの電圧は、本来の安定点であるHへ移動する。
この状態から入力電圧VINを0に戻した状態が図4
(d)である。このようにして、信号出力端子Qで得ら
れる出力電圧VOUTが、VDD/2からVOUT Hに変化し、
出力端子Qに取り出すことができる。このことは、図4
(b)から図4(c)へ移る過程で、谷電流の大きい負
性微分抵抗素子Aが谷状態からピーク状態へ変化する結
果として起きる。これにより、出力に“high”であ
るVOUT Hが得られる。
【0027】一方、図5(a)〜(d)には、VIN>V
IN THを満足する、或る入力電圧VIN Hを入力し、その後
にスイッチSを閉(on)から開(off)の状態にし
た時の、負性微分抵抗素子Xの電流電圧特性X(IV)
と、負荷として作用する負性微分抵抗素子Aの電流電圧
特性A(IV)との変化を示した。図中の白丸が安定点
である。
【0028】図5(a)は、スイッチSが閉(on)
で、入力電圧VINが0である時の状態を示す。この状態
では回路は図中で白丸を付した状態にある。結線部Uの
電圧は端子Kの電圧VCと等しく、VDD/2である。
【0029】図5(b)は、スイッチSが閉(on)
で、入力電圧VINがVIN Hとなった時の状態を示す。素
子X、Aに流れる電流の差分は、スイッチSを通して端
子Kから流入する。この状態から、スイッチSを開(o
ff)にした状態が図5(c)である。端子Kからの電
圧固定が解除されると、結線部Uの電圧は、本来の安定
点であるL点(図5(c)の白丸L点)へ移動する。こ
の状態から入力電圧VINを0に戻した状態が図5(d)
である。このようにして、信号出力端子Qで得られる出
力電圧VOUTが、VDD/2からVOUT Lに変化し、出力端
子Qに取り出すことができる。このことは、図5(b)
から図5(c)ヘ移る過程で、谷電流の大きい素子Xが
谷状態からピーク状態へ変化する結果として起きる。こ
れにより、出力に“high”であるVOUT Lが得られ
る。
【0030】以上に論理動作を説明したように、本実施
の形態による負性微分抵抗素子論理回路では、入力電圧
の変化に伴う谷電流の大小関係の逆転を利用して、VIN
THを閾値とするインバータ動作が実現されている。V
OUT H>VIN THおよびVOUT L<VIN THであれば、これらの
論理回路を多段に接続しても、論理動作は正常に行われ
る。
【0031】このように構成された回路であるため、以
下に述べるような効果が得られた。図6には、図3
(d)と同様、入力信号VINにより変化する、負性微分
抵抗特性を有する素子Xの谷電流値IV Xと、負性微分抵
抗特性を有する素子Aの谷電流値IV Aとを、入力電圧V
INの関数として示した。図3(d)との違いは、製造過
程で発生する製造バラツキ等を考慮してIV XとIV Aの値
に幅ΔVを持たせて表現した点である。このような変動
があると、論理動作の閾値も図6に示したように、VIN
TH(low)とVIN TH(high)の間に分布するよう
になる。このような状態では、論理回路を多段に接続し
たときの正常論理動作には、VOUT H>VIN TH(hig
h)およびVOUT L<VIN TH(low)が要求される。言
い換えれば、本実施の形態でも、従来回路と同様、負性
微分抵抗特性を有する素子X、Aの特性変動に伴い、図
6に示した雑音余裕が減少するが、その減少分は、従来
回路の特性(図14参照)と比較すると格段に少ない。
この理由は、VP<VVであり、IV Xの変調度合を決めて
いるトランジスタMの相互コンダクタンスとして大きな
値gm(VV)〔gm(VV)>gm(VP)〕が利用できる
ためである。
【0032】このように本実施の形態では、素子の特性
変動に伴って雑音余裕が減少するとしても、それは従来
回路と比較して格段に少ないので、もし更に何等かの原
因でVOUT H、VOUT Lが変動しても、VOUT H>VIN TH(h
igh)またはVOUT L<VIN THが満足されなくなる可能
性は低くなり、回路が誤動作する可能性は飛躍的に低減
された。
【0033】(第2の実施の形態)図7は本発明の第2
の実施の形態を示す回路図である。図7の回路は、負性
微分抵抗特性を有する2つの素子A、Xの直列接続と、
Xと並列接続された電界効果トランジスタMと、Mのゲ
ートに接続された信号入力端子Pと、AとXの接続点U
から引き出された信号出力端子Qと、グランドに接続さ
れた端子Tと、端子Rとグランドとの間に挿入され、一
定電圧VDDを回路に供給する電圧源VOと、接続点Uか
ら第二の電界効果トランジスタMSを介して引き出され
たリセット用端子K(回路に一定電圧VCを供給する)
とから構成される。
【0034】負性微分抵抗特性を有する2つの素子A、
Xとしては、共鳴トンネルダイオードを、また、電界効
果トランジスタMおよびMSには、ヘテロ接合FETを
用いた。この実施の形態では、第1の実施の形態のスイ
ッチSの代わりに、第二の電界効果トランジスタMS
利用し、そのゲート端子PSを介してそのゲート電圧を
制御することで、このトランジスタをスイッチとして利
用するものである。従って、回路動作は前記第1の実施
の形態と同じであり、同様の効果が得られた。
【0035】(第3の実施の形態)図8は本発明の第3
の実施の形態を示す回路図である。図8の回路は、負性
微分抵抗特性を有する2つの素子A、Xの直列接続と、
Xと並列接続された電界効果トランジスタMと、Mのゲ
ートに接続された信号入力端子Pと、AとXの接続点U
から引き出された信号出力端子Qと、グランドに接続さ
れた端子Tと、回路に一定電圧VCを供給する端子K
と、端子Rとグランドとの間に挿入された、一定電圧V
DDを回路に供給する電圧源VOと、接続点Uと端子Kと
の間に接続されたスイッチSとから構成される。負性微
分抵抗特性を有する2つの素子A、Xとしては、共鳴ト
ンネルダイオードを、また電界効果トランジスタMに
は、ヘテロ接合FETを用いた。なお、前記図7と同様
に、スイッチSの代わりに第2の電界効果トランジスタ
Sを用いることも出来る。
【0036】論理動作は第1の実施の形態と同じなの
で、詳細説明は省くが、本実施の形態による負性微分抵
抗素子論理回路では、入力電圧の変化に伴う谷電流の大
小関係の逆転を利用して、VIN THを閾値とするバッファ
動作が実現されている。すなわち、VIN<VIN THでは出
力に“low”であるVOUT Lが得られる。また、VIN
IN THでは出力に“high”であるVOUT Hが得られ
る。
【0037】なお、これまでの実施の形態において、負
性微分抵抗素子Xに並列に接続するトランジスタMおよ
びスイッチSの代わりに用いるトランジスタMSとし
て、電界効果トランジスタを用いた場合を例示したが、
バイポーラトランジスタを用いることも勿論可能であ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明では、トラン
ジスタの相互コンダクタンスgm(VDS)がVDSの増加
とともに増加することを利用し、ピーク電流を得るため
に必要な負性微分抵抗素子Xの端子間の電圧VPよりも
大きな谷電流が得られる電圧VVにおける、より大きな
相互コンダクタンスgmを利用することが可能になっ
た。この結果、仮りに素子の特性変動があっても雑音余
裕を大きく保つことができ、誤動作を生じにくくするこ
とが出来る、という効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる負性微分抵抗素子論理回路の第
1の実施の形態を示す回路図。
【図2】第1の実施の形態における特性図。
【図3】第1の実施の形態における特性図。
【図4】第1の実施の形態における論理動作を説明する
ための特性図(VIN L<VIN THの場合)。
【図5】第1の実施の形態における論理動作を説明する
ための特性図(VIN H>VIN THの場合)。
【図6】第1の実施の形態における効果を説明するため
の特性図。
【図7】本発明にかかる負性微分抵抗素子論理回路の第
2の実施の形態を示す回路図。
【図8】本発明にかかる負性微分抵抗素子論理回路の第
3の実施の形態を示す回路図。
【図9】従来の負性微分抵抗素子論理回路の一例の回路
図。
【図10】図9の従来例における特性図。
【図11】図9の従来例における特性図。
【図12】従来例における論理動作を説明するための特
性図(VIN L<VIN THの場合)。
【図13】従来例における論理動作を説明するための特
性図(VIN H>VIN THの場合)。
【図14】従来例の問題点を説明するための特性図。
【図15】従来例の問題点を説明するための特性図。
【符号の説明】
A、X…負性微分抵抗素子 M、MS…電界効果トランジスタ P…信号入力端子 Q…信号出力端子 T…グランド端子 K…リセット端子 PS…第二の電界効果トランジスタMSのゲート端子 VO…電圧源 S…スイッチ VOSC…電圧源 R…電圧源と負性微分抵抗素子との接続点 U…負性微分抵抗素子AとXの接続点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−177402(JP,A) 特開 平10−276082(JP,A) 特開 平10−112647(JP,A) 特開 平9−321610(JP,A) Maezawa K. eta l.,”Flexible and r educed−complexity logic circuits imp lemented with reso nant tunneling tra nsistors”,IEEE Int ernational Electro n Devices Meeting, 1993 Technical Dige st,米国,1993年12月,pages 415−418 前澤宏一 他,単安定一双安定移転を 用いた共鳴トンネル論理ゲート,電子情 報通信学会技術研究報告 MW92−116, 日本,1993年 1月,Vol.92, N o.418,pp 1−8 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 19/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電極が第1の定電圧電源に接続さ
    れ、第2の電極が第2の負性微分抵抗素子の第1の電
    極、トランジスタの一方の電源端子、出力端子、および
    スイッチの第1の端子に接続された第1の負性微分抵抗
    素子と、 第1の電極が前記第1の負性微分抵抗素子の第2の電
    極、前記トランジスタの一方の電源端子、前記出力端
    子、および前記スイッチの第1の端子に接続され、第2
    の電極が接地端子および前記トランジスタの他方の電源
    端子に接続された第2の負性微分抵抗素子と、 一方の電源端子が前記第1の負性微分抵抗素子の第2の
    電極、前記第2の負性微分抵抗素子の第1の電極、前記
    出力端子、および前記スイッチの第1の端子に接続さ
    れ、他方の電源端子が前記第2の負性微分抵抗素子の第
    2の電極および前記接地端子に接続され、制御端子が入
    力端子に接続されたトランジスタと、 第1の端子が前記第1の負性微分抵抗素子の第2の電
    極、前記第2の負性微分抵抗素子の第1の電極、前記ト
    ランジスタの一方の電源端子、および前記出力端子に接
    続され、第2の端子が第2の定電圧電源に接続されたス
    イッチと、 を備えたことを特徴とする負性微分抵抗素子論理回路。
  2. 【請求項2】第1の電極が第1の定電圧電源およびトラ
    ンジスタの一方の電源端子に接続され、第2の電極が第
    2の負性微分抵抗素子の第1の電極、前記トランジスタ
    の他方の電源端子、出力端子、およびスイッチの第1の
    端子に接続された第1の負性微分抵抗素子と、 第1の電極が前記第1の負性微分抵抗素子の第2の電
    極、前記出力端子、および前記スイッチの第1の端子に
    接続され、第2の電極が接地端子に接続された第2の負
    性微分抵抗素子と、 一方の電源端子が前記第1の定電圧電源および前記第1
    の負性微分抵抗素子の第1の電極に接続され、他方の電
    源端子が前記第1の負性微分抵抗素子の第2の電極、前
    記第2の負性微分抵抗素子の第1の電極、前記出力端
    子、および前記スイッチの第1の端子に接続され、制御
    端子が入力端子に接続されたトランジスタと、 第1の端子が前記第1の負性微分抵抗素子の第2の電
    極、前記第2の負性微分抵抗素子の第1の電極、前記ト
    ランジスタの他方の電源端子、および前記出力端子に接
    続され、第2の端子が第2の定電圧電源に接続されたス
    イッチと、 を備えたことを特徴とする負性微分抵抗素子論理回路。
  3. 【請求項3】前記スイッチとして第2のトランジスタを
    用い、前記第2のトランジスタの一方の電源端子をスイ
    ッチの第1の端子とし、前記第2のトランジスタの他方
    の電源端子をスイッチの第2の端子とし、前記第2のト
    ランジスタの制御端子をスイッチの制御端子とした、こ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の負性微
    分抵抗素子論理回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Maezawa K. etal.,"Flexible and reduced−complexity logic circuits implemented with resonant tunneling transistors",IEEE International Electron Devices Meeting, 1993 Technical Digest,米国,1993年12月,pages 415−418
前澤宏一 他,単安定一双安定移転を用いた共鳴トンネル論理ゲート,電子情報通信学会技術研究報告 MW92−116,日本,1993年 1月,Vol.92, No.418,pp 1−8

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