JP3451403B2 - レトルト用ポリオレフィンフイルム - Google Patents
レトルト用ポリオレフィンフイルムInfo
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- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
ムに関するものである。更に詳しくは基材と積層したシ
ートとして、レトルト包装袋に用いる場合のヒートシー
ル層に用いられるフイルム、つまりレトルトパウチ内面
に使用されるポリオレフィンフイルムに関するもので、
安定した低温ヒートシール性、セミレトルト耐性、透明
性及び低温での耐衝撃性に優れ、低温での落袋時の破袋
がし難いレトルト包装フイルムに関するものである。
ルムには、160℃付近に融点を持つエチレン・プロピ
レンブロック共重合体を主成分としたハイレトルト用
(130〜135℃の高温殺菌処理)タイプとエチレン
・プロピレンランダム共重合体を主成分としたセミレト
ルト用(120℃付近での殺菌処理)タイプに大別する
ことができる。エチレン・プロピレンブロック共重合体
を主成分としたフイルムは低温での耐衝撃性及び耐熱性
に優れるが、フイルム自身が不透明であるためレトルト
パウチなどの透明性を要求される用途には使用できな
い。一方、エチレン・プロピレンランダム共重合体を主
成分としたセミレトルト用フイルムは、透明性を有する
が、低温下(−5〜5℃付近)での耐衝撃強度が急激に
低下しやすいため、このフイルムを用いたレトルトパウ
チを寒冷地で使用した場合には、落袋により破袋が生じ
る危険性が大きいという欠点を有することが一般に知ら
れている。さらにセミレトルト用フイルムには、比較的
低温での安定したヒートシール性とセミレトルト時に熱
融着が起きない、いわゆるセミレトルト耐性も併せて要
求される。
えば特開昭59−115312にみられるような柔軟樹
脂の共重合化あるいは特開昭62−3951にみられる
ような複合化が試みられている。
レトルト用フイルムに要求されるこれら全ての特性を一
挙に満足させるのは難しいのが現状である。
ト用フイルムに要求されるこれら全ての特性、すなわち
安定した低温ヒートシール性、セミレトルト耐性、透明
性及び低温での耐衝撃性を一挙に満足させる、レトルト
パウチ内面に使用されるポリオレフィンフイルムとして
のレトルト用ポリオレフィンフィルムを提供することを
目的とする。
パウチ内面に使用されるレトルト用ポリオレフィンフィ
ルムは、融点が130〜150℃のポリプロピレン共重
合体(a)、低密度ポリエチレン(b)および少なくと
も1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
クAと少なくとも1個の水素添加された共役ジェン化合
物を主体とする重合体ブロックBとからなる水添ブロッ
ク共重合体(c)とからなるフイルムであって、(a)
成分が、ポリマ全体に対して40〜70重量%の範囲で
あり、かつ、(b)成分:(c)成分の重量比が1:1
〜10:1の範囲であることを特徴とするレトルトパウ
チ内面に使用されるレトルト用ポリオレフィンフイルム
であり、また該フイルムの両面にポリプロピレン共重合
体(a)を主成分とする樹脂層を積層したレトルト用ポ
リオレフィンフイルムである。
用ポリオレフィンフィルムは、融点が130〜150℃
のポリプロピレン共重合体(a)、低密度ポリエチレン
(b)および少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の水素添加
された共役ジェン化合物を主体とする共重合体ブロック
Bとからなる水添ブロック共重合体(c)とからなるフ
イルムであって、低密度ポリエチレン(b)と水添ブロ
ック共重合体(c)の重量比が1:1〜20:1の範囲
であることを特徴とするレトルト用ポリオレフィンフイ
ルムであり、また該フイルムの両面にポリプロピレン共
重合体(a)を主成分とする樹脂層を積層したレトルト
用ポリオレフィンフイルムである。
融点が130〜150℃のプロピレンとα−オレフィン
モノマーとのランダム共重合体であり、α−オレフィン
モノマーとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1等があげられ、エチレン、ブテン−1が特に好まし
い。これらα−オレフィンモノマーは1種でも2種以上
共重合してもいずれでも良い。
体は公知の方法により1種以上のα−オレフィンモノマ
ーを2〜15重量%程度の範囲で共重合したポリプロピ
レンから入手可能である。メルトフローインデックス
(MFI)は2〜30g/10分の範囲が好ましく、よ
り好ましくは2〜10g/10分である。本発明のポリ
プロピレン共重合体(a)の融点が150℃を超える場
合はフイルムの透明性が劣りやすくなり、またヒートシ
ール温度が高くなるので好ましくない。また130℃未
満ではセミレトルト耐性が損なわれやすくなるので好ま
しくない。
が約0.90〜0.94g/cm3程度のものをいい、
例えば一般的に高圧重合法でいられる低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、または線状低密度ポリエチレン(LL
DPE)などが例示される。またメルトフローインデッ
クス(MFI)は2〜30g/10分の範囲が好まし
い。
少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合
体ブロックAと少なくとも1個の水素添加された共役ジ
ェン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなる構
造を有しており、例えばA−B−A、B−A−B−A、
B−A−B−A−Bおよびこれらの混合物等からなる水
添ブロツク共重合体が挙げられる。そして、該水添ブロ
ツク共重合体はビニル芳香族化合物を10〜40重量%
含むものが好ましい。ここでビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックA、水素添加された共役ジェン化
合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合
体ブロックにおける分子鎖中のビニル芳香族化合物また
は水素添加された共役ジェン化合物の分布がランダム、
テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または
減少するもの)、一部ブロック状(同一重合モノマーが
2個以上連続結合した鎖状部分)またはこれらの任意の
組み合わせで構成されていても良い。
ニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチ
ルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。ま
た水素添加された共役ジェン化合物を構成する水添前の
共役ジェン化合物としては、例えばブタジェン、イソプ
レン、1,3ペンタジェンが挙げられ、特にブタジェン
が好ましい。ビニル芳香族化合物−共役ジェン化合物ブ
ロック共重合体の共役ジェン化合物に基づく脂肪族二重
結合の80%、好ましくは90%以上水素添加し、オレ
フィン系化合物重合体ブロックBとしたものが好まし
い。代表的な共重合体例としてスチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレン共重合体が挙げられ、スチレンの共重
合量としては、10〜30重量%のものが好ましい。
ムの(b)成分と(c)成分の樹脂の重量比は1:1〜
10:1の範囲であることが必要である。(b)成分と
(c)成分の樹脂の重量比を本発明の範囲未満では低温
での耐衝撃性が劣るので好ましくない。また本発明の範
囲を超える場合はセミレトルト耐性が劣るので好ましく
ない。好ましい態様としては、(b)成分はポリマ全体
に対して10〜60重量%の範囲が好ましく、また
(c)成分は好ましくは3〜10重量%の範囲である。
(c)成分は、(a)成分と(b)成分の相溶化作用と
して機能し、少量でも透明性の向上が期待できるが、一
方15重量%を超えると大きな機能向上は望みにくい。
してはポリマ全体に対して40〜70重量%であること
が必要である。ポリプロピレン共重合体(a)の量がこ
の範囲をこえる場合には柔軟性、低温での耐衝撃性が劣
るので好ましくない。またこの範囲未満ではセミレトル
ト耐性が劣るので好ましくない。
面、好ましくは両面にさらに、ポリプロピレン共重合体
(a)を主成分とする樹脂層を積層すると、低温耐衝撃
性、透明性、セミレトルト耐性、低温ヒートシール性の
バランンスに極めて優れたフイルムとなるため、特に好
ましい。
する樹脂は、ポリプロピレン共重合体(a)を主成分と
する樹脂である。積層樹脂に用いるポリプロピレン共重
合体の融点は中心層に用いられるポリプロピレン共重合
体の融点と同一のものであっても、また共重合モノマ
ー、共重合量を変更して融点が異なるものでも良いが、
融点が同一のもののほうが、生産上好ましい。積層樹脂
は、ポリプロピレン共重合体(a)にエチレン・プロピ
レン共重合体(EPR)、エチレン・ブテン共重合体、
水添ブロック共重合体(c)などが15重量%以下で添
加した樹脂とするのが好ましい。
定剤、酸化防止剤、無機、有機の滑剤、帯電防止剤など
が含有せしめることが好ましい。
の範囲が好ましい。また積層フイルムでは、表面層と中
心層の厚み構成比は1:1〜1:50の範囲が好まし
い。
て説明する。まず、本発明の樹脂を所定の組成比に混合
し、原料を準備し、押出機に供給し、230〜280℃
の温度で溶融押出し、瀘過フィルターを経た後、口金か
らシート状に成形し、金属ドラムに巻き付け冷却固化せ
しめ、レトルト用ポリオレフィンフイルムとする。
[(a)を主成分とする樹脂層//基層フイルム]といっ
た2層構成、あるいは[(a)を主成分とする樹脂層//
基層フイルム//(a)を主成分とする樹脂層]といった
3層構成などに積層する場合には、(a)を主成分とす
る樹脂を別の押出機に供給し、230〜280℃の温度
で溶融押出し、ポリマー管内あるいは口金内で[(a)
を主成分とする樹脂層//基層フイルム]、あるいは
[(a)を主成分とする樹脂層//基層フイルム//(a)
を主成分とする樹脂層]の構成になるように合流し、口
金からシート状に成形し、金属ドラムに巻き付け冷却固
化せしめ、積層されたレトルト用ポリオレフィンフイル
ムとする。この時、冷却用の金属ドラムの温度を30〜
50℃として、フイルムの結晶化度を上昇させることが
好ましい。
し、厚みを減少させた延伸フィルムとして用いることも
できる。
単体フィルムで用いることもできるが、基材と貼合せて
用いることが有用である。例えば、ナイロンフィルム、
ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等の耐
熱性フィルム、紙、不織布、発泡シート等と貼合せて用
いることができる。
る。
て測定した。
試験片を重ね合わせ、板状物にはさみ込み、50gの荷
重を加えて、熱風オーブンで100℃の温度で30分加
熱した後、冷却し、試験片が熱融着の有無を調べ、下記
の基準で評価した。
レベルとした。
い、支持体フイルム(二軸延伸ナイロン−6フイルム、
厚さ15μm)とラミネートした後、40℃、2日間エ
ージング硬化した。該フイルムを150℃の温度の熱板
間で1秒加熱圧着した後、幅15mmに切りだし、引張
試験機“テンシロン”で50mm/分の速度でヒートシ
ール部の剥離力を測定した。
0μmのフイルムを直径10cmの円形枠に取り付け、
重量500gの金属球を高さ2.5mの高さよりフイル
ム上の中心に落下させ、光電管でフイルムが破断した直
後の金属球の速度v1 を測定した。次に、円形枠には何
も取り付けないこと以外は上記と同様の条件で金属球を
落下させ、v1 を測定したのと同一の高さでの金属球の
速度v2を測定した。これらの結果から、下記式を用い
てフイルムの衝撃エネルギーEを求めた。
・cm/mil) ただし、mは金属球の重量(kg) dはサンプルフィルムの厚さ(mil)
ン”FS6212(住友化学(株)製、エチレン量4.
5重量%、融点139℃)、低密度ポリエチレン(b)
として“スミカセンα”FZ202−0(住友化学
(株)製LLDPE、密度0.921g/cm3 )及び
水添ブロック共重合体として“タフテック”H1071
(旭化成(株)製、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン量20重量%)を用
い、また表1のように樹脂を配合して、押出機に供給
し、260℃の温度で溶融押出し、スリット状口金に導
き、シート状に成形した後、40℃の温度の金属ドラム
に巻き付け冷却し、ポリオレフィンフイルムとした。フ
イルムには、樹脂量に対し、有機滑剤としてオレイン酸
アミド0.2重量%、無機滑剤として微粒子シリカ(粒
径2μm)0.2重量%添加している。フイルムの厚さ
は、60μmとなるように調節した。得られたフイルム
の特性を表2に示す。
として、エチレン量3.7重量%共重合したポリプロピ
レンランダム共重合体(融点141℃)に“タフテッ
ク”H1071を12重量%混合した樹脂と実施例2の
樹脂混合物を別々の押出機に供給し、260℃の温度で
それぞれ溶融押出し、ポリマー管内で[(a)を主成分
とする樹脂層/基層フイルム/(a)を主成分とする樹
脂層]の構成になるように合流し、口金からシート状に
成形し、金属ドラムに巻き付け冷却固化せしめ、積層さ
れたレトルト用ポリオレフィンフイルムとする。金属ド
ラム温度、滑剤の添加量は実施例2と同様とし、フイル
ム厚さは60μmとし、その構成は5/50/5μmと
した。得られたフイルムの特性を表2に示す。
性、セミレトルト耐性、透明性および低温での耐衝撃性
を一挙に解決することができた(実施例1〜実施例
4)。
衝撃性に劣り、比較例2はセミレトルト耐性に劣り、ま
た、比較例3は透明性、低温での耐衝撃性に劣り、いず
れも本発明の目的を満足し難いものである。
定の範囲としたことで、フイルムの低温ヒートシール
性、セミレトルト耐性、透明性及び低温での耐衝撃性を
一挙に解決することができた。特に、複合フイルムでは
各特性がバランスした極めて優れたフイルムとすること
ができた。
Claims (2)
- 【請求項1】 融点が130〜150℃のポリプロピレ
ン共重合体(a)、低密度ポリエチレン(b)および少
なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックAと少なくとも1個の水素添加された共役ジェ
ン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなる水添
ブロック共重合体(c)とからなるフイルムであって、
(a)成分が、40〜70重量%の範囲であり、かつ、
(b)成分:(c)成分の重量比が、1:1〜10:1
の範囲であることを特徴とするレトルトパウチ内面に使
用されるレトルト用ポリオレフィンフイルム。 - 【請求項2】 請求項1に記載のフイルムの少なくとも
片面にポリプロピレン共重合体(a)を主成分とする樹
脂層を積層することを特徴とするレトルト用ポリオレフ
ィンフイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31648593A JP3451403B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | レトルト用ポリオレフィンフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31648593A JP3451403B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | レトルト用ポリオレフィンフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07166006A JPH07166006A (ja) | 1995-06-27 |
JP3451403B2 true JP3451403B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=18077618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31648593A Expired - Lifetime JP3451403B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | レトルト用ポリオレフィンフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3451403B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-16 JP JP31648593A patent/JP3451403B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07166006A (ja) | 1995-06-27 |
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