JP2000198171A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2000198171A
JP2000198171A JP11098307A JP9830799A JP2000198171A JP 2000198171 A JP2000198171 A JP 2000198171A JP 11098307 A JP11098307 A JP 11098307A JP 9830799 A JP9830799 A JP 9830799A JP 2000198171 A JP2000198171 A JP 2000198171A
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JP
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ethylene
layer
olefin copolymer
olefin
copolymer
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JP11098307A
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English (en)
Inventor
Hideshi Kawachi
秀史 河内
Yuji Sawada
有史 澤田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温雰囲気下でも高い接着力
を示し、また熱履歴を受けた後でも高い接着力を保持す
る、プロピレン系重合体とエチレン・α−オレフィン共
重合体との積層体を提供すること。 【解決手段】 プロピレン系重合体を含む層
(A)、密度が0.880〜0.925(g/cm3
であり、炭素数5〜20のα−オレフィンをコモノマー
とするエチレン・α−オレフィン共重合体を含む層
(B)、および必要に応じてエチレン系重合体を含む層
(C)とを共押出成形して、(A)/(B)または
(A)/(B)/(C)なる構成とした積層体。この積
層体は、シート、フィルム、ボトル、チューブ等の形状
に成形して使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は共押出成形によって
製造された積層体に関し、より詳細には高温下での接着
力あるいは高温履歴後の接着力に優れたポリオレフィン
系の多層フィルム、シート、ボトル、チューブ等の積層
体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンとポリエチレンとの積層
体が従来より求められているが、その積層体を共押出成
形法で製造するには困難な面がある。その理由は、ポリ
プロピレンもポリエチレンも類似の化学構造をとってい
ながらも、この両者は全く異なった結晶構造をとるため
に、両層間の接着力が低いことである。
【0003】そこで両層間の接着力を高めるために、こ
れまではポリエチレン層を形成する樹脂成分として、そ
の密度が0.910(g/cm3)以下の低密度ポリエ
チレンやエチレン・α−オレフィン共重合体、あるいは
低結晶性のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が
使用されてきた。しかしながらこれらの樹脂は低結晶性
であるので、高温雰囲気中に置かれるとすぐに接着力が
低下してしまう。特に熱履歴がかかる分野で使われる製
品では、常温では強固に接着していたかのように一見み
えても、一旦温度を上げたのち常温に戻して接着力を測
定すると、接着力の大幅な低下が認められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、高
温雰囲気下でも高い接着力を示し、また熱履歴を受けた
後にも高い接着力を保持する、プロピレン系重合体とエ
チレン系重合体との積層体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、プロ
ピレン系重合体を含む層(A)と、密度が0.880〜
0.925(g/cm3)の範囲にあり、炭素数5〜20
のα−オレフィンをコモノマーとするエチレン・α−オ
レフィン共重合体を含む層(B)とを共押出成形してな
る積層体に関する。また本発明では、前記のエチレン・
α−オレフィン共重合体が、メタロセン触媒を使用して
製造した重合体であることが望ましく、さらにエチレン
系重合体を配合して使用してもよい。
【0006】
【発明の具体的説明】プロピレン系重合体を含む層
(A) 本発明に使用するプロピレン系重合体は、プロピレンを
主成分とする重合体であって、必要に応じてエチレン、
1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンを10モ
ル%以下の量で共重合させた重合体である。この重合体
は、一般にチーグラー・ナッタタイプまたはメタロセン
タイプの触媒を使用して、プロピレンを単独重合または
前記α−オレフィンと共重合させることによって製造す
ることができ、プロピレンホモポリマー、あるいはプロ
ピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体また
はブロック共重合体のいずれであってもよい。
【0007】このプロピレン系重合体を含む層には、積
層体の使用目的に応じて、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン
・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体
等のエラストマー的な性状を有する成分がブレンドされ
ていてもよい。
【0008】後述するように、このプロピレン系重合体
を含む層はエチレン・α−オレフィン共重合体を含む層
と共に共押出成形されるが、フィルムないしシートを成
形するか、ボトル等を成形するかによって、層を形成す
る樹脂の最適メルトフローレート(MFR)は異なる。
しかし、一般的にはASTM D−1238に準拠し、
230℃、2.16kg荷重下で測定したMFR値が
0.1〜100(g/10分)の範囲にあることが、共
押出成形を行う上で望ましい。
【0009】エチレン・α−オレフィン共重合体を含む
層(B) 本発明に使用するエチレン・α−オレフィン共重合体
は、α−オレフィンとして炭素数5〜20、好ましくは
6〜12、より好ましくは6〜10のα−オレフィンを
コモノマーとしてエチレンと共重合させた重合体であ
る。
【0010】特に好ましいα−オレフィンは、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−デセンのような長い側鎖を有するα−オ
レフィンである。本発明では、α−オレフィンが長い側
鎖を有することが重要であって、その長い側鎖がプロピ
レン系重合体との絡み合いを増し、高温下での高い接着
力維持、あるいは熱履歴後の高い接着力保持に寄与して
いるものと考えている。
【0011】共重合体中に占めるのエチレン単位含量
は、80〜98、好ましくは85〜96モル%、α−オ
レフィン単位の含量は、2〜20、好ましくは4〜15
モル%である。エチレン単位およびα−オレフィン単位
含量が、前記の範囲内にあれば、さらに他のα−オレフ
ィンが少量共重合されていてもかまわない。
【0012】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体は、チーグラータイプの触媒系に属するバナジウム
触媒やチタン触媒を使用して、あるいはメタロセンタイ
プの触媒系を使用して、エチレンと前述したα−オレフ
ィンとを共重合させることによって製造することができ
る。特に、後述する諸物性を満たした共重合体を容易に
製造する上で、メタロセン系触媒の使用が望ましく、そ
の例として、ジルコニウム等の金属イオンにシクロペン
タジエニル環構造を有する化合物を配位させた触媒系を
挙げることができる。
【0013】エチレン・α−オレフィン共重合体は、そ
の密度範囲が0.880〜0.925、より好適には0.
890〜0.915(g/cm3)に調整されているこ
とが望ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体がこ
の密度範囲内にあると、前記したα−オレフィンの長い
側鎖と相乗効果を発揮して、プロピレン系重合体を含む
層(A)との2層の積層体を製造した時に、両樹脂間の
相溶性が高まり、高温下でも高い接着力を示すと共に、
熱履歴を受けた後でも高い接着力の保持を続けることが
できると思われる。
【0014】このエチレン・α−オレフィン共重合体
は、X線回折法で測定した結晶化度が10〜60%、好
ましくは20〜40%であることが望ましい。共重合体
の結晶化度が、前記の範囲にあると優れた接着強度およ
び耐熱接着性を示す。
【0015】また、このエチレン・α−オレフィン共重
合体は、その分子量分布が比較的狭いことが望ましい。
低分子量重合体を多く含む領域を多量に有していると、
このエチレン・α−オレフィン共重合体はべたつき感を
示し、高温時に、あるいは長期使用時にそれら成分がブ
リードアウトしてくるので好ましくない。従って、分子
量分布が次に示す範囲にあると、高い接着強度を示すと
共に、優れた耐衝撃性も示す。
【0016】エチレン・α−オレフィン共重合体の分子
量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)によって測定した重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)によって表
される。本発明に係わるエチレン・α−オレフィン共重
合体の好ましい分子量分布は、Mw/Mnで表現して、
3.5以下、好ましくは1〜2.8である。なお、GP
C測定は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、分離
カラム(長さ600mm、直径72mm)にTSK G
NH HTを用い、移動層にはo−ジクロロベンゼンを
使用し、単分散ポリスチレンを標準物質として使用し
た。
【0017】さらにエチレン・α−オレフィン共重合体
は、押出成形性の観点から、次に記す物性を有している
ことが望ましい。すなわち、溶融重合体の190℃にお
けるずり応力が2.4×106 (dyne/cm2) に
到達する時のずり速度で示される流動性インデックス
(FI (1/秒))と、ASTM D−1238に準
拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルト
フローレート(MFR(g/10分))との関係が、 FI > 75×MFR 好ましくは FI > 80×MFRであることが
望ましい。
【0018】ここで流動性インデックスは、ずり速度を
変えながら共重合体をキャピラリーから押出し、その時
の応力を測定することによって求められる。条件として
は、毛細管式流れ特性試験機(東洋精機製作所製)に共
重合体ペレットを入れ、樹脂温度190℃、ずり応力範
囲5×104 〜3×106(dyne/cm2) 程度で
ある。
【0019】また、190℃における溶融重合体の溶融
張力(MT(g))と、前記のメルトフローレートとの
関係が、 MT > 2.2×MFR-0.84 好ましくは 5.5×MFR-0.65 >MT >
2.2×MFR-0.84より好ましくは 5.5×MFR
-0.65 >MT > 2.5×MFR-0.84であることが望
ましい。
【0020】ここで溶融張力は、溶融重合体を一定速度
で延伸した時の応力測定によって求められる。その時の
条件としては、共重合体ペレットをMT測定機(東洋精
機製作所製)へと入れ、樹脂温度190℃、押出速度1
5mm/分、巻取り速度10〜20m/分、ノズル径
2.09mmφ、ノズル長8mmである。前記の二つの
関係式を満たしたエチレン・α−オレフィン共重合体
は、メタロセン触媒を用いることによって製造すること
ができる。
【0021】このエチレン・α−オレフィン共重合体を
含む層には、本発明の目的から逸脱しない範囲内で、エ
チレン・α−オレフィン共重合体に他の重合体を少量配
合してブレンド体とした後、使用することができる。配
合に適した重合体としては、例えば、低密度ないし高密
度のポリエチレン、低結晶性エチレン系共重合体を挙げ
ることができる。後者の例としては、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。そして、通常
は、前記の重合体が、40重量%以下、好ましくは30
重量%以下の範囲で配合される。
【0022】積 層 体 本発明の積層体は、プロピレン系重合体を含む層(A)
およびエチレン・α−オレフィン共重合体を含む層
(B)とを共押出成形し、(A)/(B)なる構成とし
た積層体である。
【0023】積層体の製造方法としては、それぞれの樹
脂を別々の押出機に供給して加熱溶融し、フィードブロ
ックまたはダイスの中でそれらの溶融樹脂を合流させ、
ダイリップから2層構造体の形で押出して製造する。積
層体が、フィルムないしシートの場合には、冷却しつつ
引き取り、必要に応じて延伸工程を加えることもでき
る。積層体が、ボトルの場合には、ダイリップから2層
のパリソンの形で押出し、一対のブロー金型で挟んで、
ブロー成形することによって製造することができる。
【0024】本発明の積層体は、ポリプロピレン層の持
つ高光沢でかつ高表面硬度の特性と、ポリエチレン層の
持つ柔軟性と耐低温特性とを兼ね備えた物性を有する積
層体とすることができ、フィルム、シート、ボトル、チ
ューブ、パイプ等の用途に使用することができる。例え
ば、ポリプロピレン層を表面層に持つ積層シートは高温
雰囲気下で使用でき、具体的には従来塩化ビニル樹脂が
使用されていたような表皮材の用途として利用できる。
【0025】前述したように、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体を含む層(B)は、(A)/(B)なる構成
の積層体にして、それ自体で一つの表面層としての機能
を発揮させる場合であるが、これ以外に(B)層を中心
として(A)層とは反対側の表面に別の層を積層して、
3層構造とすることもできる。この場合には、エチレン
・α−オレフィン共重合体を含む層(B)は、中間接着
層としての機能を果たすことになる。
【0026】エチレン・α−オレフィン共重合体を含む
層(B)を中間接着層として活用する場合には、(A)
/(B)/(C)なる3層構成の積層体となる。ここ
で、(C)層を形成する樹脂の一例としては、エチレン
系重合体またはそれを含む組成物がある。具体的には、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル
酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、
アイオノマー樹脂(例えば、商品名サーリン)、実質的
に炭素数5以上のα−オレフィンを共重合していない高
圧法低密度ポリエチレン、密度が0.927(g/cm
3)以上、好ましくは0.930(g/cm3)以上の中
・高密度ポリエチレンを挙げることができる。
【0027】この(C)層は、共押出成形法によって、
プロピレン系重合体を含む層(A)およびエチレン・α
−オレフィン共重合体を含む層(B)と共に積層体を形
成することができる。その共押出法に適した樹脂のメル
トフローレート(MFR)は、(C)層を形成する樹脂
がエチレン系重合体である時には、ASTM D−12
38に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定し
た値が0.01〜100(g/10分)である。共押出
成形に際しては、前記したと同様の方法が採用できる。
【0028】エチレン・α−オレフィン共重合体は、前
述した長い側鎖を有するα−オレフィンを構成成分と
し、かつ密度が0.880〜0.925(g/cm3
の範囲にあるので、それを含む層(B)を中間層として
利用した時にも、(A)層および(C)層と十分高い接
着力で積層体を形成することができる。この際、(B)
層の厚さは、(A)または(C)層の厚さの5〜50%
に成形しても、その厚さで十分な接着力が実現できる。
例えば、3層フィルムとする時には、その厚み構成の一
例として、(A)/(B)/(C)=80/20/80
(μm)とすることができる。
【0029】このような3層の積層体の例としては、高
光沢ポリプロピレンを外表面に使用したポリプロピレン
層/中間のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む層
/内側のポリエチレン層なる構成のボトルは、化粧品ボ
トルとして好適に使用できる。さらに外面ポリプロピレ
ン層/中間のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む
層/内面ポリエチレン層なる構成のチューブは、高剛性
でかつ低温ヒートシール性を備えたチューブとして極め
てユニークなものである。なお、前記した本発明に係わ
る2層ないし3層の積層体は、用途に応じて、その外側
に別の樹脂層を設けることもできる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例を通して説
明するが、本発明はそれら実施例に限定されるものでは
ない。なお、ここで使用する重合体は、次の性状を有し
ている。
【0031】(1)プロピレン系重合体(A):プロピ
レン含量96モル%およびエチレン含量4モル%とから
構成されるプロピレン・エチレンランダム共重合体であ
って、DSCで測定した融点Tmが140℃、ASTM
D−1238に準拠し、230℃および2.16kg
荷重下の条件で測定したMFRが6(g/10分)であ
った。
【0032】(2)エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−1):ジルコニウム系メタロセン触媒を用いて重
合し、エチレン含量94モル%および1−ヘキセン含量
6モル%とから構成されるエチレン・1−ヘキセン共重
合体であって、密度が0.905(g/cm3)、AS
TM D−1238に準拠し、190℃および2.16
kg荷重下の条件で測定したMFRが4(g/10分)
であった。
【0033】(3)エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−2):ジルコニウム系メタロセン触媒を用いて重
合し、エチレン含量97モル%および1−ヘキセン含量
3モル%とから構成されるエチレン・1−ヘキセン共重
合体であって、密度が0.920(g/cm3)、MF
Rが4(g/10分)であった。
【0034】(4)エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−3):ジルコニウム系メタロセン触媒を用いて重
合し、エチレン含量93モル%および1−オクテン含量
7モル%とから構成されるエチレン・1−オクテン共重
合体であって、密度が0.895(g/cm3)、AS
TM D−1238に準拠し、190℃および2.16
kg荷重下の条件で測定したMFRが4(g/10分)
であった。
【0035】(5)エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−4):バナジウム系触媒を用いて重合し、エチレ
ン含量89モル%および1−ブテン含量11モル%とか
ら構成されるエチレン・1−ブテン共重合体であって、
密度が0.885(g/cm 3)、ASTM D−12
38に準拠し、190℃および2.16kg荷重下の条
件で測定したMFRが3.6(g/10分)であった。
【0036】(6)エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−5):チタン系のチーグラータイプの触媒を用い
て重合し、エチレン含量96モル%および1−ブテン含
量4モル%とから構成されるエチレン・1−ブテン共重
合体であって、密度が0.921(g/cm3)、MF
Rが0.6(g/10分)であった。
【0037】(7)エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−6):ジルコニウム系メタロセン触媒を用いて重
合し、エチレン含量86モル%および1−オクテン含量
14モル%とから構成されるエチレン・1−オクテン共
重合体であって、密度が0.870(g/cm3)、A
STM D−1238に準拠し、190℃および2.1
6kg荷重下の条件で測定したMFRが4(g/10
分)であった。
【0038】(8)エチレン系重合体(C):高圧法低
密度ポリエチレン(商品名ミラソン12、三井化学(株)
製)であって、密度が0.927(g/cm3)、AS
TMD−1238に準拠し、190℃および2.16k
g荷重下の条件で測定したMFRが3(g/10分)で
あった。
【0039】前記のエチレン・α−オレフィン共重合体
の諸性状を表1にまとめて示した。なお、Mw/Mnは
GPCによって測定した値であり、結晶化度はX線回折
法によって測定した値(%)である。
【表1】 (註)重合触媒:Zr−Mは、ジルコニウム系メタロセ
ン触媒、V−Tは、バナジウム系チーグラー触媒、Ti
−Tは、チタン系チーグラー触媒を示す。エチレンおよ
びα−オレフィン含量は、モル%で示す。α−オレフィ
ンの種類は、その炭素数のオレフィンを示す。
【0040】(実施例1)プロピレン系重合体(A)、
エチレン・α−オレフィン共重合体(B−1)およびエ
チレン系重合体(C)を用い、3種3層キャストフィル
ム成形機を使用して、次の成形条件で3層フィルムを成
形した。 成形条件:フィルム構成;(A)/(B−1)/(C)=80/20/80μm 押出温度 ;全て220℃ チルロール温度 ;25℃ 成形速度 ;10m/分
【0041】このフィルムを23℃および70℃雰囲気
で接着力を測定し、またこのフィルムを85℃で1日保
持した後、23℃雰囲気で接着力を測定し、その接着力
の測定結果を表2に示した。接着力測定方法は、T−剥
離法により、剥離速度は300mm/分で実施した。
【0042】(実施例2)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−2)80部とエチレン・α−オレフィン共重合体
(B−4)20部を220℃に設定した1軸押出機にて
溶融ブレンドして使用した。溶融ブレンド後の物性は、
密度が0.913(g/cm3)、ASTM D−12
38に準拠し、190℃および2.16kg荷重下の条
件で測定したMFRが3.9(g/10分)であった。
その後、実施例1と同様にして3層フィルムを成形し、
接着力の評価を行い、その結果を表2に記した。
【0043】(実施例3)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−3)を用いた以外は実施例1と同様にして3層フ
ィルムを成形し、接着力の評価を表2に記した。
【0044】(実施例4)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−1)90部と高密度ポリエチレン(密度が0.9
65(g/cm3)、ASTM D−1238に準拠
し、190℃および2.16kg荷重下の条件で測定し
たMFRが15(g/10分))10部を220℃に設
定した1軸押出機にて溶融ブレンドして使用した。溶融
ブレンド後の物性は、密度が0.911(g/c
3)、ASTM D−1238に準拠し、190℃お
よび2.16kg荷重下の条件で測定したMFRが4.
5(g/10分)であった。その後、実施例1と同様に
して3層フィルムを成形し、接着力の評価を行い、その
結果を表2に記した。
【0045】(比較例1)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−4)を用いた以外は実施例1と同様にして3層フ
ィルムを成形し、接着力の評価を表2に記した。
【0046】(比較例2)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−5)を用いた以外は実施例1と同様にして3層フ
ィルムを成形し、接着力の評価を表2に記した。
【0047】(比較例3)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−6)を用いた以外は実施例1と同様にして3層フ
ィルムを成形し、接着力の評価を表2に記した。
【0048】(比較例4)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、プロピレン系重合体(A)を用いた以
外は実施例1と同様にして3層フィルムを成形し、接着
力の評価を表2に記した。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例5)プロピレン系重合体(A)、
エチレン・α−オレフィン共重合体(B-1)を用い、2
種2層キャストフィルム成形機を使用して、次の成形条
件で2層フィルムを成形した。 成形条件:フィルム構成;(A)/(B−1)=80/80(μm) 押出温度 ;すべて220℃ チルロール温度;25℃ 成形速度 ;10m/分
【0051】このフィルムの23℃および70℃雰囲気
下での接着力、さらにフィルムを85℃で1日保持した
後、23℃雰囲気下で測定した接着力を表3に示した。
接着力測定方法は、T−剥離法により、剥離速度は30
0mm/分で行った。
【0052】(実施例6)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−3)を用いた以外は実施例5と同様に行い、2種
2層フィルムを成形し、接着力を測定してその結果を表
3に示した。
【0053】(比較例5)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−4)を用いた以外は実施例5と同様に行い、2種
2層フィルムを成形し、接着力を測定してその結果を表
3に示した。
【0054】(比較例6)エチレン・α−オレフィン共
重合体層として、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−5)を用いた以外は実施例5と同様に行い、2種
2層フィルムを成形し、接着力を測定してその結果を表
3に示した。
【0055】
【表3】 (註)接着力の単位は、gf/15mm である。
【0056】(実施例7)エチレン・α−オレフィン共
重合体(B−7)として、ジルコニウム系メタロセン触
媒を用いて重合し、エチレン含量97モル%および1−
ヘキセン含量3モル%とから構成されるエチレン・1−
ヘキセン共重合体を使用した。この共重合体の密度は
0.916(g/cm3)、MFRは0.24(g/1
0分)、Mw/Mnは2.4、および結晶化度は35%
であった。またこの共重合体の流動性インデックスFI
は21(1/秒)、溶融張力MTは7.7(g)であっ
て、75×MFR=18、 2.2×MFR-0.84
7.29であった。
【0057】次に、プロピレン系重合体(A)とエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(B−7)とを用い、実施
例5と同様にして2層フィルムを成形した。その後接着
力試験を行い、次の結果を得た。 接着力 23℃での強度・・・・・・・・・1900gf/15mm 70℃での強度・・・・・・・・・ 900gf/15mm 85℃で1日保持後の強度・・・・2300gf/15mm
【0058】
【発明の効果】本発明では、長い側鎖を有するα−オレ
フィンをコモノマーとしたエチレン・α−オレフィン共
重合体を使用し、かつその密度範囲を0.880〜0.
925(g/cm3)にしたので、それを含む層とプロ
ピレン系重合体を含む層との積層体は、高温雰囲気下で
も高い接着力を示し、かつ熱履歴を受けた後でも高い接
着力を保持している。
【0059】またエチレン・α−オレフィン共重合体を
含む層を中心としてその外側にプロピレン系重合体を含
む層およびエチレン系重合体等の樹脂を含む層を別々に
配置した積層体とすることもでき、高温下でも高い層間
接着強度を有している。これら積層体は、フィルム、シ
ート、ボトル、チューブ、パイプ等の用途に使用するこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK04B AK07A AK62B AK63B AK66A AL05B BA02 BA03 BA10A BA10B BA15 BA16 EH20 GB16 GB90 JA13B JJ03 JK06 4F207 AA04K AA08K AA11 AG01 AG03 AG08 AH55 KA01 KB26 KL65 4J002 BB032 BB051 BB052 BB062 BB152 GF00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系重合体を含む層(A)と、
    密度が0.880〜0.925(g/cm3)の範囲にあ
    り、炭素数5〜20のα−オレフィンをコモノマーとし
    たエチレン・α−オレフィン共重合体を含む層(B)と
    を共押出成形してなることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 前記のエチレン・α−オレフィン共重合
    体が、メタロセン系触媒を用いて共重合され得るエチレ
    ン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請
    求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 前記のエチレン・α−オレフィン共重合
    体を含む層(B)が、前記のエチレン・α−オレフィン
    共重合体とエチレン系重合体とからなることを特徴とす
    る請求項1または2記載の積層体。
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