JP3445825B2 - 二次電池の充電装置 - Google Patents

二次電池の充電装置

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JP3445825B2
JP3445825B2 JP09996094A JP9996094A JP3445825B2 JP 3445825 B2 JP3445825 B2 JP 3445825B2 JP 09996094 A JP09996094 A JP 09996094A JP 9996094 A JP9996094 A JP 9996094A JP 3445825 B2 JP3445825 B2 JP 3445825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二次電池の充電装置に係
り、特にニッケルカドミウム二次電池や、ニッケル水素
二次電池などのアルカリ二次電池の急速充電に適した充
電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】二次電池を短時間で充電するための急速
充電器においては、電池が満充電となったことを判定し
て急速充電を終了する。満充電の判定方式は種々考えら
れているが、その一つとして温度微分検出方式がある。
これは電池の温度微分、つまり単位時間当たりの温度上
昇量が充電末期には急激に増加することを利用し、この
温度微分が所定値、例えば1℃/分に達したことをもっ
て満充電と判定する方式である。
【0003】ところで、この温度微分検出方式の急速充
電器においては、急速充電開始時点から一定時間(例え
ば3分間)は温度微分検出による満充電の判定を行わな
いのが普通である。これは、例えばスキー場のような寒
冷地において、屋外(例えば0℃)で使用していた電池
を室内(例えば25℃)に持ち込んで急速充電を行う場
合、最初は電池温度と周囲温度との温度差が大きいため
に、充電開始直後でも例えば1分間当たりの温度上昇量
が1℃を越えてしまい、満充電でないにもかかわらず満
充電と判定してしまうことがあるからである。このよう
な場合、電池は当然のことながら充電不足となる。
【0004】そこで、周囲温度による電池の温度上昇が
落ち着く時間として例えば3分間という時間を設定し、
この間は温度微分検出による満充電の判定を行わず、3
分間経過してから温度微分検出を行う方法が考えられて
いる。このようにすれば、充電による温度上昇を確実に
捕らえることができ、満充電を正しく判定することが可
能となる。
【0005】しかし、この方式では電池を低温の屋外か
ら室内に持ち込んで充電する場合には満充電を誤判定す
ることがないが、既に充電が完了している満充電状態の
電池を再充電してしまった場合には、充電開始後は3分
間といった時間は満充電の判定を行わないことから、満
充電であるにもかかわらず3分間+1分間=4分間にわ
たり再充電が行われるため、過充電になる可能性があ
る。また、温度微分検出が1℃/分でなく例えば4℃/
4分の場合には、温度微分非検出時間の3分間+温度微
分検出の単位時間の4分間の7分後に急速充電を停止す
ることになるため、7分間にわたり過充電が行われるこ
とになり、電池温度は15℃以上も上昇し、電池の劣化
が進行してまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
温度微分検出方式による急速充電器では、電池を周囲温
度の低い環境から高い環境に持ち込んで急速充電を行う
場合、充電開始直後に満充電を検出してしまうため充電
不足となることがあり、この問題を避けるために充電開
始後一定時間は温度微分検出による満充電の判定を行わ
ないようにすると、既に充電が完了している電池を再充
電した場合には過充電が生じ、電池を劣化させるという
問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の温度微分検出
方式による急速充電器の問題点を解消するためになされ
たもので、満充電を誤判定することによる充電不足がな
く、また満充電状態の電池を急速充電することによる過
充電のおそれもない二次電池の充電装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二次電池の
充電装置は、二次電池の温度を検出する温度検出手段
と、この温度検出手段により検出される温度の温度微分
値を求める温度微分計算手段と、この温度微分計算手段
により計算される温度微分値が所定の基準温度微分値以
上となったとき、及び温度微分値が充電開始時点または
これより一定時間経過後の時点より次第に大きくなると
きは急速充電を終了させ、温度微分値が充電開始時点ま
たはこれより一定時間経過後の時点より次第に小さくな
るときは前記急速充電を続行させる充電制御手段と、前
記基準温度微分値を急速充電開始時からの時間経過に伴
い小さくなるように順次段階的に少なくとも1回以上変
化させる基準温度微分値制御手段とを備えたことを特徴
とする。
【0009】ここで、前記基準温度微分値制御手段は、
充電開始後の経過時間と基準温度微分値とを関係付けて
格納したテーブルと、充電開始後の経過時間を計測する
タイマとを有し、該タイマにより計測された経過時間に
対応する基準温度微分値を該テーブルから読み出すこと
を特徴とする。
【0010】
【0011】
【作用】本発明では、充電装置に二次電池がセットされ
て急速充電を開始するとき、充電開始後一定時間の間は
基準温度微分値が比較的大きな値に設定され、その後、
基準温度微分値はこれより小さな値に設定される。従っ
て、最初に設定する基準温度微分値を比較的大きい適当
な値に設定すれば、満充電状態でない電池を満充電と誤
判定することがなくなるために、充電不足が防止され
る。また、充電開始時点から一定時間経過した後の基準
温度微分値を最初に設定した基準温度微分値より小さな
適当な値に設定すれば、満充電状態の電池をセットした
場合、急速充電は直ちに停止されることにより、過充電
が防止される。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明に係る実施例を示す二次電池の充
電装置の回路構成図である。図1において、電池パック
1はアルカリ二次電池などの二次電池(以下、単に電池
という)2と、この電池2の近傍に配置された温度測定
用のサーミスタ3を筐体内に設けたものである。図1
は、この電池パック1が充電装置4にセットされた状態
を示している。なお、電池パック1が組み込まれた携帯
電話機その他の機器を充電装置4にセットするようにし
てもよい。
【0013】充電装置4は、次のように構成されてい
る。充電装置4には商用交流電源5(例えば100V)
からの電力が入力され、ノイズ除去のためのフィルタ6
を介して整流平滑回路7により直流化された後、トラン
ス8の一次側に与えられる。トランス8の一次側には、
パワーMOSトランジスタからなるスイッチングトラン
ジスタ9が抵抗10を介して接続されている。スイッチ
ングトランジスタ9は、PWM(パルス幅変調)回路1
1の出力によってスイッチングされる。これによりトラ
ンス8の一次側にパルス電流が流れ、トランス8の二次
側にエネルギーが伝達される。トランス8の二次側に生
じた出力は、整流平滑回路12により直流化された後、
急速充電用トランジスタ13、またはトリクル充電用ト
ランジスタ14と抵抗15の直列回路を通り、さらに逆
流防止用ダイオード16を介して、電池2に充電電流と
して供給される。なお、整流平滑回路12の出力はフォ
トカプラ17の発光素子18にも供給され、フォトカプ
ラ17の受光素子19の出力はPWM回路11に入力さ
れる。
【0014】マイクロコントローラ20は、マイクロコ
ンピュータを主体として構成され、急速充電用トランジ
スタ13、トリクル充電用トランジスタ14、フォトカ
プラ17およびLED31の制御を行うものである。こ
のマイクロコントローラ20には、抵抗21とサーミス
タ3との接続点の電圧(以下、サーミスタ電圧という)
Vtと、抵抗22,23により電池2の電圧VB を分圧
した電圧(以下、電池電圧分圧値という)Vbが入力さ
れている。
【0015】抵抗24〜29および演算増幅器30は、
充電電流を一定にする制御を行うために設けられてい
る。演算増幅器30の反転入力端子には、充電路に直列
に挿入されて充電電流を検出する抵抗24の端子電圧が
抵抗27を介して入力され、非反転入力端子には+5V
の電源電圧を抵抗25,26により分圧した電圧(基準
電圧)が抵抗28を介して入力される。演算増幅器30
の反転入力端子と出力端子との間には抵抗29が接続さ
れ、抵抗27と抵抗29により演算増幅器30の利得が
決定される。演算増幅器30の出力端子は、フォトカプ
ラ17の発光素子18の整流平滑回路12の出力端子に
接続された側と反対側に接続されている。このような構
成により、演算増幅器30の反転入力端子と非反転入力
端子の電位が等しくなるようにフィードバック制御が施
される。
【0016】例えば、電池2の充電電流が大きく、電流
検出用抵抗24の端子電圧が大きいときは、演算増幅器
30の非反転入力端子より反転入力端子の方が高電位と
なるため、演算増幅器30の出力電圧は低くなり、発光
素子18に流れる電流が増大する。この結果、PWM回
路11の出力パルス幅、つまりスイッチングトランジス
タ9のオン時間幅が短くなり、トランス8の二次側に伝
達されるエネルギーが減少して、充電電流が小さくな
る。
【0017】逆に、電池2の充電電流が小さいときは、
演算増幅器30の非反転入力端子より反転入力端子の方
が低電位となるため演算増幅器30の出力電圧は高くな
り、発光素子18に流れる電流が減少するため、PWM
回路11の出力パルス幅、つまりスイッチングトランジ
スタ9のオン時間幅が長くなり、トランス8の二次側に
伝達されるエネルギーが増加することにより、充電電流
は大きくなる。
【0018】このようにして、充電電流に応じた抵抗2
4の端子電圧と抵抗25,26により得られた基準電圧
とが等しくなるようにフィードバック制御が行われ、充
電電流が定電流制御される。
【0019】マイクロコントローラ20は、マイクロコ
ンピュータを用いたソフトウェア処理によって制御を行
うものである。図2に、マイクロコントローラ20の機
能ブロック図を示す。
【0020】図2において、サーミスタ電圧Vtおよび
電池電圧分圧値VbはA/D変換器41,42によりそ
れぞれディジタル値に変換された後、電池温度計算部4
3および電池電圧検出部44にそれぞれ入力され、電池
温度TB および電池電圧VBが求められる。電池温度計
算部43の出力は、電池温度判定部45と温度微分計算
部46に入力される。電池温度判定部45は、電池電圧
がどのような温度範囲にあるかを判定するものである。
温度微分計算部46は、電池の温度微分、つまり単位時
間当たりの温度上昇量を求めるものである。
【0021】温度微分計算部46の出力は温度微分値判
定部54に入力される。温度微分値判定部54は、温度
微分計算部46により求められた温度微分値を基準温度
微分値テーブル55から読み出された基準温度微分値と
比較して大小を判定する。基準温度微分値テーブル55
は、急速充電開始後の経過時間と基準温度微分値との関
係をROMのようなメモリに格納したものであり、その
一例を図6に示す。
【0022】一方、電池電圧検出部44の出力は、電池
状態判定部47に入力される。電池状態判定部47は、
電池電圧から電池2が正常かどうかを判定するものであ
る。A/D変換器41の出力は、電池パックセット検出
部48にも入力される。電池パックセット検出部48
は、電池パック1が充電装置4にセットされているかど
うかを検出するものである。
【0023】A/D変換器41、電池温度判定部45、
電池状態判定部47、電池パックセット検出部48およ
び温度微分値判定部54の出力は充電制御部50に入力
され、充電制御部50はこれらの出力に基づいて、急速
充電用トランジスタ13への急速充電制御信号51、ト
リクル充電用トランジスタ14へのトリクル充電制御信
号52、および充電スタート信号53を発生する。充電
スタート信号53は、図1における抵抗28の一端に供
給される。
【0024】さらに、充電制御部50は急速充電開始時
点からの経過時間を計測するタイマ49の出力(タイマ
値)に基づいて基準温度微分値テーブル55から該経過
時間に対応した基準温度微分値を読み出し、これを温度
微分値判定部54に与える制御も行う。
【0025】次に、図3に示すフローチャートを参照し
て本実施例の動作を説明する。まず、サーミスタ電圧V
tがA/D変換器41を介して読み込まれる(ステップ
101)。電池パック1が充電装置4にセットされる
と、サーミスタ電圧Vtはそれまでの+5Vからサーミ
スタ3と抵抗21との分圧によって低下する。ここで、
サーミスタ電圧Vtが所定値(例えば、4.8V)以下
になると、電池パックセット検出部48によって電池パ
ック1が充電装置4にセットされたことが検出される
(ステップ102)。
【0026】ステップ102において電池パック1のセ
ットが検出されると、電池温度計算部43によりサーミ
スタ電圧Vtが温度データに変換されて電池温度TB が
計算され(ステップ103)、次いで電池温度判定部4
5により電池温度TB が0℃以上、かつ40℃以下の範
囲にあるかどうかが判定される(ステップ104)。電
池温度TB が0℃≦TB ≦40℃の範囲に入ると、引き
続いて充電制御部50から出力されるトリクル充電制御
信号52が“L”レベルとなることにより、トリクル充
電用トランジスタ14がオンとなって、トリクル充電が
行われる(ステップ105)。この後、電池電圧分圧値
VbがA/D変換器42を介して読み込まれ(ステップ
106)、電池電圧検出部44により電池電圧VB が求
められ、さらに電池状態判定部47によって電池電圧V
B から電池2が正常かどうかが判定される(ステップ1
07)。具体的には、単セル当りの電池電圧VB が1.
0V≦VB ≦1.7Vの範囲内のとき電池2は正常と判
定される。ここで、電池2が正常でなければ処理は終了
し、急速充電は行われない。
【0027】電池2が正常の場合は、タイマ49がスタ
ートされ(ステップ108)、充電開始時点からの経過
時間が計測されると共に、このタイマ49のタイマ値
(充電開始時点からの経過時間)と基準温度微分値テー
ブル55に基づいて基準温度微分値が設定される(ステ
ップ109)。そして、充電制御部50から出力される
急速充電制御信号51が“L”レベルとなることによ
り、急速充電用トランジスタ13がオンになると共に、
充電スタート信号53が“L”レベルとなることによっ
て、急速充電が行われる(ステップ110)。この間、
LED31がマイクロコントローラ20により制御され
て点灯し、急速充電が行われていることを示す。また、
この急速充電中、充電電流は前述したフィードバック制
御によって一定に保たれる。
【0028】さらに、この急速充電の間、温度微分計算
部46によって電池温度TB の温度微分、つまり単位時
間(例えば1分)当たりの温度上昇率が計算され、この
温度微分値が温度微分値判定部54においてステップ1
09で設定された基準温度微分値以上となると電池2は
満充電と判定される(ステップ111)。電池2が満充
電と判定されると、急速充電制御信号51および充電ス
タート信号53が共に“H”レベルとなることにより、
急速充電は終了する。
【0029】次に、基準温度微分値の設定方法について
具体的に説明する。図4に、周囲温度25℃、電池温度
25℃のときの急速充電特性を示す。同図に示されるよ
うに、充電電流Iとして1.0Cを流したとすると、電
池電圧VBは次第に上昇し、それに伴い電池温度TB も
上昇していく。電池温度TB の温度上昇率は、充電開始
直後401では比較的大きく、その後は緩やかな上昇と
なり、満充電に近付いたとき402では再び大きくな
る。ここで、従来の場合は急速充電開始直後から温度微
分検出を行い、これが基準温度微分値である1℃/分に
達すると、満充電とみなして急速充電を停止していた。
【0030】図5の特性501は、周囲温度および電池
温度が共に25℃のときの充電に伴う電池温度の温度上
昇特性である。これに対し、例えば周囲温度が25℃で
電池温度が0℃の場合(例えばスキー場の屋外から25
℃の室内に電池パック1を持ち込んで充電したケースが
これに相当する)、電池温度TB は図5の特性502の
ように上昇する。この特性502に従うと、電池温度は
0℃から3分後に3.3℃になることから、充電しなく
とも1分間に1.1℃以上温度上昇する。この温度上昇
に充電による温度上昇を加算すると、図5の特性503
の特性となり、3分後に0℃から5℃まで上昇するた
め、急速充電開始直後の温度微分検出で満充電として誤
判定してしまう。この誤判定を避けるため、従来では急
速充電開始直後3分間は温度微分検出による満充電の判
定を行わないようにしていた。
【0031】これに対し、本実施例では図6に示す基準
温度微分値テーブル55の内容に従って、基準温度微分
値を充電開始時点からの時間経過に伴い例えば1分毎に
順次段階的に小さくする。この基準温度微分値テーブル
55に従うと、基準温度微分値は充電開始時点から1分
の間は2.7℃/分、1分〜2分の間は1.8℃/分、
2分〜3分の間は1.5℃/分、3分〜4分の間は1.
1℃/分、4分以降は1.0℃/分のように可変設定さ
れる。
【0032】図6の基準温度微分値テーブルに示される
可変の基準温度微分値を用いると、図5の電池温度上昇
特性502,503に対する温度微分検出動作は、次の
ようになる。図7は、図5の特性502,503の充電
開始直後の変化を拡大して示したものである。図7の特
性503において、充電開始時点から1分後の電池温度
は2.3℃であり、この間の基準温度微分値2.7℃/
分より小さいので満充電とは判定されない。充電開始時
点から2分後の電池温度は3.8℃で、1分〜2分の間
の温度上昇は1.5℃であり、この間の基準温度微分値
1.8℃/分より小さいので、やはり満充電とは判定さ
れない。以下同様に、2分〜3分の間の温度上昇は1.
2℃であり、基準温度微分値1.5℃/分より小さく、
また3分〜4分の間の温度上昇は0.9℃であり、基準
温度微分値1.1℃/分より小さく、さらに4分以降も
1分当りの温度上昇は基準温度微分値1.0より小さい
ため、満充電とは判定されない。
【0033】このように充電開始直後は基準温度微分値
を大きく設定することにより、電池パック1を0℃とい
った低温の場所から25℃といった温度の室内に持ち込
んで急速充電を行う場合、電池2が満充電でないにもか
かわらず満充電と誤判定することがなく、充電不足を回
避することができる。
【0034】次に、電池温度TB が0℃で満充電状態の
電池を急速充電する場合について考える。この場合の電
池温度上昇特性は、図7の特性504に示される。この
特性504によると、充電開始時点から1分後の電池温
度は2.6℃であり、基準温度微分値2.7℃より小さ
いので満充電とは判定されない。充電開始時点から2分
後の電池温度は4.7℃で、1分〜2分の間の温度上昇
は2.1℃であり、この間の基準温度微分値1.8℃/
分より大きいので満充電と判定され、充電が停止される
ことになる。
【0035】このように充電開始後一定時間が経過した
後は、基準温度微分値を小さな値に設定することによ
り、満充電状態の電池をセットした場合、この時間が経
過した時点で満充電が判定され、直ちに急速充電が停止
されるため、電池2の過充電を防止することができる。
【0036】次に、電池温度TB が25°Cで満充電状
態の電池を急速充電する場合について考える。この場合
の電池温度上昇特性は、図4の特性502が加算されな
いために、特性503から特性502を差し引いた特性
となる。この特性によると、充電開始時点から1分後の
温度上昇は2.6°C−1.6°C=1.0°Cであ
り、基準温度微分値2.7°C/分より小さいので満充
電とは判定されず、2分後の電池温度は4.7°C−
2.7°Cで、1分後の電池温度1.0°C対して1.
0°Cの温度上昇であり、基準温度微分値1.8°C/
分より小さいので満充電とは検出されない。3分後も電
池温度は7.3°C−3.6°Cで、2分後の電池温度
2.0°Cに対して1.7°Cの温度上昇であり、これ
基準温度微分値1.5°C/分より大きいので満充電
と判定され、急速充電が停止される。
【0037】すなわち、このような場合、従来では充電
開始時点から4分後に満充電が判定され、急速充電が停
止されていたため、電池温度は約15℃上昇していた
が、本実施例では充電開始時点から3分後に急速充電が
停止されるため、電池の温度上昇は7.3℃程度に抑え
られる。このため、電池の過充電がより抑えられ、サイ
クル寿命もそれだけ長くなる。
【0038】なお、満充電に至っていない電池について
は、4分以降は基準温度微分値が通常の値(例えば1℃
/分)に設定されるので、従来通り満充電が正しく検出
されることになる。
【0039】本発明は、上記実施例に限られるものでな
く、種々変形して実施することができる。例えば、上記
実施例では1分毎に電池温度測定を行い、基準温度微分
値についても1分当りの温度上昇量を定めたが、電池温
度測定の時間間隔はこれより長い時間または短い時間、
例えば30秒といった値にしてもよい。
【0040】また、図6のテーブルは0〜4分の間で基
準温度微分値を可変としたが、0〜10分の間で可変と
してもよい。逆に、図6のテーブルでは基準温度微分値
を5回変化させたが、2回変化させてもよい。例えば、
0〜4分の間、2.7℃の微分値とし、4分以降1.0
℃の微分値とする。
【0041】また、上記実施例で説明した温度微分検出
による満充電の判定アルゴリズムはあくまで一例であ
り、上記と異なるものであってもよい。例えば、図7に
おいて温度微分値が次第に小さくなっていくような場
合、満充電の判定を行わず、温度微分値がそれまでの温
度微分値より上回ったとき満充電の判定を行う論理でも
よい。この満充電判定方式の具体例を以下に示す。な
お、請求項における「温度微分値が充電開始時点また
はこれより一定時間経過後の時点から次第に小さくなる
とき、」の表現の中で『これより一定時間経過後の時点
から次第に小さくなるとき』とした理由は、(1) 充電開
始時に微小充電電流を一定時間流す場合があり、この場
合を充電開始時点とすると矛盾することと、(2) 急速充
電を開始して30秒毎の温度微分値を計測したとき、電
池パックによっては最初の1分間は温度変化が生じない
ものもあり、この場合は一定時間を1分とし、一定時間
経過後温度微分値をチェックする必要があること、の二
つの場合があるためである。
【0042】(条件1)電池温度0℃、周囲温度25℃
で満充電でない電池の急速充電を開始したとき。この場
合、図4の満充電に近付いた時点402において、電池
の1分毎の温度上昇は次のようになる。
【0043】1分後…2.3℃(2.3℃−0℃=2.
3℃) 2分後…1.5℃(3.8℃−2.3℃=1.5℃) 3分後…1.2℃(5.0℃−3.8℃=1.2℃) 4分後…0.9℃(5.9℃−5.0℃=0.9℃) この例では、1分毎の温度上昇量が徐々に小さくなるた
め、温度微分検出に基づく満充電の判定を行わず、急速
充電を続行する。
【0044】(条件2)電池温度0℃、周囲温度25℃
で満充電の電池の急速充電を開始したとき。この場合、
電池の1分毎の温度上昇は例えば次のようになる。 1分後…2.6℃(2.6℃−0℃=2.6℃) 2分後…2.1℃(4.7℃−2.6℃=2.1℃) 3分後…2.6℃(5.3℃−4.7℃=2.6℃) この例では、2分後より3分後で電池の温度上昇が大き
くなっているので、3分後には温度微分検出に基づく満
充電状態の判定を行い、急速充電を停止させるようにす
る。
【0045】(条件3)電池温度25℃、周囲温度25
℃で満充電でない電池の急速充電を開始したとき。この
場合、電池の1分毎の温度上昇は例えば次のようにな
る。 1分後…2.3℃(2.3℃−1.6℃=0.7℃) 2分後…1.5℃((3.8℃−2.7℃)−0.7℃
=0.4℃) 3分後…1.2℃((5.0℃−3.6℃)−1.1℃
=0.3℃) この例では、1分毎の電池の温度上昇が徐々に小さくな
っているので、満充電状態の判定を行わず、急速充電を
続行する。
【0046】(条件4)電池温度25℃、周囲温度25
℃で満充電の電池の急速充電を開始したとき。この場
合、電池の1分毎の温度上昇は例えば次のようになる。 1分後…1.0℃(電池温度:2.6℃−1.6℃=
1.0℃、温度上昇:1.0℃−0℃=1.0℃) 2分後…1.0℃(電池温度:4.7℃−2.7℃=
2.0℃、温度上昇:2.0℃−1.0℃=1.0℃) 3分後…1.7℃(電池温度:7.3℃−3.6℃=
3.7℃、温度上昇:3.7℃−2.0℃=1.7℃) この例では、2分後より3分後で電池の温度上昇が大き
くなっているので、3分後に満充電状態の判定を行って
急速充電を停止させる。
【0047】以上のような論理でも、満充電の電池の急
速充電開始時点から3分後に満充電状態を検出すること
が可能であり、基本的には一定時間内に一定の電池温度
上昇が検出されたと判断することができる。
【0048】また、急速充電開始後5分間は上述した論
理で満充電状態の判定を行い、それ以降は本来の1℃/
分以上の温度微分検出により満充電状態の判定を行う論
理を用いてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば二
次電池の温度微分検出により満充電の判定を行って急速
充電を停止させる方式の充電装置において、基準温度微
分値を充電開始後の時間経過に伴い順次段階的に小さく
することにより、温度の低い環境から室内に電池パック
を持ち込んで急速充電を行う場合など、満充電状態でな
い電池を満充電と誤判定することによる充電不足がな
く、しかも満充電状態の電池を誤って急速充電すること
による過充電を防止することができる、という効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る二次電池の充電装置の
回路構成図
【図2】図1におけるマイクロコントローラの機能ブロ
ック図
【図3】同実施例の動作を説明するためのフローチャー
【図4】同実施例の動作を説明するための急速充電時の
電池電圧と電池温度および充電電流の時間変化を示す図
【図5】種々の条件での電池の温度上昇特性を示す図
【図6】図における基準温度微分値テーブルの構成例を
示す図
【図7】図5の電池温度上昇特性の一部を拡大して示す
【符号の説明】
1…電池パック 2…二次電池 3…サーミスタ 4…充電装置 5…商用交流電源 6…フィルタ 7…整流平滑回路 8…トランス 9…スイッチングトランジスタ 11…パルス幅変調
回路 12…整流平滑回路 13…急速充電用
トランジスタ 14…トリクル充電用トランジスタ 16…逆流防止用
ダイオード 17…フォトカプラ 20…マイクロコ
ントローラ 30…演算増幅器 32…放電用トラ
ンジスタ 41…A/D変換器 42…A/D変換
器 43…電池温度計算部 44…電池電圧検
出部 45…電池温度判定部 46…温度微分計
算部 47…電池状態判定部 48…電池パック
セット検出部 49…タイマ 50…充電制御部 51…急速充電制御信号 52…トリクル充
電制御信号 53…充電スタート信号 54…温度微分値
判定部 55…基準温度微分値テーブル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二次電池を急速充電する機能を有する充電
    装置において、 前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段により検出される温度の温度微分値を
    求める温度微分計算手段と、 前記温度微分計算手段により計算される温度微分値が所
    定の基準温度微分値以上となったとき、及び前記温度微
    分値が充電開始時点またはこれより一定時間経過後の時
    点より次第に大きくなるときは前記急速充電を終了さ
    、前記温度微分値が充電開始時点またはこれより一定
    時間経過後の時点より次第に小さくなるときは前記急速
    充電を続行させる充電制御手段と、 前記基準温度微分値を急速充電開始時からの時間経過に
    伴い小さくなるように順次段階的に少なくとも1回以上
    変化させる基準温度微分値制御手段とを備えたことを特
    徴とする二次電池の充電装置。
  2. 【請求項2】前記基準温度微分値制御手段は、充電開始
    後の経過時間と基準温度微分値とを関係付けて格納した
    テーブルと、充電開始後の経過時間を計測するタイマと
    を有し、該タイマにより計測された経過時間に対応する
    基準温度微分値を該テーブルから読み出すことを特徴と
    する請求項1に記載の二次電池の充電装置。
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