JP3432540B2 - 板状触媒の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液 - Google Patents

板状触媒の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液

Info

Publication number
JP3432540B2
JP3432540B2 JP03883993A JP3883993A JP3432540B2 JP 3432540 B2 JP3432540 B2 JP 3432540B2 JP 03883993 A JP03883993 A JP 03883993A JP 3883993 A JP3883993 A JP 3883993A JP 3432540 B2 JP3432540 B2 JP 3432540B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
coating
metal substrate
plate
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03883993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06246176A (ja
Inventor
泰良 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP03883993A priority Critical patent/JP3432540B2/ja
Publication of JPH06246176A publication Critical patent/JPH06246176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3432540B2 publication Critical patent/JP3432540B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板状触媒の製造方法お
よびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液に係り、
特に金属製金網、ラス板を基材に用いる酸化チタン系ア
ンモニア接触還元用脱硝触媒の二酸化硫黄(SO2 )の
三酸化硫黄(SO3 )への酸化活性を抑制した板状触媒
の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用
理用液に関する。
【0002】
【従来の技術】発電所、各種工場、自動車などから排出
される排煙中のNOxは、光化学スモッグや酸性雨の原
因物質であり、その効果的な除去方法として、アンモニ
ア(NH3 )を還元剤とした選択的接触還元による排煙
脱硝法が火力発電所を中心に幅広く用いられている。触
媒には、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)または
タングステン(W)を活性成分にした酸化チタン(Ti
2 )系触媒が使用されており、特に活性成分の1つと
してバナジウムを含むものは活性が高いだけでなく、排
ガス中に含まれている不純物による劣化が小さいこと、
より低温から使用できることなどから、現在の脱硝触媒
の主流になっている(特開昭50−128681号公報
等)。これらの酸化チタン系脱硝触媒はハニカム状や金
属製基板に塗布した板状に成形されて用いられることが
多く、中でも後者の板状触媒は煤塵による摩耗や堆積に
強いため油、石炭燃焼排ガスの脱硝に広く用いられてい
る。
【0003】板状触媒の製造法としては従来より多くの
方法が発明・考案されており、大別すると次のようなも
のがある。 (1)SUS(ステンレス鋼)製金属基板表面に触媒成
分を直接コーティングする方法。 (2)金網などの網状または多孔状金属基板に触媒成分
ペーストを塗り込む方法。 (3)網状または多孔状金属基板表面にセラミック溶
射、金属溶射等の粗面を有する中間層を形成させた後触
媒成分をコーティングまたは塗布する方法。
【0004】上記(3)のうち、金属製ラス板(金属薄
板に所定ピッチのスリット(切れ目)を入れ、スリット
と直角方向に引張り力を加えて金網状体としたもの)表
面に金属アルミニウム溶射(AI溶射)を行って粗面化
した基板に触媒ペーストをローラプレスで塗り込む方法
(特開昭52−14658号公報)は、量産性に優れ、
機械強度も強い触媒が得られることから、国内外の板状
触媒の主流になっている。
【0005】一方、近年排ガス浄化を高度に行おうとす
る傾向にあり、脱硝装置も触媒の充填量を増加して高い
脱硝率で運転する機会が増大している。このような条件
で、上記V含有触媒を用いてSO2 含有排ガスの脱硝を
行わせると、Vの触媒作用によりSO2 が酸化されSO
3 を生成し後続機器の腐食、未反応NH3 との反応によ
る酸性硫安(NH4 HSO4 )析出等の問題を引き起こ
す。さらに、SO3 は湿式脱硫装置で除去され難いため
大半が大気中に放出され、新たな公害の原因になる。S
3 はSO2 に比し呼吸器の傷害を起こし易く、またミ
ストになって大気中に浮遊し地球の温暖化にも作用する
と言われている。このため、最近、特に西欧諸国ではS
2 の酸化活性の低い高活性脱硝触媒に対する需要が高
まり、V含有量等の触媒組成を最適化することでSO2
酸化率を低減する試みがなされているが、発明者らの検
討の結果、上記金属基板を用いる方法では製造時にわず
かに溶解した基板金属元素の触媒作用のため低SO2
化率を実現することが困難であることが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】酸化チタン系脱硝触媒
には安価で高い触媒性能が得られる硫酸法による酸化チ
タンのスラリまたは粉末原料が使用されている。一般に
硫酸法による酸化チタン中には5〜10wt%の硫酸根
を含んでおり、触媒成分の添加・焼成等の工程を経ても
その大半が触媒成分中に残留している。このため金属基
板を用いた触媒の場合、触媒成分のペーストやスラリを
基板に湿式法でコーティングまたは塗布しようとすると
残留硫酸によって金属基板が溶解されて基板成分が触媒
成分中に移動する。SUS基板成分の中、鉄(Fe)、
ニッケル(Ni)、クロム(Cr)(基板にAl溶射し
たものはAl元素も)等の元素は酸化チタンに吸着され
ると脱硝触媒成分であるバナジウム(V)以上にSO2
の酸化を促進することが知られており、触媒製造過程で
溶解した微量のFe、Cr、Ni等遷移金属成分はSO
2 酸化率を低くする場合の大きな妨げになっている。
【0007】このような金属基板の腐食防止には、セラ
ミック溶射や金属Al等、SO2 酸化に不活性なものを
多量に溶射する方法によっても達成できるが、コストが
著しく上昇することと、量産性が悪化するという問題が
ある。すなわち、脱硝触媒のように大量に使用する触媒
の場合、図4に示したように帯状金属基板1をメタルラ
ス加工2、溶射工程4、ローラ8による触媒ペースト7
の塗布、波型等の所定形状への成形9、さらに切断1
0、触媒枠への組み込みを一貫して行うことが必須であ
り、その場合ローラ式の駆動装置13−1、13−2や
テンションローラ14−1を用いて工程間をつなぐ必要
がある。このため、厚いセラミック溶射層やガラス状コ
ーティング剤などの腐食防止層は弾性に欠けることと金
属との伸び率が異なることにより大半が剥離し、その効
果が失われるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点である金属基板を用いる触媒の微量な基板腐食に伴う
触媒性能の悪化、特にSO2 酸化率の増大を安価に防止
できる量産性に優れた板状触媒の製造方法およびこれに
用いる耐酸性防食被膜形成用処理液を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、金属製基板に硫酸成分を含有する
触媒成分を塗布またはコーティングする板状触媒の製造
方法において、あらかじめ金属基板に熱により不溶化
する有機高分子コロイダルシリカおよび微粒チタニア
を含む処理液をコーティングし、しかる後加熱して乾燥
することにより、含有する有機高分子を重合/縮合させ
てコーティング層を不溶化させ、さらにこれに触媒成分
を塗布またはコーティングしたのち乾燥、焼成すること
を特徴とする板状触媒の製造方法に関する。
【0010】本願の第2の発明は、上記第1の発明にお
いて、有機高分子がポリビニールアルコールであり、金
基板がメタルラスであり、かつその表面に金属アル
ミニウムの溶射層を有することを特徴とする板状触媒の
製造方法に関する。本願の第3の発明は、金属製基板に
硫酸成分を含有する触媒成分を塗布またはコーティング
する板状触媒の製造方法において、ポリビニールアルコ
ールまたは酢酸ビニールアルコールの水溶性有機高分子
を0.5〜5wt%、コロイダルシリカをSiO2 とし
て0.5〜6.6wt%、硫酸根を含まない微粒チタニ
アを20〜70wt%含有する処理液を前記基板表面に
コーティングし、しかる後加熱して乾燥することによ
り、上記コーティング層を不溶化させ、さらにこれにチ
タンのほかにバナジウム、モリブデン、タングステンの
うち少なくとも1つ以上を含有する触媒成分を担持した
のち乾燥、焼成することを特徴とする板状触媒の製造方
法に関する。
【0011】本願の第4の発明は、上記第3の発明にお
いて、金属製基板が帯状基板であり、これを処理液槽
に連続的に供給して前記処理液と接触させたのちスポン
ジローラに挟んで液切りすることを特徴とする板状触媒
の製造方法に関する。本願の第5の発明は、金属製基板
に硫酸成分を含有する触媒成分を塗布またはコーティン
グするに先立ち、前記金属製基板表面に耐酸性防食被膜
を形成する前処理液であって、有機高分子、シリカゾ
ル、微粒チタニアを構成成分とすることを特徴とする
耐酸性防食被膜形成用処理液に関する。
【0012】
【作用】本発明の処理液に用いる構成成分の単独での性
質は次のようであり、本発明はこれらを組合わせること
により新規な効果を発揮するようにした点に特色があ
る。ポリビニールアルコール(PVA)等の重合性皮膜
を加熱処理したものは耐酸性が高く機械強度、柔軟性に
優れるため厚い皮膜を形成させれば上記基板腐食の防止
を達成できる。PVAを単独で使用すると濃度が高い高
粘度溶液を用いる必要があり操作性に問題があるばかり
か、基板上に担持した触媒の焼成時に消失し、図5のよ
うに触媒成分と基板の間に間隙23が残り強度の大きな
低下をもたらす。また、脱硝触媒成分は有機物の酸化活
性にも優れ、触媒体に対し数%以上の有機物を含有する
と焼成時に急激な燃焼が進行し触媒の焼損につながる。
【0013】他方、シリカゾル等のコロイド状物質も緻
密な皮膜を形成するが、金属とのなじみが悪く、機械的
強度も充分でない。このため前述の(図4)ローラ式駆
動装置やテンションローラを通過する間に剥離する。ま
た、微粒チタニアは粒子間の結合性が低く、そのスラリ
のコーティング皮膜は剥離し易い上、多孔質なために防
食効果も期待できない。
【0014】以上のように単独では金属製触媒基板の処
理液としては適さない各成分を本発明組成範囲で組合わ
せて用い、不溶化処理すると優れた防食皮膜を得ること
ができる。これは本発明の方法によると、図1のように
チタアニ粒子がコロイダルシリカ粒子で結合させられ、
その間隙をPVAが埋めた状態になるため、柔軟で機械
強度の高い緻密な皮膜を作ることができるものと考えら
れる。
【0015】これにより、量産工程に必要なローラ式の
駆動装置に耐える強度の耐酸性防食皮膜を得ることがで
きるだけでなく、次のような作用・効果がある。 (1)有機物の含有量をきわめて低く抑えることがで
き、触媒の焼成時の発熱を回避できる。 (2)焼成によってPVAが消失してもシリカ−チタニ
アで構成される比較的緻密な皮膜は残存するので有機皮
膜単独で用いた場合に発生する強度低下を起こさない。 (3)有機皮膜が、硫酸根が金属基板表面に接触するこ
とを防止するため担わなければならない部分は図1の粒
子間隙だけでよく、コーティング厚みを非常に低くでき
る。 (4)PVAなどの重合をシリカ、チタニアの微粒子が
促進するので不溶化処理が秒オーダで完結し量産性に優
れる。 (5)微粒酸化物のスラリを主体にしたもので粘度が低
いため、ラス基板や金網の目を埋めることがない。 (6)PVAの作用により金属表面に対する濡れ性が向
上し、均一で欠陥のない皮膜形成を行うことができる。
【0016】
【実施例】図2に本発明の方法を実施するに必要最小限
の機器を配した触媒の製造フローを示した。厚さ0.2
〜0.5mm、幅約500mmのSUS430またはSUS
304製の帯板1はラス加工機2でメタルラスに加工さ
れた後、脱脂炉3で機械加工時に付着した油を燃焼させ
溶射機4で金属アルミニウムがアーク溶射され粗面に仕
上げられる。次に本発明の処理液を入れた表面処理液槽
5を通過させることにより基板表面に処理液皮膜を形成
し、続いて120℃から200℃に保持した不溶化炉6
を通過させることにより乾燥するとともに含有する有機
高分子を重合/縮合させてコーティング皮膜を不溶化さ
せる。しかる後、別に調製したTiO2 とMo、W、V
の1種以上の酸化物とからなる触媒成分に水と無機繊維
を添加・混練することにより得た触媒ペースト7を塗布
ローラ8を用いてラス目を埋めるように圧着して板状触
媒を得る。得られた帯状の触媒はさらに油圧プレス9で
スペーサにするため波形、ノッチ形の山形を形成され、
長さ300〜1000mmに切断される。このように得ら
れた触媒エレメント11は風乾後重ねるか図3のような
ユニット16に組まれ、400〜600℃で焼成され
る。
【0017】本発明の触媒は以上のような簡単な方法に
より製造されるが、本発明の特色は処理液の組成と不溶
化炉6を経させることにあり、その他の工程は適宜変更
することができることはいうまでもない。処理液の組成
はポリビニールアルコール(PVA)、酢酸ビニールア
ルコールなどの水溶性有機ポリマー0.5〜5wt%、
コロイダルシリカをSiO2 として0.5〜6.6wt
%、微粒チタニア20〜70wt%の範囲に選定するこ
とがよい。PVAなどの有機高分子化合物は前述したよ
うに多すぎると操作性が悪くなるだけでなく焼成後に触
媒成分と基板の間に隙間ができ強度低下の原因になる。
望ましくは1〜2%に選定すると好結果が得られる。
【0018】コロイダルシリカはTiO2 粒子間隙をち
ょうど埋める程度の添加量がよく、SiO 2 としてTi
2 粒子の重量に対し10〜20wt%、液濃度として
は0.5〜6.6wt%に選ばれる。また、TiO2
塩素法などによって得られた硫酸根を含まないものを使
用することがよく、比表面積10m2 /g以下、平均粒
径1μm以下のものが液中に高分散し安定性が高まる。
【0019】処理液の金属基板へのコーティングはスプ
レ、刷毛塗りでも同様な効果が得られるが、表面がAl
溶射層で粗面化されたものを使う場合には処理液中に図
2のように浸漬し、しかる後スポンジ状のローラ12で
挟んで余剰な液を取り除く方法が均一なコーティング層
を形成し易い。そのコーティング量は表面形状によるが
金属基板の単位面積当たり50〜200g/m2 程度が
機械強度も強く剥離しにくい皮膜が得られる。
【0020】これらの皮膜を形成したものは、不溶化炉
6で100〜200℃に加熱して乾燥・有機高分子の不
溶化が行われるが、温度・時間は金属基板が炉内にある
時間との関係で適宜選定される。温度が低く滞留時間が
短いと不溶化が充分進行せず塗布した触媒ペースト中の
水分で皮膜が溶解し充分な防食効果が得られない。他
方、温度が高い条件に長時間さらされると皮膜の柔軟性
が失われ剥離し易くなるだけでなく、有機高分子の一部
が蒸発し防食効果も低下する。図2に示したフローの場
合、基板を10m/min程度の速度で連続的供給し、
不溶化炉6では140℃で10秒程度滞留時間で充分な
効果が得られている。
【0021】以下、具体的実施例を用いて本発明を詳細
に説明する。 実施例1 ポリビニールアルコール(商品名:クラレポパールPV
A−117)3kgを水65kgに溶解したものにシリカゾ
ル(商品名:スノーテックス−N、SiO2 20wt
%)65kgを加えて混合し、これに微粒チタニア(石原
産業製CR−50)を65kgを攪拌しながら添加しスラ
リ状の処理剤を得た。
【0022】図2の装置を使ってAl溶射を施したメタ
ルラス(SUS430、厚み0.2mm、溶射量50g/
2 )表面に上記処理剤をコーティングし、140℃で
不溶化処理した。これとは別に硫酸法によって得られた
酸化チタンスラリにモリブデン酸アンモニウムをTi/
Mo比が95/5atom%になるように添加したもの
を加熱混練後、乾燥、500℃で予備焼成して得た顆粒
を粉砕して触媒原料を得た。この粉末150kgに水70
kg、カオリン系無形繊維30kgを加えて混練して触媒ペ
ーストを調製した。
【0023】本触媒ペーストを図2のようなローラ式の
塗布機8を用いて上記処理剤をコーティングした金属基
板に塗布し板状触媒を得た。得られた板状触媒は山形を
成形後切断され、大気中で72時間風乾後500℃で2
時間焼成して触媒を得た。 比較例1 実施例1に用いた処理液をPVA3kgを水195kgに溶
解したものにかえて同様に触媒を調製した。 比較例2 実施例1に用いた処理液をシリカゾル65kgを水130
kgで希釈したものにかえて同様に触媒を調製した。 比較例3 実施例1に用いた処理液をチタニア粉末65kgを水13
0kgに懸濁させたものにかえて同様に触媒を調製した。 比較例4 実施例1の不溶化温度を40℃にかえ、他は同様に触媒
を調製した。 実施例2 実施例1の触媒組成をTi/Mo/V原子比が94.5
/5/0.5のものにかえ、メタルラスの材質をSUS
430からSUS304に変更し、他は同様に触媒を調
製した。 比較例5 実施例2で示した方法において本発明の表面処理を行わ
ないで触媒を調製した。 実験例1 実施例1および2と比較例1〜5の触媒について次の条
件で脱硝率、SO2 酸化率を測定した。
【0024】
【表1】 また板状触媒を100−200mmの矩形に切り出し高さ
50cmの所から10回落下させた場合の触媒の剥離量を
測定し、剥離した触媒成分の割合を算出した。
【0025】得られた結果を表2にまとめて示した。
【0026】
【表2】 本表から明らかなように、本発明の処理液を構成する各
成分を単独で使用した場合(比較例1〜3)は触媒の剥
離率が多く触媒と金属基板の接合強度が小さいが、前記
各成分を所定割合で混合した処理液を用いることにより
(実施例1,2)、触媒剥離率が著しく低下することが
わかる。また比較例の触媒はいずれも実施例に較べSO
2 酸化率が高く、高いものでは4倍以上の値を示してい
る。このことからも本発明の金属基板処理方法が脱硝触
媒のSO2 酸化率を低減するに著しい効果があることが
わかる。
【0027】また、実施例の触媒の脱硝率はいずれも比
較例のものに較べ高い値を示しており、本発明がSO2
酸化率の増加防止のみでなく、溶射Al層の溶解等に伴
う脱硝率の低下防止にも効果があることを示している。 実施例3 実施例1の触媒成分をTi/W=9/1(原子比)に、
SUS430基板をSUS304基板に変更するととと
もに触媒の焼成温度を500℃から600℃に変更して
触媒を調製した。 比較例6 実施例3の触媒調製において本発明の表面処理を行わな
いメタルラスを用いて触媒を得た。 実験例2 実施例3および比較例6の触媒を600℃で500時間
保持し脱硝性能の変化を調べた。比較例6の触媒は金属
基板から鉄が熱拡散で触媒成分中に移動し赤褐色に変色
し大きな活性低下が見られた。これに対し実施例3の触
媒は変色が見られないだけでなく、ほとんど活性低下し
なかった。
【0028】この結果からわかるように本発明の方法は
触媒製造時の硫酸腐食による基板成分の影響だけでな
く、基板成分の熱拡散に起因する劣化の防止にも効果が
ある。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、金属基板を用いる脱硝
触媒の触媒製造時における基板腐食に起因するSO2
化率の増加を防止できるだけでなく、脱硝率も高い触媒
を得ることが可能になる。これにより高価な溶射等の表
面処理層を厚くすることなく容易にSO2 酸化活性を低
下させた脱硝触媒を得ることができ、近年の増大した需
要を満たすことができる。
【0030】また、本発明の表面処理は触媒製造時のみ
ならず高温で触媒を使用したときに問題になる基板成分
の熱拡散に起因する触媒劣化の防止にも効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られた触媒の金属基板表面コーティ
ング層断面模式図。
【図2】本発明の触媒製造方法のフロー図。
【図3】本発明になる波形板状触媒を枠体内に納めた触
媒ユニットを示す図。
【図4】従来の触媒製造方法フロー図。
【図5】本発明が解決すべき課題の説明図。
【符号の説明】
1…ステンレス帯板、2…ラス加工機、3…脱脂炉、4
…溶射機、5…表面処理液槽、6…不溶化炉、7…触媒
ペースト、8…塗布ローラ、9…成形機、10…切断
機、11…触媒エレメント、12…スポンジローラ、1
3…駆動ローラ、14…テンションローラ、15…外
枠、触媒ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製基板に硫酸成分を含有する触媒成
    分を塗布またはコーティングする板状触媒の製造方法に
    おいて、あらかじめ金属基板に熱により不溶化する有
    機高分子コロイダルシリカおよび微粒チタニアを含む
    処理液をコーティングし、しかる後加熱して乾燥する
    とにより、含有する有機高分子を重合/縮合させてコー
    ティング層を不溶化させ、さらにこれに触媒成分を塗布
    またはコーティングしたのち乾燥、焼成することを特徴
    とする板状触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、有機高分子がポリビ
    ニールアルコールであり、金属基板がメタルラスであ
    り、かつその表面に金属アルミニウムの溶射層を有する
    ことを特徴とする板状触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属製基板に硫酸成分を含有する触媒成
    分を塗布またはコーティングする板状触媒の製造方法に
    おいて、ポリビニールアルコールまたは酢酸ビニールア
    ルコールの水溶性有機高分子を0.5〜5wt%、コロ
    イダルシリカをSiO2 として0.5〜6.6wt%、
    硫酸根を含まない微粒チタニアを20〜70wt%含有
    する処理液を前記基板表面にコーティングし、しかる後
    加熱して乾燥することにより、上記コーティング層を不
    溶化させ、さらにこれにチタンのほかにバナジウム、モ
    リブデン、タングステンのうち少なくとも1つ以上を含
    有する触媒成分を担持したのち乾燥、焼成することを特
    徴とする板状触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、金属製基板が帯状基
    板であり、これを処理液槽内に連続的に供給して前記
    理液と接触させたのちスポンジローラに挟んで液切りす
    ることを特徴とする板状触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属製基板に硫酸成分を含有する触媒成
    分を塗布またはコーティングするに先立ち、前記金属製
    基板表面に耐酸性防食被膜を形成する前処理液であっ
    て、有機高分子、シリカゾル、微粒チタニアを構成成分
    とすることを特徴とする、耐酸性防食被膜形成用処理
    液。
JP03883993A 1993-02-26 1993-02-26 板状触媒の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液 Expired - Fee Related JP3432540B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03883993A JP3432540B2 (ja) 1993-02-26 1993-02-26 板状触媒の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03883993A JP3432540B2 (ja) 1993-02-26 1993-02-26 板状触媒の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06246176A JPH06246176A (ja) 1994-09-06
JP3432540B2 true JP3432540B2 (ja) 2003-08-04

Family

ID=12536376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03883993A Expired - Fee Related JP3432540B2 (ja) 1993-02-26 1993-02-26 板状触媒の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3432540B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5140243B2 (ja) * 2005-08-29 2013-02-06 バブコック日立株式会社 触媒用基材、触媒およびそれらの製造方法
JP4959218B2 (ja) * 2006-04-28 2012-06-20 バブコック日立株式会社 板状脱硝触媒の製造方法
JP4944588B2 (ja) * 2006-12-04 2012-06-06 バブコック日立株式会社 触媒用金属基板、及び板状脱硝触媒の製造方法
JP2010075806A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Babcock Hitachi Kk 高耐久性触媒担持用基板及びその排ガス浄化触媒
JP2013031788A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Babcock Hitachi Kk 触媒用金属基板及びこれを用いた脱硝触媒

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06246176A (ja) 1994-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3389005B2 (ja) 窒素酸化物除去触媒
JP3432540B2 (ja) 板状触媒の製造方法およびこれに用いる耐酸性防食被膜形成用処理液
JP6956987B1 (ja) 脱硝触媒成型体及び脱硝触媒成型体の製造方法
JP4824516B2 (ja) 排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方法
US4370262A (en) Catalytic structure for treating exhaust gases and a process for making the catalytic structure
JP5457129B2 (ja) 脱硝触媒及びその製造方法
JP4709716B2 (ja) 石炭燃焼排ガス用脱硝触媒及び排ガス浄化方法
JP2008073621A (ja) 触媒の製造方法およびその方法により製造された触媒
JP4344102B2 (ja) 排ガス脱硝用触媒スラリおよびその製造方法
JPH09220468A (ja) 排ガス中の窒素酸化物除去用触媒、その製造方法およびこれを用いた排ガス中の窒素酸化物除去方法
JP3224708B2 (ja) 脱硝触媒
JP4190716B2 (ja) 耐酸化性耐腐食性金属基板、脱硝用触媒および排ガスの浄化方法
JP3660381B2 (ja) 排ガス脱硝用板状触媒の製造方法
JP4959218B2 (ja) 板状脱硝触媒の製造方法
JPH0824651A (ja) アンモニア分解用触媒およびその触媒を用いるアンモニアの分解方法
JP4020354B2 (ja) 板状触媒構造体の製造法
JPH07289897A (ja) アンモニア分解用触媒およびその触媒を用いるアンモニアの分解方法
JP3354745B2 (ja) 脱硝触媒
JP2010075806A (ja) 高耐久性触媒担持用基板及びその排ガス浄化触媒
JP2014046299A (ja) 脱硝触媒の製造方法
JP2001252574A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体およびこれに用いる網状物
JP6956988B1 (ja) 脱硝触媒塗布液
JP2972231B2 (ja) 脱硝用触媒およびその製造方法
JP3507538B2 (ja) 排ガス用浄化触媒および浄化方法
JP3762159B2 (ja) 石炭焚きボイラ排ガス浄化用触媒構造体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees