JP3409358B2 - ３次元入力装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、３次元映像特殊効果
装置に適用して好適な３次元入力装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】例えばモニター上の映像に別な特殊映像
をはめ込み、この特殊映像を拡大又は縮小したり、回転
させながら移動させたりするなど特殊な効果を得るため
に３次元映像特殊効果装置が用いられる。このような３
次元映像特殊効果装置では、球状のトラックボールや、
レバー状のジョイスティックなどの３次元入力装置を用
いて特殊映像の操作をするのが普通である。 【０００３】ところで、特殊映像の大きさや、特殊映像
の輪郭（ボーダ）など各種の状態はパラメータとして与
えられ、これを適宜設定することによって各種の効果を
達成することが可能になる。各パラメータは各種のメニ
ュー上に表示され、例えばトラックボールを操作するこ
とによってメニュー上のカーソルを各パラメータのとこ
ろに移動し、次にトラックボールとは別のところにある
ファンクションキーなどの入力キーによってパラメータ
の値を設定していた。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来は
カーソルを操作するためのトラックボールとパラメータ
を設定するための入力キーとがそれぞれ別々に設けられ
ていたから、これらを片手で即座に操作することができ
ないのでパラメータの設定操作が面倒であった。 【０００５】そこで本発明は上述のような課題を解決し
たものであって、パラメータの設定操作を簡単にするこ
とが可能な３次元入力装置を提案するものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る３次元入力装置は、３次元映像表示効
果を施した特殊映像に関して３次元直交座標系のＸ軸及
びＹ軸で規定される２次元のデータと、そのＺ軸で規定
される１次元のデータとを入力する３次元入力装置であ
って、２軸方向に回転可能に構成され、この２軸方向の
回転量を２次元のデータとして入力するように操作され
るトラックボールと、このトラックボールの外周に沿っ
て回転可能に配置され、この外周に沿う方向の回転量を
１次元のデータとして入力するように操作される回転リ
ングと、トラックボールの操作により入力される２次元
のデータと、回転リングの操作により入力される１次元
のデータとに基づいて特殊映像の各種状態を決定する複
数のパラメータを設定するメニューを作成するための設
定メニュー作成手段とを備え、トラックボールは、設定
メニュー作成手段により作成されるメニュー画面上の特
定のパラメータを指定するように操作され、回転リング
は、トラックボールの操作により指定された特定のパラ
メータの値を設定するように操作されることを特徴とす
るものである。 【０００７】 【作用】特殊映像の状態を決定するためのパラメータを
新規設定若しくは変更する場合は、図１のカーソルスイ
ッチ２６を押す。これで、グラフィックディスプレイ作
成部１４で作成されたメニュー（図８（Ｂ））上にカー
ソル５１が表示されると共に、トラックボール２１及び
回転リング２２がパラメータ設定手段になる。 【０００８】次に、トラックボール２１を操作すると、
その回転量がＸカウンタ２３若しくはＹカウンタ２４で
検出され、これによってカーソル５１が移動する。そし
て、カーソル５１がパラメータ表示エリア５２内に移動
すると、そのパラメータの値が変更可能になる。 【０００９】この状態で回転リング２２を回転させる
と、その回転量がＺカウンタ２５で検出され、これによ
ってパラメータの値が順次増加若しくは減少する。この
値が所定値になったとき回転リング２２の操作を止め、
次にトラックボール２１を操作してカーソル５１をパラ
メータ表示エリア５２外に移動させることによって、パ
ラメータの値が確定される。このようにして状態が決定
された特殊映像は、３Ｄ入力スイッチ２７をオンにする
ことによってトラックボール２１及び回転リング２２で
操作可能になる。 【００１０】 【実施例】続いて、本発明に係わる３次元入力装置を３
次元映像特殊効果装置に適用した場合の一実施例につい
て、図面を参照して詳細に説明する。 【００１１】図１は本発明による３次元入力装置を適用
した３次元映像特殊効果装置１の系統を示す。この３次
元映像特殊効果装置１においては、ＣＰＵ１１にバス１
２を介して３次元及びパラメータ入力部１３と、グラフ
ィックディスプレイ作成部１４と、映像特殊効果処理部
１５が接続されている。映像特殊効果処理部１５では外
部から供給されたビデオ信号に特殊効果が施されて映像
用モニタ１６に供給され、これによって特殊効果が施さ
れた映像が画面上に映し出される。 【００１２】映像用モニタ１６に映し出された特殊映像
の位置を移動したり、回転したり、或いは拡大又は縮小
するなどの各種の操作は、３次元及びパラメータ入力部
１３によって行なわれる。この３次元及びパラメータ入
力部１３には球状で任意の方向に回転可能なトラックボ
ール２１と、トラックボール２１の外周に配置されトラ
ックボール２１の外周に沿って回転可能な回転リング２
２とが設けられている。 【００１３】トラックボール２１の回転量はＸカウンタ
２３及びＹカウンタ２４によって検出され、回転リング
２２の回転量はＺカウンタ２５で検出される。さらにこ
こには、後述の特殊映像の状態を決定するパラメータを
設定可能な状態にするためのカーソルスイッチ２６と、
特殊映像を操作可能な状態にするための３Ｄ入力スイッ
チ２７とが設けられている。トラックボール２１、回転
リング２２、カーソルスイッチ２６及び３Ｄ入力スイッ
チ２７は、図２に示すようなパネル２に取り付けられて
いる。このパネル２にはこれ以外に各種のデータ入力ス
イッチ２８が取り付けられている。 【００１４】さて、図１において特殊映像の状態を決定
するためのパラメータは、グラフィックディスプレイ作
成部（設定メニュー作成手段）１４で作成された各種の
メニュー内に表示される。各メニューはメニュー用モニ
タ１７に供給されて画面に映し出される。そして、後述
するようにトラックボール２１及び回転リング２２によ
って各パラメータの値が設定されるとこれがＣＰＵ１１
に取り込まれ、ここからの指示で映像特殊効果処理部１
５が制御されて特殊映像の状態が決定される。 【００１５】図３はトラックボール２１及び回転リング
２２の構成を示す。同図において、トラックボール２１
及び回転リング２２は、プリント基板３１上に配置され
たベースシャーシ３２の上にそれぞれ回転可能に取り付
けられている。トラックボール２１は全方向に回転可能
であり、回転リング２２はトラックボール２１の円周方
向に回転可能である。そして、トラックボール２１は例
えば３次元座標のＸ軸及びＹ軸に相当する２次元のデー
タを入力することが可能で、回転リング２２はＺ軸に相
当するデータを入力することが可能である。 【００１６】回転リング２２は図４に示すように同一厚
さの板材で環状に形成され、その上面には円錐状に傾斜
した上面部２２ａと、フランジ部２２ｂが設けられてい
る。フランジ部２２ｂの外周面には段部２２ｃが設けら
れている。また、フランジ部２２ｂの下端には、図５に
も示すように所定の幅を有するスリット２２ｄが全周に
亘って等間隔で多数設けられている。このスリット２２
ｄはベースシャーシ３２に取り付けられたフォトインタ
ラプタ３３の溝状の光路部３３ａを横切るように配置さ
れている。 【００１７】この回転リング２２においては図４に示す
ように、上面部２２ａの内周端面に軸受３４が配置さ
れ、また、上面部２２ａの軸受３４付近には図６に示す
ように複数のねじ部２２ｅが設けられている。そして、
軸受３４の下端面に当てがわれた抜け止め金具３５の一
端がねじ部２２ｅで固定されており、これによって回転
リング２２が軸受３４の外輪部３４ａに固定されてい
る。 【００１８】また、回転リング２２の内周面には固定リ
ング３６が配置されている。この固定リング３６はベー
スシャーシ３２に植設されたスタンドピン３７によって
支持されている。そして、固定リング３６の外周面に軸
受３４の内輪部３４ｂが強くはめ込まれて軸受３４が固
定されている。これによって、回転リング２２が円周方
向、すなわちＺ軸に相当する方向に軽い力で回転可能に
なっている。 【００１９】一方、トラックボール２１は固定リング３
６の内周側に配置され、図７に示すようにベースシャー
シ３２上に取り付けられた３個の円筒状の支持ローラ３
８，３９，４０で３点支持されている。そして、図６に
示すようにトラックボール２１の上部側は固定リング３
６の上端面からドーム状に突出しており、この突出部を
外部から操作することができる。 【００２０】また、円筒状の支持ローラ３８，３９，４
０はその中心軸４１が回転可能に支持されており、その
うちの一つの支持ローラ３８は図７中のＸ方向に対して
直角になるように配置されている。もう一つの支持ロー
ラ３９はＸ方向に直行するＹ方向に対して直角になるよ
うに配置されている。したがって、トラックボール２１
が指で操作されて回転すると、その回転量に応じて支持
ローラ３８，３９も回転する。 【００２１】次にトラックボール２１と回転リング２２
の回転量の検出方法について説明する。回転リング２２
の回転、すなわちＺ方向の回転検出には、上述のように
フォトインタラプタ３３が用いられている。このフォト
インタラプタ３３では、図４に示すように発光素子と受
光素子が溝状の光路部３３ａを形成するように、プリン
ト基板３１上に対向配置されている。 【００２２】そして、回転リング２２が回転してスリッ
ト２２ｄが光路部３３ａを横切ると、フォトインタラプ
タ３３からパルス状の電気信号が出力される。このパル
ス数をＺカウンタ２５（図１）でカウントすることによ
って回転リング２２の回転量を検出することが可能にな
る。 【００２３】また、トラックボール２１のＸ方向若しく
はＹ方向の回転量は、図６若しくは図４に示すようにそ
れぞれフォトインタラプタ４２，４３によって検出され
る。これらのフォトインタラプタ４２，４３は上述のフ
ォトインタラプタ３３と同様に構成されており、図７に
示すように光路部４２ａ，４３ａを形成するように発光
素子と受光素子とが対向配置されている。 【００２４】そして、円筒状の支持ローラ３８，３９が
回転すると、これに取り付けられた円板状のシャッタ板
４４の放射状のスリット４４ａが光路部４２ａ，４３ａ
を横切ることによってパルス状の電気信号が出力され、
これをＸカウンタ２３若しくはＹカウンタ２４でカウン
トすることによってトラックボール２１のＸ方向若しく
はＹ方向の回転量を検出することが可能になる。 【００２５】さて、図１においてＸカウンタ２３、Ｙカ
ウンタ２４及びＺカウンタ２５の出力はバス１２を経て
ＣＰＵ１１に取り込まれる。そして、ＣＰＵ１１の指示
によって画像特殊効果処理部１５が制御されて映像用モ
ニタ１６上の特殊映像が３次元方向に操作される。 【００２６】画像特殊効果処理部１５で作成される特殊
映像の大きさや、図８（Ａ）に示すようなボーダ（輪
郭）５０の寸法や色など特殊映像の状態を決定するため
のパラメータは上述のようにグラフィックディスプレイ
作成部１４で作成され、これが各種のメニューとしてメ
ニュー用モニタ１７に表示される。同図（Ｂ）はボーダ
設定のメニュー表示の一例を示す。 【００２７】このメニューでは、ボーダ５０全体の幅ｂ
を決定するためのパラメータとして「Ａｌｌ」が設けら
れ、上下のボーダ５０Ａ，５０Ｂの幅ｂのパラメータと
して「Ｈ」が設けられている。また、左右のボーダ５０
Ｃ，５０Ｄのパラメータとして「Ｖ」が設けられてい
る。更に、各ボーダ５０Ａ〜５０Ｄ個々のパラメータと
して「Ｌｅｆｔ」、「Ｒｇｈｔ」、「Ｔｏｐ」、「Ｂｔ
ｔｍ」が設けられている。また、ボーダ５０は全体的に
色を変えることが可能であり、そのパラメータとして明
度を決定する「Ｌｕｍ」と、飽和度を決定する「Ｓａ
ｔ」と、色相を決定する「Ｈｕｅ」とが設けられてい
る。 【００２８】各パラメータを設定する場合は、カーソル
スイッチ２６を押すことによってメニュー上に例えば矢
印状のカーソル５１が表示される。これによって各パラ
メータが設定可能な状態になると共に、トラックボール
２１がカーソル移動手段となり、回転リング２２がパラ
メータ設定手段となる。 【００２９】いま、図８（Ｂ）では上のボーダ５０Ａの
パラメータ「Ｔｏｐ」が１０．００ｍｍに設定されてお
り、これによって上側のボーダ５０Ａの幅ｂが１０ｍｍ
として表示されている。これを例えば２０ｍｍに変更す
る場合は、トラックボール２１を回してカーソル５１を
パラメータ表示エリア５２内に移動する。これで、パラ
メータ「Ｔｏｐ」の値１０．００が変更可能な状態にな
る。 【００３０】この状態で回転リング２２を回すとパラメ
ータの値が順次増加若しくは減少するので、この値が２
０．００となったところで回転リング２２の操作を止
め、カーソル５１をパラメータ表示エリア５２の範囲外
に移動すれば、パラメータ「Ｔｏｐ」の値が２０．００
ｍｍに設定される。これで上のボーダ５０Ａの幅ｂが２
０ｍｍで表示される。 【００３１】なお、本例ではカーソル５１がパラメータ
表示エリア５２内にあるときパラメータの値が変更可能
な状態になり、カーソル５１がパラメータ表示エリア５
２外に移動したときパラメータの値が設定されるように
したが、別途例えばセレクトスイッチ（図示せず）など
を設け、これを操作することによってパラメータを変更
可能な状態にしたり、その値が設定されるようにするこ
とも可能である。 【００３２】このようにして各パラメータを設定したあ
と特殊映像を操作する場合は、３Ｄ入力スイッチ２７を
オンにする。これで、トラックボール２１及び回転リン
グ２２が３次元入力手段になり、映像用モニタ１６上の
特殊映像を操作することが可能になる。 【００３３】図９はこの３次元映像特殊効果装置１にお
けるデータ入力処理６０の手順を示す。このデータ入力
処理６０においては、まず、トラックボール２１の操作
モードがカーソルモードか否か判断される（ステップ６
１）。この判断はカーソルスイッチ２６がオンになって
いるかどうかを判別することによって行なわれる。カー
ソルモードの場合は、次にメニュー上にカーソル５１が
表示される（ステップ６２）。 【００３４】次に、トラックボール２１が操作されると
その回転量が検出され、これによってカーソル５１が移
動される（ステップ６３）。次にカーソル５１がパラメ
ータ表示エリア５２内に入ったか否かが判断される（ス
テップ６４）。入っていない場合はステップ６３でトラ
ックボール２１の回転量に応じてカーソル５１が移動さ
れる。 【００３５】そして、ステップ６４でカーソル５１がパ
ラメータ表示エリア５２内に入ったと判断されると、次
に回転リング２２の回転量が検出され、これによってパ
ラメータの値が変更される（ステップ６５）。次にパラ
メータの値が変わったか否かが判断され（ステップ６
６）、変わっていない場合はステップ６３でトラックボ
ール２１の回転量が検出されてカーソル５１が移動さ
れ、以下上述と同様な処理が行なわれる。 【００３６】ステップ６６でパラメータの値が変わった
と判断されると、次にカーソル５１がパラメータ表示エ
リア５２内にあるか否かが判断される（ステップ６
７）。ここで、カーソル５１がパラメータ表示エリア５
２内にあると判断された場合は、ステップ６５で回転リ
ング２２の回転量が検出されてパラメータの値が変更さ
れ、以下上述と同様の処理が行なわれる。 【００３７】そして、ステップ６７でカーソル５１がパ
ラメータ表示エリア５２から外に出たと判断されると、
これによってそのパラメータの値が確定される（ステッ
プ６８）。これで１つのパラメータが確定される。続い
て別のパラメータを設定する場合はカーソルスイッチ２
６がそのままオンされてステップ６１でトラックボール
２１の操作モードがカーソルモードであると判断され、
以下上述と同様の処理が行なわれる。 【００３８】このようにして必要なパラメータの設定処
理が終了すると、次に３Ｄ入力スイッチ２７がオンされ
る。これで、ステップ６１でカーソルモードではない、
すなわち３Ｄ入力モードであると判断され、次にトラッ
クボール２１と回転リング２２を操作することによって
３Ｄ入力処理が行なわれる（ステップ６９）。これによ
って、このデータ入力処理６０が終了する。 【００３９】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、３
次元映像表示効果を施した特殊映像に関して３次元直交
座標系のＸ軸及びＹ軸で規定される２次元のデータと、
そのＺ軸で規定される１次元のデータとを入力する際
に、２軸方向の回転量を２次元のデータとして入力する
ように操作されるトラックボールと、このトラックボー
ルの外周に沿って配置され、この外周に沿う方向の回転
量を１次元のデータとして入力するように操作される回
転リングとを備え、特殊映像の各種状態を決定する複数
のパラメータを設定するメニュー画面上で特定のパラメ
ータを指定するようにトラックボールが操作され、この
トラックボールの操作により指定されたパラメータの値
を設定するように回転リングが操作されるものである。 【００４０】この構成によって、トラックボールと回転
リングとを同時に片手で操作することができるので、特
殊映像を操作するための３次元データの入力と、特殊映
像の状態を決定するパラメータの設定とを、全て片手で
行うことができる。従って、操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明に係わる３次元入力装置を適用した３次
元映像特殊効果装置の系統図である。 【図２】パネル２の正面図である。 【図３】トラックボール２１及び回転リング２２の平面
図である。 【図４】図３のＡ−Ａ断面図である。 【図５】トラックボール２１及び回転リング２２の側面
図である。 【図６】図３のＢ−Ｂ断面図である。 【図７】図５のＣ−Ｃ断面図である。 【図８】ボーダを説明する図である。 【図９】データ入力手順を説明する図である。 【符号の説明】 １ ３次元映像特殊効果装置 ２ パネル １１ ＣＰＵ １３ ３次元及びパラメータ入力部 １５ 映像特殊効果処理部 ２１ トラックボール ２２ 回転リング ２３ Ｘカウンタ ２４ Ｙカウンタ ２５ Ｚカウンタ ２６ カーソルスイッチ ２７ ３Ｄ入力スイッチ ３１ プリント基板 ３２ ベースシャーシ ３３，４２，４３ フォトインタラプタ ３６ 固定リング ３８，３９，４０ 支持ローラ ５１ カーソル ５２ パラメータ表示エリア

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 5/262 H04N 5/222 G06F 3/00 - 3/033

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 ３次元映像表示効果を施した特殊映像に
   関して３次元直交座標系のＸ軸及びＹ軸で規定される２
   次元のデータと、そのＺ軸で規定される１次元のデータ
   とを入力する３次元入力装置であって、 ２軸方向に回転可能に構成され、当該２軸方向の回転量
   を前記２次元のデータとして入力するように操作される
   トラックボールと、 前記トラックボールの外周に沿って回転可能に配置さ
   れ、前記外周に沿う方向の回転量を前記１次元のデータ
   として入力するように操作される回転リングと、 前記トラックボールの操作により入力される前記２次元
   のデータと、前記回転リングの操作により入力される前
   記１次元のデータとに基づいて前記特殊映像の各種状態
   を決定する複数のパラメータを設定するメニューを作成
   するための設定メニュー作成手段とを備え、 前記トラックボールは、 前記設定メニュー作成手段により作成されるメニュー画
   面上の特定のパラメータを指定するように操作され、 前記回転リングは、 前記トラックボールの操作により指定された特定のパラ
   メータの値を設定するように操作される ことを特徴とする３次元入力装置。