JP3385741B2 - 医用材料組成物、その調製方法及び医用成形物 - Google Patents

医用材料組成物、その調製方法及び医用成形物

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JP3385741B2 JP21954194A JP21954194A JP3385741B2 JP 3385741 B2 JP3385741 B2 JP 3385741B2 JP 21954194 A JP21954194 A JP 21954194A JP 21954194 A JP21954194 A JP 21954194A JP 3385741 B2 JP3385741 B2 JP 3385741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルーンカテーテルの
バルーン及びその製造に用いる医用材料組成物に関し、
さらに詳しくは、高い伸縮率を有し、毒性が低く、引裂
強度、引張強度及び伸びが大きく且つ永久伸びが小さい
バルーンカテーテルのバルーン及びその製造に用いる医
用材料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の治療等に用いるカテーテル、人工
血管のごとき医用成形物は、毒性が低く、引張強度及び
伸びが大きく且つ永久伸びが小さいことが要求されるも
のである。バルーンカテーテルのバルーン用等の医用成
形物を得るための材料としては、天然ゴムがよく知られ
ている。しかし、天然ゴムは、少量のタンパク質が含ま
れているため、天然ゴムを材料とする成形物を使用した
場合に生体アレルギー反応を起こすことが最近判明し、
そのため天然ゴムに代わる医用材料組成物の開発が望ま
れている。天然ゴム代替材料としては、熱可塑性ポリウ
レタンが知られている。この熱可塑性ポリウレタンは、
ジイソシアナートと、ジオール又はジアミンとをほぼ等
しいモル割合で重付加反応して得られるポリマーであ
る。しかし、この熱可塑性ポリウレタンをバルーンカテ
ーテルのバルーンのごとく500%以上の高伸縮率が要
求される部分に適用した場合には、そのバルーンが収縮
した時、バルーン表面に皺ができ、血流に淀みが生じる
ので、血栓が多量に発生することが知られている。ま
た、この熱可塑性ポリウレタンは、その成形物の引張強
度、伸びなどが天然ゴムに比べ小さいものであるため天
然ゴムの代替材料としては適当でなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
伸縮率を有し、毒性が低く、引裂強度、引張強度及び伸
びが大きく且つ永久伸びが小さいバルーンカテーテルの
バルーン(以下、「医用成形物」ということがある。)
及びその製造に用いる医用材料組成物を提供することに
ある。本発明者らは、この目的を達成すべく鋭意研究を
行った結果、特定の鎖延長化剤を特定量用いて得られた
ポリウレタンによって、上記目的が達成できることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、多官能イソシアナート(a)、分子量700〜30
00を有し、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレンオキサイド/エチレンオキサイド共重合体の中
から選ばれた少なくとも1種の化合物(b)及びエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,4−ジメチロールベンゼン、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソル
ビトール、メチレングリコシド、しょ糖、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジイソプロ
ピルメチレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル
−p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベ
ンゼンの中から選ばれた水酸基又はアミノ基を含有する
化合物(c)を必須成分とし、化合物(b)中の水酸基
の量が、多官能イソシアナート(a)中のイソシアナー
ト基100モルに対して60〜90モルであり、化合物
(c)中の水酸基又はアミノ基の量が、多官能イソシア
ナート(a)中のイソシアナート基100モルに対して
5〜35モルであり且つ化合物(b)及び化合物(c)
中の水酸基又はアミノ基の合計量が多官能イソシアナー
ト(a)中のイソシアナート基100モルに対して80
〜95モルであることを特徴とするバルーンカテーテル
のバルーン部分用医用材料組成物が提供される。また、
本発明によれば、多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合し、次いで、得られた混合物に化
合物(b)の残部及び化合物(c)を添加することを特
徴とする前記バルーンカテーテルのバルーン部分用医用
材料組成物の調製方法が提供される。さらに、本発明に
よれば、上記バルーンカテーテルのバルーン部分用医用
材料組成物を構成する多官能イソシアナート(a)と、
化合物(b)及び化合物(c)とを重付加反応してなる
バルーンカテーテルのバルーンが提供される。
【0005】本発明の医用材料組成物は、多官能イソシ
アナート(a)と、特定分子量のイソシアナート基と重
付加反応する官能基を有する化合物(b)及び(c)を
必須成分とするものである。
【0006】本発明の医用材料組成物において用いる多
官能イソシアナート(a)は、イソシアナート基を2個
以上有する化合物である。具体的には、ジフェニルメタ
ンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ト
リレンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソ
シアナート、キシレンジイソシアナートのごとき芳香族
イソシアナート;ジシクロヘキサンジイソシアナート、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ヘキサメチ
レンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートの
ごとき脂肪族イソシアナートなどが挙げられる。これら
多官能イソシアナートのうちジフェニルメタンジイソシ
アナートが生体に対する安全性が高いので好ましい。
【0007】本発明の医用材料組成物において用いる化
合物(b)はイソシアナート基と重付加反応する官能基
を2個以上有するものである。イソシアナート基と重付
加反応する官能基は、活性水素を有する官能基である。
具体的には水酸基又はアミノ基が挙げられる。なお、活
性水素とは化合物の一部を構成する酸素原子又は窒素原
子に結合している水素原子のことをいう。イソシアナー
ト基と重付加反応する官能基を有する化合物(b)は、
その分子量の下限が、700、好ましくは800であ
り、上限が、3000、好ましくは1500である。7
00未満では医用材料組成物を架橋して得られる成形物
の引張強度及び伸びが小さくなる。逆に3000を超え
ると医用成形物の永久伸びが大きくなる。なお、化合物
(b)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィを用いて、テトラヒドロフランをキャリアとして測
定し、標準ポリスチレンの重量平均分子量の検量線を基
に求めた値である。
【0008】多官能イソシアナート(a)と重付加反応
する官能基(水酸基)を有する化合物(b)の具体例と
しては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レンオキサイド/エチレンオキサイド共重合体のような
アルキレンオキサイド共重合ポリオールのごときポリエ
ーテルポリオールが挙げられる。化合物(b)は1種又
は2種以上を組合せて用いることができる。これら化合
物(b)のうち、ポリオキシテトラメチレングリコール
は生体適合性が良く安全であるので好ましい。
【0009】化合物(b)の量は、化合物(b)中のイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イ
ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
対して、60〜90モル、好ましくは70〜80モルの
割合になるものである。60モル未満では医用成形物の
永久伸びが大きくなり、また伸びが小さくなる。逆に9
0モルを超えると永久伸びが大きくなり、また引張強度
が小さくなる。
【0010】本発明の医用材料組成物において用いる化
合物(c)は、イソシアナート基と重付加反応する官能
基(水酸基又はアミノ基)を2個以上有する化合物であ
る。
【0011】化合物(c)は、その分子量が500以
下、好ましくは300以下である。500を超えるもの
を用いると医用成形物の強度が低下する。なお、分子量
は質量スペクトルを用いて測定して得られる値である。
【0012】化合物(c)の具体例としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,4−ジメチロールベンゼン、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、メチレングリコシド、しょ糖、エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピ
ルメチレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−
p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベン
ゼンなどが挙げられる。化合物(c)のうち、トリメチ
ロールプロパン、エチレンジアミンおよび1,4−ブタ
ンジオールは、これらを用いることによってバルーンの
強度が高くなるので好ましく用いられる。
【0013】化合物(c)の量は、化合物(c)中のイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イ
ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
対して、5〜35モル、好ましくは5〜25モルになる
範囲のものである。5モル未満では医用成形物の引張強
度が小さくなり、35モルを超えると医用成形物の伸び
が小さくなる。
【0014】化合物(c)は2種以上を組み合わせて使
用することができる。イソシアナート基と重付加反応す
る官能基を2個有するもの(以下、2官能化合物(c
1)ということがある。)と、イソシアナート基と重付
加反応する官能基を3個以上有するもの(以下、3官能
以上化合物(c2)ということがある。)とを組み合わ
せて使用すると引裂強度及び引張強度が大きくなり、ま
た永久伸びも小さくなるので好適である。特に2官能化
合物(c1)としてエチレンジアミン又は1,4−ブタ
ンジオールを用い、3官能以上化合物(c2)としてト
リメチロールプロパンを用い、それらを組み合わせるの
が好適である。
【0015】2官能化合物(c1)と3官能以上化合物
(c2)とを組み合わせて使用する場合、2官能化合物
(c1)の量は、2官能化合物(c1)中のイソシアナ
ート基と重付加反応する官能基の量が化合物(c1)中
及び化合物(c2)中のイソシアナート基と重付加反応
する官能基の合計量に対して、通常、50〜95モル
%、好ましくは70〜90gモル%の割合になるもので
ある。50gモル%未満では医用成形物の伸び及び引裂
強度が小さくなる。逆に95モル%を超えると、医用成
形物の引裂強度及び引張強度を大きくする効果がなくな
る。3官能以上化合物(c2)の量は、3官能以上化合
物(c2)中のイソシアナート基と重付加反応する官能
基の量が化合物(c1)中及び化合物(c2)中ののイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の合計量に対し
て、通常、5〜50モル%、好ましくは10〜30モル
%になる範囲のものである。
【0016】化合物(b)と化合物(c)との合計量
は、化合物(b)中及び化合物(c)中のイソシアナー
ト基と重付加反応する官能基の量が多官能イソシアナー
ト(a)中のイソシアナート基100モルに対して、8
0〜95モル、好ましくは85〜95モルの割合になる
範囲のものである。この範囲を外れると永久伸びが大き
くなる。
【0017】本発明の医用材料組成物には、必要に応じ
て、無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸、リンゴ酸な
どのスコーチ防止剤;コロイダルシリカ、ホワイトカー
ボン、炭酸カルシウムなどの充填材;ジブチルフタレー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ(2−エ
チルヘキシル)アジペートなどの可塑剤;ホワイトオイ
ル、パラフィン等の軟化剤を配合できる。
【0018】本発明の医用材料組成物は、その性状によ
り限定されないが、有機溶媒の溶液としたものは成形性
に優れるので好適である。溶液に使用する有機溶媒は、
通常、水と相溶しないもの又は水と相溶して得られる水
溶液のpHが6〜8になるものである。具体的にはベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラ
ヒドロフタン、シクロヘキサノン等のエーテル;メチル
エチルケトン、イソブチルエチルケトン等のケトン;ヘ
キセン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素などが挙げられ
る。
【0019】本発明の医用材料組成物は、その調製方法
によって限定されない。調製は、通常、多官能イソシア
ナート(a)と化合物(b)とを混合した後、化合物
(c)の溶液を添加するか、化合物(b)と化合物
(c)とを混合した後、多官能イソシアナート(a)を
添加するか、多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合した後、化合物(b)の残部及び
化合物(c)を添加する、などの方法で行う。これら調
製法のうち、多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合した後、これに化合物(b)の残
部及び化合物(c)を添加する調製方法が引張強度など
を大きくするために好適である。
【0020】多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合し(第1段目)、次いで、得られ
た混合物に化合物(b)の残部及び化合物(c)を添加
して(第2段目)医用材料組成物を調製する場合におい
て、第1段目に多官能イソシアナート(a)と混合する
化合物(b)の量は、化合物(b)中のイソシアナート
基と重付加反応する水酸基の量が多官能イソシアナート
(a)中のイソシアナート基100モルに対して、35
〜65モル、好ましくは40〜60モルの割合になる範
囲にする。35モル未満又は65モル超であると引張強
度などを大きくする効果が小さくなる。多官能イソシア
ナート(a)と化合物(b)の一部とを混合する際又は
混合した後、加熱することが好ましい。加熱によって多
官能イソシアナート(a)と化合物(b)の一部とが重
付加反応する。加熱温度は、通常、50〜100℃、好
ましくは60〜90℃である。50℃未満では結合する
のに時間がかかり、逆に100℃を超えると第2段目の
操作が困難になるとともに、バルーンの永久伸びが大き
く、引張強度、引裂強度及び伸びが小さくなる。加熱時
間は、通常、10〜480分、好ましくは30〜120
分である。化合物(b)の残部と化合物(c)の添加
は、通常、前記の加熱終了後、冷却してから行う。化合
物(b)の残部の量は、化合物(b)中のイソシアナー
ト基と重付加反応する水酸基の量が多官能イソシアナー
ト(a)中のイソシアナート基100モルに対して、通
常、5〜55モルの割合になる範囲にする。
【0021】本発明の医用材料組成物を構成する多官能
イソシアナート(a)と、化合物(b)及び化合物
(c)とを重付加反応することによって医用成形物を得
ることができる。重付加反応は医用材料組成物を成形後
又は成形前のいずれかに、好ましくは成形後に行う。成
形は、通常、溶融成形法、キャスティング成形法、ディ
ッピング成形法、好ましくはディッピング成形法によっ
て行われる。例えば、ディッピング成形法では、所望の
形状の型を、医用材料組成物の有機溶媒溶液に浸漬し、
引き上げて、放置する。
【0022】重付加反応は、医用材料組成物を加熱する
ことにより行われる。加熱は、医用材料組成物に含まれ
る溶媒、分散媒などの揮発性成分の量を、医用材料組成
物に対して、通常、3重量%以下、好ましくは0.5重
量%以下まで除去してから行うのが好ましい。3重量%
を超えると加熱時の組成物が発泡して成形物に空隙がで
きてしまうので好ましくない。加熱温度は、通常、80
〜170℃、好ましくは100〜130℃である。80
℃未満では架橋反応が困難であり、170℃を超えると
分解反応が起きて成形物が劣化しやすいものとなる。加
熱時間は、成形物の形状によって異なるが、通常、12
〜120時間、好ましくは24〜72時間である。時間
が短いと医用成形物の永久伸びが大きくなり、長いと医
用成形物の引張強度が低下する。なお、架橋を促進する
ために触媒を添加してもよい。触媒としてはモノアミ
ン、有機金属触媒などが挙げられる。なお、重付加反応
後、通常、4〜14日間室温下に放置して、重付加反応
生成物(医用成形物)を熟成することが好ましい。熟成
することによって医用成形物の永久伸びがより小さくな
る。
【0023】本発明のバルーンカテーテルのバルーン
は、その破断時の引張強度が、通常、15〜50MP
a、好ましくは18〜40MPaであり、破断時の伸び
が、通常、600%以上、好ましくは700%以上であ
り且つ引張除力後の伸びが、通常、20%以下、好まし
くは10%以下である。
【0024】本発明の好適な態様を以下に示す。 (I) 多官能イソシアナート(a)、分子量700〜
3000を有し、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド共重合
体の中から選ばれた少なくとも1種の化合物(b)及び
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,4−ジメチロールベンゼン、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、メチレングリコシド、しょ糖、エチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ
イソプロピルメチレンジアミン、N,N’−ジ−sec
−ブチル−p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリ
アミノベンゼンの中から選ばれた水酸基又はアミノ基を
含有する化合物(c)を必須成分とし、化合物(b)中
の水酸基の量が、多官能イソシアナート(a)中のイソ
シアナート基100モルに対して60〜90モルであ
り、化合物(c)中の水酸基又はアミノ基の量が、多官
能イソシアナート(a)中のイソシアナート基100モ
ルに対して5〜35モルであり且つ化合物(b)及び化
合物(c)中の水酸基又はアミノ基の合計量が多官能イ
ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
対して80〜95モルであることを特徴とするバルーン
カテーテルのバルーン部分用医用材料組成物において: (1)多官能イソシアナート(a)がジフェニルメタン
ジイソシアナートである。 (2)化合物(b)がポリオキシテトラメチレングリコ
ールである。 (3)化合物(c)がトリメチロールプロパン、エチレ
ンジアミン及び1,4−ブタンジオールの中から選ばれ
る。 (4)化合物(c)がイソシアナート基と重付加反応す
る官能基(水酸基又はアミノ基)を2個有する化合物
(c1)と、イソシアナート基と重付加反応する官能基
(水酸基又はアミノ基)を3個以上有する化合物(c
2)とを組合わせ使用したものである。 (5)前項(4)の2官能化合物(c1)と3官能化合
物(c2)とを組合わせ用いるに際し、2官能化合物
(c1)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基
(水酸基又はアミノ基)の量が、化合物(c1)中及び
化合物(c2)中のイソシアナート基と重付加反応する
官能基(水酸基又はアミノ基)の合計量に対して50〜
95モル%の割合、3官能以上化合物(c2)中のイソ
シアナート基と重付加反応する官能基(水酸基又はアミ
ノ基)の量が、化合物(c1)中及び化合物(c2)中
のイソシアナート基と重付加反応する官能基(水酸基又
はアミノ基)の合計量に対して5〜50モル%の割合に
なる量の2官能化合物(c1)及び3官能以上化合物
(c2)を用いる。 (6)前項(4)及び(5)において、2官能化合物
(c1)がエチレンジアミン及び1,4−ブタンジオー
ルの中から選ばれ、3官能以上化合物(c2)がトリメ
チロールプロパンである。 (II) 多官能イソシアナート(a)と化合物(b)
の一部とを混合し、次いで、得られた混合物に化合物
(b)の残部及び化合物(c)を添加することを特徴と
する前記(I)に記載されたバルーンカテーテルのバル
ーン部分用医用材料組成物の調製方法において: (1) 多官能イソシアナート(a)中のイソシアナー
ト基の量100モルに対して、化合物(b)中のイソシ
アナート基と重付加反応する水酸基の量が35〜65モ
ルの割合で多官能イソシアナート(a)と化合物(b)
とを混合し加熱し、次いで、多官能イソシアナート
(a)中のイソシアナート基の量100モルに対して、
化合物(b)中のイソシアナート基と重付加反応する水
酸基の量が5〜55モル(但し、化合物(b)中のイソ
シアナート基と重付加反応する水酸基の合計量は60〜
90モルである。)及び化合物(c)中のイソシアナー
ト基と重付加反応する水酸基又はアミノ基の量が5〜3
5モルの割合で化合物(b)及び化合物(c)を添加す
る。 (2)加熱温度が50〜100℃である。 (III) 前記(I)に記載された医用材料組成物を
構成する多官能イソシアナート(a)と、化合物(b)
及び化合物(c)とを重付加反応してなるバルーンカテ
ーテルのバルーンにおいて: (1) 前記(I)に記載された医用材料組成物を80
〜170℃に加熱して重付加反応したものである。 (2) 重付加反応後、4〜14日間室温下に放置して
熟成したものである。
【0025】
【発明の効果】本発明の医用材料組成物を架橋してなる
バルーンカテーテルのバルーンは、高伸縮率を有するに
もかかわらず高い抗血栓性を有する。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでな
い。
【0027】本実施例において行った評価方法を以下に
説明する。 (引張試験)2mm厚のシートを3号形ダンベル(JI
S K6301)で打ち抜き、これをJIS K−63
01に準じて、チャック間距離20mm、引張速度50
0mm/分、温度23℃、相対湿度65%の条件で、引
っ張り破断時の伸度及び引張強度を求めた。
【0028】(永久伸び)2mm厚のシートを3号形ダ
ンベル(JIS K6301)で打ち抜き、それの表面
に引張方向に2cm間隔で標線をマークした。チャック
間距離20mm、引張速度500mm/分、温度23
℃、相対湿度65%の条件で、伸度500%になるまで
引っ張り、その状態で10分間保持した。除力後10分
間放置し、標線の間隔を測定した。引張前後における標
線間隔の差を、引張前の標線間隔(2cm)に対する比
(%)で求め、永久伸びとした。
【0029】(引裂試験)2mm厚のシートを、60m
m×12mmの長方形で、長辺の中央に深さ2mmの直
角三角形の切れ込みのある形に打ち抜き、これを上記引
張試験と同様にして引き裂き破断時の強度を求めた。
【0030】(抗血栓性)バルーンカテーテルをヤギの
大静脈から右心房付近まで挿入した後、カテーテルに生
理食塩水を圧入してバルーンを直径1cmになるまで膨
張させ、10分間放置し、次いで収縮させ、収縮から3
0分経過後、大静脈からバルーンカテーテルを抜き出
し、バルーン部分の表面を肉眼により血栓の有無を観察
した。 ○:血栓が生じていない。 ×:血栓が生じていた。
【0031】実施例1 窒素置換した反応器にジフェニルメタンジイソシアナー
ト100ミリモルを仕込み、80℃に昇温し、次に分子
量1000のポリオキシテトラメチレングリコール50
ミリモルを添加して1時間重付加反応させ(第一段
目)、25℃に冷却し、重付加物を得た。この重付加物
の分子量は約1500であった。次に前記重付加物の入
った反応器を60℃に昇温して、分子量1000のポリ
オキシテトラメチレングリコール25ミリモル、1,4
−ブタンジオール15ミリモル及びテトラヒドロフラン
290gを反応器に添加して10時間攪拌した(第2段
目)後、粘度を2000cpsに調製し、医用材料組成
物を得た。
【0032】この溶液45mlを直径100mmのシャ
ーレに流し込み、窒素気流下でテトラヒドロフランを除
去し(テトラヒドロフラン残量0.2%)、円盤状固形
物を得、次いで、円盤状の固形物を、110℃の恒温器
に24時間放置し、さらに6日間室温下に放置して熟成
して、厚さ2mmのシート(医用成形物)を得た。この
シートの評価結果を表1に示した。
【0033】また、直径1.8mm、長さ100mmの
テフロン被覆ステンレス棒を浸漬して、棒に前記溶液を
付着させ、棒を溶液から引き揚げて室温下に放置しテト
ラヒドロフランを蒸発除去した。さらに110℃の恒温
器に24時間放置して架橋し、さらに7日間室温下に放
置し熟成して、一末端が閉塞した0.15mm厚のチュ
ーブ(医用成形物)を得た。このチューブを長さ1.3
mmに切断し、直径1.8mmの市販カテーテルの先端
部のバルーン用側孔を覆うように取り付けて、バルーン
カテーテルを得た。このバルーンカテーテルの抗血栓性
の評価結果を表1に示した。
【0034】実施例2〜17及び比較例1〜 実施例1において用いた化合物の種類又は量を表1、表
2又は表3に示すものに変えた他は実施例1と同様にし
て医用材料組成物、シート及びバルーンカテーテルを得
た。シート及びバルーンカテーテルの評価結果を表1、
表2又は表3に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】以上から、化合物(b)中のイソシアナー
ト基と重付加反応する官能基の量が、60モル未満の場
合(比較例1)には医用成形物の永久伸びが大きくな
り、また伸びが小さくなり、逆に90モルを超える場合
(比較例2)には永久伸びが大きくなり、また引張強度
が小さくなることがわかる。化合物(c)中のイソシア
ナート基と重付加反応する官能基の量が5モル未満の場
合(比較例3)には医用成形物の引張強度が小さくな
ことがわかる。また、化合物(b)の分子量が700未
満の場合には成形物の引張強度及び伸びが小さくなり、
逆に化合物(b)の分子量が3000を超える場合には
医用成形物の永久伸びが大きくなることがわかる。
【0040】一方、本発明の医用材料組成物を架橋して
なるバルーンカテーテルのバルーンは、引裂強度、引張
強度及び伸びが大きく且つ永久伸びが小さく、カテーテ
ルを用いた際に血栓を発生し難いことがわかる。特に、
イソシアナート基と重付加反応する官能基(水酸基又は
アミノ基)を2個有する化合物(c1)と、イソシアナ
ート基と重付加反応する官能基(水酸基又はアミノ基)
を3個以上有する化合物(c2)とを組合わせて使用し
た場合(実施例6、15及び16)には引裂強度及び引
張強度がさらに大きく、また永久伸びがさらに小さくな
っていることがわかる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−275068(JP,A) 特開 平1−34402(JP,A) 特開 平3−115317(JP,A) 特開 平2−307476(JP,A) 特開 平2−147062(JP,A) 特開 平2−214715(JP,A) 特開 平2−215821(JP,A) 特開 平4−226119(JP,A) 特開 平6−73150(JP,A) 特開 昭61−235465(JP,A) 特開 昭61−246221(JP,A) 特開 昭62−2949(JP,A) 特開 昭57−51718(JP,A) 特開 昭62−22818(JP,A) 特開 昭58−132017(JP,A) 特開 昭61−236814(JP,A) 特開 昭63−278925(JP,A) 欧州特許出願公開452754(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 29/00 - 29/18 A61L 27/00 - 27/60

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能イソシアナート(a)、分子量7
    00〜3000を有し、ポリオキシテトラメチレングリ
    コール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
    コール、プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド共
    重合体の中から選ばれた少なくとも1種の化合物(b)
    及びエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
    ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
    ヘキサンジオール、1,4−ジメチロールベンゼン、グ
    リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
    ール、ソルビトール、メチレングリコシド、しょ糖、エ
    チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−
    ジイソプロピルメチレンジアミン、N,N’−ジ−se
    c−ブチル−p−フェニレンジアミン、1,3,5−ト
    リアミノベンゼンの中から選ばれた水酸基又はアミノ基
    を含有する化合物(c)を必須成分とし、化合物(b)
    中の水酸基の量が、多官能イソシアナート(a)中のイ
    ソシアナート基100モルに対して60〜90モルであ
    り、化合物(c)中の水酸基又はアミノ基の量が、多官
    能イソシアナート(a)中のイソシアナート基100モ
    ルに対して5〜35モルであり且つ化合物(b)及び化
    合物(c)中の水酸基又はアミノ基の合計量が多官能イ
    ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
    対して80〜95モルであることを特徴とするバルーン
    カテーテルのバルーン部分用医用材料組成物。
  2. 【請求項2】 多官能イソシアナート(a)と化合物
    (b)の一部とを混合し、次いで、得られた混合物に化
    合物(b)の残部及び化合物(c)を添加することを特
    徴とする請求項1に記載されたバルーンカテーテルのバ
    ルーン部分用医用材料組成物の調製方法。
  3. 【請求項3】 多官能イソシアナート(a)中のイソシ
    アナート基の量100モルに対して、化合物(b)中の
    水酸基の量が35〜65モルの割合で多官能イソシアナ
    ート(a)と化合物(b)とを混合し加熱し、次いで、
    多官能イソシアナート(a)中のイソシアナート基の量
    100モルに対して、化合物(b)中の水酸基の量が5
    〜55モル(但し、化合物(b)中の水酸基の合計量は
    60〜90モルである。)及び化合物(c)中の水酸基
    又はアミノ基の量が5〜35モルの割合で化合物(b)
    及び化合物(c)を添加することを特徴とする請求項2
    に記載された、バルーンカテーテルのバルーン部分用医
    用材料組成物の調製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたバルーンカテーテ
    ルのバルーン部分用医用材料組成物を構成する多官能イ
    ソシアナート(a)と、化合物(b)及び化合物(c)
    とを重付加反応してなるバルーンカテーテルのバルー
    ン。
  5. 【請求項5】 破断時の引張強度が15〜50MPa、
    破断時の伸びが600%以上であり且つ引張除力後の伸
    びが20%以下である請求項4に記載されたバルーンカ
    テーテルのバルーン。
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