JP4877267B2 - 無機結晶を含有する医用カテーテル - Google Patents

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本発明は、カテーテルやバルーンを有するバルーンカテーテルなどの医用カテーテルに関するものである。
バルーンを備えたバルーンカテーテルは医療において有用性が増すと共に機能向上のための改良が盛んに行われている。
バルーンカテーテルを用いる治療法としては、冠動脈などの血管の狭窄部を拡張する経皮的冠動脈血管形成術(PTCA)や末梢血管などの狭窄部を拡張する経皮的血管形成術(PTA)また、大動脈バルーンポンピング(IABP)などがある。
PTCAやPTAにおけるバルーンカテーテルでは、シャフト部でトラッカビリティー(追従性)やプッシャビリティー(力伝達性)、及び細径が求められ、バルーン部で高い耐圧性及びノンコンプライアント性(寸法安定性)と同時に、柔軟性やロープロファイル(薄膜化)が求められている。
ポリマーの材質としては、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体、塩素化ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ハイインパクトポリスチレン、アイオノマー、メタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンブタジエンゴム、シリコン樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等が挙げられる。
バルーン部分に用いられる材料の例として、まず、ポリアミド(ナイロン)を挙げる。ナイロンはその分子構造の1ユニットの炭素数から分類され、炭素鎖の長さにより性質が異なる。例えば、ナイロン12の場合、融点が179℃であり他のナイロンに比べ柔軟性に富む特性を有する。このナイロン12から作成されたバルーンは、柔軟性はあるものの他のナイロンに比べ耐圧性及び寸法安定性において劣ったバルーンとなる。また、ナイロン66の場合では、融点が223℃と高く他のナイロンに比べ高弾性率を有するが、柔軟性に乏しいバルーンとなる。
これらの欠点を補う従来の技術として、特開平5−95996、特表平9−509860が挙げられる。前者の技術は、脂肪族ポリアミドではなく脂肪族−芳香族ポリアミドをベースのポリマーに用い、さらにハードセグメントとして脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化したバルーンである。
また、後者の技術はポリアミドにソフトセグメントとしてポリエーテルを共重合させたポリアミド系エラストマーのバルーンである。
しかし、従来の技術では耐圧性、寸法安定性に影響を及ぼす引張強度及び伸びを十分に制御されたバルーンを得るには至っていない。
具体的には、ベースのポリマーに脂肪族−芳香族ポリアミドを選択し、さらに寸法安定性や強度特性を向上させるために炭素鎖の短い脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化している従来技術では、主鎖中に芳香族環を有するため耐圧性及び寸法安定性で向上が見られるもののポリエチレンテレフタレート(PET)によるバルーンには及ばない、また、柔軟性において脂肪族ポリアミドより悪い。
さらに、上記従来技術ではハードセグメントとして脂肪族ポリアミドをアロイ化しているが、配合率を増やしすぎるとベースのポリマーの特性が大幅に損なわれてしまうし、また、配合率が少ないと有機物高分子であるがため十分な補強効果が得られない問題を有している。
ベースのポリマーに比較的炭素鎖の短いポリイミドを選択し、それに柔軟性を付与させるためにポリエーテルを共重合させる方法で柔軟性を有するバルーンを得ている従来技術では、ベースのポリマーに柔軟性を付加させることはできてもベースのポリマーが有する特性以上の耐圧性及び寸法安定性に改質することは不可能である。すなわち、ベースのポリマーであるポリアミドの特性を損なう方向でしか作用せず、耐圧性及び寸法安定性においてPETによるバルーンには及ばない。
さらに、ソフトセグメントの配合率を増加しすぎると、耐圧性と寸法安定性が急激に悪化するため、配合率を増加してポリエチレン相当の柔軟性を得てもバルーンが求める耐圧性及び寸法安定性が得られない問題を有している。
このようなバルーン部分に関わる問題点は、本発明による、ポリアミド樹脂中に無機結晶を含有させた無機結晶複合材料からなり、前記無機結晶が、ポリアミド樹脂のモノマーのインターカレーションにより有機化された層状結晶である医用カテーテルにより解決される。
本発明の医用カテーテルは、バルーンを有するバルーンカテーテルであることが好ましい。
また、本発明の医用カテーテルが、バルーンを有するバルーンカテーテルである場合、バルーンのみが、前記無機結晶複合材料からなることが好ましい。
脂肪族−芳香族ポリアミドに寸法安定性や強度特性を向上させるために脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化する従来技術では、柔軟性が脂肪族ポリアミドより劣り、また、有機物高分子によるハードセグメントのため補強効果が小さく、かたや、配合率を増やしすぎるとベースのポリマーの特性が大幅に損なわれる問題があった。本発明では、有機物高分子によるハードセグメントに比べはるかに高い剛性を有する無機結晶を用いるため高い補強効果を得られる。
脂肪族ポリイミドに柔軟性を付与させるためにポリエーテルを共重合させる従来技術では、柔軟性を付加させることは出来ても耐圧性や寸法安定性を向上させることは不可能で、また、柔軟性向上のためにソフトセグメントを増やしすぎるとバルーンが求める耐圧性及び寸法安定性が得られなくなる問題があった。本発明では、十分な柔軟性を有する樹脂と含有による伸びの低下が少ない無機結晶の組合わせからなるポリアミド系エラストマーの無機結晶複合材料を用いたバルーンにより、従来バルーンに比べ柔軟性を維持したまま1.3〜3.0倍、引っ張り強さが向上する。
特に、インターカレーションにより有機化した無機結晶を含有した無機結晶複合材料は、補強効果が高く、無機結晶を含有しないポリアミド系バルーン(従来技術のバルーン)に比べ1.3〜3.0倍、引っ張り強度が向上し、無機結晶の選択により延びも保持することができる。
すなわち、本発明では種々の無機結晶と種々のポリマーを種々の配合率で、また、それらに適した含有方法で合成した無機結晶複合材料を用いてバルーンやシャフトを作成することで、従来の技術の延長上では達成し得なかった引張強度、伸びの特性を持つバルーンやシャフトが得られる。また、バルーンの場合、耐圧性及び寸法安定性、柔軟性を制御したバルーンを得るだけに止まらず、バルーン成形時の延伸条件によりバルーンの拡張圧力とバルーンの寸法変化の挙動(コンプライアント特性)をも制御したバルーンを得ることが可能である。
まず、本発明に用いられる無機結晶を表1に組成別に分類して例示する。また、無機結晶の内、層状構造を有する層状結晶を表2に、さらに層間にイオンを含むイオン交換性層状結晶を表3に、その他で層間化合物を形成する層状結晶を表4に、それぞれの代表的な無機結晶を一例として示す。
Figure 0004877267
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無機結晶にはさまざまな形状、サイズのものが存在するが、バルーン部分には表2、表3、表4に示す無機結晶を含有させた無機結晶複合材料を用いるのが好ましい。
特に、層状結晶をインターカレーションによりイオン交換(有機化)して得た無機結晶複合材料、例えば、モンモリロナイトとポリアミドの無機結晶複合材料では、0.5ナノメートルから100ナノメートルのナノオーダーで無機結晶が単分散しており、その全表面積の増大と粒子間距離の減少により無機結晶とポリマー分子、さらには無機結晶どうしのイオン結合等による相互作用が増大され、優れた補強効果が得られることから、インタカレーションが容易に行え無機結晶が単分散しうるイオン交換性層状結晶、特にケイ酸塩などが本発明に用いられる無機結晶としてはより好ましい。
無機結晶複合材料の無機結晶含有量は、ベースとなるポリマー種および含有させる無機結晶の組み合わせにより上限が異なる。ポリマーとしてポリアミドエラストマー、無機結晶としてゼピオライトを用いた場合、無機結晶含有量と引っ張り強度との関係を図1に示す。この場合は、ポリマー中の無機結晶の含有量は、約60%が引っ張り強度補強の点で上限であり、それ以上含有させても補強効果はほとんど向上せず、含有させる無機結晶によっては引っ張り強度が低下する場合もある。シャフト用途の場合は、シャフトの成形方法、例えば押し出し成形で行う場合は40%が概ね成形上の限界である。ただし、ディッピングによる成形では80%でもシャフト成形は可能である。
ポリマー中の無機結晶の含有率で60%が概ね補強効果の上限ではあるもののこれにより含有量の上限を規制するものではなく60%以上無機結晶を含有させてもかまわない。なお、目標の引っ張り強度、伸びを満たした範囲内で無機結晶の含有量は少ないほうがコスト的にも、安全上でも好ましい。したがって、無機結晶の最低含有量の下限を規制するものではないが、通常、無機結晶の含有量は1%以上、好ましくは2%以上である。無機結晶の含有量が1%未満では、本発明の引っ張り強度への効果が十分ではない傾向がある。
バルーン用途においては、シャフトと異なり肉厚が薄く医療行為により拡張、収縮の繰り返し操作が行われるため可動性である必要がある。したがって、無機結晶複合材料の無機結晶含有量は概ね30%が上限で、それ以上含有させると可動性が悪くなる。ただし、30%が可動性上の上限ではあるもののこれにより含有量の上限を規制するものではなく30%以上無機結晶を含有させてもかまわない。なお、目標の引っ張り強度、伸びを満たした範囲内で無機結晶の含有量は少ないほうがコスト的にも、安全上でも好ましい。
無機結晶複合材料の無機結晶の含有量における下限域については、ベースとなるポリマー種および含有させる無機結晶の組み合わせにより異なるが、含有量と補強効果は図1に示すように概ね比例関係にあり少量からでも補強効果が得られ始める。
例えば、ケイ酸塩を用いた無機結晶複合材料の場合、5〜15%の範囲内で引っ張り強度および伸びの概ねは達成できる。
例えば、高耐圧性と優れた寸法安定性を有したノンコンプライアントバルーンを得る場合は、耐圧性および寸法安定性に有利なポリマーに無機結晶を単分散させた無機結晶複合材料を用いて、例えば、ナイロン66にセピオライトを十数%含有させた無機結晶複合材料(PA66−S)を用いてバルーンを作成すれば無機結晶の補強効果により優れた耐圧性及び寸法安定性性を有するバルーンを得ることができる。
同様に、伸びや柔軟性を維持したまま引っ張り強さを向上させたバルーンを得る場合は、十分な柔軟性を有するポリマーと含有による伸びの低下が少ない無機結晶を選択し作成した無機結晶複合材料を用いて、例えば、ナイロン12にソフトセグメントの配合率を増やした組成比でヘクトライトを数%含有させたナイロン12エラストマー系の無機結晶複合材料(TPEPA12−H)を用いて、バルーンを作成すれば伸びや柔軟性を維持したまま引張り強さを向上させたバルーンを得ることができる。
さらに、バルーン成形時の延伸条件との無機結晶複合材料の組み合わせによりバルーンの拡張圧力とバルーンの寸法変化の挙動(コンプライアント特性)をも制御したバルーンを得ることも可能である。
具体的には、バルーン作成時の延伸倍率を下げて故意に寸法安定性を低下させる。なお、その寸法変化は、無機結晶の選択、配合率等の調整により一般的なコンプライアントバルーンのコンプライアント特性になるようにし、例えば、ステントを用いる最終径で最高に配向された状態(延伸限界)になるように設計することで実現可能である。
また、同様な考え方によりノンコンプライアントバルーンからコンプライアントバルーンまで、さまざまなコンプライアント特性を有するバルーンが無機結晶複合材料により設計できる。
無機結晶複合材料の合成方法しては、溶融混練し含有させる方法、例えば、二軸押し出し機で混練する方法やプラストミルで混練する方法など、また、反応過程で無機結晶を含有させる方法、例えば、In−Situフィラー形成法(ゾル−ゲル法)、In−Situ重合法など、また、ポリマーと無機結晶を溶媒系内で分散させる方法などがあり、これら無機結晶の分散に適した方法を選択し用いれば良い。
また、無機結晶の分散性を容易にする方法としては、シラン処理を行う方法やカップリング剤を用いる方法、さらに、層間挿入法(インターカレーションやデインターカレーション)による方法、例えば、モノマー挿入後重合法やポリマー挿入法などを選択し用いれば良い。特に、イオン交換性層状結晶の場合、インターカレーションを用いるとナノオーダーの無機結晶が単分散した補強効果の良好な無機結晶複合材料が得られる。
インターカレーションについてポリアミドとイオン交換性層状結晶による無機結晶複合材料の合成方法について一例を挙げて説明すると、モンモリロナイトにナイロンの出発原料であるε−カプロラクタムや12−アミノラウリン酸(ALA)などのモノマーをインターカレーションさせ、その有機化した無機結晶のまま反応を行うことで無機結晶が単分散し補強効果の良好な無機結晶複合材料を得ることができる。
そのインターカレーションにおいてイオン交換性層状結晶のイオン交換容量は、20〜200ミリ当量/100gのものが適当で、例えば、スメクタイトは60〜120ミリ当量/100gであり、バーミキュライトは100〜165ミリ当量/100gである。これらは、n−アルキルアミン塩酸塩の水溶液と接触させるだけでイオン化したアンモニウムイオンとイオン交換(有機化)できる。
また、電荷密度が高く層間の結合力が強い無機結晶に対しては、例えば、電荷密度が1.0価である白雲母は塩化バリウム溶液と120℃で反応させることでイオンの交換が容易になるなど、各層状結晶の特徴、性質に合わせた前処理を選択し有機化を行えば良い。
層間にイオンを含まない層状結晶の場合でも、例えば、ヘキサン溶液中でn−ブチルリチウムを反応させる方法、あるいは、強い還元剤を用いて結晶層内の還元とアルカリイオンのインターカレーションを同時に行う方法など、各層状結晶に適した方法を選択しイオン交換性層状結晶に、あるいは有機化すれば良い。
続いて、本発明に用いるポリマーは、例えば脂肪族ポリアミドであっても、脂肪族−芳香族ポリアミドであっても、さらにポリアミド系エラストマーや軟質ポリアミド、非結晶ポリアミドであってもよい。
また、上記ポリマーは、ポリアミドが二種以上のポリマーからなるポリアミド系ブレンド、あるいはポリアミド系ポリマーアロイ、あるいはポリアミド系モレキュラーコンポジット、あるいは共重合ポリアミドであっても良い。
さらに補足すると、ポリマーアロイとは、例えば、ナイロン/ビニルポリマー系アロイやナイロン/ポリオレフィン系アロイ、ナイロン/ポリフェニレンオキシド(PPO)系アロイ、また、非晶性ナイロン系アロイやナイロン/ポリエステル系アロイ、ナイロン/ナイロン系アロイなどを示す。
また、モレキュラーコンポジットとは、例えば、ナイロン/p−フェニレンテレフタレート(PPTA)などを示す。
共重合ポリアミドとは、ナイロン塩の二元以上の共重合体を示し、例えば、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ナイロン610(PA610)、ナイロン12(PA12)、ナイロン69(PA69)、ナイロン612(PA612)などのナイロン塩を少なくとも二種以上の組み合わせ及びその配合比の組み合わせからなるランダム共重合や、例えば、カプロラクタム/アミノメチル安臭香酸やカプロラクタム/4−アミノメチルシクロヘキサカルボン酸などの同型置換共重合体などを示す。
また、本発明で用いるポリアミド系エラストマーとは、ソフトセグメントにポリエーテルアミド構造となる、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)やポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、脂肪族ポリエーテルジオールなどや、ポリエステルアミド構造となる、例えば、脂肪族ポリエステルなどを用いた共重合体を示す。
軟質ポリアミドとは、芳香族スルホン酸アミドやp−オキシ安臭香酸エステル、N−アルキルトルエンスルホン酸アミドなどの可塑剤を配合し改質したポリアミドを示す。
また、非結晶ポリアミドとは、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートとアジピン酸、アゼライン酸、イソフタル酸の反応から得られる透明ナイロンなどを示す。
本発明では、以上に示す種々の無機結晶と種々のポリマーを種々の配合率で、また、それらに適した含有方法で合成した無機結晶複合材料を用いてバルーンやシャフトを作成することで、従来の技術の延長上では達成し得なかった性能及び特性を持つバルーンやシャフトを得ることを見出した。
(実施例1)
モンモリロナイトを酸性水溶液及び12−アミノラウリン酸の混合液に中に分散させ80℃に加温し2時間攪拌した後、水洗し有機化したモンモリロナイトを得た。続いて、12−アミノラウリン酸を加え、縮合反応によりモンモリロナイトを5%含有したポリアミド12複合材料(PA12−M5)を得た。
PA12−M5を一軸押し出し機によりフィルムを作成し、それを二軸延伸した評価用サンプル(ダミーバルーン)作成した。なお、延伸条件はフィルム長手方向(MD)に4倍、幅方向(TD)に4倍、同時二軸延伸処理で行った。そのダミーバルーンの引っ張り強さは1578kg/cmであった。また、その引っ張り応力−ひずみ曲線を図2に示すように、寸法安定性が優れたノンコンプライアンス特性を示すことが確認された。
(実施例2)
有機化したモンモリロナイト、ラウリルラクタム、PTMG、ドデカン二酸を加え、ラクタムの開環条件で反応、縮合反応によりモンモリロナイトを3%含有したポリアミド12エラストマー複合材料(TPEPA12−M3)を得た。
TPEPA12−M3を一軸押し出し機によりフィルムを作成し、それを二軸延伸して評価用サンプル(ダミーバルーン)を作成した。なお、延伸条件はMDに4倍、TDに4倍、同時二軸延伸処理とした。そのダミーバルーンの引っ張り強さは1200kg/cm2であった。また、その引っ張り応力−ひずみ曲線を図2に示すように、コンプライアント特性を示すことが確認された。
(実施例3)
有機化したモンモリロナイト、ラウリルラクタム、PTMG、ドデカン二酸を加え、ラクタムの開環条件で反応、縮合反応によりモンモリロナイトを5%含有したポリアミド12エラストマー複合材料(TPEPA12−M5)を得た。
TPEPA12−M5を一軸押し出し機によりフィルムを作成し、それを二軸延伸した評価用サンプル(ダミーバルーン)を作成した。なお、延伸条件はMDに3.5倍、TDに2.5倍、同時二軸延伸処理とした。そのダミーバルーンの引っ張り強さは1250kg/cm2であった。また、その引っ張り応力−ひずみ曲線を図2に示すように、コンプライアント特性からノンコンプライアント特性へと移行する特性を示すことが確認された。
(実施例4)
合成マイカ、サポナイト、ヘクトライト、ゼピオライトについてポリアミド6複合材料(PA6−ME、PA6−SP、PA6−HC、PA6−S5、PA6−S10)を合成した。
各々の引っ張り強さ及び伸びを表5に一括して表す。その結果、非含有PA6に対し、1.3から1.8倍の引っ張り強さの向上が確認された。また、無機結晶の選定により伸びを変えられることが確認された。なお、引っ張り強さは同時二軸延伸により得たダミーバルーンの値を示し、伸びについては延伸前の樹脂特性をそれぞれ記載した。
Figure 0004877267
(実施例5)
シリカについて配合量を変えてポリアミド6複合材料(PA6−5C、PA6−10C、PA6−15C、PA6−20C、PA6−25C、PA6−30C)を合成した。
各々の引っ張り強さ及び伸びを表6に一括して表す。その結果、非含有PA6に対し、1.3から3倍の引っ張り強さの向上が確認された。なお、引っ張り強さは同時二軸延伸により得たダミーバルーンの値を示し、伸びについては延伸前の樹脂特性をそれぞれ記載した。また、PA6-15Cについてはバルーンを作成しコンプライアント特性を調べた。その結果を図3に示すが、非常に寸法安定性に優れたノンコンプライアンス特性を示すことが確認された。
Figure 0004877267
本発明に係る無機結晶含有量と引っ張り強度との関係を示すグラフである。 実施例1〜3の引っ張り応力−ひずみ曲線を示すグラフである。 実施例5のコンプライアント特性に関するグラフである。

Claims (3)

  1. ポリアミド樹脂中に無機結晶を含有させた無機結晶複合材料からなる医用カテーテルであって、前記無機結晶が、ポリアミド樹脂のモノマーのインターカレーションにより有機化された層状結晶であることを特徴とする医用カテーテル。
  2. 医用カテーテルがバルーンを有するバルーンカテーテルであることを特徴とする請求項1に記載の医用カテーテル。
  3. 前記バルーンのみが、前記無機結晶複合材料からなることを特徴とする請求項2に記載の医用カテーテル。
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