JPH0857037A - 医用材料組成物、その調製方法及び医用成形物 - Google Patents

医用材料組成物、その調製方法及び医用成形物

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JPH0857037A
JPH0857037A JP6219541A JP21954194A JPH0857037A JP H0857037 A JPH0857037 A JP H0857037A JP 6219541 A JP6219541 A JP 6219541A JP 21954194 A JP21954194 A JP 21954194A JP H0857037 A JPH0857037 A JP H0857037A
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哲夫 横山
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教子 平岡
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広人 木所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高伸縮率の要求される部分に適用可能で、毒
性が低く、引裂強度、引張強度及び伸びが大きく且つ永
久伸びが小さい医用成形物及びこの成形物を得るための
医用材料組成物を提供する。 【構成】 ジフェニルメタンジイソシアナート100ミ
リモルに分子量1000のポリオキシテトラメチレング
リコール50ミリモルを添加し重付加反応させ後、分子
量1000のポリオキシテトラメチレングリコール25
ミリモル、1,4−ブタンジオール15ミリモルを添加
して攪拌し、医用材料組成物を得る。この組成物を円盤
状に成形し、110℃の恒温器に24時間放置して、医
用成形物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医用成形物及び医用材料
組成物に関し、さらに詳しくは、カテーテルのバルーン
のごとき高い伸縮率の要求される部分に適用可能で、毒
性が低く、引裂強度、引張強度及び伸びが大きく且つ永
久伸びが小さい医用成形物及びこの成形物を得るための
医用材料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の治療等に用いるカテーテル、人工
血管のごとき医用成形物は、毒性が低く、引張強度及び
伸びが大きく且つ永久伸びが小さいことが要求されるも
のである。バルーンカテーテルのバルーン用等の医用成
形物を得るための材料としては、天然ゴムがよく知られ
ている。しかし、天然ゴムは、少量のタンパク質が含ま
れているため、天然ゴムを材料とする成形物を使用した
場合に生体アレルギー反応を起こすことが最近判明し、
そのため天然ゴムに代わる医用材料組成物の開発が望ま
れている。天然ゴム代替材料としては、熱可塑性ポリウ
レタンが知られている。この熱可塑性ポリウレタンは、
ジイソシアナートと、ジオール又はジアミンとをほぼ等
しいモル割合で重付加反応して得られるポリマーであ
る。しかし、この熱可塑性ポリウレタンをバルーンカテ
ーテルのバルーンのごとく500%以上の高伸縮率が要
求される部分に適用した場合には、そのバルーンが収縮
した時、バルーン表面に皺ができ、血流に淀みが生じる
ので、血栓が多量に発生することが知られている。ま
た、この熱可塑性ポリウレタンは、その成形物の引張強
度、伸びなどが天然ゴムに比べ小さいものであるため天
然ゴムの代替材料としては適当でなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高伸
縮率の要求される部分に適用可能で、毒性が低く、引裂
強度、引張強度及び伸びが大きく且つ永久伸びが小さい
医用成形物及びこの成形物を得るための医用材料組成物
を提供することにある。本発明者らは、この目的を達成
すべく鋭意研究を行った結果、特定量の鎖延長化剤を用
いて得られたポリウレタンを用いることによって、前記
目的を達成できることを見いだし、この知見に基いて本
発明を完成するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、多官能イソシアナート(a)、分子量700〜30
00でイソシアナート基と重付加反応する官能基を2個
以上有する化合物(b)及び分子量500以下でイソシ
アナート基と重付加反応合する官能基を2個以上有する
化合物(c)を必須成分とし、化合物(b)中のイソシ
アナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イソシ
アナート(a)中のイソシアナート基100モルに対し
て60〜90モルであり、化合物(c)中のイソシアナ
ート基と重付加反応する官能基の量が、多官能イソシア
ナート(a)中のイソシアナート基100モルに対して
5〜35モルであり且つ化合物(b)中及び化合物
(c)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の
合計量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナー
ト基100モルに対して80〜95モルであることを特
徴とする医用材料組成物が提供される。また、本発明に
よれば、前記の医用材料組成物を構成する多官能イソシ
アナート(a)と、化合物(b)及び化合物(c)とを
重付加反応してなる医用成形物が提供される。
【0005】本発明の医用材料組成物は、多官能イソシ
アナート(a)と、特定分子量のイソシアナート基と重
付加反応する官能基を有する化合物(b)及び(c)を
必須成分とするものである。
【0006】本発明の医用材料組成物において用いる多
官能イソシアナート(a)は、イソシアナート基を2個
以上有する化合物である。具体的には、ジフェニルメタ
ンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ト
リレンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソ
シアナート、キシレンジイソシアナートのごとき芳香族
イソシアナート;ジシクロヘキサンジイソシアナート、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ヘキサメチ
レンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートの
ごとき脂肪族イソシアナートなどが挙げられる。これら
多官能イソシアナートのうちジフェニルメタンジイソシ
アナートが生体に対する安全性が高いので好ましい。
【0007】本発明の医用材料組成物において用いる化
合物(b)はイソシアナート基と重付加反応する官能基
を2個以上有するものである。イソシアナート基と重付
加反応する官能基は、活性水素を有する官能基である。
具体的には水酸基又はアミノ基が挙げられる。なお、活
性水素とは化合物の一部を構成する酸素原子又は窒素原
子に結合している水素原子のことをいう。イソシアナー
ト基と重付加反応する官能基を有する化合物(b)は、
その分子量の下限が、700、好ましくは800であ
り、上限が、3000、好ましくは1500である。7
00未満では医用材料組成物を架橋して得られる成形物
の引張強度及び伸びが小さくなる。逆に3000を超え
ると医用成形物の永久伸びが大きくなる。なお、化合物
(b)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィを用いて、テトラヒドロフランをキャリアとして測
定し、標準ポリスチレンの重量平均分子量の検量線を基
に求めた値である。
【0008】イソシアナート基と重付加反応する官能基
を有する化合物(b)の具体例としては、ポリオキシテ
トラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールやアルキレンオキサイド共重合
ポリオールのごときポリエーテルポリオール;アジピン
酸などの多価カルボン酸とグリコールやトリオール等の
多価アルコールとの脱水縮合物、ポリカーボネートジオ
ールのごときポリエステルポリオール;ポリブタジエン
ポリオール等が挙げられる。化合物(b)は1種又は2
種以上を組み合わせて用いることができる。これら化合
物(b)のうち、ポリエーテル、特にポリオキシテトラ
メチレングリコールは生体適合性が良く安全であるので
好ましい。
【0009】化合物(b)の量は、化合物(b)中のイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イ
ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
対して、60〜90モル、好ましくは70〜80モルの
割合になるものである。60モル未満では医用成形物の
永久伸びが大きくなり、また伸びが小さくなる。逆に9
0モルを超えると永久伸びが大きくなり、また引張強度
が小さくなる。
【0010】本発明の医用材料組成物において用いる化
合物(c)は、イソシアナート基と重付加反応する官能
基を2個以上有する化合物である。
【0011】化合物(c)は、その分子量が500以
下、好ましくは300以下である。500を超えるもの
を用いると医用成形物の強度が低下する。なお、分子量
は質量スペクトルを用いて測定して得られる値である。
【0012】化合物(c)の具体例としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、メチレングリコシド、シ
ョ糖のごときポリオール;エチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルメチレンジ
アミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンのごとき
ポリアミン;オキシムなどが挙げられる。化合物(c)
のうち、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン又
は1,4−ブタンジオールは、これらを用いることによ
って医用成形物の強度が高くなるので好ましく用いられ
る。
【0013】化合物(c)の量は、化合物(c)中のイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イ
ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
対して、5〜35モル、好ましくは5〜25モルになる
範囲のものである。5モル未満では医用成形物の引張強
度が小さくなり、35モルを超えると医用成形物の伸び
が小さくなる。
【0014】化合物(c)は2種以上を組み合わせて使
用することができる。イソシアナート基と重付加反応す
る官能基を2個有するもの(以下、2官能化合物(c
1)ということがある。)と、イソシアナート基と重付
加反応する官能基を3個以上有するもの(以下、3官能
以上化合物(c2)ということがある。)とを組み合わ
せて使用すると引裂強度及び引張強度が大きくなり、ま
た永久伸びも小さくなるので好適である。特に2官能化
合物(c1)としてエチレンジアミン又は1,4−ブタ
ンジオールを用い、3官能以上化合物(c2)としてト
リメチロールプロパンを用い、それらを組み合わせるの
が好適である。
【0015】2官能化合物(c1)と3官能以上化合物
(c2)とを組み合わせて使用する場合、2官能化合物
(c1)の量は、2官能化合物(c1)中のイソシアナ
ート基と重付加反応する官能基の量が化合物(c1)中
及び化合物(c2)中のイソシアナート基と重付加反応
する官能基の合計量に対して、通常、50〜95モル
%、好ましくは70〜90gモル%の割合になるもので
ある。50gモル%未満では医用成形物の伸び及び引裂
強度が小さくなる。逆に95モル%を超えると、医用成
形物の引裂強度及び引張強度を大きくする効果がなくな
る。3官能以上化合物(c2)の量は、3官能以上化合
物(c2)中のイソシアナート基と重付加反応する官能
基の量が化合物(c1)中及び化合物(c2)中ののイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の合計量に対し
て、通常、5〜50モル%、好ましくは10〜30モル
%になる範囲のものである。
【0016】化合物(b)と化合物(c)との合計量
は、化合物(b)中及び化合物(c)中のイソシアナー
ト基と重付加反応する官能基の量が多官能イソシアナー
ト(a)中のイソシアナート基100モルに対して、8
0〜95モル、好ましくは85〜95モルの割合になる
範囲のものである。この範囲を外れると永久伸びが大き
くなる。
【0017】本発明の医用材料組成物には、必要に応じ
て、無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸、リンゴ酸な
どのスコーチ防止剤;コロイダルシリカ、ホワイトカー
ボン、炭酸カルシウムなどの充填材;ジブチルフタレー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ(2−エ
チルヘキシル)アジペートなどの可塑剤;ホワイトオイ
ル、パラフィン等の軟化剤を配合できる。
【0018】本発明の医用材料組成物は、その性状によ
り限定されないが、有機溶媒の溶液としたものは成形性
に優れるので好適である。溶液に使用する有機溶媒は、
通常、水と相溶しないもの又は水と相溶して得られる水
溶液のpHが6〜8になるものである。具体的にはベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラ
ヒドロフタン、シクロヘキサノン等のエーテル;メチル
エチルケトン、イソブチルエチルケトン等のケトン;ヘ
キセン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素などが挙げられ
る。
【0019】本発明の医用材料組成物は、その調製方法
によって限定されない。調製は、通常、多官能イソシア
ナート(a)と化合物(b)とを混合した後、化合物
(c)の溶液を添加するか、化合物(b)と化合物
(c)とを混合した後、多官能イソシアナート(a)を
添加するか、多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合した後、化合物(b)の残部及び
化合物(c)を添加する、などの方法で行う。これら調
製法のうち、多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合した後、これに化合物(b)の残
部及び化合物(c)を添加する調製方法が引張強度など
を大きくするために好適である。
【0020】多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合した(第一段目)後、これに化合
物(b)の残部及び化合物(c)を添加して(第二段
目)調製する場合において、第一段目に多官能イソシア
ナート(a)と混合する化合物(b)の量は、化合物
(b)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の
量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナート基
100モルに対して、通常、35〜65モル、好ましく
は40〜60モルの割合になる範囲にする。35モル未
満又は65モルを超えると引張強度などを大きくする効
果が小さくなる。多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合する際又は混合した後、加熱する
ことが好ましい。加熱によって多官能イソシアナート
(a)と化合物(b)の一部とが重付加反応する。加熱
温度は、通常、50〜100℃、好ましくは60〜90
℃である。50℃未満では結合するのに時間がかかり、
逆に100℃を超えると第2段目の操作が困難になると
ともに、医用成形物の永久伸びが大きく、引張強度、引
裂強度及び伸びが小さくなる。加熱時間は、通常10〜
480分、好ましくは30〜120分である。化合物
(b)の残部と化合物(c)との添加は、通常、前記の
加熱終了後、冷却してから行う。化合物(b)の残部の
量は、化合物(b)中のイソシアナート基と重付加反応
する官能基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソ
シアナート基100モルに対して、通常、5モル以上、
好ましくは10モル以上になる割合のものである。
【0021】本発明の医用材料組成物を構成する多官能
イソシアナート(a)と、化合物(b)及び化合物
(c)とを重付加反応することによって医用成形物を得
ることができる。重付加反応は医用材料組成物を成形後
又は成形前のいずれかに、好ましくは成形後に行う。成
形は、通常、溶融成形法、キャスティング成形法、ディ
ッピング成形法、好ましくはディッピング成形法によっ
て行われる。例えば、ディッピング成形法では、所望の
形状の型を、医用材料組成物の有機溶媒溶液に浸漬し、
引き上げて、放置する。
【0022】重付加反応は、医用材料組成物を加熱する
ことにより行われる。加熱は、医用材料組成物に含まれ
る溶媒、分散媒などの揮発性成分の量を、医用材料組成
物に対して、通常、3重量%以下、好ましくは0.5重
量%以下まで除去してから行うのが好ましい。3重量%
を超えると加熱時の組成物が発泡して成形物に空隙がで
きてしまうので好ましくない。加熱温度は、通常、80
〜170℃、好ましくは100〜130℃である。80
℃未満では架橋反応が困難であり、170℃を超えると
分解反応が起きて成形物が劣化しやすいものとなる。加
熱時間は、成形物の形状によって異なるが、通常、12
〜120時間、好ましくは24〜72時間である。時間
が短いと医用成形物の永久伸びが大きくなり、長いと医
用成形物の引張強度が低下する。なお、架橋を促進する
ために触媒を添加してもよい。触媒としてはモノアミ
ン、有機金属触媒などが挙げられる。なお、重付加反応
後、通常、4〜14日間室温下に放置して、重付加反応
生成物(医用成形物)を熟成することが好ましい。熟成
することによって医用成形物の永久伸びがより小さくな
る。
【0023】本発明の医用成形物は、その破断時の引張
強度が、通常、15〜50MPa、好ましくは18〜4
0MPaであり、破断時の伸びが、通常、600%以
上、好ましくは700%以上であり且つ引張除力後の伸
びが、通常、20%以下、好ましくは10%以下である
ので、チューブ;バルーンカテーテルなどのカテーテ
ル;人工心臓;人工血管;人工弁などに適用できる。特
にバルーンカテーテルのバルーン部分のごとく高伸縮率
が要求される部分への適用が好ましい。
【0024】本発明の好適な態様を以下に示す。 (1)多官能イソシアナート(a)、分子量700〜3
000でイソシアナート基と重付加反応する官能基を2
個以上有する化合物(b)及び分子量500以下でイソ
シアナート基と重付加反応合する官能基を2個以上有す
る化合物(c)を必須成分とし、化合物(b)中のイソ
シアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イソ
シアナート(a)中のイソシアナート基100モルに対
して60〜90モルであり、化合物(c)中のイソシア
ナート基と重付加反応する官能基の量が、多官能イソシ
アナート(a)中のイソシアナート基100モルに対し
て5〜35モルであり且つ化合物(b)中及び化合物
(c)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の
合計量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナー
ト基100モルに対して80〜95モルであることを特
徴とする医用材料組成物。 (2)多官能イソシアナート(a)がジフェニルメタン
ジイソシアナートであることを特徴とする前記(1)の
医用材料組成物。 (3)化合物(b)がポリエーテル、好ましくはポリオ
キシテトラメチレングリコールであることを特徴とする
前記(1)の医用材料組成物。 (4)化合物(c)がトリメチロールプロパン、エチレ
ンジアミン又は1,4−ブタンジオールであることを特
徴とする前記(1)の医用材料組成物。 (5)化合物(c)がイソシアナート基と重付加反応す
る官能基を2個有する化合物(c1)と、イソシアナー
ト基と重付加反応する官能基を3個以上有する化合物
(c2)とを組み合わせ使用したものであることを特徴
とする前記(1)の医用材料組成物。 (6)2官能化合物(c1)中のイソシアナート基と重
付加反応する官能基の量が化合物(c1)中及び化合物
(c2)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基
の合計量に対して50〜95モル%、3官能以上化合物
(c2)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基
の量が化合物(c1)中及び化合物(c2)中のイソシ
アナート基と重付加反応する官能基の合計量に対して5
〜50モル%の割合になる量の2官能化合物(c1)及
び3官能以上化合物(c2)を用いたことを特徴とする
前記(5)の医用材料組成物。 (7)2官能化合物(c1)がエチレンジアミン又は
1,4−ブタンジオールであり、3官能以上化合物(c
2)がトリメチロールプロパンであることを特徴とする
前記(5)又は(6)の医用材料組成物。 (8)多官能イソシアナート(a)と化合物(b)の一
部とを混合した後、化合物(b)の残部及び化合物
(c)を添加攪拌することを特徴とする前記(1)の医
用材料組成物の調製方法。 (9)多官能イソシアナート(a)中のイソシアナート
基の量100モルに対して、化合物(b)中のイソシア
ナート基と重付加反応する官能基の量が35〜65モル
の割合で多官能イソシアナート(a)と化合物(b)と
を混合し加熱した後、多官能イソシアナート(a)中の
イソシアナート基の量100モルに対して、化合物
(b)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の
量が5〜55モル(但し、化合物(b)中のイソシアナ
ート基と重付加反応する官能基の合計量は60〜90モ
ルである。)及び化合物(c)中のイソシアナート基と
重付加反応する官能基の量が5〜35モルの割合で化合
物(b)及び化合物(c)を添加することを特徴とする
前記(8)の調製方法。 (10)加熱温度が50〜100℃であることを特徴と
する前記(9)の調製方法。 (11)前記(1)の医用材料組成物を構成する多官能
イソシアナート(a)と、化合物(b)及び化合物
(c)とを重付加反応してなる医用成形物。 (12)前記(1)の医用材料組成物を80〜170℃
に加熱して重付加反応してなる前記(11)の医用成形
物。 (13)重付加反応後、4〜14日間室温下に放置して
熟成してなる前記(11)又は(12)の医用成形物。
【0025】
【発明の効果】本発明の医用材料組成物を架橋してなる
成形品は、高伸縮率の要求される部分に適用した場合に
も高い抗血栓性を有するので、医療用バルーンに好適に
使用することができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでな
い。
【0027】本実施例において行った評価方法を以下に
説明する。 (引張試験)2mm厚のシートを3号形ダンベル(JI
S K6301)で打ち抜き、これをJIS K−63
01に準じて、チャック間距離20mm、引張速度50
0mm/分、温度23℃、相対湿度65%の条件で、引
っ張り破断時の伸度及び引張強度を求めた。
【0028】(永久伸び)2mm厚のシートを3号形ダ
ンベル(JIS K6301)で打ち抜き、それの表面
に引張方向に2cm間隔で標線をマークした。チャック
間距離20mm、引張速度500mm/分、温度23
℃、相対湿度65%の条件で、伸度500%になるまで
引っ張り、その状態で10分間保持した。除力後10分
間放置し、標線の間隔を測定した。引張前後における標
線間隔の差を、引張前の標線間隔(2cm)に対する比
(%)で求め、永久伸びとした。
【0029】(引裂試験)2mm厚のシートを、60m
m×12mmの長方形で、長辺の中央に深さ2mmの直
角三角形の切れ込みのある形に打ち抜き、これを上記引
張試験と同様にして引き裂き破断時の強度を求めた。
【0030】(抗血栓性)バルーンカテーテルをヤギの
大静脈から右心房付近まで挿入した後、カテーテルに生
理食塩水を圧入してバルーンを直径1cmになるまで膨
張させ、10分間放置し、次いで収縮させ、収縮から3
0分経過後、大静脈からバルーンカテーテルを抜き出
し、バルーン部分の表面を肉眼により血栓の有無を観察
した。 ○:血栓が生じていない。 ×:血栓が生じていた。
【0031】実施例1 窒素置換した反応器にジフェニルメタンジイソシアナー
ト100ミリモルを仕込み、80℃に昇温し、次に分子
量1000のポリオキシテトラメチレングリコール50
ミリモルを添加して1時間重付加反応させ(第一段
目)、25℃に冷却し、重付加物を得た。この重付加物
の分子量は約1500であった。次に前記重付加物の入
った反応器を60℃に昇温して、分子量1000のポリ
オキシテトラメチレングリコール25ミリモル、1,4
−ブタンジオール15ミリモル及びテトラヒドロフラン
290gを反応器に添加して10時間攪拌した(第2段
目)後、粘度を2000cpsに調製し、医用材料組成
物を得た。
【0032】この溶液45mlを直径100mmのシャ
ーレに流し込み、窒素気流下でテトラヒドロフランを除
去し(テトラヒドロフラン残量0.2%)、円盤状固形
物を得、次いで、円盤状の固形物を、110℃の恒温器
に24時間放置し、さらに6日間室温下に放置して熟成
して、厚さ2mmのシート(医用成形物)を得た。この
シートの評価結果を表1に示した。
【0033】また、直径1.8mm、長さ100mmの
テフロン被覆ステンレス棒を浸漬して、棒に前記溶液を
付着させ、棒を溶液から引き揚げて室温下に放置しテト
ラヒドロフランを蒸発除去した。さらに110℃の恒温
器に24時間放置して架橋し、さらに7日間室温下に放
置し熟成して、一末端が閉塞した0.15mm厚のチュ
ーブ(医用成形物)を得た。このチューブを長さ1.3
mmに切断し、直径1.8mmの市販カテーテルの先端
部のバルーン用側孔を覆うように取り付けて、バルーン
カテーテルを得た。このバルーンカテーテルの抗血栓性
の評価結果を表1に示した。
【0034】実施例2〜17及び比較例1〜6 実施例1において用いた化合物の種類又は量を表1、表
2又は表3に示すものに変えた他は実施例1と同様にし
て医用材料組成物、シート及びバルーンカテーテルを得
た。シート及びバルーンカテーテルの評価結果を表1、
表2又は表3に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】以上から、化合物(b)中のイソシアナー
ト基と重付加反応する官能基の量が、60モル未満の場
合(比較例1)には医用成形物の永久伸びが大きくな
り、また伸びが小さくなり、逆に90モルを超える場合
(比較例2)には永久伸びが大きくなり、また引張強度
が小さくなることがわかる。化合物(c)中のイソシア
ナート基と重付加反応する官能基の量が5モル未満の場
合(比較例3)には医用成形物の引張強度が小さくな
り、逆に35モルを超える場合(比較例4)には医用成
形物の伸びが小さくなることがわかる。また、化合物
(b)の分子量が700未満の場合には成形物の引張強
度及び伸びが小さくなり、逆に化合物(b)の分子量が
3000を超える場合には医用成形物の永久伸びが大き
くなることがわかる。
【0040】一方、本発明の医用材料組成物を架橋して
なる成形物は引裂強度、引張強度及び伸びが大きく且つ
永久伸びが小さく、バルーン部分に適用しても血栓を発
生し難いことがわかる。特に、イソシアナート基と重付
加反応する官能基を2個有する化合物(c1)と、イソ
シアナート基と重付加反応する官能基を3個以上有する
化合物(c2)とを組み合わせて使用した場合(実施例
6、15及び16)には引裂強度及び引張強度が更に大
きく、また永久伸びが更に小さくなっていることがわか
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能イソシアナート(a)、分子量7
    00〜3000でイソシアナート基と重付加反応する官
    能基を2個以上有する化合物(b)及び分子量500以
    下でイソシアナート基と重付加反応合する官能基を2個
    以上有する化合物(c)を必須成分とし、 化合物(b)中のイソシアナート基と重付加反応する官
    能基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナ
    ート基100モルに対して60〜90モルであり、 化合物(c)中のイソシアナート基と重付加反応する官
    能基の量が、多官能イソシアナート(a)中のイソシア
    ナート基100モルに対して5〜35モルであり且つ化
    合物(b)中及び化合物(c)中のイソシアナート基と
    重付加反応する官能基の合計量が多官能イソシアナート
    (a)中のイソシアナート基100モルに対して80〜
    95モルであることを特徴とする医用材料組成物。
  2. 【請求項2】 多官能イソシアナート(a)と化合物
    (b)の一部とを混合した後、これに化合物(b)の残
    部及び化合物(c)を添加することを特徴とする請求項
    1記載の医用材料組成物の調製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の医用材料組成物を構成す
    る多官能イソシアナート(a)と、化合物(b)及び化
    合物(c)とを重付加反応してなる医用成形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008253786A (ja) * 2008-04-14 2008-10-23 Kaneka Corp 無機結晶を含有する医用カテーテル

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