JP3375052B2 - 電子材料用洗浄水 - Google Patents

電子材料用洗浄水

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JP3375052B2 JP35340397A JP35340397A JP3375052B2 JP 3375052 B2 JP3375052 B2 JP 3375052B2 JP 35340397 A JP35340397 A JP 35340397A JP 35340397 A JP35340397 A JP 35340397A JP 3375052 B2 JP3375052 B2 JP 3375052B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子材料用洗浄水
に関する。さらに詳しくは、本発明は、電子材料の表面
から不純物、特に微粒子を取り除くウェット洗浄におい
て、低濃度の薬剤溶解量で、室温において、効果的に洗
浄を行うことができる電子材料用洗浄水に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基
板、フォトマスク用石英基板などの電子材料の表面から
微粒子を除去することは、製品不良を防ぐために極めて
重要である。この目的のために、従来から、アンモニア
と過酸化水素を混合した水溶液を加温して用いる、いわ
ゆるAPM洗浄が行われている。APM洗浄に用いられ
る薬品の混合比は、アンモニア水(29重量%):過酸化
水素水(30重量%):水=1:1:5が標準であり、洗
浄の温度は80℃前後で行われるのが一般的な方法であ
る。APM洗浄方式は、非常に優れた微粒子除去効果を
示す一方で、大量の高純度薬剤を用いること、そのため
に洗浄後のリンスに大量の超純水が必要であること、排
水処理の負担が大きいこと、加温及び温度調整機構が必
要であること、大量の薬品蒸気を発生させるために蒸気
を排出し、排気量に相当する量の新鮮空気を取り込んで
清浄化する空調設備が必要であることなど、多くの問題
点を有している。微粒子除去効果を損なわずに、上述の
問題点を解消する方法として、薬品を従来より数倍希釈
して用いたり、温度を40℃程度あるいは常温にして、
超音波振動を併用する方法が検討されている。このよう
な改良は、従来法を基礎にしたものであり、量産工場で
も採用しやすいという長所を有するが、問題点の改善効
果は小さかった。このために、薬剤の使用量が少なく、
常温で洗浄することができ、しかも洗浄効果の大きい電
子材料用洗浄水が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子材料の
表面から不純物、特に微粒子を取り除くウェット洗浄に
おいて、低濃度の薬剤溶解量で、室温において、効果的
に洗浄を行うことができ、省資源、環境保全の効果が大
きく、かつ量産工場でも採用しやすい電子材料用洗浄水
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アンモニアと過
酸化水素を低濃度に含有する水に、大気飽和濃度より高
濃度に酸素ガスを溶解させてなる洗浄水が、電子材料表
面に付着した微粒子の除去に優れた効果を有することを
見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)大気飽和濃度より高濃
度に酸素ガスを溶解し、かつアンモニア0.1〜10,0
00mg/リットルと過酸化水素0.1〜10,000mg/
リットルを含有することを特徴とする電子材料用洗浄
水、及び、(2)被洗浄物である電子材料が、半導体用
シリコン基板、液晶用ガラス基板又はフォトマスク用石
英基板である第(1)項記載の電子材料用洗浄水、を提供
するものである。さらに、本発明の好ましい態様とし
て、(3)溶存酸素ガス濃度が12mg/リットル以上で
ある第(1)項記載の電子材料用洗浄水、(4)溶存酸素
ガス濃度が20mg/リットル以上である第(3)項記載の
電子材料用洗浄水、(5)溶存酸素ガス濃度が30mg/
リットル以上である第(4)項記載の電子材料用洗浄水、
(6)水を脱気して溶存気体の飽和度を低下させたの
ち、酸素ガスを供給して水に酸素ガスを溶解することを
特徴とする第(1)項記載の電子材料用洗浄水の製造方
法、(7)酸素ガスの飽和度換算供給量が、脱気した気
体の飽和度の低下量にほぼ相当する量である第(6)項記
載の電子材料用洗浄水の製造方法、(8)水からの溶存
気体の除去及び酸素ガスの溶解に気体透過膜モジュール
を用いる第(7)項記載の電子材料用洗浄水の製造方法、
(9)気体透過膜モジュールを2段に設け、前段の気体
透過膜モジュールを用いて全溶存気体を対象とする減圧
膜脱気を行い、後段の気体透過膜モジュールを用いて酸
素ガスを溶解する第(8)項記載の電子材料用洗浄水の製
造方法、(10)第(1)項項記載の電子材料用洗浄水
に、周波数400kHz以上の超音波振動を伝達しつつ洗
浄することを特徴とする電子材料の洗浄方法、及び、
(11)電子材料用洗浄水を、室温のまま用いて洗浄す
る第(10)項記載の電子材料の洗浄方法、を挙げること
ができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電子材料用洗浄水は、大
気飽和濃度より高濃度に酸素ガスを溶解し、かつアンモ
ニア0.1〜10,000mg/リットル及び過酸化水素
0.1〜10,000mg/リットルを含有するものであ
る。本発明の電子材料用洗浄水に用いる水は、超純水で
あることが好ましい。また、本発明の電子材料用洗浄水
に用いるアンモニア及び過酸化水素水は、電子材料用グ
レードの高純度品であることが好ましい。大気飽和濃度
とは、大気と平衡状態にある水中に溶解している気体の
濃度である。酸素ガスの大気飽和濃度は、温度により変
動し、低温においては高く、高温においては低くなる
が、20〜25℃においては、8〜9mg/リットル程度
である。本発明の電子材料用洗浄水は、溶存酸素ガス濃
度が12mg/リットル以上であることが好ましく、20
mg/リットル以上であることがより好ましく、30mg/
リットル以上であることがさらに好ましい。本発明の電
子材料用洗浄水は、使用目的に応じて溶存酸素ガス濃度
を選定することができる。大気飽和濃度より高濃度に酸
素ガスを溶解し、かつ低濃度のアンモニアと過酸化水素
を含有する本発明の電子材料用洗浄水は、電子材料表面
の金属汚染、有機物汚染及び微粒子汚染のすべてに対し
て除去効果を有するが、特に微粒子汚染の除去に対して
優れた効果を発揮する。本発明の電子材料用洗浄水は、
半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基板、フォトマス
ク用石英基板などの洗浄に、好適に使用することができ
る。
【0006】本発明の電子材料用洗浄水の製造方法には
特に制限はなく、あらかじめ大気飽和濃度より高濃度に
酸素ガスを溶解した水に、アンモニア及び過酸化水素を
添加して製造することができ、あるいは、アンモニア及
び過酸化水素を含有する水に大気飽和濃度より高濃度に
酸素ガスを溶解して製造することもできる。これらの方
法の中で、あらかじめ酸素ガスを溶解した水に、アンモ
ニア及び過酸化水素を添加する方法が好ましい。アンモ
ニア及び過酸化水素を添加する前に酸素ガスを溶解する
方法によれば、酸素ガスの溶解に先立って水を脱気し、
溶存気体の飽和度を低下さても、アンモニアが気相に移
行して失われたり、あるいは、水中の酸素ガス濃度が低
下して過酸化水素の分解が促進されたりするおそれがな
い。水への酸素ガスの溶解は、水を脱気して溶存気体の
飽和度を低下したのち、酸素ガスを供給して水に酸素ガ
スを溶解させる方法が好ましい。本発明において、気体
の飽和度とは、水中に溶解している気体の量を、圧力1
5Pa、温度20℃における気体の溶解量で除した値
である。例えば、水が圧力105Pa、温度20℃の窒
素ガスと接して平衡状態にあるとき、水への窒素ガスの
溶解量は19.2mg/リットルであるので、水中に溶解
している気体が窒素ガスのみであって、その溶解量が1
9.2mg/リットルである水の飽和度は1.0倍であり、
水中に溶解している気体が窒素ガスのみであって、その
溶解量が9.6mg/リットルである水の飽和度は0.5倍
である。また、圧力105Pa、温度20℃で空気と接
して平衡状態にある水は、窒素ガス15.4mg/リット
ル及び酸素ガス8.8mg/リットルを溶解して飽和度1.
0倍の状態となっているので、脱気により気体の溶解量
を窒素ガス1.5mg/リットル、酸素ガス0.9mg/リッ
トルとした水の飽和度は0.1倍である。さらに、水が
圧力105Pa、温度20℃の酸素ガスと接して平衡状
態にあるとき、水への酸素ガスの溶解量は44.0mg/
リットルであるので、水中に溶解している気体が酸素ガ
スのみであり、その溶解量が22.0mg/リットルであ
る水の飽和度は0.5倍である。
【0007】本発明の電子材料用洗浄水において、洗浄
用機能水としての効果を高めるためには、溶存酸素ガス
濃度は高いほど望ましく、大気圧下、常温での飽和濃度
である約44mg/リットルに近づくほど、洗浄効果は高
まる。しかし、飽和付近まで溶存酸素ガス濃度を高めな
くとも、あるレベル以上の濃度があれば、実質的に有効
な電子材料用洗浄水となる。その濃度は、12mg/リッ
トル以上、好ましくは20mg/リットル程度、すなわ
ち、常温、大気圧下における溶存酸素ガスの飽和度の1
/2倍弱であることが、本発明者らによってすでに確認
されている。溶存酸素ガス濃度を30mg/リットル程
度、すなわち、飽和度の70%程度まで高めると、一層
高い洗浄効果を得ることができる。本発明の電子材料用
洗浄水の製造において、水の脱気の程度に特に制限はな
いが、溶存酸素ガス濃度が20mg/リットル以上の電子
材料用洗浄水を効率よく製造するためには、溶解すべき
酸素ガスの飽和度に相当する量の溶存気体を脱気して、
水中の気体溶解キャパシティーに空きを作ることが好ま
しい。例えば、飽和度の1/2倍以上の酸素ガスを溶解
する場合は、飽和度の1/2倍以上に相当する溶存気体
をあらかじめ脱気により除去することが好ましい。飽和
度に換算した原水の溶存気体の脱気量と、飽和度に換算
した溶解すべき酸素ガスの量をほぼ等しくすることによ
り、酸素ガスを無駄なく容易に溶解することができる。
【0008】溶存気体を制御していない、大気と平衡状
態にある水には、常温で約8mg/リットルの酸素ガス、
約16mg/リットルの窒素ガスと、微量の炭酸などが溶
解している。この水を原水とする場合には、溶存窒素ガ
ス濃度を8mg/リットル程度以下、すなわち飽和度の1
/2程度以下に低減させれば、酸素ガスを飽和度の1/
2程度まで容易に溶解することができ、溶存酸素ガス濃
度20mg/リットル以上の電子材料用洗浄水を得ること
ができる。本発明方法において、原水とする水は、必ず
しも大気と平衡状態である必要はなく、溶存気体の種
類、濃度比率などには全く制限はない。例えば、ほぼ窒
素ガスのみによって溶存気体が置換され、溶存窒素ガス
濃度が高められた原水であれば、そこから溶存窒素ガス
を必要な飽和度に相当する量だけ脱気すれば、目的を達
することができる。要するに、総溶存気体の低減量を飽
和度に換算し、それが溶解すべき酸素ガスの飽和度に見
合う以上の量であればよい。本発明の電子材料用洗浄水
の製造における脱気処理としては、気体の種類にかかわ
らず除去することができる真空脱気や減圧膜脱気などに
よることが好ましい。これらの中で、高純度脱気膜モジ
ュールによる膜脱気は、比較的ユースポイントに近いと
ころで、原水の純度を損なうことなく、微量に溶存する
気体を脱気することができるので、特に好適に使用する
ことができる。
【0009】本発明において、水に酸素ガスを溶解する
方法には特に制限はなく、例えば、水を脱気することな
く高濃度の酸素ガスをバブリングなどにより水に接触さ
せ、ヘンリーの法則に基づいて水中の溶存窒素ガスを減
らし、溶存酸素ガス濃度を30mg/リットル以上とする
ことができる。水に酸素ガスをバブリングする方法によ
れば、水中の溶存酸素ガスを一定の濃度まで高めるため
に必要な酸素ガスの量が多いが、特殊な装置を使用する
ことなく、簡便に高濃度に溶存酸素ガスを含有する水を
製造することができる。水に酸素ガスをバブリングする
ことにより酸素ガスを溶解した水を製造するに際して、
あらかじめ水から溶存気体を除去したのち、酸素ガスを
バブリングすることが好ましい。水から溶存気体を除去
する方法には特に制限はなく、例えば、脱気膜装置に通
水することができ、あるいは、減圧に保った充填塔に通
水することもできる。水から溶存気体を除去したのち酸
素ガスをバブリングすることにより、水中の溶存酸素ガ
スを一定の濃度まで高めるために必要な酸素ガスの量を
減少することができる。本発明において、気体透過膜モ
ジュールを使用して水中の溶存酸素ガス濃度を高めるこ
ともできる。例えば、酸素ガスをスウィープガスとし
て、気体透過膜モジュールの気相に通気することによ
り、溶存酸素ガス濃度を30mg/リットル以上とするこ
とができる。大気と平衡状態にある水中の酸素ガス以外
の溶存気体は、ほとんど窒素ガスであるので、気体透過
膜モジュールの気相の酸素ガス分圧を高め、水に溶解し
ている窒素ガスと置換することによって溶存窒素ガスを
減らし、溶存酸素ガス濃度を高めることができる。酸素
ガスをスウィープガスとする方法によれば、ある程度過
剰の酸素ガスを必要とするが、簡単な装置を用いて簡便
に溶存酸素ガス濃度を高めることができる。
【0010】本発明においては、気体透過膜モジュール
を多段に用いて溶存気体の除去及び酸素ガスの溶解を行
うこともできる。例えば、気体透過膜モジュールを2段
に設け、前段の気体透過膜モジュールを用いて全溶存気
体を対象とする減圧膜脱気を行い、後段の気体透過膜モ
ジュールを用いて酸素ガスを溶解することができる。気
体透過膜モジュールを2段に設けて、全溶存気体を対象
とする減圧膜脱気と酸素ガスの溶解を行うことにより、
酸素ガスを無駄に放出することなく、ほぼ定量的に水に
溶解することができる。気体透過膜モジュールを2段に
設け、前段の気体透過膜モジュールを用いて全溶存気体
を対象とする減圧膜脱気を行う場合、前段の気体透過膜
モジュールの減圧気相に酸素ガスを存在させることがで
きる。前段の気体透過膜モジュールの減圧気相に酸素ガ
スを存在させることにより、酸素ガスの使用量はやや増
加するが、前段の気体透過膜モジュールにおける窒素ガ
ス除去効率が向上し、同時に水にある程度の酸素ガスを
溶解することができる。本発明においては、必要とする
溶存酸素ガス濃度や、電子材料用洗浄水の使用量などに
応じて、適宜酸素ガスの溶解方法を選択することができ
る。
【0011】本発明の電子材料用洗浄水において、アン
モニアの含有量は0.1〜10,000mg/リットルであ
り、より好ましくは1〜100mg/リットルである。電
子材料用洗浄水がアンモニアを含有することにより、電
子材料用洗浄水はアルカリ性となり、微粒子と被洗浄物
の表面電位がともに負となるので、微粒子の被洗浄物表
面への再付着を防止することができる。アンモニアの含
有量が0.1mg/リットル未満であると、洗浄効果が不
十分となるおそれがある。アンモニアの含有量は、1
0,000mg/リットル以下で十分な洗浄効果が発現
し、通常は10,000mg/リットルを超えるアンモニ
アの含有は必要ではなく、アンモニアの含有量が多すぎ
ると、洗浄後のリンスに必要な水の量が多くなるおそれ
がある。本発明の電子材料用洗浄水において、過酸化水
素の含有量は0.1〜10,000mg/リットルであり、
より好ましくは1〜100mg/リットルである。電子材
料用洗浄水が過酸化水素を含有することにより、酸素ガ
スのみを溶解した場合よりも、酸化性を安定して維持
し、被洗浄物表面の荒れを防止することができる。過酸
化水素の含有量が0.1mg/リットル未満であると、洗
浄効果が不十分となるおそれがある。過酸化水素の含有
量は、10,000mg/リットル以下で十分な洗浄効果
が発現し、通常は10,000mg/リットルを超える過
酸化水素の含有は必要ではなく、過酸化水素の含有量が
多すぎると、洗浄後のリンスに必要な水の量が多くなる
おそれがある。
【0012】本発明の電子材料用洗浄水を、電子材料、
特に、微粒子で汚染された電子材料と接触させる方法に
は特に制限はなく、微粒子の種類、粒度、付着量などに
応じて適宜選択することができる。例えば、微粒子で汚
染された電子材料を電子材料用洗浄水に浸漬してバッチ
洗浄することができ、あるいは、1枚ずつ処理する枚葉
式洗浄を行うこともできる。枚葉式洗浄の方法として
は、微粒子で汚染された電子材料を回転させつつ電子材
料用洗浄水を流しかけるスピン洗浄などを挙げることが
できる。本発明の電子材料用洗浄水を用いて、微粒子で
汚染された電子材料を洗浄するに際して、電子材料用洗
浄水に超音波振動を伝達することができる。電子材料用
洗浄水に超音波振動を伝達する方法には特に制限はな
く、例えば、バッチ洗浄においては、電子材料用洗浄水
を貯留した槽に超音波振動を伝達することができ、スピ
ン洗浄においては、流しかける電子材料用洗浄水のノズ
ル部において、超音波振動を伝達することができる。伝
達する超音波振動の周波数は、20kHz以上であること
が好ましく、400kHz以上であることがより好まし
い。超音波振動の周波数が20kHz未満であると、微粒
子で汚染された電子材料からの微粒子の除去が不十分と
なるおそれがある。被洗浄物の表面に損傷を与えない精
密洗浄を行うには、400kHz以上の、特に高周波数の
超音波振動を伝達することが好ましい。本発明の電子材
料用洗浄水は、室温において優れた微粒子除去効果を示
し、高い微粒子除去率で電子材料の表面を洗浄すること
ができるので、従来のAPM洗浄のように高温に加熱す
ることを必要としない。そのために、本発明の電子材料
用洗浄水を用いることにより、エネルギーコストを低減
し、作業環境を改善することができる。
【0013】本発明の電子材料用洗浄水は、密閉式の電
子材料用洗浄水貯槽から配管を通してユースポイントま
で送水し、余剰の電子材料用洗浄水を配管を通して密閉
式の電子材料用洗浄水貯槽に返送し、循環利用する電子
材料用洗浄水の供給装置を用いて、好適に使用すること
ができる。図1は、本発明の電子材料用洗浄水の製造、
供給装置の一態様の系統図である。原水は、真空ポンプ
1により気相側が減圧に保たれた前段の気体透過膜モジ
ュール2に送られ、溶存気体が除去される。溶存気体が
除去された水は、次いで後段の気体透過膜モジュール3
に送られ、酸素ガス供給器4から供給される酸素ガスが
所定濃度になるように溶解されて、大気飽和濃度より高
濃度に酸素ガスを溶解した水となる。大気飽和濃度より
高濃度に酸素ガスを溶解した水には、次いで、アンモニ
ア水貯槽5よりポンプ6によりアンモニア水が、また、
過酸化水素水貯槽7よりポンプ8により過酸化水素水が
注入されて本発明の電子材料用洗浄水が調製され、密閉
式の電子材料用洗浄水貯槽9に貯留される。大気飽和濃
度より高濃度に酸素ガスを溶解した水の流入量及び貯槽
内の電子材料用洗浄水のアンモニアと過酸化水素の濃度
を計測し、コントローラーに信号を送ってポンプ6及び
ポンプ8によるアンモニア水及び過酸化水素水の注入量
を制御し、貯槽内の電子材料用洗浄水のアンモニア及び
過酸化水素の濃度を所定の値に保つことができる。密閉
式の電子材料用洗浄水貯槽9に貯留された電子材料用洗
浄水は、ポンプ10により配管11を通してユースポイ
ント12まで送給される。ユースポイントで使用されな
かった余剰の電子材料用洗浄水は、配管を通して密閉式
の電子材料用洗浄水貯槽に返送し、循環して再利用する
ことができる。
【0014】酸素ガスを溶解し、低濃度のアンモニア及
び過酸化水素を含有する本発明の電子材料用洗浄水は、
酸素ガスは自己分解を起こさず極めて安定であり、含有
するアンモニアと過酸化水素も低濃度であるために、密
閉式の貯槽と供給配管を使用することにより、長時間に
わたって水質を保持することができる。このような装置
を用いることにより、多くのユースポイントに対して個
々に洗浄水製造装置を設けることなく、集中的に電子材
料用洗浄水を製造し、主配管と分岐配管とを通して、複
数のユースポイントまで水質の安定した電子材料用洗浄
水を供給することができる。しかも、ユースポイントで
使用されなかった余剰の電子材料用洗浄水は貯槽に返送
し、繰り返しユースポイントへ送って使用する循環シス
テムを形成することができる。本発明の電子材料用洗浄
水によれば、微粒子で汚染された電子材料の洗浄に使用
する薬品の量を大幅に減少し、室温での洗浄により高い
洗浄効果を得ることができ、さらに、電子材料の洗浄後
の廃液処理が容易になる。すなわち、従来の洗浄廃液
は、アンモニアや過酸化水素を大量に含んだ高濃度の状
態で排出されるため、中和処理や分解処理が必要であ
り、廃液処理においても洗浄液の調製に使用したのと同
程度の量の薬品が必要となる。本発明においては、排出
されるのは低濃度のアンモニアと過酸化水素を含んだ液
であり、例えば、少量の酸を加えて中和することにより
放流し得る水質となる。もちろん、原水として再利用す
ることも可能な水質である。廃液中に含まれる過酸化水
素は微量であり、通常は安全上の問題を生ずることはな
いが、使用環境によっては、必要に応じて廃液中に溶存
する過酸化水素を分解することができる。例えば、過酸
化水素を含有した水を、白金、パラジウム、二酸化マン
ガンなどの触媒と接触させることにより、過酸化水素を
分解して水と酸素ガスとし、除去することができる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、洗浄水の調製には超純水を用いた。 実施例1 オゾンを含有する超純水で表面を酸化した直径6インチ
のシリコンウェーハを、アルミナ微粉末で汚染すること
により、表面にアルミナの微粒子が付着した汚染ウェー
ハを作製した。この汚染ウェーハについて、レーザー散
乱光検出方式に基づくウェーハ・ゴミ検出装置[東京光
学機械(株)]により付着微粒子数を測定したところ、ウ
ェーハ1枚当たり、直径0.2〜0.5μmの微粒子が1
2,600個、直径0.5〜1.0μmの微粒子が31,2
00個、直径1.0μm以上の微粒子が200個、合計
44,000個であった。この汚染ウェーハを500rpm
で回転させ、酸素30mg/リットルを溶解し、アンモニ
ア10mg/リットル、過酸化水素10mg/リットルを含
有する電子材料用洗浄水に、室温で、超音波照射ノズル
[プレテック社、Fine Jet]を用いて周波数1.
6MHz、出力13.5W/cm2の超音波振動を伝達しつ
つ、800ml/分で流しかけ、60秒間スピン洗浄を行
った。次いで、超純水を用いてすすぎを行ったのち乾燥
した。乾燥後のウェーハ表面の付着微粒子数を、同様に
して測定したところ、ウェーハ1枚当たり、直径0.2
〜0.5μmの微粒子が130個、直径0.5〜1.0μ
mの微粒子が310個、直径1.0μm以上の微粒子が
0個、合計440個であり、ウェーハ表面の微粒子の除
去率は99%であった。 比較例1 アンモニア10mg/リットル、過酸化水素10mg/リッ
トルを含有するが、酸素ガスを大気飽和濃度しか溶解し
ていない室温の洗浄水を用いた以外は、実施例1と同様
にして、実施例1で調製した汚染ウェーハの洗浄を行っ
た。乾燥後のウェーハ表面の付着微粒子数を、実施例1
と同様にして測定したところ、ウェーハ1枚当たり、直
径0.2〜0.5μmの微粒子が6,400個、直径0.5
〜1.0μmの微粒子が16,500個、直径1.0μm
以上の微粒子が95個、合計22,995個であり、ウ
ェーハ表面の微粒子の除去率は48%であった。 比較例2 アンモニア4.1重量%と過酸化水素4.3重量%を含有
するいわゆるAPM洗浄水を80℃に加熱して用い、超
音波振動の伝達を行わなかった以外は、実施例1と同様
にして、実施例1で調製した汚染ウェーハの洗浄を行っ
た。乾燥後のウェーハ表面の付着微粒子数を、実施例1
と同様にして測定したところ、ウェーハ1枚当たり、直
径0.2〜0.5μmの微粒子が145個、直径0.5〜
1.0μmの微粒子が340個、直径1.0μm以上の微
粒子が1個、合計486個であり、ウェーハ表面の微粒
子の除去率は99%であった。 比較例3 比較例2に用いたAPM洗浄水を10倍に希釈したアン
モニア0.41重量%と過酸化水素0.43重量%を含有
する洗浄水を用い、実施例1と同様にして、室温で超音
波振動を伝達しつつ、実施例1で調製した汚染ウェーハ
の洗浄を行った。乾燥後のウェーハ表面の付着微粒子数
を、実施例1と同様にして測定したところ、ウェーハ1
枚当たり、直径0.2〜0.5μmの微粒子が3,440
個、直径0.5〜1.0μmの微粒子が8,500個、直
径1.0μm以上の微粒子が55個、合計11,995個
であり、ウェーハ表面の微粒子の除去率は73%であっ
た。実施例1及び比較例1〜3の洗浄水組成、洗浄条件
及び微粒子除去率を第1表に示す。
【0016】
【表1】
【0017】第1表の結果に見られるように、実施例1
の本発明の電子材料用洗浄水は、比較例3の従来のAP
M洗浄水に比べて、アンモニアと過酸化水素の含有量が
いずれも4,000分の1という低濃度であるにもかか
わらず、また、洗浄を室温で行っているにもかかわら
ず、微粒子により汚染されたウェーハの洗浄において、
APM洗浄と同等の微粒子除去率を示している。アンモ
ニアと過酸化水素の含有量が実施例1の電子材料用洗浄
水と同じであっても、酸素ガスを大気飽和濃度にしか溶
解していない比較例1の洗浄水では、微粒子除去率が半
減していることからも、大気飽和濃度より高濃度に酸素
ガスを溶解している本発明の電子材料用洗浄水の有効性
が確認される。また、従来のAPM洗浄水のアンモニア
と過酸化水素の濃度を10分の1とした比較例3の洗浄
水は、超音波振動を伝達しても微粒子除去率は70%程
度に低下し、APM洗浄を効果的に行うためには、薬剤
を高濃度に含有する高温の洗浄水が欠かせないことが分
かる。
【0018】
【発明の効果】本発明の電子材料用洗浄水は、大気飽和
濃度より高濃度に酸素ガスを溶解しているので、アンモ
ニアと過酸化水素の含有量が従来のAPM洗浄水より格
段に低いにもかかわらず、従来のAPM洗浄と同等の微
粒子除去効果を有している。本発明の電子材料用洗浄水
は、アンモニアと過酸化水素を含有するという点で、従
来方式であるAPM洗浄水の延長上にあるものであり、
量産工場の既設装置をそのまま使用することができ、適
用上の障害がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電子材料用洗浄水の製造、供
給装置の一態様の系統図である。
【符号の説明】
1 真空ポンプ 2 前段の気体透過膜モジュール 3 後段の気体透過膜モジュール 4 酸素ガス供給器 5 アンモニア水貯槽 6 ポンプ 7 過酸化水素水貯槽 8 ポンプ 9 電子材料用洗浄水貯槽 10 ポンプ 11 配管 12 ユースポイント
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−158494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 7/02,7/18,7/60 B08B 3/08 H01L 21/304 647

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気飽和濃度より高濃度に酸素ガスを溶解
    し、かつアンモニア0.1〜10,000mg/リットルと
    過酸化水素0.1〜10,000mg/リットルを含有する
    ことを特徴とする電子材料用洗浄水。
  2. 【請求項2】被洗浄物である電子材料が、半導体用シリ
    コン基板、液晶用ガラス基板又はフォトマスク用石英基
    板である請求項1記載の電子材料用洗浄水。
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